JP2010074131A - 半導体発光素子及びその製造方法 - Google Patents

半導体発光素子及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】電流非注入領域を有するリッジストライプ上に形成される電極の接触抵抗を低減し、且つ電流−光出力特性に生じる不連続な跳びを抑制すると共に、高出力動作を行えるようにする。
【解決手段】半導体発光素子は、基板1上に少なくともn型クラッド層2、活性層4、p型クラッド層6及びp型コンタクト層8が順次積層され、p型クラッド層及びp型コンタクト層からなるリッジ部6aを有している。p型クラッド層の上には、リッジ部を覆うように設けられ、リッジ部の上部を選択的に露出する開口部を有する誘電体膜10と、該誘電体膜から露出したp型コンタクト層の上面及び側面と接触するP電極9とが形成されている。誘電体膜は、リッジ部の端部を覆うことにより、活性層に注入される電流を阻止する電流非注入領域30を有し、誘電体膜の電流非注入領域はp型コンタクト層と接して形成されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、半導体発光素子及びその製造方法に関し、特に電流非注入領域を有する窒化ガリウム(GaN)系半導体レーザダイオード及びその製造方法に関する。
近年、窒化ガリウム(GaN)系半導体を用いた発光素子は、レーザダイオード又は発光ダイオードとして急速に普及している。特に、GaN系半導体レーザダイオードは、高密度光ディスクシステムにおける光ピックアップ装置におけるキーデバイスとして、産業上の重要性を増してきており、その用途の拡大と共に小型化と低動作電流化とが可能であり、高出力且つ長寿命特性への要求が高まっている。
なかでも、高出力での動作に関しては、動作電流を低減する技術、レーザ光における横モードを安定化する技術、及び共振器の光学損傷(Catastrophic Optical Damage:COD)を防止する技術が求められる。光学損傷を抑制するために、例えば、特許文献1には、共振器端面の近傍に電流非注入領域を設ける構成が記載されており、高出力を必要とするGaN系半導体レーザダイオード等への適応が検討されている。
(第1の従来例)
以下、第1の従来例に係る半導体レーザダイオードについて、図29(a)〜図29(d)を参照しながら説明する。
第1の従来例に係るGaN系半導体レーザダイオードは、リッジ導波路構造(リッジストライプ)101aがPd(パラジウム)膜102及びPt(白金)膜103を積層したP電極104をエッチングマスクとして、GaN系半導体層101をドライエッチングすることにより形成されている。従って、共振器の端部に形成された電流非注入領域101bは、Pd/PtからなるP電極104を除去することにより形成される。
図29(a)〜図29(d)に示すような、GaN系半導体層101の上部クラッド層に設けられたリッジストライプ101aは、活性層(図示せず)に注入される電流を狭窄して、該活性層におけるレーザ発振のための共振領域の幅を制限する。このため、レーザ光の横モードが安定して動作電流が低減する。さらに、共振器の端部に電流非注入領域101bが設けられることにより、共振器端面のCODが有効に防止されて、長寿命化を図ることができる。
具体的には、第1の従来例に係るGaN系半導体レーザダイオードは、以下の工程により製造される。
まず、図29(a)に示すように、N型GaN基板100の上にエピタキシャル成長したGaN系半導体層101の上に、Pd膜102及びPt膜103を順次積層してP電極104を形成する。
次に、図29(b)に示すように、P電極104をエッチングマスクとして、GaN系半導体層101をドライエッチングすることにより、リッジストライプ101aを形成する。このとき、エッチング終了時点で、P電極104を構成する金属膜のうちの上層のPt膜103がほぼ除去されるようにエッチングを行う。
次に、図29(c)に示すように、Pd膜102及び残存するPt膜103のうちP電極104として用いる部分を残して他の領域を王水によるエッチングにより除去して、リッジストライプ101aに電流非注入領域101bを形成する。
