JP4350674B2 - 蛍光体および蛍光表示装置 - Google Patents

蛍光体および蛍光表示装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4350674B2
JP4350674B2 JP2005100907A JP2005100907A JP4350674B2 JP 4350674 B2 JP4350674 B2 JP 4350674B2 JP 2005100907 A JP2005100907 A JP 2005100907A JP 2005100907 A JP2005100907 A JP 2005100907A JP 4350674 B2 JP4350674 B2 JP 4350674B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
phosphor
mol
luminance
range
tio
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005100907A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006282703A (ja
Inventor
英紀 大島
冬季 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Noritake Co Ltd
Original Assignee
Noritake Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Noritake Co Ltd filed Critical Noritake Co Ltd
Priority to JP2005100907A priority Critical patent/JP4350674B2/ja
Priority to US11/390,058 priority patent/US7413680B2/en
Priority to CN2006100793530A priority patent/CN1861744B/zh
Priority to KR1020060029762A priority patent/KR101256223B1/ko
Publication of JP2006282703A publication Critical patent/JP2006282703A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4350674B2 publication Critical patent/JP4350674B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09KMATERIALS FOR MISCELLANEOUS APPLICATIONS, NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE
    • C09K11/00Luminescent, e.g. electroluminescent, chemiluminescent materials
    • C09K11/08Luminescent, e.g. electroluminescent, chemiluminescent materials containing inorganic luminescent materials
    • C09K11/54Luminescent, e.g. electroluminescent, chemiluminescent materials containing inorganic luminescent materials containing zinc or cadmium
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09KMATERIALS FOR MISCELLANEOUS APPLICATIONS, NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE
    • C09K11/00Luminescent, e.g. electroluminescent, chemiluminescent materials
    • C09K11/08Luminescent, e.g. electroluminescent, chemiluminescent materials containing inorganic luminescent materials
    • C09K11/77Luminescent, e.g. electroluminescent, chemiluminescent materials containing inorganic luminescent materials containing rare earth metals
    • C09K11/7701Chalogenides
    • C09K11/7703Chalogenides with alkaline earth metals

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Luminescent Compositions (AREA)
  • Cathode-Ray Tubes And Fluorescent Screens For Display (AREA)

