JP2012072376A - 青色蛍光体及びその製造方法並びに青色発光素子 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】立方晶の結晶構造を有する第2族元素及び/又は第12族元素と第16族元素の化合物を含有する青色蛍光体の前駆体と発熱分解性化合物を容器内に投入する(ステップS1)。次に、この密閉容器を封止して密閉する(ステップS2)。次に、発熱分解性化合物を加熱する(ステップS3)。次に、発熱分解性化合物を分解して、密閉容器内を1MPa以上50MPa以下に加圧する(ステップS4)。
【選択図】なし
Description
本発明の青色蛍光体は、上述のように、賦活剤を含まないで青色発光することが、1つの特徴であり、その場合の青色蛍光体の結晶構造は、ウルツ鉱型であれば特に制約されないが、好ましくは、X線回折法で得られる(002)面由来のピーク面積に対する(100)面由来のピーク面積の比が、1.0以上3.5以下である。上限に関しては、後述する賦活剤を含む場合と同様の理由により、より好ましくは、3.0以下であり、更に好ましくは2.4以下である。ここで「(002)面由来のピーク面積」というのは、「(002)面の面間隔を反映したX線回折ピーク面積」を意味している。結晶構造と発光特性の関係は定かではないが、本発明の結晶構造を有する青色蛍光体は、450nm付近の純度の高い青色の発光が高輝度で観測される。
ウルツ鉱型の硫化亜鉛をX線回折法で分析した場合、2θ=26.9°付近に(100)面、2θ=28.5°付近に(002)面、2θ=30.6°付近に(101)面に由来するピークが観測される。これらの3種のピークが観測されることによって、ウルツ鉱型構造であると判別できる。
図1は、本発明に係る青色蛍光体の製造方法を説明するための工程図である。まず、立方晶の結晶構造を有する第2族元素及び/又は第12族元素と第16族元素の化合物を含有する青色蛍光体の前駆体と発熱分解性化合物を容器内に投入する(ステップS1)。次に、この密閉容器を封止して密閉する(ステップS2)。次に、発熱分解性化合物を加熱する(ステップS3)。次に、発熱分解性化合物を分解して、密閉容器内を1MPa以上50MPa以下に加圧する(ステップS4)。
(1)結晶構造
蛍光体を2mmの深さを有する粉末試料ホルダーに詰めて固定し、X線回折装置を用い、ターゲットとしてCuを用い、励起電圧40kV、励起電流40mAとし、操作軸は2θ/θとして測定した。検出器には、高速1次元X線検出器D/teX Ultraを用いた。
(2)結晶性
結晶構造の測定と同様の測定を行い、ウルツ鉱型構造の(100)面のピークの半値幅を評価した。
(3)粒子サイズ
蛍光体をホルダーに導電性両面テープで固定し、走査型電子顕微鏡を用いて、電子顕微鏡写真を撮影し、10個の粒子のサイズを測定して平均化し平均粒径として求めた。粒子の形状が球状でない場合は、最も長い部位と最も短い部位の平均をその粒子の粒径とした。
(4)発光特性(フォトルミネッセンス特性)
蛍光分光光度計を用い、光源側、検出器側ともスリット幅1nmに設定し、励起波長250nmで評価した。
(5)発光特性(エレクトロルミネッセンス特性)
Multifunction Synthesizerを用いて正弦波を発生させ、High Voltage Power Amplifierを用いて増幅し、発光素子に電場をかけて発光特性を評価した。
(6)成分分析
蛍光体を錠剤成型した後、株式会社リガク製ZSX−100eを用いて測定した。管球にはロジウム管球を用い、X線照射径はφ3mmとした。定量には、簡易FP法を用いた。
閃亜鉛鉱型の結晶構造を有する硫化亜鉛100重量部と酸化亜鉛0.5重量部と焼結助剤としてフッ化バリウム3重量部、塩化マグネシウム・6水和物6.4重量部、塩化ナトリウム2重量部を乳鉢で1時間混合し、蛍光体前駆体Aとした。
直径10cmで円筒状の容積800mlの耐圧容器の円筒部に蛍光体前駆体Aを108g投入し、次いで発熱分解性化合物として2,4,6−トリニトロトルエン(以下、TNTと略す)51.2gを積層して投入した。容器を密閉した後、容器を50Pa以下まで減圧して封止した。容器の外部に設置された電熱線を用いて容器を加熱し、内温が213℃に達したところで、発熱分解性化合物が分解して発熱したことが容器内部に設置した熱電対の温度上昇によって確認された。
