JP4816260B2 - 半導体発光素子の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体発光素子及びその製造方法に関する。
分布帰還型の半導体レーザ(以下「DFBレーザ」という。)を製造する際には、基板上に活性層を形成した後、その活性層をドライエッチングして周期的な凹部を形成している(例えば特許文献1参照)。その後、この凹部内に埋込層を形成する。
特開2004−55797号公報
しかしながら、半導体発光素子を製造する際に活性層をドライエッチングすると、ドライエッチングにより活性層がダメージを受ける。その結果、活性層に結晶欠陥が生じるので、結晶欠陥に起因する非発光再結合によって半導体発光素子の発光効率が低下し、さらに、レーザ素子の場合は、閾値電流の上昇を引き起こす。
さらに本発明者は、アルミニウム(Al)を含む活性層を用いると、半導体発光素子を製造する際に空気中の酸素によりAlが酸化してしまうことを見出した。
本発明は、上記事情に鑑みて為されたものであり、活性層が受けるダメージを低減すると共に活性層に含まれるAlの酸化を防止できる半導体発光素子の製造方法、及び活性層に含まれるAlの酸化が防止された半導体発光素子を提供することを目的とする。
上述の課題を解決するため、本発明の半導体発光素子の製造方法は、分布帰還型の半導体発光素子の製造方法であって、III−V族化合物半導体基板上にIII−V族化合物半導体層を形成する工程と、前記III−V族化合物半導体層上にエッチングマスクを形成する工程と、前記エッチングマスクを用いて前記III−V族化合物半導体層をドライエッチングすることによって、複数の周期的な凹部を有する第1の回折格子領域を形成する工程と、前記エッチングマスクを用いて、AlGaInAsを含む活性層を前記第1の回折格子領域の前記凹部内に埋め込む工程と、前記活性層上にIII−V族化合物半導体からなる酸化防止層を形成する工程とを含む。
本発明の半導体発光素子の製造方法では、活性層をドライエッチングする必要がないので、活性層が受けるダメージを低減できる。また、酸化防止層を形成することにより、AlGaInAsを含む活性層の酸化を防止することができる。
また、前記半導体発光素子の一端には、前記活性層からの光を出射するための窓部が設けられており、前記第1の回折格子領域を形成する工程では、前記III−V族化合物半導体層から前記窓部を形成することが好ましい。この場合、凹部と窓部とを一括して作製することができる。
また、前記半導体発光素子の他端には、前記活性層からの光を反射するためのDBR部が設けられており、前記第1の回折格子領域を形成する工程では、前記III−V族化合物半導体層をドライエッチングすることによって、前記第1の回折格子領域の前記凹部よりも幅が狭い複数の周期的な凹部を有する第2の回折格子領域を形成し、前記活性層を埋め込む工程では、前記第2の回折格子領域の前記凹部内にAlGaInAsを含む半導体層を埋め込むことにより、前記DBR部を形成することが好ましい。この場合、活性層とDBR部とを一括して作製することができる。
本発明の半導体発光素子は、分布帰還型の半導体発光素子であって、III−V族化合物半導体基板上に設けられ、所定の方向に沿って交互に配列された活性層及びIII−V族化合物半導体層と、前記活性層上に設けられ、III−V族化合物半導体からなる酸化防止層とを備え、前記活性層はAlGaInAsを含み、前記活性層及び前記III−V族化合物半導体層は、回折格子を形成している。
本発明の半導体発光素子では、酸化防止層により活性層に含まれるAlGaInAsの酸化を防止することができる。
本発明によれば、活性層が受けるダメージを低減すると共に活性層に含まれるAlの酸化を防止できる半導体発光素子の製造方法、及び活性層に含まれるAlの酸化が防止された半導体発光素子が提供される。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において、同一又は同等の要素には同一符号を用い、重複する説明を省略する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る半導体発光素子を模式的に示す斜視断面図である。図1に示される半導体発光素子10は、DFBレーザ(分布帰還型の半導体レーザ)である。図1には、xyz空間座標系が示されている。半導体発光素子10からのレーザ光Lは、y軸方向に出射される。
