JP5561523B2 - 低カロリー麺類の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、蒟蒻等グルコマンナンを主剤として澱粉や穀粉を配合した蒟蒻ゾルに、アルカリ金属塩を凝固液として混合し、目皿から複数本の長尺状に連続的に押出し、連続的に茹上げる、食味性に優れた低カロリー麺類の製造方法に関する。
日本の伝統食品である蒟蒻が、低カロリー性、食物繊維の豊富さからダイエット食品の材料として注目されて久しい。白滝又は糸蒟蒻を応用した麺線状の蒟蒻利用食品についても蒟蒻固有の欠点を克服した様々な提案がある。中でも水酸化カルシウムによって引き起こされる所謂アルカリ臭は蒟蒻粉の精製度向上により大幅に緩和されたものの未だ無視できず、水酸化カルシウムをアルカリ金属塩に置き換える場合が多い。
例えば、特開昭58−36366号公報、実施例2では、蒟蒻原料と馬鈴薯澱粉を、塩基性アルカリ金属化合物を溶解した水と消石灰懸濁液で練った蒟蒻ゾルを丸穴から熱水中に押出し生うどん様蒟蒻を得る製造方法に関する記載がある。又、特開平1−291765号公報、実施例3では、蒟蒻粉に無臭全脂大豆粉、炭酸カリを混合し、水を加え撹拌し完全に膨潤させたアルカリゾルを加熱後冷却してゼリー状とし、目皿から熱水中に押し出し凝固させた麺はアルカリ臭のないしなやかな弾力を持った麺である旨の記載がある。しかし、蒟蒻の凝固剤としてアルカリ金属塩のみ用いて連続製造する場合の麺線切れの問題に関する記載はない。
麺線状の蒟蒻利用食品の製造装置に関しては、例えば、特開平5−244892号公報に開示された白滝製造装置がある。ホッパーより供給される蒟蒻糊と石灰水は練機での混合攪拌によって白滝糊になり、中継タンクへ送られて順送りされ目皿に送られる。連続的に供給される白滝糊は、目皿から連続的に絞り出され、複数本の長尺状の白滝素材を形成する。そして、白滝素材は、流し舟内の茹上温水中に入り、更に茹上温水と共に茹上パイプを通ることで茹上げられ凝固する。茹で上げられた複数本の長尺状の白滝素材は、茹上パイプの出口でネット上に連続的に排出されることで茹上温水と分離される。分離された白滝素材はコンベアで運ばれ引き伸ばされて定寸カット等により包装される。一方、茹上温水は前記流し舟に回収される。これらの製造措置は、現在多くの白滝製造業者で利用されている製造方法と多くの部分で共通し、白滝程度に麺線強度が高いことを前提としている。図示された螺旋状の茹上パイプは実用機では数十メートルの長さを擁し、麺線強度が白滝に達しない場合の麺線の切れを防ぐ対策には限界がある。
又、特開平4−40865号公報では、グルコマンナン粒子含有素材を水の存在下で摩砕することにより、粒子の割砕と水和膨潤を並行して行うグルコマンナンゲル短時間形成方法について開示されている。砥石間隙を0.2mm以下に調整可能な臼式の湿式摩砕機の砥石間隙を、0.5mm以下のゼロに近い間隙で摩砕処理を行うと短時間で処理するのに良い旨の記載がある。しかし、グルコマンナンゲルに気泡を含んだ場合の問題点や、原料の投入から臼の回転による摩砕に至る工程部分で空気の巻き込みが起きないような密閉条件に関する記載はない。
一方、春雨製造の分野では麺線切れを防止する目的で蒟蒻粉が応用されている。例えば、特開2007−282551号公報では、澱粉に対し0.01重量%〜100重量%のこんにゃく粉、及び0.01重量%〜100重量%の増粘多糖類を使用した原料に、50重量%〜1000重量%で加水混練し、ダイスの孔から沸騰している熱湯中に線状に落下させて糊化して麺とすれば、製造工程で切れることがなく製造ロスを減らせる旨の記載がある。 しかしながら、アルカリ凝固剤の使用に関する記載はない。故に、結着材料の主体が糊化澱粉である限り澱粉の配合率を一定以上にする必要があり摂取カロリーを引き下げるには自ずと限界がある。
