JP5941286B2 - 逆転防止機構 - Google Patents

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Description

この発明は、例えば、車両等に搭載される減速機付モータに適用される逆転防止機構に関するものである。
車両に搭載される減速機付モータとしては、例えば、シート座面の昇降動作を行うために用いられるものがある。このものは、減速機付モータの出力軸が逆転し、シート座面が下降してしまうようなことが無いようにするために、逆転防止機構を設ける必要がある。この逆転防止機構として、減速機モータの出力軸とシート座面との間にクラッチ装置を設け、減速機付モータの出力軸の逆転を防止するさまざまな技術が開示されている。
クラッチ装置としては、例えば、カバードラムと回転力が入力されるブレーキカムとを備えており、これらカバードラムの内周面とブレーキカムのカム面とにより、くさび形空間を形成しているものがある。そのくさび形空間に8つのローラが配置されている。また、ロック用バネを有しており、このロック用バネの両側方の2つのローラは対をなすようになっている。各ローラは、自由状態ではロック用バネに押圧されカム高さの高い方に押しやられ、ブレーキ用カムとカバードラムがロックした状態になる(例えば、特許文献1参照)。
特開2010−255837号公報
しかしながら、上述の従来技術にあっては、減速機付モータの外部にクラッチ装置を設けることになるので、クラッチ装置を配置する取り付けスペースを確保する必要があり、シート全体が大型化してしまうという課題がある。
また、複数のローラやロック用バネ等、部品点数が多く、組み付け作業が煩わしいという課題がある。
そこで、この発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、取り付けスペース全体の省スペース化を図ることができ、組み付け作業を簡素化できる逆転防止機構を提供するものである。
上記の課題を解決するために、本発明に係る逆転防止機構は、電動モータからの駆動力が伝達される歯部が外周部に形成されていると共に、径方向中心部に貫通孔が形成されているギヤと、前記貫通孔に、前記ギヤと相対回転可能に挿入されるシャフトと、前記ギヤと連動して回転可能なカムプレートと、前記カムプレートの外周部と摺接するガイド部と、前記シャフトに設けられており、このシャフトの軸心から偏心した偏心カムとを備え、前記カムプレートは、この中心が前記シャフトの軸心と同軸上となるように形成された円板であり、前記カムプレートに、前記偏心カムが嵌合可能な偏心開口部が形成されており、前記ガイド部は、前記カムプレートの外周部を囲繞するように形成された円環部を有すると共に、前記電動モータが固定されるブラケットに固定されており、前記偏心カムは、前記シャフトが前記ギヤよりも先に回転するとき、前記カムプレートを径方向外側へと変位させ、このカムプレートを前記円環部に押し付けて前記カムプレートと前記円環部との間の摺動摩擦抵抗を増大させていることを特徴とする。
このように構成することで、減速機付モータの減速機構の中に逆転防止機構を組み込むことができ、逆転防止機構、及び減速機付モータ全体の取り付けスペースを省スペース化することができる。また、逆転防止機構の部品点数を従来技術と比較して減少することができ、組み付け作業を簡素化できると共に、コストを低減することができる。
また、カムプレートに、ギヤの逆転を防止するためのブレーキ力を確実に作用させることができる。
本発明に係る逆転防止機構は、前記ギヤには、このギヤの回転中心を挟んで両側に、突起部が設けられている一方、前記カムプレートには、前記突起部を挿入可能な溝が形成されており、前記溝は、前記シャフトよりも先に前記ギヤが回転するとき、前記突起部と係合する一方、前記ギヤよりも先に前記シャフトが回転するとき、前記突起部と係合しないように形成されていることを特徴とする。
このように構成することで、ギヤの逆転を確実に防止できる。
本発明に係る逆転防止機構は、前記溝は、前記カム部の中心を基準とした円に沿うように形成された長孔であることを特徴とする。
このように構成することで、溝部の形状を簡素化でき、この結果、製造コストを低減できる。
