JP2017109698A - 車両用クラッチユニット - Google Patents
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Abstract
【解決手段】クラッチ機構は、操作レバーに入力されるトルクにより出力軸部材30が回転することを許可する入力側クラッチ50と、シートリフタ41に入力されるトルクにより出力軸部材30が回転することを規制する出力側クラッチ60とを備え、操作レバー21に対してクラッチ機構の反対側に位置する出力軸部材30の入力側の端部に圧入され、クラッチ機構が出力軸部材30から抜け出ることを規制するストッパリング36を有し、出力軸部材30の入力側の端部には段部34aが設けられており、ストッパリング36は段部34aに当接している。
【選択図】図3
Description
ところで、クラッチユニットにおいて、円滑な動作を確保するためには、ワッシャがレバー側クラッチ部やブレーキ側クラッチ部などの部品と接触しない位置で出力軸に圧入して固定する必要があるが、出力軸部材の特定の位置にワッシャを圧入することは困難であった。
車両用シートに用いられる車両用クラッチユニットであって、
操作レバーと、
前記操作レバーに連結される操作レバー連結部と、
軸方向に延び、前記軸方向の一方に操作レバー連結部が相対回転可能に連結され、前記軸方向の他方に車両用シートの変位装置に連結部を介して連結される出力軸部材と、
前記操作レバー連結部と前記出力軸部材の連結部との間に少なくとも一部が位置し、前記出力軸部材が挿入されたクラッチ機構と、を有し、
前記クラッチ機構は、前記操作レバーに入力されるトルクにより前記出力軸部材が回転することを許可し、前記変位装置に入力されるトルクにより前記出力軸部材が回転することを規制し、
前記操作レバー連結部が、前記軸方向について、前記クラッチ機構と前記出力軸部材の軸方向の一方の端部との間に位置しており、
前記出力軸部材の前記軸方向の前記一方の端部に、前記クラッチ機構が前記出力軸部材から抜け出ることを規制する圧入部材が圧入されており、
前記出力軸部材の前記一方の端部には段部が設けられており、前記圧入部材は前記段部に当接している。
また、同径穴の場合と比較した場合に段部周辺への応力集中が緩和される。
第一リンク部材41cの上部と第二リンク部材41dの上部はそれぞれ、シートフレーム40cにそれぞれ軸部材41c1,41d1で回転自在に連結されている。第一リンク部材41cの下部と第二リンク部材41dの下部は、それぞれシートスライドアジャスタ41bのスライド可動部材41b1にそれぞれ軸部材41c2,41d2で回転自在に連結されている。
第三リンク部材41eの一端は、軸部材41c1より上方で第一リンク部材41cと軸部材41e1により連結されている。第三リンク部材41eの他端は、セクターギヤ41fと軸部材41e2で回転自在に連結されている。
また、操作レバー21を時計方向(下側)に回転操作した場合は、上記とは逆の動作によって、着座シート40aの座面が低くなる。また、高さ調整後に操作レバー21を開放すると、操作レバー21が反時計方向に回転して元の位置(中立位置、中立状態)に戻る。
そして、操作レバー21を開放した状態では、車両用クラッチユニット100が出力軸部材30(ピニオンギヤ31)の回転にブレーキを掛け、着座シート40aに上下方向の力が加わってもその移動を阻止している。
次に、本実施形態に係る車両用クラッチユニット100を説明する。以下に説明するクラッチユニット100の構成部品は、特に断らない限り基本的に金属製である。
一方の固定フランジ11cに、バネ係止片24aを有するバネ係止部24が固定されている。バネ係止部24は、ハウジング11の固定フランジ11cに固定されている。バネ係止片24aは筒状部11bに沿って軸方向に延びている。
操作板22は、操作者が操作レバー21の把持部21bを把持して操作レバー21を正逆に回転操作すると、操作レバー21と一体に正逆に回転する。操作板22は、軸方向について、ハウジング11と操作レバー21の間に設けられている。操作板22は、操作レバー21に固定されている。操作板22はハウジング11に回転可能に支持されている。