Description

本発明は、蛍光体およびこれを発光源として備えた蛍光表示装置に関する。
例えば蛍光表示管(Vacuum Fluorescent Display:VFD)等の蛍光表示装置に用いられる低速電子線で励起発光させる赤色発光蛍光体として、従来からZn1-xCdxS(以下、ZnCdSと表記する)系蛍光体が使用されてきた。近年、環境問題からCd(カドミウム)等の有害元素の使用が規制されてきており、ZnCdS系蛍光体もそのような規制の対象となっている。また、硫化物であるZnCdS系蛍光体が電子線照射により分解されると、飛散したS(硫黄)によって電子源である酸化物カソードの電子放出能力が低下させられる問題もある。なお、本願において「低速電子線」は、特に断らない限り、VFDに好適な10〜100(V)程度の電圧で加速されたものをいう。
これに対して、CdおよびSを含まない酸化物系低速電子線用赤色蛍光体として、アルカリ土類金属とTi(チタン)の酸化物から成る母体に希土類元素および三族元素を添加したものが提案されている。上記アルカリ土類金属は、例えばMg、Sr、Ca、Baであり、希土類元素は例えばCe、Pr、Eu、Tb、Er、Tm、三族元素は例えばAl、Ga、In、Tlであり、典型的な組成例としては、例えば、SrTiO3:Pr,Alが挙げられる(例えば特許文献1、2を参照)。ここで、「:」の右側の元素(Pr,Al)は母体であるSrTiO3に添加された成分である。この組成において、PrおよびAlの好ましい範囲はそれぞれ0.1〜2(mol%)、1〜50(mol%)とされている(特許文献1参照)。
また、上記の他、VFD用途では無いが、アルカリ土類金属がCaであるときの組成例として、CaTiO3系蛍光体も提案されている(非特許文献1乃至3等を参照)。これらには、例えば700(V)以上で加速された電子線により励起させるCaTiO3:Pr、紫外線で励起させるCaTiO3:Pr,Al、1(kV)で加速された電子線により励起させるCaTiO3:Pr,Li等が示されている。
特開平8−85788号公報 特開2003−41246号公報 Vecht et al. "New electron excited light emitting materials"J.Vac.Sci.Technol.B 12(2), Mar/Apr 1994 p.781-784 P.T. Diallo et al. "Improvement of the optical performances of Pr3+ in CaTiO3" Journal of Alloys and Compounds 323-324 (2001) p.218-222 Seung-Youl Kang et al. "The Influence of Li Addition on Cathodoluminescence for CaTiO3:Pr3+" EURODISPLAY 2002 p.777-779
しかしながら、前記特許文献1に記載されたSrTiO3:Pr,Al蛍光体では、輝度劣化が激しく寿命が短い問題があった。前記特許文献2には、蛍光体の粒子表面にその母体化合物から成る保護膜を設けることによって輝度劣化を抑制する技術が記載されているが、このような処理を施してもZnCdS系蛍光体に比較すると寿命が著しく短いのである。しかも、上記保護膜を設けたSrTiO3:Pr,Alは、初期的にもZnCdS系蛍光体に比べて低輝度であった。
また、前記非特許文献1乃至3に記載されているCaTiO3系蛍光体を評価したところ、低速電子線で得られる輝度はZnCdS系蛍光体のせいぜい1割程度に過ぎず、VFD等に用い得るものではなかった。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであって、その目的は、SrTiO3:Pr,Al蛍光体よりも長寿命を有し且つ低速電子線でも高輝度で発光する酸化物系蛍光体、および蛍光表示装置を提供することにある。
斯かる目的を達成するため、第1発明のCa1-xSrxTiO3:Pr,Li,Zn蛍光体の要旨とするところは、(a)Ca1-xSrxTiO3(但し、0<x≦0.5)で表されるチタン酸塩を母体とし、その母体1(mol)に対して0.003乃至0.09(mol%)の範囲のPr、その母体1(mol)に対して3(mol%)以下の範囲のLi、およびその母体1(mol)に対して1乃至7(mol%)の範囲のZn(亜鉛)がその母体に添加されたことにある。
また、第発明の蛍光表示装置の要旨とするところは、前記第1発明の蛍光体を発光源として備えたことにある。
