JP4816474B2 - クラッチ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、クラッチ装置に関する。とりわけ車両のシートのロックやドアロックをモータの駆動力によって解除するアクチュエータに用いられるクラッチ装置に関する。
従来、特許文献1,2に記載のクラッチ装置が知られている。これらクラッチ装置は、モータの駆動力によって回転操作される入力回転体と、その入力回転体と同軸状に回転可能に支持される従動回転体と、これら両回転体を動力伝達可能な伝達状態と動力伝達しない切断状態とに切り換える切換操作手段とを有している。切換操作手段は、コイルスプリングを有しており、コイルスプリングの一端部が入力回転体に連結される。コイルスプリングのコイル中心に従動回転体の軸部が挿入されており、入力回転体が正転した際に他端部の連れ回りが抑制されると、コイルスプリングが弾性変形して縮径する。これによりコイルスプリングが従動回転体の軸部の周面に巻き付き、従動回転体を入力回転体と一体に回転させる。
しかしコイルスプリングは、製造のばらつき等によって弾性変形がロット間によって異なり、従動回転体への巻き付きが弱くなる場合がある。そのため入力回転体からの駆動力を従動回転体に十分に伝達できないおそれがあった。例えば大きな駆動力を従動回転体に伝達する場合に、コイルスプリングが従動回転体に対して空回りするおそれがあった。あるいはコイルスプリングの空回りを強く防止する構成にすることで、コイルスプリングが駆動力によって塑性変形するおそれがあった。
特開2004−150528号公報 特開2004−150529号公報
そこで本発明は、モータ等の駆動源の駆動力を入力回転体から従動回転体に確実に伝達できるクラッチ装置を提供することを課題とする。
前記課題を解決するために本発明は、各請求項に記載の通りの構成を備えるクラッチ装置であることを特徴とする。すなわち請求項1に記載の発明によると、クラッチ装置は、入力回転体と従動回転体と、これら両回転体の間を動力伝達可能な伝達状態と動力伝達しない切断状態とに切り換える切換操作手段を有している。切換操作手段は、両回転体の間に径方向に移動可能に設けられる径方向移動部材と、両回転体のいずれか一方の回転体に設けられ入力回転体が正転された際に径方向移動部材を押す押部と、両回転体のいずれか他方の回転体に形成されかつ押部に押された径方向移動部材が係合される係合部と、入力回転体が逆転された際に径方向移動部材を係合部から離間させる移動機構とを有している。
したがって入力回転体が正転されると、径方向移動部材が押部に押されて係合部に係合する。これにより押部と径方向移動部材によって両回転体間が動力伝達可能な伝達状態になる。そして押部と径方向移動部材は、従来の切換操作手段のコイルスプリング等のように弾性変形される構造ではない。そのため両回転体間を確実に伝達状態にする。しかも押部と径方向移動部材は、コイルスプリング等に比べてトルクによって塑性変形され難い構成である。そのためコイルスプリング等に比べて大きな駆動力(トルク)を安定良く両回転体間に伝達することができる。
また請求項に記載の発明によると、切換操作手段は、入力回転体と同軸上に支持されかつ径方向移動部材を径方向に移動可能に支持するガイド部材と、ガイド部材の回転を制動する制動機構とを有している。そして入力回転体が正転した際にガイド部材と制動機構によって径方向移動部材の連れ回りが規制され、その径方向移動部材が入力回転体に形成された押部によって従動回転体に形成された係合部に係合するとガイド部材が制動機構に抗して回動する構成になっている。
したがって入力回転体の正転時における径方向移動部材の連れ回りがガイド部材と制動機構によって規制される。そのため前記正転時において入力回転体と径方向移動部材が確実に相対的にずれる。そのため径方向移動部材は、入力回転体に形成された押部によって確実に押され得る。そして径方向移動部材が係合部に係合した後は、ガイド部材が径方向移動部材とともに回転する。
請求項に記載の発明によると、入力回転体を逆転させる逆転用ばねを有している。逆転用ばねは、一端部が入力回転体に係止され、他端部がガイド部材に係止されており、入力回転体が正転した際に入力回転体に引っ張られて弾性変形し、弾性変形後に他端部がガイド部材とともに制動機構に抗して回転し、駆動源の駆動力が停止された際には、弾性戻り力によって入力回転体を逆転させる構成になっている。
