JP4822541B2 - こんにゃく麺のレトルトパウチ食品およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は新素材こんにゃく(こんにゃく麺)、特に酸性の調味料と組み合わせてpHを9〜3に調整した麺状の新素材こんにゃく(こんにゃく麺)のレトルトパウチ食品、ならびに、その製造方法に関するものである。
最近の健康食品ブームの中で富にその低カロリーが注目されているこんにゃくは単に低カロリー食品であるだけでなく、他の種々の特長を有している。こんにゃくの原料であるこんにゃくいもの主成分は100g中、水分75〜83g、炭水化物11〜14g、タンパク質2〜4.5gである。炭水化物の大部分は多糖類の一種であるグルコマンナンであり、特にこんにゃくマンナンと呼ばれる。こんにゃくの製造原理は、こんにゃくいものグルコマンナンが水を吸収すると膨潤して容積が非常に大きくなり、粘度が高くなる性質を利用する。これにアルカリ(水酸化カルシウムなど)を加えて加熱すると、カルシウムイオンの架橋ができてゲル化する。これを冷却すると不可逆性の弾性ゲルとなり、凝固して半透明の弾力のある固形物のこんにゃくになるのである。グルコマンナンは腸管を刺激してホルモンの分泌を促し、コレステロール値の上昇を抑制する作用があるので、太りすぎ防止、便秘の解消、毒性を防ぐ等の他に糖尿病、大腸癌を予防する効用がある極めて優れた素材である。
こんにゃくの作り方をより詳細に云うと、水または40〜50℃程度の微温湯100リットルにこんにゃく粉250gをかき混ぜながら少しずつ加える。そのまま15〜30分かき混ぜ続けると、全体に粘りがでて糊状になる。これを1〜2時間放置すると、マンナンが完全に膨潤して均質な糊状になる。これにアルカリ(水酸化カルシウムなど)を加え、素早くよくかき混ぜて型箱に入れ、40〜50分放置するとかなり固まるので、これを所定の形に切り、別に予め沸騰させておいた湯の中に入れ、加熱凝固させる。
日本の麺類の代表であるうどんや素麺は小麦粉(中力粉が主成分)に食塩、水を加えて練り、延ばして切断するのであるが、現在は麺類成型機にて自動的に練りながら押し出して切断する機械練りがほとんどである。マカロニ・スパゲティ類は一般にパスタと称され、日本の食生活に大きなウエイトを占めるに至っている。その製法は小麦粉(強力粉であって、一般にデュラム小麦のセモリナまたはファリナ)に水、食塩を加え、これに卵、野菜(トマト、ほうれん草)を加え、または加えないで混練りしながら粒子内の空気を除き、これをマカロニ類成型機のシリンダーに押込み、練りながら高圧(80Kg/cm2以上)でダイス(鋳型)の孔より押出し、スパゲティでは25cm程度、マカロニでは4〜5cmに切断して自然乾燥させる。上記ダイスの孔を取り替えることにより、種々の形のマカロニ・スパゲティ類ができる。
こんにゃくの消費形態はおでん、すき焼き、煮物等、冬期依存型の副食が多く、しかもこんにゃくが家庭調理の素材に利用される場合、こんにゃく中のアルカリを水煮して除去する「アク抜き」が必要であることと、味染みが遅いなどの点に問題があり、消費の拡大の障害になっている。本発明者らは、アク抜きと味染みについては調理素材ではなく、こんにゃく加工品として、企業的には脱アルカリ(アク抜き)する方法と味染みも早い高品質で簡便な調味こんにゃくを考案しており、すでに特許を得ている。(特許文献1)
