JP5314435B2 - 集積光デバイス及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、集積光デバイスの製造方法に係り、特に、半導体レーザや電界吸収型光変調器等の光素子部を複数集積形成した集積光デバイスの製造方法に関する。
インターネットを介したブロードバンドサービスが普及する等,ネットワーク上を行き交う通信トラフィック量が急速に増加しており、大都市間や大陸間の幹線ネットワークや、近接都市間を結ぶメトロ系ネットワークの大容量化が活発化している。また、従来の通信ネットワーク(テレコム)だけでなく、ストレージ用ネットワークやイーサネット等のデータコムにおいても、システムの大容量化技術が益々重要になっている。これらの高速インターフェイス装置のスループットは、チャンネル当りの速度以外に、モジュールサイズと消費電力で決まる実装密度により制限される。このことからモジュールの小型化が重要な課題となっている。たとえば10Gbpsの光送受信モジュールでは、従来の比較的大きな300pinモジュールから,XENPAK(10−Gigabit Ethernet Transceiver Package)やXFP(10−Gigabit Small Form Factor Pluggable)といった,より小型なモジュールが求められるようになっている。このため光モジュールに搭載される光デバイスの小型化が重要な開発課題になっている。
小型な光モジュールを実現するためのキー技術は光デバイスの集積化技術である。たとえば、メトロ系ネットワークの中/長距離伝送用送受信モジュールでは、半導体電界吸収型(EA: Electroabsorption)変調器をモノリシック集積した分布帰還型(DFB: Distributed Feedback)レーザ光源を送信側に用いることで、小型な送受信機を実現する方式が既に実用化されている。
このように、半導体レーザや光変調器等の複数の光素子を半導体基板上に集積形成する手法の一つにバットジョイント技術がある。バットジョイント技術とは、同一基板上に光軸を揃えて、複数の光素子を突き合わせ接合させる技術である。バットジョイント技術のプロセス手順は、まず、第一の光素子に対応する半導体層を半導体基板上に結晶成長し、つぎにその一部をマスクパターンで覆ってからマスクパターンに覆われていない部分をエッチング除去し、続いて第一の光素子に対応する半導体層をエッチング除去した部分に第二の光素子に対応する半導体層を有機金属気相成長法(MOVPE:Metalorganic Vapor Phase Epitaxy)を用いて成長して接続するということを必要回数繰り返すというものである。本技術を用いれば、それぞれの光素子に対応する半導体層の材料や組成、層数、および膜厚を個別に最適化できる。このため、本技術は一回の選択成長で複数の光素子に対応する半導体層を一括形成する、いわゆるSAG(Selective Area Growth)技術と比較して、高性能な集積光デバイスの製造方法として適している。
バットジョイント技術を用いて2つの光素子部を集積形成した集積光デバイスの例としては例えば、DFBレーザにEA変調器を集積したEA変調器集積DFBレーザや、ビーム拡大器とFP(Fabry―Perot)型レーザを集積したビーム拡大器集積FPレーザ等がある。
2つの光素子部を集積形成する場合のプロセス手順は上記に述べたバットジョイントプロセス手順を一回行えばよく、まず第一の光素子に対応する半導体層を半導体基板上に結晶成長し、次にその一部をマスクパターンで覆ってからマスクパターンで覆われていない部分をエッチング除去し、続いて第一の光素子に対応する半導体層をエッチング除去した部分に第二の光素子に対応する半導体層を形成すればよい。
また、バットジョイント技術を用いて3つ以上の光素子部を集積形成した集積光デバイスの例としては例えば、多重量子井戸構造(MQW:Multiple Quantum Well)を有するDFBレーザと、バルク結晶からなる光導波路と、MQW構造を有するEA変調器を集積した導波路接続型EA変調器集積DFBレーザや、DFBレーザと第一のEA変調器と第二のEA変調器を集積した集積光デバイス等が知られている。
3つ以上の光素子部をバットジョイント集積する場合の代表的な製造方法としては、まず第一の光素子に対応する半導体層を半導体基板上に結晶成長し、次にその一部を第一のマスクパターンで覆ってから第一のマスクパターンで覆われていない部分をエッチング除去し、続いて第一の光素子に対応する半導体層をエッチング除去した部分に第二の光素子に対応する半導体層を結晶成長し、続いて第一の光素子に対応する半導体層の全体と第二の光素子に対応する半導体層の一部を第二のマスクパターンで覆ってから第二のマスクパターンで覆われていない部分をエッチング除去し、続いて第三の光素子に対応する半導体層を結晶成長するというように、各光素子に対応する半導体層を次々と継ぎ足していく方法が知られている。
3つ以上の光素子部をバットジョイント集積する場合の製造方法の公知例としては、まず基板上にInGaAlAs系MQWからなるEA変調器を形成し、次にその一部を方形形状に残す形でエッチングし、次にそのエッチング除去した部分にInGaAsP系バルク結晶からなる光導波路をバットジョイント接続し、次にEA変調器部の全てとバルク導波路部の一部を残す形で方形形状にエッチングし、そのエッチング除去した部分にInGaAsP系MQWからなるDFBレーザをバットジョイント接続する導波路接続型EA変調器集積DFBレーザの製造方法が、特許文献1に公開されている。
また、3つ以上の光素子部をバットジョイント集積する場合の製造方法の第二の公知例としては、まずDFBレーザの半導体層を形成し、つぎにその上面に方形のマスクパターンを形成してDFBレーザの半導体層の一部をエッチングし、このエッチング除去した部分に第一のEA変調器の半導体層を形成し、さらにDFBレーザの半導体層の全てと第一のEA変調器の半導体層の一部を覆う方形のマスクパターンを形成して第一のEA変調器の半導体層の一部をエッチングし、このエッチングした部分に第二のEA変調器の半導体層を形成する集積光デバイスの製造方法が特許文献2に公開されている。
特開2007−227504号公報 特開2005−142230号公報
従来のバットジョイント技術を用いて3つ以上の光素子部を集積した場合には、後から形成する光素子部ほど、バットジョイント接続部近傍での膜厚不連続性が大きくなると共に、バットジョイント成長する半導体層がMQW構造を有する場合にはバットジョイント接続部近傍のMQWの結晶性が低下するという問題があった。以下、後から形成する光素子部ほど、バットジョイント接続部近傍の膜厚の均一性とMQWの結晶性が低下する理由について、図1および図2を用いて説明する。
図1(a)〜(h)は、InGaAlAs系MQW構造を有するEA変調器に、InGaAsP系バルク結晶構造を有する光導波路とInGaAsP系MQW構造を有するDFBレーザを次々と継ぎ足すようにバットジョイント集積する場合の従来の代表的なプロセスフローを示す素子上面図である。図2(a)〜(h)は、図1(a)〜(h)のA−B断面を示す素子断面図である。