特開昭58−36366号公報 特開平1−291765号公報 特開平5−244892号公報 特開平4−40865号公報 特開2007−282551号公報
蒟蒻等グルコマンナンを主剤として澱粉や穀粉を配合した蒟蒻ゾルに、炭酸ナトリウム等のアルカリ金属塩を凝固液として混合し、必要に応じて中和処理を行えば、アルカリ臭や色調への影響が抑えられる。また、線径を1mm程度に細めた麺線の食感は、適度な弾力と歯切れ感が好ましく、蒟蒻マンナンゲルの特性を活かしたものである。そして、1mm程度の細い麺線を効率的に得るにはグルコマンナンのアルカリゾルを目皿から押出す製法が適している。そこで、アルカリ金属塩を凝固液とした蒟蒻ゾルを麺線押出器に充填し、大き目の鍋に湯を沸かし、熱水中に麺線が伸びるように押出せば、食味食感に優れた低カロリー麺を比較的容易に製造することができる。
ところが、白滝製造プラントに同じ原料を持ち込んで連続的に製造してみると、麺線が切れる問題が避けられない。白滝に比べ麺線切れが多発する原因は、配合した澱粉や穀粉の存在により麺線強度が低下すると共に熱凝固が緩慢になる為で、目皿を出て直後に切れると数十mの茹上パイプ中に連なる長尺状の麺線が、パイプ中を規制されずに流れ出て製品ロスは多大なものになる。しかも、麺線を細くするほどに切れる頻度は高まるから問題は大きい。
麺線切れを防止する為には蒟蒻粉の配合率を高めればよい。しかし、蒟蒻粉と澱粉や穀粉を同じ液中に加水混合すると、蒟蒻粉は一般的に120メッシュを通過しない粗粒である為、ブレンドした澱粉や穀粉が先に吸水し、遅れて吸水する蒟蒻粒が膨潤不足となって全体で均質化できずに麺線切れの防止に寄与できないばかりか、製出した麺線は該蒟蒻粒により表面が凹凸状となってなめらかさが得られない問題がある。
そこで、蒟蒻粉濃度を高めると共に蒟蒻粉に吸水膨潤を十分させる為、蒟蒻粉の吸水を優先した加水配分を行い、其々別々に加水混合させた後に混ぜ合わせる方法や、摩砕機器によりすりつぶすと同時に混ぜ合わせる方法をとれば、膨潤しきれない蒟蒻粒の問題は解消する。ところが、それらの方法は混ぜ合わせる際に多量の気泡を含む為、麺線成形工程では、目皿から押出す際に含まれた気泡が新たな麺線切れの原因となり、茹上工程では麺線が浮き上がり茹上装置の設計を制約する要因となる。
一般的なそれらの対処法として減圧下で攪拌すれば気泡の大部分を除くことができる。しかし、攪拌羽を引き抜く際やホッパーに移す際に再び気泡を含む場合があって麺線切れの問題は容易に解消しない。又、脱気装置は、購入、メンテナンス、サニタリー費用等大きなコスト要因である。
すなわち、本発明が解決しようとする課題は、蒟蒻等グルコマンナンを主剤として澱粉や穀粉を配合した蒟蒻ゾルに、アルカリ金属塩を凝固液として混合し、目皿から複数本の長尺状に連続的に押出し、連続的に茹上げる製造方法において、麺線切れを防止すること。仮に、麺線切れがあった場合でも麺線ロスを低減すること。及び、蒟蒻マンナンゲルの特性を活かし低カロリーで優れた食感の麺類を合理的に製出することにある。
発明者は、前記の課題を解決する為に、首尾一貫して気泡を含ませず、インラインミキサーや、コンベアによる茹上を製造手段として検討した結果、思いがけず合理的な方法に行き着くことができた。