JP4822513B2 - El用蛍光体及びその製造方法 - Google Patents
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Description
外線により光触媒機能が発揮される。
針状Cu2Sの先端に電界集中が生じ、先端から電子や正孔が放出されて、これらが再結
合することでEL発光が起こる。しかしながら、ZnS:Cu蛍光体では、発光スペクトルのピーク波長は、前記した通り高々450nm程度までしか短波長にすることはできない。
の導電性がCu2Sよりも5桁程度低いためである。
また、例えば、特許文献1には、硫化亜鉛、銅化合物、ハロゲン化物の混合物を1000〜1200℃で焼成することにより六方晶系の中間蛍光体粉末を製造し、これに常温下で静水圧を加えた後に700〜950℃で再焼成するか、または再焼成と同時に熱間プレスして立方晶系に転移させ、高輝度、長寿命の蛍光体を製造する方法が記載されている。また特許文献2には、中間蛍光体を大気中で再焼成する方法に代えて、硫酸塩存在下で大気を遮断して再焼成し、エッチング後さらに大気中で比較的低温で熱処理する製造方法が記載されている。これらの方法で製造された蛍光体粉末は従来のものより発光輝度が高く、寿命も長いが、さらなる高輝度化および長寿命化が求められている。
さらには、より高い応力を印加する方法として、特許文献3には、蛍光体前駆体粉末を、100〜800m/sの速度の高速気流に乗せて互いに衝突させることにより衝撃力を印加する手法が記載されている。
本発明は、双晶を高密度に有するZnS系蛍光体を製造する方法を提供することを目的とする。特に、六方晶であるZnMgS:Cu蛍光体の双晶界面にCu2Sを偏析させる
ことで、発光強度の高いEL用蛍光体の製造方法の提供を目的とする。
ここで蛍光体前駆体を金属製カプセル内に充填する方法としては、種々のものを採用することができる。例えば、図1(a)に示すように円筒状に成形した蛍光体前駆体5を、より大径の円筒状の金属製カプセル4の表面に形成した凹溝に嵌置することにより充填することができる。この際、図1(b)に示すように嵌置された蛍光体前駆体5上に金属製カプセルの蓋体を被せてもよい。このような蓋体を被せずに単に蛍光体前駆体5を凹溝に嵌置しても良い。
ここで飛翔体とは、例えば火薬銃や軽ガス銃などの衝撃銃から射出される高速弾丸等のことである。金属製カプセル内に充填した蛍光体前駆体に衝撃波を印加できるものであれば弾丸以外の物でも良い。また飛翔体の形状としては、円筒体、立方体、直方体、球体等いずれであっても良い。さらに飛翔体の材質については、金属、ダイヤモンド結晶、cBN焼結体等が好ましく、特に衝撃力を上げるためにはタングステン、ヘビーメタルが好ましい。
(3)前記第二の工程において、金属製カプセル内で爆薬を爆発させることにより前記蛍光体前駆体を衝撃圧縮する前記(1)に記載のEL用蛍光体の製造方法である。
金属製カプセル内において爆薬と蛍光体前駆体を混在させた後に爆発させることにより、内圧により強い衝撃波を印加することができる。
(4)前記第二の工程にて衝撃波を印加された蛍光体粉末を、不活性ガス中において温度700〜900℃で熱処理する第三の工程を有する(1)〜(3)のいずれか一に記載のEL用蛍光体の製造方法である。
(6)上記(1)〜(5)のいずれか一に記載のEL用蛍光体の製造方法によって製造されたEL用蛍光体である。
(7)Blue−Cu型発光機能を持つことを特徴とする上記(6)に記載のEL用蛍光体である。
ないので、試料の前面にあり、飛翔板と直接衝突するカプセルに発生する圧力で試料を圧縮する衝撃波の強さ(駆動圧力)を表すことにする。
本手法は、比重の大きな金属製の飛翔体を試料粉末または試料粉末を装填した一定体積の容器に高速で衝突させるために、極めて大きなエネルギーの衝撃波が発生する。これに対して、特許文献3に記載されたような、高速気流中に粉末を乗せて、粉末同士、あるいは粉末と衝突板より衝撃波を発生させる手法では、衝突後の粉末は任意の方向に自由に移動可能なので、同じ衝突速度で比較すると、衝突した粉末に加えられたエネルギーは本発明よりもずっと小さくなる。
0km/s程度以下の比較的威力の弱い爆薬、例えばダイナマイト、スラリー、アンホ、パペックスなどを使用することができる。
形成された双晶の界面に拡散、偏析する。熱処理温度は、700〜900℃が好ましい。これ以下の温度では、Cuの拡散速度が遅く、実用的ではない。この温度を超えると、形成された双晶が熱エネルギーにより消滅してしまう。熱処理時間は2〜8時間程度である。
が低下してEL発光強度が低下する。多い分にはかまわないが、1mol%を超えると効果は飽和する。熱処理後の蛍光体粉末は、シアン化カリウム水溶液等で洗浄し、蛍光体表面に未だ存在しているCu2Sを溶解除去することで最終的なEL用蛍光体を得ることが
できる。
本発明では、付活剤としてCu、AgまたはAuの少なくとも一種を用いることができる。AgとAuの両方を用いると、Agに特有の短波長EL発光が生じる。
を提供するという効果を奏する。
また、Cu2Sが多量に偏析するために、Cu2Sの蛍光体母体への逆拡散による寿命劣化も抑制することができる。
<実施例1>
(蛍光体前駆体の作製)
Cu付活Zn(1-x)MgxS蛍光体前駆体の作製手順を以下に示す。
[1]原料
蛍光体前駆体:平均粒径1μmのZnS、MgS、CaS、SrS