前記第1発明によれば、Ca1-xSrxTiO3:Pr,Li蛍光体は、CaTiO3のAサイト(Ca)の一部がx=0.5までの範囲でSrで置換されたCa1-xSrxTiO3母体に、その母体1(mol)に対して0.003乃至0.09(mol%)の範囲のPrおよびその母体1(mol)に対して3(mol%)以下の範囲のLiが添加されている。そのため、理由は定かでは無いが、SrTiO3:Pr,Al蛍光体よりも長寿命を有し且つ低速電子線で励起しても高輝度で発光する酸化物蛍光体が得られる。すなわち、Caの一部をSrで置換すると共に、蛍光体母体にその母体1(mol)に対して0.003乃至0.09(mol%)の範囲のPrおよびその母体1(mol)に対して3(mol%)以下の範囲のLiを共に添加すると、従来では高速電子線や紫外線で励起しなければ高輝度を得ることのできなかったCaTiO3系蛍光体において、低速電子線で励起した場合にも高輝度が得られるようになり、しかも、SrTiO3:Pr,Al蛍光体よりも劣化し難いのである。また、上記蛍光体に更に上記母体1(mol)に対して1乃至7(mol%)の範囲のZnがドープされることから、低速電子線で励起した場合にも一層の高輝度が得られる。
また、前記第発明によれば、上記第1発明のCa1-xSrxTiO3:Pr,Li,Zn蛍光体を発光源として備えることから、低電圧で動作可能であると共に、長寿命を有し且つ高輝度の蛍光表示装置が得られる。
なお、本願において、Ca1-xSrxTiO3というときは、特に明示する場合を除く他、(Ca+Sr)/Ti比が1である化学量論組成のものに限られず、その比が1よりも僅かに大きい或いは僅かに小さい組成のものも含むものとする。例えば、その比が1.05〜0.95の範囲内のものも含まれる。
ここで、好適には、前記第1発明の蛍光体は、前記母体1(mol)に対してPrが0.003〜0.09(mol%)の範囲で添加されたものである。このようにすれば、Pr量が適度な範囲とされているため、一層の高輝度が得られる。例えば、従来利用されていたPr添加量が0.1(mol%)のものに比較して2倍以上の輝度が得られる。なお、Prの添加量が0.003(mol%)未満或いは0.09(mol%)を超えると、紫外線や1(kV)以上の高速電子線で励起すれば高輝度が得られる場合があるものの、低速電子線で励起した場合の輝度は従来の硫化物系蛍光体に比較して著しく低い値に留まる。
上記のように高輝度が得られる理由は、以下のようなものであると推定される。Pr濃度が高くなり過ぎると濃度消光により輝度が低下し、濃度を低くしていくと濃度消光が生じなくなるので輝度が高くなる。しかしながら、Pr濃度が低くなり過ぎると発光中心の数が少なくなるので輝度が低下する。本発明のCa1-xSrxTiO3:Pr,Li,Zn蛍光体では、発光中心の数が十分に多く且つ濃度消光が生じないPrの最適濃度が0.003〜0.09(mol%)の範囲にあるものと考えられるのである。
また、好適には、前記第1発明の蛍光体は、前記母体1(mol)に対してLiが3(mol%)以下の範囲で添加されたものである。このようにすれば、フラックス成分でもあるLi量が十分に少なくされているため、蛍光体の焼結性が十分に低く留められるので、粉末製造が容易である。
また、前記第1発明の蛍光体は、VFDで利用される低速電子線でも高輝度を得ることが可能なものであるが、1(kV)以上の高速電子線や紫外線でも励起して発光させ得るものであり、その用途は低速電子線で励起する場合に限られない。すなわち、本発明の蛍光体は、1(kV)〜10(kV)程度の電圧で発生させられた電子線で蛍光体を励起して発光させるFED(Field Emission Display:電界放射ディスプレイ)や、10(kV)程度の電圧で発生させられた電子線で蛍光体を励起発光させるCRT(Cathode Ray Tube:陰極線管)、紫外線で蛍光体を励起発光させるPDP(Plasma Display Panel)等にも好適に用いられ、第2発明の表示装置には、蛍光表示管を始めとして、蛍光体を発光源とするこれらのものも含まれる。
また、本発明の蛍光体は、好適には、(a)Ca1-xSrxTiO3から成る母体を構成するための母体原料と、Prを含む第1添加物原料と、Liを含む第2添加物原料と(、第2発明の蛍光体の場合には更にZnを含む第3添加物原料と)を混合する混合工程と、(b)得られた混合物を1050〜1250(℃)の範囲内、好適には、1050〜1200(℃)の範囲内、更に好適には、1100〜1150(℃)の範囲内の所定の焼成温度で焼成する焼成工程とを、含む工程により製造される。