すなわち本発明は、蒟蒻粉と少なくとも澱粉又は穀粉を水に均一分散させゾルの安定状態を得る原料攪拌工程と、該ゾル中の水和を一定時間行う原料水和工程と、該水和ゾルとアルカリ金属塩類溶解液の二液を其々圧送し合流させ、一定比率で混合する凝固液混合工程と、該凝固液のアルカリによるゲル化反応を一定時間行うアルカリ反応工程と、該アルカリゾルを目皿から複数本の長尺状に押出す麺線成形工程と、該ゾル状麺線を熱水中で加熱して複数本の長尺状の麺線を得る茹上工程を有し、該凝固液混合工程から該茹上工程を連続して行う麺類の製造方法において、圧送された二液が麺線成形工程に至る流路が、全て密閉状態で、凝固液混合工程が、タービンの回転による攪拌域に二液を強制通過させる手段によるもので、茹上工程が、ゾル状麺線を目皿から熱水中のコンベアまで垂下沈降させ、その後、該コンベアによって麺線を移送し熱水から引き上げる手段によることを特徴とする低カロリー麺類の製造方法(請求項1)や、前記原料攪拌工程において、水に対し蒟蒻粉2〜4重量%、澱粉及び穀粉の合計が1〜12重量%である、請求項1に記載の低カロリー麺類の製造方法(請求項2)や、前記水和ゾルを圧送する際、貯留された水和ゾルに周囲壁面を密着させると共に、該周囲壁面の一部を可動化する手段による、請求項1又は2のいずれかに記載の低カロリー麺類の製造方法。(請求項3)や、前記アルカリ反応工程が2〜20分で、該工程が移送管を延長する手段による、請求項1〜3のいずれかに記載の低カロリー麺類の製造方法(請求項4)や、前記茹上工程において、複数のコンベアを直線上に重なるように配置する手段による、請求項1〜4のいずれかに記載の低カロリー麺類の製造方法。(請求項5)に関する。
本発明によって得られる麺類は、主剤としての蒟蒻グルコマンナンの利用により、グルコマンナンのアルカリゲルを麺線形成の主体とし、副剤として少なくとも澱粉や穀粉を配合する。副剤は其々に固有の食味、食感を麺に付与することができ、澱粉や穀粉の他に微粉化した粉末食品、ペースト状食品や、溶液化した食品や添加物を自由に配合できる。
本発明に適した蒟蒻粉は、生芋由来のアミンや、粗粉の乾燥に由来する亜硫酸を含まない精製度の高いものが良く、粒度は125μm〜500μm程度がよい。125μm以上であれば大量に仕込んだ場合でも水中に均一に分散するから都合良い。副剤としての澱粉には、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、とうもろこし澱粉、緑豆澱粉、えんどう豆澱粉、小麦澱粉、米澱粉、甘藷澱粉、等各種生澱粉、それら生澱粉のエーテル化、アセチル化、酸化、エステル化処理された澱粉を使用する事ができる。穀粉には、トウモロコシ粉、豆粉、小麦粉、米粉、そば粉、ライ麦粉、大豆粉等なんでも使用できるが、取り分け、アルカリによる食味の低下が少ない米粉が好ましい。そして、澱粉、穀粉共に一種又は二種を適宜組み合わせても良い。又、澱粉のみ、穀粉のみ、澱粉と穀粉を混合して使用することも自由にできる。又、麺の食味に特徴を与える食品として、唐辛子、ゆず、ごま、山淑、鶏卵、山芋、わかめ、昆布、あおさ等を微粉化した素材として入手すれば良く、食味に特徴を与える添加物としては香料、着色料等メニューに合わせ選択できる。
原料の配合率は、水に対し、蒟蒻粉2〜4重量%、望ましくは2.5〜3.5重量%で、副剤の配合率は、合計が1〜12重量%、望ましくは3〜9重量%で適正な麺線強度が得られると共に、澱粉又は穀粉が主体であれば喫食時の食感に適度な歯切れとなめらかさが得られて良い。副剤に採用する原料が異なっても、喫食時に好ましい食感が得られる配合率範囲は概ね共通する。
本発明の原料攪拌工程では、液中に気泡を含ませることなく原料の全てを均一分散できれば手段は問わないが、以下の手順をとれば容易に行うことができる。まず、15〜40℃、望ましくは25〜35℃の水を攪拌する中に澱粉、穀粉を投入して均一に懸濁させる。続いて蒟蒻粉を投入して均一に分散させる。均一化後は、均一状態を維持かつ気泡を巻き込まない状態で、攪拌を3分以上、望ましくは4〜10分継続すれば粘度増加が進み、攪拌を止めても各原料が均一に分散した安定状態を得ることができる。