一方、最近のダイエットブームにより、食品は低カロリー化の傾向が強まっており、各種の低カロリー化食品が開発されている。麺類の低カロリー化を図るため、麺類製造の主原料の一部を海藻等の食物繊維や多糖類に置き換える等の工夫がなされており、例えば、こんにゃくやグルコマンナン等を、小麦粉、そば粉等に混合して、うどん、そば、スパゲッティ等の主食用食品を製造しようとする試みがなされている(特許文献2〜8)。こんにゃく粉末を用いる場合は、こんにゃく独特のにおい、味が強くなり、穀粉類主体の麺類とは異なる食感、食味となるため、種々の工夫がなされているが、麺類の食味、食感、香り等に問題があったり、また機械による連続生産にむかない等の問題がある。穀粉類を主体とする本格的な麺類として、こんにゃく又はグルコマンナンを含有する実用に供し得るこんにゃく入りのうどん、そば、スパゲッティなどはほとんど提供されていないのが実状である。
特許第3829211号 特開平9−117261号公報 特開平10−155440号公報 特開平9−215477号公報 特開2001−86948号公報 特開平3−65152号公報 特開平10−191912号公報 特開平7−327622号公報
こんにゃくが低カロリーの健康食品として注目されこんにゃく入りゼリーなどが開発されているが、いまだ麺類への応用は実用化されていない。麺類は小麦粉を主原料とするのでほとんどでんぷんであって栄養の面では片寄った食品なので、上記こんにゃくを成分として含有すれば良好な健康食品となり得るものである。この点、仮にこんにゃく入り麺類の製法として通常考えられるのはこんにゃく粉を小麦粉と水で直接混ぜ合わせて練粉を作ることが想到されるが、小麦粉と異質のこんにゃく粉は水分が足りず均一に混じらないので良い食感は得られない。こんにゃくは、こんにゃく粉(荒粉、精粉)を多量の水と混ぜて固形物とするので小麦粉に小量の水を混ぜて練り合わせる従来の麺類の製法とは根本的に異なる。
従来のこんにゃくの消費形態を季節性や年齢層との関係も少なく、おいしく、簡便でヘルシーという消費の需要志向に合致し、しかも常温流通商品であるという点に絞ると、レトルトパウチ食品が近い。香川県は「うどん」の消費日本一であることから麺のレトルトパウチ食品が想定された。しかし、小麦粉が主原料で製造されるうどんやソーメンに少量のこんにゃく粉を混合した、いわゆるこんにゃく粉入りうどんやソーメン、普通のうどんでは、100℃以上の温度で、小麦粉中の澱粉や蛋白質が糊化し、膨潤を起こし製品化できない。
現在のこんにゃくはアルカリ液の力で保存可能としているが、このアルカリが異臭や調理上で問題があるので、特許文献1に記載された、アルカリを除き、加熱殺菌技術を利用した保存方法が好ましい。そこで、常温流通可能はレトルトパウチ食品に、特許文献1の技術が生かせると考えられた。
本発明は、加圧加熱処理による変質が起こらない新素材こんにゃく(こんにゃく麺)、特に酸性の調味料と組み合わせてpHを9〜3に調整した麺状の新素材こんにゃく(こんにゃく麺)のレトルトパウチ食品、およびその製造方法を提供することを目的とする。また、原料組成を変えることでうどんの他、ラーメン、ソーメン、スパゲティ、マカロニ等の食感が形成され、また、パウチ内の調味料をカレー、魚貝類スープ、タレ類等にすればいろいろなレトルトパウチ商品、およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、以下の(1)〜(7)のこんにゃく麺のレトルトパウチ食品を要旨とする。
(1)こんにゃく、でん粉、グルテンおよび小麦粉からなる原料粉を用いて水に加えて撹拌しこんにゃく糊とし、それに水酸化カルシウムを加えて練り、この状態で目皿を通過させて湯浴中で加熱することで固化成形させた麺状のこんにゃくとして製造したpH10〜12のこんにゃく麺を酸性の調味料と組み合わせてpHを9〜3に調整したものであり、ならびに、レトルトパウチ内でレトルト処理したものであることを特徴とするこんにゃく麺のレトルトパウチ食品
(2)原料粉が、こんにゃく1〜5重量%、澱粉1〜10重量%、小麦グルテン1〜5重量%および小麦粉0.5〜5重量%からなる上記()のこんにゃく麺のレトルトパウチ食品