蛍光体A1をX線回折法で分析した結果、ウルツ鉱型構造であり、閃亜鉛鉱型構造、岩塩構造ともに観測されなかった。ウルツ鉱型構造の2θ=26.9°付近の(100)面のピーク面積の2θ=28.5°付近の(002)面のピーク面積に対する比は、2.29であり、純度の高いウルツ鉱型構造を有することが確認された。
蛍光体A1のフォトルミネッセンス特性を評価したところ448nmに純度の高い青色発光が観測された。この発光輝度を100として以下比較する。
蛍光体A1の1重量部を誘電体ポリマー溶液1重量部と混合し、透明導電膜ITO付ガラスに約25μmのギャップに調整したブレードコーターを用いてコーティングし、ホットプレートを用いて130℃で1分間加熱してベーキングして、蛍光体A1から形成された発光層を設置した。次いで、チタン酸バリウム粒子分散液を約50μmのギャップに調整したブレードコーターを用いてコーティングし、ホットプレートを用いて130℃で1分間加熱してベーキングした。さらに、ブレードコーターのギャップを約75μmに調整し、同様にベーキングする工程を、2回繰り返し誘電体層を設置した。次いで、カーボン導電性ペーストを約100μmのギャップに調整したブレードコーターを用いてコーティングし、ホットプレートを用いて130℃で1分間加熱してベーキングして発光素子を作製した。この発光素子を120V、5kHzの条件で評価したところ青色の面発光が観測された。発光の写真を、同条件で撮影した実施例2、7と共に図7(a)に示した。
TNTの投入量を32gに変更した以外は実施例1と同様にして蛍光体を合成した。合成の際、内温が182℃に達した時に、発熱分解性化合物が分解して発熱したことが容器内部に設置した熱電対の温度上昇によって確認された。その際に到達した内温は920℃であり、算出された内圧は17MPaであり、700℃以上の保持時間は、約2分間であった。この際、圧力の漏れは観測されなかった。容器を冷却後開封し、内部の粉体を取り出し、254nmの波長のブラックライトを照射したところ青色の発光が観測された。この粉体には多くのTNTの燃焼残渣が付着していたので、実施例1と同様にして洗浄、乾燥し蛍光体A2を得た。
蛍光体A2をX線回折法で分析した結果、ウルツ鉱型構造であり、閃亜鉛鉱型構造の(200)面由来のピークが僅かに観測されたが、岩塩構造は観測されなかった。ウルツ鉱型構造の2θ=26.9°付近の(100)面のピーク面積の2θ=28.5°付近の(002)面のピーク面積に対する比は、1.68であり、純度の高いウルツ鉱型構造を有することが確認された。2θ=26.9°付近の(100)面に由来するピークの半値幅は2θ=0.134°であり、結晶性が高いことが確認された。また、単体金属由来のピークは観測されなかった。この蛍光体の平均粒径は2.2μmであった。
蛍光体A2のフォトルミネッセンス特性を評価したところ450nmに純度の高い青色発光が観測された。この発光輝度は実施例1記載の評価で170であった。上述した図6に蛍光体A2のデータを、他の実施例、比較例と共にプロットした。
蛍光体A1に代えて蛍光体A2を用いた以外は実施例1と同様にして発光素子を作製した。この発光素子を120V、5kHzの条件で評価したところ青色の面発光が観測された。発光の写真を、同条件で撮影した実施例1、7と共に図7(b)に示した。
閃亜鉛鉱型の結晶構造を有する硫化亜鉛100重量部と酸化亜鉛0.5重量部と焼結助剤としてフッ化バリウム3重量部、塩化マグネシウム・6水和物6.4重量部、塩化ナトリウム2重量部と賦活剤として硫酸マンガン(II)・5水和物0.43重量部、塩化イリジウム(III)0.012重量部を乳鉢で1時間混合し、蛍光体前駆体Bとした。
蛍光体前駆体Aに代えて蛍光体前駆体Bを108g投入した以外は実施例1と同様にして蛍光体を合成した。合成の際、内温が212℃に達した時に、発熱分解性化合物が分解して発熱したことが容器内部に設置した熱電対の温度上昇によって確認された。その際に到達した内温は1050℃であり、算出された内圧は29MPaであり、700℃以上の保持時間は、約3分間であった。この際、圧力の漏れは観測されなかった。容器を冷却後開封し、内部の粉体を取り出し、254nmの波長のブラックライトを照射したところ青色の発光が観測された。この粉体には多くのTNTの燃焼残渣が付着していたので、実施例1と同様にして洗浄、乾燥し蛍光体B1を得た。
