JP2009117539A - 光半導体素子及び光半導体素子の製造方法 - Google Patents

光半導体素子及び光半導体素子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ハイメサ構造を有する光半導体素子の信頼性を向上させる。
【解決手段】光半導体素子100は、半導体レーザ31の活性層13、及び、光導波路32のコア層16の各側面が、メサの側壁から露出するハイメサ構造を有する。薄膜保護層20により、活性層13及びコア層16の露出した側面を覆う。薄膜保護層20は、バンドギャップが活性層13のバンドギャップよりも大きく、厚みが1.5μm以下のp型ドープ半導体層であり、活性層13に注入された電子及び正孔の対による非発光再結合を防止し、半導体レーザ31の発光効率及び信頼性を向上する。
【選択図】図2

Description

本発明は、光半導体素子、及び、光半導体素子の製造方法に関し、特に、ハイメサ形状に形成された活性層を有する光半導体素子の構造に関する。
光通信ネットワークの普及や進展に伴って、光通信システムで使用される光部品の高機能化が進んでいる。特に、半導体材料をベースとした光半導体素子は、コンパクト、高速動作、高効率、低消費電力などといった特徴を有するため、半導体レーザや半導体受光素子をはじめ、様々な用途で開発・実用化が進められている。昨今の光部品の高機能化の要求に伴って、光半導体素子の素子構造や構成もより複雑化してきており、発光のみ、或いは、受光のみといった単一の機能を有する光半導体デバイスだけでなく、発光、受光、光変調、光増幅、光導波、合波、分波といった、2つ以上の異なる機能を持った光半導体素子を同一半導体基板(ウエハ)上に作製する、モノリシック集積技術の開発が進んでいる。
光半導体素子の機能素子(アクティブ素子)における導波路構造としては、典型的にはハイメサ型、ローメサ型、埋込メサ型の3種類がよく使われている。ハイメサ型の導波路構造は、少なくとも活性層の部分までがメサ形状に形成されて、メサが外周側の半導体積層から上に突出する構造を有する。ローメサ型の導波路構造は、活性層の上部の積層までがメサ型に形成され、メサが外周側の半導体積層から上に突出する構造を有する。また、埋込メサ型の導波路構造は、ハイメサ又はローメサ型のメサ形状の外周側に半導体層が積層され、この半導体層によってメサが埋め込まれた構造を有する。
光半導体素子の受動素子(パッシブ素子)を構成する光導波路では、ハイメサ型の構造を採用すると、横方向の屈折率差が特に大きいため、曲げ導波路での曲率半径を小さくできるという利点を有する。一方、この導波路構造を光機能素子に適用した場合には、活性層表面がメサ側部に露出しているため、機能素子としての信頼性の向上が難しいという課題がある。
ローメサ型の導波路構造を採用した光半導体素子では、埋込結晶成長が不要であり、機能素子の活性層表面が露出してないため、表面の非発光再結合が小さいという利点がある。しかし、注入電流の広がりによるリーク電流の増大や、ローメサに形成する際のエッチング時における、残し厚の制御が難しいといった欠点もある。
埋込メサ型の導波路構造を採用した光半導体素子では、活性層の両脇をエッチングしてメサ形状に形成した後、電流ブロッキング用の半導体層を結晶成長することで、メサ形状を埋め込んだ構造を有する。このため、活性層以外を流れるリーク電流を小さくできること、及び、活性層表面が半導体層で覆われているので、表面での非発光再結合が抑制できる利点がある。例えば、レーザのような光機能素子では、高い信頼性を実現できる。従って、単体の半導体光機能素子の導波路構造としては、従来は埋込メサ型が用いられることが多かった。
埋込メサ型の光半導体素子においては、ブロッキング用半導体層の結晶成長が必要であること、及び、その結晶成長では、結晶の面方位に成長依存性があるため、ウエハ内での導波路の方向が限定されることなどの欠点があった。埋込結晶成長は、電流ブロック特性に大きく影響するため、埋込層の膜厚、ドーピング濃度などを正確に制御して結晶成長を行う必要があった。
