JP4824540B2 - サンプル中の前立腺癌を検出する方法 - Google Patents

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Description

本発明は前立腺癌に関する。より詳細には、本発明は、前立腺癌抗原PCA3遺伝子のコードするRNAを検出することによって、患者サンプル中の前立腺癌についての指標を提供するための方法に関する。
過去十年間において、前立腺の癌は男性で最も多く診断される悪性腫瘍となり、肺がんに続いて、西洋社会における男性の癌死亡原因の2位となった。
前立腺癌が前立腺から広がる前に早期発見および治療することによって、この疾患の死亡率が低下する。これは、この悪性度が高いが進行の遅い悪性腫瘍によって死亡する危険度の高い若い男性において特に真実である。この認識は、早期診断および治療のための運動の増加を促した。実際、米国癌学会(American Cancer Society)および米国泌尿器科学会(American Urological Association)が、男性人口の全体に対して年1回の前立腺癌検診を50歳から始めるよう推奨している。検診開始の推奨年齢は、前立腺癌の家族歴または他の危険因子を示す男性では40歳に引き下げられている。
前立腺癌の検診に対して注目が集まる中、過去にないほど多くの男性が前立腺癌について慣例的な検診を受けている。前立腺癌発生率の見かけ上の増加と、前立腺癌と診断される平均年齢の見かけ上の低下に反映されているように、予想通り、この習慣は、前立腺癌の発生直後の早期発見を増加させた。前立腺癌を転移する前に早期発見することによって、全体の死亡率が下がることになると臨床で期待されている。早期治療はより保存的であり、成功率が高いので、少ない費用で患者一人当たりの治療が可能であることから、保険会社は、早期の検診と発見は医療費負担の低下に還元されると見ている。この目標を達成する鍵は、未だにより良い鑑別診断手段を提供することである。
今では前立腺癌の検診には、直腸指診(DRE)による前立腺の触診と前立腺特異的抗原(PSA/hK3/hKLK3)の血漿濃度解析の両方が含まれる。PSAは前立腺上皮の産生するセリンプロテアーゼであり、通常は精液を液化するために精液中に分泌されるものである。前立腺の健全な解剖学的状態の崩壊は、通常はPSAを前立腺の精管内に留めておく細胞バリアーの欠陥を招くことがあり、その結果、血液または尿にPSAが放出されることとなる。数多くの症状によってPSAの血液中への洩れは生じる。このような症状には、前立腺の炎症、尿閉、前立腺の感染症、良性前立腺肥大(BPH)および前立腺癌が含まれる。前立腺の物理的操作も血清PSA濃度を上昇させることがあるが、直腸指診(DRE)などの穏やかな刺激は、通常、血清PSA濃度を上昇させることはない。従って、血清PSAを前立腺癌の指示因子とした検診が正確な予測をできないことは、驚きに値しない。
測定した血中PSA濃度が種々の要因によってもたらされた結果かもしれないという事実にもかかわらず、それは前立腺癌の一次検診の基礎となっている。前立腺癌を予測するための診断アッセイとしての総PSA(tPSA)の測定は、1991年から用いられている。血清濃度が4ng/ml以上であることは異常であり、前立腺癌の可能性を示すと考えられる。しかし、このようなtPSA濃度上昇の感度はたった79%であり、従って患者の21%において前立腺癌を発見しないまま放置している。4ng/ml以上のtPSA値の全てにおいて、その特異性は非常に乏しい。更に、4.0ng/mlを超えるtPSA濃度の特異性は20%〜59%であり、平均は約33%であると報告されている。偽陽性の大部分は、最終的には良性前立腺肥大(BPH)であると示されている。一般にグレーゾーンと呼ばれる4〜10ng/mlの低い領域に含まれる、中庸に上昇したtPSAの特異性が最も低い。このような低レベルの特異性は、経直腸的超音波断層法や前立腺生検検査といった、より侵襲性が高く高価な診断方法を更に実施する結果となる。このような試験は、必要のない場合には患者にとって外傷性が高い。また、偽陽性であると証明されるまでの間、陽性であると診断されることの精神的衝撃も軽んじるべきではない。
tPSAの欠点ゆえに、このあいまいな診断手法の感度と特異性を向上するためのPSA誘導体の開発の試みに研究の焦点が合わされてきた。
1つの修飾は遊離PSA(fPSA)であり、これは1998年にFDAの認可を受けている。血清中のPSAは、未結合の型または循環プロテアーゼ阻害剤(最も一般的にはα−1−アンチトリプシン(ACT))との複合体の型で存在する。臨床医は、前立腺癌を発生していないかBPHを発症している男性に比べて、前立腺癌を保有する男性において、ACTに結合したPSAの比率が顕著に高いことを示した。ガイドラインとしては、総PSAの25%以下が遊離であることは、前立腺癌の可能性を示す。fPSAアッセイは、tPSAが4〜10ng/mlの男性に用いる方法として認可されている。従って、fPSAアッセイは、tPSAのみによる検査の特異性を向上する方法と位置づけられている。しかし、fPSA試験の的中率は、tPSA濃度が本当に低いか本当に高いヒトではさほどよくない。fPSAの測定値に係らず、非常に低いtPSAは癌が存在しないことの予兆であり、一方この逆もまた非常に高いtPSAについて真実である。fPSAはBPHと前立腺癌の両方に関連する因子であるため、その診断における有用性は比較的限られたものである。fPSAをtPSAと組み合わせて用いる方法は、不必要な生検の数を約20%減少することが示されている。
前立腺の生検が前立腺癌を確認するための黄金の基準であることは明確である。しかしながら、生検も常に100%の精度を誇るわけではない。標準的な生検は、経直腸的超音波ガイド下で組織サンプルの採取を行う6ヶ所生検である。癌を検出するのに6個のサンプルでは不十分なことが多く、2回目の生検または6個を超える数のサンプルが必要である。
過去10年間の前立腺癌検診の進歩にもかかわらず、現存の手段を組み合わせて使用しても満たされることのない、診断感度と特異性に関する多大な要求が存在する。この要求と、前立腺癌の高い発生率や早期の正確な癌発見の重要性とを組み合わせると、真の鑑別診断手段について考えられる有用性は極めて重要である。
新規な前立腺癌マーカーであるPCA3が、前立腺癌の発達と関連した遺伝子を見出すためのディファレンシャルディスプレイ法によって数年前に発見された。PCA3は9番染色体に位置し、4つのエクソンからなる。これは選択的スプライシングおよびポリアデニル化によって生じる少なくとも4つの異なる転写産物をコードする。RT−PCR解析によってPCA3の発現は前立腺に限定され、精巣、卵巣、乳房および膀胱を含む試験した他の組織には存在しないことが判明した。ノーザンブロット解析の結果は、PCA3が試験した前立腺癌の大多数(50人中47人)で高度に発現されているが、同じ患者から得たBPH細胞または正常前立腺細胞では発現していないか、発現量が非常に低いことを示した(Cancer Res 1999 Dec 1;59(23):5975-9)。更に、前立腺癌に関する、RNAテロメラーゼ RTの臨床試験とRNA PCA3検出法との比較に関する最近の研究は、PCA3遺伝子がより優れたマーカーであることを示した(Cancer Res 2002 May 1; 62(9):2695-8)。
PCA3遺伝子は4つのエクソン(e1〜e4)と3つのイントロン(i1〜i3)からなる。PCA3は今までに同定された前立腺癌マーカーの中で最も優れたものであると考えられるが、その特異性については文献で議論されている。例えば、Gandini et al. 2003は、PCA3の前立腺特異的発現はPCA3遺伝子のエクソン4に限られていると主張している。しかし、本願の出願人は、最近の特許出願において、これは正しくないことを示した(カナダ特許願第2,432,365号)。
進行した前立腺癌が男性人口のかなりの割合において未だに生命を脅かす疾患であるという事実を鑑みると、最も特異的、選択的且つ迅速な前立腺癌検出方法およびキットを提供することに対する要求は今でも残っている。
本発明は、このような要求を、他の要求と共に満足させることを目的とする。
本明細書は数々の文献に参照するが、その内容は明細書中の記載によって完全に組み込まれているものとする。
発明の詳細の説明
本発明は、従来技術の診断方法とキットよりも特異性と選択性が高い、前立腺癌についての指標を提供するための方法とキットに関する。
本発明は、患者、特に患者の尿サンプルから、PCA3遺伝子のコードするRNAを検出することによって前立腺癌についての指標を提供するための方法に関する。
更に本発明は、患者における前立腺癌の存在の危険度または前立腺癌素因を検出するための方法に関する。また、患者の前立腺癌の進行を観測する方法も開示する。
1つの特定の態様において本発明は、PCA3遺伝子のコードするRNAの存在を検出することによって、尿サンプル中の前立腺癌についての指標を提供するための方法に関する。1つの態様においては、サンプル中に含まれる第2前立腺特異的核酸配列も同時に増幅する増幅法を用いて、PCA3遺伝子のコードするRNAを検出する。
本発明の更なる態様においては、増幅する第2前立腺特異的マーカーは、PSA、ヒト カリクレイン2(hK2/KLK2)、前立腺特異的膜抗原(PSMA)、トランスグルタミナーゼ4、酸ホスファターゼおよびPCGEM1 RNAからなる群より選ばれるものである。
本発明の他の態様においては、RNAはRNA増幅法で検出する。更なる態様においては、RNA増幅法を、特異的な蛍光プローブを用いて増幅産物をリアルタイムで検出する方法と組み合わせて用いる。更なる別の態様においては、増幅法はPCR法である。更なる態様においては、PCR法はリアルタイムPCR法または増幅産物の検出をリアルタイムで行うことが可能な関連した方法である。
関連する態様においては、PCA3遺伝子のコードするRNAは、核酸増幅法(NASBA法)と呼ばれるin vitro RNA増幅法によって抽出した核酸から検出する。もちろん、他のRNA増幅法も知られており、本発明の方法とキットはNASBA法に限定されるものではない。本発明を限定することのないRNA増幅法の具体例としては、転写媒介性増幅法(TMA法)、ストランド置換増幅法(SDA法)およびリガーゼ連鎖反応法(LCR法)が挙げられる。
更なる態様においては、蛍光プローブを用いて均質相で増幅産物を検出する。1つの態様においては、ビーコン手法を用いる。他の態様においては、蛍光検出法または比色検出法を用いて増幅産物を固相上で検出する。従って、RNAの検出および/または定量には、種々の蛍光検出法、比色検出法または酵素検出法を本発明に従って使用できることを理解されたい。他の種類の標識プローブや標識プライマー、または他の種類の検出方法も本発明で使用することができる(例えば、ノーザンブロット法、ドットブロット法やスロットブロット法などのハイブリダイゼーション解析方法と、放射性標識したプローブやプライマーとを使用することができる)。
1つの態様においては、PCA3遺伝子のコードするRNAは、患者の排泄した尿から得た尿サンプルに含まれる細胞から得たものである。
他の態様においては、丁寧な直腸指診(DRE)の後に尿サンプルを得る。増幅方法および/または検出方法が標的マーカー(PCA3と第2マーカー)を検出するのに十分な感度を有する時には、当然のことながら、本発明の方法およびキットは、DREを行わずに得た尿サンプルや、精子や、精子と尿の混合物(例えば、射精に続く最初の尿のサンプル)などの他の種類のサンプルに対しても使用可能であることを理解されたい。本発明の方法およびキットがこのようなサンプルでも実施可能であることは実験によって示されている。使用できる他のサンプルには、血液や血清が含まれる。
1つの態様においては、尿サンプルから回収した細胞を集め、総核酸抽出を実施する。1つの特定の態様においては、BOOM et al., 1990, J. Clin. Microbiol. 28: 495-503 の発表した、シリカビーズ上で行う固相バンド法(solid phase band method)を用いて総核酸抽出を行う。他の態様においては、別のターゲットキャプチャー法(下記参照)で核酸を精製する。当然のことながら、種々の核酸抽出法および核酸精製法が存在するので、本発明に従って他の方法を用いることができる点を理解されたい。本発明を限定することのない具体例としては、フェノール/クロロホルム抽出法およびターゲットキャプチャー精製法(下記参照)が挙げられる。他の方法も本明細書で参照する教科書に記載されている。尿サンプルまたは他のサンプルに含まれる前立腺細胞を安定化または保護するための数々の方法に加えて、前立腺細胞内に存在するRNAを安定化または保護するための方法が当業界では知られている点も理解されたい。
他の態様においては、本発明の方法を、粗製、未精製または部分精製のサンプルを用いて行う。
1つの特定の態様においては、本発明は、サンプル中のPCA3核酸の存在を検出するための、前立腺癌診断キットに関する。このようなキットは、通常、PCA3核酸(例えば、PCA3 RNA)にハイブリダイズする少なくとも1種のオリゴヌクレオチドプローブおよび/またはオリゴヌクレオチドプライマーの入った第1容器、および上記第2前立腺特異的配列にハイブリダイズする少なくとも1種の他のオリゴヌクレオチドプライマーおよび/またはオリゴヌクレオチドプローブの入った第2容器を包含する。他の態様においては、PCA3増幅産物に特異的にハイブリダイズするプローブの入った第3容器を更に包含する。好ましい態様においては、キットは更に補助成分の入った他の容器を包含し、補助成分は、更なるオリゴヌクレオチドやプライマー、および/または下記群から選ばれる少なくとも1種である:緩衝剤、アッセイに使用する試薬(例えば、洗浄試薬、ポリメラーゼ、内部対照(IC)など)、および結合した核酸プローブ/核酸プライマーの存在を検出することを可能にする試薬。もちろん、本発明のキットを数々の態様で提供することが可能である。例えば、増幅試薬と検出試薬の容器を分けることができる。このような態様の1つにおいては、本発明の標的核酸(例えば、PCA3、第2前立腺特異的核酸および内部対照核酸)に特異的な増幅用またはハイブリダイゼーション用の試薬が第1の容器に入っており、検出用の試薬が第2容器に入っている。また、検出用試薬と増幅用試薬が同じ容器に入っていてもよい。
更に本発明は、サンプル中のPCA3核酸の存在を検出するための前立腺癌診断キットに関する。このようなキットは、概して、PCA3 mRNAにハイブリダイズする、少なくとも1種のオリゴヌクレオチドプローブおよび/またはオリゴヌクレオチドプライマーの入った第1容器、および第2前立腺特異的配列のmRNAにハイブリダイズする少なくとも1種のオリゴヌクレオチドプローブおよび/またはオリゴヌクレオチドプライマーの入った第2容器を包含する。他の態様においては、PCA3増幅産物に特異的にハイブリダイズするプローブの入った第3容器を更に包含する。更に別の態様においては、第2前立腺特異的mRNAに特異的にハイブリダイズするプローブの入った第4容器を更に包含する。好ましい態様においては、キットは補助成分の入った他の容器を更に包含し、このような補助成分は、(例えば、内部対照用の)更なるオリゴヌクレオチドやプライマー、および/または下記群から選ばれる少なくとも1種である:緩衝剤、アッセイに使用する試薬(例えば、洗浄試薬、ポリメラーゼ、内部対照となる核酸や細胞など)、および結合した核酸プローブ/核酸プライマーの存在を検出することを可能にする試薬。当然のことながら、同じまたは異なる容器に試薬を分けるかまとめるかすることは、使用する抽出、増幅またはハイブリダイゼーションの方法および検出方法に加えて、安定性や保存の有無といった他のパラメーターによって決められる。
