JP4825119B2 - 靴下及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、土踏まず部に適度な刺激感を与えるマッサージ効果を有する靴下に関し、特にウォーキングに適した靴下に関する。
従来より、編み組織によって形成される凹凸状の畝によって足の土踏まず部にマッサージ効果を与える靴下が提案されている。
実用新案登録第3076702号公報
例えば、上記特許文献1には、靴下の裏地にタック編又はパール編で凹凸状の畝を3次元的に編成させた凹凸状畝付き靴下が開示されている。
上記のような構成の従来の靴下によれば、靴下を履いたときに凹凸状の畝が直接足の裏の表面に触れ、上から体重がかかって押圧力が働くことで刺激が与えられ、一定のマッサージ効果を得ることができるとされている。
しかしながら、上記のような構成の従来の靴下は、例えばタック編みやパール編み等の編み組織による凹凸を利用するに留まっているため、形成される凸部は厚みの点でも硬さの点でも、適切なマッサージ効果を得るのには不十分なものであった。
ところで、人の土踏まずには、図6(b)に示すように、縦足弓H1(縦アーチ)と横弓H2(横アーチ)が形成されており、その2つのアーチが歩行接地時の衝撃を緩和するクッションのような役割とともに、体重を足全体に分散させて、スムーズな体重移動を行うのに重要な役割を果たしている。
縦足弓H1は、図6(a)に示すように、踵骨結節G31を起点とし、距骨、舟状骨、内側楔状骨を超えて第1中足骨G21にかけてアーチを形成している内側弓と、踵骨結節G31を起点として立法骨を通り、第5中足骨G22にかけてアーチを形成している外側弓とからなる。一方、横足弓H2は、図6(a)に示すように、第1中足骨G21から第5中足骨G22にかけて形成される前アーチと、3個の楔状骨を含み、土踏まずの左側G32から右側G33にかけて形成される主アーチとからなる。
また、人の土踏まずには、図6(b)に示すように、足底腱膜H3が存在する。足底腱膜H3は、踵骨より各足指へ向かって広がる強靭な腱膜であり、縦足弓H1の保持に重要な役割を担っている。足底腱膜H3が正常であれば、歩行又はランニング中、縦足弓H1が撓んだり、緊張することで、地面と足部の衝撃を和らげるクッションとしての役割が良好に機能する。しかし、足全体の構造が硬く足底腱膜H3の柔軟性が乏しい足部では、ランニングなどで足底が地面に接地した際に、撓んだり緊張したりすることが出来ず、足底腱膜H3に強い緊張が生じて、それを繰り返すことで腱膜に負担がかかり過ぎて炎症(足底腱膜炎)を起こす場合がある。
このように、一般に、加齢や運動不足による脹脛等の筋力の低下、あるいはスポーツ等による足の酷使により、足底腱膜に小さな断裂を起こして炎症による痛みをもたらす場合があるが、多くは3ヶ月から3年以内に自然治癒するため、足裏のマッサージ運動や足裏への負担を減らす工夫をして、痛みが落ち着くのを待つケースが多いと言われている。例えば、歩行時の衝撃を吸収するために、踵や土踏まずの部分にクッション材(ヒールカップ)やアーチサポートを入れたり、足裏に柔らかい足底板を着けて足底腱膜への負担を軽減したり、また、靴を脱いだ裸足の状態で、ゴルフボールの上に足の土踏まずの部分を載せて転がすことによりマッサージを行ったり、足指をそらして土踏まずの部分を指で圧迫したり、タオルギャザーの上で足裏のマッサージを行って土踏まずの部分を刺激したりすることが行われている。
ところが、編み組織によって凹凸を設けた従来の靴下は、足底腱膜の炎症に悩む人に対するマッサージ効果としては不十分であった。そのため、靴下の足底部の内面に別途ゴムやシリコーン等の部材を取り付けることも考えられたが、ゴムやシリコーンを取り付ける工程が別途必要となり、製作コストが高くなるという問題があった。
本発明が解決しようとする問題点は、従来の靴下では、編組織によって凹凸を形成しているため、凸部の厚みや硬さが不足している点、及び、靴下の足底部の内面にゴムやシリコーン等の部材を取り付ける構成では、ゴム等の取付け工程が別途必要となり、製作コストが高くなるという点である。
上記の目的を達成するため、本発明の靴下は、
靴下の足底部に、足裏の土踏まず部の足底腱膜の一部を含む範囲に対応させて、バルキー糸と熱可塑性繊維糸を編み込んだマッサージ部を設け、前記マッサージ部を熱セットすることにより、前記バルキー糸が嵩高になるとともに前記熱可塑性繊維糸の少なくとも一部を前記バルキー糸に溶着させ、前記マッサージ部に所要の厚みと硬さを付与した靴下であって、
前記バルキー糸として、高収縮性のアクリル繊維と低収縮性のアクリル繊維とを混紡した糸を用いると共に、
前記マッサージ部は、足裏の足底腱膜の方向と直交する向きに配置した短冊状の凸部が所要の間隔をあけてすのこ状に配置されていることを最も主要な特徴点としている。
