JP6002535B2 - 投票用紙の読取方法、投票用紙の読取装置および投票用紙分類機 - Google Patents
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Description
下記特許文献2では、投票用紙の画像を読み取る処理において、投票用紙の裏面に候補名以外の書込み(「他事記載」ということにする)が行われていると判定すると、この投票用紙を無効または再検査が必要なものとしてリジェクトするようにしている。
図1は、この発明の一実施形態に係る投票用紙分類システム1が机2上にセットされた状態を正面側から見た斜視図である。
図1に示す投票用紙分類システム1は、選挙における開票所にセットされ、各投票所から開票所に集められた投票用紙を候補者毎および/または政党毎に自動的に分類する。なお、以下では、候補者および政党を「候補」と総称し、候補者名および政党名を「候補名」と総称することにする。
開票所に集められた投票用紙の開票作業の流れについての概要を説明すると、まず、投票終了後に、係員が、投票用紙が詰まった投票箱を開票所に持ち込み、投票箱内の投票用紙を机(投票用紙分類システム1がセットされた机2でもよい)の上に広げる。そして、係員は、机の上の投票用紙を適当に積み重ねて束にし、この束を投票用紙分類機3にセットする。投票用紙分類機3は、セットされた束から投票用紙を1枚ずつ取り込んで、投票用紙に記入された候補名を読み取る。読み取られた候補名は、制御PC4によって認識(一次点検を兼ねる)される。その後、投票用紙分類機3では、投票用紙が、候補名毎に分類され、投票用紙が候補名毎に集計される。その後、分類された投票用紙は、係員によって目視で点検(二次点検)された後に再集計されると、一連の開票作業が完了する。
確定票は、記入された候補名が正常に読み取られるとともに、当該候補名に間違いがなく、集計に加算できる有効票のことである。確定票は、投票用紙分類機3での集計を終えた後、前述した二次点検を受ける。
未確定票は、確定票以外の投票用紙のことであり、白票、無効票、疑問票、按分票、リジェクト票(搬送不良票)、スタッカフル票に細分化される。
無効票とは、何かしらの記入があるものの、いずれかの候補以外の名前(つまり、間違った候補名)が記入された投票用紙や、候補名以外に落書等の余計な事項(他事記載)が記入された投票用紙(他事記載票)のことである。間違った候補名が記入された投票用紙は明らかな無効票であるが、他事記載票は、他事記載の程度に応じて、有効票とするか無効票とするかが係員によって判断される。
按分票は、記入事項があいまいで、その記入事項から複数の候補のどちらを選んでいるのか分からない投票用紙のことである。たとえば、田中一郎と、田中二郎という同姓の候補者が二人いたとした場合に、苗字の「田中」だけが記入された投票用紙が按分票である。按分票の場合、たとえば、該当する複数の候補者のそれぞれにおける最終的な獲得票数から各候補者の取り分を設定して、按分票の1票を、当該複数の候補者のそれぞれの取り分毎に分割して、各候補者の獲得票に加算する。具体例を挙げると、先ほどの田中一郎が最終的に1000票獲得し、田中二郎が最終的に500票獲得した場合において、苗字の「田中」だけが記入された按分票が開票中に1票出てきたとする。この場合、田中一郎は、その1票に、1000/(1000+500)を乗じて得た値を、按分票における自身の取り分とすることができ、田中二郎は、その1票に、500/(1000+500)を乗じて得た値を、按分票における自身の取り分とすることができる。
リジェクト票は、投票用紙分類機3において、斜行状態(進行方向に対して所定以上傾斜した状態)や、先行する投票用紙または後続の投票用紙に異常接近した状態や、重送状態(複数枚の投票用紙が重なった状態)で搬送されたために記入事項の読み取りが行われなかった投票用紙のことである。リジェクト票は、記入事項自体に問題あって排除された訳ではないので、投票用紙分類機3に再度セットされる。