本発明に係る逆転防止機構は、前記ギヤに、前記このギヤと同心円となる円形状の凹部を形成し、この凹部に、前記カムプレート、及び前記円環部を収納したことを特徴とする。
このように構成することで、逆転防止機構を小型化できる。
本発明に係る逆転防止機構は、前記カムプレートと前記円環部との間に、これらカムプレートと円環部との摺動摩擦抵抗を増大させる抵抗部材を設けたことを特徴とする。
このように構成することで、カムプレートに、ギヤの逆転を防止するためのブレーキ力を、さらに確実に作用させることができる。
本発明に係る逆転防止機構は、前記カムプレートの外周面、及び前記円環部の内周面の少なくとも何れか一方、粗面加工してなる粗面加工部を有していることを特徴とする。
このように構成することで、カムプレートに、ギヤの逆転を防止するためのブレーキ力を、さらに確実に作用させることができる。
本発明によれば、減速機付モータの減速機構の中に逆転防止機構を組み込むことができ、逆転防止機構、及び減速機付モータ全体の取り付けスペースを省スペース化することができる。また、逆転防止機構の部品点数を従来技術と比較して減少することができ、組み付け作業を簡素化できると共に、コストを低減することができる。
また、カムプレートに、ギヤの逆転を防止するためのブレーキ力を確実に作用させることができる。
本発明の実施形態における減速機付モータを搭載した車両の概略構成図である。 本発明の実施形態における減速機付モータの斜視図である。 図2のA−A線に沿う断面図である。 本発明の実施形態における逆転防止機構の分解斜視図である。図5は、 本発明の実施形態における逆転防止機構の平面図であって、ガイド部を取り外した状態を示す。 本発明の実施形態における逆転防止機構の動作説明図である。 本発明の実施形態における逆転防止機構の動作説明図である。 本発明の実施形態の変形例における逆転防止機構の平面図であって、ガイド部を取り外した状態を示す。
(減速機付モータ)
次に、この発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、減速機付モータ1を搭載した車両100の概略構成図である。
減速機付モータ1は、車両100に搭載された車両用電動シート装置91の駆動源として用いられており、シート座面93を昇降させる。
図2は、減速機付モータ1の斜視図、図3は、図2のA−A線に沿う断面図である。
図2、図3に示すように、減速機付モータ1は、電動モータ2と、電動モータ2の駆動力が伝達される減速機構3とを備えている。
電動モータ2は、不図示のブラシを用いてアーマチュアに電力を給電する、所謂ブラシ付モータであって、有底筒状のヨーク4を備えている。このヨーク4の内側にアーマチュアが回転自在に設けられており、このアーマチュアが減速機構3に駆動力を伝達する。また、ヨーク4の開口部側に不図示の外部電源とブラシとを電気的接続するためのコネクタ5が設けられている。
減速機構3は、開口部6aを有する箱状のギヤケーシング6を有しており、このギヤケーシング6の一側に電動モータ2が取り付けられている。また、ギヤケーシング6には、開口部6aを閉塞するカバー7がボルト19によって締結固定されており、このカバー7とギヤケーシング6とに囲まれるギヤ収納部8に歯車群9が収納されている。
歯車群9は、不図示のアーマチュアの回転軸に連結されているウォーム軸(不図示)と、ウォーム軸に噛合されるウォームホイール10と、ウォームホイール10と同軸上に設けられ、このウォームホイール10と一体化されている小径ギヤ11と、この小径ギヤ11に噛合されるスパーギヤ12とを有している。
ウォームホイール10の径方向中央部は、小径ギヤ11の基端が一体的に取り付けられるようになっている。小径ギヤ11は、基端をウォームホイール10に埋設させた状態になっている一方、先端がウォームホイール10からカバー7側に向かって突出した状態になっている。そして、小径ギヤ11の先端に歯部11aが形成されており、ここにスパーギヤ12が噛合されている。
ここで、スパーギヤ12は、逆転防止機構20の一部を構成している。
(逆転防止機構)
図4は、逆転防止機構20の分解斜視図である。図5は、逆転防止機構20を構成するガイド部27を取り外した状態の平面図である。