したがって入力回転体の正転時に逆転用ばねが弾性変形し、その弾性変形がガイド部材と制動機構によって形成されかつ保持される。すなわちガイド部材と制動機構は、逆転用ばねの弾性変形を形成し保持する機能を有している。しかもガイド部材と制動機構は、請求項に記載するように径方向移動部材の入力回転体に対する連れ回りを抑制する機能も有している。したがってガイド部材と制動機構によって二つの機能を構成し、部品の共通化が図られている。
請求項に記載の発明によると、移動機構は、両回転体のいずれかの回転体または径方向移動部材の一方の部材に形成された凸部と、他方の部材に形成され凸部が挿入される溝とを有し、その溝が回転体の回転中心を中心とする円弧に対して傾斜している。したがって溝と凸部は、相対的にずれることで周方向のみならず径方向にもずれる。そのため溝と凸部とによって径方向移動部材を径方向に移動させ、径方向移動部材を係合部から離間させることができる。
本発明の一つの実施形態を図1〜7にしたがって説明する。図1に示すようにクラッチ装置1は、アクチュエータ10に用いられる。アクチュエータ10は、車両に設けられるロック装置を駆動源の駆動力によって解除する装置、例えば車両シート(リクライニングシートやクッション)のロックやドアロックをモータ11の駆動力によって解除する装置である。
アクチュエータ10は、ケース2と、ケース2に取付けられるモータ11と複数のギヤ(12〜14)とクラッチ装置1を有している。モータ11は、電力を駆動力(トルク)に変換する駆動源であって、図1に示すようにケース2内に取付けられる。モータ11の出力軸には、ウォームギヤ12が取付けられる。
クラッチ装置1は、図1,2に示すように入力回転体3と、従動回転体4と、これら回転体3,4間を動力伝達可能な伝達状態と動力伝達しない切断状態とに切り換える切換操作手段18を有している。入力回転体3は、ウォームギヤ12に噛合わされる外歯3aを有している。従動回転体4は、中間ギヤ13に噛合わされる外歯4aを有している。
中間ギヤ13は、図1に示すように従動回転体4と噛合う大径ギヤ部13aと、大径ギヤ部13aよりも径が小さい小径ギヤ部13bを有している。出力回転体14は、中間ギヤ13の小径ギヤ部13bと噛合う扇形ギヤ部14aを有しており、出力回転体14には、操作レバー15が固定されている。操作レバー15には、ケーブル16の一端部が連結されており、ケーブル16の他端部は、図示省略のロック装置と連結されている。
モータ11への電力は、乗員のスイッチ操作によって車両のバッテリから供給される。電力は、モータ11によって駆動力に変換され、駆動力は、ウォームギヤ12、入力回転体3、従動回転体4、中間ギヤ13および出力回転体14から成る減速ギヤ機構によって減速されてトルクが増幅される。そして出力回転体14とともに操作レバー15が傾動し、ケーブル16が操作レバー15によって引っ張られる。これによりケーブル16によってロック装置がロック解除される。
クラッチ装置1の入力回転体3には、図2に示すように上面側に凹部3fが形成されている。凹部3fには、切換操作手段18の一部品である径方向移動部材5が設置される。入力回転体3の上面軸中央には、押部3bが形成されている。押部3bは、非円形のカムであって径方向移動部材5に対して相対的に回転することで径方向移動部材5を径方向外方に押す。押部3bの上部には、逆転用ばね7の一端部(7a)が取付けられる矩形状の取付部3cが形成されている。
取付部3cの軸中心には、図2に示すように円孔3eが形成されており、円孔3eに図3に示すガイド部材6の軸部6fが回動可能に挿入される。図4に示すように入力回転体3の軸中心には、支持軸部材17が挿入される軸孔3gが形成されている。ガイド部材6と従動回転体4の軸中心にも支持軸部材17が挿入される軸孔6d,4cが形成されている。したがってこれらは、支持軸部材17によって同軸状に回転可能に支持される。
従動回転体4の下側部には、図2,3に示すように円筒状の係合部4bが形成されている。係合部4bの内周面には、内歯4b1が内周全周に渡って複数形成されている。そして係合部4bは、ガイド部材6の上面に形成された溝6cに回転可能に挿入される。
回転体3,4間を動力伝達可能な伝達状態と動力伝達しない切断状態とに切り換える切換操作手段18は、図2に示すように一対の径方向移動部材5と、ガイド部材6と、入力回転体3に形成された押部3bと、従動回転体4に形成された係合部4bとを主体に構成されている。
