JP4824529B2 - 紙葉類処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は紙葉類処理装置に関し、主として、投票用紙、チケット等の多量の紙葉類を、高速でカウントし、あるいは、設定枚数までカウントする用紙計数装置等の紙葉類処理装置に関する。
紙葉類処理装置のうち、投票用紙等の枚数をカウントする用紙計数装置の従来例として、特許文献1に記載された装置がある。この従来例は、給紙部と、搬送部と、用紙回収部と、を備え、給紙部に供給された多数の用紙を、1枚ずつ搬送部に供給し、搬送中にその枚数をカウントして、用紙回収部に設定枚数だけ回収するように構成されている。この従来例において、搬送中の用紙を検出する複数のセンサが配置されており、これにより、用紙の重送又は連鎖を検出するようにしているが、これらセンサは、作業中(搬送中)の用紙の有無並びに作業終了時の用紙残留を検出する目的でも使用される。すなわち、処理作業時以外の所定の時期、たとえば、電源オン時又は用紙ジャム処理後において、用紙が残留していないかを検出することが可能である。上記センサは、用紙の搬送方向の長さとは関係なく、必要な箇所にだけ配置されており、隣り合うセンサ間の搬送方向間隔は、殆どが用紙の搬送方向長さよりも広い間隔で配置されている。
特開平8−157103号公報
上記従来例のように、センサが、用紙の搬送方向の長さとは関係無く、搬送方向に広い間隔で配列されている場合、作業終了時又は再始動時に、用紙が残留しているか否かをチェックしても、センサ間に用紙が残留していると、その用紙は検出できない。特に、処理される紙葉類が投票用紙の場合には、通常、2つ折り状態で投票箱に投入されるので、集票後、給紙部に供給される時に2つ折り状態で供給される可能性が大きく、カウント作業終了時、または用紙ジャム処理後、用紙が搬送方向と直交する折り目により2つ折りされた状態で搬送部内に残留していると、その検出はさらに困難になる。投票用紙のカウント作業では、一票でもカウントミスは許されないのである。
本発明の目的は、処理作業時以外の所定の時期、たとえば、装置の電源オン時等に、用紙の残留を確実に検出できる紙葉類処理装置を提供することである。
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、略同一形状の紙葉類を一枚ずつ供給する給紙部と、該給紙部から供給される紙葉類を搬送すると共に紙葉類のカウント又はその他の処理を行う搬送部と、該搬送部で搬送された紙葉類を回収する回収部と、を備えた紙葉類処理装置において、前記搬送部に、搬送中の紙葉類を検出する複数のセンサを配置し、該センサ同士の搬送方向の間隔と、搬送部の搬送始端と最も搬送始端側のセンサとの搬送方向の間隔と、搬送終端と最も搬送終端側のセンサとの搬送方向の間隔とを、紙葉類の搬送方向長さの半分以下に設定してある。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の紙葉類処理装置において、前記各センサが接続される制御部と、該制御部に接続される警告装置と、を備え、処理作業時以外の所定の時期において、前記センサにより、前記搬送部内の紙葉類の有無の検出を行い、残留紙葉類を検出した時に前記警告装置を警告作動させるように構成している。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の紙葉類処理装置において、前記所定の時期は、紙葉類処理装置の電源オン時又は紙葉類のジャム処理後である。
請求項4記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか一つに記載の紙葉類処理装置において、前記搬送部には、紙葉類搬送用の複数のローラを、紙葉類の搬送方向長さの半分以下の搬送方向の間隔で配置してある。
(1)搬送中の紙葉類を検出するセンサを、紙葉類の搬送方向長さ以下の間隔で配置しているので、搬送部内の如何なる箇所に紙葉類が残留していても、いずれかのセンサによりその残留紙葉類を検出することができる。すなわち、電源オン時又は用紙ジャム処理後等の所定時期において、残留用紙を確実に検出することができる。
(2)検出センサの間隔を、紙葉類の搬送方向長さの半分以下に設定することにより、搬送部内で、搬送方向と直交する折り目により2つ折りされた状態又は半切れ状態で紙葉類が残留していても、確実にそれらの紙葉類を検出することができる。
(3)残留を検出した時に、警告装置により警告するように構成することにより、忘れずに、かつ、速やかに残留紙葉類を取り除くことができる。
(4)搬送用のローラの間隔を、紙葉類の搬送方向長さの半分以下の間隔で配置することにより、2つ折れ又は半切れ状態の紙葉類であっても、確実に搬送し、搬送部内への残留を防ぐことができる。
添付の図面は、紙葉類処理装置の一例として、選挙投票用紙の計数に用いる用紙計数装置に本発明を適用した例であり、これらの図面に基づいて本発明の一実施の形態を説明する。
[装置全体の概略]
図1は用紙計数装置の全体斜視図、図2は用紙計数装置の側面図、図3は異常紙回収部の押さえガイドを開いた状態を示す用紙計数装置の側面図、図4は用紙計数装置の縦断側面図、図5は前後のケースカバー部を開いた状態を示す用紙計数装置の縦断側面図、図6は搬送ローラ及び各種センサの配置状態を明確に示す用紙計数装置の縦断側面略図である。なお、説明の都合上、図中に記載してあるように、給紙側を装置の「前方」とし、操作パネル11を設けてある側を装置の「右側」として、以下説明する。