このようにすれば、混合工程において、母体原料、第1、2添加物原料或いはこれに加えて第3添加物原料が混合され、焼成工程において、その混合物が1050〜1250(℃)の範囲内の温度で焼成される。そのため、長寿命を有し且つ低速電子線で励起しても高輝度で発光する酸化物蛍光体が得られる。すなわち、上記のような比較的低温で焼成すると、低速電子線で励起した場合にも、例えば1300(℃)程度の高い温度で焼成した従来のCa1-xSrxTiO3:Pr,M蛍光体に比較して6倍以上の輝度(例えば150(cd/m2)以上)が得られ、また、SrTiO3:Pr,Al蛍光体よりも劣化し難くなるのである。上記焼成雰囲気は、例えば酸化雰囲気すなわち大気中であるが、窒素やアルゴン等の中性雰囲気で行うこともできる。
また、好適には、前記焼成工程に先立って前記混合物を800乃至1200(℃)の範囲内の所定の一次焼成温度で焼成する一次焼成工程を含み、その焼成工程は、その仮焼工程により得られた仮焼物に焼成処理を施すものである。このようにすれば、添加元素であるPrおよびLi等が母体であるCa1-xSrxTiO3に一層均一に拡散する。このため、一次焼成工程を実施しない場合に比較して輝度が例えば20(%)程度向上する。すなわち、Prの濃度分布に偏りがあると、高濃度の部分では濃度消光が生じ易くなる一方、低濃度の部分でも発光中心の不足により輝度が低くなるため、全体の発光強度が低下することとなるのである。
また、好適には、前記蛍光体の製造方法は、前記混合工程と、次いで施される前記一次焼成工程と、次いで焼成処理を施す前記焼成工程と、その焼成工程により得られた焼成物を適当な粒径、例えば3(μm)程度の粒径に粉砕する粉砕工程と、その第2粉砕工程により得られた粉砕焼成物を水洗し且つ篩い分けすることにより未反応成分を除去する水簸工程と、分離物を乾燥して水分を除去する乾燥工程と、その乾燥工程により得られた固形物の凝集を解砕する解砕工程とを、含むものである。
以下、本発明の一実施例を図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の実施例において図は適宜簡略化或いは変形されており、各部の寸法比および形状等は必ずしも正確に描かれていない。
図1は、本発明の一実施例の蛍光体の製造方法の概略を説明するための工程図である。この図1を参照して本発明の一実施例であるCa1-xSrxTiO3:Pr,Zn,Li蛍光体の製造方法を説明する。先ず、原料混合工程P1では、この蛍光体の出発原料となる適当な化合物、例えば、CaCO3(炭酸カルシウム)、SrCO3(炭酸ストロンチウム)、TiO2(二酸化チタン)、PrCl3(塩化プラセオジム)、ZnS(硫化亜鉛)、Li2CO3(炭酸リチウム)を、製造しようとする蛍光体の組成に応じてそれぞれ秤量し、例えば湿式振動混合、ボールミル、或いは乳鉢等によって十分に混合する。混合比は、0≦x≦1.0となり、蛍光体母体1(mol)に対してPrが0.01(mol%)、Znが3(mol%)、Liが2(mol%)となるように定めた。具体的な調合組成を表1に示す。表1の各項目の単位は、「x」欄を除いて全て「g」である。
Figure 0004350674
次いで、一次焼成工程P2において、混合した原料(混合物)を、例えば純度99.5(%)以上のアルミナ製坩堝に入れ、例えば大気雰囲気下において、例えば電気炉1100(℃)程度の最高保持温度で3〜10時間程度、例えば6時間程度の焼成処理を施す。
次いで、焼成工程P3では、一次焼成を終えた混合物を例えばアルミナ製坩堝に入れ、例えば大気中において、1150〜1200(℃)程度、例えば1150(℃)程度の最高保持温度で1〜6時間程度、例えば3時間程度の焼成(二次焼成)処理を施す。これにより、前記出発原料から下記の(1)式に示される化学反応により、Ca1-xPrxTiO3:Pr,Zn,Liが合成される。粉砕工程P4では、この合成された蛍光体を、例えばアルミナ乳鉢等を用いて平均粒径3(μm)程度の大きさに粉砕する。
CaCO3+SrCO3+TiO2+PrCl3+ZnS+Li2O3 → Ca1-xPrxTiO3:Pr,Zn,Li・・・(1)
次いで、水洗工程P5においては、粉砕した蛍光体粉末を水中に分散させることによって水溶性の残留分を溶解する。前記出発原料のうちPrCl3は水に可溶である一方、合成された蛍光体や他の原料は不溶であるため、未反応のPrCl3のみが溶解することになる。
次いで、篩い分け工程P6においては、蛍光体を水に分散させたまま、例えば#300程度の篩を通すことによって粗大粒子を除去し、その後、適当な時間だけ静置して蛍光体粒子を沈降させる。所定の時間の後、上澄み液をピペット等で吸い取って除去する。これにより、上澄み液中に含まれている水溶性残留分(すなわち原料中の可溶成分)が除去される。この処理を水溶性残留分が完全に除去されるように、必要に応じて複数回行う。上澄み液を除去した後、残った蛍光体粒子を、乾燥工程P7において例えば120(℃)程度の温度で5時間程度乾燥し、その後、解砕工程P8において、得られた固形物の凝集をアルミナ製乳鉢等を用いて解砕することにより、Ca1-xPrxTiO3:Pr,Zn,Li蛍光体粉末が得られる。