多数の方法およびキットが本発明の範囲内にある。例えば、PCA3核酸配列を検出および/または増幅する方法は、第2前立腺特異的ポリヌクレオチドまたは他の標的配列を検出および/または増幅する方法と同一である必要はない。従って、例えば、RNAに基づく手法でPCA3を検出する方法やキットにおいて、第2前立腺マーカーや他の標的配列についてはDNAに基づく手法を用いることもある。
当業者であれば、試験が陽性か陰性かを決定するために、本発明に関連して数々の統計方法を使用することができることを理解されたい。提供した決定樹は、本発明を限定することのないこのような統計方法の一例に過ぎない。
特に定義のない限り、本明細書で使用する科学用語と技術用語および命名は、本発明の技術分野に属する当業者によって一般に理解されるものとする。分子生物学用語の一般に理解されている定義は、例えば、以下の教科書に記載されている:“Dictionary of Microbiology and Molecular Biology(微生物学および分子生物学辞典)”第2版(Singleton et al.著、1994年、John Wiley & Sons、ニューヨーク州、ニューヨーク);“The Harper Collins Dictionary of Biology(ハーパーコリンズの生物学辞典)”(Hale と Marham著、1991年、Harper Perennial、ニューヨーク州、ニューヨーク);Rieger et al.著、“Glossary of genetics: Classical and molecular(遺伝学小事典:古典と分子遺伝学)”第5版、Springer-Verlag、ニューヨーク、1991年;Alberts et al.著“Molecular Biology of the Cell(細胞の分子生物学)”第4版、Garland science、ニューヨーク、2002年;および Lewin著、“Genes VII(遺伝子 VII)”、Oxford University Press、ニューヨーク、2000年。概して、分子生物学的方法の手順などは、当業界で一般に用いられているものである。このような標準的な技術は参照したマニュアル、例えば、Sambrook et al.著(2000年、“Molecular Cloning - A Laboratory Manual(分子クローニング − 実験マニュアル)”第3版、Cold Spring Harbor Laboratories)および Ausubel et al.著(1994年、“Current Protocols in Molecular Biology(分子生物学における最近のプロトコル)”John Wiley & Sons、ニューヨーク)に記載がある。
本明細書の記載においては、種々の用語を広範にわたって使用する。本明細書と請求の範囲、並びにこのような用語によって含まれる範囲の理解を明瞭且つ一貫したものとするために、以下の定義を提供する。
用語の定義
本明細書においては、ヌクレオチド配列は一本鎖で、5’から3'の方向を左から右に示し、当業界で一般的に使用されており、IUPAC−IUB生化学命名委員会(IUPAC-IUB Biochemical Nomenclature Commission)の推奨する記載方法に従って1文字ヌクレオチド記号を用いて示した。
本明細書では、数々の日常的に使用されている組換えDNA(rDNA)技術用語に参照する。しかしながら、このようなrDNA用語の定義を明瞭にし、一貫性を持たせるために、以下に選んだ用語の定義を説明する。
本明細書で使用するように、「核酸分子」や「ポリヌクレオチド」とは、ヌクレオチドのポリマーを示す。例としては、DNA(例えば、ゲノムDNAやcDNA)、RNA分子(例えば、mRNA)およびそれらのキメラが挙げられるが、これらに限定されるものではない。核酸分子はクローニング技術や合成によって得ることができる。DNAは二本鎖でも一本鎖(コード鎖または非コード鎖[アンチセンス鎖])でもよい。従来のリボ核酸(RNA)およびデオキシリボ核酸(DNA)も「核酸」という用語に含まれ、ポリヌクレオチドやその類似体も同様である。核酸主鎖は、当業界では公知の種々の結合を含んでいてもよく、このような結合としては、1つまたは複数の糖−ホスホジエステル結合、ペプチド−核酸結合(「ペプチド核酸」(PNA)とも称する;Hydig-Hielsen et al., 国際公開番号 WO 95/32305)、ホスホロチオエート結合、メチルホスホネート結合またはこれの組合せが挙げられる。核酸の糖構造は、リボースまたはデオキシリボース、あるいは既知の置換を有する類似化合物、例えば、2’メトキシ置換体(2’−O−メチルリボフラノシル構造、国際公開番号 WO 98/02582を参照)および/または2’ハロゲン化合物置換体などである。窒素塩基は、通常の塩基(A、G、C、T、U)、その公知の類似体(例えば、イノシンなど;“The Biochemistry of the Nucleic Acids(核酸の生化学)”5-36、Adams et al.編、第11版、1992年を参照)、プリン塩基またはピリミジン塩基の公知の誘導体(Cook、国際公開番号 WO 93/13121を参照)、あるいは主鎖に含まれる1つまたは複数の塩基が窒素塩基を含んでいない“脱塩基”残基(Arnold et al.、米国特許第5,585,481号)などである。核酸は、RNAやDNAに見られるような通常の糖、塩基および結合のみを有するものでもよいし、通常の成分と置換体の両方を有するもの(例えば、メトキシ主鎖を介して結合した通常の塩基や、通常の塩基と共に塩基の類似体を1つまたは複数個有する核酸)でもよい。「PCA3核酸」または「PCA3ポリヌクレオチド」という用語は、本来のPCA3核酸配列を意味する。1つの態様においては、PCA3核酸は配列番号9、10または13に示した塩基配列を有する。他の態様においては、PCA3核酸は、PCA3タンパク質をコードする。更なる態様においては、PCA3核酸は非コード核酸配列である。更に別の態様においては、本発明の範囲に含まれるPCA3配列の標的となるPCA3配列は、患者サンプルに存在する天然のPCA3配列である。
「組換えDNA」という用語は、当業界で理解されているように、DNAセグメントを結合することによって得られるDNA分子を意味する。このような技術を、屡々、遺伝子工学と言う。「組換え核酸」も同じ意味である。
本明細書で用いる「DNAセグメント」という用語は、ヌクレオチドの直鎖状の伸長鎖または配列を含むDNA分子を意味する。この配列を遺伝子暗号(例えば、読み枠またはORF)に従って解読すると、ポリペプチド、タンパク質、タンパク質断片などと称することのできる、アミノ酸の直鎖状の伸長鎖または配列をコードしていることもある。
本明細書で用いる「増幅用ペア」または「プライマーペア」という用語は、本発明のオリゴヌクレオチド(オリゴ体)のペアを意味し、選択した核酸配列を種々の増幅方法の1つによって増幅する際に2つ一緒に使用することを目的として選択したものである。
「増幅法」は、標的核酸配列、その相補鎖または断片のコピー(「アンプリコン」)を複数得るための、公知のin vitro方法の全てに該当する。In vitro増幅法は、増幅核酸を製造する方法を意味するが、増幅核酸は完全な標的領域よりも小さい部分やその相補鎖を含有するものでもよい。公知のin vitro増幅法には、転写媒介性増幅法、レプリカーゼ媒介性増幅法、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)増幅法、リガーゼ連鎖反応(LCR)増幅法およびストランド置換増幅法(SDA法)が挙げられる。レプリカーゼ媒介性増幅法は自己複製性RNA分子とQβ−レプリカーゼなどのレプリカーゼを使用する(例えば、Kramer et al.、米国特許第4,786,600号)。PCR増幅法は広く知られており、DNAまたはcDNAの相補的な二本鎖のコピーを複数合成するために、DNAポリメラーゼ、プライマーおよびサーマルサイクリング反応を使用する(例えば、Mullis et al.、米国特許第4,683,195号、第4,683,202号と第4,800,159号)。LCR増幅法は、少なくとも4種の異なるオリゴヌクレオチドを用い、ハイブリダイゼーション、ライゲーションおよび変性からなるサイクルを複数回行うことによって、標的とその相補鎖を増幅する(例えば、ヨーロッパ公開公報第0 320 308号)。SDA法は、制限エンドヌクレアーゼの認識部位を有するプライマーを用いることで、部分修飾したDNA二本鎖の、標的配列を含む一本鎖に制限エンドヌクレアーゼでニックを導入し、続いてプライマー伸長工程とストランド置換工程からなる一連の増幅反応を行う方法である(例えば、Walker et al. 米国特許第5,422,252号)。他のストランド置換増幅法は、エンドヌクレアーゼによるニックの導入を必要としない(Dattagupta et al. 米国特許第6,087,133号)。転写媒介性増幅法も本発明で使用する。当業者は、本発明のオリゴヌクレオチドプライマー配列が、ポリメラーゼによるプライマー伸長反応に基づくいかなるin vitro増幅法にも直ちに用いることができることを理解する(一般的記載についてはKwoh et al., 1990, Am. Biotechnol. Lab. 8:14-25を参照し、更にKwoh et al., 1989、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86, 1173-1177、Lizardi et al., 1988、BioTechnology 6:1197-1202、Malek et al., 1994, Methods Mol. Biol., 28:253-260 および Sambrook et al.著、2000年、“Molecular Cloning - A Laboratory Manual(分子クローニング − 実験マニュアル)”第3版、CSH Laboratoriesを参照)。当業界で一般的に知られているように、オリゴ体は選択した条件下で相補的配列を結合するように設計する。
本明細書で用いるように、「生理学的に関連する」という表現は、生理学的に関連する機能を制御することのできる相互作用を形容するために用いる。本発明においては、例えば、天然の条件下における遺伝子の転写が生理学的に関連する機能に含まれる。当然のことながら、PCA3に対するタンパク質の結合も、これが天然の条件下で生じる場合には、生理学的に関連する機能とみなすことができる。
「DNA」分子または配列という用語は(時には「オリゴヌクレオチド」という用語も)、デオキシリボヌクレオチドであるアデニン(A)、グアニン(G)、チミン(T)および/またはシトシン(C)を概して含む分子である。「RNA」では、Tがウラシル(U)で置換されている。本明細書で用いるように、特定のDNA配列またはRNA配列は通常の慣例に従って、5’から3’の方向の配列のみを示している。
アガロースゲル電気泳動. 二本鎖DNAを分画するために最も一般的に用いられている技術が、(これが唯一の技術というわけではないが)アガロースゲル電気泳動である。この方法の原理は、ゲルが最も大きい分子の移動を最大限に遅らせ、最も小さい分子の移動を最小限に遅らせる篩であるかのように、DNA分子はゲルの中を移動するというものである。つまり、DNA断片が小さいほど、電気泳動中のアガロースゲルにおける移動度が大きくなることに注目されたい。
アガロースゲル電気泳動によって分画されたDNA断片は、そのパターンに含まれる断片の数が少なければ、染色操作によって直接視覚化することができる。これらの断片の小さな部分集団を視覚化するために、ハイブリダイゼーション法(例えば、サザンハイブリダイゼーション法)と呼ばれる方法が適用できる。
「核酸のハイブリダイゼーション」は、一般的に、相補的な塩基配列を有する2本の一本鎖核酸分子のハイブリダイゼーションを意味し、適切な条件下においては熱力学的に好ましい二本鎖構造が形成される。ハイブリダイゼーション条件の例としては、上述した2冊の実験マニュアル(Sambrook et al., 2000, supra および Ausubel et al., 1994, supra)に記載されており、当業界で一般に知られている。ニトロセルロースフィルター(またはナイロンなどの他の支持体)に対するハイブリダイゼーション、例えば、よく知られているサザンブロット法では、ニトロセルロースフィルターは標識プローブと共に、高濃度の塩類(6×SSCまたは5×SSPE)、5×デンハルト溶液、0.5%のSDSおよび100μg/mlの変性キャリアDNA(例えば、サケ精子DNA)を含む溶液中で、65℃で一晩インキュベートすることができる。この後、非特異的結合プローブを洗い流すためにフィルターを0.2×SSC/0.1% SDSで数回洗浄するが、洗浄温度は所望のストリンジェンシーに基づいて選択することができる:室温(ストリンジェンシーの低い条件)、42℃(ストリンジェンシーが中庸な条件)または65℃(ストリンジェンシーの高い条件)。洗浄溶液の塩濃度およびSDS濃度も、所望のストリンジェンシーに適応するために調整することができる。選択した温度と塩濃度は、DNAハイブリッドの融点(Tm)に基づくものである。当然のことながら、RNA−DNAハイブリッドを形成し、検出することもできる。このような場合に当業者は、よく知られた方法に従ってハイブリダイゼーションおよび洗浄の条件を適応させることができる。ストリンジェントな条件が好ましくは用いられる(Sambrook et al., 2000, supra)。当業界でよく知られているように、異なるアニーリング溶液や洗浄溶液を用いる他のプロトコルや市販のハイブリダイゼーション用キット(例えば、BD Biosciences Clonetech製のExpressHybTM)も用いることができる。
「プローブ」は、ハイブリダイゼーションを促進する条件下で、核酸やその相補鎖中に存在する標的配列に特異的にハイブリダイズする核酸オリゴマーを包含し、標識配列またはその増幅核酸の検出を可能にするものである。検出は、直接的(即ち、プローブが標的配列または増幅配列に直接結合した結果)でも、間接的(即ち、プローブを標的配列または増幅配列に繋ぐ中間分子構造にプローブが結合した結果)でもよい。プローブの「標的」は、概して増幅核酸配列(即ち、増幅した配列からなる部分集合)の中の配列であって、少なくともプローブ配列の一部に標準的な水素結合または「塩基対形成」によってハイブリダイズするものである。「十分に相補的」な配列は、プローブ配列の標的配列への安定なハイブリダイゼーションを、2つの配列が完全に相補的でなくとも可能にする。プローブは標識されていても、標識されていなくともよい。