図1において、用紙計数装置は、装置ケース1の前上端部に給紙部2を備え、後下端部に正常紙回収部3を備え、給紙部2と正常紙回収部3との間に概ねV字状の主搬送部4を備え、主搬送部4の後半部の上面に異常紙回収部7を備え、装置ケース1の右側面の下端部に操作パネル11を備え、主搬送部4の前半部分の右端部に、上下三段に配列された警告ランプ21,22,23を備えている。また、図4に示すように、装置ケース1内には、主搬送部4の搬送終端部(後端部)に、切換機構10を介して、下方に延びる正常紙搬送部8と上方に延びる異常紙搬送部9とを備え、主搬送部4の前端部と給紙部2との間に捌き機構12を備えている。すなわち、該装置の搬送部は、前記主搬送部4と、正常紙搬送部8と、異常紙搬送部9とから構成されており、捌き機構12のニップ部分が該搬送始端P1となり、正常紙搬送部8の下端及び異常紙搬送部9の上端が、搬送終端P2,P3となっている。
装置全体の基本的な作動を簡単に説明すると、図4において、給紙部2に、略同一形状の多数の用紙(たとえば投票用紙)を積載し、最下位用紙を、捌き機構12を経て1枚ずつ主搬送部4に送り込み、主搬送部4内を搬送中に、異常紙識別センサS2により異常紙か否かを判別し、正常紙と識別した場合には、正常紙搬送部8へ送り込むと共に、正常紙搬送経路センサS6によりカウントし、正常紙回収部3に回収する。一方、異常紙と識別された場合には、異常紙搬送部9を介して、異常紙回収部7に異常紙を排出する。前記正常紙回収部3に回収された用紙が、設定枚数に達すると、自動的に装置は停止する。
[給紙部の詳細な構成]
図1において、給紙部2の底面2aには、左右一対の用紙幅規制ガイド25が左右方向移動可能に立設されると共に、後端部に突き当てガイド26が配置されており、両ガイド25,26は透明の樹脂材料で形成されている。給紙部2の底面2aには、下方から左右1対の給紙ローラ27が突出しており、この給紙ローラ27は、図4に示すように、外周面の一部に切欠き部を有し、この切欠き部には、用紙との摩擦力が大きくなるゴム製の摩擦部材27aが設けられている。上記給紙ローラ27は、図6に示すように第1の駆動モータ61に連動連結され、該第1の駆動モータ61は制御部70に電気的に接続されている。
給紙ローラ27が用紙送り出し方向に一回転することにより、底面2a上の積載用紙Nを上下に動かすと共に、最下位の用紙に摩擦部材27aが接触し、用紙と摩擦部材27aとの大きな摩擦力によって、最下位の用紙を捌き機構12に送り出す。このようにして、用紙を一定間隔で周期的に送り出す。
なお、左右の用紙幅規制ガイド25及び突き当てガイド26は透明部材でできているので、給紙部2に積載される用紙を、後方及び側方から簡単に確認することができる。
[主搬送部及び捌き機構の詳細な構成]
図6において、捌き機構12と切換機構10との間に配置されたV字状の主搬送部4には、搬送方向Aと直交する方向に所定間隔を置いて上下一対の搬送ガイド板33,34が配置され、両搬送ガイド板33,34間で主搬送経路35を構成している。主搬送経路35には、搬送方向Aに間隔を置いて複数の搬送ローラ対41,42,43,44,45が配置されており、各搬送ローラ対41,42,43,44,45は、それぞれ大径の駆動ローラ41a,42a,43a,44a,45aと小径の従動ローラ41b,42b,43b,44b,45bとから構成されており、主搬送経路35内に突出している。該実施の形態における搬送ローラ対41,42,43,44,45の具体的な配置例としては、V字状の底部に中間搬送ローラ対42を配置し、該中間搬送ローラ対42と捌き機構12との間に前部搬送ローラ対41を配置し、中間搬送ローラ対42と切換機構10との間に、3つの第1,第2,第3の後部搬送ローラ対43,44,45を配置している。各搬送ローラ対41,42,43,44,45の搬送方向Aの間隔(配置スパン)は、用紙Nの搬送方向長さの半分以下の間隔に設定されている。上記搬送ローラ対41,42,43,44,45のうち、中間搬送ローラ対42は、上側に駆動ローラ42aが配置され、残りの搬送ローラ対41,43,44,45は、下側に駆動ローラ41a,43a,44a,45aが配置されている。
各駆動ローラ41a,42a、43a,44a,45aは、図示しないが、駆動ベルト機構により同期回転するように連動連結されると共に、第2駆動モータ62に連結し、該第2駆動モータ62は制御部70に電気的に接続している。
図8は図4のV-V断面略図であり、捌き機構12の詳細を示している。この図8において、捌き機構12は、主搬送経路35の下側に配置された左右1対の捌きローラ50と、両捌きローラ50間に配置された中央ローラ51と、左右の捌きローラ50上方に配置された固定ローラ52と、中央ローラ51上に上下揺動可能に配置されたスプーン形ウエイト53及びゴムローラ54と、から構成されている。左右の固定ローラ52の外周面には環状溝が形成され、該環状溝内に捌きローラ50の環状突起が隙間を置いて噛み合っており、一方、スプーン形ウエイト53及びゴムローラ54は、自重により中央ローラ51の外周面に当接している。左右の捌きローラ50及び中央ローラ51の外周面の一部には摩擦部材50a,51aが設けられている。固定ローラ52は、搬送方向と逆方向にのみ回転可能となるように、ワンウエイクラッチを介して支軸52aに支持されている。捌きローラ50及び中央ローラ51は、図6に示すように、駆動ベルト等により、給紙部2の給紙ローラ27に同期して駆動するように連動連結されると共に、第1駆動モータ61に連結している。