図4の(a)に示すように、操作者が操作レバー21に操作力を加えない状態(中立状態)では、操作レバー21は、戻しばね23の一対の自由端部23aが共にバネ係止片24a及び操作片部22dに当接する中立位置に支持されている。
図2および図3に戻り、入力側クラッチ50は、入力側内輪部材51と、入力側外輪部材52と、操作ブラケット54と、入力側クラッチコロ(入力側伝達部材)55と、入力側コロ付勢バネ56とを備えている。
図2および図3に戻り、出力側クラッチ60は、出力側内輪部材61と、出力側外輪部材62と、解除ブラケット(回転伝達部)64と、出力側クラッチコロ(出力側伝達部材)65と、出力側コロ付勢バネ(弾性部材)66とを備えている。
出力側外輪部材62の外周縁には、2か所にテーパ部62dが設けられている。ハウジング11に設けられたかしめ部11fを径方向内側に折り曲げてこの出力側外輪部材62の外周縁にかしめることにより、出力側外輪部材62はハウジング11に対して回転不能に固定されている。
図4の(a)に示すように、車両用クラッチユニット100は、中立状態において、戻しばね23の一対の自由端部23aがバネ係止片24a及び操作片部22dに当接されている。
そして、操作板22の規制片部22eが、バネ係止片24aに当接している他方の自由端部23aに当接すると、操作レバー21の回転が規制される。この操作レバー21の回転が規制された状態が操作レバー21の最大操作状態となる。つまり、操作レバー21は、中立状態から最大操作状態までの回転角度が最大操作角αmaxとなるまでの範囲で回転可能とされている。また、操作レバー21が回転されることで、戻しばね23が撓んで中立位置へ戻す方向へ復帰力が作用した状態となる。
図5の(a)は、中立状態における出力側クラッチ60を示している。図5の(a)に示すように、中立状態において、出力側クラッチ60では、出力側クラッチコロ65が出力側コロ付勢バネ66によって楔カム部61cの頂部へ向かって付勢されている。これにより、出力側クラッチコロ65が、楔カム部61cと外輪部62bの内周面との間の楔状の隙間に食い込んでいる。
第二出力側クラッチコロ65bが位置している隙間は、時計方向に向かって先細りの楔形状である。第二出力側クラッチコロ65bは出力側コロ付勢バネ66によって時計方向に付勢されている。このため、第二出力側クラッチコロ65bは時計方向に出力側内輪部材61と出力側外輪部材62とに食い込んでいる。
出力側外輪部材62はハウジング11に対して移動不可能であり、かつ、第一出力側クラッチコロ65aおよび第二出力側クラッチコロ65bが出力側内輪部材61と出力側外輪部材62の両者に反時計方向および時計方向に食い込んでいるので、出力側内輪部材61および出力側外輪部材62は回転できない。この結果、出力側内輪部材61にスプライン結合されている出力軸部材30も回転できない。
図6は、操作レバー21を中立位置から微小角度α1だけ反時計方向に回転させた状態を示す図である。図6の(a)は出力側クラッチ60を示し、図6の(b)は入力側クラッチ50を示す。
図6の(b)に示すように、中立位置から操作レバー21が反時計方向に角度α1だけ回転されると、その回転が、操作板22及び操作ブラケット54を介して入力側内輪部材51に伝達される。すると、この入力側内輪部材51が操作レバー21とともに角度α1だけ回転され、入力側クラッチコロ55を介して入力側外輪部材52が入力側内輪部材51とともに回転される。
なお、図6の(a)に示した状態では、解除ブラケット64の第二係合孔64bの内周面が出力側内輪部材61の突起部61bに当接していない。このため、出力側内輪部材61や出力側外輪部材62には入力側外輪部材52からの回転が伝達されず、出力側内輪部材61や出力側外輪部材62は回転しない。
図7は、図6の状態からさらに反時計方向へ操作レバー21を回転させた状態を示す図である。図7の(a)は出力側クラッチ60を示し、図7の(b)は入力側クラッチ50を示す。