次に、投票用紙分類システム1、特に投票用紙分類機3の詳細について説明する。
図2において、紙面手前側が投票用紙分類機3の正面側(前側)であり、紙面奥側が投票用紙分類機3の背面側(後側)であり、紙面上側が投票用紙分類機3の上側であり、紙面下側が投票用紙分類機3の下側であり、紙面左側が投票用紙分類機3の左側であり、紙面右側が投票用紙分類機3の右側である。なお、以下では、投票用紙分類機3や、投票用紙分類機3を構成する部品の姿勢を特定する場合、先ほどの前後上下左右方向を用いることにする。
また、第1ブロック12の正面(前側面)には、矩形状の扉62が設けられている。扉62は、その下端部で左右に延びる回動軸を中心として回動することによって開閉可能である。図2では、扉62が閉じた状態が示されている。扉62の上端部に設けられた取っ手62Aに手を掛けて手前に引くと、扉62を開くことができる。扉62を開くと、第1ブロック12の内部空間が正面側に露出される。
図3を参照して、第1ブロック12の右側面には、投入口14と、リジェクト口15とが上下に隣り合って設けられている(太い破線部分)。リジェクト口15は、投入口14よりも高い位置にある。第1ブロック12には、投入口14から連続して第1ブロック12の内部へ向けて左側に窪む凹状のホッパー16と、リジェクト口15から連続して第1ブロック12の内部へ向けて左側に窪む凹状のリジェクトトレイ17(収納部)とが設けられている。ホッパー16の底面(ホッパー16内で上を向いている面)16Aは、左下側へ傾斜して延びている。この底面16Aには、これから分類すべき多数枚の投票用紙Hを、上下に積層された状態で載置(セット)することができる。このとき、ジャム等の搬送不良を防ぐために、投票用紙Hの折り目は、係員によって取り除かれる。ホッパー16は、第1ブロック12の右側面の下端部という机2に近い位置にあるので、机2の上に広げた投票用紙Hをホッパー16にセットしやすい。
また、リジェクトトレイ17には、前述したリジェクト票(リジェクト票と分類された投票用紙H)が機内から排出されて収納される。リジェクトトレイ17は、ホッパー16に対してその上方の近傍に設けられているので、リジェクトトレイ17に収納されたリジェクト票を取り出してホッパー16に再セットしやすい位置にある。
第1搬送路19は、第1ブロック12内において、ホッパー16の底面16Aの左端から、左側へ略水平に延び、第1ブロック12の左側壁の手前で屈曲して上方ヘ略垂直に延び、再度屈曲して右側へ略水平に延びてから、上方ヘ向けて正面視で略S字に湾曲した後に、第1ブロック12の上面に到達している。
スイッチバック搬送路21は、第1ブロック12内に設けられている、スイッチバック搬送路21は、第1搬送路19において右側へ略水平に延びている部分から上側へ分岐して左側へ略水平に延びた後、正面視で略V字状をなすように右上側へ延び、第1搬送路19(先ほど分岐した位置よりも下流側の部分)に合流している。スイッチバック搬送路21において略V字をなしていると先ほど説明した部分を、反転空間26と呼ぶことにする。反転空間26は、厳密には、輪郭が略V字をなしているものの、正面視で左側へ向けて細くなる三角形状の断面を有する1つの空間であって、スイッチバック搬送路21の途中に位置している。反転空間26における左端部を、反転空間26の「奥部分」ということにする。
ここで、図2を参照して、スタッカユニット11の前側面における各スタッカ34の左隣には、LED等で構成された表示ランプ36が設けられている。つまり、表示ランプ36は、スタッカ34毎に設けられている。
このように、表示ランプ36の状態によって、各スタッカ34の状態を一目で把握できる。収納枚数が上限枚数に到達したスタッカ34では、内部の投票用紙Hは、係員によって速やかに取り出されることになっている。そのため、青色点滅の表示ランプ36を見た係員は、その表示ランプ36に対応するスタッカ34の投票用紙Hを取り出す必要があることを速やかに把握できる。