左右の捌きローラ50及び中央ローラ51が回転すると、外周面の摩擦部材50a,51aにより用紙Nを主搬送部4内へ送り込むが、給紙ローラ27から2枚以上の用紙が一度に捌き機構12に送り込まれる場合には、固定ローラ52及びスプーン形ウエイト53により、上位の用紙を下位の用紙から分離して停止させ、下位の用紙のみを主搬送部4に送り込むようになっている。すなわち、用紙Nは、図8において、左右の捌きローラ50と固定ローラ52との間、並びに中央ローラ51とスプーン形ウエイト53及びゴムローラ54の間を、各ローラ及びスプーン形ウエイト54に接触し、かつ、用紙幅方向に波打ちしながら通過し、これによって捌き作用を受ける。
[正常紙搬送部及び異常紙搬送部]
図12及び図13は、正常紙搬送部8、異常紙搬送部9及び切換機構10の拡大縦断側面図であって、図12は切換機構10が正常紙識別位置に位置している状態、図13は切換機構10が異常紙識別位置に位置している状態を示している。図12において、主搬送部4の搬送終端部(後端部)には、上側の異常紙搬送ローラ64と、下側の正常紙搬送ローラ63とが互いに接触するように配置されており、各搬送ローラ63,64の後側には、それぞれゴムローラ65,66が当接している。両搬送ローラ63,64の当接部の後側近傍部位に、切換機構10のゲート部材91が配置されており、該ゲート部材91の後端部に下側には、正常紙搬送部8の正常紙搬送経路8aを形成する円弧状のガイド板71が、前記正常紙搬送ローラ63の外周面に対向するように配置されている。前記正常紙搬送経路8aは下方の正常紙回収部3に延びている。一方、ゲート部材91の後端部に上側には、異常紙搬送部9の異常紙搬送経路9aを形成する円弧状のガイド板72が、前記異常紙搬送ローラ64の外周面に対向配するように配置されている。異常紙搬送経路9aは、後述する押えガイド81のガイドリブ84を介して前方へUターンし、異常紙回収部7に至っている。
前記正常紙搬送ローラ63と異常紙搬送ローラ64とは、図6に示すように、駆動ベルト機構等を介して前記第2の駆動モータ62に連動連結し、同期して回転するようになっている。
[正常紙回収部]
図6において、正常紙回収部3は、後下がり状に配置された底板3aと、該底板3aの前端に立設されて前記正常紙搬送経路8aの下端に至る縦ガイド板73と、外周面に多数の羽根75aが設けられた回転可能な羽根車75と、底板3aの後端部に立設された透明材料製のストッパー77等から構成されている。上記羽根75aは、周方向に等間隔をおいて配置されると共に湾曲状に径方向の外方に延びている。
前記正常紙搬送経路8aから排出される用紙Nは、1枚或いは数枚ずつ羽根75a間に挿入され、羽根車75の回転により後方に送り出され、ストッパー77に順次積層状に立て掛けられる。前記ストッパー77は透明部材でできているので、積層状に回収される正常紙(用紙N)の後面を、後方から簡単に確認することができる。
[異常紙回収部]
図2及び図3において、異常紙回収部7は、異常紙搬送経路9aの上端部から前下がりに前方に延びる底板7aと、該底板7aの前端立ち上がり部7bに、ヒンジ部を介して上下揺動自在に支持された樹脂製の押さえガイド81と、押さえガイド81の左右幅中央部に形成された矩形孔81a(図1参照)内に配置された金属製押さえ金具82とから構成されており、該金属製押さえ金具82は、後端部が前記押さえガイド81にヒンジ部を介して上下揺動可能に支持されている。押さえガイド81の後端部には、円弧状ガイド面を有する前述のガイドリブ84が、左右方向(用紙幅方向)に間隔をおいて、たとえば3個形成されている。
前記異常紙搬送経路9aを上方に搬送される異常紙は、ガイドリブ84により前方にUターンされると共に、押さえガイド81にガイドされながら異常紙回収部7へと送り込まれ、押さえ金具82との摩擦により、前方に大きく飛び出すことなく、底板7a上に積載されてゆく。
なお、異常紙回収部7に回収された異常紙は、押さえガイド81を開くことなく、左側方又は右側方から抜き出すことができる。すなわち、異常紙回収部7に排出された異常紙が、限界枚数(たとえば10枚)に達した時には、作業員は、押さえガイド81を開くことなく、側方から異常紙を抜き出すことができる。ちなみに、前記押さえガイド81は、後述する異常紙回収部センサS9等を点検する際に開かれる。
[装置のケースカバー部の構成]
図1において、前記主搬送部4は、前後のケースカバー部86a、86bにより上方から覆われているが、平面略図である図7に示すように、主搬送部4の左右幅W1は、ケースカバー部86a,86bの左右端からそれぞれ一定の距離を隔てるように狭く構成されており、主搬送部4の左右端よりも外方に張り出す部分には、搬送中の用紙を外部から視認できるように、透明材料製の窓87(斜線で示す)が設けられている。また、図5に示すように、各ケースカバー部86a、86bは、中間搬送ローラ対42の上方位置に設けられたヒンジ部88に回動自在に支持されると共に、各自由端部にロック機構及びロック解除レバー89a、89bが設けられており、図4のように各ケースカバー部86a,86bを閉じた状態から、ロック解除レバー89a、89bを押すことによりロック解除し、図5のように開くことができるようになっている。なお、各ケースカバー部86a、86bには、それぞれ搬送ローラ対41,43,44,45の上側のローラ41b,43b,44b,45bが装着されている。