次に、図29(d)に示すように、リッジストライプ101aを含むGaN系半導体層101の上に誘電体膜105を形成する。続いて、誘電体膜105の上に、リッジストライプの上側に所定の開口部を有するレジストパターンを形成し、例えば反応性イオンエッチング(RIE)法により、誘電体膜105におけるリッジストライプ101aの上側部分を除去して、誘電体膜105からPt膜103を露出する。その後、Ti(チタン)/Pt(白金)/Au(金)からなる金属積層膜からなるパッド電極106をリフトオフ法により形成する。
(第2の従来例)
第1の従来例と異なる製造方法として特許文献2に記載された第2の従来例がある。これについて、図30(a)〜図30(c)を用いて説明する。
まず、図30(a)に示すように、誘電体膜105が形成されたリッジストライプ101aを覆うようにレジスト膜109を形成する。その後、レジスト膜109をアッシングによりエッチバックすることにより、誘電体膜105におけるリッジストライプ101aの頂面を露出する。
次に、図30(b)に示すように、ウエットエッチング法により、レジスト膜109をマスクとして誘電体膜105をエッチングして、図30(c)に示すように、リッジストライプ101aの上部を構成するコンタクト層108を誘電体膜105から露出する。その後、図示はしていないが、露出したコンタクト層108を含むレジスト膜109の上に、電極形成用の金属膜を堆積し、レジスト膜109の上に堆積した金属膜を該レジスト膜109と共に除去する、いわゆるリフトオフ法により、コンタクト層108の上に電極を形成する。ここで、形成されたコンタクト層108及び電極は、誘電体膜105における基板面に平行な部分の膜厚よりも厚く形成されている。このため、レジスト膜109に対してエッチバックを行った後に、レジスト膜109を用いて誘電体膜105を選択的にエッチングする際に、コンタクト層108を除いたリッジストライプ101aの側面が露出することを防止できる構造、すなわち、コンタクト層108を除くリッジストライプ101aの側面を誘電体膜105で覆ったままの構造とすることができる。
第2の従来例と第1の従来例との大きな相違点は、第2の従来例においては、リッジストライプ101aを形成し、さらに誘電体膜105をエッチングした後に電極を形成するため、電極の構成元素によるコンタミネーション(残留異物)及びPd膜102の劣化を抑制できることである。また、第2の従来例は、エッチバック法を用いているため、コンタクト層108の上面のみならず、該コンタクト層108の側面にも電極を被覆できるので、接触抵抗を低減できるという利点がある。
特開2008−34587号公報 特開2006−59881号公報
まず、第1の従来例においては、Pd/PtからなるP電極(導電膜)をエッチングマスクとして、GaN系半導体層をドライエッチングすることにより、リッジストライプを形成している。さらに、P電極における電流非注入領域の形成部分を王水によりエッチング除去している。
しかしながら、第1の従来例には、コンタクト層上面の電流非注入領域から金属膜を完全に除去することは困難であるという問題がある。コンタクト層の上面の電流非注入領域に金属膜が残ると、電流非注入領域において、GaN系半導体層と誘電体膜との界面にレーザ発振に寄与しない無効電流が増大したり、誘電体膜とコンタクト層との界面の密着性が損なわれて誘電体膜の剥離や放熱不良が発生したりする。
また、P電極をマスクとしてGaN系半導体層をエッチングすると、その後の拡散工程においても、電極を構成する金属元素のコンタミネーションも懸念される。さらに、Pd膜はとりわけ水素を吸収し易い性質を有している。このため、拡散工程における雰囲気ガスの影響を受けてP電極が劣化し、素子抵抗の増大も懸念される。
また、共振器端面の近傍に電流非注入領域を設ける構造は、該電流非注入領域の面積が小さ過ぎるとCOD抑止の効果がなく、逆に大き過ぎると非注入領域が可飽和吸収体となって、電流−光出力特性に不連続な跳びを生じることになる。このため、リッジストライプの上面において、電流非注入領域を形成する誘電体膜の端部とP電極の端部とが離間することなく精度良く形成される必要がある。