「十分に相補的な」配列とは、一連の相補的な塩基の間の水素結合によって、他の配列にハイブリダイズ可能な連続した核酸塩基配列である。相補的な塩基配列は、標準的な塩基対形成(例えば、G:C、A:TまたはA:Uの対形成)によって配列の全ての位置が相補的なものであるか、または標準的な塩基対形成では相補的ではない残基(そこには非塩基残基も含まれる)を1つまたは複数含有するが、適切なハイブリダイゼーション条件下で配列全体としては他の塩基配列に特異的にハイブリダイズするものでもよい。オリゴマーの連続した塩基は、オリゴマーが特異的にハイブリダイズする配列に、少なくとも約80%(81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99または100%)相補的であることが好ましく、少なくとも約90%相補的であることがより好ましい。当業者は適切なハイブリダイゼーションの条件をよく知っており、配列の構成や状態に基づいて容易に予測するか、または慣例的な試験によって実験的に決定することができる(Sambrook et al.著、“Molecular Cloning, A Laboratory Manual(分子クローニング、実験マニュアル)”第2版(ニューヨーク州、コールドスプリングハーバー、Cold Spring Harbor Laboratory Press、1989年)の§§1.90〜1.91、7.37〜7.57、9.47〜9.51および11.47〜11.57、特に§§9.50〜9.51、11.12〜11.13、11.45〜11.47および11.55〜11.57を参照)。
核酸配列は、相補的配列(例えば、オリゴヌクレオチドプローブ)を用いたハイブリダイゼーションによって検出することができる(米国特許第5,503,980号(Cantor)、第5,202,231号(Drmanac et al.)、第5,149,625号(Church et al.)、第5,112,736号(Caldwell et al.)、第5,068,176号(Vijg et al.)および第5,002,867号(Macevicz))。ハイブリダイゼーション検出方法に(例えば、DNAチップ上の)プローブのアレイを用いることで、1ヌクレオチドのみ異なる4種の関連したプローブ配列のセットの中の完全に相補的なプローブ配列に選択的にハイブリダイズする標的核酸に関する配列情報を提供することができる(米国特許第5,837,832号と第5,861,242号(Chee et al.)を参照)。
検出工程では、プローブオリゴヌクレオチドへのハイブリダイゼーションによって核酸の存在を検出するための、種々の公知の方法を用いることができる。検出工程の特定の一例においては、既にArnold et al. Clinical Chemistry 35:1588-1594 (1989) ならびに米国特許第5,658,737号(Nelson et al.)および第5,118,801号と第5,312,728号(Lizardi et al.)に詳細に記載されているような、ホモジニアス検出法を使用する。
プローブを用いることのできる検出方法の種類には、サザンブロット法(DNA検出)ドットブロット法またはスロットブロット法(DNA、RNA)およびノーザンブロット法(RNA検出)が挙げられる。標識したタンパク質も、それが結合する特定の核酸配列を検出するために用いることができる(例えば、far western technology社のタンパク質検出方法、Guichet et al., 1997, Nature 385(6616): 548-552 および Schwartz et al., 2001, EMBO 20(3): 510-519)。他の検出方法としては、本発明の試薬が計量棒などの形で含まれるキットが挙げられる。当然のことながら、自動化に対応可能な検出方法を用いることが好ましいこともある。具体例としては、1種または複数種の異なるプローブ(例えば、アレイ)を包含するチップや他の支持体が挙げられるが、これらに限定されることはない。
「標識」とは、検出可能であるか、検出可能なシグナルをもたらす分子構造(molecular moiety)または化合物である。標識は、核酸プローブまたは検出する核酸(例えば、増幅した配列)に直接的または間接的に結合させる。直接的な標識は、標識を核酸に繋ぐ結合または相互作用(例えば、共有結合や非共有相互作用)によって行うことができ、一方、間接的な標識は、直接的または間接的に標識した、付加的なオリゴヌクレオチドなどの「リンカー」または架橋構造(bridging moiety)を介して行うことができる。架橋構造は検出可能なシグナルを増幅することもできる。標識には、検出可能ないかなる分子構造(例えば、放射性核種;ビオチンやアビジンなどのリガンド;酵素や酵素基質;反応性基;染料や着色粒子などの発色団;生物発光性化合物、蛍光発光性化合物や化学発光性化合物などの発光性化合物、および蛍光化合物)も含まれる。好ましくは、標識プローブ上の標識は、ホモジニアスなアッセイ系で検出可能なもの、即ち、混合物中で、結合した標識が未結合の標識と比べて検出可能な変化を生じるものである。
核酸鎖を断片化すると共に標識を付けるという、核酸を標識するための他の方法も知られており、この方法は、固定したDNAプローブのアレイに対するハイブリダイゼーションによって検出する核酸を標識する際に有用である(例えば、国際出願番号 PCT/IB99/02073を参照)。
「ホモジニアスな検出可能なラベル」とは、標識したプローブが標的配列にハイブリダイズしているか否かに基づいて、その存在をホモジニアスな様式で検出することができるものである。ホモジニアスな検出可能なラベルは、ハイブリダイズした標識プローブをハイブリダイズしていないものから物理的に分けることなく検出することができる。ホモジニアスな検出可能なラベルとその検出方法については、他で詳細に説明されている(例えば、米国特許第5,283,174号、第5,656,207号および第5,658,737号を参照)。
本明細書で使用しているように、「オリゴヌクレオチド」や「オリゴ体」とは、2個以上のヌクレオチド(リボヌクレオチドまたはデオキシリボヌクレオチド)からなる分子である。オリゴ体の大きさは、特定の状況、最終的にはその特定の用途によって決まるものであり、当業者が状況に応じて適応させるものである。オリゴヌクレオチドは、公知の方法に従って、化学的に合成するか、クローニングによって誘導することができる。通常は一本鎖型であるが、二本鎖型でもよく、「制御領域」までも含有してもよい。天然では珍しいヌクレオチドや合成ヌクレオチドを含有してもよい。選択した基準、例えば、安定性、を向上させるように設計することもできる。
本明細書で使用しているように、「プライマー」とは、標的配列にアニーリングし、適切な条件下では核酸合成の開始点となる二本鎖領域を作製することが可能なオリゴヌクレオチドである。プライマーは、例えば、対立遺伝子特異的増幅に用いるために、ある種の対立遺伝子に特異的になるように設計することができる。例えば、プライマーは、短いPCA3 RNAに相補的になるように設計することができ、短いPCA3 RNAは前立腺の悪性状態と関連するが、長いPCA3 RNAは、前立腺の非悪性状態(良性状態)と関連する(国際公開番号 WO 01/23550として発行された国際出願番号 PCT/CA00/01154)。プライマーの5’領域は標的核酸配列と非相補的でもよく、付加的な塩基、例えば、プロモーター配列が含まれてもよい(このようなプライマーを「プロモータープライマー」と称する)。当業者は、プライマーとして機能し得るいかなるオリゴマーも5’プロモーター配列を含むように修飾可能であり、そのようなオリゴマーはプロモータープライマーとして機能することを理解している。同様に、いかなるプロモータープライマーも、その機能的なプロモーター配列とは独立してプライマーとして働くことができる。当然のことながら、公知の核酸配列からプライマーを設計する方法は当業界で知られている。オリゴ体については、種々の異なるヌクレオチドを包含してもよい。
転写関連増幅法. 少なくとも2種のプライマーを用いた標的核酸配列の増幅は、種々の公知の核酸増幅法を用いて達成することができるが、実質的に等温性である転写関連増幅反応を用いることが好ましい。このようなin vitro増幅法を用いることで、標的核酸の単一コピーから複数本の核酸が製造されるので、増幅配列を1つ以上の検出用プローブに特異的に結合させることによってサンプル中の標的の検出が可能となる。転写関連増幅法については他で詳細に記載されている(例えば、米国特許第5,399,491号および第5,554,516号)。簡単に説明すると、転写関連増幅法は、2種のプライマー(その内の1種はRNAポリメラーゼのプロモーター配列を有するプロモータープライマー)、2種の酵素活性(逆転写酵素(RT)とRNAポリメラーゼ)、基質(デオキシリボヌクレオシド三リン酸、リボヌクレオシド三リン酸)と適切な塩類や緩衝剤を含む溶液を用いて、核酸テンプレートから複数のRNA転写産物を製造する。初めに、プロモータープライマーは標的配列(例えば、RNA)に特異的にハイブリダイズし、逆転写酵素が第1の相補的DNA鎖(cDNA)をプロモータープライマーの3’末端からの伸長によって作製する。次に、種々の方法、例えば、標的二本鎖cDNA分子の変性や、DNA:RNA二本鎖中のRNAを分解する、RTによって提供されるRNase H活性を使用することによって、cDNAを第2プライマーとのハイブリダイゼーションが可能な状態にせしめる。第2プライマーがcDNAに結合し、RT活性を用いて第2プライマーの末端から新たなDNA鎖が合成され、一方の末端に機能的プロモーター配列を有する二本鎖DNA(dsDNA)を作製する。RNAポリメラーゼはdsDNAのプロモーター配列に結合し、転写によって複数の転写産物(「アンプリコン」)を製造する。続く転写関連増幅プロセスの工程またはサイクルでは、アンプリコンを複製のための新しいテンプレートとして使用し、増幅した核酸のコピーをたくさん作製する(即ち、テンプレート当たり約100〜3000コピーのRNAを合成する)。
NASBA法. 核酸増幅法(Nucleic Acid Sequence Based Amplification)(NASBA法)は、公知の技術(Malek et al. Methods Mol Biol, 28:253-260)に従って実施することができる。1つの態様においては、NASBA増幅法は、(T7 RNAポリメラーゼプロモーターを含む)アンチセンスプライマーP1のmRNA標的へのアニーリングから始まる。次に逆転写酵素(RTase)が相補的DNA鎖を合成する。RNA鎖を消化するRNaseHは二本鎖のDNA/RNAハイブリッドを認識し、センスプライマーP2が結合できる一本鎖DNA分子を残す。P2は、2番目のDNA鎖を合成するRTaseのアンカーとして働く。その結果として得られる二本鎖DNAは、機能的なT7 RNAポリメラーゼプロモーターを有し、対応する酵素はこれを認識する。NASBA反応は続いて以下の6つの工程を包含する循環的な増幅反応を開始することができる:(1) T7 RNAポリメラーゼによる、短い一本鎖アンチセンスRNA分子の合成(DNAテンプレート当たり101〜103コピー)、(2) プライマーP2のRNA分子へのアニーリング、(3) RTaseによる相補的DNAの合成、(4) DNA/RNAハイブリッド中のRNA鎖の消化、(5) 一本鎖DNAへのプライマーP1のアニーリング、および (6) RTaseによる二本鎖DNA分子の作製。NASBA反応は等温性(41℃)なので、サンプル調製工程においてdsDNAの変性を防止すれば、ssRNAの特異的増幅は可能である。従って、ゲノムdsDNAによって生じる偽陽性結果を得ることなく、dsDNAのバックグラウンドからRNAを取り出すことが可能である。
ポリメラーゼ連鎖反応(PCR). ポリメラーゼ連鎖反応は公知の技術に従って実施することができる。例えば、米国特許第4,683,195号、第4,683,202号、第4,800,159号および第4,965,188号を参照されたい(これら4つの米国特許の内容はこの記載によって本明細書に組み込まれているものとする)。一般的に、PCRは、検出すべき特定配列の各核酸鎖に対して1つのオリゴヌクレオチドプライマーを用いた、ハイブリダイゼーション条件下における核酸サンプルの(例えば、熱安定性DNAポリメラーゼの存在下における)処理を含む。各プライマーの合成した伸長産物は2本の核酸鎖のそれぞれに相補的であり、プライマーは、特定配列とハイブリダイズするのに十分に相補的である。各プライマーから合成した伸長産物は、同じプライマーを用いた伸長産物の更なる合成のためのテンプレートとしても機能する。伸長産物の合成を十分な回数行った後には、検出すべき配列が存在するか否かを求めるためにサンプルを解析する。増幅配列の検出は、ゲル電気泳動後のDNAのEtBr染色による視覚化、公知の技術などに従った検出可能なラベルの使用などによって行うことができる。PCR技術の総論については、“PCR Protocols、A Guide to Methods and Amplifications(PCRプロトコル、方法と増幅に関する手引き)”、Michael et al. 編、Acad. Press、1990年を参照されたい。
リガーゼ連鎖反応(LCR)は、公知の技術(Weiss, 1991、Science 254:1292)に従って実施することができる。当業者は、プロトコルを所望の用途に適合させることができる。ストランド置換増幅法(SDA法)も、公知の技術に従って実施したり、プロトコルを特定の用途に適合させたりできる(Walker et al., 1992, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89:392-396; および同上、1992, Nucleic Acids Res. 20:1691-1696)。
ターゲットキャプチャー法(Target capture). 1つの態様においては、in vitro増幅を行う前に標的核酸の濃度または純度を上げるためのターゲットキャプチャー法が本発明の方法に含まれる。好ましくは、ターゲットキャプチャー法は、既に報告されている方法に記載されているように、標的核酸をハイブリダイズし単離するといった比較的簡単な方法を含むものである(例えば、米国特許第6,110,678号、第6,280,952号および第6,534,273号を参照)。一般的に、ターゲットキャプチャー法は2つのファミリー、即ち、配列特異的方法と配列非特異的方法に分けることができる。非特異的方法においては、試薬(例えば、シリカビーズ)を用いて核酸をそこに非特異的に捕捉する。配列特異的方法においては、固体支持体に結合したオリゴヌクレオチドを、適切なハイブリダイゼーション条件下で標的核酸を含む混合物と接触させ、標的核酸を固体支持体に結合させることによって、他のサンプル成分からの標的核酸の精製を可能にする。ターゲットキャプチャーは、標的核酸と固体支持体に結合したオリゴヌクレオチドとの直接的なハイブリダイゼーションの結果でもよいが、標的核酸を固体支持体に結合したオリゴヌクレオチドに繋げるハイブリダイゼーション複合体を形成するオリゴヌクレオチドとの間接的なハイブリダイゼーションの結果であることが好ましい。固体支持体は、溶液から分離することのできる粒子であることが好ましく、容器に磁場を与えることで回収することのできる常磁性粒子であることが更に好ましい。分離した後には、固体支持体に結合した標的核酸を洗浄し、in vitro増幅反応系で適切なプライマー、基質および酵素と標的核酸を接触させることで増幅する。