図3〜図5に示すように、スパーギヤ12は、外周面12aに小径ギヤ11の歯部11aに噛合される歯部14が形成された略円板状のものである。スパーギヤ12の径方向中央の大部分には、カバー7側に凹部15が形成されている。また、凹部15の径方向中央には挿通孔16が形成されており、ここに出力シャフト21が挿通されている。
出力シャフト21は、シート座面93(図1参照)に連結されてこのシート座面93を昇降させるための回転力を出力するためのものであって、中空状に形成されている。出力シャフト21の内周面には、スプライン22が形成されており、ここにシート座面93(図1参照)を昇降させるための不図示のリンクが、出力シャフト21と相対回転不能に連結される。
また、出力シャフト21の凹部15に対応する箇所には、偏心カム23が一体成形されている。偏心カム23は、略円板状に形成されたものであって、その中心軸P1が出力シャフト21、及びスパーギヤ12の中心軸P2から距離L1だけ径方向外側にずれた位置に設定されている。さらに、偏心カム23の肉厚t1は、スパーギヤ12の凹部15の深さh1と略同一に設定されている。
尚、偏心カム23は、出力シャフト21に一体成形されている場合に限られるものではなく、別途偏心カム23を形成し、出力シャフト21と一体化させるように構成してもよい。
また、スパーギヤ12の凹部15には、中心軸P2を挟んで両側に一対の解除ピン24,24がカバー7側に向かって立設されている。一対の解除ピン24,24は、略円柱状に形成されたものであって、スパーギヤ12と、このスパーギヤ12の凹部15に収納されている略円板状のカムプレート25とを係合させる役割を有している。
カムプレート25には、一対の解除ピン24,24に対応する箇所に、これら解除ピン24,24が挿入可能な長孔26,26が形成されている。これら長孔26は、この中心線が、偏心カム23の中心軸P1を中心とした仮想円C1に沿うように形成されている。
一方、カムプレート25の中心軸P3は、出力シャフト21の中心軸P2と同一に設定されている。また、カムプレート25には、偏心カム23が嵌合可能な嵌合孔25aが形成されており、この嵌合孔25aに偏心カム23が嵌合されている。
さらに、カムプレート25の肉厚t2は、偏心カム23の肉厚t1、及び凹部15の深さh1と略同一に設定されている。また、カムプレート25の直径は、スパーギヤ12の凹部15の内径よりも小さくなるように設定されている。そして、スパーギヤ12の凹部15の内周面15aと、カムプレート25の外周面25bとの間に形成された隙間S1には、ガイド部27が介装されている。
ガイド部27は、カムプレート25のカバー7側の面を覆うように略円板状に形成されたベース部28を有しており、このベース部28の外周部に、隙間S1に介装される円環部29が一体成形されている。また、ベース部28の径方向中央には、出力シャフト21に外嵌される筒部30が円環部29とは反対側に向かって立設されている。筒部30は、取付ブラケット31によって支持されている。
取付ブラケット31は、例えば、車体(不図示)に取り付けることによって、減速機付モータ1を支持するためのものである。取付ブラケット31は、ベース部32を有している。このベース部32には、ガイド部27の筒部30に対応する箇所に、この筒部30を圧入可能な貫通孔33が形成されている。また、取付ブラケット31には、この取付ブラケット31を、車体等の外部に取り付けるための筒状の取付け座34が一体成形されている。このように構成された取付ブラケット31によって、カムプレート25、及びガイド部27の抜けが規制されている。そして、逆転防止機構20は、減速機構3のギヤケーシング6内に収納された状態になっている。
(逆転防止機構の動作)
続いて、図3、図6、図7に基づいて、逆転防止機構20の動作について説明する。
図6は、電動モータ2により出力シャフト21を駆動させる場合の逆転防止機構20の動作説明図、図7は、電動モータ2が駆動するよりも先に出力シャフト21が回転した場合の逆転防止機構20の動作説明図である。
まず、電動モータ2により出力シャフト21を駆動させる場合について説明する。