径方向移動部材5は、図2,3に示すように下面に凸部5bを有している。凸部5bは、入力回転体3の上面に形成された溝3dに移動可能に挿入される。径方向移動部材5の一端縁には、複数の歯5aが形成されている。歯5aは、従動回転体4の係合部4bの内歯4b1に噛合うことで、係合部4bに係合し、係合部4bの全周に渡って内歯4b1が形成されているために、歯5aは、係合部4bに対してどんな相対角度にあっても係合部4bに対して係合することができる。
ガイド部材6は、図2に示すように円筒状の本体部6aと、本体部6aの外周に形成されたドーナツ円盤状の円盤部6bを有している。円盤部6bの内周縁上面には、従動回転体4の係合部4bが回動可能に挿入される溝6cが形成されている。本体部6aの内周壁面には、図3に示すように内周壁面を貫通する開口部6eが一対形成されている。開口部6eには、径方向移動部材5が挿通され、径方向移動部材5は、開口部6eの壁面によって径方向に移動可能に支持される。そして図6に示すように径方向移動部材5は、開口部6eを通って径方向外方に移動することで、歯5aが係合部4bの内歯4b1に係合する。
図2,3に示すように入力回転体3とガイド部材6の間には、入力回転体3を逆転させる逆転用ばね7が設けられている。逆転用ばね7は、渦巻きばねであって、中心側端部に係止部7aを有し、外周側の端部にフック7bを有している。係止部7aは、入力回転体3の取付部3cに周り止めされた状態で取付けられる。フック7bは、図3,7に示すようにガイド部材6の本体部6aの下面に形成された掛止部6gに引っ掛けられる。
ガイド部材6とケース2の間には、図4に示すようにガイド部材6の回転を制動する制動機構が設けられている。制動機構は、ガイド部材6の円盤部6bと、円盤部6bとケース2の間に設けられるスプリング8を主体に構成されている。スプリング8は、コイルスプリングであって、ガイド部材6の円盤部6bをケース2に押し付ける。かくして円盤部6bをケース2の間に摩擦力が発生し、ガイド部材6の回転が制動される。
図2に示すように入力回転体3と径方向移動部材5の間には、入力回転体3の逆転時に径方向移動部材5を径方向内方に移動させる移動機構19が設けられている。移動機構19は、径方向移動部材5の凸部5bと、入力回転体3の上面に形成された溝3dから構成されている。溝3dは、入力回転体3の回転中心を中心とする円弧に対して傾いている。具体的には、溝3dが時計回りに延出しつつ除々に回転中心に傾いている。したがって入力回転体3が図6の位置から反時計回りに逆転すると、図5に示すように溝3dの構成壁面によって凸部5bが径方向内方に移動する。これにより径方向移動部材5が係合部4bから離間して係合部4bから係合解除される。
次に、クラッチ装置1の作用を説明する。モータ11の駆動力によって入力回転体3を正転させると、図7に示すように逆転用ばね7が入力回転体3によって中心端部が引っ張られる。一方、逆転用ばね7の外側端部は、ガイド部材6に係止されており、ガイド部材6は、スプリング8を有する制動機構によって回転制動されている。そのため逆転用ばね7が弾性変形し、弾性変形した後にガイド部材6が制動機構に抗して回転する。そのため逆転用ばね7は、弾性変形された状態のまま回転する。
図5,6に示すように入力回転体3が正転した場合、径方向移動部材5が押部3bによって径方向外方に押される。そして径方向移動部材5の歯5aが従動回転体4の内歯4b1に係合する。そして従動回転体4が入力回転体3とともに回転する。従動回転体4が回転すると、図1に示すように中間ギヤ13等を介してケーブル16が引っ張られ、ケーブル16によってロック装置がロック解除される。
その後、モータ11への電力が切断されると、図7に示すように逆転用ばね7が弾性力によって入力回転体3を逆転させる。入力回転体3が逆転すると、図6に示すように径方向移動部材5が溝3dの構成壁面に案内されて従動回転体4の係合部4bから離間する。これにより入力回転体3に対して従動回転体4が自由に回転可能になる。そのためロック装置は、従動回転体4よりも下流側、すなわち従動回転体4と中間ギヤ13と出力回転体14を回転または傾動させることによって初期状態に戻る。そのためロック装置は、逆転に大きなエネルギーを必要とする入力回転体3からのウォームギヤ12の逆転を大きく行うことなく、初期状態に戻ることができる。