横搬送路38は、スタッカユニット11内において、スタッカユニット11の右側面で第2搬送路20(本体搬送路18の下流側端18A)と連続する位置からスタッカユニット11の左側面まで、左側へ略水平に延びている。
分岐路40は、スタッカ34と同数(ここでは8本)設けられており、これらの分岐路40は、等間隔で上下に並んでいる。最下端以外の7本の分岐路40は、縦搬送路39から分岐し、上下方向で同じ位置にあるスタッカ34に対して右側から接続されている。最下端の分岐路40は、縦搬送路39の下端から連続し、最下端のスタッカ34に対して右側から接続されている。
また、スタッカ搬送路37において、縦搬送路39が横搬送路38から分岐する位置や、各分岐路40が縦搬送路39から分岐する位置には、前述した切換部材33と同様の切換部材42が設けられている。
また、図3に示すように、本体ユニット10に連結されたスタッカユニット11に対して、増設のスタッカユニット11が連結されている場合には、横搬送路38を通過した投票用紙は、増設のスタッカユニット11の横搬送路38に受け渡されて、そのまま横搬送路38を流れたり、増設のスタッカユニット11のスタッカ34に収納されたりする。
ホッパー16の底面16Aには、投票用紙Hが積層状態でセットされる。このとき、投票用紙Hは、長手方向が前後方向に沿うようにセットされるが、表裏や候補名の向きを揃えることなくセットされる。図3の符号H1を付した投票用紙Hのように、表面が上を向いていて、当該表面の候補名が後側(図3の奥側)から前側(図3の手前側)へ記入されている姿勢が、その後の姿勢変換が不要となる正しい姿勢である。
また、先行する投票用紙Hの後端縁と後続の投票用紙Hの先端縁との間隔が所定以下である場合には、先行する投票用紙Hと後続の投票用紙Hとが「異常接近」した状態で搬送されていると判断される。「異常接近」も搬送不良の一種で、異常接近した投票用紙Hは、リジェクト票としてリジェクトされる。
当該読取センサ(前述した重送検知センサも含む)は、投票用紙Hが斜行状態や異常接近状態や重送状態で搬送されていること(投票用紙Hの取り込み不具合が生じたこと)を検出すると、その旨を制御PC4に送信する一方で、当該投票用紙Hの画像を取得(撮影)しない。制御PC4は、当該旨を受信すると、そのときに当該読取センサを通過している投票用紙Hがリジェクト票であると識別する。投票用紙Hの取り込み不具合には、斜行状態や異常接近状態や重送状態以外に、斜行状態と異常接近状態と重送状態が同時に起きている状態等がある。なお、投票用紙Hの厚みや重さを検出することによって重送状態を検出してもよい。ここでは、投票用紙Hの画像を撮影する読取センサによって投票用紙Hの斜行状態や異常接近状態を検出する方式で説明したが、読取センサとは別に、斜行検知センサや異常接近検知センサを設けるようにしてもよい。
また、投票用紙分類機3では、運転中にエラー等で急停止が起きると、エラー解除後の再起動の際に空回し運転が行われるようになっている。空回し運転中に、ホッパー16に近い方の読取センサ(ここでは第1読取センサ31)は、投票用紙Hを検知すると、その検知結果(投票用紙Hを検知した旨)を制御PC4に送信する一方で、当該投票用紙Hの画像を取得しない。制御PC4は、当該検知結果を受信すると、そのときに当該読取センサを通過している投票用紙Hがリジェクト票であると識別する。