また、活性層領域とその両脇の埋込用半導体層との間での屈折率差が小さいため、曲げ導波路などを作製する際に、曲率半径を小さくすると、曲げ損失が他の構造の場合よりも大きくなるという欠点もある。単体の光半導体素子の実現においては、上記欠点もそれほど大きな問題ではなかったが、モノリシック集積を進めると、埋込結晶成長が必要であることやメサ方向が限定されてしまうこと、曲率半径の制限などにより、他の構造よりもコンパクトな集積が難しいといった問題が顕著になってくる。
ハイメサ型の導波路構造を有する半導体レーザや光導波路については、例えば特許文献1または特許文献2に記載されており、埋込型の導波路構造を有する半導体レーザは、例えば特許文献3に記載されている。特許文献1では光機能素子(活性)領域にはハイメサ構造ではなく埋込メサあるいはローメサ(リッジ)構造を用い、光導波路領域となる曲げ導波路部分にハイメサ構造を用いているが、異なるメサ構造を作りこむため作製工程が複雑になったり、高い精度が要求されたりしてしまう。
特開2002−118324号公報 特開2003−207665号公報 特開2001−320125号公報
上記のような背景から、埋込結晶成長が不要で、結晶成長の面方位依存性もなく、曲率半径の小さな曲げ導波路形状を採用でき、且つ、コンパクトな集積が可能な構造として、ハイメサ構造の利点が注目されている。このため、上記で述べた活性層の表面露出に起因する非発光再結合による量子効率の低下や、特性の劣化を克服することが急務の課題となっている。
本発明は、従来のハイメサ型の光半導体素子の課題を解決するためになされたものであって、埋込メサ型の光半導体素子とは異なり、厳密に制御された埋込結晶成長や、面方位に依存する埋込結晶成長を必要とせず、しかもコンパクトな集積が可能なハイメサ型の長所を有し、更に、埋込メサ型の長所であった高信頼性をも併せ持つような導波路構造を備え、少ない結晶成長回数で且つ作製の自由度も高く、コンパクトなモノリシック集積を可能とした高機能な光半導体素子を提供することを目的とする。
本発明は、更に、上記導波路構造を有する光半導体素子の製造方法を提供することをも目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の光半導体素子は、光機能素子の活性層を含む積層がハイメサ構造に形成された光半導体素子において、
少なくとも前記活性層の側面に、バンドギャップが活性層のバンドギャップよりも大きく、厚みが1.5μm以下の半導体保護層を形成したことを特徴とする。
また、本発明の光半導体素子の製造方法は、半導体基板上に、活性層を含む光機能素子を有する機能素子領域と、コア層を含む光導波路を有する光導波路領域とを備える光半導体素子を製造する方法であって、
半導体基板上に活性層を含む積層を堆積する工程と、
前記光導波路領域に形成された積層のうち少なくとも活性層を含む積層部分を除去する工程と、
前記除去された積層部分の位置にコア層を含む積層を堆積する工程と、
前記機能素子領域及び光導波路領域の積層をエッチングして、前記活性層及びコア層を含むハイメサ構造を形成する工程と、
前記ハイメサ構造における活性層及びコア層の露出した側面に、バンドギャップが活性層のバンドギャップよりも大きく、厚みが1.5μm以下の半導体保護層を堆積する工程と、
前記半導体保護層が堆積された機能素子領域及び光導波路領域のハイメサ構造からそれぞれ光機能素子及び光導波路を形成する工程と、を有することを特徴とする。
本発明の光半導体素子及び本発明の製造方法により製造される光半導体素子では、半導体保護層を活性層の側面に形成したことにより、活性層で発生する電子及び正孔の対による非発光再結合を防止する。
また、本発明の製造方法で製造された光半導体素子、及び、光機能素子及び光導波路を同一の基板上に形成した本発明の光半導体素子では、半導体保護層による曲げ損失への影響がハイメサ構造に遜色ない、もしくは埋込メサ構造に比べて十分低損失に抑えられるので、小さな曲率半径で光導波路を曲げることが出来るため、コンパクトな構造の光半導体素子が得られる。
