JP2019027488A - 一方向クラッチ - Google Patents

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Abstract

【課題】入力部材の一方向の回転のみを出力部材に伝達することができ、かつ、出力部材の回転方向にかかわらず、この出力部材の回転が、入力部材に伝達されるのを防止できる、一方向クラッチを実現する。【解決手段】一方向クラッチ1aを、入力部材7と、径方向内面に被押圧面13を有する出力部材8と、係合子9とから構成する。係合子9は、入力部材7に所定方向の回転トルクが入力された場合にのみ、入力部材7との係合に基づき被押圧面13に近づく方向に移動して出力部材8に回転トルクを伝達し、かつ、出力部材8に回転トルクが逆入力されても、出力部材8の回転方向にかかわらず、被押圧面13に近づく方向には移動せず、入力部材7に回転トルクを伝達しない。【選択図】図1

Description

本発明は、自転車の駆動部や各種機械の動力伝達装置に組み込まれる、一方向クラッチに関する。
自転車は、運転者によってペダルに接続されたクランクが回転させられると、このクランクの回転が、ローラチェーンとスプロケットとを介して駆動輪に伝達されて前進する。競技用などを除き、一般的な自転車の駆動部には、一方向クラッチが組み込まれており、惰性走行時に、駆動輪の回転がクランクに伝達されて、クランクが回転することを防止している。
図8は、特開2015−158250号公報に記載された一方向クラッチを示している。一方向クラッチ1は、スプラグ式の一方向クラッチであり、入力部材である内方部材2と、出力部材である外方部材3と、それぞれが係合子である複数個のスプラグ4と、保持器5と、付勢ばね6とを備える。
外方部材3は、内方部材2の径方向外側に、内方部材2と同軸に配置されている。スプラグ4は、内方部材2の外周面と外方部材3の内周面との間の円筒状空間の円周方向複数個所に、保持器5により保持された状態で配置されている。付勢ばね6は、スプラグ4を、スプラグ4が内方部材2の外周面および外方部材3の内周面に対してかみ合う方向に付勢している。
スプラグ式の一方向クラッチ1では、内方部材2が、外方部材3に対して、図8に矢印Xで示す方向に回転すると、スプラグ4が図8に矢印αで示す方向に揺動し、スプラグ4が内方部材2の外周面および外方部材3の内周面に対してかみ合ったロック状態となる。この結果、内方部材2から外方部材3へのトルク伝達が可能になる。すなわち、外方部材3が、内方部材2と同期してX方向に回転する。
一方、内方部材2が、外方部材3に対して、図8に矢印Xで示す方向に回転すると、スプラグ4が図8に矢印αで示す方向に揺動し、内方部材2の外周面および外方部材3の内周面に対するスプラグ4のかみ合いが外れたオーバラン状態となる。この結果、内方部材2から外方部材3へのトルク伝達が不能になる。すなわち、内方部材2が、外方部材3に対してX方向に空転する。
また、外方部材3が、内方部材2に対してX方向に回転すると、スプラグ4が、矢印αの方向に揺動し、内方部材2の外周面および外方部材3の内周面に対するスプラグ4のかみ合いが外れたオーバラン状態となる。この結果、外方部材3から内方部材2へのトルク伝達が不能になる。すなわち、外方部材3は、内方部材2に対してX方向に空転する。
このような一方向クラッチ1を自転車の駆動部に組み込む場合、クランクを内方部材2にトルク伝達可能に接続し、駆動輪を外方部材3にトルク伝達可能に接続する。この結果、クランクから駆動輪には、自転車を前進させる方向の回転のみが伝達され、前進させる方向とは反対方向にクランクを回転させても、この回転が駆動輪に伝達されることを防止できる。また、前進走行時に、運転者がペダルの回転動作を停止しても、駆動輪の回転がクランクに伝達されることを防止できる。
上述のような一方向クラッチ1では、外方部材3が、内方部材2に対して、X方向に回転すると、スプラグ4が矢印αの方向に揺動し、スプラグ4が内方部材2の外周面および外方部材3の内周面に対してかみ合ったロック状態になる。この結果、外方部材3から内方部材2へのトルク伝達が可能な状態になる。すなわち、内方部材2は、外方部材3と同期してX方向に回転する。したがって、自転車を後方に押して後退させる際などに、駆動輪からクランクに回転が伝達される。自転車の後退時にクランクが回転すると、駐輪作業の邪魔になるなどの可能性がある。