また、制御PC4は、第1読取センサ31および第2読取センサ32から受信した2種類の画像(前述した上面および下面の画像)に基づいて、当該画面が撮影された投票用紙Hの姿勢を識別することもできる。具体的には、前述した正しい姿勢の投票用紙H(投票用紙H1参照)を基準とすると、上面の画像に、候補名が後側から前側へ記入されて、下面の画像に候補名が記載されていない場合、制御PC4は、投票用紙Hが正しい姿勢にあることを識別する。逆に、制御PC4は、投票用紙Hが正しい姿勢にないことを識別すれば、どのようにすれば投票用紙Hを正しい姿勢にすることができるのかを判断することができる。つまり、制御PC4は、投票用紙Hを長手方向の軸回りに反転(180°回転)させたり、短手方向の軸回りに反転させたり、両方の反転を行ったりするうちのいずれをすれば、投票用紙Hを正しい姿勢にすることができるのかを判断する。
前述したように正しい姿勢でホッパー16にセットされた投票用紙H(H1)は、スイッチバック搬送路21やリジェクト搬送路22やスパイラル搬送路23に分岐することなく、本体搬送路18をひたすら流れて、スタッカユニット11(増設されたスタッカユニット11も含む)のスタッカ搬送路37に受け渡され、前述したようにいずれかのスタッカ34(対応する候補名のスタッカ34)に収納される。スタッカ34に収納された状態の投票用紙H(符号H2を付したものを参照)は、ホッパー16にセットされたときと同様に(投票用紙H1)、正しい姿勢でスタッカ34に収納されている。
このように、この投票用紙分類機3では、ホッパー16にセットされた投票用紙H1を、そのままの姿勢(投票用紙H2参照)でスタッカ34に収容したり、スイッチバック搬送路21およびスパイラル搬送路23の両方または一方に通すことで、ホッパー16にセットされたときとは異なる3パターンの姿勢(投票用紙H4,7,8参照)でスタッカ34に収容したりすることができる。
また、前述した未確定票のうち、定められた種類の未確定票(たとえば、リジェクト票やスタッカフル票)は、第1搬送路19においてリジェクト搬送路22に分岐して、リジェクトトレイ17に搬送される。
次に、投票用紙分類機3における電気的構成について説明する。
ここで、本体ユニット10の内部構成は、第1ブロック12に備えられた繰出部45、画像読取部46、搬送部47、スイッチバック反転部48およびリジェクト部49のそれぞれと、第2ブロック13に備えられたスパイラル反転部50とに細分化されている。また、スタッカユニット11の内部構成は、横搬送部51および縦搬送部52に細分化されている。
第1ブロック12において、繰出部45、画像読取部46、搬送部47、スイッチバック反転部48およびリジェクト部49のそれぞれは、個別に分割可能である。
縦搬送部52は、縦搬送路39と、各分岐路40と、縦搬送路39と各分岐路40との分岐部分における切換部材42(切換部材42を動かすソレノイドも含む)と、縦搬送路39および各分岐路40の周囲の搬送ローラ41(搬送ローラ41を回転させるモータも含む)とを含んでいる。
図4を参照して、投票用紙分類機3の本体ユニット10には、マイクロコンピュータ等で構成された全体制御部55が設けられている。全体制御部55は、繰出部45、画像読取部46、搬送部47、スイッチバック反転部48、リジェクト部49およびスパイラル反転部50のそれぞれの電気部品(前述したモータやソレノイドや第1読取センサ31や第2読取センサ32)に対して電気的に接続されている。また、全体制御部55には、前述した操作ボタン7が電気的に接続されている。本体ユニット10には、USBハブ56といったインターフェースが設けられていて、全体制御部55および画像読取部46は、USBハブ56を介して制御PC4と通信可能につながっている。また、全体制御部55には、前述した各表示ランプ36(図2参照)が電気的に接続されており、全体制御部55は、各表示ランプ36の点灯パターンを制御する。