本プロセスフローでは、まずInP基板11上にInGaAlAs系MQW構造を有するEA変調器の半導体層12を形成し、その一部に誘電体膜からなる長方形の第一のマスクパターン13を形成する(図1(a)および図2(a))。次に第一のマスクパターン13で覆われていない領域のInGaAlAs系EA変調器の半導体層12をエッチング除去する(図1(b)および図2(b))。なお、ここではエッチング手法としてドライエッチングを用いた場合を想定してエッチング側壁が垂直なエッチング断面形状を図示したが、エッチング手法としてウェットエッチングを用いた場合や、あるいはドライエッチングとウェットエッチングを併用した場合には、EA変調器の半導体層12の横方向にサイドエッチングが入ることを付記しておく。続いてInGaAlAs系EA変調器の半導体層12をエッチング除去した部分に、エッチングに用いた第一のマスクパターン13を選択成長用マスクとしてそのまま用いて、InGaAsP系光導波路の半導体層14をバットジョイント成長する(図1(c)および図2(c))。このとき、InGaAsP系光導波路の半導体層14の、第一のマスクパターン13近傍の領域は、成長原料ガスの供給量が多くなるいわゆる選択成長効果のために膜厚が厚くなり、バットジョイント接続部近傍では、バットジョイント成長した光導波路の半導体層14に、膜厚が不均一な領域が生じてしまう。
次に、InGaAlAs系EA変調器の半導体層12の全体と、InGaAsP系光導波路の半導体層14の一部を覆うように誘電体膜からなる長方形の第二のマスクパターン15を形成する(図1(d)および図2(d))。このとき、第二のマスクパターン15は第一のマスクパターン領域の全体を覆うように形成するために、第二のマスクパターン15の幅は第一のマスクパターン13の幅よりも太くなることに注意されたい。続いて第二のマスクパターン15で覆われていない領域のInGaAsP系光導波路の半導体層14をエッチング除去する(図1(e)および図2(e))。さらに、InGaAsP系光導波路の半導体層14をエッチング除去した部分に、エッチングに用いた第二のマスクパターン15を選択成長用マスクとしてそのまま用いて、InGaAsP系DFBレーザの半導体層16をバットジョイント成長する(図1(f)および図2(f))。このとき、InGaAsP系DFBレーザの半導体層16の、第二のマスクパターン15近傍の領域では、成長原料ガスの供給量が多くなるためにMQW層のウェルおよびバリア層が厚くなってMQWの吸収端波長が長波長化すると共に、MQW層の結晶欠陥領域17が生じる。このとき、第二のマスクパターン15の幅は第一のマスクパターン13の幅よりも広くなっているために、成長原料ガスの供給量が多くなり成長膜厚の厚くなるいわゆる選択成長効果が大きく、バットジョイント接続部近傍で膜厚が厚くなる程度とバットジョイント接続部近傍でMQW層の結晶性が劣化する程度が第一のマスクパターンを用いた第一のバットジョイント接続の場合と比較して大きくなってしまうのである。集積光デバイスの作製にあたっては、これらの結晶成長工程に続けて、第二のマスクパターン15を除去した後に基板全面にInPクラッド層を有する半導体層18を形成した後(図1(g)および図2(g))、さらに、メサ構造を形成するために誘電体膜からなるストライプ状の第三のマスクパターン19を、InGaAlAs系EA変調器の半導体層12とInGaAsP系光導波路の半導体層14と、InGaAsP系DFBレーザの半導体層16の領域を直線的に横断するように形成し(図1(h)および図2(h))、メサ加工を行うことになる。このように、第一のマスクパターン13と第二のマスクパターン15で限定した領域に第三のマスクパターン19を用いてストライプ状の光導波路構造を形成するので、第一のマスクパターン13と第二のマスクパターン15の幅は、少なくとも第三のマスクパターン19の幅よりも広くなくてはならないことを付記しておく。
このように従来のプロセスフローを用いて3つ以上の光素子部をバットジョイント接続した場合には、後から接続した光素子部ほど、マスクパターンの寸法が大きくなるために選択成長効果が強くなり、バットジョイント接続部近傍における半導体層の膜厚不均一性が大きくなるとともに、選択成長により接続した領域がMQW構造を有する場合にはバットジョイント接続部近傍でMQWの結晶性が著しく劣化するという問題があった。バットジョイント接続部に膜厚不均一性の大きな領域が生じれば、光散乱が起こるため、光結合効率が低下する。また、バットジョイント接続部近傍でMQWの結晶性が著しく低下すれば光吸収が生じて光結合効率が低下する。このため、従来のプロセスフローを用いた場合には、半導体レーザのスロープ効率に代表される集積光デバイスの性能が低下するという問題がおこった。
このように従来技術では、光素子部が3つ以上集積形成された集積光デバイスを製造しようとした場合、光散乱や光吸収の少ない高品質な集積光デバイスを製造することは出来なかった。
つまり、本発明の目的は、3つ以上の光素子部をバットジョイント集積する場合に、バットジョイント接続部における膜厚不均一性やMQW結晶性低下が少なく、高い光結合効率で光素子部を結合することができる集積光デバイスの製造方法を提供することにある。
本願に含まれる上記目的を達成する代表的な手段を列挙すると次の通りである。
(1)半導体基板または半導体基板上に形成された第一のクラッド層上に、第一の半導体層を形成する工程と、第一の半導体層の一部を覆う第一のマスクパターンを形成する工程と、第一のマスクパターンに覆われていない第一の半導体層を第一のエッチングにより除去する工程と、第一のエッチングにより第一の半導体層を除去した領域に第二の半導体層を形成する工程と、第一の半導体層の全てと第二の半導体層の一部を覆う第二のマスクパターンを形成する工程と、第二のマスクパターンに覆われていない第二の半導体層を第二のエッチングにより除去する工程と、第二のエッチングにより第二の半導体層を除去した領域に第三の半導体層を形成する工程と、上記の工程により形成した第一の半導体層と第二の半導体層と第三の半導体層が集積された半導体構造の上部に第二のクラッド層を含む第四の半導体層を形成する工程と、第四の半導体層の上部に第三のマスクパターンを形成し、該第三のマスクパターンを用いて第一の半導体層と第二の半導体層と第三の半導体層に光を導波させる光導波路構造を形成する工程とを有し、第二のマスクパターンの寸法を、光導波路の光軸に対して垂直な方向に引いた直線に沿って測定したときの長さである第二のマスクパターンの幅が、光導波路の光軸上の位置によって異なっており、光導波路の光軸に垂直な方向に引いた直線が第一のマスクパターンと交差(重畳)していない場所における第二のマスクパターンの主たる部分の幅が、光導波路の光軸に垂直な方向に引いた直線が第一のマスクパターンと交差(重畳)している場所における第二のマスクパターンの幅と比較して短いことを特徴とする集積光デバイスの製造方法により達成される。
(2)(1)の集積光デバイスの製造方法において、第一のマスクパターンの、光導波路と交差する辺を、光導波路の光軸に垂直な方向から傾斜させ、その傾斜角度を5度から85度の範囲とする。
(3)(1)の集積光デバイスの製造方法において、第二のマスクパターンの、光導波路と交差する辺を、光導波路の光軸に垂直な方向から傾斜させ、その傾斜角度を5度から85度の範囲とする。
(4)(1)の集積デバイスの製造方法において、前記第一のマスクパターンの光導波路と交差する辺の傾斜角度と、前記第二のマスクパターンの光導波路と交差する辺の傾斜角度とを異ならせる。
(5)(1)の集積光デバイスの製造方法において、前記第一の半導体層と前記第三の半導体層に量子井戸構造を備えさせると共に、前期第二の半導体層のコア部分をバルク結晶を備えさせる。
(6)(5)の集積光デバイスの製造方法において、前記量子井戸構造を歪量子井戸構造とする。
(7)(1)の集積光デバイスの製造方法において、前記半導体基板をInPで構成する。