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態例に係る光半導体素子(光半導体集積素子)の斜視図を示す。本実施形態例の光半導体素子100は、半導体基板11上に形成されており、光機能素子としての半導体レーザ31を有するレーザ領域10Aと、受動素子としての光導波路32を有する光導波路領域10Bとを有し、半導体レーザ31及び光導波路32を同一基板上にモノリシックに集積した構成を有する。光導波路32は、U字形状に折り曲げられた屈曲部33を有し、半導体レーザ31から入射した光を、屈曲部33で折り曲げ、入射方向と逆方向に向けて光を導波する。
図2(a)及び(b)はそれぞれ、図1のA−A’断面及びB−B’断面を示す。同図(a)に示すように、レーザ領域10Aに形成された半導体レーザ31は、半導体基板11上に順次に形成された、n−InPバッファ層12、レーザ活性層(MQW活性層)13、クラッド層14、18、及び、コンタクト層19から成る積層を有し、バッファ層12の一部から上の積層部分の全体がメサ構造を形成する。メサの側面を含むレーザ領域10Aが、半導体薄膜保護層(以下、薄膜保護層と呼ぶ)20によって覆われている。
図2(b)に示すように、光導波路領域10Bの光導波路32は、半導体基板11上に順次に形成された、バッファ層12、コア層16、クラッド層17、18から成る積層を有し、バッファ層12の一部から上の積層部分の全体がメサ構造を形成する。メサの側面を含む光導波路領域10Bが半導体薄膜保護層20に覆われている。
薄膜保護層20は、バンドギャップが活性層のバンドギャップよりも大きく、厚みが1.5μm以下であり、例えばp型半導体層で形成される。薄膜保護層20は、半導体レーザ31の活性層13のバンドギャップよりも大きなバンドギャップを有することにより、レーザ活性層13の側面で発生する電子及び正孔の対による非発光再結合を抑止し、ハイメサ構造の活性層で特に発生しやすいしきい値電流の増大や、活性層の特性劣化を防止する。
本実施形態に係る光半導体素子100の作製方法について、図3を参照して説明する。図3(a)〜(e)は、図1のC−C’線に沿う断面を各工程段階毎に順次に示す断面図である。まず、MOCVD結晶成長装置を用い、成長温度600℃において、以下のような結晶成長を行う。最初に、n−InP基板11上に、n−InPバッファ層12、InGaAsPからなる多重量子井戸(MQW−SCH)活性層13、及び、p−InP上部クラッド層14を結晶成長する(図3(a))。次に、半導体レーザを形成するためのレーザ領域10Aを、SiNx層から成るハードマスク15によって保護し、光導波路領域10Bの積層のうちで、上部クラッド層14、及び、MQW−SCH活性層13をエッチングにより除去する(図3(b))。
次に、エッチングにより除去した部分に、InGaAsPからなる光導波路のコア層16、及び、p−InP上部クラッド層17をバットジョイント成長法により形成する(図3(c))。SiNxハードマスク15を除去した後、レーザ領域10A、及び、光導波路領域10Bの双方に、p−InPクラッド層18、及び、InGaAsコンタクト層19を結晶成長する(図3(d))。次いで、光導波路領域10Bのコンタクト層19をエッチングにより除去した後(図3(e))、SiNx膜(図示しない)をマスクとして、レーザ領域10A及び光導波路領域10Bの双方で、ドライエッチングによりエッチングを行い、幅2μmのハイメサ構造を形成する。
ハイメサ構造を形成するドライエッチングでは、クラッド層18、クラッド層14およびクラッド層17、活性層13およびコア層16を貫通し、n−InPバッファ層12の上側の一部に至る深さまでエッチングを行う。従って、エッチング直後では、活性層13の側面は露出している。