かかる構成の本発明の靴下では、バルキー糸と熱可塑性繊維糸を編み込んだマッサージ部を熱セットすることにより、バルキー糸が嵩高になるとともに熱可塑性繊維糸の少なくとも一部を前記バルキー糸に溶着させ、前記マッサージ部に所要の厚みと硬さを付与できるため、編み組織のみで形成された従来の靴下の凸部よりも厚みがあり、しかも硬いマッサージ部を提供することができる。
本発明は、靴下の内面にゴムやシリコーン等の部材を取り付ける工程を別途設けることなく、適度なマッサージ効果を得るという目的を、靴下の足底部に、足裏の土踏まず部の足底腱膜の一部を含む範囲に対応させて、バルキー糸と熱可塑性繊維糸を編み込んだマッサージ部を設け、前記マッサージ部を熱セットすることにより、前記バルキー糸が嵩高になるとともに前記熱可塑性繊維糸の少なくとも一部を前記バルキー糸に溶着させ、前記マッサージ部に所要の厚みと硬さを付与すると共に、前記バルキー糸として、高収縮性のアクリル繊維と低収縮性のアクリル繊維とを混紡した糸を用い、前記マッサージ部は、足裏の足底腱膜の方向と直交する向きに配置した短冊状の凸部が所要の間隔をあけてすのこ状に配置することによって実現した。
本発明では、前記マッサージ部は、少なくとも足裏の土踏まず部の足底腱膜の一部を含む範囲に対応して設けることがより望ましい。前述のように、足底腱膜の炎症を和らげる手段として、ゴルフボールの上に足の土踏まずの部分を載せて転がすことによりマッサージを行ったり、足指をそらして土踏まずの部分を指で圧迫したり、タオルギャザーの上で足裏のマッサージを行っているのが現状であるが、本発明の靴下のマッサージ部を足裏の土踏まず部の足底腱膜に沿う範囲に対応して設けることにより、同様のマッサージ効果が期待できるからである。
また、本発明のマッサージ部は、短冊状の凸部を所要の間隔をあけてすのこ状に配置したものであることがより望ましい。このようにすれば、体重によって局部的に押圧されるため、より効率的なマッサージ効果が期待できるからである。なお、短冊状の凸部の間隔は、適宜設計すれば良いが、例えば2mm〜8mmの範囲とすることができる。
また、上記のように短冊状の凸部をすのこ状に配置する場合、前記短冊状の凸部は、足裏の土踏まず部の足底腱膜の方向と直交する向きに配置する方がより望ましい。足底腱膜は足の足長方向に張っている腱膜であるが、それと直する方向に短冊状の凸部を配置すれば、歩行の度に体重によって押圧されて凸部の間隔が縮まったり、元に回復する動作が繰り返され、足底腱膜をマッサージする効果が向上するからである。
本発明では、バルキー糸と熱可塑性繊維糸を編み込んだマッサージ部を熱セットすることにより、バルキー糸が嵩高になるとともに熱可塑性繊維糸の少なくとも一部を前記バルキー糸に溶着させるので、タック編みやパール編み等の編み組織のみで凸部を設けていた従来の靴下と比較して、マッサージ部へ確実に厚みを与えることができる。そして、本発明者が検討したところによると、マッサージ部をパイル編みで編成し、その厚みは、2.8mm〜6.0mmの範囲とすることがより望ましいことが判明している。通常の靴下編機の特性上、バルキー糸の嵩高性を考慮したとしても、6.0mmを超える厚みを設けることは困難であり、仮に、かかる厚みを設けることができたとしても、生産効率や品質の低下を招くおそれが非常に高いからである。また、2.8mmを下回る厚みであれば、実際に着用した際に、十分なマッサージ効果が得られないおそれが高いからである。従って、前記2.8mm〜6.0mmの範囲は、生産性、品質、マッサージ効果の観点から最も望ましい範囲である。
また、上記の構成を採用することにより、本発明の靴下では、編み組織のみで凸部を設けていた従来の靴下と比較して、マッサージ部の硬さを確実に硬いものとすることができる。そして、本発明者が検討したところによると、前記マッサージ部の圧縮仕事量は、繊維製品の圧縮特性を計測する試験機を用いて、上限圧縮荷重50gf/cm2 、圧縮速度0.02mm/secの条件下で測定した値が、0.4〜0.8gfcm/cm2 の範囲であることが望ましいことが判明している。この圧縮仕事量は、数値が小さいほど被験物の硬度が高いことを示すのであるが、計測値が0.4を下回るにつれ土踏まず部への刺激感が過剰となり、快適な歩行運動の妨げとなる一方、計測値が6.0を上回るにつれ、土踏まず部への刺激感が体感できなくなり、それに伴ってマッサージ効果も希薄となってしまう。従って、前記0.4〜0.8gfcm/cm2 の範囲は、歩行運動による土踏まず部への刺激感と、それに伴うマッサージ効果を得るために必要な圧縮仕事量(硬さ)の範囲である。