図3、図6に示すように、電動モータ2を駆動すると、アーマチュア、及びこれと一体化されているウォーム軸(何れも不図示)が回転し、このウォームホイールに噛合されるウォームホイール10が回転する。さらに、ウォームホイール10と一体化されている小径ギヤ11が回転し、これに噛合されるスパーギヤ12が回転する。
尚、スパーギヤ12は、電動モータ2のアーマチュアの回転方向に応じ、図6における時計回り、又は反時計回りに回転することが可能であるが、以下の説明においては、スパーギヤ12が時計回り(矢印Y11参照)に回転する場合について説明する。
スパーギヤ12が時計回りに回転すると、これに伴って、一対の解除ピン24,24が時計回り方向に向かって変位する(矢印Y12参照)。一対の解除ピン24,24はカムプレート25の長孔26に挿入されているので、一対の解除ピン24,24が変位することにより、これら解除ピン24,24を介してカムプレート25とスパーギヤ12とが係合する。そして、カムプレート25が時計回りに回転する(矢印Y13参照)。
カムプレート25が回転すると、このカムプレート25の嵌合孔25aに嵌合している偏心カム23がカムプレート25と一体となって回転する(矢印Y14参照)。そして、偏心カム23と一体成形されている出力シャフト21が回転し(矢印Y15参照)、この出力シャフト21に連結されている不図示のリンクを介してシート座面93が昇降、又は下降する。
次に、電動モータ2が駆動するよりも先に出力シャフト21が回転した場合について説明する。
図3、図7に示すように、例えば、シート座面93に乗員が着座するなどしてシート座面93に所定の負荷がかかると、電動モータ2が停止した状態であっても、出力シャフト21に外力が加わり、例えば、時計回り方向に向かう回転力(逆転力)F1が付勢される。
尚、シート座面93に所定の負荷がかかることにより出力シャフト21にかかる回転力F1の方向は、不図示のリンクの構造により、時計回り方向、又は反時計回り方向の何れかになるかが決定されるが、ここでは、回転力F1は時計回り方向に向かうように作用する場合について説明する。
出力シャフト21に回転力F1が作用すると、これに伴って偏心カム23にも時計回り方向に向かう回転力F2が作用する。そして、偏心カム23に押圧されるようにして、カムプレート25が偏心カム23と共に時計回りに回転しようとする(矢印Y21参照)。
このとき、偏心カム23の中心軸P1が出力シャフト21、及びスパーギヤ12の中心軸P2から距離L1だけ径方向外側にずれた位置に設定されているので、偏心カム23により押圧力F3は、カムプレート25の径方向外側に向かって作用する。
すると、カムプレート25の外周面25bがガイド部27の円環部29に押し付けられ、この円環部29の内周面29aとカムプレート25の外周面25bとの間の摺動摩擦抵抗が増大し、これがブレーキ力となってカムプレート25の回転が阻止される。ここで、ガイド部27は、取付ブラケット31に固定されているので回転することがない。このため、カムプレート25の回転力がスパーギヤ12に伝達されることなく、カムプレート25の回転が阻止され、出力シャフト21の逆転が阻止される。
ここで、カムプレート25に形成されている長孔26の長さは、この長孔26と解除ピン24とが係合し、カムプレート25とスパーギヤ12とが共回りしてしまうよりも先に、カムプレート25の回転がガイド部27によって阻止される長さに設定されている。このため、出力シャフト21に回転力F1が付勢され、僅かに出力シャフト21が回転してしまうような場合であっても、スパーギヤ12の逆転を阻止できる。
また、長孔26は、この中心線が偏心カム23の中心軸P1を中心とした仮想円C1に沿うように形成されているので、偏心カム23によってカムプレート25が押圧されるとき、解除ピン24がきっかけとなってカムプレート25に径方向外側に向かう力(押圧力F3)が確実に作用する。
(効果)
したがって、上述の実施形態によれば、逆転防止機構20を、スパーギヤ12と、出力シャフト21と、偏心カム23と、解除ピン24と、カムプレート25と、ガイド部27とにより構成することにより、減速機構3の中に組み込むことができる。このため、逆転防止機構20、及び減速機付モータ1全体の取り付けスペースを省スペース化することができる。また、逆転防止機構20の部品点数を従来技術と比較して減少することができ、組み付け作業を簡素化できると共に、コストを低減することができる。