付活剤:平均粒径1μmのCu2S粉末
共付活剤:平均粒径0.5μmのAl2S3、NaCl
[2]混合
原料粉末を所定の組成で、各種溶媒中に分散させ、更に超音波振動を印加して3時間混合を行った。その後、乾燥アルゴンを流入させたエバポレータを用い、各種溶媒を揮発させ原料混合物の乾燥を行った。
[3]焼成
回収した原料混合物は、20×200×20mm(高さ)の蓋付きのアルミナるつぼに投入し、管状炉を用い、1気圧のArガス中、800℃で2時間焼成を行った後、炉内で自然放冷した。
衝撃波を印加するために、図2に示すような衝撃圧縮装置を使用した。図2に示す衝撃圧縮装置は、火薬の爆発力や高圧ガスの膨張力を利用して飛翔体1を射出する火薬銃や軽ガス銃などの衝撃銃2と、飛翔体1の先端部に固着された厚さ1〜2μmの飛翔板3と、飛翔体1の射出方向に対向して配置された金属製カプセル(試料容器)4と、試料容器4内に充填された蛍光体前駆体(粉体試料)5と、試料容器4を支えモーメンタムを吸収するカプセル支え6とから構成される。
[A]ボールミル法
蛍光体前駆体(100g)と直径1mmのZrO2製ボール、エタノールを体積比で1
:1:0.3で直径300mmのポットに装填し、150rpmの回転速度で10時間ボールミルした。
[B]蛍光体前駆体粉末(100g)を、面圧500MPaで機械プレスした。これを10回繰り返した。
蛍光体前駆体を、アルゴンガス中、温度650〜950℃で、3〜8時間処理した。
一部の試料は、熱処理しなかった。
(洗浄)
熱処理後の粉末をKCN水溶液で洗浄して蛍光体を得た。
(TEM観察)
等価型電子顕微鏡で蛍光体内部の双晶の形成密度を観察した。
50×50×1mmの石英ガラス基板に、40×40×0.05mm深さの凹加工を施した後、アルミニウムを0.1μm厚さ蒸着して裏面電極とした。蛍光体をひまし油に、35vol%の体積分率で超音波混合してスラリーにし、これを凹部に流し込んだ。最後
に、厚さ0.1μmの透明導電膜(表面電極)がコーティングされた50×50×1mmの石英ガラス基板で蓋をしてELデバイスとした。
両電極にリード線を取り付け、電圧300V、周波数3000Hzの交流電圧を印加した。発光スペクトルはフォトニックアナライザで測定した。発光強度は、測定範囲が310〜900nmの光照度計で測定した。発光スペクトルのピーク波長の強度を相対比較した。
比較は、試料No.6〜12と1〜5,13,14、No.15と16、No.17と18、No.19と20、No.21と22、No.23と24でそれぞれ行った。
結果を表1に示す。
表1に示すように、衝撃波印加法で作製した蛍光体のEL発光強度は、その他の方法で作製した蛍光体よりも高かった。また衝撃波圧力が高いほどEL発光強度は増大した。
また、熱処理温度は700〜900℃が最適であった。この範囲を外れると発光強度が低下した。
また、蛍光体前駆体のCu添加量が0.3mol%を超えるとEL発光強度が高くなった。さらに、MgS量が増大するほど発光スペクトルは短波長側にシフトした。
付活剤として、平均粒径1μmのAg2S粉末、および平均粒径100nmのAu粉末
を用いた以外は実施例1と同様に行った。結果を表2に示す。
AgとAuの両方を付活剤とした試料はEL発光した。
2 衝撃銃
3 飛翔板
4 金属製カプセル(試料容器)
5 蛍光体前駆体(粉体試料)
6 カプセル支え
Claims (7)
- EL用蛍光体の製造方法であって、少なくとも、蛍光体前駆体を作製する第一の工程と、該蛍光体前駆体を金属製カプセル内に充填した後衝撃波を印加することにより衝撃圧縮する第二の工程と、を有し、前記蛍光体前駆体の組成が、一般式Zn (1-x) A x S(式中のAは、Be、Mg、Ca、Sr及びBaの群から選ばれる少なくとも1種の2A族元素、0≦x≦0.5)であり、付活剤としてCu、Ag、またはAuの少なくとも一種の元素、共付活剤として3B族または7B族元素から選ばれる少なくとも1種の元素を含み、前記第二の工程において、衝撃圧縮における圧力を鉄換算のカプセル駆動圧力で15GPa以上とすることを特徴とするEL用蛍光体の製造方法。
- 前記第二の工程において、飛翔体を金属製カプセル内に充填された前記蛍光体前駆体及び\又は金属製カプセルに衝突させることにより衝撃圧縮することを特徴とする請求項1に記載のEL用蛍光体の製造方法。
- 前記第二の工程において、金属製カプセル内で爆薬を爆発させることにより前記蛍光体前駆体を衝撃圧縮することを特徴とする請求項1に記載のEL用蛍光体の製造方法。
- 前記第二の工程において、衝撃波が印加された蛍光体粉末を、不活性ガス中において温度700〜900℃で熱処理する第三の工程を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一に記載のEL用蛍光体の製造方法。
- 前記蛍光体前駆体中の付活剤濃度が、蛍光体前駆体の金属元素の総和の0.3mol%以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一に記載のEL用蛍光体の製造方法。
- 前記請求項1〜5のいずれか一に記載のEL用蛍光体の製造方法によって製造されたことを特徴とするEL用蛍光体。
- Blue−Cu型発光機能を持つことを特徴とする請求項6に記載のEL用蛍光体。
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