本発明では、バルキー糸として、高収縮性の繊維と低収縮性の繊維とを混紡した糸を用いることがより望ましい。熱セットしたときに高収縮性の繊維が収縮し、低収縮性の繊維はループ上に膨らんで嵩高となることにより、マッサージ部を効率的に嵩高に形成できるからである。また、バルキー糸としては、例えばウールを用いることができる。しかし、ウールの場合はコストアップとなる上、熱セットしたときにマッサージ部を嵩高にする効果が比較的小さい。そこで、この問題を解決するために、本発明では、バルキー糸として高収縮性の繊維と低収縮性の繊維とを混紡した糸を用いる場合、高収縮性の繊維、及び低収縮性の繊維として、アクリル繊維を用いることが望ましい。
このように、高収縮性のアクリル繊維と低収縮性のアクリル繊維とを混紡した糸を熱セットすると、高収縮性のアクリル繊維が収縮するため、低収縮性のアクリル繊維はループ上に膨らみ、嵩高となる。この作用を利用して、マッサージ部を効率的に嵩高に形成することができる。
また、本発明では、熱可塑性繊維糸として、例えば、熱接着性の高い低融点ナイロン糸や、糸の表面にループを形成したブークレ糸などを用いることができる。しかし、低融点ナイロン糸の場合は、熱セット後に潰れやすく肌触りもチクチクした感じが残るという点で問題がある。また、ブークレ糸の場合は、溶着性が低く、編みにくいという問題がある。そこで、これらの問題を解決するために、本発明では、熱可塑性繊維糸として、エチレンとビニルアルコールの共重合体からなる繊維とポリエステルとの複合繊維である、エチレンビニルアルコール繊維糸を用いることが望ましい。
本発明の靴下では、マッサージ部の編み構造は、鹿の子状にパイル組織を配置した構造であることが望ましい。このように、鹿の子状にパイル組織を配置することにより、バルキー糸と熱可塑性繊維糸の接触する部分が多くなって、パイルループ同士が熱可塑性繊維で溶着しやすくなり、硬度を確保することも容易となるからである。また、熱セットによる硬化後も生地の通気性を確保することができるからである。
また、本発明の靴下では、マッサージ部におけるバルキー糸と熱可塑性繊維糸の割合が重量比で4:1〜6:1の範囲であることがより望ましい。バルキー糸が熱可塑性繊維糸の4倍量未満だと、バルキー糸によって嵩高となる作用が徐々に低下するからである。また、バルキー糸が熱可塑性繊維糸の6倍量よりも多く編み込まれていると、熱可塑性繊維糸による溶着作用が徐々に低下するからである。
また、本発明の靴下は、ウォーキングに適した靴下とするためにさらに以下の構成を採用することができる。
図6を用いて説明したように、人の足裏には、第1中足骨G21から第5中足骨G22にかけて形成される前アーチと、3個の楔状骨を含み、土踏まずの左側G32から右側G33にかけて形成される主アーチとからなる横足弓H2が形成されているが、スポーツ等による足の酷使や、長時間ハイヒールを履くことなどによって負荷が加わると、横足弓H2が下がり、足底のアーチによる衝撃吸収が正常に行われず、ひいては足底腱膜が炎症を起こすため、横足弓H2の形状を正常に保つことは重要である。そこで、本発明の靴下では、土踏まず部を締め付けて足甲部に周設する第1締付部を設けることがより望ましい。土踏まず部を締付けて足甲部に周設することにより、横足弓H2が下がらないようにサポートできるからである。なお、第1締付部は、例えば、高弾性糸を編みこむことによって形成することができる。
また、上記のように第1締付部を設ける場合は、足首部に周設する第2締付部をさらに設け、この第2締付部と前記第1締付部が、靴下上面側の屈曲部で連結されていることがより望ましい。横足弓H2のサポートに加え、アキレス腱を締付けることにより、長時間の歩行による疲労を軽減し、足首部のぶれを防止して歩行動作が安定するからである。
なお、例えば、高弾性糸を編み込んだ第1締付部と第2締付部を靴下上面側の屈曲部で連結させる場合、屈曲部の柔軟性が若干損なわれることとなる。そこで、上記のように、第1締付部及び第2締付部を設けて靴下の上面で連結させる場合、前記屈曲部は、タック編みとすることがより望ましい。タック編みとすることにより、靴下の周方向に筋が設けられるため、歩行に伴って屈曲部の角度(靴下のレッグ部と足甲部のなす角度)が広くなったり狭くなったりする動作に追従し易くなるからである。
本発明の靴下では、靴下を履いた状態で、足の親指の付け根部分に対応するように、靴下の内側面位置に、環状の第1パイル編み部を設ける方がより望ましい。足の親指の付け根部分は歩行の際に力のかかる部分であるため、環状の第1パイル編み部を設けることにより、歩行の際にかかる衝撃を吸収するとともに、足の親指の付け根部分が靴下の内部で滑ることがなくなり、歩き易くなるため、好適である。
また、本発明の靴下では、靴下を履いた状態で、足の中指から小指にかけての付け根部分に対応するように、靴下の内側面位置に、所要の形状の第2パイル編み部を設けることがより望ましい。足の中指から小指にかけての付け根部分も、歩行動作の際に力のかかる部分であるが、所要の形状の第2パイル編み部を設けることにより、衝撃を吸収できる上、安定性が向上するからである。