蛍光体B1をX線回折法で分析した結果、ウルツ鉱型構造であり、閃亜鉛鉱型構造、岩塩構造ともに観測されなかった。ウルツ鉱型構造の2θ=26.9°付近の(100)面のピーク面積の2θ=28.5°付近の(002)面のピーク面積に対する比は、2.19であり、純度の高いウルツ鉱型構造を有することが確認された。2θ=26.9°付近の(100)面に由来するピークの半値幅は2θ=0.118°であり、結晶性が高いことが確認された。また、単体金属由来のピークは観測されなかった。この蛍光体の平均粒径は2.4μmであった。
蛍光体B1のフォトルミネッセンス特性を評価したところ450nmに純度の高い青色発光が観測された。この発光輝度は実施例1記載の評価で50であった。上述した図6に蛍光体B1のデータを、他の実施例、比較例と共にプロットした。
蛍光体A1に代えて蛍光体B1を用いた以外は実施例1と同様にして発光素子を作製した。この発光素子を120V、5kHzの条件で評価したところ橙色の混ざった青色の面発光が観測された。
TNTの投入量を32gに変更した以外は実施例3と同様にして蛍光体を合成した。合成の際、内温が210℃に達した時に、発熱分解性化合物が分解して発熱したことが容器内部に設置した熱電対の温度上昇によって確認された。その際に到達した内温は1010℃であり、算出された内圧は18MPaであり、700℃以上の保持時間は、約3分間であった。この際、圧力の漏れは観測されなかった。容器を冷却後開封し、内部の粉体を取り出し、254nmの波長のブラックライトを照射したところ青色の発光が観測された。この粉体には多くのTNTの燃焼残渣が付着していたので、実施例1と同様にして洗浄、乾燥し蛍光体B2を得た。
蛍光体B2をX線回折法で分析した結果、ウルツ鉱型構造であり、閃亜鉛鉱型構造、岩塩構造ともに観測されなかった。ウルツ鉱型構造の2θ=26.9°付近の(100)面のピーク面積の2θ=28.5°付近の(002)面のピーク面積に対する比は、2.85であり、純度の高いウルツ鉱型構造を有することが確認された。2θ=26.9°付近の(100)面に由来するピークの半値幅は2θ=0.19°であり、結晶性が高いことが確認された。また、単体金属由来のピークは観測されなかった。この蛍光体の平均粒径は2.0μmであった。
蛍光体B2のフォトルミネッセンス特性を評価したところ448nmに純度の高い青色発光が観測された。この発光輝度は実施例1記載の評価で44であった。上述した図6に蛍光体B2のデータを、他の実施例、比較例と共にプロットした。
蛍光体A1に代えて蛍光体B2を用いた以外は実施例1と同様にして発光素子を作製した。この発光素子を120V、5kHzの条件で評価したところ橙色の混ざった青色の面発光が観測された。
閃亜鉛鉱型の結晶構造を有する硫化亜鉛を他の試薬に変更した以外は実施例3と同様にして蛍光体前駆体Cを得た。
蛍光体前駆体Aに代えて蛍光体前駆体Cを114g投入した以外は実施例4と同様にして蛍光体を合成した。合成の際、内温が213℃に達した時に、発熱分解性化合物が分解して発熱したことが容器内部に設置した熱電対の温度上昇によって確認された。その際に到達した内温は970℃であり、算出された内圧は17MPaであり、700℃以上の保持時間は、約2分間であった。この際、圧力の漏れは観測されなかった。容器を冷却後開封し、内部の粉体を取り出し、254nmの波長のブラックライトを照射したところ青色の発光が観測された。この粉体には多くのTNTの燃焼残渣が付着していたので、実施例1と同様にして洗浄、乾燥し蛍光体C1を得た。
蛍光体C1をX線回折法で分析した結果、ウルツ鉱型構造であり、閃亜鉛鉱型構造の(200)面由来のピークが僅かに観測されたが、岩塩構造は観測されなかった。ウルツ鉱型構造の2θ=26.9°付近の(100)面のピーク面積の2θ=28.5°付近の(002)面のピーク面積に対する比は、1.67であり、純度の高いウルツ鉱型構造を有することが確認された。2θ=26.9°付近の(100)面に由来するピークの半値幅は2θ=0.118°であり、結晶性が高いことが確認された。また、単体金属由来のピークは観測されなかった。この蛍光体の平均粒径は1.9μmであった。