(8)(1)の集積光デバイスの製造方法において、前記第一の半導体層をInGaAlAs層を含む構造とし、前記第二の半導体層をInGaAsP層を含む層構造とし、前記第三の半導体層をInGaAsP層を含む層構造とする。
(9)(1)の集積光デバイスの製造方法において、前記第一の半導体層から構成される第一の光素子部で光変調器を構成し、前記第二の半導体層から構成される第二の光素子部で光導波路を構成し、前記第三の半導体層から構成される第三の光素子部で半導体レーザを構成する。
(10)(1)の集積光デバイスの製造方法において、前記第一の半導体層から構成される第一の光素子部で半導体レーザを構成し、前記第二の半導体層から構成される第二の光素子部で光導波路を構成し、前記第三の半導体層から構成される第三の光素子部で光変調器を構成する。
(11)半導体基板または半導体基板上に形成された第一のクラッド層上に、第一の半導体層を形成する工程と、第一の半導体層の一部を覆う第一のマスクパターンを形成する工程と、第一のマスクパターンに覆われていない第一の半導体層を第一のエッチングにより除去する工程と、第一のエッチングにより第一の半導体層を除去した領域に第二の半導体層を形成する工程と、第一の半導体層の全てと第二の半導体層の一部を覆う第二のマスクパターンを形成する工程と、第二のマスクパターンに覆われていない第二の半導体層を第二のエッチングにより除去する工程と、第二のエッチングにより第二の半導体層を除去した領域に第三の半導体層を形成する工程と、上記の工程により形成した第一の半導体層と第二の半導体層と第三の半導体層が集積された半導体構造の上部に第二のクラッド層を含む第四の半導体層を形成する工程と、第四の半導体層の上部に第三のマスクパターンを形成し、該第三のマスクパターンを用いて第一の半導体層と第二の半導体層と第三の半導体層に光を導波させる光導波路構造を形成する工程を有する集積光デバイスの製造方法において、前記第三のマスクパターンを用いて第一の半導体層と第二の半導体層と第三の半導体層に光を導波させる光導波路構造を形成する工程がエッチング工程であり、前記エッチング工程で形成した光導波路構造を、ルテニウムがドーピングされた半絶縁性InPで埋め込む。
さらに、上記列挙した発明も含めた本願に含まれる発明の作用について説明する。本願は、バットジョイント接続部近傍における膜厚不均一性やMQW結晶性低下を抑制する手法として三通りの手法を含んでいる。
まず、第一の手法について図3および図4を用いて説明する。第一の手法のポイントは、誘電体膜からなる第二のマスクパターンの形状を凸状の形状としてバットジョイント接続部近傍部分のマスク幅を細くすることにより、バットジョイント接続部近傍における膜厚不均一性やMQW結晶性低下を抑制するというものである。図3(a)〜(h)は、InGaAlAs系MQW構造のEA変調器に、InGaAsP系バルク結晶構造の光導波路とInGaAsP系MQW構造のDFBレーザを次々と継ぎ足すように集積する場合のプロセスフローを示す素子上面図である。図4(a)〜(h)は、図3(a)〜(h)のA−B断面を示す素子断面図である。
まず、第一番目のバットジョイント工程(図3(a)〜(c)および図4(a)〜(c))であるが、この工程については前述の従来の方法(図1(a)〜(c)および図2(a)〜(c))と同一であるので説明は省略する。
次に行う第二番目のバットジョイント工程が、本発明のポイントとなる部分である。本発明では図3(d)〜(f)および図4(d)〜(f)に示す如く、第二のマスクパターン15の形状を、バットジョイント接続部分近傍となるマスク先端部分のみマスク幅を狭くしていることである。この狭くしている形状を別に表現するならば、「階段」形状とも「突起」形状とも呼ぶことができる。このように、バットジョイント接続部近傍のマスク幅を細くすることにより、バットジョイント接続部における選択成長効果が抑制されるので、図3(f)および図4(f)に示すように、膜厚増大量およびMQW結晶性劣化を抑制できるのである。なお、第二のマスクパターン15のバットジョイント接続部近傍のみを細くしている理由は、第二のマスクパターン15のバットジョイント接続部近傍でない、第一のマスクパターン13で限定された領域と重なる領域は第一のマスクパターン13で限定された領域の全体を覆わなくてはならないため、第一のマスクパターン13で限定された領域と重なる領域ではマスクの幅を第一のマスクパターン13よりも太くしなければならないからである。
なお、図3(g)、(h)および図4(g)、(h)に示した、第二のバットジョイント工程の後に行う工程については、前述した従来の方法(図1(g)、(h)および図2(g)、(h))と同様の工程であるので詳細な説明は省略する。ただし、本手法で用いたマスクパターンの特徴的な形状が、図3(g)、(h)および図4(g)、(h)の点線で示すように、半導体表面上の段差として最終形態である集積光デバイスにまで痕跡として残ることを付記しておく。
次に、第二の手法の基本的アイデアについて図5および図6を用いて説明する。図5(a)〜(h)は、InGaAlAs系MQW構造のEA変調器に、InGaAsP系バルク結晶構造の光導波路とInGaAsP系MQW構造のDFBレーザを次々と継ぎ足すように集積する場合のプロセスフローを示す素子上面図である。図6(a)〜(h)は、図5(a)〜(h)のA−B断面を示す素子断面図である。なお、第二の手法の製造方法は、マスクパターンの形状を除けば前述のプロセスフローと同様であるので各工程の詳細な説明は省略し、ここでは本手法のポイントに絞って説明する。
第二の手法のポイントは、第一の手法の更なる改善形態であり、第一のマスクパターン13および第二のマスクパターン15の各バットジョイント接続部近傍部分の形状に傾斜をつけることにより、先端部分のマスク幅を実効的に一層細くして選択成長効果を抑制し、バットジョイント接続部近傍における膜厚不均一性やMQW結晶性低下をさらに抑制するというものである。発明者らが鋭意検討した結果、図5(a)および図5(d)に示すように、第一のマスクパターン13および第二のマスクパターン15の、光導波路の光軸方向(A-B方向)と交差する辺と、光導波路の光軸(光導波路の平面レイアウトの中心軸でもよい。)に垂直な方向との傾斜角度をそれぞれα、βとしたときに、これらの角度を5度から85度の範囲の角度に傾斜させることで、バットジョイント接続部近傍における膜厚不均一性およびMQW結晶性低下を抑制できることを見出したのである。
ここで、この角度範囲を定めた根拠について述べると、傾斜角度が5度よりも小さい場合にはバットジョイント接続部近傍における膜厚不均一性の低減効果が観測されず、また角度が85度よりも大きい場合には、膜厚不均一性の低減効果は大きいが、光導波路形成用のストライプパターンの位置合わせがずれた場合に、ストライプパターン内のバットジョイント接合位置が許容範囲を超えてずれるため5度から85度の角度が好ましいのである。最も好ましい傾斜角度はこの範囲の丁度中心である45度である。
このように、先端が傾斜したマスクパターンを用いた結果、第一のバットジョイント工程においては図5(c)および図6(c)に示すように、InGaAsP系バルク光導波路用半導体層14のバットジョイント接続部近傍における膜厚増大量を大幅に抑制することに成功した。また、第二のバットジョイント工程においては図5(f)および図6(f)に示すように、InGaAsP系DFBレーザ用半導体層16のバットジョイント接続部近傍における膜厚の増大とMQW結晶性の劣化を大幅に抑制することに成功したのである。