また、本発明の靴下では、かかと部の内側面とつま先部の内側面をパイル編みするとともに、前記かかと部のパイル長を、前記つま先部のパイル長よりも長くすることがより望ましい。歩行の際の着地時に最も衝撃を受けるかかと部を、パイル長の長いパイル編みとして衝撃吸収力を優先的に向上させるとともに、蹴り出す方向に力が加わるつま先部を、パイル長の短いパイル編みとすることにより蹴出力を確保するとともに、蹴出時につま先部にかかる衝撃の緩和を図ったものである。
また、上記のように、第1パイル編み部、第2パイル編み部を設けるとともに、かかと部の内側面とつま先部の内側面を共にパイル編で構成する場合は、前記第1パイル編み部と前記第2パイル編み部のパイル長は、何れも前記かかと部のパイル長よりも短くするとともに、前記つま先部のパイル長よりは長くすることがより望ましい。このように、第1パイル編み部と第2パイル編み部のパイル長を中間的な長さとすることにより、上記の効果(かかと部の衝撃吸収と、つま先部の蹴出力の確保と衝撃の緩和という効果)を好適に得ることができるからである。
本発明の靴下では、足指間の隙間部分の足底側に、メッシュ編み部を設ける方がより望ましい。最も蒸れ易い足指間の隙間部分をメッシュ編みとすることにより、通気が良くなり、足蒸れを抑制できるからである。
また、本発明の靴下では、靴下のレッグ部の径を、開口部に向かうほど径が太くなるように構成することがより望ましい。人の脹脛の形状に近いものとなり、開口部の圧迫感が軽減できるからである。
本発明の靴下の製造方法は、本発明の靴下を製造する方法であって、靴下の土踏まず部の所要位置に、バルキー糸と熱可塑性繊維糸を編み込むマッサージ部編み立て工程と、前記マッサージ部を110℃〜130℃の温度で所要の時間熱セットすることにより、前記バルキー糸が嵩高になるとともに、前記バルキー糸に前記熱可塑性繊維糸の少なくとも一部を溶着させ、前記マッサージ部に所要の厚みと硬さを付与する熱セット工程と、を備え、前記熱セット工程は、同時に前記靴下の形を整えるための靴下全体の熱セット工程と兼用したことを特徴とする靴下の製造方法である。また、本発明の靴下の製造方法では、前記熱セット工程における前記マッサージ部の熱セット時間は、1〜30秒間の範囲とすることがより望ましい。1秒未満では、熱セットによってマッサージ部に所要の厚みと硬さを付与する作用が不十分となるおそれがあるからである。また、マッサージ部に所要の厚みと硬さを付与するには30秒以内で十分であり、30秒よりも多く熱セットを行う場合は、繊維が変質して風合いを損なうおそれがある上、不必要な時間をかけることとなって、生産効率が悪くなるからである。
上記本発明の靴下の製造方法によれば、前述した熱セット工程は、靴下の形を整えるための靴下全体の熱セット工程と兼用されるため、生産効率が向上する。
以下、本発明の靴下及びその製造方法の最良の形態について、図1〜図5を用いて説明する。図1は、左足用の本発明の靴下を裏返した状態において靴下の足底側の面を表した説明図、図2はマッサージ部の説明図で、(a)は熱セット前の状態を、(b)は熱セット後の状態を説明する図、図3は、同靴下を裏返した状態において靴下の足甲側の面を表した説明図、図4は、同靴下を親指側の面から見た状態を表した図、図5は、同靴下を小指側の面から見た状態を表した図である。
図1に示すように、本実施例の靴下Sは、靴下丸編機により伸縮糸を用いて編成されたものであり、通常の靴下と同様、足底部A、土踏まず部B、かかと部J、つま先部Kを備えている。そして、本発明において最も特徴的な構成は、靴下Sの足底部Aの所要位置に、バルキー糸と熱可塑性繊維糸を編み込んだマッサージ部1を設け、このマッサージ部1を熱セットすることにより、バルキー糸が嵩高になるとともに熱可塑性繊維糸の少なくとも一部をバルキー糸に溶着させ、マッサージ部1に所要の厚みと硬さを付与した点にある。
ここで、「所要位置」とは、本発明の靴下Sを履いて例えば歩行運動を行ったときに、マッサージ部1からの押圧を受けることにより、マッサージ効果を施したいと考える部位のことであり、マッサージ部1は、目的に応じて例えば足底部Aの中央部や、かかと部Jの位置に設けても良い。
本実施例の靴下Sでは、図1に示すように、マッサージ部1は、靴下Sを履いた状態で、足裏の土踏まず部Bの足底腱膜に沿う範囲に対応して設けている。足底腱膜は、図6(b)に示すように、踵骨より各足指へ向かって広がる強靭な腱膜である。この足底腱膜に炎症が生じた場合、前述したように、ゴルフボールの上に足を載せて転がすことによりマッサージしたり、足指をそらして土踏まずの部分を指で圧迫したり、タオルギャザーの上で足裏のマッサージを行っているのが現状であるが、本発明の靴下Sのマッサージ部1を、図1に示すように、足裏の土踏まず部Bの足底腱膜に沿う範囲(図1中の点線で囲まれた範囲)に設けることにより、同様のマッサージ効果が期待できるからである。