(3)原料粉のこんにゃくは、こんにゃくイモ粉および/またはこんにゃく粉を用いる上記または(2)こんにゃく麺のレトルトパウチ食品。
(4)酸性の調味料が粉末、液状またはたれ状である上記(1)ないし(3)のいずれかのこんにゃく麺のレトルトパウチ食品。
(5)pH10〜12のこんにゃく麺と酸性の調味料の組み合わせは、あらかじめ混ぜ合わせてレトルトパウチに充填する、またはレトルトパウチにそれぞれ充填し、その中で混ぜ合わせる上記4)こんにゃく麺のレトルトパウチ食品。
(6)レトルトパウチとしてシール可能のプラスチック製容器を用い、それに充填後、密封し、容器内でpH10〜12のこんにゃく麺中のアルカリを中和して所定のpHに調整されることを特徴とする上記(5)のこんにゃく麺のレトルトパウチ食品。
(7)食品が、カレーうどん、だし汁うどん、または調味液うどんである上記(1)ないし(6)のいずれかのこんにゃく麺のレトルトパウチ食品。
本発明は、以下の(8)〜(10)のこんにゃく麺のレトルトパウチ食品の製造方法を要旨とする。
(8)こんにゃく1〜5重量%、澱粉1〜10重量%、小麦グルテン1〜5重量%および小麦粉0.5〜5重量%からなる原料粉を用いて水に加えて撹拌しこんにゃく糊とし、それに水酸化カルシウムを加えて、全体が均一になるまで練り、目皿を通過させて湯浴中で加熱することで固化成形させpH10〜12の麺状のこんにゃくとし、次いで、それを酸性の調味料と組み合わせてpHを9〜3に調整すること、ならびに、レトルトパウチ内でレトルト処理することを特徴とするこんにゃく麺のレトルトパウチ食品の製造方法。
(9)pH10〜12の麺状のこんにゃくと酸性の調味料の組み合わせは、あらかじめ混ぜ合わせて包装容器に充填する、または包装容器にそれぞれ充填し、その中で混ぜ合わせる上記)のこんにゃく麺のレトルトパウチ食品の製造方法。
(10)レトルトパウチとしてシール可能のプラスチック製容器を用い、それに充填後、密封し、容器内でpH10〜12の麺状のこんにゃく中のアルカリを中和してpH9〜3に調整することを特徴とする上記)のこんにゃく麺のレトルトパウチ食品の製造方法。
本発明により、加圧加熱処理による変質が起こらない新素材こんにゃく(pH10〜12の麺状のこんにゃく)、特に酸性の調味料と組み合わせてpHを9〜3に調整した麺状の新素材こんにゃく(こんにゃく麺)、およびその製造方法を提供することができる。
また、最大の利点はレトルトパウチ食品にできることである。そして冷凍保存でも、うどんの食感を失わず調味冷凍食品分野への利用もある。原料組成を変えることでうどんの他、ラーメン、ソーメン、スパゲティ、マカロニ等の食感が形成され、パウチ内の調味料をカレー、魚貝類スープ、タレ類等にすればいろいろなレトルトパウチ商品、およびその製造方法を提供することができる。
小麦粉原料の通常の麺類はレトルトパウチ食品にすれば、小麦粉中の澱粉や蛋白質が糊化、膨潤して製品化できない。
そこで、こんにゃく粉に澱粉、グルテン、小麦粉を混入して加圧加熱しても変質しなくて麺の食感であるなめらかさ、硬さ、粘りとか、白さを得るために用いた。澱粉は老化が遅く、グルテン量との関係からも、タピオカ澱粉を用いてなめらかさを付与する。また、加工澱粉やトウモロコシ、ジャガイモ澱粉、小麦由来の澱粉でもかなり有効である。
小麦グルテンを使用することで、硬さ、粘りが得られる。グルテンはこねることで小麦蛋白であるグリアジンとグルテニンが結合して網目構造を形成し、粘弾性を示すものであって、新素材こんにゃくの食感形成にとって不可欠である。
包装時にはパウチ内に充填する調味料の高濃度によって、ちぢみを生ずるので、濃度を薄くして浸透圧を加減する。