[切換機構]
図9は切換機構10の斜視図、図10は切換機構10の駆動機構90の拡大斜視図、図11は図10の矢印XI部分の拡大縦断面図、図12及び図13は、前述のように正常紙搬送部8、異常紙搬送部9及び切換機構10の拡大縦断側面図、図14は切換機構10を正常紙識別位置に切り換えた時の回転カム99の状態を示す作用説明図、図15は切換機構10を異常紙識別位置に切り換えた時の回転カム99の状態を示す作用説明図である。
図12において、切換機構10のゲート部材91は、異常紙搬送ローラ64の外周面に間隔をおいて対向する上側円弧状ガイド部91bと、正常紙搬送ローラ63の外周面に間隔をおいて対向する下側円弧状ガイド部91aと、を一体に有する断面略V字状に形成されている。図9に示すように、ゲート部材91の左右の端壁92には軸部91cが一体に形成され、該軸部93cは装置ケース1の左右側壁に、軸受(右側は図示せず)95を介して回転自在に支持されており、ゲート部材91の右方近傍に配置された前記駆動機構90により、軸部91cを回動支点として、上下方向に往復回動可能となっている。
図10において、前記駆動機構90は、ステッピングモータ96と、該ステッピングモータ96の出力軸に固着された駆動ギヤ97と、該駆動ギヤ97に噛み合うと共に内部に回転カム99が形成されたカムギヤ98と、ゲート部材91の右端壁92の前端部に右方突出状に形成されると共に前記回転カム99に噛み合う駆動ピン(カムフォロー)100と、から構成されている。ステッピングモータ96及び各ギヤ97,98は、装置ケース1の右側壁及び該装置ケース1に固着されたブラケット93に支持されている。カムギヤ98の背面(右側面)には、回転カム99の回転方向位置を初期設定するための一対の検出片102が形成されており、該検出片102は、図11に示すように位置検出センサ103を通過することにより、回転角度を検出できるようになっている。位置検出センサ103及びステッピングモータ96は、図6のように制御部70に電気的に接続されている。
図14において、回転カム99は、カムギヤ98の左端面に概ね菱形状(又は平行四辺形状)に形成された溝から構成されており、緩やかな山形に形成された一対の長辺カム経路99aと、両長辺カム経路99aの両端を結ぶ一対の短辺カム経路99bとを備えている。図14の状態のように、短辺カム経路99bが上下に位置している時には、上側の短辺カム経路99bの頂部近傍が駆動ピン100に当接し、ゲート部材91の前端部を上昇させて正常紙識別位置に位置させており、図14の状態から矢印B方向に90°回転して図15の状態のように、長辺カム経路99aが上下に位置している時には、上側の長辺カム経路99aの頂部近傍が前記駆動ピン100に当接し、前記ゲート部材91の前端部を下降させ、異常紙識別位置に位置させるようになっている。
図12のように、ゲート部材91が正常紙識別位置に位置している時には、主搬送部4の主搬送経路35に対し、下側の正常紙搬送経路8a部を開くと同時に上側の異常紙搬送経路9a部を閉じ、一方、図13のように、ゲート部材91が異常紙識別位置に位置している時には、主搬送部4の主搬送経路35に対し、上側の異常常紙搬送経路9aを開くと同時に下側の正常紙搬送経路8aを閉じている。
[各種センサ]
図4において、給紙部2の底板2a及び異常紙回収部7の底板7aには、給紙部2内の用紙の有無及び異常紙回収部7内の異常紙の有無を検出する給紙センサ(反射センサ)S1及び異常紙検出センサ(反射センサ)S9がそれぞれ配置されている。正常紙回収部3には、正常紙回収部3内の用紙の有無を検出する正常紙回収部センサS7として、前側の発光部S7aと後側の受光部S7bとが対向配置されている。
主搬送部4の前部搬送ローラ対41の搬送方向下流側近傍位置には、異常紙識別センサS2として、主搬送経路35を挟んで前側の発光部S2aと後側の受光部S2bとが対向配置されている。主搬送部4の後半部には、各搬送ローラ対43,44,45と略同一位置に、第1、第2、第3の主搬送経路センサS3,S4,S5として、主搬送経路35を挟んで下方に発光部S3a,S4a,S5aが配置され、上方に前記発光部S3a,S4a,S5aと対向するように受光部S3b,S4b,S5bがそれぞれ配置されている。正常紙搬送部8には、正常紙検出センサS6として、正常紙搬送経路8aを挟んで前方に発光部S6aが配置され、後方に前記発光部S6aに対向するように受光部s6bが配置されている。異常紙搬送部9には、異常紙搬送経路センサS8として、異常紙搬送経路9aを挟んで前方に発光部S8aが配置され、後方に前記発光部S8aに対向するように受光部S8bが配置されている。前記正常紙搬送経路センサS6は、用紙の有無及び通過を検出すると同時に、装置本体の機能として、正常紙の通過枚数をカウントする役目を有している。また、前記異常紙搬送経路センサS8も、用紙の有無及び通過を検出すると同時に、異常紙の通過枚数をカウントする役目も有している。