一般的に、キャプチャー用オリゴマー配列としては、キャプチャー法が真に特異的な時には標的核酸配列に特異的に結合する配列が挙げられ、その他の場合には、固定化した配列に複合体をハイブリダイゼーションによって結合する「テール」配列が挙げられる。即ち、キャプチャー用オリゴマーには、PCA3や他の前立腺特異的マーカー(例えば、PSA、hK2/KLK2、PMSA、トランスグルタミナーゼ4、酸ホスファターゼ、PCGEM1)である標的配列に特異的に結合する配列や、共有結合した3’テール配列(例えば、固定化したホモポリマー配列に相補的なホモポリマー配列)が含まれる。テール配列は、例えば、5〜50ヌクレオチドの長さで、標的含有複合体を固体支持体に結合するために固定化配列にハイブリダイズし、その結果、ハイブリダイズした標的核酸を他のサンプル成分から精製するものである。キャプチャー用オリゴマーはいかなる主鎖結合を有していてもよいが、いくつかの態様においては、1つまたは複数の2’−メトキシ結合を含む。当然のことながら、他のキャプチャー法も当業界で知られている。キャップ構造上に捕捉する方法(Edery et al., 1988, gene 74(2): 517-525 と米国特許第5,219,989号)やシリカ系の方法(silica based method)が他のキャプチャー法の2つの具体例であるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
「固定化プローブ」や「固定化核酸」は、キャプチャー用オリゴマーを、直接または間接的に、固体支持体に結合する核酸である。固定化プローブは、固体支持体に結合したオリゴマーであって、サンプル中の未結合の物質からの結合した標的配列の分離を容易にする。公知のいかなる固体支持体、たとえば、マトリックスや溶液中に遊離した粒子も用いることができ、その材質はいかなる公知の物質(例えば、ニトロセルロース、ナイロン、ガラス、ポリアクリレート、混合ポリマー、ポリスチレン、シラン化ポリプロピレン、金属粒子、好ましくは常磁性粒子)でもよい。好ましい支持体は、単分散性の常磁性球体(即ち、粒径±約5%の均一な大きさのもの)であり、これを用いることで固定化プローブが安定に、(例えば、直接的な共有結合、キレート化またはイオン相互作用を介して)直接的にまたは(例えば、1つまたは複数のリンカーを介して)間接的に結合し、溶液中の他の核酸へのハイブリダイゼーションを可能にするので、一貫した結果が得られる。
「対立遺伝子」という用語は、染色体上の所定の遺伝子座を占有する遺伝子のもう一方の形態を意味する。
遺伝子. 単鎖ポリペプチドまたはタンパク質と通常は関連するが、必ずしも関連する必要のないDNA配列であり、本発明においては、5’および3’の非翻訳領域を含む。タンパク質の機能的な活性が保持される限り、ポリペプチドは、全長塩基配列またはコード配列のあらゆる部分によってコードされうる。
相補的DNA(cDNA). メッセンジャーRNA(“RNA”)の逆転写によって合成される組換え核酸分子。
構造遺伝子. RNAに転写され、次に特定のポリペプチドの特性を示すアミノ酸配列に翻訳されるDNA配列。
一般的に知られるように、「変異」とは、娘細胞に伝達することが可能な、遺伝物質中の検出可能な変化である。よく知られるように、変異は、例えば、1つまたは複数のデオキシリボヌクレオチドの検出可能な変化である。例えば、ヌクレオチドを付加、欠失または置換するか、逆位するか、あるいは新しい位置に転位することができる。自然突然変異と、実験的に誘発した変異が存在する。このような変異核酸分子によって変異ポリペプチドがコードされている場合もある。
本明細書で使用するように「精製した」という用語は、元々存在していた組成物中の成分から分離した分子(例えば、核酸)について用いる。従って、例えば、「精製した核酸」は、自然界では見られない程度まで精製したものである。「実質的に純粋な」分子とは、他の成分をほとんど含んでいない(例えば、異物を30、40、50、60、70、75、80、85、90、95、96、97、98、99または100%含んでいない)分子である。その反対に、「粗製」の分子は、存在していた元の組成物中の成分から分離していない分子である。簡潔にするために分子の量(例えば、66、67...81、82、...91、92%...)を特に記述しないが、いずれも本発明の範囲内である。
本明細書で使用するように「前立腺特異的マーカー」という用語は、サンプルにおけるその存在が、前立腺細胞(またはそのマーカー)がサンプルに含まれていることを示すいかなる分子も意味する。従って、「前立腺特異的配列」は、前立腺細胞に特異的に見出される核酸配列またはタンパク質配列であって、あるサンプルを「汚染」しうる他の組織に通常は存在しないものである。必然的に、尿サンプルを用いた時には、本発明の第2前立腺特異的マーカーが、前立腺でのみ発現されている必要はない。実際には、1つの器官または組織でのみ発現されているマーカーはほとんどない。しかし、第2前立腺特異的マーカーが前立腺以外の組織で発現されていても、第2前立腺特異的マーカーが発現している組織や器官の細胞が通常は尿サンプル中には存在しない時には、このような非前立腺組織における発現は第2前立腺特異的マーカーの特異性を脅かすことはない。従って、尿をサンプルとして用いる時には、第2前立腺特異的マーカーは、尿サンプルに見られる他の種類の細胞(例えば、泌尿器系の細胞)では通常は発現していないものである。
対照サンプル. 本明細書において「対照サンプル」または「正常サンプル」とは、特別に選択した癌を含まないサンプルである。特定の態様においては、対照サンプルは前立腺癌を含まないか、前立腺癌の不在を示すものである。対照サンプルは前立腺癌に罹患していない患者/個人から得ることができる。他の種類の対照サンプルを用いることもできる。例えば、サンプルに前立腺特異的細胞が含まれることを確認するために、前立腺特異的マーカーを用いることができる(このようなマーカーは、本明細書では通常、第2前立腺特異的マーカーと称する)。関連した状況においては、対照反応は方法そのものを制御するように設計することができる(制御することのできる方法としては、例えば、細胞抽出法、キャプチャー法、増幅反応や検出方法、サンプル中の細胞数、これらの組み合わせ、またはシグナル(例えば、PCA3シグナル)の不在が1つまたは複数の工程における失敗によるものではないことを判定するために観測するこのできる全ての工程である)。
カットオフ値. 前立腺癌素因または前立腺癌の存在のカットオフ値は、前立腺癌を有していない患者の集団における、PCA3(または他の前立腺癌抗原)のポリヌクレオチド、ポリペプチドまたはその断片の平均シグナル+標準偏差n(またはその平均シグナル値の平均)から定義する。前立腺癌の存在を示すカットオフ値と前立腺癌素因を示すカットオフ値は同じでもよいが、異なってもよい。
変異体(Variant). 本明細書において「変異体」とは、本発明のタンパク質または核酸と実質的に類似した構造および生物学的活性を有するタンパク質または核酸分子であって、生物活性の少なくとも1つを保持するものである。よって、2個の分子が共通の活性を有して互いに代替可能であれば、これらの分子の一方の組成または二次、三次または四次構造が他方のものと同一でなかったり、またはアミノ酸配列またはヌクレオチド配列が同一でなかったりしても、これらの分子は本発明で定義した変異体と考える。
「生物学的サンプル」または「患者のサンプル」は、生存または死亡したヒトから得た組織または材料であって、PCA3標的核酸および第2前立腺特異的マーカーを含むものを包含する。サンプルには、例えば、末梢血、血漿や血清、生検組織、消化器系組織、骨髄、尿、糞、精液や他の体液、組織や材料などの、PCA3標的物(または第2前立腺特異的マーカー)に特異的な細胞を含むものが挙げられ、直腸指診(または尿中の前立腺細胞量を増加させる他の方法)に続いて採取した尿サンプルが好ましい。生物学的サンプルは、組織または細胞構造を物理的に破壊するように処理して、細胞内成分を溶液中に放出させることもでき、溶液は、分析用サンプルを調製するために用いる酵素、緩衝剤、塩類、界面活性剤などを含んでいてもよい。
本発明の他の諸目的、諸利益並びに諸特徴は、あくまで例示に過ぎず、具体的な態様に関する以下の非限定的な説明および添付の図面から明らかになる。
上記で本発明を簡単に説明したが、添付の図面に参照しながら、本発明の具体的な態様についても説明する。
本発明を限定するためではなく、本発明をより明確に開示する目的で、本発明の詳細な説明を以下の項目に分けて記載した。

I.PCA3核酸の検出によって、サンプル中の前立腺癌の存在を発見するための方法
II.核酸の合成
III.プローブとプライマー
IV.サンプル中のPCA3核酸を検出するためのキット
PCA3核酸の検出によって、サンプル中の前立腺癌の
存在を発見するための方法
本発明は、生物学的サンプル中のPCA3核酸の存在を、第2前立腺特異的マーカー(例えば、PSA、hK2/KLK2、PSMA、トランスグルタミナーゼ4、酸ホスファターゼやPCGEM1)の存在と共に検出する方法に加えて、サンプル中のPCA3核酸の存在量を測定する方法も包含する。これらの方法はPCA3の過剰発現に関連した前立腺癌の診断に有用である。
前立腺癌を発生する素因または前立腺癌の存在は、患者の生物学的サンプル(例えば、尿)に存在するPCA3核酸の増加に基づいて検出することができる。前立腺癌の素因またはその存在の有無を暗示するPCA3 RNA存在量を検出するために、ポリヌクレオチドプライマーやポリヌクレオチドプローブを使用することができる。一般的に、PCA3核酸(例えば、PCA3 mRNAやその断片)の量が、正常対照サンプル(または決められたカットオフ値)と比べてサンプル中で増加していることは、サンプルが前立腺癌を含んでいるか、前立腺癌を発生しうることを示す。1つの態様においては、第2前立腺特異的マーカーの検出も行うが、これはサンプル中に前立腺特異的細胞が存在することを示す対照となり、更にPCA3検出結果(例えば、PCA3検出における陰性の結果)を判定することにもなる。
当然のことながら、前立腺RNAの対照として機能するものであれば、種々の異なる前立腺特異的マーカーを使用することができる。このような前立腺特異的マーカーの具体例としてはPSA(配列番号11)やカリクレインファミリーに属する他のマーカーが挙げられるが、これらに限定されるものではない。その他には、上述したように、hK2/KLK2、PSMA、トランスグルタミナーゼ4、酸ホスファターゼおよびPCGEM1を本発明に従って使用することができる。
生物学的サンプル中のPCA3核酸(例えば、PCA3 mRNA)の検出方法の、本発明を限定することのない一例においては、(1)生物学的サンプルを、PCA3ポリヌクレオチドにハイブリダイズする少なくとも1種のオリゴヌクレオチドプローブまたはオリゴヌクレオチドプライマーと接触させ、そして(2)生物学的サンプルにおいて、PCA3ポリヌクレオチドにハイブリダイズしたオリゴヌクレオチド(即ち、プローブまたはプライマー)の存在量を検出する。サンプルは、第2前立腺特異的マーカー(例えば、PSA、hK2/KLK2、PSMA、トランスグルタミナーゼ4、酸ホスファターゼ、PCGEM1 mRNAやそれらの断片)の存在についても試験するが、これはサンプル中に前立腺細胞が存在すること(またはその数)の対照に加えて、PCA3検出の陰性または陽性の結果の対照でもある。第2前立腺特異的マーカーは、前立腺癌とは関連しないが、前立腺細胞で発現している前立腺特異的PCA3 RNAでもよい。検出したPCA3ポリヌクレオチドの量は予め決められたカットオフ値と比較し、そこから患者における前立腺癌の素因またはその存在の有無を判定する。
関連した状況においては、本発明の方法は、患者の前立腺癌の進行を観測するために用いることもできる。この特定の態様においては、上記のアッセイを経時的に行って、サンプル(例えば、尿サンプル)中のPCA3核酸の存在量の変化と他の前立腺特異的マーカー(例えば、PSA mRNA)の存在量の変化を評価する。一般的に前立腺癌は、検出されるPCA3核酸の相対量(即ち、細胞や細胞成分(例えば、細胞内に存在するタンパク質や核酸)に対して相対的な量)が時間と共に増加する時に、進行性であると考える。一方、PCA3核酸の相対量が経時的に低下するか一定の時には、進行性ではないと考える。
当業者は、上述した公知技術に基づいて核酸プライマーを選択することができる。試験するサンプルとしてはヒト組織のRNAサンプルが挙げられるが、これに限定されるものでない。
関連する状況においては、核酸の増幅および/または検出のみの効率は、核酸の増幅および/または検出用の反応混合物に添加した高度に精製した対照標的核酸を用いた外部対照反応を行うことによって確認することができる。また、細胞および/または細胞小器官からの核酸回収の効率や、核酸の増幅および/または検出の阻害(存在する場合のみ)の程度も、各試験サンプルに対照となる細胞または細胞小器官(例えば、PCA3と第2マーカーを発現する前立腺癌細胞系の任意の数の細胞)を添加し、外部対照反応と比較することで、確認および概算することができる。サンプル調製の効率と増幅および/または検出の効率の両方を確認するためには、上記のような外部対照反応を、細胞、細胞小器官および/または対照核酸配列を含有するウイルス粒子で強化した参照用試験サンプルまたはブランクサンプルを用いて行うことができる。例えば、各試験サンプルに添加した細胞、ウイルスおよび/または細胞小器官に存在する内部対照(IC)配列からのシグナルが、外部対照反応で観測されるシグナルよりも弱いことは、その試験サンプルに関して生じた不完全な細胞溶解、および/または増幅工程および/または検出工程の阻害によって説明することができる。一方、IC配列のシグナルが外部対照反応で観測されるシグナルと同等であることによって、その試験サンプルに関して細胞溶解を含むサンプル調製が効率よく行われ、増幅工程および/または検出工程の顕著な阻害は生じなかったことが確認される。また、サンプル調製の効率のみを確認するには、核酸試験以外の方法(例えば、顕微鏡による分析、質量スペクトル法や免疫学的分析法)で解析した外部対照を用いることができる。
従って、1つの特定の態様において本発明の方法は、細胞溶解やサンプル調製の効率に加えて、核酸の増幅および/または検出の性能を確認するために、核酸試験アッセイにおいて内部対照(IC)の標的となる核酸配列を含有する、精製した核酸、前立腺細胞やウイルス粒子を用いる。もっと簡単に言うと、本発明の方法から選んだいずれの工程を確認するためにもICを用いることができる。
PCRや関連する増幅技術におけるICとしては、高度に精製したプラスミドDNAが挙げられ、プラスミドDNAはスーパーコイル状でも、制限エンドヌクレアーゼで消化した後に再精製した直鎖状のものでもよい。スーパーコイル状ICテンプレートの増幅は、直鎖化して再精製したIC核酸テンプレートと比べて効率が低く(約100分の1であり)、再現性も低い。従って、プラスミドDNAをICとして用いる時には、本発明で行う増幅および検出のためのIC対照反応は、直鎖化して再精製したIC核酸テンプレートを用いることが好ましい。