本発明は、バルキー糸と熱可塑性繊維糸を編み込むことによりマッサージ部1を設けるため、その形状は、靴下編機にプログラムすることによって自由に決めることができる。例えば、外形を楕円状として全範囲に亘って平坦にマッサージ部1を設けても良いし、10〜20個程度の正方形状のマッサージ部1を市松模様となるように配置させても良い。また、複数の円形状のマッサージ部1をランダムに配置させても良い。
本実施例の靴下Sでは、マッサージ部1は、図1に示すように、短冊状の凸部2を所要の間隔をあけてすのこ状に配置している。マッサージ部1は足裏と接触する部分であるため、通気性のことを考慮した場合、空気の逃げ道があった方が良いからである。図1に示すような、すのこ状に配置した構成とすれば、短冊状の凸部2の間に隙間ができ、この隙間によって横方向に空気の逃げ道が形成される上、体重により局部的に押圧されるため、より効率的なマッサージ効果が期待できる。なお、本実施例の靴下Sでは、短冊状の凸部2を7箇所設け、各凸部2間の間隔は約4mmとしている。
また、本実施例の靴下Sでは、図1に示すように、短冊状の凸部2は、足裏の足底腱膜の方向と直交する向きに配置している。足底腱膜は足の足長方向に張っている腱膜であるが、それと直する方向(すなわち、足の周方向)に短冊状の凸部2を配置すれば、歩行の度に体重によって押圧されて凸部2の間隔が縮まったり、元に回復する動作が繰り返され、足底腱膜をマッサージする効果が向上するからである。
図2はマッサージ部の説明図で、(a)は熱セット前の状態を、(b)は熱セット後の状態を表している。図2(a)では、熱セット前であるため、バルキー糸は嵩高になっておらず、熱可塑性繊維糸との溶着も未了であるため、マッサージ部1は厚みも硬度も不十分な状態である。本発明は、バルキー糸と熱可塑性繊維糸を編み込んだマッサージ部1を熱セットすることにより、図2(b)に示すように、バルキー糸が嵩高になるとともに熱可塑性繊維糸の少なくとも一部がバルキー糸に溶着し、タック編みやパール編み等の編み組織のみで凸部を設けていた従来の靴下と比較して、マッサージ部1に確実に厚みと硬さを付与できる点に特徴がある。
本実施例の靴下Sでは、マッサージ部1の編み構造は、鹿の子状にパイル組織を配置した構造としている。このように、鹿の子状にパイル組織を配置することにより、バルキー糸と熱可塑性繊維糸の接触する部分が多くなって、パイルループ同士が熱可塑性繊維で溶着しやすくなり、硬度を確保することも容易となるからである。また、熱セットによる硬化後も生地の通気性を確保することができるからである。
本実施例の靴下Sでは、マッサージ部1の厚みは4.2mmとしている。また、マッージ部1の圧縮仕事量については、以下に説明するように、繊維製品の圧縮特性を計測する試験機を用いて、上限圧縮荷重50gf/cm2 、圧縮速度0.02mm/secの条件下で測定した値が、0.4〜0.8gfcm/cm2 の範囲となるようにしている。
本実施例で使用した試験機は、生地を上方から加圧する測定機であり、上限圧縮荷重と圧縮速度を各々設定して生地の硬さの測定を行うものである。本実施例の靴下Sのマッサージ部1と、本発明実施品と同じ編み組織にて綿混紡糸を使用した通常の靴下(比較例)について、圧縮特性試験を行い、それぞれの生地の硬さ(圧縮仕事量gfcm/cm2 )を計測した。試験方法と試験条件は、以下のとおりであり、結果は、表1に示すとおりとなった。
<試験方法>
1)試験生地を10cm四方にカットし、計測機にセットする。
2)試験生地内で同じ編み組織の部分を任意に5箇所計測し、その平均値を算出した。
<試験条件>
測定機:カトーテック社製KES−FB3圧縮試験器
条 件:上限圧縮荷重50gf/cm2 、圧縮速度0.02mm/sec



Figure 0004825119
圧縮仕事量gfcm/cm2 の数値が小さいほど試験生地が硬いといえるが、本発明実施品は、比較例の半分の数値であることから、従来の素材を用いた通常品の2倍の硬度を備えていることが確認された。また、バルキー糸と熱可塑性繊維糸の割合等を変化させて種々検討したところ、上記試験方法においてマッサージ部1の硬さが0.4〜0.8gfcm/cm2 の範囲となるように構成すれば、適度なマッサージ効果が得られることが分かった。
なお、本実施例の靴下Sでは、マッサージ部1におけるバルキー糸と熱可塑性繊維糸の割合を重量比5:1とすることにより、適度な硬度を得るようにしている。本発明においては、バルキー糸と熱可塑性繊維糸の割合は、4:1〜6:1の範囲とすることが望ましいと考えられる。
本実施例の靴下Sでは、バルキー糸として、高収縮性のアクリル繊維と低収縮性のアクリル繊維とを混紡した糸を使用している。このバルキーアクリル糸を熱セットすると、高収縮性のアクリル繊維が収縮するため、低収縮性のアクリル繊維はループ上に膨らみ嵩高となる。本発明は、この作用を利用して、マッサージ部1を嵩高に形成するものである。