なお、ここでは図5および図6に示すとおり、αとβが共に、好適な角度範囲5度〜85度の中心にあって最も好適な角度である45度の場合の例を用いて第二の手法の基本的なアイデアを説明したが、さらに本発明者らはバットジョイント接続する材料の組み合わせによっては最適なマスクパターンの傾斜角度が異なることも明らかにした。具体的には、図6(c)に示す通り、InGaAlAs系材料にInGaAsP系材料をバットジョイント接続する場合には、上記傾斜角度範囲内であれば、マスクパターンの傾斜角度に依らず良好な接続形状が得られるが、図6(f)に示す通り、InGaAsP系材料にInGaAsP系材料をバットジョイント接続する場合には、マスクパターンの傾斜角度を15度より大きくすると、InPのマストランスポート現象が顕著に発生し、InGaAsP系材料同士が直接接合すべき部分にInP層21が挟まってしまう場合があることを見出したのである。
このように、InGaAsP系材料の半導体層同士が直接接合すべき部分にInPの層が挟まると、光散乱等が生じて光結合効率が低下し、素子特性に悪影響を及ぼす。このため、InGaAsP系材料同士をバットジョイント接続する場合のマスクパターンの傾斜角度の最も好ましい範囲は5度〜15度の範囲にあることを見出した。
この知見に基づいて発明した、バットジョイント接続する材料の組合せにより異なる傾斜角度のマスクパターンを用いるプロセスフローの例を図7および図8に示す。本プロセスフローは、本発明の第二の手法のバリエーションと位置づけられる。図7(a)〜(h)は、InGaAlAs系MQW構造のEA変調器に、InGaAsP系バルク結晶構造の光導波路とInGaAsP系MQW構造のDFBレーザを次々と継ぎ足すように集積する場合のプロセスフローを示す素子上面図であり、図8(a)〜(h)は、図7(a)〜(h)のA−B断面を示す素子断面図である。
本プロセスフローは、マスクパターンの傾斜角度が第一のマスクパターン13と第二のマスクパターン15で異なることを除けば、これまでの図1〜6におけるもとの同様であるので詳細な説明は省略するが、この例では図7(a)に示す通りInGaAlAs系材料にInGaAsP系材料を接続する第一のマスクパターン13の傾斜角度を45度とし、図7(d)に示す通りInGaAsP系材料にInGaAsP系材料を接続する第二のマスクパターン15の傾斜角度を15度として、二つのマスクパターンの先端の傾斜角度を接合する材料の組合せに応じて変えていることに大きな特徴がある。このように、第二のマスクパターン15として先端部が15度に傾斜したマスクパターンを用いることにより、InPマストランスポートにより生じるInP層21の量が低減され、InGaAsP光導波路の半導体層14とInGaAsPレーザの半導体層16が直接接続した良好なバットジョイント接続が得られた。なお、マスク先端部の傾斜角度を15度以下に低減することによりInPマストランスポートが低減する理由は、傾斜角度が小さくなるにしたがってエッチング側壁の表面エネルギーが低下し、マストランスポートが生じにくくなるためと推定される。このように、材料に応じた適切なマスクパターン角度を用いることにより、光散乱や光損失の少ない良質なバットジョイント接続形状を得ることができるようになった。
次に、本発明の第三の手法について図9および図10を用いて説明する。本手法のポイントは、3つ以上の光素子部を集積した基板に、いわゆる埋込みへテロ構造の光導波路構造をもつ集積光デバイスを形成する場合に、その埋込み層のドーパントとしてルテニウムを用いることで、バットジョイント部の光損失を更に低減するというものである。
図9および図10は、図7および図8に示すプロセスフローに引き続いて行う、メサエッチング工程と埋込み成長工程を示すプロセスフローである。本プロセスフローではまず、図7(h)および図8(h)に図示したように、光導波路を形成するための、誘電体からなるストライプ状の第三のマスクパターン19を形成した後(図9(a)および図10(a))、例えば塩素系の反応性イオンエッチング技術を用いてバットジョイント接続された3つの半導体層を突き抜けるところまでメサエッチングを行う(図9(b)および図10(b))。続いて、このメサストライプ構造を半絶縁性InP22で埋め込んでいわゆる埋込みへテロ構造を作るのであるが、発明者等が鋭意検討した結果によると、半絶縁性を得るためのドーパントとして、従来広く用いられてきた鉄ではなく、ルテニウムを用いることでバットジョイント接続部における光損失を抑制できることを見出したのである。
この現象が起こる理由は次のように説明される。すなわち、3つ以上の半導体層をバットジョイント集積する場合、本発明の第一の手法や第二の手法を用いても依然として若干のMQW結晶欠陥層がバットジョイント接合部近傍に生じてしまうのであるが、ここに半絶縁InPのドーパントとして拡散しやすい鉄を用いた場合にはこの結晶欠陥層に鉄原子が拡散して複合結晶欠陥が生じ、光吸収損失が増大するのに対し、拡散が起こりにくいドーパントであるルテニウムを用いればこのような複合結晶欠陥が生じないためであると推定される。
本発明によれば、3つ以上の光素子部をバットジョイント集積する際に、光散乱や光吸収が少なく光結合効率の高いバットジョイント集積構造を実現できる。このため集積光デバイスの高性能化に効果がある。
従来の代表的なプロセスフローを示す素子上面図である。 図1(a)〜(h)のA−B断面を示す素子断面図である。 本発明の第1手法のプロセスフローを示す素子上面図である。 図3(a)〜(h)のA−B断面を示す素子断面図である。 本発明である第2手法のプロセスフローを示す素子上面図である。 図5(a)〜(h)のA−B断面を示す素子断面図である。 本発明の第2手法のバリエーションのプロセスフローを示す素子上面図である。 図7(a)〜(h)のA−B断面を示す素子断面図である。 本発明の第3手法のプロセスフローを示す素子上面図である。 図9(a)〜(h)のA−B断面を示す素子断面図である。 第一の実施例の製造方法により作製した導波路接続型EA変調器集積化半導体レーザの斜視図である。 第一の実施例の製造工程を説明する上面図である。 第一の実施例の製造工程を説明する光軸方向の断面図であり、図12(a)〜(h)のA−B断面に対応する図である。 第一の実施例の製造工程を説明する上面図であり、図12および図13に示した工程に引き続いて行う工程を示すものである。 第一の実施例の製造工程を説明する光軸に垂直な方向の断面図であり、図14(a)〜(d)のA−B断面に対応する図である。 第二の実施例の製造方法により作製したバルク導波路接続型EA変調器集積DFBレーザの斜視図である。 第二の実施例の製造工程を説明する上面図である。 第二の実施例の製造工程を説明する光軸方向の断面図であり、図17(a)〜(h)のA−B断面に対応する図である。 第二の実施例の製造工程を説明する上面図であり、図17および図18に示した工程に引き続いて行う工程を示すものである。 図20(a)〜(c)は、第二の実施例の製造工程を説明する光軸に垂直な方向の断面図であり、図19(a)〜(c)のA−B断面に対応する図である。
以下、本発明の実施例を以下に図を用いて説明する。なお、実施例を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
本発明の第一の実施例を、図11〜15を用いて説明する。本実施例はEA変調器とDFBレーザをバルク導波路で接続する形で集積した波長1.55μm帯の導波路接続型EA変調器集積DFBレーザの製造方法である。図11は、第一の実施例の製造方法により作製した導波路接続型EA変調器集積化半導体レーザの斜視図である。図12(a)〜(h)は、第一の実施例の製造工程を説明する上面図である。図13(a)〜(h)は、第一の実施例の製造工程を説明する光軸方向の断面図であり、図12(a)〜(h)のA−B断面に対応する図である。図14(a)〜(d)は、第一の実施例の製造工程を説明する上面図であり、図12および図13に示した工程に引き続いて行う工程を示すものである。図15(a)〜(d)は、第一の実施例の製造工程を説明する光軸に垂直な方向の断面図であり、図14(a)〜(d)のA−B断面に対応する図である。