100℃以上の加圧殺菌でも品質が劣化しないこんにゃく粉、澱粉、グルテン、小麦粉の混合重量%は以下の通りである。新素材こんにゃくは、こんにゃくイモ粉、またはこんにゃく粉1〜5重量%に、澱粉1〜10重量%、小麦グルテン1〜5重量%、小麦粉0.5〜5重量%の原料を用いる。これらの原料を練り込み、通常の製法でのり化してアルカリ(水酸化カルシウム)を加え、ゲル化することを特徴とする。練り込む原料の配合重量%の比率によって、種々な食品の食感を持つ新素材こんにゃくができる。新素材こんにゃくが対象とする好ましい食品は、麺類である。原料組成を変えることでうどん、その他、ラーメン、ソーメン、スパゲティ、マカロニ等の食感が形成される。
包装時はpH10〜12の新素材こんにゃくと酸性の調味料(粉末、液状、たれ状)を耐熱性包装容器(パウチ)に充填するが、これにより調味料中の酸性成分でこんにゃく中のアルカリ成分を中和して所定のpHに調整される。本発明の最大の利点はレトルトパウチ食品にできることである。そして冷凍保存でも、うどんの食感を失わず調味冷凍食品分野への利用もある。パウチ内の調味料は、例えばカレー、魚貝類スープ、タレ類等にすることができる。
本発明の新素材こんにゃくは、こんにゃくイモ粉またはこんにゃく粉に澱粉、好ましくはタピオカ澱粉、グルテン、小麦粉を水(20℃)で糊化した後、2時間放置し、水酸化カルシウム(アルカリ)で凝固させたものであり、いろいろな方法で押し出しまたは切断して得られる。麺類(うどん、そば、中華麺、スパゲティ、餃子の皮など種々な形状のものが得られる。そして、このような食品の食感はこんにゃく粉、澱粉、グルテン、小麦粉の配合重量比%を変化させることで非常によく似たものになる。
例えば、こんにゃく粉3重量%、タピオカ澱粉3重量%、グルテン1.5重量%、小麦粉1重量%の配合で作ったうどん様の食感をもつ新素材こんにゃくを使ってカレーうどんを製造する場合、製品後のpHが5〜6になるように酸量を調整した調味料(カレールー)を1:0.5の比率で、合成樹脂製フィルムやアルミ箔などを貼り合わせた光や酸素を通さない材質のパウチ(袋状容器)または形成容器(トレー)に詰め、完全密封する。
加圧加熱は110℃〜120℃、20〜50分の加圧、加熱(レトルト)を行い、殺菌と調味成分の均質化を図る。pHを低く調整した製品ほど殺菌処理を軽度に調整する。
パウチ内では調味料(カレー、魚貝類スープ、タレ類等)が麺状の新素材こんにゃく表面に接触している状態であり、麺に調味料の酸成分が中に浸透し、pHを9〜3に調整する。pHを9〜3に調整した、好ましくは必要量の有機酸を添加した調味料(カレールー)が用いられる。
麺状の新素材こんにゃく(pH11前後)と酸量を調整した調味料(麺状の新素材こんにゃくに調味料が均一に浸透するとpHが9〜3の酸性になるよう計算された酸量に調整している)を耐熱性の合成樹脂性容器に充填し、すぐに加熱殺菌して保存性のある麺状の新素材こんにゃくを得る。調味料は、洋風、和風、中華風の調味料を用いることができる。酸量の調整に用いる有機酸は酢酸、クエン酸、乳酸、リンゴ酸、グルコン酸などの食品添加物である。
新素材こんにゃくと酸性の調味料の組み合わせは、あらかじめ混ぜ合わせて包装容器に充填する、または包装容器にそれぞれ充填し、その中で混ぜ合わせてもよい。
本発明のうどんや中華麺など麺タイプの新素材こんにゃくは、小麦粉中に水とこんにゃく粉を練り込む製法のこんにゃく粉入りの麺と異なり、こんにゃく粉の中にグルテンや澱粉を混合して、のり状にしたのちアルカリでゲル化したのものである。そのため色々な特性を持っている。例えばうどんの食感を持つ新素材こんにゃくは、ゆでた後、長時間放置しても、吸水して軟化したり、老化することがない。調味料と袋詰めして加圧加熱しても澱粉等成分が溶出せず、にごりを生じない。カロリーは二分の一以下である。
本発明の詳細を実施例で説明する。本発明はこれらの実施例によってなんら限定されるものではない。