半導体発光素子10は、第1導電型(例えばn型)のIII−V族化合物半導体基板12と、III−V族化合物半導体基板12上に設けられたメサ部mに含まれる活性層18と、活性層18上に設けられた第2導電型(例えばp型)のIII−V族化合物半導体層26とを備える。III−V族化合物半導体基板12及びIII−V族化合物半導体層26は、例えばInPからなる。III−V族化合物半導体基板12はクラッド層を含む。このクラッド層のドーパント濃度は、例えば1×1018cm−3である。III−V族化合物半導体層26はクラッド層として機能する。III−V族化合物半導体層26のドーパント濃度は、例えば1×1018cm−3である。メサ部mの高さ方向はz軸方向である。メサ部mは、y軸方向に沿って延びている。
III−V族化合物半導体基板12と活性層18との間には、III−V族化合物半導体からなる光閉じ込め層14が設けられていることが好ましい。また、活性層18とIII−V族化合物半導体層26との間には、III−V族化合物半導体からなる光閉じ込め層24が設けられていることが好ましい。光閉じ込め層14,24は、メサ部mに含まれる。光閉じ込め層14,24は、例えばGaInAsPからなる。光閉じ込め層14,24のドーパント濃度は、例えば5×1017cm−3である。光閉じ込め層14,24により、活性層18中に光を閉じ込めることができる。
光閉じ込め層14,24間には、III−V族化合物半導体層16が設けられている。III−V族化合物半導体層16は、メサ部mに含まれる。活性層18とIII−V族化合物半導体層16とは、y軸方向(所定の方向)に沿って交互に配列されている。活性層18とIII−V族化合物半導体層16とは、回折格子を形成している。活性層18中に光を閉じ込める観点から、活性層18の屈折率は、III−V族化合物半導体層16の屈折率よりも大きいことが好ましい。III−V族化合物半導体層16は、例えばi−GaInAsP又はi−InPからなる。活性層18はAlGaInAsを含む。
また、活性層18と光閉じ込め層24との間には、III−V族化合物半導体からなる酸化防止層23が設けられている。酸化防止層23は、メサ部mに含まれる。酸化防止層23は、例えばi−GaInAsPからなる。
y軸方向における半導体発光素子10の一端(出射端)10aには、活性層18からのレーザ光Lを出射するための窓部15が設けられていることが好ましい。これにより、半導体発光素子10の端面が劣化することを抑制できる。また、不純物イオン注入等を用いることなく窓部15を形成することができるので、内部損失の増加に起因した閾値電流の上昇や外部微分量子効率の低下等を抑制することができる。窓部15は、光閉じ込め層14,24間において回折格子に隣接配置され、例えばIII−V族化合物半導体層16と同様の材料から構成される。y軸方向における半導体発光素子10の他端10bには、反射鏡損失を低減するために、レーザ光Lを反射するための反射膜がコーティングされていることが好ましい。
III−V族化合物半導体層26上には、例えばコンタクト層28が設けられている。コンタクト層28は、例えばGaInAsからなる。コンタクト層28のドーパント濃度は、例えば1×1019cm−3である。コンタクト層28上には、例えば、開口34aが形成された絶縁膜34を介して電極30が設けられている。開口34aは、メサ部m上に配置されている。電極30はコンタクト層28にオーミック接触している。III−V族化合物半導体基板12の裏面12a上には、例えば電極32が設けられている。
III−V族化合物半導体基板12とIII−V族化合物半導体層26との間には、電流狭窄構造を形成するために、メサ部mの側面maを覆う埋め込み領域36が設けられていることが好ましい。埋め込み領域36は、III−V族化合物半導体基板12上に設けられた第2導電型のIII−V族化合物半導体層38と、III−V族化合物半導体層38上に設けられた第1導電型のIII−V族化合物半導体層40と、III−V族化合物半導体層40上に設けられた第2導電型のIII−V族化合物半導体層42とを備える。