次に、上記のように合成した蛍光体の特性を評価した結果を説明する。この評価に際しては、蛍光体粉末にその導電性を補うための適量のIn2O3(酸化インジウム)粉末を混合し、更に、有機バインダおよび有機溶剤等から成るビヒクルと混合して蛍光体ペーストを調製する。In2O3の混合量は、蛍光体粉末自体の導電性および蛍光体層に要求される導電性に応じて適宜定められるものであるが、例えば、蛍光体粉末100(重量%)に対して5〜15(重量%)程度、例えば6〜8(重量%)程度である。調製したペーストを、例えば表示装置において電子の射出方向に配置される表示面上に適当な厚さ寸法で塗布し、蛍光体層を形成して評価した。評価した表示装置は、例えば、図2〜図4に示されるような構造を備えた蛍光表示管10である。
上記の図2は、本発明の蛍光表示装置の一例である蛍光表示管10を一部を切り欠いて示す斜視図である。図2において、蛍光表示管10は、所定の発光パターンに形成された蛍光体層22を複数個所に備えたガラス、セラミックス、琺瑯などの絶縁体材料製の基板12と、枠状に形成されたガラス製のスペーサ14と、透明なカバー・ガラス板16と、複数本の陽極端子18p、複数本のグリッド端子18g、およびカソード端子18kとを備えたものである。それら基板12およびカバー・ガラス板16がスペーサ14を介して相互にガラス封着されることにより長手平箱状の気密容器が構成され、その内部にそれらの部材により囲まれた真空空間が形成されている。
基板12の表示面20には、種々の形状に形成された多数の蛍光体層22が備えられ、各々グリッド電極24および補助グリッド電極26により囲まれている。この補助グリッド電極26は、例えばグリッド電極24と電気的に絶縁され且つ全面共通に設けられている。また、これらグリッド電極24および補助グリッド電極26は、表示面20に設けられたグリッド配線30,32、およびその長辺に沿って設けられた多数の端子パッドを介して前記のグリッド端子18gに接続されている。
また、基板12の両端部には、前記カソード端子18kを備えた一対の端子部材34が固設されており、これに固着されたアンカ36および図示しないサポート間に直熱型カソード(陰極)として機能する細線状の複数本のフィラメント(フィラメント・カソード)38が基板12の長手方向に平行であって基板12の表示面20から離隔した所定の高さ位置となるように張設(すなわち、蛍光体層22の上方に架設)されている。このフィラメント38は、表面に電子放出層として(Ba,Sr,Ca)O等の仕事関数の低いアルカリ土類金属の酸化物固溶体がコーティングされたタングステン(W)ワイヤ等から成るものである。なお、蛍光表示管10には、気密容器内の真空度を高めるためのゲッタや、気密容器が形成された後に排気して内部を真空にするための排気管或いは排気穴等が備えられているが、これらは省略した。
図3は、上記表示面20の一部を拡大して詳細に示す図であり、図4は、その断面の要部を更に拡大して示す図である。表示面20には、例えば厚膜導体から成る陽極配線40が陽極端子18pに接続されるように設けられており、その上には、スルーホール42を適宜備えた厚膜ガラス材料等から成る絶縁体層44が固着されている。絶縁体層44の上には、蛍光体層22よりも若干大きい平面形状のグラファイト等から成る陽極46がスルーホール42を介して陽極配線40と導通する位置に形成されている。蛍光表示管10においては、前記蛍光体層22はこの陽極46上に形成される。また、蛍光体層22の周囲には、例えば厚膜ガラス材料製のリブ状壁48,50が立設されている。前記のグリッド電極24および補助グリッド電極26は、例えば厚膜導体から成るものであって、これらリブ状壁48,50の頂部に設けられている。
このように構成された蛍光表示管10において、上記フィラメント38から放出された熱電子は、その零(V)のフィラメント38に対して例えば20(V)程度の正電圧が印加されたグリッド電極24により加速されるので、例えば、グリッド電極24に順次に加速電圧を印加して走査すると共にその走査に同期して所望の蛍光体層22が接続された陽極配線40に正電圧を印加すると、その蛍光体層22に熱電子が衝突してその蛍光体層22が発光させられる。したがって、グリッド電極24の走査の一周期ごとに正電圧を印加する陽極配線40を変更することにより所望の発光表示を得ることができる。なお、蛍光体の評価に際しては、蛍光体層22に定常的に正電圧を印加することにより、常時点灯させた状態でその輝度を測定した。