以下では、図5のような他事記載票に関する読取処理について、図6〜図8を参照しながら説明する。また、この実施形態では投票用紙分類機3と制御PC4とが別々の装置である。そのため、投票用紙分類システム1全体で見ると、制御PC4の制御部70および投票用紙分類機3の全体制御部55のどちらかが、読取処理内における個々の処理のうち、担当する処理については主となって制御動作を行う。しかし、制御PC4が投票用紙分類機3に組み込まれた構成もあり得る。そこで、以下では、制御PC4が投票用紙分類機3に組み込まれているものとし、制御部70および全体制御部55(各スタッカユニット11のスタッカ制御部57も含む)を、投票用紙分類機3に含まれる1つの制御部100(取得手段、分別手段、生成手段、特定手段、判定手段、振分制御手段)とみなして説明することにする。第1読取センサ31、第2読取センサ32および制御部100は、投票用紙Hの読取処理を行う装置(読取装置90)を構成している(図4も参照)。
図7を参照して、候補名特定処理として、制御部100(制御部70)は、まず、記入枠内画像を構成する全ての画素を、有権者が記入した文字とみなせる画素(「文字候補画素」ということにする)と、投票用紙Hの記入枠Wの下地(文字が記入されていない余白部分)とみなせる画素(「背景画素」ということにする)とに判別(分類)する(ステップS11)。つまり、制御部100は、取得された記入枠W内の画像を文字候補画素と背景画素とに分別する。
ここで、記入枠Wの大きさと候補名の文字数との兼ね合いから、記入枠Wに記入される文字の1文字あたりの大きさ(1つの文字に外接する文字セグメント矩形Sの面積)の範囲は、ある程度決まっていて、基準サイズとして制御PC4の記憶部71(図4参照)に予め記憶されている。そのため、ステップS13において、制御部100は、ステップS12で生成した各文字セグメント矩形Sの大きさと基準サイズとを比較する。
制御部100(制御部70)は、このように文字セグメント矩形Sの統合および/または分割を繰り返した後に、最終的に残った各文字セグメント矩形S内のグループGと形状的に近似する文字の候補(文字候補K)を生成する(ステップS14)。1つの文字候補Kは、1文字に相当する。
最終的に、制御部100(制御部70)は、ステップS14において、統合や分割の後に残った全ての文字セグメント矩形Sのそれぞれについて、文字候補Kを生成する。
なお、投票用紙Hの記入枠Wに、たとえば「〜」というような文字とは認識できない記載Jがあるとすると、制御部100は、この記載Jの文字セグメント矩形Sから文字候補Kを生成できないので、代わりに、文字候補Kを生成できなかった文字候補画素が存在するという意味として「×」を示すマークMを生成する。
他事記載Tの有無の判定についての具体例として、図8を参照して、制御部100は、先ほどの候補名特定処理で候補名の特定に用いた文字候補K(図8の場合、文字候補K1〜K4)以外に他の文字候補KやマークMが存在するか否かを確認する。そして、当該他の文字候補KやマークMが存在し、これらの文字候補KやマークMの元となる個々の文字セグメント矩形Sのうち、いずれかの文字セグメント矩形Sの大きさ(面積)が所定の閾値(他事記載判定用の閾値)より大きければ、制御部100は、他事記載有りと判定する。一方、当該他の文字候補KやマークMの元となる個々の文字セグメント矩形Sの全てが当該所定の閾値以下であったり、当該他の文字候補KやマークMがそもそも存在しなかったりすれば、制御部100は、他事記載無しと判定する。図8の場合、当該他の文字候補Kとして文字候補K5〜K12が存在し、さらにマークMも存在することから、文字候補K5〜K12やマークMのうち、いずれかの文字セグメント矩形Sが所定の閾値より大きければ、制御部100は、他事記載有りと判定する。
たとえば、前述した実施形態では、第1読取センサ31および第2読取センサ32によって投票用紙Hの表裏全域の画像が取得されると、取得の度に、当該画像の中から記入枠Wを識別することによって、記入枠Wの内側の領域を自動的に特定(抽出)している。これに代え、投票用紙Hにおける記入枠Wの位置情報を事前に設定しておいて、その位置情報に基づいて、各投票用紙Hにおける記入枠Wの内側の領域の画像だけを切り出してから、候補名Nを特定したり他事記載Tの有無を判定したりするようにしてもよい。