図2は、図1に示される領域Aの拡大図である。図2に示されるように、活性層18は、例えば、互いに異なるバンドギャップエネルギーを有する井戸層20と障壁層22とがz軸方向に交互に積層された構造を有する。井戸層20及び障壁層22としては、例えば、互いに組成の異なるi−AlGaInAs層を用いることができる。また、井戸層20としてi−AlGaInAs層を用い、障壁層22としてi−GaInAsP層を用いることができる。活性層18は、量子井戸構造、量子細線構造又は量子箱構造を有することが好ましい。活性層18が量子井戸構造を有する場合、井戸層20及び障壁層22の積層数を増加させることによって、活性層18の厚さを大きくすることができる。また、活性層18が量子細線構造又は量子箱構造を有する場合、低閾値電流、高効率、低波長チャープ動作等の優れた特性を有する半導体発光素子10が得られる。
本実施形態の半導体発光素子10では、酸化防止層23により活性層18に含まれるAlGaInAsの酸化を防止することができる。その結果、半導体発光素子10の特性及び信頼性の酸化に起因する劣化を抑制できる。
図3〜図5は、第1実施形態に係る半導体発光素子の製造方法の各工程を模式的に示す断面図である。この製造方法により、上述の半導体発光素子10が好適に製造される。以下、半導体発光素子10の製造方法の各工程について説明する。
(III−V族化合物半導体層形成工程)
まず、図3(a)に示されるように、III−V族化合物半導体基板12上にIII−V族化合物半導体層16aを形成する。III−V族化合物半導体基板12は、例えば半導体基板上にクラッド層を形成することによって得られる。III−V族化合物半導体層16aを形成する前に、必要に応じてIII−V族化合物半導体基板12上に光閉じ込め層14を形成してもよい。III−V族化合物半導体層16a及び光閉じ込め層14は、例えば有機金属気相成長法(OMVPE法)等の気相成長法を用いて形成される。III−V族化合物半導体層16a及び光閉じ込め層14の成長温度は例えば650℃である。
(エッチングマスク形成工程)
次に、図3(b)に示されるように、III−V族化合物半導体層16a上にエッチングマスクMを形成する。エッチングマスクMは、例えばシリコン酸化物からなる。エッチングマスクMは、リソグラフィー法を用いてパターニングされることが好ましい。この場合、エッチングマスクMのパターン形状を自由に設計できる。エッチングマスクMは、例えば以下のように形成される。まず、CVD法を用いてIII−V族化合物半導体層16a上にSiO膜を形成する。SiO膜の厚さは、例えば15〜20nmである。続いて、そのSiO膜上にレジスト膜を形成し、レジスト膜に電子ビーム露光を施す。一実施例において、レジスト膜は電子ビーム露光用レジスト(ZEP520)にC60を混合したものからなり、レジスト膜の厚さは60nmである。さらに、露光されたレジスト膜を現像し、CFガスを用いてSiO膜をドライエッチングした後、Oアッシングによりレジスト膜を剥離除去する。
(ドライエッチング工程)
次に、図4(a)に示されるように、エッチングマスクMを用いてIII−V族化合物半導体層16aをドライエッチングする。これにより、複数の周期的な凹部44を有する第1の回折格子領域G1が形成される。隣り合う凹部44,44間には、III−V族化合物半導体層16が形成される。III−V族化合物半導体層16aは、例えばプラズマを用いて反応性イオンエッチング(RIE)によりドライエッチングされる。
III−V族化合物半導体層16aがIII族元素としてインジウムを含むと共にV族元素としてリンを含む場合、メタン及び水素を含むガスを用いてIII−V族化合物半導体層16aをドライエッチングすることが好ましい。これにより、凹部44の側壁の垂直性を向上させることができる。また、III−V族化合物半導体層16aがドライエッチングにより受けるダメージを抑制することができる。
水素のガス流量は、メタンのガス流量の3〜5倍であることが好ましい。一実施例において、ドライエッチングの条件は以下の通りである。
・メタンのガス流量:10sccm
・水素のガス流量:40sccm
・チャンバ圧力:6.5Pa
・RFパワー:100W
また、ドライエッチングの後、必要に応じてOアッシングを行うことが好ましい。これにより、メタンから生成されたポリマーを除去することができる。一実施例において、Oアッシングの条件は以下の通りである。