図11に示すように、本集積デバイスはレーザ部41と変調器部42から構成され、レーザ用p電極43と変調器用p電極44が独立に形成されている。レーザ部41と変調器部42の間には、両者を電気的に分離するための溝45が形成されている。素子の光導波路部分はストライプ状に加工され、埋込みヘテロ構造46を有する。この構造は「BH型」としてよく知られたものである。この例では、埋込みへテロ構造46におけるストライプ状の光導波路部分の周囲は、ルテニウムをドープした半絶縁性のInP22で埋め込まれている。
当該実施例における半導体の積層構造を図13(h)および図11を用いて説明する。素子特性を最適化するために、レーザ部41とEA変調器部42を独立に最適な構造としているため、レーザ部41とEA変調器部42はそれぞれ異なった積層構造を有している。ただし、基板はn型InP基板11で共通である。レーザ部の半導体層16は、詳細の図示は省略するがInGaAsP光閉じ込め層に挟まれたInGaAsPMQW構造からなっており、活性領域となるMQW構造は、厚さ6nmのウェル層と厚さ10nmのバリア層を7周期積層し、レーザとして十分な特性を実現できるように設計した。これらの層の上方には、InGaAsP系材料からなる回折格子51を形成した。活性層領域および回折格子51の構造は、室温でのDFBレーザの発振波長が1550nmとなるように形成した。
尚、ここで、量子井戸層を挟んで設けられた光閉じ込め層は、量子井戸層の光閉じ込めを強化するための層である。光導波機能はコア領域を、これより屈折率の低いクラッド層で挟み込むことによって生じるものであり、クラッド層/量子井戸層/クラッド層の積層構造により光導波機能が実現されるものであるが、具体的形態では、量子井戸層における光閉じ込めを強化するため、量子井戸層を挟んで光閉じ込め層を設けているのである。その目的より、クラッド層の屈折率は光閉じ込め層の屈折率より低い値とする。尚、本実施例では基板側のクラッド層は当該InP基板11がこの役割を担っているが、勿論、半導体基板上に基板側クラッド層を別に設けることも可能である。
回折格子51の極性はn型、p型のいずれでも良い。p型の場合には、DFBレーザは、光の伝播方向に屈折率のみが周期的に変化する屈折率結合型となる。また、n型の回折格子では、利得結合型DFBレーザとなる。それは、既に知られているように、回折格子が周期的な電流阻止層として機能するために、屈折率のみならず、活性層内の利得に周期的変化が生じるためである。また、本実施例では、回折格子51がDFBレーザの全領域で均一に形成されたものを説明したが、必要に応じて、領域の一部に回折格子の位相をずらして構成した、いわゆる位相シフト構造を設けても良い。
一方、EA変調器部の半導体層12は、詳細の図示は省略するがInGaAlAs光閉じ込め層に挟まれたInGaAlAsMQW構造からなっている。光吸収層となるInGaAlAsMQWの構造は、ウェル層の厚さを8nm、バリア層の厚さを5nmとし、これらを10周期積層したものである。変調器のバリア層をレーザのバリア層と比較して薄くする理由は、吸収層内でのキャリアの移動を容易にして変調器特性を向上させるためである。
また、レーザ部41と変調器部42は、バルク光導波路部52を介して結合されている。
次に、本実施例の製造プロセスを、図12〜15を用いて説明する。まず、EA変調器部分の構造を形成するために、n型InP基板11上に、n型InGaAlAs光閉じ込め層とInGaAlAs系多重量子井戸光吸収層とアンドープInGaAlAs光閉じ込め層からなるEA変調器の半導体層12と、p型InPクラッド層53を積層した。この多層構造を有するInPウェハ上に、先端部分の形状が45°の傾斜角を有する二酸化珪素膜からなる第一のマスクパターン13を形成し、EA変調器部とする部分に保護マスクを形成した。この第一のマスクパターン13の幅は10ミクロンとした(図12(a)および図13(a))。なお、第一のマスクパターン13の形成方法としては、本プロセスではまず通常のプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法で二酸化珪素膜をウェハ全面に形成した後に、密着露光法を用いてレジストパターンを形成し、これをフッ酸水素系ウェットエッチング液で二酸化珪素膜に転写する方法を用いた。しかしながらマスクパターンの形成方法はその他通例の各種方法を用いてもよく、例えば膜形成には熱CVDやスパッタ法等を用いてもよいし、また露光法には縮小投影露光法等を用いてもよいし、またパターン転写にはドライエッチング法を用いてもよい。
次に、この第一のマスクパターン13を用いて、InPクラッド層53と光吸収層を含むEA変調器の半導体層12の、第一のマスクパターン13に覆われていない部分をエッチング除去した。エッチングは半導体層最下部のn型InGaAlAs光閉じ込め層部分まで行い、n型InP基板11上で選択的に停止させた。エッチングには、例えば反応性イオンエッチング(RIE:Reactive Ion Etching)等のドライエッチング、あるいは酸化剤を含有した通常の選択性ウェットエッチング液、あるいは両者の併用、いずれの手法を用いても良い。ここでは、塩素系ガスのICP(Inductively Coupled Plasma)を用いたRIEの後に選択エッチングを行う方法を用いた。ウェットエッチングを併用したために、EA変調器の半導体層12に若干のサイドエッチングが入った(図12(b)および図13(b))。
次に、本試料を結晶成長炉に搬入してMOVPE法を用いて600℃にてアンドープInGaAsPからなるバルク光導波路層14、およびアンドープInP層54を形成した。この時、第一のマスクパターン13の先端形状に傾斜をつけて細くした本発明の効果により、InGaAsPバルク光導波路層のバットジョイント接続部近傍の形状の乱れは非常に小さくなり、EA変調器側の半導体層12と、InGaAsP光導波路側の半導体層14がほぼ直線的に接続された、光散乱の少ない良好なバットジョイント接続形状が得られた(図12(c)および図13(c))。
次に、EA変調器用半導体層12の全てとバルク導波路用半導体層14の必要な部分を残してエッチングするためのマスクとして、凸状に先端部分が細くなっており、さらにマスク先端部分の辺が光軸方向に垂直な方向に対して45°の傾斜角を有する、二酸化珪素からなる第二のマスクパターン15を形成した。このとき、第二のマスクパターン15の幅は、第一のマスクパターン13で限定されたEA変調器の領域を覆う太い部分で20ミクロン、第一のマスクパターン13で限定された領域以外のバルク導波路の部分を覆う細い部分で10ミクロンとした。(図12(d)および図13(d))。
続いて、この二酸化珪素からなる第二のマスクパターン15を用いて、アンドープInP層54とInGaAsPバルク光導波路層14をエッチング除去した。このとき、エッチングはn型InP基板11上で選択的に停止させた。エッチング方法としてここでは、エタン系ガスのRIEと酸化剤を含んだ通常の選択ウェットエッチングを併用する手法でエッチングした。ウェットエッチングを併用したために、バルク光導波路層14には若干のサイドエッチングが入った(図12(e)および図13(e))。