以上のようにして実施の形態が形成されている。すなわちクラッチ装置1は、図2に示すように入力回転体3と従動回転体4と、これら両回転体3,4の間を動力伝達可能な伝達状態と動力伝達しない切断状態とに切り換える切換操作手段18を有している。切換操作手段18は、両回転体3,4の間に径方向に移動可能に設けられる径方向移動部材5と、入力回転体3に設けられ入力回転体3が正転された際に径方向移動部材5を押す押部3bと、従動回転体4に形成されかつ押部3bに押された径方向移動部材5が係合される係合部4bと、入力回転体4が逆転された際に径方向移動部材5を係合部4bから離間させる移動機構19とを有している。
したがって入力回転体4が正転されると、径方向移動部材5が押部3bに押されて係合部4bに係合する。これにより押部3bと径方向移動部材5によって両回転体3,4間が動力伝達可能な伝達状態になる。そして押部3bと径方向移動部材5は、従来の切換操作手段のコイルスプリング等のように弾性変形される構造ではない。そのため両回転体3,4間を確実に伝達状態にする。しかも押部3bと径方向移動部材5は、コイルスプリング等に比べてトルクによって塑性変形され難い構成である。そのためコイルスプリング等に比べて大きな駆動力(トルク)を安定良く両回転体間に伝達することができる。
また切換操作手段18は、図4に示すように入力回転体3と同軸上に支持されかつ径方向移動部材5を径方向に移動可能に支持するガイド部材6と、ガイド部材6の回転を制動する制動機構(6b、8)とを有している。そして入力回転体3が正転した際にガイド部材6と制動機構によって径方向移動部材5の連れ回りが規制され、その径方向移動部材5が入力回転体3に形成された押部3bによって従動回転体4に形成された係合部4bに係合するとガイド部材6が制動機構に抗して回動する構成になっている。
したがって入力回転体3の正転時における径方向移動部材5の連れ回りがガイド部材6と制動機構によって規制される。そのため前記正転時において入力回転体3と径方向移動部材5が確実に相対的にずれる。そのため径方向移動部材5は、入力回転体3に形成された押部3bによって確実に押され得る。そして径方向移動部材5が係合部4bに係合した後は、ガイド部材6が径方向移動部材5とともに回転する。
図2に示すようにクラッチ装置1は、入力回転体3を逆転させる逆転用ばね7を有している。そして逆転用ばね7は、一端部が入力回転体3に係止され、他端部がガイド部材6に係止されており、入力回転体3が正転した際に入力回転体3に引っ張られて弾性変形し、弾性変形後に他端部がガイド部材6とともに制動機構(6b、8)に抗して回転し、モータ(駆動源)11の駆動力が停止された際には、弾性戻り力によって入力回転体3を逆転させる構成になっている。
したがって入力回転体3の正転時に逆転用ばね7が弾性変形し、その弾性変形がガイド部材6と制動機構によって形成されかつ保持される。すなわちガイド部材6と制動機構は、逆転用ばね7の弾性変形を形成し保持する機能を有している。しかもガイド部材6と制動機構は、径方向移動部材5の入力回転体3に対する連れ回りを抑制する機能も有している。したがってガイド部材6と制動機構によって二つの機能を構成し、部品の共通化が図られている。
また移動機構19は、図5に示すように径方向移動部材5に形成された凸部5bと、入力回転体3に形成されかつ凸部5bが挿入される溝3dとを有し、溝3dが回転体3,4の回転中心を中心とする円弧に対して傾斜している。したがって溝3dと凸部5bは、相対的ずれることで周方向のみならず径方向にもずれる。そのため溝3dと凸部5bとによって径方向移動部材5が径方向に移動して係合部4bから離間する。
(他の実施の形態)
本発明は、上記実施の形態に限定されず、以下の形態等であっても良い。
(1)例えば上記実施の形態は、図5に示すように入力回転体3に形成された押部3bと、従動回転体4に形成された係合部4bを有していた。しかし押部が従動回転体側に形成され、係止部が入力回転体に形成され、入力回転体が正転すると径方向移動部材が入力回転体とともに従動回転体に対して回転し、径方向移動部材が従動回転体に形成された押部によって径方向に押され、入力回転体の係止部に係止する形態であっても良い。
(2)上記実施の形態は、図4に示すようにガイド部材6の回転を制動する制動機構としてスプリング8を有していた。しかしこれに代えて、ガイド部材6と従動回転体4の間に設けられるスプリングを備える制動機構を有していても良い。
(3)上記実施の形態は、図2に示すようにガイド部材6を有していた。しかしガイド部材に代えて、従動回転体に対して径方向移動部材を所定位置に付勢する付勢部材を有し、入力回転体が正転すると径方向移動部材が付勢部材に抗して入力回転体に形成された押部によって径方向に押され、入力回転体の係止部に係止する形態であっても良い。