・酸素のガス流量:30sccm
・チャンバ圧力:10Pa
・RFパワー:50W
凹部44の幅Waは、90〜100nmであることが好ましい。凹部44は回折格子を形成するので、半導体発光素子10からシングルモードのレーザ光Lを出射させることができる。凹部44は、例えば、所定のピッチΛで周期的に形成される。ピッチΛはブラッグ周期に対応する。ピッチΛは、凹部44の幅WaとIII−V族化合物半導体層16の幅Wgとの和に相当する。半導体発光素子10の発振波長が例えば1.3μmの場合、ピッチΛは、200nmであることが好ましい。半導体発光素子10の発振波長が例えば1.55μmの場合、ピッチΛは、240nmであることが好ましい。凹部44の深さdは、例えばIII−V族化合物半導体層16aの厚さと同じである。深さdは、活性層18の厚さを大きくする観点から、40nm以上であることが好ましい。
また、ドライエッチング工程では、エッチングマスクMを用いてIII−V族化合物半導体層16aをドライエッチングすることにより、III−V族化合物半導体層16aから窓部15を形成することが好ましい。この場合、ドライエッチング工程において凹部44と窓部15とを一括して作製することができるので、半導体発光素子10の製造工程を短縮できると共に製造コストを低減できる。
(ウェットエッチング工程)
次に、エッチングマスクMを用いて凹部44をウェットエッチングすることが好ましい。これにより、凹部44のエッジ形状が滑らかになるので、活性層18を埋め込む際に活性層18の表面の平坦性を向上させることができる。また、III−V族化合物半導体層16aがドライエッチングにより受けたダメージを除去することができる。例えば、III−V族化合物半導体層16をエッチャントに浸漬させることにより凹部44をウェットエッチングすることができる。エッチャントは、III−V族化合物半導体層16がGaInAsPの場合は硫酸を含むことが好ましく、III−V族化合物半導体層16がInPの場合は塩酸を含むことが好ましい。また、エッチャントをIII−V族化合物半導体層16にスプレーしてもよい。
(埋め込み工程)
次に、図4(b)に示されるように、エッチングマスクMを用いてAlGaInAsを含む活性層18を凹部44内に埋め込む。活性層18は、例えば、障壁層22を形成する工程と井戸層20を形成する工程とを交互に実施することによって形成される。活性層18は、例えば有機金属気相成長法(OMVPE法)等の気相成長法を用いて形成される。活性層18を毎時200〜500nmの成膜速度で凹部44内に埋め込むことが好ましい。一実施例において、活性層18の成膜速度は毎時250nmであり、成長温度は700℃である。
活性層18の成膜速度が毎時200nm以上であると、成膜速度が毎時200nm未満の場合に比べて活性層18中に混入する異物の濃度を低減することができる。また、成膜速度が毎時500nm以下であると、成膜速度が毎時500nmを超える場合に比べて活性層18の表面の平坦性を向上させることができる。
また、エッチングマスクMを用いて活性層18を凹部44内に埋め込むので、III−V族化合物半導体層16上に活性層18が形成されない。さらに、活性層18と光閉じ込め層24との間に、キャリヤの注入を阻害するような半導体層が形成されない。また、III−V族化合物半導体基板12としてn型半導体基板及びp型半導体基板のいずれでも好適に用いることができる。
(酸化防止層形成工程)
次に、図5に示されるように、活性層18上にIII−V族化合物半導体からなる酸化防止層23を形成する。これにより、AlGaInAsを含む活性層18の酸化を防止することができる。酸化防止層23は、例えば、エッチングマスクMを用いて凹部44内に埋め込まれる。酸化防止層23は、例えば有機金属気相成長法(OMVPE法)等の気相成長法を用いて形成される。
(成膜工程)
エッチングマスクMを剥離除去した後、図2に示されるように、酸化防止層23及びIII−V族化合物半導体層16上に光閉じ込め層24、III−V族化合物半導体層26及びコンタクト層28をこの順に形成する。エッチングマスクMは、例えばバッファードフッ酸により剥離除去される。光閉じ込め層24、III−V族化合物半導体層26及びコンタクト層28は、例えば有機金属気相成長法(OMVPE法)等の気相成長法を用いて形成される。成長温度は例えば650℃である。