蛍光体C1のフォトルミネッセンス特性を評価したところ448nmに純度の高い青色発光が観測された。この発光輝度は実施例1記載の評価で32であった。
蛍光体A1に代えて蛍光体C1を用いた以外は実施例1と同様にして発光素子を作製した。この発光素子を120V、5kHzの条件で評価したところ橙色の混ざった青色の面発光が観測された。
硫酸マンガン(II)・5水和物の量を3重量部とし、塩化イリジウム(III)の量を0.084重量部とした以外は実施例3と同様にして蛍光体前駆体Dを得た。
蛍光体前駆体Aに代えて蛍光体前駆体Dを110g投入した以外は実施例1と同様にして蛍光体を合成した。合成の際、内温が210℃に達した時に、発熱分解性化合物が分解して発熱したことが容器内部に設置した熱電対の温度上昇によって確認された。その際に到達した内温は1100℃であり、算出された内圧は31MPaであり、700℃以上の保持時間は、約4分間であった。この際、圧力の漏れは観測されなかった。容器を冷却後開封し、内部の粉体を取り出し、254nmの波長のブラックライトを照射したところ橙色の発光が観測された。この粉体には多くのTNTの燃焼残渣が付着していたので、実施例1と同様にして洗浄、乾燥し蛍光体D1を得た。
蛍光体D1をX線回折法で分析した結果、ウルツ鉱型構造であり、閃亜鉛鉱型構造、岩塩構造ともに観測されなかった。ウルツ鉱型構造の2θ=26.9°付近の(100)面のピーク面積の2θ=28.5°付近の(002)面のピーク面積に対する比は、2.87であり、ウルツ鉱型構造を有することが確認された。
蛍光体D1のフォトルミネッセンス特性を評価したところ450nmに純度の高い青色発光が観測された。この発光輝度は実施例1記載の評価で8であった。上述した図6に蛍光体D1のデータを、他の実施例、比較例と共にプロットした。
蛍光体A1に代えて蛍光体D1を用いた以外は実施例1と同様にして発光素子を作製した。この発光素子を120V、5kHzの条件で評価したところ発光しなかった。
TNTの投入量を22gに変更した以外は実施例1と同様にして蛍光体を合成した。合成の際、内温が212℃に達した時に、発熱分解性化合物が分解して発熱したことが容器内部に設置した熱電対の温度上昇によって確認された。その際に到達した内温は950℃であり、算出された内圧は11MPaであり、700℃以上の保持時間は、約2分間であった。この際、圧力の漏れは観測されなかった。容器を冷却後開封し、内部の粉体を取り出し、254nmの波長のブラックライトを照射したところ青色の発光が観測された。この粉体には多くのTNTの燃焼残渣が付着していたので、実施例1と同様にして洗浄、乾燥し蛍光体A3を得た。
蛍光体A3をX線回折法で分析した結果、ウルツ鉱型構造であり、閃亜鉛鉱型構造の(200)面由来のピークが僅かに観測されたが、岩塩構造は観測されなかった。ウルツ鉱型構造の2θ=26.9°付近の(100)面のピーク面積の2θ=28.5°付近の(002)面のピーク面積に対する比は、1.03であった。2θ=26.9°付近の(100)面に由来するピークの半値幅は2θ=0.210°であり、結晶性が高いことが確認された。また、単体金属由来のピークは観測されなかった。この蛍光体の平均粒径は2.7μmであった。
蛍光体A3のフォトルミネッセンス特性を評価したところ450nmに純度の高い青色発光が観測された。この発光輝度は実施例1記載の評価で37であった。上述した図6に蛍光体A3のデータを、他の実施例、比較例と共にプロットした。
蛍光体A1に代えて蛍光体A3を用いた以外は実施例1と同様にして発光素子を作製した。この発光素子を120V、5kHzの条件で評価したところ青色の面発光が観測された。発光の写真を、同条件で撮影した実施例2、7と共に図7(c)に示した。
<蛍光体の合成、洗浄>
蛍光体前駆体Aを25gアルミナ製ルツボに入れ、タンマン管式電気炉にセットした。電気炉の扉を閉めた後、電気炉内を減圧し、雰囲気ガスを窒素に置換した後、窒素を0.5ml/分で流しながら1230℃で2時間焼成した。冷却後、ルツボを電気炉から取り出し、ルツボから粉体を取り出し、254nmの波長のブラックライトを照射したところ僅かに青色の発光が観測された。この粉体を水洗、乾燥して蛍光体A3を得た。