次に、本試料を結晶成長炉に搬入してレーザ部分の多層構造を形成した。レーザ部分の多層構造は、InGaAsP光閉じ込め層で挟まれたInGaAsP多重量子井戸層からなる半導体層16と、その上方に形成された、InGaAsP系材料からなる回折格子供給層55からなっている。この時、第二のマスクパターンの先端を細くして、さらにマスク先端に傾斜をつけることによって選択成長効果を抑制する本発明の効果により、レーザ部分の多層構造のバットジョイント接続部近傍における形状の乱れは極めて小さく、InGaAsPバルク導波路側の半導体層14と、InGaAsP系レーザ側の半導体層16がほぼ直線的に接続された、光散乱の少ない良好なバットジョイント接続形状が得られた。また、レーザ用MQW層のバットジョイント接合部近傍に生じる結晶欠陥の生成量も少なかった。ただし、本実施例ではマスクパターンの傾斜角を45°と大きくしたために、InPのマストランスポート量は大きく、InGaAsPバルク導波路の半導体層14とInGaAsPレーザの半導体層16とのバットジョイント接続部にInP層21が少量挟まった形状となった(図12(f)および図13(f))。
続いて、通常の干渉露光法とウェットエッチング技術を用いて回折格子供給層55を回折格子51の形状に加工してから第二のマスクパターン15を除去し、p型InPクラッド層56とp型InGaAsコンタクト層57を形成した。これらの結晶成長工程には、MOVPE法を用いた。なお、p型InGaAsコンタクト層57は、電極形成時に良好なオーミック接続を得るために形成した。このとき、製造プロセスで用いた第一および第二のマスクパターンの特徴的な形状が、図12(g)および図13(g)の点線に示すような半導体表面上の微小な段差として、半導体表面に痕跡を残すことを付記しておく。
これに引き続き、光導波路を形成するための二酸化珪素からなる幅2ミクロンのストライプ状の第三のマスクパターン19を、各光素子部を直線的に横断するように形成した(図12(h)および図13(h)および図14(a)および図15(a))。続いて塩素とアルゴンの混合ガスのECR(Electron Cyclotron Resonance)プラズマを用いた反応性イオンエッチングでメサ加工を行った。ここで、エッチング深さはInP基板11部分を2ミクロン掘り込む深さとした。なお、ドライエッチング後にも本発明で用いたマスクパターンの特徴的な形状が半導体表面上の微小な段差として痕跡を残すことを付記しておく(図14(b)および図15(b))。
続いてMOVPE法により、ルテニウムをドープした半絶縁性InP22を結晶成長し、いわゆる埋込みへテロ構造を作製した(図14(c)および図15(c))。ここで、埋込みへテロ構造とは、光導波路の光の進行方向の両側を光を閉じ込め得る材料で埋め込んだ構造である。埋め込みに用いる材料は、通例半絶縁性の材料とする。本例では、ルテニウムをドープした半絶縁性のInP22を用いた。本製造プロセスでは、半絶縁性を得るためのドーパントとして、拡散を起こしにくいルテニウムを用いたことの効果により、バットジョイント接合部近傍のMQW欠陥領域における欠陥複合化が起こらず、光損失の少ないバットジョイント接合状態を維持することができた。
続いてメサエッチングと埋込み成長のマスクとして用いた第三のマスクパターン19を除去することで、集積光デバイス作製に向けたベースとなる半導体集積構造が完成した(図14(d)および図15(d))。このとき、本製造プロセスで用いた本発明の第一および第二のマスクパターンの特徴的な形状が、図14(d)の点線に示すように半導体表面上の微小な痕跡として残ることを付記しておく。
以上の半導体集積構造形成工程に引き続き、通常のプロセスによりアイソレーション溝45、レーザ用p電極43、変調器用p電極44、およびn電極58を形成すると共に、素子の前端面および後端面に、それぞれ通例の半導体光素子で用いられる低反射膜59および高反射膜60を形成することでバルク導波路接続型EA変調器集積化DFBレーザが完成した。
本発明のバルク導波路接続型EA変調器集積レーザは、光導波路の接続形状不良およびMQW結晶欠陥領域に起因する光損失が少ない本発明の効果を反映して、室温、連続条件におけるスロープ効率の平均値が0.4W/Aの、高効率な発振特性を示した。一方、本発明の効果を示すため比較用に作製した、従来型の長方形の第一のマスクパターンと長方形の第二のマスクパターンを用いて作製した集積デバイスでは、スロープ効率の平均値は0.3W/Aであった。
この結果、本発明の効果により、素子のスロープ効率が約1.3倍に改善することが分かった。これは、本発明を適用した素子では、光導波路上に光散乱や光吸収の原因となる形状の乱れやMQWの欠陥領域が少ないために、導波路内の光損失が従来の製造方法に比べて小さくなったことによるものである。また、本発明のバルク導波路接続型EA変調器集積レーザに対し50℃、5mWでの一定光出力通電試験を行った結果、推定寿命として100万時間が得られ、本発明の集積デバイスが高い信頼性を有することが実証された。
本発明の第二の実施例を、図16〜20を用いて説明する。本実施例はEA変調器とDFBレーザをバルク導波路で接続する形で集積した波長1.3μm帯のバルク導波路接続型EA変調器集積DFBレーザである。図16は、第二の実施例の製造方法により作製したバルク導波路接続型EA変調器集積DFBレーザの斜視図である。図17(a)〜(h)は、第二の実施例の製造工程を説明する上面図である。図18(a)〜(h)は、第二の実施例の製造工程を説明する光軸方向の断面図であり、図17(a)〜(h)のA−B断面に対応する図である。図19(a)〜(c)は、第二の実施例の製造工程を説明する上面図であり、図17および図18に示した工程に引き続いて行う工程を示すものである。図20(a)〜(c)は、第二の実施例の製造工程を説明する光軸に垂直な方向の断面図であり、図19(a)〜(c)のA−B断面に対応する図である。
図16に示すように、本集積デバイスはレーザ部41と変調器部42から構成され、レーザ用p電極43と変調器用p電極44が独立に形成されている。レーザ部41と変調器部42の間は、バルク光導波路部52で接続されている。これら3つの光素子部を貫くように形成されたストライプ状の光導波路は、いわゆるリッジ導波路型構造61に加工されている。この構造はよく知られたものである。この例では、リッジ導波路構造61におけるストライプ状のリッジ導波路部分の周囲は、二酸化珪素膜62で半導体表面を保護した上で、ポリイミド63で埋め込まれている。
当該実施例における半導体の積層構造を、図18(h)および図16を用いて説明する。素子特性を最適化するために、レーザ部41とEA変調器部42を独立に最適な構造としているため、レーザ部41とEA変調器部42はそれぞれ異なった積層構造を有している。ただし、基板はn型InP基板11で共通である。レーザ部の半導体層16は、詳細の図示は省略するがInGaAlAs光閉じ込め層に挟まれたInGaAlAsMQW構造からなっており、活性領域となる歪MQW構造は、厚さ5nmのウェル層と厚さ9nmのバリア層を4周期積層し、レーザとして十分な特性を実現できるように設計した。これらの層の上方には、InGaAsPからなる回折格子構造64を形成した。活性層領域および回折格子構造64の構造は、室温でのDFBレーザの発振波長が1310nmとなるように形成した。尚、本実施例では基板側のクラッド層は当該基板がこの役割を担っているが、勿論、半導体基板上に基板側クラッド層を別に設けることも可能である。