前記異常紙識別センサS2は透過式光センサであり、発光部S2aと受光部S2bとの間を通る光が用紙によって遮られると、受光部S2bが受ける受光量が変化し、これによって、通過する用紙の重なり状態を判別する。すなわち、用紙の透過率が100%でない用紙が通過すると、その透過率の低下に応じてセンサ受光量が低下するものであり、用紙が重なっていれば、光の透過率は用紙が1枚のときより小さくなり、センサ受光量も低下する。したがって、用紙が通過していないときのセンサ受光量L0と、1枚の用紙が通過したときのセンサ受光量L1との間に第1しきい値(上限値)R1を設定し、センサ受光量Tをこの第1しきい値R1と比較することにより、用紙がセンサ位置にあることを判別できる。すなわち、センサ受光量Tが第1しきい値R1より小さければ、用紙がセンサ位置にあると判別できる。さらに、用紙が1枚のときのセンサ受光量L1と、2枚のときのセンサ受光量L2との間に第2しきい値(下限値)R2を設定し、センサ受光量Tをこの第2しきい値R2と比較することによって、用紙が重なっているかどうかを判別できる。すなわち、センサ受光量Tが第2しきい値R2より小さければ、用紙は重なっていると判別できる。
また、上記センサ受光量Tと、第2駆動モータ62に設けたパルスエンコード62aからのパルス信号とによって、用紙の搬送方向の長さを検出できる。すなわち、センサ受光量Tによってシートの通過を検出したときに上記パルス信号をカウントすれば、そのカウント値は長さに対応する。
図19及び図20は用紙Nを識別している様子を示す斜視図である。異常紙識別センサS2は、用紙の左右幅内において、左右方向に所定間隔を置いて二対配置されており、これにより、図20のように、用紙Nが搬送方向Aに沿った折れ目で二つに折れた状態または左右幅が略半分になるように切れた状態でも、用紙Nの検出及び識別が可能となっている。すなわち、2つ折れの場合には、片方の異常紙識別センサS2のみが用紙の有無及び厚みを検出することより、二重状態の異常紙であることを識別するが、他方の異常紙識別センサS2は、用紙Nを検出しない。これら両異常紙識別センサS2からの情報により、用紙が2つ折れ状態であることが識別できる。また、同様にして、半切れ状態の用紙Nも識別できる。
図6において、主搬送部4の後部に配置された第1,第2,第3の主搬送経路センサS3、S4,S5は、主搬送経路35を通過する用紙の有無を検出するのは勿論のこと、用紙の搬送始端の通過並びに搬送後端の通過を検出することもできる。
捌き機構12(搬送始端P1)と異常紙識別センサS2との搬送方向Aの距離と、異常紙識別センサS2と第1の主搬送経路センサS3との搬送方向Aの距離と、該第1の主搬送経路センサS3と第2の主搬送経路センサS4との搬送方向Aの距離と、該第2の主搬送経路センサS4と第3の主搬送経路センサS5との搬送方向Aの距離と、該第3の主搬送経路センサS5と正常紙搬送経路センサS6との搬送方向Aの距離と、第3の主搬送経路センサS5と異常紙搬送経路センサS8との搬送方向Aの距離とは、いずれも、用紙の搬送方向の長さ以下に設定され、特に、第1,第2,第3の主搬送経路センサS3,S4,S5の搬送方向の間隔は、用紙の搬送方向の長さの半分以下に設定されている。また、正常紙搬送経路センサS6と正常紙搬送経路8aの終端(P2)との搬送方向の距離と、異常紙搬送経路センサS8と異常紙搬送経路9aの終端(P3)との搬送方向の距離も、用紙の搬送方向の長さ以下に設定されている。
また、図5において、前後の各ケースカバー部86a,86bには、各ケースカバー部86a,86bが開いた状態を検出するオープン検出センサS11、S12(図17参照)がそれぞれ設けられ、制御部70に電気的に接続されている。
[操作パネル]
図16は、操作パネル11の拡大図、図17は、本装置の制御系統を示すブロック図である。図16において、操作パネル11の装置の前上部には、所望の票束設定数を3桁まで表示する票束設定表示部110と、カウントしている枚数を3桁まで表示する計数表示部111とが設けられ、後上部には、票束設定スイッチ112、搬送速度切換スイッチ113、モード切替スイッチ114が設けられると共に、搬送速度の高速及び低速の表示ランプ120、121と、自動モードと手動モードのランプ115,116が設けられている。下部には、前端部にスタート/ストップスイッチ125が設けられると共に、後半部に、エラー表示ランプ122、計数途中ランプ123及び計数終了ランプ124が設けられている。前記票束設定表示部110又は計数表示部11は、たとえば7セグメント構成となっており、設定数又は計数を表示する機能の他に、エラー発生時、そのエラーが如何なる種類のエラーかをエラーコードで表示する機能も有している。たとえば、「エラー1」「エラー2」「エラー3」等を表示する機能も有している。
票束設定スイッチ112は、一回押すごとに、たとえば、100→200→20→50→100の順で、設定枚数が循環式に変更される。モード切替スイッチ114は、一回押すごとに自動と手動が交互に切り替わる構成となっている。自動モードに設定した場合には、設定枚数の計数が完了し、正常紙回収部3の用紙を全部取り出すと、正常紙回収部センサS7による空状態の検出により、自動的に次の計数がスタートする。一方、正常紙回収部3に用紙が無い時又は設定枚数に達していない時に、空の給紙部2に用紙を載せると、給紙部センサS1による用紙有の検出により、自動的に次の計数がスタートする。手動スタートに設定した場合には、正常紙回収部3の用紙を全部取り出して後、再度、スタート/ストップスイッチ121を押すことにより、計数がスタートする。搬送速度切換スイッチ113は、高速設定に場合は、搬送速度を高速にすることにより、たとえば1500枚/分の速度で計数を行い、低速設定の場合は、搬送速度を低速にすることにより、たとえば800枚/分の速度で計数を行うようになっている。ただし、この低速モードは、幅の広い用紙や揃いの悪い用紙を計数する場合に用い、通常は、高速モードにセットする。