さらに、第1の従来例に係る製造方法は、ウエットエッチング法を用いる必要があり、王水等をエッチャントに用いる場合は、Pt膜を極薄く残すようにしたとしても、王水によるPt膜のエッチング速度はPd膜と比べて極めて小さい。このため、電流非注入領域の長さを、例えば10μm程度以下の高精度で安定して形成するには向いていない。
また、第2の従来例のように、レジスト膜にエッチバック法を用いる方法では、電流非注入領域が形成されるように誘電体膜を残存させることは不可能である。全面が露出したリッジストライプの上面に、誘電体膜を選択的に形成する工程は複雑となるため、良好な電流非注入領域を形成できないという問題がある。
また、P電極としてPd/Pt膜をリッジストライプ上に選択的に且つ安定して形成するには、例えばリストオフ法が考えられる。しかしながら、第2の従来例に係る製造方法だけで誘電体膜をエッチングした後に、Pd/Pt膜を蒸着し、リフトオフするのは困難であるという問題もある。
本発明は、前記従来の問題を解決し、電流非注入領域を有するリッジストライプ上に形成される電極の接触抵抗を低減し、且つ電流−光出力特性に生じる不連続な跳びを抑制すると共に、高出力動作を行えるようにすることを目的とする。
前記の目的を達成するため、本発明は、半導体発光素子の製造方法を、第1のレジスト膜をエッチバックして、該第1のレジスト膜を失活し、さらに、失活した第1のレジスト膜の上に誘電体膜の電流非注入領域をマスクする第2のレジスト膜を形成することにより、リッジストライプの上に形成される誘電体膜からなる電流非注入領域を形成する構成とする。
具体的に、本発明に係る半導体発光素子は、半導体基板の上に、少なくとも第1導電型の第1クラッド層、活性層、第2導電型の第2クラッド層及び第2導電型のコンタクト層が順次積層され、第2クラッド層及びコンタクト層がストライプ状に形成されたリッジ部を有する半導体積層体と、第2クラッド層の上にリッジ部を覆うように設けられ、リッジ部の上部を選択的に露出する開口部を有する誘電体膜と、リッジ部の上部に設けられ、誘電体膜から露出したコンタクト層の上面及び側面と接触する第1の電極とを備え、誘電体膜は、リッジ部における共振器端面側の端部の少なくとも一方を覆うことにより、活性層に注入される電流を阻止する電流非注入領域を有し、誘電体膜における電流非注入領域は、コンタクト層と接して形成されていることを特徴とする。
本発明の半導体発光素子によると、第1の電極がコンタクト層の側面にも形成されているため、第1の電極とコンタクト層との接触面積が大きくなる。その上、第1の電極がコンタクト層から剥がれ難くなるので、接触抵抗を小さくすることができる。その結果、本半導体発光素子は低電流発振及び高出力化が可能となる。また、誘電体膜とコンタクト層とが密着性良く接触するため、電流非注入領域を介した電流リークが少なくなる。同時に、誘電体膜が剥離し難いことから放熱性が高く、また、第1の電極が電流非注入領域とほぼ接しているため、放熱性もより向上する。以上から、高出力で且つ電流−光出力(IL)特性の直線性に優れる長寿命特性を有する半導体発光素子を得ることができる。
本発明の半導体発光素子において、第1の電極は、誘電体膜から露出したコンタクト層の上面の全部に接触すると共に、コンタクト層の両側面と接触していることが好ましい。
このようにすると、第1の電極とコンタクト層との接触面積が最大となり、且つ第1の電極に剥がれが生じないため、接触抵抗を最小にすることができる。
本発明の半導体発光素子において、リッジ部の幅寸法はリッジ部が延びる方向において変化していてもよい。
このようにすると、第1の電極とコンタクト層との接触面積をさらに大きくできると共に、第1の電極に剥がれが生じないため、第1の電極の接触抵抗をさらに小さくにすることができる。
本発明の半導体発光素子において、半導体基板及び半導体積層体は、InAlGa1−x−yN(但し、0≦x≦1、0≦y≦1、x+y≦1)からなるIII-V族窒化物化合物半導体であってもよい。
このようにすると、発振波長を青紫色から緑色の領域に設定することができる。
この場合に、第1の電極は、コンタクト層と接触する部分にニッケル(Ni)又はパラジウム(Pd)を含んでいてもよい。
このようにすると、第1の電極のIII−V族窒化物化合物半導体からなるコンタクト層に対する接触抵抗を小さくすることができる。