(電極形成工程)
次に、図2に示されるように、コンタクト層28上に電極30を形成し、III−V族化合物半導体基板12の裏面12a上に電極32を形成する。
上記各工程を経ることによって、半導体発光素子10を製造することができる。本実施形態の半導体発光素子の製造方法では活性層18を凹部44内に埋め込むので、ドライエッチングによる活性層18の加工が必要ない。よって、活性層18が受けるダメージを低減できるので、非発光再結合による悪影響を低減できる。したがって、低電流、及び発光効率の高い半導体発光素子10が得られる。また、III−V族化合物半導体層16aがノンドープの場合、非発光再結合は更に抑制され、さらに、不純物に起因した内部損失の上昇が生じない。また、酸化防止層23を形成することにより、半導体発光素子10を製造する際に、活性層18の酸化を防止することができる。
(第2実施形態)
図6は、第2実施形態に係る半導体発光素子を模式的に示す断面図である。図6に示される半導体発光素子110は、DFBレーザ(分布帰還型の半導体レーザ)である。図6には、xyz空間座標系が示されている。半導体発光素子110からのレーザ光100Lは、y軸方向に出射される。
半導体発光素子110は、半導体発光素子10と同様に、III−V族化合物半導体基板12、光閉じ込め層14,24、III−V族化合物半導体層16、活性層18、酸化防止層23、III−V族化合物半導体層26、コンタクト層28及び電極30,32を備える。
y軸方向における半導体発光素子110の一端110aには、活性層18からのレーザ光100Lを出射するための窓部15が設けられていることが好ましい。y軸方向における半導体発光素子110の他端110bには、活性層18からのレーザ光100Lを反射するためのDBR部(分布ブラッグ反射器)17が設けられていることが好ましい。DBR部17により、半導体発光素子110の他端110bに反射膜をコーティングする必要がなくなる。
DBR部17は、y軸方向に沿って交互に配列された半導体層18a及びIII−V族化合物半導体層19を含む。半導体層18aは、例えば、互いに異なるバンドギャップエネルギーを有する井戸層20aと障壁層22aとがz軸方向に交互に積層された構造を有する。半導体層18aは、AlGaInAsを含む。半導体層18aは、例えば量子細線構造を有する。III−V族化合物半導体層19は、光閉じ込め層14,24間において回折格子に隣接配置され、例えばIII−V族化合物半導体層16と同様の材料から構成される。
半導体層18aと光閉じ込め層24との間には、酸化防止層23aが設けられていることが好ましい。酸化防止層23aにより、半導体層18aに含まれるAlGaInAsの酸化を防止することができる。酸化防止層23aは、例えば酸化防止層23と同様の材料から構成される。
本実施形態の半導体発光素子110では、酸化防止層23により活性層18に含まれるAlGaInAsの酸化を防止することができる。また、DBR部17によって反射鏡損失を低減することができるので、半導体発光素子110の閾値電流を低下させると共に、レーザ光100Lの発光効率を向上させることができる。
図7〜図11は、第2実施形態に係る半導体発光素子の製造方法の各工程を模式的に示す断面図である。この製造方法により、上述の半導体発光素子110が好適に製造される。以下、半導体発光素子110の製造方法の各工程について説明する。
(III−V族化合物半導体層形成工程)
まず、図7に示されるように、III−V族化合物半導体基板12上にIII−V族化合物半導体層16aを形成する。III−V族化合物半導体層16aを形成する前に、必要に応じてIII−V族化合物半導体基板12上に光閉じ込め層14を形成してもよい。
(エッチングマスク形成工程)
次に、図8に示されるように、III−V族化合物半導体層16a上にエッチングマスクMを形成する。
(ドライエッチング工程)
次に、図9に示されるように、エッチングマスクMを用いてIII−V族化合物半導体層16aをドライエッチングする。これにより、複数の周期的な凹部44を有する回折格子領域G1が形成される。