本発明の原料水和工程では、蒟蒻グルコマンナンの水和を完成し概ね変化のない状態にする。ゾルを安定化させることで、一度にまとめて仕込んだ原料も、以後少しずつ小出ししても一定の水和状態で連続工程に供することができる。該水和ゾルの粘度は10Pa・S(10000センチポアズ)以上になる。貯留された水和ゾルを容器の底部から出す場合は高粘度用定量ポンプの吸引口を容器底部の供給口に接続すると共に、容器上部からエアーの吸い込みを防ぐ為に、水和ゾルの液面に密着可能な落とし蓋等を設け、フラットな液面を維持させるとよい。又、底に供給口のない容器から押出す場合は、ペースト生地移送ポンプ「ヘイシンディスチャージャー(兵神装備株式会社製)」を利用すれば流量の変更が自在にできて良い。
次に、凝固液混合工程について説明する。本発明の凝固液混合工程は、水和ゾルと凝固液の二液を其々圧送し、連続的に一定比率で合流させ、1000〜8000回転/分の高速タービンによる攪拌域を強制通過させる手段によるもので、それら一連の処理を気泡の混入がない密閉状態で行うことを特徴とする。
凝固液に用いるアルカリ金属塩は、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムが入手し易く扱いやすい。アルカリゾルの均質化を促す為、水和ゾルと凝固液の混合比率は96:4〜94:6が適し、凝固液の炭酸ナトリウム濃度は、10〜14%が適している。すなわち、アルカリゾル中の炭酸ナトリウム濃度は0.4〜0.8%で、他のアルカリ金属塩の場合は同程度のアルカリ度になるように濃度設定する。
適する混合装置は、一般的にインラインミキサーと称するもので、例えば、プライミクス株式会社製TKパイプラインホモミクサーやTKホモミックラインミルが例示できる。インラインミキサーの構造は、高速回転するタービンの回転部に液体を強制通過させる構造である為、膨潤した蒟蒻粒は、回転するタービンの衝撃により崩壊すると同時に凝固液と混ぜ合わされ、一度の通過で二液を均質化することができる。これらのインラインミキサーは、液体の移送管途中に吸い込み口と吐出口を接続し密閉状態で攪拌するため、エアーの巻き込みがない。凝固液は、水和ゾルの圧送ポンプとインラインミキサーを結ぶ密閉配管途中に注入し、注入量は前記濃度になるように、水和ゾルの通過量に合わせて設定する。インラインミキサーの機種やタービンの回転数は、原料の特性や二液の通過量に合わせ適宜設定する。
次に、アルカリ反応工程について説明する。凝固液混合工程を経たアルカリゾルは密閉配管により連続的に目皿に供給するが、この間にアルカリ成分を浸透させる時間を取り予めゲル化を進めることで、過剰にアルカリ度を高めずとも熱凝固を速めることができる。前記したアルカリ度に適したアルカリ反応時間は2〜20分、望ましくは4〜6分が良い。仮に、凝固液を混合したアルカリゾルを混合直後に目皿から押出す場合、凝固不足により茹槽の一部に固着する不具合が生じ、逆に30分以上経過すると目皿手前での凝固により目詰まり等の不具合が生じる。そして、適正なアルカリ反応時間範囲で押出す場合も、時間が異なると目皿から吐出する際の膨らみが異なり、故に、麺線の太さが異なるという問題があるから、麺線の太さを揃える場合はアルカリ反応時間を変動なく一定にする必要がある。
アルカリ反応時間を一定にするには、アルカリゾルの連続かつ定量移送と共に、アルカリゾルの順送り可能な流路管を設けると良い。流路管の断面積は、一定、かつ出入口の狭小部面積の1〜2倍、望ましくは1〜1.5倍とし、流路管の内面は段差のない曲面で構成すれば供給ゾルの順送りがスムースにできて良い。また、時間当たりの処理量を上げるには相応の長さに流路管を延長する。長すぎる場合はコイル状に配置すれば、圧送時に抵抗が少なくコンパクトに収容できて良い。
次に、麺線成形工程について説明する。アルカリ反応工程を経たアルカリゾルは密閉配管により連続的に目皿に供給する。細孔の間隔は10mm以上、望ましくは15〜20mmにすれば、隣り合う麺線が付着し難く、かつ効率的で良い。目皿は平らな吐出面を下向かつ水平に配置し、水面との間隔を3〜20cmの範囲で調整する。