図7(b)に示すように、操作レバー21が反時計方向にさらに回転されると、入力側内輪部材51及び入力側外輪部材52が回転されて入力側内輪部材51及び入力側外輪部材52の回転角度がα2(α2>α1)になる。
図8は、図7の状態からさらに反時計方向へ操作レバー21を回転させた状態を示す図である。図8の(a)は出力側クラッチ60を示し、図8の(b)は入力側クラッチ50を示す。
図8の(b)に示すように、操作レバー21が反時計方向へさらに回転されると、入力側内輪部材51及び入力側外輪部材52が回転されて入力側内輪部材51及び入力側外輪部材52の回転角度がα3(α3>α2)となる。
図9は、最大操作角αmaxまで反時計方向へ操作レバー21を回転させた状態を示す図である。図9の(a)は出力側クラッチ60を示し、図9の(b)は入力側クラッチ50を示す。
操作レバー21が最大操作角αmaxに達するまで回転されると、車両用クラッチユニット100は、最大回転状態となる。この状態において、操作板22の規制片部22eが、バネ係止片24aに当接している他方の自由端部23aに当接し、操作レバー21の回転が規制される(図4(b)参照)。
操作レバー21による一度の回転操作が終了し、操作者が操作レバー21に付与していた回転力を解除すると、撓んでいる戻しバネ23による復帰力で操作レバー21が初期の中立位置へ向かって時計回りに回転される。すると、入力側クラッチ50では、操作レバー21が反時計回りに回転されることで、操作板22及び操作ブラケット54を介して入力側内輪部材51が反時計方向へ回転される。
また、本実施形態に係る車両用クラッチユニット100によれば、操作レバー21を回転させるとすぐに入力側クラッチ50の入力側内輪部材51の回転が入力側外輪部材52に伝達されるので、出力軸部材30の応答性が高められている。
ところで、図3に示したように、操作板(操作レバー連結部)22は、出力軸部材30の軸方向について、ハウジング11に収容された入力側クラッチ50および出力側クラッチ60からなるクラッチ機構と、出力軸部材30の軸方向の一方の端部(入力側端部)との間に位置している。また、この出力軸部材30の軸方向の入力側端部には、ストッパリング(圧入部材)36が圧入されている。出力軸部材30の軸方向の入力側端部には、小径円柱部34よりも小径の小径部34bが設けられている。小径円柱部34と小径部34bとの間に段部34aが形成されている。
Claims (4)
- 車両用シートに用いられる車両用クラッチユニットであって、
操作レバーと、
前記操作レバーに連結される操作レバー連結部と、
軸方向に延び、前記軸方向の一方に前記操作レバー連結部が相対回転可能に連結され、前記軸方向の他方に車両用シートの変位装置に連結部を介して連結される出力軸部材と、
前記操作レバー連結部と前記出力軸部材の連結部との間に少なくとも一部が位置し、前記出力軸部材が挿入されたクラッチ機構と、を有し、
前記クラッチ機構は、前記操作レバーに入力されるトルクにより前記出力軸部材が回転することを許可し、前記変位装置に入力されるトルクにより前記出力軸部材が回転することを規制し、
前記操作レバー連結部が、前記クラッチ機構と前記出力軸部材の前記軸方向の一方の端部との間に位置しており、
前記出力軸部材の前記軸方向の前記一方の端部に、前記クラッチ機構が前記出力軸部材から抜け出ることを規制する圧入部材が圧入されており、
前記出力軸部材の前記一方の端部には段部が設けられており、前記圧入部材は前記段部に当接している、車両用クラッチユニット。 - 前記出力軸部材の前記一方の端部に軸方向に延びる穴が開口している、請求項1に記載の車両用クラッチユニット。
- 前記穴は前記段部よりも前記出力軸部材の他方の端部側に延びている、請求項2に記載の車両用クラッチユニット。
- 前記出力軸部材の前記軸方向に沿った断面において、前記穴は、前記出力軸部材の外周縁に沿った形状である、請求項2または3に記載の車両用クラッチユニット。
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