スタート/ストップスイッチ121は、電源オン後に押すことにより、計数作業を開始できるのは勿論のこと、計数中に任意に停止したい時に押すことにより、計数を停止することができる。そして次にスタート/ストップスイッチ121を押すことにより、再び装置をスタートさせ、計数を加算することができる。
[警告ランプ]
図1において、装置の右側面に設けられた上下三段の警告ランプ21,22,23は、上から順に、前記操作パネル11上のエラー表示ランプ122、計数途中ランプ123及び計数終了ランプ124に対応しており、操作パネル11の前記各ランプ122,123,124と同期して作動する。表1はその作動例を示しており、上位置の警告ランプ21は赤色のエラー表示ランプであり、主搬送経路35並びに正常紙搬送経路8a及び異常紙搬送経路9a内での用紙残留、詰まり等、自力救済できないエラー発生時、またはセンサ異常もしくはモータ異常時に、点滅する。中間位置の警告ランプ22は黄色の計数途中表示ランプであり、給紙部2の用紙不足による待機状態の時に点灯する。下位置の警告ランプ24は緑色の計数完了ランプであり、設定枚数に対し計数を正常に終了した状態で点灯する。
Figure 0004824529
[制御システム]
図17において、制御部70は、入出力ポートとA/DコンバータとRAMとを含むCPU140を有し、該CPU140には、電源141とROM142とが接続されると共に、前記第1,第2,第3駆動モータ61,62,68及びそれらのエンコーダ61a,62a、68a、ステッピングモータ96及びその位置検出センサ103,操作パネル11、警告ランプ21,22,23等が接続されている。さらに、CPU140には、給紙部センサS1、異常紙回収部センサS9、正常紙回収部センサS7、一対の異常紙識別センサS2,S2、各経路センサS3、S4、S5、S6、S8、前側ケースカバー部86aのオープン検出センサS11及び後側ケースカバー部86bのオープン検出センサS12が接続されている。
[制御方法]
制御部70のCPU140のRAMには、切換機構10、搬送速度及びその他の制御として、主として次のような制御がプログラムされている。
(制御1)
基本制御として、図6において、異常紙識別センサS2により、用紙の重送、連鎖、2つ折れ又は半切れ状態等の異常を検出すると、その後、主搬送部4の第3の経路センサS5が異常紙の先端を検出した時に、第2の駆動モータ62、又はこの第2の駆動モータ62と給紙部用の第1の駆動モータ61による搬送速度を、正常紙識別時の搬送速度よりも減速すると共に、ステッピングモータ96を所定角度回転させることにより、図14のカム99(カムギヤ98)を矢印B方向に90°回転させ、切換機構10を図12の正常紙識別位置から図13の異常紙識別位置に変更する。このように、切換機構10を異常紙識別位置に切り換えた後、図6の異常紙搬送経路センサS8により、異常紙の搬送後端を検出した時には、前記第1駆動モータ61等を元の正常紙搬送速度に戻すと同時に、切換機構10を正常紙識別位置に戻す。また、異常紙搬送経路センサS8が異常紙の通過を検出せず、また、正常紙搬送経路センサS6が用紙(異常紙)の通過を検出した時には、異常紙が正常紙回収部3に送り込まれるエラーが発生したとして、装置を停止する。
(制御2)正常紙搬送経路センサS6によりカウントされて正常紙回収部3に回収された正常用紙が、設定枚数(たとえば100枚)に達すると、第1,第2,第3駆動モータ61,62、68等を停止させる。
(制御3)
異常紙搬送経路センサS8によりカウントされて異常紙回収部7に排出される異常紙が、限界枚数(たとえば10枚)に達した時に、第1,第2,第3駆動モータ61,62,68を停止する。また、異常紙回収部7の異常紙を抜き取って空にすると、自動的に、各駆動モータ61,62,68を再起動させる。
(制御4)
装置の電源をオンした時、またはエラー処理後、主搬送部4、正常紙搬送部8及び異常紙搬送部9の各経路35,8a,9aの残留用紙の有無を、各経路内のセンサS2,S3,S4,S5,S6,S8により検出し、用紙が残留している場合には、操作パネル11及び警告ランプ21のエラー表示を点灯させる。また、それと共に票束表示部110あるいは計数表示部111に、「エラー1」等のエラーコードを表示する。
(制御5)
上記用紙残留によるエラーの他に、用紙ジャム、センサ異常、モータ異常等が発生したした場合にも、操作パネル11及び警告ランプ21のエラー表示を点灯させると共に、票束表示部110あるいは計数表示部111に、「エラー1」等のエラーコードを表示する。
[基本的な作用]
図18は本装置の基本的な作用に関するフロー図であり、このフロー図に基づいて説明する。
実際に給紙された計数一枚目の用紙の透過率及び搬送方向長さを異常紙識別センサS2により測定し、その値を基準として、重送、連鎖、二つ折れ等の異常を識別する。
図18において、上記計数一枚目の用紙により識別の基準値を設定した後は、ステップ♯1において、切換機構10のゲート部材91を正常紙識別位置に保ち、又は正常紙識別位置に切り換え、ステップ♯2に進み、カウント作業中、異常紙識別センサS2により、上記基準値を元に、用紙が重送等の異常状態である否かを判別する。ステップ♯2においてNOの場合、すなわち、用紙が正常な場合には、ステップ♯8に進み、正常紙搬送経路センサS6により、正常な用紙が正常紙搬送経路8aを通過したか否かを判別する。ステップ♯8でYESの場合、すなわち、正常紙が正常紙搬送経路8aを通過したことを検出した場合には、正常な票としてカウントし、ステップ♯9に進み、切換機構10を正常紙識別位置に保持し、スタートにリターンする。