次いで、メサ形状を形成するエッチングで用いたSiNx膜(図示しない)を、そのまま結晶成長マスクとして使用し、ハイメサ形状のメサの側部にInP薄膜保護層20を結晶成長する。図3(e)のD−D’及びE−E’断面を、図4(a)及び(b)に示している。薄膜保護層20の厚みは、活性層13の側面の部分で、例えば0.1μm厚となるようにする。また、薄膜保護層20の導電性はp型とし、ドープ量は5×1017cm−3程度とする。薄膜保護層20の厚みと導電性、ドーピング濃度は以下に述べる点を考慮して決定する。
図5に、活性層13の側面のInP薄膜保護層20の厚みを変えた場合におけるコア層16の曲げ損失の変化の計算結果を示す。薄膜保護層20を形成しない場合には(グラフ(i))、曲率半径が210μm程度でコア層の曲げ損失が増大し始めている。薄膜保護層20が0.1μm厚の場合には(グラフ(ii))、240μm付近でコア層16の曲げ損失が増大し始めており、薄膜保護層20がない場合と比べてさほど遜色がない損失を示している。薄膜保護層20の厚みを大きくしていくにつれて、曲げ損失が増加し始める曲率半径が大きくなっており、0.5μm厚みの場合には(vi)、曲率半径が360μm付近で、1.5μm厚みの場合には(グラフ(viii))、曲率半径が470μm付近で、それぞれ曲げ損失が増大し始めている。一方、埋込メサ型では(グラフ(ix))、曲率半径が530μm付近で曲げ損失が増大し始めている。
従って、薄膜保護層20の厚みを1.5μm以下とすると、薄膜保護層20を形成したハイメサ型の光導波路が、曲げ損失に関して、埋込メサ型の光導波路よりも優れている。特に、薄膜保護層20の厚みを0.5μm以下にしたハイメサ型の構造では、埋込メサ型の構造に比して、大幅に曲率半径を小さくすることができる。
活性層13の側部表面が露出している場合には、活性層13に注入された電子および正孔のキャリア対が、その表面準位を介して非発光の再結合を行うことによって消滅し、発光効率を低下させる。本実施形態では、メサ形状に加工した活性層13の側面に活性層13よりもバンドギャップが大きい薄膜保護層20を結晶成長し、活性層13の界面に現れるキャリアを制御することにより、非発光再結合を抑制する。前述のように、通常のハイメサ型の光導波路のような低い曲げ損失を実現するためには、活性層13及びコア層16の側面の薄膜保護層20の厚みは小さいほどよい。一方で、薄膜保護層20の厚みが小さいほど、活性層13内のキャリアが表面まで拡散して、非発光再結合に寄与する可能性が増加する。従って、薄膜保護層20の厚みをできるだけ小さくし、且つ、活性層13内のキャリアの側部表面への拡散を有効に防止することが好ましい。
薄膜保護層20に、p型又はn型のドーピングを行うことにより、それぞれ、電子又は正孔の活性層側面への拡散が大幅に抑制され、側面で発生する非発光再結合をより低減することが可能である。拡散長はドーピング濃度が高いほど短いため、適切なドーピング濃度は、薄膜保護層20の厚みに依存するものの、拡散の抑制という点では1×1017cm−3程度以上にすることが好ましい。ドーピング濃度が1×1018cm−3を超えると、特に導波路損失の増加に強く影響するため、過度のドーピングは避けることが好ましい。ドーピングを行う場合には、薄膜保護層20は薄くても、0.05μm程度以上にすることが好ましい。一般的に、ドーピング濃度が高いほど導波路損失が大きくなるため、導波路損失の低減を最優先する際には、薄膜保護層20はノンドープにすることが好ましい。
薄膜保護層20にドーピングをする場合には、電流のリークパスとなることが危惧される。通常は、正孔に比べて電子の移動度が大きいため、特に電子のリークを抑えることが好ましく、従って、薄膜保護層20をp型不純物によりドープすることが、この観点からは好ましい。
上記を考慮して、薄膜保護層20の厚み、ドーピング濃度の範囲としては、厚みを0.05〜0.5μm程度、ドーピング濃度を1×1017〜1×1018cm−3程度、導電型をp型とすることが好ましい。本実施形態例では、薄膜保護層の厚みは0.1μm、ドーピングはp型不純物であり、その濃度は5×1017cm−3としてある。