さらに、偏心カム23を、この中心軸P1が出力シャフト21、及びスパーギヤ12の中心軸P2から距離L1だけ径方向外側にずれた位置に設定された略円板状に形成する一方、カムプレート25に、偏心カム23と嵌合可能な嵌合孔25aを形成することにより、カムプレート25が偏心カム23よりも先に回転した場合には、これらカムプレート25と偏心カム23とが共回りするように構成され、偏心カム23がカムプレート25よりも先に回転しようとした場合には、偏心カム23の回転が阻止されるように構成されている。このように、簡素な構造で逆転防止機構20を構成しているので、製造コストを低減できる。
また、スパーギヤ12に解除ピン24を設けると共に、カムプレート25に解除ピン24と係合可能な長孔26を形成することにより、カムプレート25が偏心カム23よりも先に回転した場合には、これらカムプレート25と偏心カム23とを確実に共回りさせることができると共に、偏心カム23がカムプレート25よりも先に回転しようとした場合には、偏心カム23の回転を確実に阻止することができる。
さらに、長孔26は、この中心線が偏心カム23の中心軸P1を中心とした仮想円C1に沿うように形成されている。このため、偏心カム23がカムプレート25よりも先に回転しようとした場合、カムプレート25に径方向外側に向かう力(押圧力F3)を確実に作用させることができる。よって、長孔26のような簡素な形状で、確実に出力シャフト21の逆転を阻止できる。
そして、カムプレート25に径方向外側に向かう力(押圧力F3)を作用させることにより、ガイド部27の円環部29の内周面29aにカムプレート25の外周面25bを押し付けるように構成している。このため、カムプレート25に確実にブレーキ力を作用させることができ、確実に出力シャフト21、及びスパーギヤ12の逆転が阻止される
また、スパーギヤ12の径方向中央の大部分に凹部15を形成し、この凹部15に偏心カム23、カムプレート25、及びガイド部27の円環部29を収納しているので、逆転防止機構20の配置スペースを省スペース化することができ、この結果、逆転防止機構20を小型化できる。
尚、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述の実施形態に種々の変更を加えたものを含む。
例えば、上述の実施形態では、減速機付モータ1は、車両100に搭載された車両用電動シート装置91の駆動源として用いられている場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、さまざまな装置に減速機付モータ1を適用することが可能である。
また、上述の実施形態では、一対の解除ピン24,24が略円柱状に形成されている場合について説明した。しかしながら、解除ピン24の形状は、円柱状に限られるものではなく、スパーギヤ12の凹部15から突出し、カムプレート25に形成されている長孔26と係合可能であればよい。例えば、解除ピン24の形状を、円錐状に形成してもよい。この場合、カムプレート25の長孔26の形状も解除ピン24に対応して決定すればよい。
さらに、上述の実施形態では、カムプレート25の外周面25bとガイド部27の円環部29の内周面29aとを直接摺動させている場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、以下のように構成してもよい。
(実施形態の変形例)
図8は、実施形態の変形例における逆転防止機構220の平面図であって、前述の実施形態の図5に対応している。尚、以下の説明において、前述の実施形態と同一態様については、同一符号を付して説明を省略する。
すなわち、同図に示すように、カムプレート25の外周面25bとガイド部27の円環部29内周面29aとの間に、これらカムプレート25の外周面25bと円環部29の内周面29aとの摺動摩擦抵抗を増大させるリング状の抵抗部材41を設けてもよい。抵抗部材41としては、例えば、鉄などの金属材料に焼入れ加工を行った素材を用いることが可能である。