なお、特開2001−349347号公報には、二方向クラッチの構造が記載されている。二方向クラッチを使用すれば、出力部材の回転方向にかかわらず、この出力部材の回転が、入力部材に伝達されることを防止できる。ただし、特開2001−349347号公報に記載された二方向クラッチは、入力部材の回転が、この入力部材の回転方向にかかわらず、出力部材に伝達される。このため、このような二方向クラッチを自転車の駆動部に組み込むと、自転車を前進させる方向とは反対方向にクランクを回転させた場合にも、この回転が駆動輪に伝達され、自転車が後退してしまう。
特開2015−158250号公報 特開2001−349347号公報
本発明は、上述のような事情に鑑みて、入力部材の一方向の回転のみを出力部材に伝達することができ、かつ、出力部材の回転方向にかかわらず、この出力部材の回転が、入力部材に伝達されることを防止できる、一方向クラッチを実現することを目的としている。
本発明の一方向クラッチは、入力部材と、出力部材と、係合子と、を備えている。
前記出力部材は、前記入力部材と同軸に配置され、その周面に被押圧面を有する。
前記係合子は、前記被押圧面に対向する押圧面を有しており、前記入力部材に所定方向の回転トルクが入力された場合には、前記入力部材との係合に基づいて前記被押圧面に近づく方向に移動し、前記押圧面を前記被押圧面に当接させて前記出力部材に回転トルクを伝達し、かつ、前記入力部材に前記所定方向とは反対方向の回転トルクが入力された場合には、前記入力部材との係合に基づいて前記被押圧面から離れる方向に移動し、前記押圧面を前記被押圧面から離隔させて前記出力部材に回転トルクを伝達せず、かつ、前記出力部材に回転トルクが逆入力された場合には、前記出力部材の回転方向にかかわらず、前記被押圧面に近づく方向には移動せず、前記入力部材に回転トルクを伝達しない。
本発明では、前記被押圧面を円筒面状の凹面とし、前記押圧面を円筒面状の凸面とすることができる。
本発明では、前記係合子を、前記出力部材の径方向内側に複数備えることができる。
本発明では、前記被押圧面に対する前記係合子の遠近移動を案内するためのガイドを、別途備えることができる。
前記係合子を2個以上備える場合には、前記ガイドにより、前記2個以上の係合子を前記出力部材の径方向に相互に近接あるいは離間するように案内することができる。
本発明では、前記係合子を前記被押圧面から離れる方向に付勢することができる。このために、弾性部材を別途備えることができる。
本発明では、さらに次の構成を備えることができる。
前記入力部材は、入力側機構の出力部に接続された入力軸部と、入力軸部の一端面からそれぞれ伸長し、周方向に離隔して配置された入力係合凸部とを備える。
前記係合子は、前記出力部材の周方向に分割され、2個以上備えられており、2個以上のそれぞれの係合子は、前記入力係合凸部と係合する入力係合孔をさらに備え、前記出力部材の径方向に相互に近接あるいは離間可能に配置されている。
前記入力係合孔は、前記入力係合凸部が所定方向あるいは該所定方向とは反対方向のうちの一方に回転した場合には、前記2個以上の係合子のそれぞれを径方向外側に離間させる力が入力され、かつ、前記入力係合凸部が前記所定方向あるいは該所定方向とは反対方向のうちの他方に回転した場合には、前記2個以上の係合子のそれぞれを径方向内側に近接させる力が入力される位置に設けられている。
前記2個以上の係合子は、前記入力部材に所定方向の回転トルクが入力された場合には、前記入力係合凸部と前記入力係合孔との係合に基づき、前記出力部材に向けて径方向に移動し、前記押圧面と前記被押圧面とを当接させて、前記出力部材に回転トルクを伝達し、かつ、前記入力部材に前記所定方向とは反対方向の回転トルクが入力された場合には、前記入力係合凸部と前記入力係合孔との係合に基づき、前記出力部材から離れるように径方向に移動し、前記押圧面と前記被押圧面とを離隔させて、前記出力部材に回転トルクを伝達せず、かつ、前記出力部材に回転トルクが逆入力されても、前記出力部材の回転方向にかかわらず、前記被押圧面に近づく方向には移動せず、前記入力部材に回転トルクを伝達しない。