一方、EA変調器部の半導体層12は、詳細の図示は省略するがInGaAsP光閉じ込め層に挟まれたInGaAsP歪MQW構造からなっている。光吸収層となるInGaAsP歪MQWの構造は、ウェル層の厚さを7nm、バリア層の厚さを5nmとし、これらを10周期積層したものである。変調器部42のバリア層をレーザ部41のバリア層と比較して薄くする理由は、吸収層内でのキャリアの移動を容易にして変調器特性を向上させるためである。また、レーザ部41と変調器部42は、バルク光導波路層部52を介して結合されている。
次に、本実施例の製造プロセスを、図17〜20を用いて説明する。まず、DFBレーザ部分の構造を形成するために、n型InP基板11上に、n型InGaAlAs光閉じ込め層とInGaAlAs系MQW活性層とp型InGaAlAs光閉じ込め層からなるレーザ用の半導体層16を積層し、その上方に回折格子構造64を形成した。次にこの多層構造を有するInPウェハ上に、先端部分の形状が60°の傾斜角を有する窒化珪素膜からなる第一のマスクパターン13を形成し、レーザ部として残す部分に保護マスクを形成した。この第一のマスクパターンの幅は5ミクロンとした(図17(a)および図18(a))。なお、第一のマスクパターン13の形成方法としては、まずプラズマCVD法を用いて窒化珪素膜をウェハ全面に形成した後に、縮小投影露光法等を用いてレジストパターンを形成し、フッ化炭素系ガスのドライエッチング法を用いてレジストパターン形状を二酸化珪素膜に転写するという方法を用いた。また、本マスクパターン先端の傾斜の方向は、第一の実施例の場合をプラス45度とすると、マイナス60度に対応する異なる方向であるが、どちらの方向に傾斜させても本発明では同様の効果が得られる。このようにどちら側にマスク形状を傾斜させても同じ効果が得られる理由は、III−V族化合物半導体の結晶構造の対称性に起因するものである。
次にこの第一のマスクパターン13を用いて、回折格子構造64と活性層を含む半導体層16をエッチング除去する。エッチングには塩素系ガスのICPによるドライエッチングを用い、半導体層16の最下部のn型InGaAlAs光閉じ込め層部分までエッチングしてn型InP基板11上部で停止させた(図17(b)および図18(b))。ここで、エッチングの終点検知はプラズマ分光法と光干渉法を併用することにより行った。
次に、本試料を結晶成長炉に搬入してMOVPE法を用いてアンドープInGaAsPからなるバルク光導波路層14、およびアンドープInP層54を形成した。この時、第一のマスクパターン13の先端形状に60度の傾斜角度をつけて細くした本発明の効果により、InGaAsPバルク光導波路層14のバットジョイント接続部近傍の形状の乱れは非常に小さく、レーザ側の半導体層16と、InGaAsP光導波路側の半導体層14がほとんど膜厚に乱れなく接続された、光散乱の少ない良好なバットジョイント続形状が得られた(図17(c)および図18(c))。
次に、レーザ部と光導波路部の必要な部分を残してエッチングするためのマスクとして、凸状に先端部分が細くなっており、さらにマスク先端部分の辺が光軸方向に垂直な方向に対して15°の傾斜角を有する窒化珪素膜からなる第二のマスクパターン15を形成した。このとき、第二のマスクパターン15の幅は、レーザ部分を覆う太い部分で10ミクロン、レーザ部分につながるバルク導波路部分を覆う細い部分で5ミクロンとした。(図17(d)および図18(d))。
続いて、この第二のマスクパターン15を用いて、アンドープInP層54とInGaAsPバルク光導波路層14をエッチング除去した。このとき、エッチングはn型InP基板11上で選択的に停止させた。エッチングは、まず塩素ガスのECRプラズマを用いたRIEドライエッチングを施した後、通常の選択ウェットエッチング液で残ったInGaAsPバルク構造を除去した(図17(e)および図18(e))。
次に、本試料を結晶成長炉に搬入してMOVPE法によりEA変調器部分の多層構造を選択成長した。EA変調器部分の構造は、InGaAsP光閉じ込め層で挟まれたInGaAsP歪多重量子井戸層からなる半導体層12とp型InPクラッド層53からなっている。この時、第二のマスクパターン15の形状を凸状にして先端部分を細くし、さらにマスク先端に傾斜をつけて細くした本発明の効果により、バットジョイント接続部近傍におけるEA変調器用半導体層12の形状の乱れは無視できる程に小さくなり、また、InGaAsP系MQWのバットジョイント接合部近傍における結晶欠陥も少なくなったため、極めて光損失の少ないバットジョイント接続が得られた。さらに、第二のマスクパターン15の傾斜角度を15°に設定したことにより、InPのマストランスポート現象を大幅に抑制することに成功し、InGaAsPバルク導波路14とInGaAsP系MQW12が直接接合する良好なバットジョイント接続が得られた(図17(f)および図18(f))。
続いて第二のマスクパターン15を除去し、MOVPE法によりp型InPクラッド層56とp型InGaAsコンタクト層57を形成した。このp型InGaAsコンタクト層57は、電極形成時に良好なオーミック接続を得るために形成した。これに引き続き、光導波路を形成するための二酸化珪素からなる幅1.5ミクロンのストライプ状の第三のマスクパターン19を、DFBレーザ部、バルク導波路部、EA変調器部の3つの光素子部を直線的に横断するように形成した(図17(h)および図18(h)および図19(a)および図20(a))。
上記の結晶成長工程に引き続き、メタンと酸素と水素の混合ガスを用いた選択ドライエッチングによりリッジ構造のメサストライプを形成した(図19(b)および図20(b))。このとき、エッチングはバットジョイント接続した半導体層の上面まで行った。この後、メサストライプの加工に用いた第三のマスクパターン19を除去し、集積デバイス作製のベースとなる半導体層が完成した(図19(c)および図20(c))。
この後の工程は通例の製造方法と同様であるので詳細は省略するが、その概略を記載すると、まずEA変調器部42とレーザ部41の間のp型InGaAsコンタクト層67を除去して電気的に分離するアイソレーション工程を行ったのち、リッジ導波路構造61の半導体表面を二酸化珪素膜62で保護するパッシベーション工程、そしてポリイミド63を用いた埋込み平坦化工程によりリッジ導波路構造を形成した。さらに、レーザ用p電極43およびEA変調器用p電極44、そしてn電極58を形成した。また、素子の前端面および後端面には、それぞれ通例の半導体光素子で用いられる低反射膜59および高反射膜60を形成することでバルク導波路接続構造を有するリッジ導波路構造のEA変調器集積レーザが完成した。
本発明のEA変調器集積レーザは、バットジョイント接続部の形状不良およびMQW結晶欠陥に起因する光損失が少ない本発明の効果を反映して、室温、連続条件におけるスロープ効率の平均値が0.35W/Aの、高効率な発振特性を示した。また、本発明のEA変調器集積レーザに対し80℃、10mWでの一定光出力通電試験を行った結果、推定寿命として150万時間が得られ、本発明の集積デバイスが高い信頼性を有することが実証された。
なお、本実施例では本発明のEA変調器集積レーザ素子への適用例について述べたが、本発明はビーム拡大器集積レーザ等のその他の集積光デバイスにも同様に適用可能である。また、本実施例ではInP基板上の光素子への適用例について述べたが、本発明はGaAs基板などの、その他の化合物半導体基板上の光素子へも適用可能である。また、本実施例では3つの光素子部が集積形成された集積デバイスへの適用例について述べたが、たとえば半導体レーザアレイと合分波器と半導体光増幅器とフォトダイオードが集積された集積デバイスのように、4つ以上の光素子部が集積形成された集積光デバイスにも適用可能である。