また、ドライエッチング工程では、エッチングマスクMを用いてIII−V族化合物半導体層16aをドライエッチングすることにより、III−V族化合物半導体層16aから窓部15を形成することが好ましい。この場合、ドライエッチング工程において凹部44と窓部15とを一括して作製することができるので、半導体発光素子110の製造工程を短縮できると共に製造コストを低減できる。
さらに、ドライエッチング工程では、エッチングマスクMを用いてIII−V族化合物半導体層16aをドライエッチングすることにより、複数の周期的な凹部44aを有する第2の回折格子領域G2を形成することが好ましい。これにより、III−V族化合物半導体層16aから、隣り合う凹部44a間にIII−V族化合物半導体層19が形成される。この場合、ドライエッチング工程において凹部44,44aを一括して作製することができるので、半導体発光素子110の製造工程を短縮できると共に製造コストを低減できる。
凹部44aの幅Wpは、凹部44の幅Waよりも狭いことが好ましい。これにより、半導体層18aの幅を細くすることができる。凹部44aの幅Wpは、20〜40nmであることが好ましい。凹部44aは、例えば所定のピッチΛpで周期的に形成される。ピッチΛpは、半導体発光素子110の発振波長(活性層18から出射されるレーザ光の発振波長)の光について、高反射構造となるように設計することが好ましく、凹部44のピッチΛと同じである必要はない。
(ウェットエッチング工程)
次に、凹部44,44aをウェットエッチングすることが好ましい。これにより、凹部44,44aのエッジ形状が滑らかになるので、活性層18及び半導体層18aを埋め込む際に活性層18及び半導体層18aの表面の平坦性を向上させることができる。
(埋め込み工程)
次に、図10に示されるように、エッチングマスクMを用いてAlGaInAsを含む活性層18を凹部44内に埋め込む。また、エッチングマスクMを用いてAlGaInAsを含む半導体層18aを凹部44a内に埋め込むことにより、DBR部17を形成することが好ましい。この場合、埋め込み工程において活性層18とDBR部17とを一括して作製することができるので、半導体発光素子110の製造工程を短縮できると共に製造コストを低減できる。半導体層18aは、例えば、障壁層22aを形成する工程と井戸層20aを形成する工程とを交互に実施することによって形成される。半導体層18aは、例えば有機金属気相成長法(OMVPE法)等の気相成長法を用いて形成される。製造工程の短縮及び製造コストの低減の観点から、井戸層20,20aは同時に形成され、障壁層22,22aは同時に形成されることが好ましい。
(酸化防止層形成工程)
次に、図11に示されるように、活性層18上にIII−V族化合物半導体からなる酸化防止層23を形成する。このとき、半導体層18a上にIII−V族化合物半導体からなる酸化防止層23aを形成することが好ましい。製造工程の短縮及び製造コストの低減の観点から、酸化防止層23,23aは同時に形成されることが好ましい。
(成膜工程)
エッチングマスクMを剥離除去した後、図6に示されるように、酸化防止層23,23a、窓部15及びIII−V族化合物半導体層16,19上に光閉じ込め層24、III−V族化合物半導体層26及びコンタクト層28をこの順に形成する。
(電極形成工程)
次に、図6に示されるように、コンタクト層28上に電極30を形成し、III−V族化合物半導体基板12の裏面12a上に電極32を形成する。
上記各工程を経ることによって、半導体発光素子110を製造することができる。本実施形態の半導体発光素子の製造方法では、第1実施形態と同様に、活性層18が受けるダメージを低減できると共に活性層18の酸化を防止することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されない。
第1実施形態に係る半導体発光素子を模式的に示す斜視断面図である。 図1に示される領域Aの拡大図である。 第1実施形態に係る半導体発光素子の製造方法の各工程を模式的に示す断面図である。 第1実施形態に係る半導体発光素子の製造方法の各工程を模式的に示す断面図である。 第1実施形態に係る半導体発光素子の製造方法の各工程を模式的に示す断面図である。 第2実施形態に係る半導体発光素子を模式的に示す断面図である。 第2実施形態に係る半導体発光素子の製造方法の各工程を模式的に示す断面図である。 第2実施形態に係る半導体発光素子の製造方法の各工程を模式的に示す断面図である。 第2実施形態に係る半導体発光素子の製造方法の各工程を模式的に示す断面図である。 第2実施形態に係る半導体発光素子の製造方法の各工程を模式的に示す断面図である。 第2実施形態に係る半導体発光素子の製造方法の各工程を模式的に示す断面図である。