次に、茹上工程について説明する。麺線成形工程で複数本の長尺状に押出されたアルカリゾルは、一段目のコンベアまで垂下沈降させることで麺線表面を凝固させる。この時、水面とコンベアの間隔は20cm以上、かつ、5〜15秒でベルト面に接地するように水面の高さを調整する。熱水の温度は80〜90℃、熱源は手段を選ばないが熱水に偏った流れを発生させないように各所に分散して配置すると良い。又、コンベアベルト上の両側近くには防波壁を連設し、流れを極力抑えた中に麺線を押出し、コンベアベルト上に降下させる。
茹時間は2〜6分、望ましくは3〜4分が適している。茹槽の設置スペースの事情から、コンベアによって前方に搬送し、必要に応じて下方の2段目のコンベアに乗せ換え後方に折り返し、その後3段目のコンベアに乗せ換えて再び前方に、その後上方に移送して熱水から引き上げる場合や、コンベアを二段増やし、5段目のコンベアに乗せ換えて熱水から引き上げるのも自由にできる。各段のコンベアの間には上下のベルトの走行によって進行方向の水流が発生するから麺線を誘導するのに都合良い。引き上げた麺線は、槽外の冷却水槽に移送し、その後、麺線を引き伸ばす為の速度差を設けたコンベアに乗せ換え、定寸カットされ充填工程に移ることができる。又、コンベアの長さと段数を増やさずに処理能力を増やす場合は、重ねる麺線の数を増やす手段、ベルト幅を拡大し並行処理する麺線の数を増やす手段、ネット上での茹時間を1分程度に短縮し定寸カットした麺を新たな移送カゴに収容した後に追加熱する手段など自由に行える。
本発明の茹上工程に適した茹槽は、図2に示したように、直方体形の水槽内に複数のネットコンベアを重層し、三段目のコンベアが長尺状の麺線を水面上まで斜めに引き上げる。この時、図3の平面図に示すように重層したコンベアは直線上に重なることになる。コンベアベルトは金属薄板、金網、樹脂、繊維素材など自由に選択できるが、簡易なスクレーパーが取り付けられる程度の目の細かいものがよい。また、重層するコンベアのベルト間やターン部の側面部には、一段目のベルトに設けた防波壁と連なるように壁を連設すれば、長尺状の麺線がベルト面から脱落しなくて良い。
更に、発明者は、前記の製造方法に加え、一定の太さで得た麺を酸性調味液と共にフィルム充填して二次加熱することで、食味、食感に優れることを見出した。すなわち本発明は、前記麺線成形工程において、目皿の孔の内径が1.0〜2.0mmである、請求項1〜5のいずれかに記載の低カロリー麺類の製造方法(請求項6)や、前記茹上工程で得た複数本の長尺状の麺線を定寸カットし、有機酸を含む調味液と共にフィルム充填し、大気圧下で加熱殺菌するチルド麺類の製造方法において、殺菌終了後の調味液のpHが4.5〜5.5になるように調味液の酸度を調整する請求項1〜6のいずれかに記載の低カロリー麺類の製造方法(請求項7)に関する。
本発明がねらいとする食感に適する目皿の細孔は、内径1.0〜1.5mmが良い。孔の内径が1.0mmを下回ると目詰まりが目立つようになり、内径2.0mmを上回る麺線ではシャキッとした歯切れの好ましい食感が得られ難い。
本発明によれば、蒟蒻ゲルの特徴を活かした優れた食感でありながら、アルカリ臭のない低カロリー麺類を効率的にロスなく製造できると共に、シンプルな設備で設備費用や管理コストを軽減できる効果を奏する。
実施例の攪拌容器から目皿に至る構成装置の部分断面を示す。 実施例の目皿から茹槽を経て定寸カッターに至る装置の部分断面を示す。 図2に対応する茹槽の前半部分を拡大した平面図を示す。
以下、本発明の実施の形態を図1〜図3に基づいて説明する。
実施例1
(低カロリーチルド春雨の調製)