図5は、前記表1に示される調合組成において、Srによる置換量すなわちxの値と輝度との関係を評価した結果を表したものである。この図5から、Srで置換していないx=0のときよりも高輝度が得られるのは、0<x≦0.5の範囲であることが判る。また、x=0.2、すなわちCa0.8Sr0.2TiO3:Pr,Zn,Liの組成とした試料について、輝度が点灯初期から半減するまでの時間(すなわちハーフライフ)を測定した。その結果、1000時間程度の十分に長いハーフライフを有し、100時間未満であるSrTiO3:Pr,Alのハーフライフに比較して長寿命であることが明らかとなった。
なお、この評価結果では、x=0.3に輝度のピークが認められ、それよりもxが大きくなると急激な低下傾向に転じる。すなわち、蛍光体母体1(mol)に対してPrが0.01(mol%)、Znが3(mol%)、Liが2(mol%)だけ添加された組成では、x=0.3程度が最も好ましい。また、この評価は、上記添加量のPr,Zn,Liについてのみ試験しているが、添加量を変化させてもx=0.3近辺にピークを有する傾向は変わりないものと推定される。
図6は、x=0.2である組成すなわちCa0.8Sr0.2TiO3:Pr,Zn,Liにおいて、Zn添加量を3(mol%)、Li添加量を2(mol%)として、Pr添加量を0.008〜0.1(mol%)の範囲で変化させて、Pr添加量と輝度との関係を評価した結果である。この評価結果によれば、100(cd/m2)よりも高輝度が得られるのは、0.003〜0.09(mol%)程度の範囲であることが判る。一層好ましい150(cd/m2)以上の輝度が得られるのは、0.007〜0.05(mol%)程度の範囲であり、更に好ましい200(cd/m2)以上の輝度が得られるのは、0.009〜0.03(mol%)程度の範囲である。最も高輝度が得られるのは、0.012(mol%)程度のときである。この添加量を超えると、蛍光体の輝度は、Pr添加量が増えるに従ってなだらかに低下する傾向が見られる。
また、図7は、Zn源として添加するZn化合物の種類と蛍光体の輝度との関係を評価した結果を示すものである。なお、この評価においては、Ca0.8Sr0.2TiO3:Pr,Zn,Liにおいて、Pr添加量を0.01(mol%)、Zn添加量を3(mol%)、Li添加量を2(mol%)とした。また、評価した化合物は、ZnS、ZnSO4・7H2O、ZnC2O4・2H2O、ZnO、Zn(NO3)2・6H2Oである。図7に示されるように、ZnSを用いた場合が最も高輝度を得ることができる。但し、他の化合物で添加した場合にも、150(cd/m2)以上の輝度が得られており、十分に有用である。
なお、評価した化合物のうち、ZnSO4およびZn(NO3)2は吸湿性があるので使い勝手が悪い欠点がある。また、ZnOは焼結性が高いのでこれも扱い難い問題がある。したがって、このような欠点が無い点からも、ZnSは好ましい原料である。
また、図8は、ZnSで添加したZn添加量と輝度との関係を評価した結果を示すものである。この図8によれば、Znを添加しないものでも、十分に高い150(cd/m2)近い輝度が得られるものの、Znを添加すると最大で230(cd/m2)程度もの輝度が得られる。すなわち、一層高い輝度を得るためには、Znを添加することが好ましいことが判る。
要するに、本実施例においては、Ca1-xSrxTiO3:Pr,Li蛍光体は、CaTiO3のAサイトの一部がx=0.5までの範囲でSrで置換されたCa1-xSrxTiO3母体に、PrおよびLiが添加されている。そのため、SrTiO3:Pr,Al蛍光体よりも長寿命を有し且つ低速電子線で励起しても高輝度で発光する酸化物蛍光体が得られる。
以上、本発明を図面を参照して詳細に説明したが、本発明は更に別の態様でも実施でき、その主旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得るものである。
本発明の一実施例の蛍光体の製造方法を説明する工程図である。 本発明の蛍光表示装置の一例である蛍光表示管の全体構成をカバー・ガラスの一部を切り欠いて示す図である。 図2の蛍光表示管の表示面の一部を拡大して蛍光体層を示す平面図である。 図2の蛍光表示管の断面の要部を拡大して構成を説明する図である。 本発明の一実施例の蛍光体のSrによる置換割合(x)と輝度との関係を表した図である。 本発明の一実施例の蛍光体のPr添加量と輝度との関係を表した図である。 本発明の一実施例の蛍光体のZn源として添加されるZn化合物の種類と輝度との関係を表した図である。 本発明の一実施例の蛍光体のZn添加量と輝度との関係を表した図である。