[新素材こんにゃく原料]
以下の原料を用いて、新素材こんにゃくを製造した。
こんにゃく粉:特等規格の精製したこんにゃく粉(「精粉」ともいう。(株)荻野商店製)
澱粉:加工タピオカ澱粉「ゆり8」(松谷化学工業(株)製)
グルテン:小麦グルテン「A-グルG」(グリコ栄養食品(株)製)
小麦粉:強力粉「アカシア」(千葉製粉(株)製)
水酸化カルシウム:「スイカル350」(田中石灰工業(株)製)
[うどん状の新素材こんにゃくの製法]
こんにゃく粉3kg、澱粉3kg、グルテン1.5kg、小麦粉1kgを水97L(20℃)へゆっくりと加えてのり状になるまで撹拌し、2時間放置後、このこんにゃく糊に1.7%水酸化カルシウム10Lを加えて、全体が均一になるまで練り、下記の目皿を通過させて湯浴中(65℃、5分)で加熱することで固化成形させる。これにより弾力等の品質に富んだ麺状のこんにゃくができる。目皿として、こんにゃく糊を皿状の板に直径2.0mmの穴が80個開いたものを用いた。皿状の板は、プラスティック製、真鋳製又はステンレス製のものがある。他に四角の7mm角の穴が開いたもの等種々のものが利用できる。
練り込む原料の配合重量%の比率によって、種々な食品の食感を持つ「こんにゃく麺」ができる。
[うどん状の新素材こんにゃくの包装]
包装時はpH10〜12の「こんにゃく麺」と酸性の調味料(粉末、液状、たれ状)をパウチに充填するが、これにより調味料中の酸性成分でこんにゃく中のアルカリ成分を中和して所定のpHに調整される。包装後は常圧及び加圧殺菌を行い、商品化する。
[実施例1]
うどん状の「新素材こんにゃく」100gと市販用のカレールー〔野菜・果実(たまねぎ・じゃがいも・にんじん・りんご・ココナッツ)、牛肉、小麦粉、乳製品、フルーツチャツネ、エキス(ポーク・チキン)、砂糖、カレー粉、食塩、食用油脂、でんぷん、香辛料、調味料(アミノ酸等)、カラメル色素、香料、パプリカ色素〕50gをパウチに充填した。この際、製品pHを6.5に調整するためカレールーにクエン酸を0.15g追加した。完全密封後、110℃、20分間の加圧加熱した。
[比較例1]
うどん状の「新素材こんにゃく」でなく、通常のゆでうどんを用いて他は実施例1と同様な方法で行った。小麦粉(中力粉)400gと3%の塩水200gでこねて、細きりしてうどんを作った。こんにゃく粉のみを抜いて他は同じ組成のうどんについては、こんにゃく粉3%と上記のうどんの組成では粘土状になり、うどん様の物性を持ったこんにゃくにならない。そこで、比較例では通常のうどんと比較することとした。
[実施例2]
うどん状「新素材こんにゃく」100gと市販うどんダシ汁(醤油、大豆、かつおぶし、しいたけ、こんぶ、砂糖、食塩、みりん、アルコール、調味料(アミノ酸等))50gをパウチに充填した。この際、製品後のpHを7.0に調整するため、パウチ1個当たりのダシ汁に0.1gを追加した。完全密封後、110℃、20分間の加圧加熱した。
[比較例2]
うどん状の「新素材こんにゃく」ではなく、通常のゆでうどんを用いた他は実施例2と同様な方法で行った。
[実施例3]
うどん状「新素材こんにゃく」100gと調味液(食塩2%、グルタミン酸Na0.5%)50gをパウチに充填した。この際、製品後のpHを6.0に調整するために、調味液にクエン酸0.2gを添加した。完全密封後、110℃、20分間の加圧加熱した。
[比較例3]
うどん状の「新素材こんにゃく」ではなく、通常のゆでうどんを用いた他は実施例3と同様な方法で行った。
実施例1のカレーうどん、実施例2のダシ汁うどん、実施例3の調味液うどんの各写真を対応する各比較例とならべて図1に示す。
表1の品質評価はパネル10名とし基準は1から5の5段階で、高いスコアほど品質は良好である。基準はレトルト食品としての価値の比較を行った。結果を表1に示す。