蛍光体A3をX線回折法で分析した結果、ウルツ鉱型構造であり、閃亜鉛鉱型構造の(200)面由来のピークが観測されたが、岩塩構造は観測されなかった。ウルツ鉱型構造の2θ=26.9°付近の(100)面のピーク面積の2θ=28.5°付近の(002)面のピーク面積に対する比は、0.99であった。
蛍光体A3のフォトルミネッセンス特性を評価したところ450nm付近の純度の高い青色発光は観測されず、変わって、466nmに青白い発光が観測された。この発光輝度は実施例1記載の評価で14であった。
蛍光体A1に代えて蛍光体A3を用いた以外は実施例1と同様にして発光素子を作製した。この発光素子を120V、5kHzの条件で評価したところ発光しなかった。
<蛍光体の合成、洗浄>
蛍光体前駆体Aを蛍光体前駆体Bに代えた以外は比較例1と同様にして蛍光体B3を成した。得られた粉体に254nmの波長のブラックライトを照射したところ橙色の発光が観測された。この粉体を水洗、乾燥して蛍光体B3を得た。
蛍光体B3をX線回折法で分析した結果、ウルツ鉱型構造であり、閃亜鉛鉱型構造、岩塩構造ともに観測されなかった。ウルツ鉱型構造の2θ=26.9°付近の(100)面のピーク面積の2θ=28.5°付近の(002)面のピーク面積に対する比は、1.41であった。2θ=26.9°付近の(100)面に由来するピークの半値幅は2θ=0.119°であった。また、単体金属由来のピークは観測されなかった。この蛍光体の平均粒径は10.9μmであった。
蛍光体B3のフォトルミネッセンス特性を評価したところ450nm付近の純度の高い青色発光は観測されず、変わって、466nmに青白い発光が観測された。この発光輝度は実施例1記載の評価で14であった。
蛍光体A1に代えて蛍光体B3を用いた以外は実施例1と同様にして発光素子を作製した。この発光素子を120V、5kHzの条件で評価したところ発光しなかった。
<蛍光体の合成、洗浄>
閃亜鉛鉱型の結晶構造を有する硫化亜鉛を他の試薬に変更し、焼成温度を1050℃とした以外は、比較例2と同様にして蛍光体を合成した。得られた粉体に254nmの波長のブラックライトを照射したところ僅かに青みを帯びた橙色の発光が観測された。この粉体を水洗、乾燥して蛍光体C2を得た。
蛍光体C2をX線回折法で分析した結果、僅かにウルツ鉱型化しており、閃亜鉛鉱型構造の(200)面由来のピークが強く観測されたが、岩塩構造は観測されなかった。ウルツ鉱型構造の2θ=26.9°付近の(100)面のピーク面積の2θ=28.5°付近の(002)面のピーク面積に対する比は、0.15であった。2θ=26.9°付近の(100)面に由来するピークの半値幅は2θ=0.111°であった。また、単体金属由来のピークは観測されなかった。この蛍光体の平均粒径は8.2μmであった。
蛍光体C2のフォトルミネッセンス特性を評価したところ450nm付近の純度の高い青色発光は観測されず、変わって、466nmに青白い発光が観測された。この発光輝度は実施例1記載の評価で41であった。
蛍光体A1に代えて蛍光体C2を用いた以外は実施例1と同様にして発光素子を作製した。この発光素子を120V、5kHzの条件で評価したところ発光しなかった。
<蛍光体の合成、洗浄>
強度が無く加圧によって容易に破壊する容器を用いた以外は実施例5と同様にして蛍光体を合成した。合成の際、容器が破壊して火炎が噴出すのが観察され、発熱分解性化合物が分解して発熱したことが確認された。その際に到達した内温は容器の破壊によって測定できず、圧力を算出することもできなかった。粉体の大半は回収できなかったが、飛び散った粉体を集めて254nmの波長のブラックライトを照射したところ僅かに青色の発光が観測された。この粉体には多くのTNTの燃焼残渣が付着していたので、実施例1と同様にして洗浄、乾燥し蛍光体C3を得た。
蛍光体C3をX線回折法で分析した結果、僅かにウルツ鉱型構造を示しているが、閃亜鉛鉱型構造が残存していた。岩塩構造は観測されなかった。ウルツ鉱型構造の2θ=26.9°付近の(100)面のピーク面積の2θ=28.5°付近の(002)面のピーク面積に対する比は、0.20であった。2θ=26.9°付近の(100)面に由来するピークの半値幅は2θ=141°であった。また、単体金属由来のピークは観測されなかった。この蛍光体の平均粒径は1.5μmであった。