本発明によれば、入力部材の一方向の回転のみを出力部材に伝達することができ、かつ、出力部材の回転方向にかかわらず、この出力部材の回転が、入力部材に伝達されることを防止できる。
図1は、実施の形態の第1例の一方向クラッチを示す図である。 図2は、一方向クラッチから入力部材を取り出してその一部を示す斜視図である。 図3は、実施の形態の第1例の一方向クラッチに関して、入力部材に回転方向が時計方向の回転トルクが入力された状態を示す図である。 図4は、実施の形態の第1例の一方向クラッチに関して、入力部材に回転方向が反時計方向の回転トルクが入力された状態を示す図である。 図5は、実施の形態の第1例の一方向クラッチに関して、出力部材に回転トルクが逆入力された状態を示す図である。 図6は、実施の形態の第2例の一方向クラッチを示す、図1に相当する図である。 図7は、実施の形態の第3例の一方向クラッチを示す、図1に相当する図である。 図8は、従来構造の一方向クラッチを示す部分断面図である。
[実施の形態の第1例]
実施の形態の第1例について、図1〜図5を用いて説明する。
[一方向クラッチの構造の説明]
本例の一方向クラッチ1aは、入力部材7と、出力部材8と、1対の係合子9と、ガイド10とを備えている。
入力部材7は、自転車のクランクまたは電動モータなどの入力側機構に接続され、回転トルクが入力される。入力部材7は、入力軸部11と、1対の入力係合凸部12とを有している。入力軸部11は、円柱状で、その基端部が前記入力側機構の出力部にトルク伝達可能に接続される。1対の入力係合凸部12は、それぞれ円柱状で、入力軸部11の先端面の径方向外側部の直径方向反対側2個所位置から軸方向に伸長している。1対の入力係合凸部12は、入力部材7の周方向及び直径方向に互いに離隔している。図1及び図3〜図5には、1対の入力係合凸部12のそれぞれの中心軸を通る仮想円を一点鎖線で示している。
出力部材8は、自転車のスプロケットまたは減速機構などの出力側機構に接続され、回転トルクを出力する。出力部材8は、円環状に構成されており、入力部材7と同軸に、かつ、入力部材7の径方向外側に配置されている。具体的には、一方向クラッチ1aの組立状態で、出力部材8は、1対の入力係合凸部12の径方向外側に配置される。出力部材8は、その内周面に円筒面状の凹面である被押圧面13を有している。
係合子9は、出力部材8の径方向内側に配置され、出力部材8の周方向に2分割されるように2つ備えられている。1対の係合子はそれぞれ、中心角が180°の扇形、換言すれば略半円形板状に構成されており、被押圧面13と対向する径方向外側面を円筒面状の凸面である押圧面14とし、径方向内側面を平坦面状の底面15としている。また、それぞれの係合子9の幅方向両側は、底面15に対して直角な平坦面16となっている。なお、係合子9に関して径方向とは、図1に矢印Aで示した底面15に対して直角な方向をいい、底面15から押圧面14への高さ方向に相当する。また、図1に矢印Bで示した底面15に対して平行な方向を、係合子9に関して幅方向という。押圧面14の曲率半径は、被押圧面13の曲率半径よりも僅かに小さい。押圧面14は、係合子9のその他の部分に比べて摩擦係数の大きい表面性状を有している。押圧面14は、係合子9の表面によって直接構成してもよいし、係合子9に貼着や接着などにより固定した摩擦材によって構成してもよい。
本例では、1対の係合子9の押圧面14を出力部材8の直径方向反対側に向け、かつ、1対の係合子9の底面15を互いに対向させている。また、1対の係合子9を出力部材8の径方向内側に配置した状態で、被押圧面13と押圧面14との間、または底面15同士の間に隙間が存在するように、出力部材8の内径寸法と係合子9の径方向寸法を規制している。このため、1対の係合子9は、出力部材8の径方向内側に、出力部材8の径方向に相互に近接あるいは離間可能に配置されている。