図1に示すように、品質上、香味、商品性はカレーうどんの場合、比較例1はうどんがカレールーを吸って太くなり、軟化した。だし汁や調味液うどんの場合にも比較例2、比較例3のようになり液を吸って太くなり、だし汁や調味液は濁り、商品性は全く認められなかった。
本発明の澱粉とグルテン、小麦粉をこんにゃく中に混合したうどんの食感を持つ「新素材こんにゃく」は加圧加熱処理による変質が起こらない。また、こんにゃく粉や澱粉、グルテン、小麦粉の混合比率を変えることでうどんの他、ラーメン、ソーメン、スパゲティ、マカロニ等の食感が形成され、また、パウチ内の調味料をカレー、魚貝類スープ、タレ類等にすればいろいろなレトルトパウチ商品が可能となる。
実施例1のカレーうどん、実施例2のダシ汁うどん、実施例3の調味液うどんの各写真を対応する各比較例とならべて示す図面に代わる写真である。

Claims (10)

  1. こんにゃく、でん粉、グルテンおよび小麦粉からなる原料粉を用いて水に加えて撹拌しこんにゃく糊とし、それに水酸化カルシウムを加えて練り、この状態で目皿を通過させて湯浴中で加熱することで固化成形させた麺状のこんにゃくとして製造したpH10〜12のこんにゃく麺を酸性の調味料と組み合わせてpHを9〜3に調整したものであり、ならびに、レトルトパウチ内でレトルト処理したものであることを特徴とするこんにゃく麺のレトルトパウチ食品
  2. 原料粉が、こんにゃく1〜5重量%、澱粉1〜10重量%、小麦グルテン1〜5重量%および小麦粉0.5〜5重量%からなる請求項こんにゃく麺のレトルトパウチ食品。
  3. 原料粉のこんにゃくは、こんにゃくイモ粉および/またはこんにゃく粉を用いる請求項1または2こんにゃく麺のレトルトパウチ食品。
  4. 酸性の調味料が粉末、液状またはたれ状である請求項1ないしのいずれかのこんにゃく麺のレトルトパウチ食品。
  5. pH10〜12のこんにゃく麺と酸性の調味料の組み合わせは、あらかじめ混ぜ合わせてレトルトパウチに充填する、またはレトルトパウチにそれぞれ充填し、その中で混ぜ合わせる請求項こんにゃく麺のレトルトパウチ食品。
  6. レトルトパウチとしてシール可能のプラスチック製容器を用い、それに充填後、密封し、容器内でpH10〜12のこんにゃく麺中のアルカリを中和して所定のpHに調整されることを特徴とする請求項5のこんにゃく麺のレトルトパウチ食品。
  7. 食品が、カレーうどん、だし汁うどん、または調味液うどんである請求項1ないし6のいずれかのこんにゃく麺のレトルトパウチ食品。
  8. こんにゃく1〜5重量%、澱粉1〜10重量%、小麦グルテン1〜5重量%および小麦粉0.5〜5重量%からなる原料粉を用いて水に加えて撹拌しこんにゃく糊とし、それに水酸化カルシウムを加えて、全体が均一になるまで練り、目皿を通過させて湯浴中で加熱することで固化成形させpH10〜12の麺状のこんにゃくとし、次いで、それを酸性の調味料と組み合わせてpHを9〜3に調整すること、ならびに、レトルトパウチ内でレトルト処理することを特徴とするこんにゃく麺のレトルトパウチ食品の製造方法。
  9. pH10〜12の麺状のこんにゃくと酸性の調味料の組み合わせは、あらかじめ混ぜ合わせて包装容器に充填する、または包装容器にそれぞれ充填し、その中で混ぜ合わせる請求項8のこんにゃく麺のレトルトパウチ食品の製造方法。
  10. レトルトパウチとしてシール可能のプラスチック製容器を用い、それに充填後、密封し、容器内でpH10〜12の麺状のこんにゃく中のアルカリを中和してpH9〜3に調整することを特徴とする請求項9のこんにゃく麺のレトルトパウチ食品の製造方法。
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