効率よく再現性の高いICの増幅/検出を行うために、アッセイの最適化の際の試験に基づいて、核酸、細胞および/または細胞小器官を各試験サンプルに適切な濃度で導入する。添加した対照細胞の最適数はアッセイ方法に依存するが、核酸に基づくアッセイ方法において他の遺伝的標的の増幅および/または検出に著しく有害な影響を与えることがなく、再現性の高いIC検出シグナルを生じる最少細胞数であることが好ましい。精製した直鎖状核酸、細胞、ウイルス粒子または細胞小器官を添加したサンプルは、通常、「強化サンプル(spiked sample)」と称する。
ある種の態様においては、mRNAの量をRT−PCRに基づくアッセイで検出してもよい。RT−PCRにおいては、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を逆転写と共に用いる。このようなアッセイにおいては、少なくとも2種のオリゴヌクレオチドプライマーを用いて生物学的サンプルから誘導したPCA3 cDNAの一部分を増幅することができるが、少なくとも1種のオリゴヌクレオチドはPCA3 RNAに特異的(即ち、ハイブリダイズするもの)である。その後、当業界ではよく知られている技術、例えば、ゲル電気泳動とエチジウムブロマイド染色によって、増幅したcDNAを分離して検出することができる。増幅は、試験患者から採取した生物学的サンプルと前立腺癌を患っていない個人から採取した生物学的サンプル(対照サンプル)、あるいは他の種類の対照サンプルに対して行うことができる。増幅反応は、例えば、2桁に跨る何段階かの希釈を行ったcDNAに対して(または何段階かに希釈した生物学的サンプルに対して直接)行うことができる。予め決めておいたカットオフ値を超える値は、前立腺癌の存在または前立腺癌素因を示す。通常、対照サンプルと比べて生物学的サンプルにおいてPCA3核酸の発現が増加していることは、前立腺癌の存在または前立腺癌を発生する素因を示す。
更なる態様においては、核酸増幅法(NASBA法)と呼ばれるin vitro RNA増幅法によって、生物学的サンプルの核酸抽出物からPCA3 RNAを検出する。他の当業界でよく知られたmRNA増幅法も用いることができ、そのような方法には転写媒介性増幅法(TMA法)、ストランド置換増幅法(SDA法)、Qβレプリカーゼシステムおよびリガーゼ連鎖反応法(LCR法)が含まれる(一般的記載については Kwoh et al., 1990, Am. Biotechnol. Lab. 8:14-25、Kwoh et al., 1989, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86, 1173-1177、Lizardi et al., 1988, BioTechnology 6:1197-1202、Malek et al., 1994, Methods Mol. Biol., 28:253-260 および Sambrook et al., 2000 “Molecular Cloning - A Laboratory Manual(分子クローニング − 実験マニュアル)”第3版、CSH Laboratoriesを参照)。
前立腺癌特異的PCA3 RNA配列と前立腺特異的マーカーの増幅および/または検出は、(例えば、多重リアルタイム増幅アッセイによって)同時に行うことができる。
また、ストリンジェントな条件下でPCA3核酸に特異的にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプローブは、生物学的サンプル中の前立腺癌特異的PCA3ポリヌクレオチドの存在および/または量を検出するために、核酸ハイブリダイゼーションアッセイ(例えば、サザンブロット法、ノーザンブロット法、ドットブロット法、スロットブロット法、in situ ハイブリダイゼーション法など)に用いることができる。
また、オリゴヌクレオチドとプライマーは、増幅工程に続いて患者サンプル中の前立腺癌特異的PCA3配列の配列決定およびその存在の確認を直接行うように設計することができる。このような配列に基づく診断方法は自動化可能であり、本発明の範囲に含まれるものである。
II核酸の合成
本発明を実施するための核酸(例えば、DNAやRNA)は公知の方法に従って得ることができる。
本発明の単離された核酸分子には、クローニングによって得られたものと共に、化学的に合成された核酸分子も含まれる。同様に、核酸分子やそれを分割した断片に対応するオリゴマーも合成することができる。このような合成オリゴヌクレオチドは、例えば、Matteucci et al., J.Am.Chem.Soc. 103:3185-3191 (1981) のトリエステル法や自動DNA合成装置を用いて合成することができる。
オリゴヌクレオチドは、化学合成またはクローニングにより製造することができる。必要ならば、オリゴマーの5’末端をT4ポリヌクレオチドキナーゼを用いてリン酸化することができる。過剰な酵素を用いることにより、アニーリング前の一本鎖核酸のリン酸化や標識のためのリン酸化が可能である。プローブを標識するためにリン酸化する時には、高い比放射能を有する放射性同位元素を含むATPを用いることができる。その後、得られたDNAオリゴマーについて、アニーリングおよびT4 リガーゼによるライゲーションなどを行うことができる。当然のことながら、核酸配列の標識は、当業界で知られている他の方法で行うこともできる。
IIIプローブとプライマー
本発明は、前立腺癌に関連するPCA3核酸配列の存在を、サンプルから特異的に検出するための核酸に関し、該核酸は上記した核酸分子またはPCA3核酸にストリンジェントな条件下で結合するその断片を少なくとも含むものである。
1つの好ましい態様においては、本発明は、前立腺癌に関連するPCA3 RNA配列を標的とし、その増幅を可能とするオリゴ体(即ち、プライマー)に関する。
他の態様においては、特異的プローブを用いたハイブリダイゼーションアッセイ(例えば、ノーザンブロット法、ドットブロット法、スロットブロット法など)によってPCA3 RNAを検出することができる。
本発明のオリゴヌクレオチドプローブやオリゴヌクレオチドプライマーは、特定のアッセイ形式、特定の用途や使用する標的配列に基づいて、いかなる適切な長さでもよい。好ましい態様においては、オリゴヌクレオチドプローブとオリゴヌクレオチドプライマーの長さは、少なくとも10ヌクレオチド(好ましくは、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32ヌクレオチド...)であり、選択した核酸増幅法に特に合うように適応させてもよい。より長いプローブやプライマーも本発明の範囲に含まれ、当業界でもよく知られている。ヌクレオチド数が30超、40超または50超のプライマーや、ヌクレオチド数が100超、200超、300超、500超、800超または1000超のプローブも本発明の範囲内である。当然、長いプライマーはより高価であるという不利益が生じるため、当業界では12〜30ヌクレオチドの長さのプライマーを通常は設計して使用している。当業界で知られているように、本発明の方法では、10〜2000ヌクレオチドを超える長さのプローブを用いることができる。上述した相同性の%と同様に、大きさを特に記載しないプローブやプライマー(例えば、16、17、31、24、39、350、450、550、900、1240ヌクレオチド...のもの)も本発明の範囲に含まれる。1つの態様においては、本発明のオリゴヌクレオチドプローブやオリゴヌクレオチドプライマーは、PCA3 RNA(またはその相補的配列)に特異的にハイブリダイズするものである。より好ましくは、プライマーやプローブは、前立腺癌に関連するPCA3 RNAを検出するために選択する。1つの態様においては、本発明で使用するプローブとプライマーは、PCA3遺伝子とハイブリダイズしない(即ち、遺伝子と発現されたPCA3の特定を可能にする)。本発明の他のプライマーは、PSA(配列番号11)などの第2前立腺特異的マーカーに対して特異的である。当然のことながら、当業界で知られている他の変異体(米国特許第6,479,263号と第5,674,682号)も、 第2前立腺特異的マーカーとして用いることができる。PSA遺伝子はカリクレイン遺伝子ファミリーに属する他の核酸と構造および配列上の類似性を示すので、PSA特異的なプローブやプライマーとして働くPSA配列を適宜選択することは、PSA特異的核酸を増幅および/または検出する方法において重要である。PSA、hK2/KLK2、PSMA、増幅および検出に適したプライマーの例(例えば、米国特許第6,551,778号)は当業界でよく知られており、加えてトランスグルタミナーゼ4、酸ホスファターゼおよびPCGEM1についても知られている。1つの態様においては、PSAオリゴヌクレオチドは、カリクレイン2(hK2/hKLK2)などのカリクレインファミリーに属する他のマーカーにハイブリダイズするものでもよい。このようなオリゴヌクレオチドの一例は配列番号12である。
当業界で一般に知られているように、オリゴヌクレオチドプローブやオリゴヌクレオチドプライマーは、その標的配列とのハイブリダイゼーション産物の融点を考慮して設計する(Sambrook et al.、1989年、“Molecular Cloning - A Laboratory Manual(分子クローニング − 実験マニュアル)”第2版、CSH Laboratories;“Current Protocols in Molecular Biology(分子生物学の最近のプロトコル)”の中のAusubel et al., 1994、John Wiley & Sons Inc.、ニューヨーク州;および下記参照)。
本発明のアッセイ条件下でハイブリダイゼーションを行うためには、オリゴヌクレオチドプライマーとオリゴヌクレオチドプローブは、PCA3ポリヌクレオチドの一部と少なくとも70%(少なくとも71%、72%、73%か74%)、好ましくは少なくとも75%(75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%か89%)、更に好ましくは少なくとも90%(90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%か100%)の相同性を示すオリゴヌクレオチド配列を包含しなければならない。本発明のプローブとプライマーは、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でPCA3核酸(例えば、cDNAやmRNA)配列とハイブリダイズするもの、および少なくとも中庸なストリンジェシーの条件下でPCA3遺伝子の相同体とハイブリダイズするものである。特定の態様においては、本発明のプローブとプライマーはPCA3遺伝子配列(例えば、cDNAやmRNA)と完全な配列相同性を有するものである。しかし、本来のPCA3遺伝子配列とは異なるが、ストリンジェントな条件下で本来のPCA3核酸配列とハイブリダイズする能力を保持するプローブとプライマーも本発明で使用することができる。本明細書で開示するPCA3核酸配列(配列番号9、10と13)に基づいて、当業界で知られているコンピューターによるアライメントと配列解析の方法を用いて、他のプローブとプライマーも容易に設計・使用することが可能である点を理解されたい(“Molecular Cloning - A Laboratory Manual(分子クローニング − 実験マニュアル)”第3版、Cold Spring Harbor Laboratory編、2000年を参照)。
例えば、前立腺癌の悪性状態に関連する短いPCA3 RNAと相補的になるようにプライマーを設計することが可能であるが、対する長いPCA3 RNAは、非悪性(良性)の状態に関連するものである(国際公開番号 WO 01/23550として公開されているPCT/CA00/01154)。本発明によるとこのようなプライマーをその他の必要な試薬と用いることによって、前立腺癌に関連する短いPCA3 RNA(例えば、配列番号8)が試料中に存在する時にのみ増幅産物を生じる。より長いPCA3(例えば、配列番号7)はアンプリコンを生じない。当然のことながら、PCA3 mRNAの短いものと長いものを増幅するように増幅反応を設計することもできる。このような形式においては、長いPCA3 mRNAは第2前立腺特異的マーカーとして用いることができる。
上述したような態様においては、短いPCA3に対する長いPCA3の増幅産物の定量は、前立腺癌に関する分子診断試験として働く他の前立腺特異的マーカーの検出と共に行うことができる。他の態様においては、PCA3に特異的なプライマーペア(またはプローブ)を、PCA3遺伝子やスプライシングを受けていないPCA3 RNAの検出を防止するように設計することができる。例えば、本発明で使用することのできるプライマー配列は、PCA3遺伝子のエクソン/イントロン ジャンクションにハイブリダイズできないように、2つの連続したエクソンにわたるものでもよい。このようなプライマーを用いて得られる増幅産物は、選択した2つのエクソンの間のイントロンを有していない(このようなプライマーとプローブの具体例については下記の表1と表2を参照)。従って、スプライシングを受けていない変異体とゲノムDNAは増幅されない。当業者は、種々のプローブの設計が可能であり、本発明の多様な態様に基づいて使用することができる点を理解するであろう。このような試験は、PCA3の配列や第2前立腺特異的マーカーの配列を用いて適合させることができる。当然ではあるが、異なるプライマーペア(およびプローブ)を、PCA3配列(配列番号7、8、9、10と13)のいかなる部分に加えて、PSAの配列(ジーンバンク アクセッション番号M27274、配列番号11)や選択した他のいかなる第2前立腺特異的マーカー(例えば、KLK2(ジーンバンク アクセッション番号NM005551)、PSMA(ジーンバンク アクセッション番号BC025672)、トランスグルタミナーゼ4(ジーンバンク アクセッション番号BC007003)、酸ホスファターゼ(ジーンバンク アクセッション番号BC016344)、PCGEM1(ジーンバンク アクセッション番号AF223389))からも設計することができる。
本発明のプローブとしては、天然に存在する糖−リン酸主鎖を有するものに加えて、ホスホロチオエート、ジチオネート、アルキルホスホネート、α−ヌクレオチドなどを含む修飾した主鎖を有するものも用いることができる。修飾した糖−リン酸主鎖の一般的な説明は、Miller, 1988, Ann. Reports Med. Chem. 23:295 および Moran et al., 1987, Nucleic Acids Res., 14:5019 に記載されている。本発明のプローブは、リボ核酸(RNA)とデオキシリボ核酸(DNA)のいずれで構成されていてもよく、DNAが好ましい。