ペール缶形状の容器1に30℃の水7.5Lを入れ、攪拌しながらエーテル化タピオカ澱粉240gを投入し分散懸濁させたものを区分1−▲1▼、同エーテル化タピオカ澱粉を750g投入し分散懸濁させたものを区分1−▲2▼とした。続いて、蒟蒻粉(オリヒロティマックマンナン)240gを投入し泡立ちを抑え原料が沈殿しない穏やかな攪拌を5分間継続して攪拌棒を引き上げたところ、原料が浮沈せず気泡を含まない状態を得た。同容器のまま室温で1時間放置し水和ゾルAを調整した。
該水和ゾルAは、吸上げ式ポンプ2(ペール缶対応の兵神装備社製ディスチャージャー2NTL15PLDC)により毎分210gで圧送し、凝固液B(炭酸ナトリウム12%液)を液体注入ポンプ3(グルドフォスポンプ社製DME48−3)により毎分10〜12gをノズル3aにより注入し、インラインミキサー4(プライミクス社製TKパイプラインホモミクサーPL−SL)によりタービン4aを1500回転/分で攪拌、混合した。
アルカリゾルCは、内径30mm、長さ1.6mのビニールチューブ5(出入口内径25mm)を5分間で通過、目皿6に圧送され、内径1.2mmの細孔44個を有する目皿から押出し、茹槽7に投入した。なお、この時の目皿6と熱水水面7aの間隔は7cmだった。目皿6から押出される麺線Dは、稀に途切れる場合も、再びコンベアベルト上に降下して周囲の麺線と共に搬送され、出口で排除を要することはなかった。
熱水の水温は85℃。茹水の0.04%相当の炭酸ソーダを溶解しアルカリ度を調整した。茹槽に重層された3段コンベア7bは、2.7〜2.9m/分で走行させ、麺線Eは、延べ8.5mの熱水中を3分で通過し、15cmに定寸カットして20℃の水中に貯留され、5分で1.2kgの春雨麺を得た。得られた春雨麺を150gに小分けし、乳酸0.3%、粉末鶏ガラダシ(市販品)0.5%を含む酸性調味液50mlと共に耐熱性ポリ袋に充填し密封した。その後、85℃、30分蒸気殺菌を行い10℃に冷却、pH4.8〜5.0の低カロリーのチルド春雨を得た。
(チルド春雨の比較サンプルの調製)
実施例1の内容で、澱粉を配合しないものを区分1−C、エーテル化タピオカ澱粉1050g配合したものを区分1−▲3▼として比較サンプルを調整した。
(チルド春雨の食味評価)
得られたサンプルは、中華風スープ300mlとともに一煮立ちさせ、食味、食感について評価したところ、表1に示したように、エーテル化タピオカ澱粉3.2%〜10%の範囲でスープ春雨として好まし食感で湯のびすることもなく、更に、冷蔵1ヶ月後でも同様の評価を維持していた。
Figure 0005561523
実施例2
(低カロリーチルドビーフンの調製)
30℃の水7.5Lを攪拌しながら米粉240gを投入し、分散懸濁させたものを区分2−▲1▼、同米粉を750g投入し分散懸濁させたものを区分2−▲2▼とした。続いて、蒟蒻粉(オリヒロティマックマンナン)240gを投入し泡立ちを抑え原料が沈殿しない穏やかな攪拌を5分間継続して攪拌棒を引き上げたところ、原料が浮沈せず気泡を含まない状態を得、室温で1時間放置し水和ゾルAを調整した。
該水和ゾルAは、実施例1の方法でアルカリゾルCとし、実施例1同様にチューブ5内を5分掛けて目皿位置6に移送し押出した。その際、区分2−▲2▼では、内径0.8mmの細孔44個を有する目皿、及び内径2.0mmの細孔22個を有する目皿でも麺線を押出したところ、細孔0.8mmの目皿は目詰まりして修正することができなかった。1.2mmの目皿では、数箇所の目詰まりがあったが、インラインミキサー4のタービン4aの回転を毎分2500回転に速めたところ、その後目詰まりすることはなかった。
目皿1.2mmと2.0mmで製出したビーフン麺は、正味150gになるように水分を含んだ状態で小分けし、乳酸0.3%、粉末鶏ガラダシ(市販品)0.5%を含む酸性調味液50mlと共に耐熱性ポリ袋に充填、密封した。その後、85℃、30分蒸気殺菌を行い10℃の冷蔵庫で冷却しpH4.8〜5.0の低カロリーチルドビーフンの評価サンプルを得た。
