JP2004131583A - El蛍光体粉末およびel蛍光素子 - Google Patents

El蛍光体粉末およびel蛍光素子 Download PDF

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Abstract

【課題】充分に高い輝度を有するEL蛍光素子とそれに用いるEL蛍光体粉末を提供すること。
【解決手段】硫化亜鉛を母体とし付活剤及び共付活剤を含有する蛍光体粒子を含むEL蛍光体粉末であって、該蛍光体粒子のうち軸比(長軸長/短軸長)が3以上である蛍光体粒子の数が全蛍光体粒子数の30%以上であることを特徴とするEL蛍光体粉末。
【選択図】   なし

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、硫化亜鉛を母体とし発光の中心となる付活剤及び共付活剤を含有するエレクトロルミネッセンス(本明細書では「EL」と略す)蛍光体粉末と、それを用いた高輝度で長寿命のEL蛍光素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
EL蛍光素子は電圧励起型の蛍光素子であり、蛍光体粉末を電極の間に挟んで発光素子とした分散型ELと薄膜型ELが知られている。分散型EL蛍光素子の一般的な形状は、蛍光体粉末を高誘電率のバインダー中に分散したものを、少なくとも一方が透明な二枚の電極の間に挟み込んだ構造からなり、両電極間に交流電場を印加することにより発光する。EL蛍光体粉末を用いて作成された発光素子は数mm以下の厚さとすることが可能で、面発光体であり、発熱がなく発光効率が良いなど数多くの利点を有するため、道路標識、各種インテリアやエクステリア用の照明、液晶ディスプレイ等のフラットパネルディスプレイ用の光源、大面積の広告用の照明光源等としての用途が期待されている。
【0003】
EL蛍光体粉末としては、硫化亜鉛を母体として、銅等の付活剤(発光中心としての金属イオン)及び塩素等の共付活剤が添加されたものが広く知られている。しかし、この蛍光体粉末を用いて作成された発光素子は、他の原理に基づく発光素子に較べて発光輝度が低く、また発光寿命が短いという欠点があり、このため従来から種々の改良が試みられてきた。
【0004】
高い輝度の発光をもたらす蛍光体粒子の構造として、特許文献1には、面状の積層欠陥を粒子全体に均一且つ高密度に有しており、その積層欠陥の平均面間隔が0.2〜10nmであることを特徴とする硫化亜鉛蛍光体粒子が開示されている。該粒子では、硫化亜鉛母体結晶に、付活剤である銅イオンが積層欠陥に偏在し、それが導電層を形成して、電圧が印加された時、高い効率で電子と正孔を放出することができ、それによって高い発光輝度を得ることができると記載されている。
【0005】
一方、硫化亜鉛の単結晶を用いて、その発光機構と粒子構造の関係が詳細に研究され、特に印加される電場の方向と蛍光体粒子の配向の関係に関して、重要な結論が得られた(非特許文献1参照)。即ち、印加された電場の方向と、硫化亜鉛蛍光体粒子の(111)面が平行である場合に得られる発光輝度が最大になる。
【0006】
単結晶硫化亜鉛を用いた場合は、電場の方向と結晶の配位を制御することができるが、微粒子分散体の場合には、個々の蛍光体粒子がランダムに分散された状態で印刷(塗布)されるため、電場が印加された時、個々の蛍光体粒子は電場に対してランダムな配位をしており、そのため、一部の粒子しか高い効率で発光できない。
【0007】
【特許文献1】特開平8−183954号公報(第3−4頁、第1図)
【非特許文献1】フィジカル レビュウ(Physical Review)149−158
第125巻 1号(1962年)の第150頁、第1図
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
これらの従来技術の問題点を考慮して、本発明は、発光素子用として充分に高い輝度を有するEL蛍光素子とそれに用いるEL蛍光体粉末を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
硫化亜鉛蛍光体を電極間に分散させたEL蛍光素子の輝度を高めるためには、各々の蛍光体粒子を高い輝度で均一に発光させることが重要である。各々の蛍光体粒子を高い輝度で均一に発光させるためには、EL素子に一定の電場を印加したときに、各々の蛍光体粒子が高輝度で発光するように配向していることが必要とされる。しかしながら、従来用いられて来た蛍光体粒子では、粒子を一定の方向に配向することができなかった。そこで本発明者らは、蛍光体粒子を一定の方向に配向させるべく鋭意検討を行った結果、軸比(長軸長/短軸長)が3以上である蛍光体粒子を特定量以上含むEL蛍光体粉末を用いれば、所望の方向に配向させ得ることを見出した。すなわち、本発明のEL蛍光体粉末の分散体を電極である支持体上に塗布・乾燥すれば、蛍光体粒子の長軸が支持体に平行な方向に配向することが判明した。蛍光体粒子は、長軸に垂直に面状欠陥(双晶面とその面上に存在する転位)を有するため、塗布面に垂直に電場が印加されると、電場と該面状欠陥が平行に配位され、高輝度の発光を得ることができる。
【0010】
以下の構成を有する本発明は、このような知見に基づいて提供されたものである。
(1) 硫化亜鉛を母体とし付活剤及び共付活剤を含有する蛍光体粒子を含むEL蛍光体粉末であって、該蛍光体粒子のうち軸比(長軸長/短軸長)が3以上である蛍光体粒子の数が全蛍光体粒子数の30%以上であることを特徴とするEL蛍光体粉末。
(2) EL蛍光体粒子が面状の積層欠陥を有しており、その積層欠陥の平均面間隔が0.5〜20nmであることを特徴とする(1)に記載のEL蛍光体粉末。
(3) 付活剤が銅、マンガン、銀、金及び希土類元素から選択された少なくとも一種のイオンである(1)または(2)に記載のEL蛍光体粉末。
(4) 共付活剤が塩素、臭素、ヨウ素及びアルミニウムから選択された少なくとも一種のイオンである(1)〜(3)のいずれかに記載のEL蛍光体粉末。
(5) 付活剤が銅イオンであり、共付活剤が塩素イオンである(1)〜(4)のいずれかに記載のEL蛍光体粉末。
(6) 軸比(長軸長/短軸長)が3以上であるEL蛍光体粒子の平均の長軸の長さが、100μm以下(その下限としては、好ましくは2μm以上)である(1)〜(5)のいずれかに記載のEL蛍光体粉末。
(7) (1)〜(6)のいずれかに記載のEL蛍光体粉末を電極間に有するEL蛍光素子であって、軸比(長軸長/短軸長)が3以上である蛍光体粒子の個数の80%以上が、長軸が電極の面に対して30°以内の角度で配向しているEL蛍光素子。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下において、本発明のEL蛍光体粉末およびEL蛍光素子について詳細に説明する。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
本発明のEL蛍光体粉末は、硫化亜鉛を母体として、発光中心である付活剤(金属イオン)及び共付活剤を含有する蛍光体粒子を含有する。硫化亜鉛には二つの結晶形がある。高い温度(1024℃以上)で結晶成長させると六方晶形(ウルツ鉱型β−ZnS)が生成し、それより低温で結晶成長させると立方晶(閃亜鉛鉱型α−ZnS)が生成する。軸比(長軸長/短軸長)が3以上の蛍光体粒子を形成するには、六方晶のC軸方向に結晶成長させることが好都合である。このために、まず1020〜1200℃の高い温度で1〜10時間、原料の微粒子である硫化亜鉛(一般には3μm未満)を融剤の存在下で焼成することが好ましい。この工程では、より小さいサイズの粒子が溶解して、より大きな粒子が成長するオストワルド熟成によって成長する一方、粒子同士が凝集して、付着溶解することによっても成長する。前者の場合は、六方晶形に基づいて六方晶のC軸方向の成長を速くすることにより、軸比が大きい粒子を得ることが可能になるが、成長が後者の凝集機構によって起こると、結晶はウルツ鉱型であっても得られる粒子形は凝集によって不定形になりやすい。この凝集成長を防止するために、焼成中に粒子凝集防止剤を使用することが好ましい。本発明で使用する凝集防止剤としては、焼成温度(1300℃)より、高い融点をもつ微粒子であればその種類は特に制限されない。凝集防止剤の粒子サイズは0.1〜10μmが好ましく、より好ましくは0.5〜5μmである。凝集防止剤の好ましい材質として、たとえば酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化ジルコニウムなどの金属酸化物や、例えば窒化ケイ素、窒化アルミニウムなどの窒化物や、例えば炭化ケイ素、炭化タングステン、炭化タンタルなどの炭化物を挙げることができる。これらの技術の詳細については、例えば特開平11−193378号公報(第4〜5頁)表1および図2を参照することができる。
【0012】
本明細書において蛍光体粒子の長軸及び短軸は、以下の様に定義する。蛍光体粒子を他の粒子と重ならないように顕微鏡(光学顕微鏡或いは電子顕微鏡)で撮影して観察したとき、蛍光体粒子の長さを最も長くとれる軸を長軸とし、それに直交する軸を短軸とする。蛍光体粒子の短軸の長さは、長軸の長さを変えずに同じ投影面積の長方形を作ったときの短辺の長さと定義する。本発明のEL蛍光体粉末を構成する蛍光体粒子のうち、個数にして30%以上は軸比が3以上の粒子である。軸比3以上の粒子の割合は、40%以上であることが好ましく、50%以上であることがより好ましい。本発明のEL蛍光体粉末を構成する蛍光体粒子の軸比の上限は50であることが好ましい。本発明のEL蛍光体粉末を構成する蛍光体粒子の形状は、円柱形、楕円形、角柱形などのいずれであってもよい。ただし、平板状粒子は、蛍光体層を塗布・乾燥したときに(111)面が支持体に平行に配位するので、支持体に垂直に印加される電場に対して(111)面欠陥が垂直となって発光効率が低くなる。このため、平板状粒子は本発明の対象ではない。
【0013】
発光中心となる付活剤は、付活剤として蛍光体に一般に使用されているものであれば良く、例えば、銅、マンガン、銀、金及び希土類元素等の各種の金属イオンが好ましく用いられる。具体的には、これらの元素の酢酸塩、硫酸塩等が好ましく用いられる。これらは単独でも、複数を組み合わせて用いてもよい。蛍光発光の波長(色)は付活剤の種類に依存しており、例えば、青緑色(銅)、オレンジ色(マンガン)、青色(銀)等の蛍光が得られる。付活剤の好ましい濃度は付活剤の種類によるが、例えば、銅付活剤の場合は最終製品の母体の硫化亜鉛に対して銅濃度で0.01〜0.1モル%の範囲であればよい。
【0014】
本発明では、蛍光体粒子に融剤が添加されていることが好ましい。
融剤の例としては、アルカリやアルカリ土類金属のハロゲン化物及びアンモニアのハロゲン化物等が挙げられる。融剤としては、例えば、MgCl・6HO、BaCl・2HO、NHClを例示することができる。これらは2種以上を同時に添加してもよい。これらの融剤は硫化亜鉛母体の結晶成長を行うと同時に、共付活剤の供給源となる。融剤の添加量は、原料の硫化亜鉛に対して、好ましくは5〜25モル%程度である。好ましいのは、共付活剤として塩素、臭素、ヨウ素及びアルミニウムから選択された少なくとも一種のイオンを供給しうる融剤を使用する場合であり、より好ましいのは、共付活剤として塩素イオンを供給しうる融剤を使用する場合である。
【0015】
以下において、本発明のEL蛍光体粉末の好ましい製法を具体的に説明する。
上記各原料と付活剤を含む粉末を充分混合し、1000〜1300℃で3〜10時間かけて一次焼成を行う。一次焼成によって得られる中間蛍光体粉末は焼成粉末がもろく結合した塊であり、水中に投入すると塊が容易に崩れて焼成粉末が水中に分散する。この焼成粉末をイオン交換水で繰り返し洗浄してアルカリ金属ないしアルカリ土類金属、及び過剰の付活剤と共付活剤を除去する。
【0016】
一次焼成によって得られる中間蛍光体粒子の内部には、自然に生じた積層欠陥(双晶構造)が低い密度ながら存在するが、これでは高い効率の発光には不十分なこともある。これにさらにある範囲の大きさの衝撃力を加えることにより、粒子を破壊することなく、積層欠陥の密度を大幅に増加させることができる。衝撃力を加える方法としては、中間蛍光体粒子同士を接触混合させるか、アルミナ等の球体とともに混合させる(ボールミル)か、粒子を加速させ衝突させる方法などが従来知られている(特開平6−306355号公報(3〜4頁)表1〜3、特開平9−59616号公報(4〜5頁)図1,2参照)。
【0017】
次いで、得られた中間蛍光体粉末に第2回の焼成をほどこす。第2回目は、第1回目より低温の500〜800℃で、また短時間の30分〜3時間の加熱(アンニーリング)をする。この焼成によって、中間蛍光体結晶が六方晶から立方晶へ結晶転移する。前工程によって衝撃力により六方晶にかなりの欠陥(転位)が導入されており、第2次焼成によって、この欠陥部分で転移が優先的に起こり、六方晶と立方晶の界面が高い密度で形成され、結果として高密度の双晶面が導入される。これは蛍光体粒子の断面をTEMで観察すると、夥しい数の平行な双晶面が存在することで確認される。第一次焼成で粒子内に均一にドープされた付活剤、例えば銅イオンは、この第2次焼成において、該欠陥を含む双晶面に移動、集中し、ここに所謂、電導層が形成されると考えられる。
【0018】
その後、該中間蛍光体を、HCl等の酸でエッチングして表面に付着している金属酸化物を除去し、さらに表面に付着した硫化銅を、KCNで洗浄して除去する。続いて該中間蛍光体を乾燥してEL蛍光体粉末を得る。この蛍光体を有機バインダー中に分散し、塗布して、発光層が形成される。
【0019】
この発光層を、背面電極上の反射絶縁層と透明電極との間に配置した電界発光素子を外皮フィルムで密閉封止すると、電界発光灯が完成する。両電極の間に電圧を印加すると、両電極間に形成される高い電界によって、発光層の蛍光体が発光する。蛍光体粒子が電場の中におかれると、前述の粒子内の銅イオンが局在する電動層に電場が集中し、そこで非常に高い電場が生じ、この電導層から電子と正孔が発生し、それらが付活剤、共付活剤を介して、再結合することによって発光する。EL蛍光素子においては、この電子発生を効率よく行うことが非常に大切である、本発明によれば、印加される電場と銅イオンが局在する欠陥を含む双晶面が平行になる様に配向するために、この電子発生をより高い効率で行うことが可能になる。従来の様に、粒子の配向がランダムである場合は、印加された電場に対して双晶面が平行な粒子のみが高い効率で電子を発生してよく発光するが、電場と双晶面の向きが異なる場合は、その分、欠陥での電場上昇が少なく、電子発生の効率が低下する。双晶面と電場が直交する場合は、殆ど電子発生が期待できず、従って発光は期待できない。
【0020】
支持体に配向した蛍光体粒子を有する蛍光体層を実現するためには、蛍光体粒子を水或いは有機溶媒に溶解したバインダー中に分散し、該分散物液を、絶縁反射層の上に塗布し、乾燥することが好ましい。その際、その乾燥工程において、膜厚の変化(減少)を大きくすればする程、粒子をよく配向できる。この乾燥工程中の膜厚変化を大きくするため、本発明においては、溶媒/バインダー比(重量比)が5以上、好ましくは8以上、より好ましくは10以上にする。従来のやり方は、乾燥の負荷を軽減するために、使用する溶媒の量はなるべく少なくしてきた。確かに生産効率、工程費からは、溶媒は少ない方が好ましいが、この方法では本発明のEL蛍光素子のような高い輝度は得られない。
【0021】
上記のEL蛍光素子の製造方法によれば、軸比が3以上の蛍光体粒子を支持体である電極に対して平行に配位することができる。本明細書において、平行に配位するとは、該蛍光体粒子の長軸が電極面に対して30°以内の角度に配位していることを意味する。本発明においては、軸比が3以上の蛍光体粒子のうち、80%以上の個数の蛍光体が、電極に対して30°以内に配向しており、好ましくは90%以上が、より好ましくは95%以上の蛍光体粒子が電極に対して30°以内に配向している。これらの蛍光体粒子の配向状態は、ミクロトームを用いて調製したEL素子の断面の超薄切片をTEM(透過型電子顕微鏡)またはSEM(二次電子顕微鏡)で観察することにより用意に認識することができる。
【0022】
【実施例】
以下に実施例と比較例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
【0023】
(実施例)
粒径2μmの凝集粉末状(但し、一次粒子径は約0.01μm)の硫化亜鉛(ZnS)100gに対して、付活剤として0.1モル%の硫酸銅(CuSO)をよく混合してスラリーとした後、この混合物をオーブン内で過熱、乾燥した。次にこの混合物に、平均粒子径が5μmのα―アルミナ粒子を50g添加して混合し、さらに融剤として、MgCl・6HOを7.0g、BaCl・2HOを0.4g、NHClを7.0g混合した。次にこの混合物を石英るつぼに入れて空気中にて1200℃で4時間焼成(第一回目の焼成)し、焼成後脱イオン水で数回洗浄し、乾燥して中間粉末を得た。この中間粉末を構成する中間蛍光体粒子とアルミナ粒子を分離するために、この中間粉末を脱イオン水中に添加して攪拌しながら、超音波振動を与えた。ついで攪拌を停止すると沈降速度の差によってアルミナ粒子が上部に浮き、中間蛍光体粒子が下部に貯まったので、上部のアルミナを除去した。この操作を数回繰り返して完全に分離した後に、中間蛍光体を取り出して乾燥した。
【0024】
次に、乾燥した中間蛍光体粉末と平均粒子径が1mmのアルミナ球を磁性ポットに入れて100rpmの回転数で4時間ミリングすることにより、中間体粒子に物理的力を加え、粉砕することなく蛍光体粒子内に結晶欠陥を導入した。この欠陥を導入した蛍光体粒子を石英るつぼに入れて2回目の焼成を行なった。2回目の焼成は、立方晶から六方晶への転移温度より低い温度、即ち500〜900℃で、1〜4時間行った。この焼成により前に導入された結晶欠陥がきっかけとなって、中間蛍光体粒子の一部或いは殆どが六方晶から立方晶へ転移すると共に、第一回目の焼成で粒子内に均一に拡散していた銅が、その境界部に集中し、電界発光に寄与する電導層が形成された。ここで2回目の焼成に先立ち付活剤、共付活剤を補給してもよい。2回目の焼成後、できた中間蛍光体を5%塩酸水溶液中で20分間攪拌して洗浄し、次いで水洗後、さらにKCN水溶液で洗浄して、粒子表面の硫化銅を除去し、その後、脱イオン水で水洗し、オーブン内で加熱乾燥して蛍光体粉末を得た。得られた蛍光体粉末を構成する蛍光体粒子のうち、軸比3以上の粒子の数は全粒子数の70%であった。軸比3以上の粒子の長軸長の平均値は30μmであり、短軸長の平均値は6μmであった。
【0025】
(比較例)
第一回目の焼成で、平均粒子径が5μmのα−アルミナ粒子を添加しなかった以外は、実施例と同一仕様で蛍光体粉末を調製した。得られた蛍光体粉末を構成する蛍光体粒子のうち、軸比3以上の粒子の数は全粒子数の10%しかなかった。軸比3以上の粒子の長軸長の平均値は20μmであり、短軸長の平均値は13μmであった。また該蛍光体粒子には、不定形の凝集した形態の粒子が数多く混在しており、長軸、短軸の長さを決めることが困難であるものが多かった。
【0026】
(試験例) 蛍光体粉末の発光特性試験
有機溶剤(イソホロン)1に対して重量比で0.1のフッ素ゴムを溶解して、バインダー溶液とし、次いでこのバインダー溶液1に対して重量比で0.4の硫化亜鉛蛍光体を分散させ、蛍光体分散液を調製した。この分散液をスライドコート法によって導電膜付ガラス上に、200μmの厚さで塗布した。次いでこの塗布層を170℃で加熱乾燥し、有機溶剤を蒸発させ、乾燥した蛍光体分散膜を調製し、さらに一枚の導電膜付ガラスを重ねてEL蛍光素子を作成した。このEL蛍光素子に室温で120V、1kHzの交流電場を印加して二つのEL蛍光素子の相対輝度を測定した。結果を表1に示した。
【0027】
【表1】
Figure 2004131583
【0028】
【発明の効果】
軸比(長軸長/短軸長)が3以上の蛍光体粒子を30%以上含む本発明のEL蛍光体粉末を用いて、電極である支持体上に塗布・乾燥すれば、蛍光体粒子は支持体に平行に配向する。このとき、蛍光体粒子の欠陥を含む(111)面(双晶面)が支持体に垂直に配向するため、電極間にかかる電場と欠陥を含む(111)面が平行になる。このため、本発明のEL蛍光体粉末を用いることにより、発光の輝度が高いEL蛍光素子を提供することができる。

Claims (7)

  1. 硫化亜鉛を母体とし付活剤及び共付活剤を含有する蛍光体粒子を含むEL蛍光体粉末であって、該蛍光体粒子のうち軸比(長軸長/短軸長)が3以上である蛍光体粒子の数が全蛍光体粒子数の30%以上であることを特徴とするEL蛍光体粉末。
  2. EL蛍光体粒子が面状の積層欠陥を有しており、その積層欠陥の平均面間隔が0.5〜20nmであることを特徴とする請求項1に記載のEL蛍光体粉末。
  3. 付活剤が銅、マンガン、銀、金及び希土類元素から選択された少なくとも一種のイオンである請求項1または2に記載のEL蛍光体粉末。
  4. 共付活剤が塩素、臭素、ヨウ素及びアルミニウムから選択された少なくとも一種のイオンである請求項1〜3のいずれかに記載のEL蛍光体粉末。
  5. 付活剤が銅イオンであり、共付活剤が塩素イオンである請求項1〜4のいずれかに記載のEL蛍光体粉末。
  6. 軸比(長軸長/短軸長)が3以上であるEL蛍光体粒子の平均の長軸の長さが、100μm以下である請求項1〜5のいずれかに記載のEL蛍光体粉末。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載のEL蛍光体粉末を電極間に有するEL蛍光素子であって、軸比(長軸長/短軸長)が3以上である蛍光体粒子の個数の80%以上が、長軸が電極の面に対して30°以内の角度で配向しているEL蛍光素子。
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