本発明は特定の核酸配列の検出における標識の使用に特に依存するわけではないが、このような標識は検出感度を上げるので有利である。更に自動化も可能となる。プローブは種々の公知の方法(Sambrook et al., 2000, supra)に従って標識することができる。検出可能なマーカーやラベルの具体例としては、3H、14C、32Pと35S、リガンド、蛍光団、化学発光性試薬、酵素および抗体が挙げられるが、これらに限定されるものではない。プローブと共に用いる他の検出可能なマーカーであって、本発明の方法の感度を向上させるものには、ビオチンと放射性核種が挙げられる。当業者には、特定のラベルの選択がプローブに結合する様式を支配することは明かである。
広く知られているように、放射性核種は、いくつかの方法で本発明のプローブに取り込むことができる。このような方法の例としては、γ−32P ATPとポリヌクレオチドキナーゼを用いてプローブの5’末端をリン酸化する方法、放射性dNTPの存在下でE. coli Pol IのKlenow断片を用いる方法(例えば、ランダムなオリゴヌクレオチドプライマーを用いて均一に標識したDNAプローブ)、1種以上の放射性NTPの存在下で、SP6/T7システムを用いてDNAセグメントを転写する方法などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
1つの態様においては、ホモジニアス検出アッセイで用いる標識は化学発光性の化合物(例えば、米国特許第5,656,207号、第5,658,737号と第5,639,604号)であり、より好ましくはアクリジニウムエステル(“AE”)化合物、例えば、標準AEやその誘導体である。核酸に標識を付加する方法および標識を検出する方法はよく知られている(例えば、Sambrook et al.、“Molecular Cloning - A Laboratory Manual(分子クローニング − 実験マニュアル)”第2版(ニューヨーク州、コールドスプリングハーバー、Cold Spring Harbor Laboratory Press、1989年)の第10章;米国特許第5,658,737号、第5,656,207号、第5,547,842号、第5,283,174号と第4,581,333号;およびヨーロッパ特許願第0 747 706号を参照)。リンカーを介して結合したAE化合物でプローブを標識するための好ましい方法は、他で詳細に説明されている(例えば、米国特許第5,639,604号の実施例8を参照)。
選択した核酸配列または標的となる核酸配列の増幅は、種々の適切な方法で実施することができる。一般的な記載については、Kwoh et al., 1990, Am. Biotechnol. Lab. 8:14-25を参照されたい。数多くの増幅方法が報告されており、当業者の特定の要求に見合うように容易に適応させることができる。増幅技術の例にはポリメラーゼ連鎖反応(PCR、RT−PCRなど)、リガーゼ連鎖反応(LCR)、ストランド置換増幅(SDA)、転写媒介性増幅、QβレプリカーゼシステムおよびNASBA(Kwoh et al., 1989, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86, 1173-1177、Lizardi et al., 1988, BioTechnology 6:1197-1202、Malek et al., 1994, Methods Mol. Biol., 28:253-260 および Sambrook et al., 2000, supra)が含まれるが、これらに限定されるものではない。増幅方法の他の例としては、ローリングサークル増幅(rolling circle amplification)(RCA)、RNA技術によるシグナル媒介増幅(signal mediated amplification of RNA technology)(SMART)、スプリット コンプレックス増幅反応(split complex amplification reaction)(SCAR)およびRNAのスプリット プロモーター増幅(split promoter amplification of RNA)(SPAR)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
増幅産物の存在を検出するのに適した方法の例として次の方法が挙げられるが、これらに限定されるものではない:アガロースゲルまたはポリアクリルアミドゲルを用いる方法、およびDNA標識色素(エチジウムブロマイド、ピコグリーン、SYBERグリーンなど)を増幅反応系に添加し、適切な装置(ほとんどの場合は蛍光測定装置)で検出する方法。その他の適切な方法としては、(手動または自動の)シークエンシング反応、(制限部位を増幅配列に組み込む)制限部位分析、または配列特異的プローブを用いるハイブリダイゼーションを含む方法(サザンブロット法またはノーザンブロット法、TaqManTM プローブや分子ビーコンの使用など)が挙げられる。当然であるが、他の増幅方法も本発明には含まれる。本発明の方法に従って増幅産物を検出する方法の一例として、分子ビーコンの使用を例示した(下記参照)。
当然であるが、いくつかの態様においては、特異的なプローブやプライマーを用いて、サンプル中のPCA3癌特異的配列に加えて他の前立腺特異的マーカーを直接(例えば、シークエンシングによって)検出することができる。
1つの態様において本発明は、核酸を検出し同定するための方法における技術的進歩を利用する。従って、このような進歩技術の1つである分子ビーコンと呼ばれるツールも、本発明における検出に適切である。
分子ビーコンは、ステムループ構造を形成する一本鎖オリゴヌクレオチドからなるハイブリダイゼーションプローブ/プライマーである。ループは、標的配列に相補的なプローブ配列を含有し、ステム部分は、プローブ/プライマー配列のそれぞれの端に位置する相補的なアーム配列のアニーリングによって形成されるものである。蛍光団が1本のアームの末端に共有結合しており、もう一方のアームの末端にはクェンチャーが共有結合している。分子ビーコンは、溶液中で遊離状態では蛍光を発しない。しかし、標的配列を含む核酸鎖にハイブリダイズすると、強く蛍光を発することが可能な立体構造の変化を生じる(米国特許第5,925,517号と第6,037,130号を参照)。分子ビーコンはアンプリコン検出用プローブ/プライマーとして診断アッセイに用いることができる。ハイブリダイズしていない分子ビーコンは暗いので、例えば、アッセイの途中で合成されたアンプリコンの数を求めるために、プローブ−標的ハイブリッドを単離する必要がない。従って、分子ビーコンの使用は、従来の検出および同定手段を用いた際には大概必要な操作を簡略化する。
異なる色の蛍光団を用いることで、例えば、PCA3核酸と第2前立腺特異的核酸(例えば、PSA、hK2/KLK2、PSMA、トランスグルタミナーゼ4、酸ホスファターゼとPCGEM1)を同時に増幅し検出することを目的としたアッセイなどの多重増幅アッセイにも分子ビーコンを用いることができる。分子ビーコン プローブ/プライマーの設計は当業界でよく知られており、設計の支援を目的としたソフトウエアが市販されている(例えば、 Premier Biosoft International製のBeacon designer)。分子ビーコン プローブ/プライマーは種々のハイブリダイゼーションおよび増幅アッセイ(例えば、NASBA法とPCR法)に用いることができる。
本発明の1つの態様によると、増幅産物は、分子ビーコンをプライマーとして用いた増幅アッセイ(例えば、リアルタイム多重NASBAやPCRアッセイ)によって直接検出するか、プライマーペア結合部位の内部配列として、増幅産物に特異的にハイブリダイズする18〜25(例えば、18、19、20、21、22、23、24か25)ヌクレオチドの長さの分子ビーコンプローブを用いて間接的に検出する。本発明で使用する際には、18と25ヌクレオチドの間の長さの分子ビーコン プローブやプライマーが好ましい(Tyagi et al., 1996, Nature Biotechnol. 14: 303-308)。より短い断片は少ない蛍光シグナルしかもたらさず、一方より長い断片は、シグナルを著しく増加することはほとんどない。しかし、当然ではあるが、より短いものやより長いものも、プローブやプライマーとして用いることができる。
PCA3 RNA配列から誘導することのできる核酸プライマーの具体例を、以下の表1に示した。
Figure 0004824540
表1に示したプライマーの配列とサイズは任意であり、本発明に従って多様な他の配列を設計し、使用することもできることを理解されたい。
本発明は、PCA3配列を標的とするプローブ(本発明で説明したPCA3のエクソン ジャンクションなど)を用いることなく実施することもできるが、このようなプローブは、本発明の方法およびキットに更なる特異性を付与することができる。本発明で使用することのできる(そして表1のエクソン配列に基づいて設計することのできる)特異的核酸プローブの具体例を以下の表2に示した。
Figure 0004824540
当然であるが、当業者が理解するように、多様な更なるプローブを、配列番号9に加え、配列番号10と13や本発明の他の配列の同じまたは異なる領域から設計することが可能であり、それらはエクソン ジャンクションを標的としてもしなくてもよい。表2に示したプライマーのサイズは任意であり、本発明に従って多様な他の配列を設計し、使用することもできることは明かである。
本発明の核酸配列(例えば、プローブとプライマー)は、当業界で知られている数々の確立されたキットの形態に組み込むことが可能であることを当業者は容易に理解する。
上述した方法の1つに態様においては、核酸プローブは固体支持体に固定化されている。このような固体支持体の例としては、ポリカーボネートなどのプラスチック、アガロースやセファロースなどの炭水化物錯体、ポリアクリルアミドなどのアクリル樹脂やラテックスビーズが挙げられるが、これらに限定されるものではない。核酸プローブをこのような固体支持体に固定する方法は当業界でよく知られている。
本発明の核酸プローブ法に適した試験サンプルの例としては、細胞や細胞の核酸抽出物、および体液(例えば、尿)が挙げられる。上述した方法で使用するサンプルは、アッセイの形式、検出方法、分析する組織、細胞または抽出物の性質によって異なる。細胞の核酸抽出物を調製する方法は当業界ではよく知られており、使用するアッセイ方法に適合するように抽出方法を対応させることは容易である。好ましいサンプルは尿試料である。尿試料を使用する時には、本発明の前立腺特異的マーカーの確認を可能にするために、少なくとも1つの前立腺細胞がサンプルに含まれていなければならない。実際、未処理の生物学的サンプルに含まれるPCA3 mRNAの半減期が、この配列の完全性を容易に保存するには適していないと想定すると、採取したサンプルには、尿でもそれ以外のものでも、処理前に少なくとも1つの前立腺細胞が含まれていなければならない。サンプル中の細胞数は試験の判定と測定したPCA3(または第2前立腺特異的マーカー)の相対的存在量に影響を与える。
IVサンプル中のPCA3核酸を検出するためのキット
別の態様においては、本発明は、高感度であり且つ特異的な(即ち、偽陽性の数を低減した)、前立腺癌を診断するためのキットに関する。このようなキットは、通常、前立腺癌特異的PCA3核酸配列にハイブリダイズする少なくとも1つのオリゴヌクレオチドプローブまたはオリゴヌクレオチドプライマーの入った第1の容器を包含する。1つの態様においては、本発明は、PCA3の示す陰性の検出結果を判定するための、第2前立腺特異的マーカーに特異的なオリゴヌクレオチドプローブやオリゴヌクレオチドプライマーの入った第2容器を更に包含する。
本発明の特定の態様においては、このキット(K)は、PSA、hK2/KLK2、PSMA、トランスグルタミナーゼ4、酸ホスファターゼおよびPCGEM1の増幅を可能にするプライマーペアを包含する。当然のことながら、第3の前立腺特異的マーカーの使用も本発明の範囲に含まれる。
キットのオリゴヌクレオチド(プローブやプライマー)は、例えば、NASBA法、PCR法やハイブリダイゼーションアッセイに用いることができる。増幅アッセイは、複数の増幅産物のリアルタイムの検出(即ち、多重リアルタイム増幅アッセイ)に適合させることができる。
関連する特定の態様においては、キットは補助成分の入った他の容器を更に包含し、補助成分は、更なるオリゴヌクレオチドやプライマーおよび/または下記群から選ばれる少なくとも1種である:緩衝剤、アッセイに使用する試薬(例えば、洗浄試薬、ポリメラーゼなど)、および結合した核酸プローブやプライマーの存在を検出することを可能にする試薬。検出試薬の例としては、放射性標識プローブ、酵素標識プローブ(西洋ワサビパーオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ)や親和性標識プローブ(ビオチン、アビジンやストレプトアビジン)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。1つの態様においては、検出試薬は、増幅産物に特異的に結合する分子ビーコンプローブである。他の態様においては、検出試薬は、アクリジニウムエステル(AE)などの化学発光性化合物である。
例えば、本発明に従って区分けされたキットとしては、試薬類が別々の容器に入れられたキットが挙げられる。このような容器としては、小さなガラス容器、プラスチック容器、またはプラスチックや紙のストリップが挙げられる。このような容器は、サンプルと試薬が互いに汚染することなく、1つの区分から別の区分への試薬の効率よい移動が可能であり、各容器内の試薬や溶液は、定量的に1つの区分から別の区分に添加することが可能である。このような容器としては、試験サンプル(例えば、生物学的サンプルや細胞のRNA抽出物)を許容する容器、アッセイに使用するプライマーの入った容器、酵素の入った容器、洗浄試薬の入った容器、伸長産物を検出するために用いる試薬の入った容器が挙げられる。上述したように、試薬類の分離や組み合わせは、好ましいキットの種類(例えば、増幅法、検出法またはその両方に基づく診断キット)、使用する試薬の種類およびそれらの安定性や本来の性質に基づいて、本発明の関連する分野の当業者が適応させればよい。1つの態様においては、1つの容器に増幅試薬が入っており、別の容器に検出試薬が入っている。別の態様においては、増幅試薬と検出試薬が同じ容器に入っている。
キットは、サンプルから標的核酸を精製するためのキャプチャー用オリゴマーとして働くオリゴヌクレオチドを含有してもよい。キャプチャー用オリゴマーの例としては、PCA3標的核酸の一部に相補的な、少なくとも15ヌクレオチドからなる配列が挙げられる。キャプチャー用オリゴマーの態様によっては、標的核酸を捕捉するためのハイブリダイゼーション工程において機能する、PCA3標的配列に相補的な配列の3’または5’末端に更なる塩基が付加していてもよい。このような付加的な配列としては、ポリA配列やポリT配列などのホモポリマーテール配列が好ましいが、他の態様のテール配列が本発明のキャプチャー用オリゴマーに含まれてもよい。1つの態様においては、CAP結合タンパク質(例えば、eIF4G−4E)やその部分を、mRNAを含有するキャップ構造を捕捉するのに用いることができる(Edery et al., 1987,Gene 74(2): 517-525)。他の態様においては、非特異的なキャプチャー試薬(例えば、シリカビーズ)を用いる。