Claims (2)

  1. Ca1-xSrxTiO3(但し、0<x≦0.5)で表されるチタン酸塩を母体とし、該母体1(mol)に対して0.003乃至0.09(mol%)の範囲のPr、該母体1(mol)に対して3(mol%)以下の範囲のLi、および該母体1(mol)に対して1乃至7(mol%)の範囲のZn(亜鉛)がその母体に加されたことを特徴とするCa1-xSrxTiO3:Pr,Li,Zn蛍光体。
  2. 前記請求項1に記載された蛍光体を発光源として備えたことを特徴とする蛍光表示装置。
JP2005100907A 2005-03-31 2005-03-31 蛍光体および蛍光表示装置 Expired - Fee Related JP4350674B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005100907A JP4350674B2 (ja) 2005-03-31 2005-03-31 蛍光体および蛍光表示装置
US11/390,058 US7413680B2 (en) 2005-03-31 2006-03-28 Phosphor and fluorescent display device
CN2006100793530A CN1861744B (zh) 2005-03-31 2006-03-31 荧光粉和荧光显示装置
KR1020060029762A KR101256223B1 (ko) 2005-03-31 2006-03-31 형광체 및 형광 디스플레이 장치

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005100907A JP4350674B2 (ja) 2005-03-31 2005-03-31 蛍光体および蛍光表示装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006282703A JP2006282703A (ja) 2006-10-19
JP4350674B2 true JP4350674B2 (ja) 2009-10-21

Family

ID=37069220

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005100907A Expired - Fee Related JP4350674B2 (ja) 2005-03-31 2005-03-31 蛍光体および蛍光表示装置

Country Status (4)