前記ステップ♯8において、NOの場合、すなわち、正常紙搬送経路センサS6が正常用紙の通過を検出しなかった時には、ステップ♯10に進み、異常紙搬送経路センサS8により、異常紙搬送経路9a内を正常紙が通過したか否かを判別する。ステップ♯10でYESの場合、すなわち、異常紙搬送経路センサS8により、異常紙搬送経路9aを正常紙が通過したことを検出した場合には、エラーが発生したとして、ステップ♯11に進み、エラー処理を行う。たとえば、装置を停止し、あるいは自動的に停止させ、異常紙回収部7に排出された正常紙を側方から抜き取り、装置を再スタートする。前記ステップ♯10でNOの場合、すなわち、異常紙搬送経路センサS8により、正常紙の通過を検出しなかった場合には、ステップ♯8に戻り、再度、正常紙が正常紙搬送経路8aを通過したか否かを検出する。
前記ステップ♯2において、YESの場合、すなわち、異常紙が検出された場合には、ステップ♯3に進み、第3の主搬送経路センサS5が、異常紙の先端を検出したか否かを判別し、NOの場合、すわわち、異常紙を検出しなかった場合には、再度ステップ♯3に戻る。一方、ステップ♯3において、YESの場合、すなわち、異常紙の先端を第3の主搬送経路センサS5により検出した場合には、ステップ♯4において第1の駆動モータ61及び第2の駆動モータ62の回転速度を落とし、給紙部2、主搬送部4、正常紙搬送部8及び異常紙搬送部9の搬送速度を、たとえば50〜70%に減速する。さらに、ステップ♯5に進み、切換機構10を正常紙識別位置から異常紙識別位置に切り換え、ステップ♯6に進む。ステップ♯6においては、異常紙搬送経路センサS8により異常紙の後端を検出したか否かを判別し、YESの場合、すなわち異常紙の後端を検出した場合には、ステップ♯7に進み、第1,第2の駆動モータ61,52の回転を元の高速回転まで増速することにより、主搬送部4等の搬送速度を元の高速度に切り換え、スタートにリターンする。
前記、ステップ♯6において、NOの場合、すなわち、異常紙搬送経路センサS8が異常紙を検出しない場合には、ステップ♯12に進み、正常紙搬送経路センサS6により、異常紙が正常紙搬送経路8aを通過したか否かを判別する。ステップ♯12でYESの場合、すなわち、異常紙が正常紙搬送経路8aを通過したことを検出した場合には、エラーが発生したとして、ステップ♯13に進み、エラー処理を行う。一方、ステップ♯12において、NOの場合、すなわち、正常紙搬送経路センサS6が異常紙の通過を検出しなかった時には、ステップ♯6に戻る。
[本実施の形態の効果のまとめ]
(1)図6において、主搬送部4,正常紙搬送部8及び異常紙搬送部9で構成される搬送部に配置される各センサS2、S3、S4,S5,S6,S8の搬送方向の間隔、すなわちセンサS2、S3間の間隔と、センサS3,S4間の間隔と、センサS4、S5間の間隔と、センサS5、S6間の間隔と、センサS5,S8間の間隔を、用紙の搬送方向長さ以下に設定し、かつ、主搬送部4の搬送始端P1とセンサS2との搬送方向の間隔と、正常紙搬送部8の搬送終端P2とセンサS6との搬送方向の間隔と、異常紙搬送部9の搬送終端P3とセンサS8との搬送方向の間隔も、用紙Nの搬送方向の長さ以下としているので、主搬送部4,正常紙搬送部8及び異常紙搬送部9内の如何なる箇所に用紙が残留していても、いずれかのセンサによりその残留紙を検出することができる。すなわち、電源オン時又は用紙ジャム処理後等の所定時期において、残留用紙を確実に検出することができる。
(2)特に、主搬送部4の後部に配置されたセンサS3,S4,S5間の搬送方向の間隔は、用紙の搬送方向長さの半分以下に設定されているので、搬送方向と直交する方向に沿った折り目で2つ折りされた用紙又は半切れ用紙は、主搬送部4の後半部の如何なる箇所で残留していても、確実にそれらの用紙を検出することができる。
(3)図6において、搬送ローラ41,42,43,44,45の用紙搬送方向の間隔を、用紙Nの搬送方向長さの半分以下の間隔で配置しているので、搬送方向と直交する方向に沿った折り目で2つ折りされた用紙又は半切れ用紙であっても、確実に搬送し、搬送部内への残留を防ぐことができる。
(4)図7において、主搬送部4の搬送ローラ41,42,…等を、装置ケース1の左右幅の中央部に集めて配置し、ケースカバー部86a,86bのうち、主搬送部4の左右側方に位置する部分に透明な材料による窓87を形成し、主搬送部4内の用紙の状態を外部から視認できるようにしているので、作業中における用紙の流れや詰まりを確認できると共に、作業停止時における主搬送部4内の用紙の残留等も容易に確認できる。
(5)図1において、選挙の投票用紙の集計作業時では、作業時間の短縮を図るために、たとえば操作パネル11を操作する作業者が装置の右側に立ち、正常紙回収部3に回収された設定枚数の用紙を取り出す作業者が装置の後方に立って、共同作業を行うことが多いが、後方及び右方のいずれからも視認出来る位置に、操作パネル11内の警告ランプと同様な警告ランプ21,22,23を設けているので、パネル操作する作業者だけでなく、正常紙を回収する作業者も、装置のエラー、計数中、計数終了等に上方を、同時に、かつ簡単に得ることができ、計数作業能率が向上する。