本発明の方法を実施するのに有用なキットとしては、本明細書で開示する増幅用オリゴヌクレオチドおよび/または検出用プローブを、他の試薬と共にパッケージに含むキットが挙げられる。キットは、サンプルからPCA3標的核酸を精製するためのキャプチャー用オリゴマーを更に含んでいてもよく、キャプチャー用オリゴマーは増幅用オリゴヌクレオチドおよび/または検出用プローブと共にパッケージに含まれてもよい。
更なる態様においては、丁寧な直腸指診(DRE)の後に排泄した尿から得た尿サンプルに含まれる細胞を採取し、溶解緩衝液中で溶解する。そして核酸を抽出する(例えば、シリカビーズなどを用いた固相抽出法によって細胞溶解物から抽出する)。核酸抽出物からPCA3遺伝子のコードするRNAの存在を検出する方法としては、in vitro特異的RNA増幅法を、特異的な蛍光プローブを用いて増幅産物をリアルタイムで検出する方法と組み合わせて用いる。この方法では、PCA3前立腺癌特異的RNAの増幅と同時に、尿サンプル中に前立腺細胞が存在することを確認するための対照として用いる第2前立腺特異的マーカー(例えば、PSA RNA)の増幅も行う。
本発明の検診方法および診断方法は、全長PCA3 RNA配列の検出を必要としない。むしろ、正常または病気の個人にPCA3核酸が存在すること、この核酸が存在しないこと、またはこの核酸の変化した形態(例えば、異常なスプライシングパターン)を検出するのに十分な核酸の断片または長さのみを検出すればよい。このような目的には、上述したいずれのプローブやプライマーを用いてもよく、更に多種にわたるものも、本明細書で開示する配列や当業界で公知の配列に基づいて、当業界で知られているように設計することができる。
以下の考察は特にヒト患者に関するものであるが、本願の教示はPCA3を発現するいかなる動物にも適応可能であることを理解されたい。
本発明の診断方法および検診方法は、PCA3の発現量の変化を伴う疾患を発症する危険度が高いと家族歴に基づいて判断される患者や、PCA3関連疾患(例えば、前立腺癌)の診断を望む患者に対して特に有用である。本発明の方法は、上述のような患者において前立腺癌の進行を観測するのにも用いることができる。
本発明を、以下の本発明を限定することのない実施例によって説明する。実施例は、説明のために記載しているに過ぎず、本発明を限定するものではない。
本発明の方法の1つの実施態様を用いた臨床検査
本発明の方法の臨床性能を概算するために、超音波ガイド下穿刺生検を行うことが予定されている、モントリオールとケベックに存在する5つの大学付属病院の患者517人に対して、2001年9月〜2002年6月にかけてパイロット試験を行った。各サンプルは下記の手順に従って処理した。
サンプルの採取
丁寧な直腸指診に続いて、初めに排出した尿の20〜30mlを滅菌80mlプラスチック容器に回収した(患者は滅菌容器に直接排尿した)。
そこに等量のサンプルバッファー(0.1Mのリン酸塩(0.06MのNa2HPO4と0.04MのNaH2PO4)、0.3MのNaCl、pH7.0)を直ちに加え、反転させることによって溶液を混合した。
直ちに処理しない時には、サンプルを2〜8℃で次の処理を行うまでの最長3日間冷蔵した。細胞回収工程を鑑みると、冷凍は避けるべきである。
細胞の回収
サンプルを反転によって混合し、容器を作業台に穏やかに打ち付けて、その内壁から細胞をはがした。次にサンプルを、1つまたは(必要であれば)2つのポリプロピレン製の円錐形チューブに移した(40ml/チューブ)。
細胞は、卓上遠心機による1400gで15分の遠心分離によってペレット化した。最後に上澄みをデカンテーションし、細胞を直ちに溶解した。
細胞の溶解
400μlの溶解バッファー(4.68MのGuSCN、20mMのEDTA、1.2%のTriton X-100TM、46mMのTris−HCl、pH7.2)を尿細胞ペレットに加えた。
細胞ペレットをボルテックスで激しく20秒間撹拌することで細胞を溶解した。ここで粒状の残渣が残らないことが重要である。溶解液は透明であまり粘性ではなかった。
溶解液を1.5mlのマイクロチューブに移し、ボルテックスで30秒間撹拌した。
所望であれば、溶解細胞を今度は−70℃以下で際限なく保存することができる。
核酸の抽出
シリカ懸濁液(60gのシリカ(±80%の粒径が1〜5μmのもの)に終量が500mlとなるようにMilliQ水を加えたもの)を、半透明の均一な懸濁液が得られまで、初めにボルテックスで激しく30秒間撹拌した。
200μ1の懸濁液を直ちに取り出して溶解した試料に添加した。続いて全てのチューブをボルテックスで激しく15秒間撹拌して、核酸をシリカに結合させた。
試験管ラックに、患者の番号によって識別したフィルターユニットの入ったMicrospinTMカラムの系列を準備した。
溶解した細胞とシリカを含む各マイクロチューブの内容物を1つのMicrospinTMカラムのメンブランフィルターユニット内に移した。粒状物質の移動を容易にするために、マイクロチューブはボルテックスで簡単に(約5秒間)撹拌して内容物を再懸濁した。移動前にも同様に行った。各サンプル間でチップは変更した。
冷蔵状態ではないマイクロ遠心機を用い、MicrospinTMカラムを室温(18℃〜25℃)、10,000 RPMで5分間の遠心分離に付した。メンブランフィルターはシリカ結合核酸を保持したが、他の細胞成分は濾液に残っていた。
この間に、MicrospinTMカラムと同じ数の2mlマイクロチューブの系列を用意した。
シリカを含有するメンブランフィルターユニットを新たな2mlマイクロチューブに移した。500μlの洗浄バッファー(5.3M GuSCN、52mM Tris−HCl、pH6.4)を各メンブランフィルターユニットに加えた。次に、冷蔵状態でないマイクロ遠心機を用い、MicrospinTMカラムを室温、10,000 RPMで5分間の遠心分離に付した。
2mlマイクロチューブからなる新たな系列を試験管ラックに用意した。
シリカを含有するメンブランフィルターユニットを新たな2mlマイクロチューブに入れた。600μlの70%エタノール溶液をメンブランフィルターユニットに加えた。次に、冷蔵状態でないマイクロ遠心機を用い、MicrospinTMカラムを室温、10,000 RPMで5分間の遠心分離に付した。
2mlマイクロチューブの新たな系列を試験管ラックに用意した。
シリカを含有するメンブランフィルターユニットを新たな2mlマイクロチューブに入れた。濾液の入った古いマイクロチューブは廃棄した。
次にメンブランフィルターユニットの入ったマイクロチューブを、ドラフトチャンバー内に設置した65℃±1℃の加熱ブロックに移した。
全てのチューブのふたを注意深く開けて蒸発を可能とし、シリカを乾燥するために約10分間インキュベートした。
200μlの溶出バッファー(Dnase/Rnaseを含まない水)を各メンブランフィルターユニットに添加した。
マイクロ遠心機を用い、メンブランフィルターユニットを室温、10,000 RPMで5分間の遠心分離に付した。
この溶出工程をもう一度繰り返し、第2溶出液を得た。これらの工程によって核酸がシリカから溶出し、濾液に濃縮される。
マイクロフィルターユニットは廃棄し、溶出した核酸を含有する2本のマイクロチューブを残した。
各チューブの溶出液を約50μlずつに3等分し、−70℃以下で保存した。
In vitro RNA増幅と検出
試験のために核酸溶出サンプルを初めに氷上で溶解した。実施する反応の数に基づいて、反応混合物を用意した。各サンプルをそれぞれ少なくとも2本ずつ用意した。
10μlの反応混合物を、識別したマイクロチューブに分配した[80mMのTris−HCl(pH8.5)、24mMのMgCl2、180mMのKCl、10mMのDTT、各dNTPを2mM、4mMのrATP、rUTPとCTP、3mMのrGTP、1mMのITP、30%のDMSO、3%のショ糖、1%のD−マンニトール、1%のデキストラン T−40、208nMのPSAプライマー(N2psaP1B、配列番号1とN2psaP2B、配列番号2)、417nMのPCA3プライマー(N0pcaP1A、配列番号3とN0pcaP2B、配列番号4)84nMのPSAビーコン(BpsaRD-4、配列番号5)および166nMのPCA3ビーコン(BpcaFD-4、配列番号6)]。
核酸溶出サンプル5μlを各チューブに加えて混合した。
チューブをサーモサイクラーTMに入れて65℃±1℃で5分間加熱し、次に温度を41℃で保持した。41℃で5分間置いた後、チューブを取り出し、凝結による液滴をふたから取り除くために短時間の遠心分離に付した。
次の工程は速やかに行うほうがよく、温度も41℃に保持することが好ましい。
5μlの酵素混合物(375mMのソルビトール、0.105μg/μlのBSA、0.08単位のRnaseH、32.0単位のT7 RNAポリメラーゼ、6.4単位のAMV−RT)を速やかに各チューブに加え、穏やかに混合した。
チューブはEasyQTMインキュベーターに戻した。最後のチューブが入った時点からインキュベーターの温度を41℃±0.5℃で5分間保持した。
チューブを簡単に遠心した。速やかに全てのチューブを、in vitro RNA増幅とリアルタイム増幅産物検出のための、以下の特徴を有する温度保持機能付き蛍光分光光度計に移した:(1)光源は石英ハロゲンランプであり、(2)ROX(6−カルボキシ−x−ローダミン N−サクシニミジルエステル)蛍光に使用したフィルターの透過波長は550〜620nmであり、FAM(6ーカルボキシフルオレセイン N−ヒドロキシサクシニイミドエステル)蛍光に使用したフィルターの透過波長は485〜530nmであり、(3)各チューブの蛍光積算時間は20msecであり、そして(4)ROX発光とFAM発光は30秒ごとに測定し、チューブブロックの温度は41℃±1℃に設定した。
結果
2時間の増幅の間に生じた蛍光データのあてはめを、以下のBrownの手法[“Computer Methods and Programs in Biomedicine(生物医薬における電算手法とプログラム)”65(2001年)191〜200]に従って行った。
PSAの比(fluo max/fluo min)に基づいてカットオフ値を1.3としたところ、試験した517人の患者の内443人の尿に適切な量の前立腺細胞が存在した。
この患者の集団においては、34%(151/443)で組織学的に前立腺癌が確認された。
Figure 0004824540
本発明の方法の臨床特異性(Sp)および感度(Se)は、蛍光計測の生データから開始する、S-plusTM ソフトウエア(米国、ワシントン州、シアトル、Insightful Corporation製)を用いた分類樹に従って概算した。血中総PSA(tPSA)が4ng/ml未満、4〜10ng/mlの間、および10ng/mlを超えるという3種類の患者について、3種の分類樹を決定した(図2〜4と表4を参照)。
Figure 0004824540
Figure 0004824540
この研究においては、本発明の方法の陽性的中率(PPV)は75%であるが、対する総PSA(>4.0ng/ml)のPPVはたった38%だった。本発明の方法の陰性的中率は84%であり、対してtPSAのそれは81%だった。本発明の方法の全体的な精度は81%であり、対するtPSAの精度は47%だった。
本発明について特定の実施態様を用いて上で説明したが、この開示を読むことによって当業者は、添付の請求の範囲によって定義された本発明の精神とその本質から逸脱することなく、本発明の形態および細部について種々の変更を加えることが可能である点を理解するであろう。例えば、種々の他の増幅アッセイや検出アッセイ、他のプローブ配列やプライマー配列に加えて、若干変更したインキュベーション時間や温度も本発明に基づいて使用することができる。
PCA3遺伝子の構造と、本発明の1つの態様において用いるin vitro RNA増幅および増幅産物検出のためのオリゴヌクレオチドおよびプローブの位置を示す。パネルAはセンスPCA3プライマー(配列番号4)の標的領域であり、パネルBはPCA3分子ビーコン(配列番号6)の標的領域であり、そしてパネルCはアンチセンスPCA3プライマー(配列番号3)の標的領域である。 血中総PSA濃度が4ng/ml未満の患者に対する、本発明の方法の陽性的中率を計算するために用いた決定樹である。 血中総PSA濃度が4〜10ng/mlの患者に対する、本発明の方法の陽性的中率を計算するために用いた決定樹である。 血中総PSA濃度が10ng/mlを超える患者に対する、本発明の方法の陽性的中率を計算するために用いた決定樹である。
配列番号5の1番目のnはROXであり、26番目のnはDABCYLである。
配列番号6の1番目のnはFAMであり、30番目のnはDABCYLである。

Claims (41)

  1. ヒト患者の前立腺癌についての指標を提供するためのin vitroの方法であって、
    (a)患者から得た尿サンプルまたはその核酸抽出物について、前立腺癌特異的PCA3 mRNAに特異的な第1プライマーペアを用いた第1のin vitroのRNA増幅アッセイを行い、但し、該尿サンプルは、射精直後に採取したものではなく、且つ少なくとも1個の前立腺細胞またはその核酸抽出物を含有する尿サンプルであり、該前立腺癌特異的PCA3 mRNAは以下の配列 (i)〜(iii):
    (i)配列番号9、10または13のポリヌクレオチド配列、
    (ii)高度にストリンジェントな条件下で上記ポリヌクレオチド配列(i)の全長にわたってハイブリダイズするポリヌクレオチド配列、および
    (iii)上記ポリヌクレオチド配列(i)または(ii)に完全に相補的なポリヌクレオチド配列
    からなる群より選ばれるポリヌクレオチド配列に対応するRNA配列からなるものであり、
    (b)患者から得た該尿サンプルまたはその核酸抽出物について、該前立腺癌特異的PCA3 mRNA以外の前立腺特異的mRNAに特異的な第2プライマーペアを用いた第2のin vitroのRNA増幅アッセイを行い、そして
    (c)該前立腺癌特異的PCA3 mRNAおよび前立腺特異的mRNA、またはこれらの増幅産物を検出する
    ことを包含する方法であって、
    正常または非悪性状態の前立腺における該前立腺癌特異的PCA3 mRNAの存在量と比較して、検出した該前立腺癌特異的PCA3 mRNAの存在量が増加しているという結果は、該患者に前立腺癌が発生する危険度が高いことまたは該患者に前立腺癌が存在することの指標となり、
    正常または非悪性状態の前立腺における該前立腺癌特異的PCA3 mRNAの存在量と比較して、該前立腺癌特異的PCA3 mRNAが検出されないまたはその存在量が減少しているという結果は、該前立腺特異的mRNAが検出される場合には、該患者に前立腺癌が発生する危険度が低いことまたは前立腺癌が存在しないことの指標となる。
  2. mRNAの増幅をリアルタイムで行うことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. mRNAの検出を、蛍光検出法、化学発光検出法または比色検出法で行うことを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