Country Link
US (1) US7413680B2 (ja)
JP (1) JP4350674B2 (ja)
KR (1) KR101256223B1 (ja)
CN (1) CN1861744B (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5090235B2 (ja) * 2008-03-31 2012-12-05 株式会社ノリタケカンパニーリミテド 蛍光体および蛍光表示装置
JP5155746B2 (ja) * 2008-06-17 2013-03-06 株式会社ノリタケカンパニーリミテド 蛍光体および蛍光表示装置
JP5599287B2 (ja) * 2010-11-08 2014-10-01 ノリタケ伊勢電子株式会社 蛍光表示装置
WO2013166664A1 (zh) * 2012-05-08 2013-11-14 海洋王照明科技股份有限公司 包覆有金属纳米粒子的钛酸盐荧光材料及其制备方法
CN102660280B (zh) * 2012-05-23 2013-12-25 南京工业大学 一种白光led用钛酸盐红色荧光粉及其制备方法
CN105552198B (zh) * 2016-01-25 2018-04-13 深圳市聚飞光电股份有限公司 一种使用MxSr1‑xTiO3:Eu2+,Mn2+蓝光荧光粉的高色域白光LED实现方法
CN109694247B (zh) * 2019-01-08 2021-08-20 陕西科技大学 一种高效率的储能线性电介质陶瓷材料及其制备方法

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2729190B2 (ja) 1994-09-16 1998-03-18 双葉電子工業株式会社 蛍光体
KR100370396B1 (ko) * 2000-04-26 2003-02-05 삼성에스디아이 주식회사 저전압 구동용 SrTiO₃:Pr,Al계 형광체
KR100393045B1 (ko) * 2000-12-29 2003-07-31 삼성에스디아이 주식회사 형광체
JP3784650B2 (ja) 2001-02-06 2006-06-14 日亜化学工業株式会社 蛍光体
TWI235172B (en) * 2001-02-02 2005-07-01 Nichia Corp Phosphor material and its method of manufacture
JP2003041246A (ja) 2001-07-31 2003-02-13 Noritake Itron Corp 蛍光体の製造方法および蛍光体
JP2004238549A (ja) 2003-02-07 2004-08-26 Noritake Itron Corp 低速電子線用蛍光体および蛍光表示管
JP4173057B2 (ja) 2003-06-16 2008-10-29 株式会社ノリタケカンパニーリミテド 蛍光体および蛍光表示装置

Also Published As

Publication number Publication date
US20060219977A1 (en) 2006-10-05
KR20060105674A (ko) 2006-10-11
US7413680B2 (en) 2008-08-19
CN1861744B (zh) 2011-02-16
CN1861744A (zh) 2006-11-15
KR101256223B1 (ko) 2013-04-17
JP2006282703A (ja) 2006-10-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10662374B2 (en) Phosphor, production method for same, illumination instrument, and image display device
US7416685B2 (en) Fluorescent material and fluorescent display apparatus
JP5206941B2 (ja) 蛍光体とその製造方法および発光器具
JP4836229B2 (ja) 蛍光体および発光装置
JP4350674B2 (ja) 蛍光体および蛍光表示装置
US10818824B2 (en) Light-emitting instrument and image display device
JP4173057B2 (ja) 蛍光体および蛍光表示装置
JP5071709B2 (ja) 蛍光体と発光器具
JP2006335898A (ja) 低速電子線用蛍光体、蛍光体ペースト、および蛍光表示装置
JP5155746B2 (ja) 蛍光体および蛍光表示装置
JP5090235B2 (ja) 蛍光体および蛍光表示装置
JP2005281508A (ja) 蛍光体の製造方法
JP4883998B2 (ja) 蛍光体とその製造方法
JP5144854B2 (ja) 蛍光体および蛍光表示装置
KR101496959B1 (ko) 발광효율이 높은 적색 형광체 및 그 제조 방법
JP4131139B2 (ja) 電子線励起ディスプレイ、及びそれに用いる赤色発光蛍光体
JP2007321011A (ja) 蛍光体およびその利用、並びにその製造方法
JP2006249120A (ja) 電子線励起発光素子用蛍光体
JP2005089496A (ja) 蛍光体組成物、その製造方法、それを用いた蛍光表示装置及び発光方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070115

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090408

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090421

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090622

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090714

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090722

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120731

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120731

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130731

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees