JP4817558B2 - ガスメーター接続部配管の保護カバー - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガスメーター接続部配管のユニオン部分を保護するための保護カバーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般的にガスメーターは、ガスメーター上面から突き出した、ガス導入口及びガス流出口を有している。ガス導入口及びガス流出口のそれぞれには雄ねじが螺刻されている。ガス導入口へ接続されるガス上流側配管及びガス流出口に接続されるガス下流側配管は、いずれもガスメーターの更に上部から下向きに配置され、配管の端末には、ユニオン(ユニオンねじ、ユニオンナット、ユニオンつばを備える)が付属しており、スパナ等の工具により、ユニオンを回転してガス導入口及びガス流出口の雄ねじに螺合して締め込むことにより、配管と、ガス導入口及びガス流出口との接続が行われる。締め込み時と逆回転させれば容易に配管からガスメーターが取り外せる。このような構造のため、ガスメーターを配管に設置後、ガスメーターの検定満期対応のメーター交換を簡便に行うことができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記に述べた構造は、ガスメーターの設置作業や交換作業が容易に行えるという利点を有しているが、一方、悪意を持った人物がガスを盗用しようとすれば、比較的一般的な工具を利用することによりガスメーターを取り外し、分岐配管を用いて計量されることなくガスを使用することも可能であるという問題点を有している。更に、住宅側の要望で、いたずら等への対策を高度化したい場合、柱、塀等建築物に金属製のメーター収納ボックスを取り付け収納することも行われるが、費用が高いという問題点があった。
【0004】
従って本発明の目的は、上述の課題を解決し、ガスメーターの設置作業や交換作業を容易に行える利点をそのままにしつつ、専門家以外は、ガスメーターを取り外すことができなくするようにユニオン部分を保護することができるガスメーター接続部配管の保護カバーを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、ガスメーターのガス導入口及びガス流出口にユニオンを介してガス配管が接続された接続部配管の保護カバーにおいて、上方及び下方が開放されている二つ割りのカバーと、前記二つ割りのカバーの双方を固定する固定手段とからなり、前記二つ割りのカバーの各々は、前記ユニオンの上部を覆うための、前記カバーの上部周縁部から内側に張り出して形成された部分的天板と、前記ユニオンの下面と前記ガスメーターの上面との間に挿入される、前記カバーの下部周縁部から内側に張り出して形成された部分的底板とを備え、前記部分的天板が前記ユニオンの上部を覆い且つ前記部分的底板が前記ユニオンと前記ガスメーターとの間に挿入された前記二つ割りのカバーの双方を前記固定手段によって固定する構造であり、前記固定手段は、前記二つ割りのカバーの重ね合わせ部の正面側の貫通孔から挿通され、背面側の雌ねじ孔に螺合されて前記カバーの双方を固定する1本のボルトからなり、前記ボルトは、三角の溝を有する頭部を備えることに特徴を有するものである。
【0006】
請求項2に記載の発明は、前記カバーは、鋳造又は鍛造により製造されたものからなることに特徴を有するものである。
【0008】
本発明は、ガスメーターの設置作業や交換作業は容易に行える利点をそのままにしつつ、専門家以外は、ガスメーターを取り外すことができなくするようにユニオン部を覆うための保護カバーを提案するものであり、ガスメーターへの配管を行った後に外部から二つ割りの簡便な保護カバーをかけ、特殊ボルトで双方を固定するもので、価格が安価であり、工事が容易であるという特徴を有する。特殊ボルトで双方が固定されているため、一般的な工具ではこのカバーを外すことができず、メーター保護の目的を達成することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
【0010】
[実施の形態1]
図1〜7は、本発明の実施の形態に係る図面であり、図1は、保護カバーを示す斜視図、図2は、保護カバーをガスメーターに取付けた状態を示す斜視図、図3は、正面図、図4は、正面部分断面図、図5は、平面図、図6は、平面部分断面図、図7は、底面図である。
【0011】
図1〜7に示すように、本発明は、ガスメーター2のガス導入口3及びガス流出口4にユニオン5、6を介してガス配管14、15が接続された状態の接続部配管の保護カバーである。まず、ガスメーターの接続部配管の機構を説明する。ガスメーター本体2の上面には、ガス導入口3及びガス流出口4が、メーター本体2の上面から突き出して設けられており、ガス導入口3及びガス流出口4の外側には雄ねじ(図示せず)が螺刻されている。ガス導入口3へ接続されるガス上流側配管14及びガス流出口4に接続されるガス下流側配管15は、いずれもメーター本体2の更に上部から下向きに配置され、ガス導入口3に対してガス上流側配管14のユニオン5が、及び、ガス流出口4に対してガス下流側配管15のユニオン6が、それぞれ配管側に付属されている。スパナ等の工具により、ユニオン5、6を回転してガス導入口3、ガス流出口4の雄ねじに螺合し締め込むことにより配管14、15とメーター本体2とが接続される。接続された状態において、ユニオン5、6とメーター本体2の天板との間には、図3、4に示すように隙間が生じている。それぞれのユニオン部にパッキン7、8が内蔵されており、ガスをシールしている。
【0012】
保護カバー1は、二つ割りの鋳鉄製のパーツ(カバー)1aと1bとにより構成され、パーツ1aと1bとを固定するための特殊ボルト18を備えている。保護カバー1は鋳造又は鍛造により製造されたものからなっている。保護カバー1の中央部、すなわち、パーツ1aと1bとの重ね合わせ部には、パーツ1aの正面側に貫通孔16aが、背面側には雌ねじ孔17が設けられ、パーツ1bの正面側及び背面側には貫通孔16b、16cが設けられている。雌ねじ孔17は、パーツ1aと1bとを固定するための特殊ボルト18のねじ部18aと螺合可能な寸法を備える。
【0013】
保護カバー1(パーツ1a、1b)の上面及び下面は、配管14、15を挿通するために開放されている。ただし、パーツ1a、1bの上面の周縁部には、ユニオン5、6の上面を覆うための部分的天板13a、13bが保護カバー1(パーツ1a、1b)の内側に張り出して設けられている。更に、保護カバー1(パーツ1a、1b)の下面の周縁部には、ユニオン5、6の下面に挿入するための部分的底板9a、9bが保護カバー1(パーツ1a、1b)の内側に張り出して設けられている。部分的天板13a、13bは、ユニオン5、6の上面を覆うことにより外部からスパナ等の工具を挿し入れできないように十分な張り出し寸法を備えている。部分的底板9a、9bは、ユニオン5、6の底面と、ガスメーター天板(メーター本体の上面)10との間に挿入可能な張り出し寸法を備えており、ユニオン5、6とガスメーター(メーター本体2)との間に挟まれて保護カバー1の抜け止めとして作用する。
【0014】
[作用]
配管14、15とガスメーター(メーター本体)2とを接続した後に、二つ割りパーツ1a、1bを、外部からユニオン5、6を覆うように、それぞれの部分的底板9a、9bをユニオン5、6の下面とガスメーター天板(ガスメーターの上面)10との間に挿入し、中央部でパーツ1bをパーツ1aの内側に重ね合わせて配置し、特殊ボルト18を保護カバー1の正面側から貫通孔16a、16b、16cに差し込み雌ねじ孔17に螺合して固定する。カバー1a、1bは中心に向かう方向を除いてガスメーター2、ユニオン5、6の上面にかかる張り出し部である部分的天板13a、13bを有しているため、上方から工具を挿し入れてユニオン5、6を操作することが不可能であり、また部分的底板9a、9bと部分的天板13a、13bとによって、上下からユニオン5、6を挟み込み、また、部分的底板9a、9bがユニオン5、6とメーター本体2との間に挟まるため、ガタツキが少なく強固にメーター本体2に固定される。また、一般的な工具では回すことができない特殊なボルトを用いているため、保護カバー1が外されにくい。例えば、本実施の形態に示すように三角の溝を有する頭部を備える特殊ボルト18のような特殊なボルトを用いればよい。
【0015】
[実施の形態2]
図8〜10は、本発明の他の実施の形態に係る図面であり、図8は、保護カバーを示す斜視図、図9は、保護カバーをガスメーターに取付けた状態を示す斜視図、図10は、正面部分断面図である。
【0016】
図8〜10に示すように、保護カバー11は、二つ割りのパーツ(カバー)11aと11bとにより構成されている。保護カバー11(パーツ11a、11b)の上面及び下面は配管を挿通するため開放されている。ただし、パーツ11a、11bの上面の周縁部には部分的天板21a、21bが内側に張り出して設けられ、及び、パーツ11a、11bの下面の周縁部には部分的底板22a、22bが内側に張り出して設けられている。本実施の形態においては、二つ割りの保護カバー11をガス導入口3側のユニオン5のみの上部及び下部を覆うように構成されている。二つ割りパーツ11aと11bとを固定するため、パーツ11aと11bとの合わせ目部分には、ヒンジ孔20に上方からピン12を挿入してヒンジとしており、反対側においてはパーツ11a、11bに設けられた貫通孔23、雌ねじ孔24を介して前方から操作する特殊ボルト19によって固定する。
【0017】
取付けは、部分的天板21a、21bによりユニオン5の上部を覆うと共に部分的底板22a、22bをユニオン5とメーター本体2との間に挿入し、特殊ボルト19によってパーツ11aと11bとを固定しメーター本体2に固定する。本実施の形態では、保護カバーが小型となり、費用が安く取り扱いが容易という利点がある。メーターを取り外し分岐配管をするには、両側のユニオンを外すことが必要であるので、導入口側に本実施の形態の保護カバーが取り付けられていれば、配管を細工することは困難である。また、万一いたずら等の目的で、カバーのない流出口側のユニオンが外されても、メーターのマイコン安全機構が働き、ガスの流出が遮断されるため、事故につながる可能性は低い。
【0018】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、以下に示す有用な効果がもたらされる。
▲1▼ 固定手段にボルトを用いる容易な工事により装着できガスメーター接続部配管のユニオンの周囲を覆って保護することができる。
▲2▼ 部分的天板によりユニオンの上部が覆われることにより、装着後に上方から工具等によって保護カバーの外側から内部のユニオンを動かすことが防止される。
▲3▼ 部分的底板がメーター本体とユニオンとの間に挿入されることにより、上方に持ち上げられても外れずメーター本体に確実に固定される。
▲4▼ 頭部の溝に特徴を有する特殊ボルトを用いることにより、一般的な工具では容易に取り外すことができない。
▲5▼ ガスの流出、盗難、いたずら等による事故を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態に係る保護カバーを示す斜視図である。
【図2】この発明の実施の形態に係る保護カバーをガスメーターに取付けた状態を示す斜視図である。
【図3】この発明の実施の形態に係る保護カバーをガスメーターに取付けた状態を示す正面図である。
【図4】この発明の実施の形態に係る保護カバーをガスメーターに取付けた状態を示す部分断面図である。
【図5】この発明の実施の形態に係る保護カバーをガスメーターに取付けた状態を示す平面図である。
【図6】この発明の実施の形態に係る保護カバーをガスメーターに取付けた状態を示す部分断面図である。
【図7】この発明の実施の形態に係る保護カバーをガスメーターに取付けた状態を示す底面図である。
【図8】この発明の他の実施の形態に係る保護カバーを示す斜視図である。
【図9】この発明の他の実施の形態に係る保護カバーをガスメーターに取付けた状態を示す斜視図である。
【図10】この発明の他の実施の形態に係る保護カバーをガスメーターに取付けた状態を示す正面部分断面図である。
【符号の説明】
1 保護カバー
1a、1b パーツ
2 メーター本体
3 ガス導入口
4 ガス流出口
5、6 ユニオン
7、8 パッキン
9a、9b 部分的底板
10 ガスメーター天板
11 保護カバー
11a、11b パーツ
12 ピン
13a、13b 部分的天板
14 ガス上流側配管
15 ガス下流側配管
16、16a、16b、16c 貫通孔
17 雌ねじ孔
18 特殊ボルト
18a ねじ部
19 特殊ボルト
20 ヒンジ孔
21a、21b 部分的天板
22a、22b 部分的底板
23 貫通孔
24 雌ねじ孔

Claims (2)

  1. ガスメーターのガス導入口及びガス流出口にユニオンを介してガス配管が接続された接続部配管の保護カバーにおいて、上方及び下方が開放されている二つ割りのカバーと、前記二つ割りのカバーの双方を固定する固定手段とからなり、前記二つ割りのカバーの各々は、前記ユニオンの上部を覆うための、前記カバーの上部周縁部から内側に張り出して形成された部分的天板と、前記ユニオンの下面と前記ガスメーターの上面との間に挿入される、前記カバーの下部周縁部から内側に張り出して形成された部分的底板とを備え、前記部分的天板が前記ユニオンの上部を覆い且つ前記部分的底板が前記ユニオンと前記ガスメーターとの間に挿入された前記二つ割りのカバーの双方を前記固定手段によって固定する構造であり、前記固定手段は、前記二つ割りのカバーの重ね合わせ部の正面側の貫通孔から挿通され、背面側の雌ねじ孔に螺合されて前記カバーの双方を固定する1本のボルトからなり、前記ボルトは、三角の溝を有する頭部を備えることを特徴とする保護カバー。
  2. 前記カバーは、鋳造又は鍛造により製造されたものからなることを特徴とする、請求項1に記載の保護カバー。
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