薄膜保護層20の成長後、SiNx膜でパッシベーションを行い、レーザ領域10Aのメサ上部のコンタクト層部分だけ窓明けをして、Ti/Pt/Auを蒸着してp型電極21(図2(a))を形成する。また、ウエハの裏面を研磨した後、裏面にAuGeNiのn型電極(図示せず)を形成する。
上記実施形態例の光集積素子を、本発明のサンプルとして製造した。また、比較のために、薄膜保護層20の成長を行わずに、SiNxパッシベーションを行ったハイメサ型の光半導体素子と、同じ活性層構造を有し活性層幅も同じ2μmとした埋込ヘテロ型のレーザ素子とを、それぞれ比較例のサンプルとして作製した。作製した3種類のサンプルについて、レーザ領域を、共振器長が300μmで両端面へき開型のファブリ・ペローレーザとして特性評価を行った。その結果、上記実施形態例のハイメサ型の半導体レーザのサンプルは、埋込ヘテロ型のレーザ素子のサンプルとほぼ同じ8mA程度の低い閾値電流で発振した。一方、薄膜保護層成長を行わなかった比較例のサンプルでは、閾値電流は約12mAであり、薄膜保護層成長をしたサンプルよりも高かった。これは、注入されたキャリアの一部が表面準位を介して非発光再結合することによって、発光効率を低下させたことが原因と考えられる。
また、上記3種類のサンプルについて85℃の高温での通電試験を行った結果、薄膜保護層成長を行ったハイメサ型のレーザ素子のサンプルと埋込へテロ型のレーザ素子のサンプルとでは顕著な劣化が見られなかったのに対し、薄膜保護層成長を行わなかったハイメサ型のレーザ素子のサンプルにおいては、閾値電流の増加や発光効率の低下などの長期信頼性の低下が顕著に見受けられた。
更に、薄膜保護層成長を行ったハイメサ型の光半導体素子の光導波路部分の曲げ損失を評価した結果、曲率半径が250μmで3dB/mm程度、曲率半径が300μmで1dB/mm以下と、低損失であり、計算結果ともほぼ一致していることが確認できた。また、薄膜保護層成長を行った場合と行わない場合とで、キャリア寿命の測定を行った結果においても、薄膜保護層を成長しない場合の表面再結合速度は1.3×10cm/sと非常に大きかったのに対し、薄膜保護層成長を行った場合は、表面再結合速度が、4.0×10cm/sと大きく低下しており、薄膜保護層により非発光再結合を大幅に抑制できることが確認できた。
以上により、本実施形態例の光半導体素子は、機能素子部分としては通常の埋込メサ型と同等の発光特性と長期信頼性とを有し、かつ、導波路部分が通常のハイメサ導波路とほぼ同等の低い曲げ損失特性を同時に併せ持つことがわかった。
本実施形態例での薄膜保護層成長は、メサエッチングで使用したマスクをそのまま利用して結晶成長が可能であるため、工程としては通常の埋込へテロ型レーザとほぼ同様のプロセスで作製可能である。しかも、埋込ヘテロ型レーザでは通常2〜3μm厚の埋込成長を要するのに対し、上記実施形態例では、成長膜厚がサブミクロンオーダーと薄いため、結晶成長は非常に容易かつ短時間に行うことができる。また、通常の埋込へテロ型レーザの埋込成長と比較すると、薄膜保護層の厚さやドーピング濃度の厳しい制御は必要でない。
上記の作製工程の説明では特に触れなかったが、メサ形成をドライエッチングで行ったことによるエッチングダメージ層を除去する必要があれば、薄膜保護層成長の前に、メサ形状が変化しない程度のごく軽度のウエットエッチングや、硫化アンモニウム処理、熱処理などをしてもよい。
上記実施形態例では、活性層にInGaAsP系のMQW構造を用いたが、本発明の光半導体素子は、この材料やMQW構造に限定されるものではない。例えば、InGaAsやInAlGaAsといった材料や、バルク、量子細線、量子ドットによる活性層においても、同様の非発光再結合の低減効果が得られると考えられる。特に、InAlGaAs系のように、表面酸化しやすいAl系の材料を活性層に用いる場合には、本発明における半導体薄膜成長は特に効果的であると考えられる。