また、本発明では、熱可塑性繊維糸として、例えば、熱接着性の高い低融点ナイロン糸や、糸表面にループを形成したブークレ糸などを用いることができる。熱接着性の高い低融点ナイロン糸としては、例えばエルダー(登録商標)の名称で市販されているものがある。エルダー(登録商標)は、融点が110〜120℃と低く、熱接着性が高い。また、クリンプ状の飾り糸を織り込んだブークレ糸も種々のものが市販されている。
しかし、低融点ナイロン糸の場合は、熱セット後に潰れやすく肌触りもチクチクした感じが残るという問題があり、また、ブークレ糸の場合は、溶着性が低く、編みにくいという問題がある。そこで、本実施例の靴下Sでは、熱可塑性繊維糸として、エチレンとビニルアルコールの共重合体からなる繊維とポリエステルとの複合繊維である、エチレンビニルアルコール繊維糸を使用し、上記の問題点が生じないようにしている。
図3は、本実施例の靴下Sを裏返した状態において、靴下Sの足甲側の面を表した説明図である。本実施例の靴下Sは、通常の靴下と同様、足甲部C、足首部D、レッグ部L、開口部Mを備えている。
本実施例の靴下Sは、土踏まず部Bを締め付けて足甲部Cに亘って周設する第1締付部3を設けている。マラソン、バスケットボール、サッカー等の足を酷使するスポーツや、長時間に亘って革靴やハイヒールを履くことなどによって負荷が加わると、横足弓が下がり、足底のアーチによる衝撃吸収が正常に行われず、ひいては足底腱膜が炎症を起こすことが知られているが、第1締付部3を設けることにより、横足弓が下がらないようにサポートすることが出来るからである。なお、第1締付部3は、靴下Sの編地に高弾性糸を編みこむことによって形成している。
図4は、本実施例の靴下Sを親指側の面から見た状態を表した図、図5は、同靴下を小指側の面から見た状態を表した図である。Eは、足首部Dとレッグ部Lが交わる靴下Sの屈曲部を示している。
本実施例の靴下Sでは、図3〜図5に示すように、第1締付部3を設けるとともに、足首部Dに周設する第2締付部4をさらに設けている。第2締付部4も、高弾性糸を編み込むことによって締付け力を高くしたものである。また、第1締付部3と第2締付部4は、靴下Sの上面の屈曲部Eの位置で連結されている。こうすることにより、横足弓のサポートに加えて、アキレス腱が締め付けられるので、長時間の歩行による疲労を軽減できる。また、歩行時に足首の部分がぶれないため、歩行動作が安定し、快適なウォーキングができる。
上記のように、高弾性糸を編み込んだ第1締付部3と第2締付部4を、靴下Sの上面の屈曲部Eで連結させる場合、屈曲部Eの柔軟性が若干損なわれるため、本実施例の靴下Sでは、屈曲部Eは、タック編みとしている。こうすることにより、靴下Sの周方向に数本の筋が設けられるため、歩行に伴って屈曲部Eの角度(靴下のレッグ部Lと足甲部Cのなす角度)が広くなったり狭くなったりする動作に追従し易くなるからである。
図1及び図4に示すように、本実施例の靴下Sは、靴下Sを履いた状態で、足の親指の付け根部分に対応した靴下Sの内側面位置に、環状の第1パイル編み部5を設けている。足の親指の付け根部分は歩行の際に力のかかる部分であるため、環状の第1パイル編み部5を設けることにより、歩行の際にかかる衝撃を吸収できるからである。また、足の親指の付け根部分の曲面が環状のパイル編み部5の中心部分に収まることにより、靴下Sの内部で滑ることがなくなり、歩き易くなるという効果もある。
また、本実施例の靴下Sは、靴下Sを履いた状態で、足の中指から小指にかけての付け根部分に対応した靴下Sの内側面位置に、図1及び図5に示すような形状の第2パイル編み部6を設けている。足の中指から小指にかけての付け根部分も、歩行動作の際に力のかかる部分であるため、第1パイル編み部5と同様、衝撃吸収と蹴出力の確保を目的としたものである。
図1において、かかと部Jの内側面と、つま先部Kの内側面はパイル編みとしている。そして、本実施例の靴下Sでは、かかと部Jのパイル長を、つま先部Kのパイル長よりも長くしている。歩行の際の着地時に最も衝撃を受けるかかと部Jを、パイル長の長いパイル編みとして衝撃吸収力を優先的に向上させるとともに、蹴り出す方向に力が加わるつま先部を、パイル長の短いパイル編みとすることにより蹴出力を確保するとともに、蹴出時につま先部にかかる衝撃の緩和を図ったものである。
そして、第1パイル編み部5、第2パイル編み部6のパイル長は、何れもかかと部Jのパイル長よりも短く、かつ、つま先部Kのパイル長よりは長くしている。こうすることにより、パイル長はつま先部Kに向かう程短いものとなり、かかと部Jの衝撃吸収とつま先部Kの蹴出力の確保という効果を好適に得ることができるからである。
図1、図4、図5に示すように、本実施例の靴下Sでは、足指間の隙間部分の足底側にメッシュ編み部7を設けている。最も蒸れ易い足指間の隙間部分をメッシュ編みとして通気を良くすることにより、足蒸れを防止できる。