符号の説明
10,110…半導体発光素子、10a,110a…半導体発光素子の一端、10b,110b…半導体発光素子の他端、12…III−V族化合物半導体基板、15…窓部、16,16a…III−V族化合物半導体層、17…DBR部、18…活性層、18a…半導体層、23…酸化防止層、44,44a…凹部、G1…第1の回折格子領域、G2…第2の回折格子領域、M…エッチングマスク。

Claims (4)

  1. 分布帰還型の半導体発光素子の製造方法であって、
    III−V族化合物半導体基板上にIII−V族化合物半導体層を形成する工程と、
    前記III−V族化合物半導体層上にエッチングマスクを形成する工程と、
    前記エッチングマスクを用いて前記III−V族化合物半導体層をドライエッチングすることによって、複数の周期的な凹部を有する第1の回折格子領域を形成する工程と、
    前記第1の回折格子領域を形成する工程の後、前記エッチングマスクを用いて前記凹部のエッジ形状が滑らかになるように前記凹部をウェットエッチングする工程と、
    前記凹部をウェットエッチングする工程の後、前記エッチングマスクを用いて、AlGaInAsを含む活性層を前記第1の回折格子領域の前記凹部内に埋め込む工程と、
    前記活性層上にIII−V族化合物半導体からなる酸化防止層を形成する工程と、
    を含む、半導体発光素子の製造方法。
  2. 前記半導体発光素子の一端には、前記活性層からの光を出射するための窓部が設けられており、
    前記第1の回折格子領域を形成する工程では、前記III−V族化合物半導体層から前記窓部を形成する、請求項1に記載の半導体発光素子の製造方法。
  3. 前記半導体発光素子の他端には、前記活性層からの光を反射するためのDBR部が設けられており、
    前記第1の回折格子領域を形成する工程では、前記III−V族化合物半導体層をドライエッチングすることによって、前記第1の回折格子領域の前記凹部よりも幅が狭い複数の周期的な凹部を有する第2の回折格子領域を形成し、
    前記活性層を埋め込む工程では、前記第2の回折格子領域の前記凹部内にAlGaInAsを含む半導体層を埋め込むことにより、前記DBR部を形成する、請求項2に記載の半導体発光素子の製造方法。
  4. 分布帰還型の半導体発光素子の製造方法であって、
    III−V族化合物半導体基板上にIII−V族化合物半導体層を形成する工程と、
    前記III−V族化合物半導体層上にエッチングマスクを形成する工程と、
    前記エッチングマスクを用いて前記III−V族化合物半導体層をドライエッチングすることによって、複数の周期的な凹部を有する第1の回折格子領域を形成する工程と、
    前記エッチングマスクを用いて、AlGaInAsを含む活性層を前記第1の回折格子領域の前記凹部内に埋め込む工程と、
    前記活性層上にIII−V族化合物半導体からなる酸化防止層を形成する工程と、
    を含み、
    前記半導体発光素子の一端には、前記活性層からの光を出射するための窓部が設けられており、
    前記第1の回折格子領域を形成する工程では、前記III−V族化合物半導体層から前記窓部を形成し、
    前記半導体発光素子の他端には、前記活性層からの光を反射するためのDBR部が設けられており、
    前記第1の回折格子領域を形成する工程では、前記III−V族化合物半導体層をドライエッチングすることによって、前記第1の回折格子領域の前記凹部よりも幅が狭い複数の周期的な凹部を有する第2の回折格子領域を形成し、
    前記活性層を埋め込む工程では、前記第2の回折格子領域の前記凹部内にAlGaInAsを含む半導体層を埋め込むことにより、前記DBR部を形成する、半導体発光素子の製造方法。
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