係合子9は、入力係合孔17と案内スリット18とを有している。入力係合孔17は、係合子9の径方向中間部を軸方向に貫通し、かつ、幅方向に長い長円形状の長孔である。また、入力係合孔17は、1対の係合子9を出力部材8の径方向内側に配置した状態で、それぞれの係合子9の幅方向中央部よりも反時計方向側に位置している。具体的には、図1の上側の係合子9では、入力係合孔17は、幅方向中央部よりも左側に位置しており、図1の下側の係合子9では、入力係合孔17は、幅方向中央部よりも右側に位置している。また、入力係合孔17は、入力係合凸部12を緩く挿入できる大きさを有している。具体的には、入力係合孔17の内側に入力係合凸部12を挿入した際に、入力係合凸部12と入力係合孔17の内面との間に、幅方向に関する十分な大きさの隙間が存在する。
入力係合孔17の形成位置は、入力部材7の回転方向とトルク伝達の可否との関係で規制する。つまり、入力部材7の回転方向が、入力部材7から出力部材8に回転トルクを伝達させる方向である場合には、1対の係合子9にそれぞれ径方向外側に離間させる力が入力され、かつ、入力部材7の回転方向が、入力部材7から出力部材8に回転トルクを伝達させない方向である場合には、1対の係合子9にそれぞれ径方向内側に近接させる力が入力される位置を、入力係合孔17の形成位置としている。このため、入力部材7が時計方向に回転した際に、入力部材7から出力部材8に回転トルクを伝達させるには、入力係合孔17を係合子9の幅方向中央部よりも反時計方向側に位置させる。これに対し、入力部材7が反時計方向に回転した際に、入力部材7から出力部材8に回転トルクを伝達させるには、入力係合孔17を係合子9の幅方向中央部よりも時計方向側に位置させる。
案内スリット18は、1対の係合子9のそれぞれの底面15の幅方向中央部から径方向外方に向けて伸長した矩形状のスリットである。1対の係合子9のそれぞれの底面15を互いに対向させた状態で、1対の案内スリット18を同一直線上に配置している。そして、ガイド10を、これら1対の案内スリット18を跨ぐように、その軸方向を係合子9の径方向に向けて配置している。ガイド10は、円柱状または矩形柱状に構成されており、被押圧面13に対する係合子9の遠近移動を案内する、つまり、1対の係合子9を出力部材8の径方向に相互に近接あるいは離間するように案内する。このため、ガイド10は、案内スリット18の内側に、がたつきなく、かつ、ガイド10の軸方向に関する移動を可能に配置されている。案内スリット18の径方向深さ寸法は、ガイド10の軸方向寸法の1/2と同じか、これよりも少しだけ大きくなっている。このようなガイド10を設けることで、1対の係合子9は、径方向の移動および同期した回転が可能でありながら、互いに相対回転したり、幅方向に相対移動したりすることが防止される。
本例の一方向クラッチ1aは、その組立状態で、軸方向一方側に配置した入力部材7の1対の入力係合凸部12を、1対の係合子9のそれぞれの入力係合孔17に軸方向に挿入し、かつ、これら1対の係合子9を、軸方向他方側に配置した円環状の出力部材8の径方向内側に配置している。また、本例では、入力係合凸部12の軸方向寸法、および、係合子9の軸方向寸法をそれぞれほぼ同じとしている。
[一方向クラッチの動作説明]
本例の一方向クラッチ1aの動作について説明する。
まず、入力部材7に図1のX方向(時計方向)の回転トルクが入力された場合を説明する。
入力部材7にX方向の回転トルクが入力されると、入力係合凸部12もX方向に回転しようとする。これにより、図3に示すように、入力係合凸部12が、入力係合孔17の内面の径方向外端部を径方向外方に向けて押圧し、1対の係合子9を、被押圧面13に近づく方向にそれぞれ移動させる。つまり、1対の係合子9を、入力部材7との係合に基づき、互いに離れる方向である径方向外方に(図3の上側に位置する係合子9を上方に、図3の下側に位置する係合子9を下方に)それぞれ移動させる。これにより、1対の係合子9のそれぞれの押圧面14を、被押圧面13に対して押し付ける。この結果、係合子9が入力係合凸部12と出力部材8との間で突っ張り、入力部材7と出力部材8との相対回転が防止される。したがって、入力部材7に入力された回転トルクは、1対の係合子9を介して、出力部材8に伝達され、出力部材8から出力される。換言すれば、入力部材7と1対の係合子9とガイド10と出力部材8とが、X方向に同期して回転する。
次に、入力部材7に図1のX方向(反時計方向)の回転トルクが入力された場合を説明する。