上記実施形態例では、薄膜保護層20は、p型にドーピングしたInPの単層としたが、ドーピング層とノンドープ層とを組み合わせた多層構造としてもよい。しかし、既に述べたように、薄膜保護層のトータル膜厚は、0.5μm以下とすることが好ましいので、全体の膜厚をこれ以下に抑えることが好ましい。上記実施形態例では、活性層を貫通する深さまでメサエッチングをした後に薄膜保護層の成長を行ったが、活性層の途中の深さまでメサエッチングしたような場合であっても、薄膜保護層成長により表面非発光再結合を抑制する効果を得ることができる。なお、ハイメサ形状と比べると、曲げ損失は幾分大きくなることが予想される。
以上、本発明をその好適な実施態様に基づいて説明したが、本発明の光半導体素子、及び、光半導体素子の製造方法は、上記実施態様の構成にのみ限定されるものではなく、上記実施態様の構成から種々の修正及び変更を施したものも、本発明の範囲に含まれる。
本発明の一実施形態例に係る光半導体素子の斜視図。 (a)及び(b)はそれぞれ、図1の光半導体素子の断面図。 (a)〜(e)はそれぞれ、図1の光半導体素子を製造するプロセスにおける、各工程段階毎の断面を順次に示す断面図。 (a)及び(b)はそれぞれ、図3(e)のD−D’及びE−E’線に沿う断面図。 図1の光半導体素子における薄膜保護層の厚みと、曲げ損失の曲率依存性との関係を示すグラフ。
符号の説明
100:光半導体素子
10A:レーザ領域
10B:光導波路領域
11:半導体基板
12:バッファ層
13:MQW活性層
14:クラッド層
15:SiNxハードマスク
16:コア層
17:クラッド層
18:クラッド層
19:コンタクト層
20:薄膜保護層
21:p側電極
31:レーザ
32:光導波路
33:屈曲部

Claims (9)

  1. 光機能素子の活性層を含む積層がハイメサ構造に形成された光半導体素子において、
    少なくとも前記活性層の側面に、バンドギャップが前記活性層のバンドギャップよりも大きく、厚みが1.5μm以下の半導体保護層を形成したことを特徴とする光半導体素子。
  2. 半導体基板上に、前記光機能素子に加えて、コア層を含む光導波路がハイメサ構造に形成されており、前記活性層及びコア層の双方の側面に前記半導体保護層が形成されている、請求項1に記載の光半導体素子。
  3. 前記光導波路が、基板面と平行に360μm以下の曲率半径で曲げられた屈曲部を有する、請求項2に記載の光半導体素子。
  4. 前記光導波路が、基板面と平行に240μm以下の曲率半径で曲げられた屈曲部を有する、請求項2に記載の光半導体素子。
  5. 前記半導体保護層の厚みが0.05μm〜0.5μmの範囲にある、請求項1〜4の何れか一に記載の光半導体素子。
  6. 前記半導体保護層がアンドープ半導体である、請求項1〜5の何れか一に記載の光半導体素子。
  7. 前記半導体保護層がp型半導体である、請求項1〜5の何れか一に記載の光半導体素子。
  8. 前記半導体保護層がp型又はn型半導体であり、ドーピング濃度が1×1017〜1×1018cm−3の範囲にある、請求項1〜5の何れか一に記載の光半導体素子。
  9. 半導体基板上に、活性層を含む光機能素子を有する機能素子領域と、コア層を含む光導波路を有する光導波路領域とを備える光半導体素子を製造する方法であって、
    前記半導体基板上に活性層を含む積層を堆積する工程と、
    前記光導波路領域に形成された積層のうち少なくとも活性層を含む積層部分を除去する工程と、
    前記除去された積層部分の位置にコア層を含む積層を堆積する工程と、
    前記機能素子領域及び光導波路領域の積層をエッチングして、前記活性層及びコア層を含むハイメサ構造を形成する工程と、
    前記ハイメサ構造における前記活性層及びコア層の露出した側面に、バンドギャップが活性層のバンドギャップよりも大きく、厚みが1.5μm以下の半導体保護層を堆積する工程と、
    前記半導体保護層が堆積された機能素子領域及び光導波路領域のハイメサ構造からそれぞれ光機能素子及び光導波路を形成する工程と、を有することを特徴とする光半導体素子の製造方法。
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