11…InP基板、12…EA変調器の半導体層、13…第一のマスクパターン、14…光導波路の半導体層、15…第二のマスクパターン、16…DFBレーザの半導体層、17…MQW層の結晶欠陥領域、18…InPクラッド層を有する半導体層、19…第三のマスクパターン、21…InP層、22…ルテニウムドープ半絶縁性InP、41…レーザ部、42…変調器部、43…レーザ用p電極、44…変調器用p電極、45…分離溝、46…埋込みへテロ構造、51…回折格子、52…バルク光導波路部、53…p型InPクラッド層、54…アンドープInP層、55…回折格子供給層、56…p型InPクラッド層、57…p型InGaAsコンタクト層、58…n電極、59…低反射膜、60…高反射膜、61…リッジ導波路構造、62…二酸化珪素膜、63…ポリイミド、64…回折格子構造

Claims (8)

  1. 半導体基板または前記半導体基板上に形成された第一のクラッド層上に、InGaAlAsで形成された多重量子井戸構造を含む第一の半導体層を形成する工程と、
    前記第一の半導体層の一部を覆う第一のマスクパターンを形成する工程と、
    前記第一のマスクパターンに覆われていない前記第一の半導体層を第一のエッチングにより除去する工程と、
    前記第一のエッチングにより前記第一の半導体層を除去した領域にInGaAsPで形成されたバルク層を含む第二の半導体層を形成する工程と、
    前記第一の半導体層の全てと前記第二の半導体層の一部を覆う第二のマスクパターンを形成する工程と、
    前記第二のマスクパターンに覆われていない前記第二の半導体層を第二のエッチングにより除去する工程と、
    前記第二のエッチングにより前記第二の半導体層を除去した領域にInGaAsPで形成された多重量子井戸構造を含む第三の半導体層を形成する工程と、
    上記の工程により形成した前記第一の半導体層と前記第二の半導体層と前記第三の半導体層が集積された半導体構造の上部に第二のクラッド層を含む第四の半導体層を形成する工程と、
    前記第四の半導体層の上部に第三のマスクパターンを形成し、該第三のマスクパターンを用いて前記第一の半導体層と前記第二の半導体層と前記第三の半導体層に光を導波させる光導波路構造を形成する工程とを有する集積光デバイスの製造方法であって、
    前記第二のマスクパターンの幅は、前記光導波路の光軸に対して垂直な方向に引いた直線に沿って測定した場合に、前記光導波路の前記光軸上の位置によって異なり、前記第一のマスクパターンと交差している部分の幅に対して、交差していない場所における主たる部分の幅が狭く、
    前記第一のマスクパターンの、前記光導波路と交差する辺が、前記光導波路の前記光軸に垂直な方向から傾斜しており、その傾斜角度が5度から85度の範囲であり、
    前記第二のマスクパターンの、前記光導波路と交差する辺が、前記光導波路の前記光軸に垂直な方向から傾斜しており、その傾斜角度が5度から15度の範囲にあることを特徴とする集積光デバイスの製造方法。
  2. 請求項1に記載の集積デバイスの製造方法であって、前記第一のマスクパターンの前記光導波路と交差する辺の傾斜角度と、前記第二のマスクパターンの光導波路と交差する辺の傾斜角度が異なることを特徴とする集積光デバイスの製造方法。
  3. 請求項に記載の集積光デバイスの製造方法であって、前記第一の半導体層に含まれる多重量子井戸構造及び前記第三の半導体層に含まれる多重量子井戸構造が歪量子井戸構造であり、
    前記半導体基板がInPであり、前記第一の半導体層から構成される第一の光素子部が光変調器であり、前記第二の半導体層から構成される第二の光素子部が光導波路であり、前記第三の半導体層から構成される第三の光素子部が半導体レーザであることを特徴とする集積光デバイスの製造方法。
  4. 請求項に記載の集積光デバイスの製造方法であって、前記第一の半導体層に含まれる多重量子井戸構造及び前記第三の半導体層に含まれる多重量子井戸構造が歪量子井戸構造であり、
    前記半導体基板がInPであり、前記第一の半導体層から構成される前記第一の光素子部が半導体レーザであり、前記第二の半導体層から構成される前記第二の光素子部が光導波路であり、前記第三の半導体層から構成される前記第三の光素子部が光変調器であることを特徴とする集積光デバイスの製造方法。
  5. 請求項1に記載の集積光デバイスの製造方法であって、
    記第三のマスクパターンを用いて前記第一の半導体層と前記第二の半導体層と前記第三の半導体層に光を導波させる前記光導波路構造を形成する工程が第三のエッチング工程であり、
    前記第三のエッチング工程で形成した前記光導波路構造を、ルテニウムがドーピングされた半絶縁性InPで埋め込む工程を有することを特徴とする集積光デバイスの製造方法。
  6. 半導体基板または前記半導体基板上に形成された第一のクラッド層上に、InGaAlAsで形成された多重量子井戸構造を含む第一の半導体層を形成する工程と、
    前記第一の半導体層の一部を覆う第一のマスクパターンを形成する工程と、
    前記第一のマスクパターンに覆われていない前記第一の半導体層を第一のエッチングにより除去する工程と、
    前記第一のエッチングにより前記第一の半導体層を除去した領域にInGaAsPで形成されたバルク層を含む第二の半導体層を形成する工程と、
    前記第一の半導体層の全てと前記第二の半導体層の一部を覆う第二のマスクパターンを形成する工程と、
    前記第二のマスクパターンに覆われていない前記第二の半導体層を第二のエッチングにより除去する工程と、
    前記第二のエッチングにより前記第二の半導体層を除去した領域にInGaAsPで形成された多重量子井戸構造を含む第三の半導体層を形成する工程と、
    上記の工程により形成した前記第一の半導体層と前記第二の半導体層と前記第三の半導体層が集積された半導体構造の上部に第二のクラッド層を含む第四の半導体層を形成する工程と、
    第四の半導体層の上部に第三のマスクパターンを形成し、該第三のマスクパターンを用いて前記第一の半導体層と前記第二の半導体層と前記第三の半導体層に光を導波させる光導波路構造を形成する工程とを有する製造方法にて作製される集積光デバイスであって、
    前記第二のマスクパターンの幅は、前記光導波路の光軸に対して垂直な方向に引いた直線に沿って測定した場合に、前記光導波路の前記光軸上の位置によって異なり、前記第一のマスクパターンと交差している部分の幅に対して、交差していない場所における主たる部分の幅が狭く、
    前記第一のマスクパターンの、前記光導波路と交差する辺が、前記光導波路の前記光軸に垂直な方向から傾斜しており、その傾斜角度が5度から85度の範囲であり、
    前記第二のマスクパターンの、前記光導波路と交差する辺が、前記光導波路の前記光軸に垂直な方向から傾斜しており、その傾斜角度が5度から15度の範囲にあることを特徴とする集積光デバイス。
  7. 請求項に記載の集積デバイスであって、前記第一のマスクパターンの光導波路と交差する辺の傾斜角度と、前記第二のマスクパターンの光導波路と交差する辺の傾斜角度が異なることを特徴とする集積光デバイス。
  8. 請求項に記載の集積光デバイスであって、前記第一の半導体層から構成される第一の光素子部が光変調器であり、前記第二の半導体層から構成される第二の光素子部が光導波路であり、前記第三の半導体層から構成される第三の光素子部が半導体レーザであることを特徴とする集積光デバイス。
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