蛍光体C3のフォトルミネッセンス特性を評価したところ450nmの青色発光が観測された。この発光輝度は実施例1記載の評価で9であった。上述した図6に蛍光体C3のデータを、他の実施例、比較例と共にプロットした。
蛍光体A1に代えて蛍光体C3を用いた以外は実施例1と同様にして発光素子を作製した。この発光素子を120V、5kHzの条件で評価したところ僅かに橙色の発光し、青色の発光は観測されなかった。
<蛍光体の合成、洗浄>
TNTの投入量を85.3gに変更した以外は実施例3と同様にして蛍光体を合成した。合成の際、内温が285℃に達した時に、発熱分解性化合物が分解して発熱したことが容器内部に設置した熱電対の温度上昇によって確認された。その際に到達した内温は1370℃であり、算出された内圧は61MPaであった。この際、圧力の漏れは観測されなかった。容器を冷却後開封し、内部の粉体を取り出し、254nmの波長のブラックライトを照射したところ僅かに青色の発光が観測された。この粉体には多くのTNTの燃焼残渣が付着していたので、実施例1と同様にして洗浄、乾燥し蛍光体B6を得た。
蛍光体B6をX線回折法で分析した結果、ウルツ鉱型構造であり、閃亜鉛鉱型構造、岩塩構造ともに観測されなかった。ウルツ鉱型構造の2θ=26.9°付近の(100)面のピーク面積の2θ=28.5°付近の(002)面のピーク面積に対する比は、1.46であった。2θ=26.9°付近の(100)面に由来するピークの半値幅は2θ=0.186であった。また、単体金属由来のピークは観測されなかった。この蛍光体の平均粒径は2.8μmであった。
蛍光体B6のフォトルミネッセンス特性を評価したところ450nmに純度の高い青色発光が観測された。この発光輝度は実施例1記載の評価で5であった。上述した図6に蛍光体B6のデータを、他の実施例、比較例と共にプロットした。
蛍光体A1に代えて蛍光体B6を用いた以外は実施例1と同様にして発光素子を作製した。この発光素子を120V、5kHzの条件で評価したところ僅かに橙色の発光し、青色の発光は観測されなかった。
2a,2b,12a,12b 電極
13 無機誘電体層
Claims (8)
- 立方晶の結晶構造を有する第2族元素及び/又は第12族元素と第16族元素の化合物を含有する青色蛍光体の前駆体と、ニトロ化物,ニトロソ化合物,過酸化物,アゾ化合物,ジアゾ化合物、ヒドラジン誘導体,ヒドロキシルアミン及びその塩,アジ化物,過塩素酸塩,硝酸化合物及びこれらの変性体から選ばれる発熱分解性化合物とを密閉容器内に投入して封止する工程と、
前記発熱分解性化合物を加熱により分解させて加圧する工程とを有し、
前記密閉容器内の到達圧力を1MPa以上50MPa以下にすることを特徴とする青色蛍光体の製造方法。 - 前記青色蛍光体が、前記第2族元素及び/又は第12族元素と第16族元素の化合物を含有する青色蛍光体であって、ウルツ鉱型の結晶構造を有し、平均粒径が50ナノメートル以上5マイクロメートル以下であることを特徴とする請求項1に記載の青色蛍光体の製造方法。
- 前記青色蛍光体が、賦活剤を含有しないことを特徴とする請求項1又は2に記載の青色蛍光体の製造方法。
- 前記青色蛍光体が、賦活剤を含有し、かつ、前記ウルツ鉱型の結晶構造のX線回折法で得られる(002)面の面間隔を反映したX線回折ピーク面積に対する(100)面の面間隔を反映したX線回折ピーク面積の比が、1.5以上3.5以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の青色蛍光体の製造方法。
- 前記青色蛍光体が、前記第12族元素として亜鉛を主成分として含み、前記第16族元素として硫黄を主成分として含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の青色蛍光体の製造方法。
- 請求項1乃至5のいずれかに記載の青色蛍光体の製造方法によって製造されたことを特徴とする青色蛍光体。
- 請求項6に記載の青色蛍光体からなる発光層を挟持するように、対向する一対の電極間を設けたことを特徴とする青色発光素子。
- 前記発光層の少なくとも一方の面と前記電極のいずれかの間に無機誘電体層を設けたことを特徴とする請求項7に記載の青色発光素子。
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