また、他事記載Tの有無を判定する際、候補名の特定に用いられなかった文字候補KやマークMの元となる個々の文字セグメント矩形Sのうち、いずれかの文字セグメント矩形Sの大きさが所定の閾値より大きければ、他事記載有りと判定するようにしている。しかし、記入枠W内に候補名以外の文字候補Kがあるのであれば、その文字候補Kについての文字セグメント矩形Sの大きさを問わず、他事記載有りと速やかに判定するようにしてもよい。
また、投票用紙分類機3による分類処理は、係員による操作ボタン7の押下によって開始されているが、係員がホッパー16に投票用紙Hをセットすると自動で開始されてもよい。
また、前述した実施形態では、投票用紙Hは、候補者名(または政党名)が記入されるタイプ(自書式)になっていたが、たとえば全候補者名が予め記載されていて、有権者が、投票用紙H上で、(選びたい)候補者名を○「まる」で囲ったり、その候補者名の近くに○を付けたりするタイプであってもよい。
また、制御PC4は、リジェクト票、疑問票、無効票、白票、スタッカフル票および按分票のすべてを未確定票に識別していたが、都合に応じて、これらの少なくとも1つ以上(他事記載票は含む)を未確定票に識別してもよい。
17 リジェクトトレイ
31 第1読取センサ
32 第2読取センサ
34 スタッカ
55 全体制御部
90 読取装置
100 制御部
G グループ
H 投票用紙
K 文字候補
N 候補名
S 文字セグメント矩形
T 他事記載
W 記入枠
Claims (5)
- 投票用紙の読取方法であって、
投票用紙における候補名の記入枠内の画像を取得する工程と、
取得された前記記入枠内の画像を構成する文字候補画素のグループを複数生成する工程と、
前記文字候補画素の各グループと形状的に近似する文字候補を生成する工程と、
前記文字候補を組み合わせて、前記記入枠内に記入された候補名を特定する工程と、
候補名が特定された場合において、この候補名の特定に使用されなかった前記文字候補の元となる前記文字候補画素のグループが存在するときに、前記記入枠内に他事記載があると判定する工程と、
を含むことを特徴とする、投票用紙の読取方法。 - 前記記入枠内に他事記載があると判定する工程は、候補名が特定された場合において、前記文字候補を生成できず、この候補名の特定に使用されなかった前記文字候補画素のグループが存在するときも、前記記入枠内に他事記載があると判定することを特徴とする、請求項1記載の投票用紙の読取方法。
- 前記記入枠内に他事記載があると判定する工程は、候補名の特定に用いられなかった前記文字候補画素のグループの大きさが所定の条件を満たしたときに、前記記入枠内に他事記載があると判定する工程を含むことを特徴とする、請求項1または2記載の投票用紙の読取方法。
- 投票用紙の読取装置であって、
投票用紙における候補名の記入枠内の画像を取得する取得手段と、
取得された前記記入枠内の画像を構成する文字候補画素のグループを複数生成するグループ生成手段と、
前記文字候補画素の各グループと形状的に近似する文字候補を生成する文字候補生成手段と、
前記文字候補を組み合わせて、前記記入枠内に記入された候補名を特定する特定手段と、
候補名が特定された場合において、この候補名の特定に用いられなかった前記文字候補の元となる前記文字候補画素のグループが存在するときに、前記記入枠内に他事記載があると判定する判定手段と、
を含むことを特徴とする、投票用紙の読取装置。 - 請求項4記載の読取装置と、
投票用紙を収納するための複数の収納部と、
前記判定手段によって記入枠内に他事記載があると判定された投票用紙を所定の収納部に振り分ける振分制御手段と、
を含むことを特徴とする、投票用紙分類機。
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