このように構成するとでき、出力シャフト21(スパーギヤ12)が逆転しようとしたとき、より確実にカムプレート25にブレーキ力を付与することができる。
また、図8に示すように、抵抗部材41に代わってカムプレート25の外周面25bに粗面加工部42を形成してもよい。このように構成することで、カムプレート25の外周面25bとガイド部27の円環部29の内周面29aとを直接摺動させる場合と比較して、カムプレート25へのブレーキ力を増大させることができる。
尚、粗面加工部42は、カムプレート25の外周面25bに形成する場合に限られるものではなく、円環部29の内周面29aに形成してもよいし、カムプレート25の外周面25b、及び円環部29の内周面29aの両者に粗面加工部42を形成してもよい。さらに、この粗面加工部42を形成したうえで、カムプレート25の外周面25bとガイド部27の円環部29の内周面29aとの間に、抵抗部材41を設けてもよい。
1 減速機付モータ
2 電動モータ
12 スパーギヤ(ギヤ)
12a 外周面(外周部)
14 歯部
15 凹部
16 挿通孔(貫通孔)
20,220 逆転防止機構
21 出力シャフト(シャフト)
23 偏心カム
24 解除ピン(突起部)
25 カムプレート
25a 嵌合孔(偏心開口部)
25b 外周面(外周部)
26 長孔
27 ガイド部
29 円環部
29a 内周面
31 取付ブラケット(ブラケット)
41 抵抗部材(粗面加工部)
42 粗面加工部

Claims (6)

  1. 電動モータからの駆動力が伝達される歯部が外周部に形成されていると共に、径方向中心部に貫通孔が形成されているギヤと、
    前記貫通孔に、前記ギヤと相対回転可能に挿入されるシャフトと、
    前記ギヤと連動して回転可能なカムプレートと、
    前記カムプレートの外周部と摺接するガイド部と
    前記シャフトに設けられており、このシャフトの軸心から偏心した偏心カムとを備え、
    前記カムプレートは、この中心が前記シャフトの軸心と同軸上となるように形成された円板であり、前記カムプレートに、前記偏心カムが嵌合可能な偏心開口部が形成されており、
    前記ガイド部は、前記カムプレートの外周部を囲繞するように形成された円環部を有すると共に、前記電動モータが固定されるブラケットに固定されており、
    前記偏心カムは、前記シャフトが前記ギヤよりも先に回転するとき、前記カムプレートを径方向外側へと変位させ、このカムプレートを前記円環部に押し付けて前記カムプレートと前記円環部との間の摺動摩擦抵抗を増大させていることを特徴とする逆転防止機構。
  2. 前記ギヤには、このギヤの回転中心を挟んで両側に、突起部が設けられている一方、
    前記カムプレートには、前記突起部を挿入可能な溝が形成されており、
    前記溝は、前記シャフトよりも先に前記ギヤが回転するとき、前記突起部と係合する一方、前記ギヤよりも先に前記シャフトが回転するとき、前記突起部と係合しないように形成されていることを特徴とする請求項1記載の逆転防止機構。
  3. 前記溝は、前記偏心カムの中心を基準とした円に沿うように形成された長孔であることを特徴とする請求項に記載の逆転防止機構。
  4. 前記ギヤに、前記このギヤと同心円となる円形状の凹部を形成し、
    この凹部に、前記カムプレート、及び前記円環部を収納したことを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の逆転防止機構。
  5. 前記カムプレートと前記円環部との間に、これらカムプレートと円環部との摺動摩擦抵抗を増大させる抵抗部材を設けたことを特徴とする請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の逆転防止機構。
  6. 前記カムプレートの外周面、及び前記円環部の内周面の少なくとも何れか一方、粗面加工してなる粗面加工部を有していることを特徴とする請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の逆転防止機構。
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