  4. 該前立腺特異的mRNAの検出によって、該尿サンプル中に少なくとも1個の前立腺細胞が存在することを確認する、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 該前立腺特異的mRNAが、PSA mRNA、ヒト カリクレイン2 mRNA、PSMA mRNA、トランスグルタミナーゼ4 mRNA、酸ホスファターゼ mRNA、PCGEM1 mRNAおよび前立腺癌と関連性のない前立腺特異的PCA3 mRNAからなる群より選ばれるものであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 該前立腺特異的mRNAがPSA mRNAであることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
  7. 該PSA mRNAが、ヒト カリクレイン2 mRNAにハイブリダイズすることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
  8. 該RNA増幅法が、
    (a)核酸増幅法(NASBA法)、
    (b)ポリメラーゼ連鎖反応法(PCR法)、
    (c)転写媒介性増幅法(TMA法)、および
    (d)リガーゼ連鎖反応法(LCR法)
    からなる群より選ばれるものであることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
  9. 該前立腺癌特異的PCA3 mRNAの増幅と該前立腺特異的mRNAの増幅を同時に行うことを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
  10. 該前立腺癌特異的PCA3 mRNAの増幅を、配列番号3と4の塩基配列からなるプライマーペアを用いて行うことを特徴とする、請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
  11. 該前立腺癌特異的PCA3 mRNAの検出を、分子ビーコンを用いて行うことを特徴とする、請求項1〜10のいずれかに記載の方法。
  12. 該分子ビーコンが配列番号6の塩基配列を有することを特徴とする、請求項11に記載の方法。
  13. 該PSA mRNAの増幅を、配列番号1と2の塩基配列からなるプライマーペアを用いて行うことを特徴とする、請求項6〜12のいずれかに記載の方法。
  14. 該PSA mRNAの検出を、PSA分子ビーコンを用いて行うことを特徴とする、請求項6〜13のいずれかに記載の方法。
  15. 該PSA分子ビーコンが、配列番号5の塩基配列を有することを特徴とする、請求項14に記載の方法。
  16. 該同時に行う核酸の増幅を、1つの容器内で行うことを特徴とする、請求項10〜15のいずれかに記載の方法。
  17. PSA mRNAの検出を、化学発光標識を用いたホモジニアス検出法で行うことを特徴とする、請求項6〜16のいずれかに記載の方法。
  18. 該化学発光標識がアクリジニウムエステルであることを特徴とする、請求項17に記載の方法。
  19. 該少なくとも1個の前立腺細胞からmRNAを抽出することを特徴とする、請求項1〜18のいずれかに記載の方法。
  20. 該mRNAを、
    (a) シリカ系精製法、または
    (b) ターゲットキャプチャー法
    で抽出することを特徴とする、請求項19に記載の方法。
  21. 該尿サンプルが、前立腺細胞数が増加した、患者の排尿サンプルであることを特徴とする、請求項1〜20のいずれかに記載の方法。
  22. (a)患者から得た尿サンプルまたはその核酸抽出物から前立腺癌特異的PCA3 mRNAを増幅するための特異的な第1プライマーペアであって、該尿サンプルは、射精直後に採取したものではなく、且つ少なくとも1個の前立腺細胞またはその核酸抽出物を含有する尿サンプルであり、該前立腺癌特異的PCA3 mRNAは、以下の配列 (i)〜(iii):
    (i)配列番号9、10または13のポリヌクレオチド配列、
    (ii)高度にストリンジェントな条件下で上記ポリヌクレオチド配列(i)の全長にわたってハイブリダイズするポリヌクレオチド配列、および
    (iii)上記ポリヌクレオチド配列(i)または(ii)に完全に相補的なポリヌクレオチド配列
    からなる群より選ばれるポリヌクレオチド配列に対応するRNA配列からなるものであることを特徴とする、特異的な第1プライマーペア、
    (b)該前立腺癌特異的PCA3 mRNA以外の前立腺特異的mRNAを増幅するための特異的な第2プライマーペア、および
    (c)該前立腺癌特異的PCA3 mRNAおよび該前立腺特異的mRNAの少なくとも1種が存在する時に、該前立腺癌特異的PCA3 mRNAと該前立腺特異的mRNAの増幅産物の検出を可能とする試薬
    を包含する、患者における前立腺癌の存在または前立腺癌発生危険度を判定するためのキットであって、
    (i)正常または非悪性状態の前立腺における該前立腺癌特異的PCA3 mRNAの存在量と比較して、検出した該前立腺癌特異的PCA3 mRNAの存在量が増加しているという結果を、該患者に前立腺癌が発生する危険度が高いことまたは該患者に前立腺癌が存在することの指標に相関させ、そして
    (ii)正常または非悪性状態の前立腺における該前立腺癌特異的PCA3 mRNAの存在量と比較して、前立腺癌特異的PCA3 mRNAが検出されないまたはその存在量が減少しているという結果を、該前立腺特異的mRNAが検出される場合には、該患者に前立腺癌が発生する危険度が低いことまたは前立腺癌が存在しないことの指標に相関させる
    ことが可能なキット。
  23. 該前立腺特異的mRNAが、PSA mRNA、ヒト カリクレイン2 mRNA、PSMA mRNA、トランスグルタミナーゼ4 mRNA、酸ホスファターゼ mRNAPCGEM1 mRNAおよび前立腺癌と関連性のない前立腺特異的PCA3 mRNAからなる群より選ばれるものであることを特徴とする、請求項22に記載のキット。
  24. 該前立腺特異的mRNAがPSA mRNAであることを特徴とする、請求項22に記載のキット。
  25. (a)患者から得た尿サンプルまたはその核酸抽出物を前立腺癌特異的PCA3 mRNAに特異的にハイブリダイズする少なくとも1種のオリゴヌクレオチドと接触させ、但し、該尿サンプルは、射精直後に採取したものではなく、且つ少なくとも1個の前立腺細胞またはその核酸抽出物を含有する尿サンプルであり、該前立腺癌特異的PCA3 mRNAは、
    (i)配列番号9、10または13のポリヌクレオチド配列、
    (ii)高度にストリンジェントな条件下で上記ポリヌクレオチド配列(i)の全長にわたってハイブリダイズするポリヌクレオチド配列、および
    (iii)上記ポリヌクレオチド配列(i)または(ii)に完全に相補的なポリヌクレオチド配列
    からなる群より選ばれるポリヌクレオチド配列に対応するRNA配列からなるものであり、
    (b)該尿サンプルまたはその核酸抽出物を、該前立腺癌特異的PCA3 mRNA以外の前立腺特異的mRNAに特異的にハイブリダイズする少なくとも1種のオリゴヌクレオチドと接触させ、
    (c)該患者から得た尿サンプルまたはその核酸抽出物中の該前立腺癌特異的PCA3 mRNAの量および該前立腺特異的mRNAの量を測定し、そして
    (d)該前立腺癌特異的PCA3 mRNAの量および該前立腺特異的mRNAの量を予め決められたカットオフ値と比較して、該尿サンプルまたはその核酸抽出物中に前立腺癌が存在するか否かを判定する
    ことを包含する、患者における前立腺癌素因または前立腺癌の存在の危険度を検出するためのin vitroの方法。
  26. 該前立腺特異的mRNAが、PSA mRNA、ヒト カリクレイン2 mRNA、PSMA mRNA、トランスグルタミナーゼ4 mRNA、酸ホスファターゼ mRNA、PCGEM1 mRNAおよび前立腺癌と関連性のない前立腺特異的PCA3 mRNAからなる群より選ばれる1種であることを特徴とする、請求項25に記載の方法。
  27. 該前立腺特異的mRNAがPSA mRNAであることを特徴とする、請求項25に記載の方法。
  28. (a)該前立腺癌特異的PCA3 mRNAと該前立腺特異的mRNAを同時に同じ容器内で増幅する、
    (b)該前立腺癌特異的PCA3増幅産物と該前立腺特異的増幅産物の検出を同じ容器内で行う、または
    (c)上記(a)と(b)を共に行う
    ことを特徴とする、請求項22または23に記載のキット。
  29. 内部対照(IC)と共に、該内部対照を増幅、ハイブリダイズまたは検出するためのプライマー、プローブおよび試薬からなる群より選ばれる少なくとも1種を更に包含することを特徴とする、請求項22、23または28に記載のキット。
  30. 該内部対象(IC)が、
    (a)精製核酸、
    (b)細胞、
    (c)標的核酸を含有するウイルス粒子、および
    (d)細胞小器官
    からなる群より選ばれるものであることを特徴とする、請求項29に記載のキット。
  31. 該内部対照(IC)の検出、該前立腺癌特異的PCA3増幅産物の検出および該前立腺特異的増幅産物の検出を全て異なる方法で行うことを特徴とする、請求項29または30に記載のキット。
  32. 該前立腺癌特異的PCA3 mRNAと前立腺特異的mRNAの量を、
    (a)RNA増幅アッセイ法、および
    (b)RNAハイブリダイゼーションアッセイ法
    からなる群より選ばれるアッセイ法で求めることを特徴とする、請求項25または26に記載の方法。
  33. 該前立腺癌特異的PCA3 mRNAと該前立腺特異的mRNAの量の測定を、
    (a)ポリメラーゼ連鎖反応法(PCR法)、
    (b)核酸増幅法(NASBA法)、
    (c)転写媒介性増幅法(TMA法)、および
    (d)リガーゼ連鎖反応法(LCR法)
    からなる群より選ばれるアッセイ法で行うことを特徴とする、請求項25、26または32に記載の方法。
  34. (a)患者から得た尿サンプルまたはその核酸抽出物を、前立腺癌特異的PCA3 mRNAに特異的にハイブリダイズする少なくとも1種のオリゴヌクレオチドと接触させ、但し、該尿サンプルは、射精直後に採取したものではなく、且つ少なくとも1個の前立腺細胞またはその核酸抽出物を含有する尿サンプルであり、該前立腺癌特異的PCA3 mRNAは、
    (i)配列番号9、10または13のポリヌクレオチド配列、
    (ii)高度にストリンジェントな条件下で上記ポリヌクレオチド配列(i)の全長にわたってハイブリダイズするポリヌクレオチド配列、および
    (iii)上記ポリヌクレオチド配列(i)または(ii)に完全に相補的なポリヌクレオチド配列
    からなる群より選ばれるポリヌクレオチド配列に対応するRNA配列からなるものであり、
    (b)該尿サンプルまたはその核酸抽出物を、該前立腺癌特異的PCA3 mRNA以外の前立腺特異的mRNAに特異的にハイブリダイズする少なくとも1種のオリゴヌクレオチドと接触させ、
    (c)該尿サンプルまたはその核酸抽出物中の、該前立腺癌特異的PCA3 mRNA量および該前立腺特異的mRNA量を測定し、
    (d)経時的に該患者から得た、少なくとも1個の前立腺細胞を含有する尿サンプルまたはその核酸抽出物を用いて上記工程(a)と(b)を繰り返し、そして
    (e)工程(d)で求めた該前立腺癌特異的PCA3 mRNA量を、工程(c)で求めた該前立腺癌特異的PCA3 mRNA量と比較することで、患者中の前立腺癌の進行を観測し、該前立腺癌特異的PCA3 mRNAは存在しないが、前立腺特異的mRNAは存在することをもって、前立腺癌が存在しないかまたはその発生危険度が低いことを確認する
    ことを包含する、患者中の前立腺癌の進行を観測するin vitroの方法。
  35. 該前立腺特異的mRNAが、PSA mRNA、ヒト カリクレイン2 mRNA、PSMA mRNA、トランスグルタミナーゼ4 mRNA、酸ホスファターゼ mRNA、PCGEM1 mRNAおよび前立腺癌と関連性のない前立腺特異的PCA3 mRNAからなる群より選ばれるものであることを特徴とする、請求項34に記載の方法。
  36. 該前立腺特異的mRNAがPSA mRNAであることを特徴とする、請求項34に記載の方法。
  37. 該前立腺特異的mRNAがカリクレインファミリーに属する他のmRNAにもハイブリダイズすることを特徴とする、請求項34に記載の方法。
  38. 該尿サンプルまたはその抽出物が、
    (a)精製核酸、
    (b)細胞、
    (c)標的核酸を含有するウイルス粒子、および
    (d)細胞小器官
    からなる群より選ばれる内部対象(IC)で強化したものであることを特徴とする、請求項1〜21、25、26および32〜34のいずれかに記載の方法。
  39. 患者における前立腺癌の発見または前立腺癌発生危険度の判定のための診断キットであって、
    (a)以下の配列(i)〜(iii):
    (i)配列番号9、10または13のポリヌクレオチド配列
    (ii)高度にストリンジェントな条件下で上記ポリヌクレオチド配列(i)の全長にわたってハイブリダイズするポリヌクレオチド配列、および
    (iii)上記ポリヌクレオチド配列(i)または(ii)に完全に相補的なポリヌクレオチド配列
    からなる群より選ばれる1種のポリヌクレオチド配列に対応するRNA配列を有する前立腺癌特異的PCA3 mRNAに特異的にハイブリダイズする、少なくとも1種のオリゴヌクレオチドプローブまたはオリゴヌクレオチドプライマーの入った容器、
    (b)該前立腺癌特異的PCA3 mRNA以外の前立腺特異的mRNAまたはその相補鎖に特異的にハイブリダイズする少なくとも1種のオリゴヌクレオチドプローブまたはオリゴヌクレオチドプライマー、および
    (c)該前立腺癌特異的PCA3 mRNAまたは前立腺特異的mRNAが存在する時に、該前立腺癌特異的PCA3 mRNAと該前立腺特異的mRNAの検出を可能とする試薬
    を包含し、該前立腺癌特異的PCA3 mRNAは存在しないが、前立腺特異的mRNAは存在することをもって、前立腺癌が存在しないかまたはその発生危険度が低いことを確認することを特徴とするキット。
  40. 検出用の該試薬が、以下の(a)〜(f):
    (a)放射性同位元素、
    (b)酵素、
    (c)蛍光基、
    (d)ビオチン、
    (e)化学発光基、および
    (f)色素粒子
    からなる群より選ばれるレポーター基または標識を包含することを特徴とする、請求項39に記載の診断キット。
  41. 前立腺細胞数が増加した該尿サンプルが、直腸指診(DRE)に続いて採取した尿サンプルであることを特徴とする、請求項21に記載の方法。
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