(6)図16及び表1等において、警告装置として、中間位置の警告ランプ22のように、給紙部2の用紙不足により待機状態を警告するランプを備えているので、たとえば、カウント作業の途中で停止していることを上記中間位置の警告ランプ22で独立に警告することにより、計数が完了したと勘違いして正常紙回収部3から用紙を取り出すことを防止することができる。
(7)正常紙回収部3のストッパ77を透明部材で形成しているので、たとえば給紙部2に積載する用紙を、記載面が上側になるように積載すると、正常紙回収部3のストッパ77に立て掛ける用紙は、記載面が後方に向くように回収され、透明なストッパ77を介してその記載面を簡単に確認することができる。
(8)正常紙回収部3のストッパ77を透明部材で形成しているので、たとえば給紙部2に積載する用紙を、記載面が上側になるように積載すると、正常紙回収部3のストッパ77に立て掛ける用紙は、記載面が後方に向くように回収され、透明なストッパ77を介してその記載面を簡単に確認することができる。
[その他の実施の形態]
(1)前記実施の形態では、主搬送部4の後半部の3つのセンサS3,S4,S5の搬送方向の間隔を、用紙の搬送方向長さの半分以下に設定したが、別の実施の形態として、搬送部に配置されるすべてのセンサの搬送方向間の間隔を、用紙の搬送方向長さの半分以下に設定する構造とすることもできる。たとえば、図6の構造であれば、主搬送部4の搬送始端P1と異常紙識別センサS2との間と、主搬送部4のV字底部近傍の中間搬送ローラ対42の近傍位置と、最も後方の第3の主搬送経路センサS5の搬送方向後方位置に、それぞれ用紙検出センサを増設することにより、すべてのセンサ間の搬送方向の間隔を、用紙の搬送方向長さの半分以下とする。
このような構成を採用すると、2つ折れ又は半切り状態の用紙が、搬送部内の如何なる箇所に残留したとしても、装置の電源オン時あるいはエラー処理後に、確実に検出することができる。
本発明は、投票用紙、チケット等の枚数を計数する計数装置に限定されるものではなく、単に、異質の用紙を正常用紙から区分けする装置、紙以外のシート類を処理する装置等、各種紙葉類処理装置に適用可能である。
本発明にかかる紙葉類処理装置の一実施の形態であり、投票用紙等の用紙計数装置の全体斜視図である。 図1の用紙計数装置の側面図である。 異常紙回収部を開いた状態で示す図2と同様の側面図である。 図1の用紙計数装置の縦断側面図である。 ケースカバー部を開いた状態で示す図4と同様の縦断側面図である。 搬送ローラ及びセンサの配置を明確に示す図1の用紙計数装置の縦断側面略図である。 搬送ローラ等の配置を明確に示す図1の用紙計数装置の平面略図である。 図7のVIII-VIII断面拡大図である。 切換機構の斜視図である。 切換機構の駆動機構の拡大斜視図である。 図10のカムギヤの正面図である。 正常紙識別位置の状態を示す切換機構の縦断拡大側面図である。 異常紙識別位置の状態を示す切換機構の縦断拡大側面図である。 正常紙識別位置時のカムの状態を示す作用説明図である。 異常紙識別位置のカムの状態を示す作用説明図である。 操作パネルの拡大図である。 装置の制御系を示すブロック図である。 本発明にかかる計数装置の作業の流れの一例を示すフロー図である。 重送検出時の状態を示す作用説明図である。 2つ折れ用紙検出時の状態を示す作用説明図である。
符号の説明
2 給紙部
3、7 正常紙回収部、異常紙回収部(回収部)
4、8,9 主搬送部、正常紙搬送部、異常紙搬送部(搬送部)
21,22,23 警告ランプ(警告装置)
41,42,43,44,45 搬送ローラ対
70 制御部
S2、S3、S4,S5,S6,S8 センサ

Claims (4)

  1. 略同一形状の紙葉類を一枚ずつ供給する給紙部と、該給紙部から供給される紙葉類を搬送すると共に紙葉類のカウント又はその他の処理を行う搬送部と、該搬送部で搬送された紙葉類を回収する回収部と、を備えた紙葉類処理装置において、
    前記搬送部に、搬送中の紙葉類を検出する複数のセンサを配置し、該センサ同士の搬送方向の間隔と、搬送部の搬送始端と最も搬送始端側のセンサとの搬送方向の間隔と、搬送終端と最も搬送終端側のセンサとの搬送方向の間隔とを、紙葉類の搬送方向長さの半分以下に設定してあることを特徴とする紙葉類処理装置。
  2. 請求項1に記載の紙葉類処理装置において、
    前記各センサが接続される制御部と、該制御部に接続される警告装置と、を備え、
    処理作業時以外の所定の時期において、前記センサにより、前記搬送部内の紙葉類の有無の検出を行い、残留紙葉類を検出した時に前記警告装置を警告作動させるように構成していることを特徴とする紙葉類処理装置。
  3. 請求項2に記載の紙葉類処理装置において、
    前記所定の時期は、紙葉類処理装置の電源オン時又は紙葉類のジャム処理後であることを特徴とする紙葉類処理装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一つに記載の紙葉類処理装置において、
    前記搬送部には、紙葉類搬送用の複数のローラを、紙葉類の搬送方向長さの半分以下の搬送方向の間隔で配置してあることを特徴とする紙葉類処理装置。
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