また、図1、図4、図5に図示したように、本実施例の靴下Sでは、靴下Sのレッグ部Lの径を、開口部Mに向かうほど編み目の目数を増やして径が太くなるように構成している。こうすることにより、靴下Sのレッグ部Lが人の脹脛の形状に近いものとなり、開口部Mにおける圧迫感を軽減できるからである。
次に、本発明の靴下の製造方法について説明する。本実施例の靴下Sは、靴下丸編機により伸縮糸を用いて足首部D、第1締付部3、第2締付部4、足甲部C、かかと部J、つま先部K、マッサージ部1等を編み立てたものであるが、より詳しくは、以下の糸を使用している。
足首部D :表糸 綿ポリエステル混紡糸32/ − 2本 裏糸 110/2 WN 1 本
第1締付部3:表糸 110/2 WN 2本 裏糸 30/75 FTY 1 本
第2締付部4:表糸 110/2 WN 2本 裏糸 30/75 FTY 1 本
足甲部C :表糸 綿ポリエステル混紡糸32/ − 2本 裏糸 30/75 FTY 1 本
かかと部J :表糸 綿ポリエステル混紡糸32/ − 3本 裏糸 30/75 FTY 1 本
つま先部K :表糸 綿ポリエステル混紡糸32/ − 3本 裏糸 30/75 FTY 1 本
マッサージ部1:バルキーアクリル糸(ボンネル(登録商標)糸-/34)2本、溶着糸(ソ フィスタ(登録商標)150D)1本、計3本をそれぞれ2つの糸道で 交互にパイル編み(計6本)(高いパイルで選針して編む)
そして、例えば図1〜図2に示すように、靴下Sの土踏まず部Bの所要位置に、バルキー糸と熱可塑性繊維糸を編み込むマッサージ部編み立て工程を行った後、靴下Sに熱セット用の専用の型板を挿入し、マッサージ部1を110℃〜130℃の温度で1〜30秒間熱セットすることにより、バルキー糸が嵩高になるとともにバルキー糸に熱可塑性繊維糸の少なくとも一部を溶着させ、マッサージ部1に所要の厚みと硬さを付与する熱セット工程を行う。
ここで、本実施例では、マッサージ部1を110℃〜130℃の温度で1〜30秒間熱セットする熱セット工程を行うが、この温度と時間は、一般に靴下の形を整えるための靴下全体の熱セット工程と同じである。そこで、本実施例においては、熱セット工程は、靴下の形を整えるための靴下全体の熱セット工程と兼用している。そのため、別途熱セット工程を設ける手間を省略することが可能となり、生産性の向上が図れる。
次に、本実施例の靴下Sの効果を確認するために、下記条件で行った着用試験について説明する。
<実施条件>
被験者:40代〜60代男女
被験者人数:103名
試験方法:
本実施例の靴下Sを普段の生活で着用したのち、次の項目について、アンケートを実施し、「そう思う」「ややそう思う」「どちらともいえない」「あまりそう思わない」「そう思わない」の5つの選択肢より率直な感想を選択する。
調査項目:
(1)土踏まずに心地よい刺激感があった
(2)疲れにくい
(3)足首、歩行の安定感がある。
(4)土踏まずがしっかり支えられている感じがした。
(5)かかとの衝撃吸収を感じた
(6)つま先が楽である(窮屈でない)
(7)歩きやすい
<官能試験結果>
上記条件による着用試験結果を以下の表2に示す。表中の%は、各調査項目に対する回答割合を示している。
Figure 0004825119
<考察>
調査項目(1)の「土踏まずに心地よい刺激感があった」に関し、73%もの被験者が土踏まず部分のに心地よい刺激感を感じたことから、本実施品の最大の特徴である土踏まず部分へのマッサージ機能を着用により実感できることが確認できた。また、調査項目(2)の「疲れにくい」に関しては、78%もの被験者が疲れにくさを感じている。このことは、マッサージ効果による足底腱膜への負担の軽減をはじめ、第1締付部による横足弓のサポート効果、第2締付部によるアキレス腱の保持などの効果が発揮されているものと考えられる。
調査項目(3)の「足首、歩行の安定感がある」、(4)の「土踏まずがしっかり支えられている感じがした」、(5)の「かかとの衝撃吸収を感じた」、(6)の「つま先が楽である(窮屈でない)」に関しても、それぞれ高い評価を受けていることから、これまでに述べた本実施品の構造が意図する効果を実際の着用により実感できることが確認できた。また、調査項目(7)の「歩きやすい」は、本実施品が最も意図するところであるウォーキングソックスとしての総合的な評価といえるが、本調査項目にあっては、81%もの被験者が歩きやすさを感じていることから、本実施品はウォーキングに最適なソックスであることが実証された。
本発明は上記の例に限らず、各請求項に記載された技術的思想の範囲内で、適宜実施の形態を変更しても良いことは言うまでもない。たとえば、図1の実施例では、土踏まず部Bの足底腱膜に沿う範囲にマッサージ部1を設けているが、足底の中央部や外側よりの位置に設けても良い。