入力部材7にX方向の回転トルクが入力されると、入力係合凸部12もX方向に回転しようとする。これにより、図4に示すように、入力係合凸部12が、入力係合孔17の内面の径方向内端部を径方向内方に向けて押圧し、1対の係合子9を、被押圧面13から離れる方向にそれぞれ移動させる。つまり、1対の係合子9を、入力部材7との係合に基づき、互いに近づく方向である径方向内方に(図4の上側に位置する係合子9を下方に、図4の下側に位置する係合子9を上方に)それぞれ移動させる。この結果、押圧面14と被押圧面13との間に隙間が形成されるため、入力部材7に入力された回転トルクは、出力部材8に伝達されない。換言すれば、入力部材7と1対の係合子9とガイド10とは、X方向に同期して回転するが、出力部材8は静止したままになる。
最後に、出力部材8に回転トルクが逆入力された場合を説明する。
出力部材8と係合子9とは、入力部材7と係合子9とのように機械的に係合していないため、出力部材8が回転した場合にも、この出力部材8の回転方向にかかわらず、係合子9に、被押圧面13に近づく方向の力が作用することはない。このため、図5に示すように、出力部材8に回転トルクが逆入力されても、この回転トルクは、入力部材7に伝達されない。換言すれば、出力部材8は、出力側機構から逆入力された回転トルクに対応した方向に空転し、入力部材7と1対の係合子9とガイド10とは、静止したままになる。
以上の構成を有し、上述のように動作する本例の一方向クラッチ1aによれば、入力部材7の一方向の回転のみを出力部材8に伝達することができ、かつ、出力部材8の回転方向にかかわらず、この出力部材8の回転が、入力部材7に伝達されることを防止できる。
すなわち、本例では、入力部材7の回転方向に応じて、係合子9の径方向に関する移動方向を変更可能としているため、入力部材7の一方向の回転のみを、出力部材8に伝達することができる。さらに、係合子9を、入力部材7との係合のみに基づいて、被押圧面13に対する遠近移動である径方向に関する移動を可能としており、出力部材8の回転によっては、係合子9を径方向に移動させられないため、出力部材8の回転方向にかかわらず、この出力部材8の回転が、入力部材7に伝達されることを防止できる。
また、本例の一方向クラッチ1aは、入力部材7の回転方向に応じて、係合子9の径方向に関する移動方向を変更できるため、入力部材7から出力部材8に回転トルクを伝達する状態と、入力部材7から出力部材8に回転トルクを伝達させない状態とを、部品点数の少ない簡易な構成により実現できる。
また、本例では、ガイド10により1対の係合子9の幅方向に関する相対変位を制限しているため、入力係合凸部12から係合子9に作用する力にかかわらず、1対の係合子9を幅方向に相対移動させずにすむ。したがって、1対の係合子9のそれぞれの姿勢を安定させることができ、かつ、1対の係合子9を、正確にかつスムーズに径方向に移動させることができる。
[実施の形態の第2例]
実施の形態の第2例について、図6を用いて説明する。本例の特徴は、入力部材7に回転トルクが入力されていない状態で、1対の係合子9の押圧面14を、出力部材8の被押圧面13から確実に離隔させる点にある。このために本例では、係合子9の幅方向両側の平坦面16に、ピン状の係止部材19をそれぞれ設けている。また、1対の係合子9の幅方向両側に、コイルばね状の1対の弾性部材20を、1対の係合子9の径方向に伸長するように配置している。具体的には、弾性部材20を弾性的に伸長させた状態で、弾性部材20のそれぞれの端部を、1対の係合子9のそれぞれの係止部材19に係止している。これにより、1対の係合子9に、被押圧面13から離れる方向である径方向内方に向いた弾力を付与している。
以上のような構成を有する本例では、1対の弾性部材20により、1対の係合子9が被押圧面13から離れる方向に付勢されているため、入力部材7にX方向の回転トルクが入力されない限り、押圧面14と被押圧面13との間に隙間が存在したままになる。このため、出力部材8に回転トルクが逆入力された際に、この出力部材8の回転が、係合子9を介して入力部材7に伝達されることを有効に防止できる。その他の構成および作用効果については、実施の形態の第1例と同様である。
[実施の形態の第3例]