(4)上記実施の形態は、図6に示すように移動機構19を有し、移動機構19は、径方向移動部材5に形成された凸部5bと、入力回転体3に形成された溝3dを有していた。しかし移動機構が入力回転体に形成された凸部と、径方向移動部材に形成された溝とを有している形態であっても良い。
(5)上記実施の形態は、図6に示すように入力回転体3と径方向移動部材5の間に移動機構19を有していた。しかしこの移動機構19に代えて、従動回転体と径方向移動部材との間に移動機構を有し、入力回転体が逆転した際に径方向移動部材が入力回転体とともに従動回転体に対して回転し、該移動機構が径方向移動部材を入力回転体側に形成した係止部から離間させる形態であっても良い。
(6)上記実施の形態は、径方向移動部材5の歯5aが従動回転体4の係止部4bに形成された内歯4b1に係合する構成であった。しかし歯5aと内歯4b1に代えて、径方向移動部材と従動回転体の間に凸部と凹部が形成され、凸部と凹部とが係合する形態であっても良い。
(7)上記実施の形態は、一対の径方向移動部材5を有していた。しかし一つまたは三つ以上の径方向移動部材を有している形態であっても良い。
クラッチ装置を有するアクチュエータの断面図である。 クラッチ装置の斜視図である。 クラッチ装置の斜視図である。 図1のIV―IV線におけるクラッチ装置の断面図である。 入力回転体と従動回転体間を動力伝達しない切断状態にした際の図4のV―V線断面矢視図である。 入力回転体と従動回転体間を動力伝達可能な伝達状態にした際の図5に相当する断面図である。 図4のVII―VII線断面矢視図である。
符号の説明
1・・・クラッチ装置
2・・・ケース
3・・・入力回転体
3b・・・押部
3d・・・溝
4・・・従動回転体
4b・・・係合部
4b1・・・内歯
5・・・径方向移動部材
5b・・・凸部
6・・・ガイド部材
6b・・・円盤部(制動機構)
7・・・逆転用ばね
8・・・スプリング(制動機構)
10・・・アクチュエータ
11・・・モータ(駆動源)
12・・・ウォームギヤ
13・・・中間ギヤ
14・・・出力回転体
15・・・操作レバー
16・・・ケーブル
17・・・支持軸部材
18・・・切換操作手段
19・・・移動機構

Claims (3)

  1. 駆動源の駆動力によって回転操作される入力回転体と、その入力回転体と同軸状に回転可能に支持される従動回転体と、これら入力回転体と従動回転体の両回転体の間を動力伝達可能な伝達状態と動力伝達しない切断状態とに切り換える切換操作手段とを有するクラッチ装置であって、
    前記切換操作手段は、前記両回転体の間に径方向に移動可能に設けられる径方向移動部材と、前記両回転体のいずれか一方の回転体に設けられ前記入力回転体の正転時に前記径方向移動部材を径方向に押す押部と、前記両回転体のいずれか他方の回転体に形成されかつ前記押部に押された前記径方向移動部材が係合される係合部と、前記入力回転体が逆転された際に前記径方向移動部材を前記係合部から離間させる移動機構とを有し
    前記切換操作手段は、前記入力回転体と同軸上に回転可能に支持されかつ前記径方向移動部材を径方向に移動可能に支持するガイド部材と、前記ガイド部材の回転を制動する制動機構とを有し、前記入力回転体が正転した際に前記ガイド部材と前記制動機構によって前記径方向移動部材の連れ回りが規制され、その径方向移動部材が前記入力回転体に形成された押部によって前記従動回転体に形成された係合部に係合すると前記ガイド部材が前記制動機構に抗して回動する構成になっていることを特徴とするクラッチ装置。
  2. 請求項に記載のクラッチ装置であって、
    入力回転体を逆転させる逆転用ばねを有し、
    前記逆転用ばねは、一端部が前記入力回転体に係止され、他端部がガイド部材に係止されており、前記入力回転体が正転した際に前記入力回転体に引っ張られて弾性変形し、弾性変形後に他端部が前記ガイド部材とともに制動機構に抗して回転し、駆動源の駆動力が停止された際には、弾性戻り力によって前記入力回転体を逆転させる構成になっていることを特徴とするクラッチ装置。
  3. 請求項1または2に記載のクラッチ装置であって、
    移動機構は、両回転体のいずれかの回転体または径方向移動部材の一方の部材に形成された凸部と、他方の部材に形成されかつ前記凸部が挿入される溝とを有し、その溝が前記回転体の回転中心を中心とする円弧に対して傾斜していることを特徴とするクラッチ装置。
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