(チルドビーフン麺の比較サンプルの調製)
米粉1050g配合し、目皿1.2mmで調製したものを区分2−▲3▼として比較サンプルを調整した。
(チルドビーフン麺の食味評価)
得られたサンプルは、中華風のスープ300mlとともに一煮立ちさせて汁ビーフンとして、食味、食感について評価したところ、表2に示したように、米粉配合3.2%〜10%、目皿細孔の内径1.2mmの組み合わせに限り、食味の評価点、食感の評価点共に3点以上で、好ましい米粉の香り、味と食感を満足していた。
Figure 0005561523
A :水和ゾル
B :液体供給ポンプから圧送される凝固液
C :アルカリゾル
D :麺線成形されたアルカリゾル
E :長尺状の麺線
F :定寸カットされた麺線
1 :原料攪拌から水和を行うペール缶形状の容器
2 :水和ゾルを目皿まで圧送する吸上げ式ポンプ
3 :凝固液を注入する液体注入ポンプ
3a :凝固液を水和ゾルの中心部に注入するノズル
4 :インラインミキサー
4a :インラインミキサーのタービン
5 :アルカリ反応工程を取る為のチューブ
6 :目皿
7 :茹槽
7a :茹槽の熱水水面
7b :茹槽の3段コンベア
7c :茹槽の3段コンベアのベルトの側端
7d :茹槽の3段コンベアの防波壁
8 :シャワー水
9 :定寸カッター
10 :冷却水の入った麺受け容器

Claims (7)

  1. 蒟蒻粉と少なくとも澱粉又は穀粉を水に分散させゾルの安定状態を得る原料攪拌工程と、該ゾル中の水和を一定時間行う原料水和工程と、該水和ゾルとアルカリ金属塩溶解液の二液を其々圧送し合流させ、一定比率で混合する凝固液混合工程と、該凝固液のアルカリによるゲル化反応を一定時間行うアルカリ反応工程と、該アルカリゾルを目皿から複数本の長尺状に押出す麺線成形工程と、該ゾル状麺線を熱水中で加熱して複数本の長尺状の麺線を得る茹上工程を有し、該凝固液混合工程から該茹上工程を連続して行う麺類の製造方法において、
    圧送された二液が麺線成形工程に至る流路が、全て密閉状態で、
    凝固液混合工程が、タービンの回転による攪拌域に二液を強制通過させる手段によるもので、
    茹上工程が、ゾル状麺線を目皿から熱水中のコンベアまで垂下沈降させ、その後、該コンベアによって麺線を移送し熱水から引き上げる手段によることを特徴とする低カロリー麺類の製造方法。
  2. 前記原料攪拌工程において、水に対し蒟蒻粉2〜4重量%、澱粉及び穀粉の合計が1〜12重量%である、請求項1に記載の低カロリー麺類の製造方法。
  3. 前記水和ゾルを圧送する際、貯留された水和ゾルに周囲壁面を密着させると共に、該周囲壁面の一部を可動化する手段による、請求項1又は2のいずれかに記載の低カロリー麺類の製造方法。
  4. 前記アルカリ反応工程が2〜20分で、該工程が移送管を延長する手段による、請求項1〜3のいずれかに記載の低カロリー麺類の製造方法。
  5. 前記茹上工程において、複数のコンベアを直線上に重なるように配置する手段による、請求項1〜4のいずれかに記載の低カロリー麺類の製造方法。
  6. 前記麺線成形工程において、目皿の孔の内径が1.0〜2.0mmである、請求項1〜5のいずれかに記載の低カロリー麺類の製造方法。
  7. 前記茹上工程で得た複数本の長尺状の麺線を定寸カットし、有機酸を含む調味液と共にフィルム充填し、大気圧下で加熱殺菌するチルド麺類の製造方法において、殺菌終了後の調味液のpHが4.5〜5.5になるように調味液の酸度を調整する請求項1〜6のいずれかに記載の低カロリー麺類の製造方法。
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