実施の形態の第3例について、図7を用いて説明する。本例の特徴は、1対の係合子9a、9bのそれぞれの姿勢を安定させ、係合子9a、9bの径方向移動を正確に行わせる点にある。このために、本例では、一方(図7の上方)の係合子9aの底面15の幅方向中央部に、他方の係合子9bに向けて伸長した突起部21を設けている。これに対し、他方(図7の下方)の係合子9bの底面15の幅方向中央部に凹部22を設けている。そして、1対の係合子9a、9bを出力部材8の径方向内側に配置した状態で、突起部21を、凹部22の内側にがたつきなく配置している。これにより、入力部材7の入力係合凸部12から係合子9a、9bに作用する力にかかわらず、これら係合子9a、9bが幅方向に相対変位することを防止している。
本例では、実施の形態の第1例のように、別途ガイドを設ける必要がないため、部品点数の削減によるコスト低減を図れ、かつ、ガイドの組み付け忘れを防止できる。その他の構成および作用効果については、実施の形態の第1例と同様である。
一方向クラッチは、自転車の駆動部に好ましく適用できるほか、その他の各種機械の動力伝達装置に好ましく適用できる。
一方向クラッチを構成する係合子の数は、実施の形態の各例で示した2個に限らず、1個でもよいし、3個以上としてもよい。たとえば3個の係合子を備える場合には、前記3個の係合子のそれぞれを、中心角が約120°の扇形に構成することができ、4個の係合子を備える場合には、前記4個の係合子のそれぞれを、中心角が約90°の扇形に構成することができる。また、入力部材と係合子との係合構造に関しても、実施の形態の各例で示した構造に限定されない。入力部材の回転を係合子の径方向移動に変換可能であれば、従来から知られた各種構造を採用できる。また、出力部材は、入力係合凸部の径方向外側に配置する構造に限らず、入力係合凸部の径方向内側に配置する構造を採用しても良い。この場合には、出力部材の外周面である円筒面状の凸面を被押圧面とし、係合子の押圧面を円筒面状の凹面とする。また、被押圧面に対する係合子の遠近移動を案内するためのガイドの数および構造に関しても、実施の形態の第1例および第2例で示した構造に限定されない。たとえば、断面U字形のガイドを2つ使用し、これら2つガイドにより、1対の係合子の径方向内端部を幅方向両側から挟み込む構造を採用することもできる。また、係合子を被押圧面から離れる方向に付勢するための弾性部材として、コイル状のばね以外に、板ばねやゴムなどを使用してもよい。
1、1a 一方向クラッチ
2 内方部材
3 外方部材
4 スプラグ
5 保持器
6 付勢ばね
7 入力部材
8 出力部材
9、9a、9b 係合子
10 ガイド
11 入力軸部
12 入力係合凸部
13 被押圧面
14 押圧面
15 底面
16 平坦面
17 入力係合孔
18 案内スリット
19 係止部材
20 弾性部材
21 突起部
22 凹部

Claims (5)

  1. 入力部材と、
    該入力部材と同軸に配置され、その周面に被押圧面を有する出力部材と、
    前記被押圧面に対向する押圧面を有し、前記入力部材に所定方向の回転トルクが入力された場合には、前記入力部材との係合に基づいて前記被押圧面に近づく方向に移動し、前記押圧面を前記被押圧面に押し付けて前記出力部材に回転トルクを伝達し、かつ、前記入力部材に前記所定方向とは反対方向の回転トルクが入力された場合には、前記入力部材との係合に基づいて前記被押圧面から離れる方向に移動し、前記押圧面を前記被押圧面から離隔させて前記出力部材に回転トルクを伝達せず、かつ、前記出力部材に回転トルクが逆入力された場合には、前記出力部材の回転方向にかかわらず、前記被押圧面に近づく方向には移動せず、前記入力部材に回転トルクを伝達しない、係合子と、
    を備えた一方向クラッチ。
  2. 前記被押圧面が円筒面状の凹面であり、前記押圧面が円筒面状の凸面である、請求項1に記載した一方向クラッチ。
  3. 前記係合子が前記出力部材の径方向内側に複数備えられている、請求項1〜2のうちの何れか1項に記載した一方向クラッチ。
  4. 前記被押圧面に対する前記係合子の遠近移動を案内するためのガイドが備えられている、請求項1〜3のうちの何れか1項に記載した一方向クラッチ。
  5. 前記係合子が前記被押圧面から離れる方向に付勢されている、請求項1〜4のうちの何れか1項に記載した一方向クラッチ。
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