以上説明したように、本発明の靴下では、バルキー糸と熱可塑性繊維糸を編み込んだマッサージ部を熱セットすることにより、バルキー糸が嵩高になるとともに熱可塑性繊維糸の少なくとも一部を前記バルキー糸に溶着させ、前記マッサージ部に所要の厚みと硬さを付与できるため、編み組織のみで形成された従来の靴下の凸部よりも厚みがあり、しかも硬いマッサージ部を形成し、快適なウォーキングを楽しみながらマッサージ効果を得ることができる。
本発明の靴下は、短ソックスに限らず、ハイソックス、オーバー・ニー・ソックス等にも適用できるものである。
左足用の本発明の靴下を裏返した状態において靴下の足底側の面を表した説明図である。 マッサージ部の説明図で、(a)は熱セット前の状態を、(b)は熱セット後の状態を説明する図である。 本発明の靴下を裏返した状態において靴下の足甲側の面を表した説明図である。 本発明の靴下を親指側の面から見た状態を表した図である。 本発明の靴下を小指側の面から見た状態を表した図である。 (a)は足底に形成されるアーチの説明図、(b)は、縦足弓と横足弓の説明図である。
符号の説明
1 マッサージ部
2 短冊状の凸部
3 第1締付部
4 第2締付部
5 第1パイル編み部
6 第2パイル編み部
7 メッシュ編み部
S 靴下
A 足底部
B 土踏まず部
C 足甲部
D 足首部
E 屈曲部
J かかと部
K つま先部
L レッグ部
M 開口部

Claims (15)

  1. 靴下の足底部に、足裏の土踏まず部の足底腱膜の一部を含む範囲に対応させて、バルキー糸と熱可塑性繊維糸を編み込んだマッサージ部を設け、前記マッサージ部を熱セットすることにより、前記バルキー糸が嵩高になるとともに前記熱可塑性繊維糸の少なくとも一部を前記バルキー糸に溶着させ、前記マッサージ部に所要の厚みと硬さを付与した靴下であって、
    前記バルキー糸として、高収縮性のアクリル繊維と低収縮性のアクリル繊維とを混紡した糸を用いると共に、
    前記マッサージ部は、足裏の足底腱膜の方向と直交する向きに配置した短冊状の凸部が所要の間隔をあけてすのこ状に配置されていることを特徴とする靴下。
  2. 前記マッサージ部をパイル編みで編成し、その厚みは、2.8mm〜6.0mmの範囲としたことを特徴とする請求項に記載の靴下。
  3. 前記マッサージ部の圧縮仕事量は、繊維製品の圧縮特性を計測する試験機を用いて、上限圧縮荷重50gf/cm2 、圧縮速度0.02mm/secの条件下で測定した値が、0.4〜0.8gfcm/cm2 の範囲であることを特徴とする請求項1又は2に記載の靴下。
  4. 前記熱可塑性繊維糸として、エチレンビニルアルコール繊維糸を用いたことを特徴とする請求項1乃至の何れかに記載の靴下。
  5. 前記マッサージ部の編み構造は、鹿の子状にパイル組織を配置した構造であることを特徴とする請求項1乃至の何れかに記載の靴下。
  6. 前記マッサージ部における前記バルキー糸と熱可塑性繊維糸の割合が重量比で4:1〜6:1の範囲であることを特徴とする請求項1乃至の何れかに記載の靴下。
  7. 土踏まず部を締め付けて足甲部に周設する第1締付部を設けたことを特徴とする請求項1乃至の何れかに記載の靴下。
  8. 足首部に周設する第2締付部をさらに設け、この第2締付部と前記第1締付部が、靴下上面側の屈曲部で連結されていることを特徴とする請求項記載の靴下。
  9. 前記屈曲部を、タック編みとしたことを特徴とする請求項記載の靴下。
  10. 靴下を履いた状態で、足の親指の付け根部分に対応するように、靴下の内側面位置に、環状の第1パイル編み部を設けたことを特徴とする請求項1乃至の何れかに記載の靴下。
  11. 靴下を履いた状態で、足の中指から小指にかけての付け根部分に対応するように、靴下の内側面位置に、所要の形状の第2パイル編み部を設けたことを特徴とする請求項1乃至10の何れかに記載の靴下。
  12. 足指間の隙間部分の足底側に、メッシュ編み部を設けたことを特徴とする請求項1乃至11の何れかに記載の靴下。
  13. 靴下のレッグ部の径を、開口部に向かうほど径が太くなるように構成したことを特徴とする請求項1乃至12の何れかに記載の靴下。
  14. 請求項1乃至13の何れかに記載の靴下を製造する方法であって、靴下の土踏まず部の所要位置に、バルキー糸と熱可塑性繊維糸を編み込むマッサージ部編み立て工程と、前記マッサージ部を110℃〜130℃の温度で所要の時間熱セットすることにより、前記バルキー糸が嵩高になるとともに、前記バルキー糸に前記熱可塑性繊維糸の少なくとも一部を溶着させ、前記マッサージ部に所要の厚みと硬さを付与する熱セット工程と、を備え、前記熱セット工程は、同時に前記靴下の形を整えるための靴下全体の熱セット工程と兼用したことを特徴とする靴下の製造方法。
  15. 前記熱セット工程における前記マッサージ部の熱セット時間を1〜30秒間の範囲としたことを特徴とする請求項14に記載の靴下の製造方法。
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