本発明の半導体発光素子は、誘電体膜及び第1の電極の上に形成された第2の電極をさらに備え、第2の電極はリッジ部の共振器端面側の端部が電流非注入領域の上に位置するように形成されていてもよい。
このようにすると、電界集中によるCODレベルの劣化を防止することができる。
本発明の半導体発光素子において、第2の電極におけるリッジ部の共振器端面側の端部の幅寸法は、リッジ部の幅よりも大きくてもよい。
第1の電極はリッジ部の頂面上に形成されていることから電界集中が発生し易く、第2の電極をパッド電極として使用する場合には、このように第2の電極の幅をリッジ部の幅よりも大きくすることにより、第1の電極に対する電界集中を抑制できる。従って、高出力動作が可能となる。
本発明の半導体発光素子において、リッジ部は、該リッジ部の上部から下部に向けてその幅寸法が大きくなるように台形傾斜していてもよい。
このようにすると、誘電体膜の上に形成される第2の電極(例えばパッド電極)が滑らかに形成できるので、第2の電極に生じる段切れを防止することができる。
本発明の半導体発光素子において、誘電体膜はリッジ部の両側面を覆う部分の外側同士の間の寸法がリッジ部の上部から下部に向けて大きくなるように形成されていてもよい。
このようにしても、誘電体膜の上に形成される第2の電極(例えばパッド電極)が滑らかに形成できるので、第2の電極に生じる段切れを防止することができる。
本発明の半導体発光素子において、第1の電極は、リッジ部の共振器端面側の端部と該共振器端面との距離が3μm以上且つ10μm以下であってもよい。
このようにすると、電流−光出力特性に生じる不連続な跳びが抑制されるため、閾値電流値の上昇に伴う動作電流の増大が抑制できるため、高出力動作が可能となる。特に、半導体発光素子を光ディスク装置に用いた場合に、閾値電流の近傍で電流−光出力特性に不連続な跳びが発生すると、光出力のモニタ制御を安定して行えない等の不具合も生じるため、この跳び量を抑制することができる。
本発明に係る半導体発光素子の製造方法は、半導体基板の上に、少なくとも半導体層からなるn型クラッド層、活性層、p型クラッド層及びp型コンタクト層を順次積層することにより、半導体積層体を形成する工程と、p型クラッド層及びp型コンタクト層をエッチングすることにより、ストライプ状のリッジ部を形成する工程と、半導体積層体の上にリッジ部を覆うように誘電体膜を形成する工程と、誘電体膜の上に第1のレジスト膜を形成し、形成した第1のレジスト膜に対してエッチバックを行って、第1のレジスト膜から誘電体膜におけるリッジ部の上側部分を露出する工程と、第1のレジスト膜を失活させる工程と、誘電体膜におけるリッジ部の上側部分を含む第1のレジスト膜の上に、第2のレジスト膜を形成する工程と、形成した第2のレジスト膜に対して露光及び現像を行うことにより、第2のレジスト膜に、誘電体膜におけるリッジ部の上側部分を共振器端面側の両端部の少なくとも一方を残して露出する開口パターンを形成する工程と、第1のレジスト膜及び第2のレジスト膜をマスクとして誘電体膜をエッチングすることにより、誘電体膜からリッジ部の上部を選択的に露出する工程と、露出したリッジ部の上部を含む第1のレジスト膜及び第2のレジスト膜の上に第1の導電膜を形成する工程と、第1のレジスト膜及び第2のレジスト膜を除去することにより、リッジ部の上に、第1の導電膜からなる第1の電極を選択的に形成する工程と、第1の電極の上に第2の導電膜を形成し、形成した第2の導電膜をパターニングすることにより、第2の導電膜から第2の電極を形成する工程とを備えていることを特徴とする。
本発明の半導体発光素子の製造方法によると、第1のレジスト膜に対してエッチバック法を用い、さらにエッチバックされた第1のレジスト膜の上に所望の開口パターンを有する第2のレジスト膜を形成する2層レジスト工法を用いる。これにより、誘電体膜及び第1の導電膜のリッジ部における左右対称性を確保することができる。その上、リッジ部上であって、共振器の端部の上に第1の導電膜を形成しない電流非注入領域が形成されることから、光軸中心のずれを回避できる。このため、高CODレベルを実現することが可能となる。その上、誘電体膜の上に第1の電極が形成されないため、第1の電極の剥がれが生じにくくなる。
本発明の半導体発光素子の製造方法は、リッジ部を形成する工程において、リッジ部がその上部から下部に向けてその幅寸法が大きくなるように形成してもよい。
また、本発明の半導体発光素子の製造方法は、誘電体膜を形成する工程において、誘電体膜は、リッジ部の両側面を覆う部分の外側同士の間の寸法がリッジ部の上部から下部に向けて大きくなるように形成してもよい。
本発明の半導体発光素子の製造方法において、誘電体膜におけるリッジ部の両側面を覆う部分の外側同士の間の寸法をリッジ部の上部から下部に向けて大きする工程は、不活性ガスを用いたドライエッチング工程であってもよい。
この場合に、不活性ガスはアルゴンであってよい。
本発明の半導体発光素子の製造方法は、第1のレジスト膜を失活させる工程と、第2のレジスト膜を形成する工程との間に、誘電体膜を該誘電体膜と第2のレジスト膜との密着性を向上する密着性向上剤にさらす工程をさらに備えていてもよい。
本発明の半導体発光素子の製造方法において、誘電体膜からリッジ部を露出する工程は、ウエットエッチング工程であってよい。
本発明の半導体発光素子の製造方法において、第1のレジスト膜を失活させる工程は、UV照射又は温度が150℃以上のベーキングを用いてもよい。
本発明の半導体発光素子の製造方法において、半導体基板及び半導体積層体は、InAlGa1−x−yN(但し、0≦x≦1、0≦y≦1、x+y≦1)からなるIII-V族窒化物化合物半導体であってもよい。
本発明に係る半導体発光素子及びその製造方法によると、電流非注入領域を有するリッジストライプ上に形成される電極の接触抵抗が低減され、且つ電流−光出力特性に生じる不連続な跳びが抑制されて、高出力動作が可能となる。
本発明の第1の実施形態に係る半導体発光素子を示す平面図である。 (a)及び(b)は本発明の第1の実施形態に係る半導体発光素子を示し、(a)は図1のA−A線における断面図であり、(b)は図1のB−B線における断面図である。 (a)及び(b)は本発明の第1の実施形態に係る半導体発光素子の製造方法の一工程を示し、(a)は図1のA−A線と対応する断面図であり、(b)は図1のB−B線と対応する断面図である。 (a)及び(b)は本発明の第1の実施形態に係る半導体発光素子の製造方法の一工程を示し、(a)は図1のA−A線と対応する断面図であり、(b)は図1のB−B線と対応する断面図である。 (a)及び(b)は本発明の第1の実施形態に係る半導体発光素子の製造方法の一工程を示し、(a)は図1のA−A線と対応する断面図であり、(b)は図1のB−B線と対応する断面図である。 (a)及び(b)は本発明の第1の実施形態に係る半導体発光素子の製造方法の一工程を示し、(a)は図1のA−A線と対応する断面図であり、(b)は図1のB−B線と対応する断面図である。 (a)及び(b)は本発明の第1の実施形態に係る半導体発光素子の製造方法の一工程を示し、(a)は図1のA−A線と対応する断面図であり、(b)は図1のB−B線と対応する断面図である。 (a)及び(b)は本発明の第1の実施形態に係る半導体発光素子の製造方法の一工程を示し、(a)は図1のA−A線と対応する断面図であり、(b)は図1のB−B線と対応する断面図である。 (a)及び(b)は本発明の第1の実施形態に係る半導体発光素子の製造方法の一工程を示し、(a)は図1のA−A線と対応する断面図であり、(b)は図1のB−B線と対応する断面図である。 (a)及び(b)は本発明の第1の実施形態に係る半導体発光素子の製造方法の一工程を示し、(a)は図1のA−A線と対応する断面図であり、(b)は図1のB−B線と対応する断面図である。 (a)及び(b)は本発明の第1の実施形態の一変形例に係る半導体発光素子の製造方法の一工程を示し、(a)は図1のA−A線と対応する断面図であり、(b)は図1のB−B線と対応する断面図である。 (a)及び(b)は本発明の第1の実施形態の一変形例に係る半導体発光素子の製造方法の一工程を示し、(a)は図1のA−A線と対応する断面図であり、(b)は図1のB−B線と対応する断面図である。 (a)及び(b)は本発明の第1の実施形態の一変形例に係る半導体発光素子の製造方法の一工程を示し、(a)は図1のA−A線と対応する断面図であり、(b)は図1のB−B線と対応する断面図である。 (a)及び(b)は本発明の第1の実施形態の一変形例に係る半導体発光素子の製造方法の一工程を示し、(a)は図1のA−A線と対応する断面図であり、(b)は図1のB−B線と対応する断面図である。 本発明の第1の実施形態の一変形例に係る半導体発光素子を示す平面図である。 (a)及び(b)は本発明の第1の実施形態に係る半導体発光素子の製造方法の一工程を示し、(a)は図1のA−A線と対応する断面図であり、(b)は図1のB−B線と対応する断面図である。 (a)及び(b)は本発明の第1の実施形態に係る半導体発光素子の製造方法の一工程を示し、(a)は図1のA−A線と対応する断面図であり、(b)は図1のB−B線と対応する断面図である。 (a)及び(b)は本発明の第1の実施形態に係る半導体発光素子の製造方法の一工程を示し、(a)は図1のA−A線と対応する断面図であり、(b)は図1のB−B線と対応する断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る半導体発光素子の電流非注入領域を拡大した部分平面図である。 (a)〜(d)は本発明の第1の実施形態に係る半導体発光素子の注入電流に対する光出力及び効率の関係を示し、(a)は電流非注入領域なしの場合のグラフであり、(b)は電流非注入領域長が3μmの場合のグラフであり、(c)は電流非注入領域長が5μmの場合のグラフであり、(d)は電流非注入領域長が10μmの場合のグラフである。 本発明の第1の実施形態に係る半導体発光素子の電流非注入領域を拡大すると共に、パッド電極の端部の位置を変更した部分平面図である。 (a)〜(c)は本発明の第1の実施形態に係る半導体発光素子の注入電流に対する光出力の関係を示し、(a)は電流非注入領域なしで且つP電極がパッド電極から路出する場合のグラフであり、(b)は電流非注入領域長が5μmで且つP電極がパッド電極から露出する場合のグラフであり、(c)は電流非注入領域長が5μmで且つP電極がパッド電極から露出しない場合のグラフである。 本発明の第2の実施形態に係る半導体発光素子を示す平面図である。 (a)及び(b)は本発明の第2の実施形態に係る半導体発光素子を示し、(a)は図23のA−A線における断面図であり、(b)は図23のB−B線における断面図である。 (a)及び(b)は本発明の第2の実施形態に係る半導体発光素子の製造方法の一工程を示し、(a)は図23のA−A線と対応する断面図であり、(b)は図23のB−B線と対応する断面図である。 (a)及び(b)は本発明の第2の実施形態に係る半導体発光素子の製造方法の一工程を示し、(a)は図23のA−A線と対応する断面図であり、(b)は図23のB−B線と対応する断面図である。 (a)及び(b)は本発明の第2の実施形態に係る半導体発光素子の製造方法の一工程を示し、(a)は図23のA−A線と対応する断面図であり、(b)は図23のB−B線と対応する断面図である。 (a)及び(b)は本発明の第2の実施形態に係る半導体発光素子の製造方法の一工程を示し、(a)は図23のA−A線と対応する断面図であり、(b)は図23のB−B線と対応する断面図である。 (a)〜(d)は第1の従来例に係る半導体レーザダイオードの製造工程の要部を示し、(a)はメタルマスク形成工程、(b)はリッジストライプ形成工程、(c)は電流非注入領域形成工程、(d)はパッド電極形成工程を示す斜視図である。 (a)〜(c)は第2の従来例に係る半導体レーザダイオードの製造工程の要部を示し、(a)はレジストパターンのアッシング工程、(b)は誘電体膜のエッチング工程、(c)はコンタクト層の形成工程を示す断面図である。
本発明に係る半導体発光素子(GaN系半導体レーザダイオード)及びその製造方法について各実施形態を図面を参照しながら説明する。なお、本発明に係る半導体発光素子は、上記の構成を基本とし、さらに種々の態様を用いることができ、以下の実施形態に限られない。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の第1の実施形態に係るGaN系半導体レーザダイオードの平面構成を示し、図2(a)は図1のA−A線における断面構成を示し、図2(b)は図1のB−B線における断面構成を示している。
図2(a)及び(b)に示すように、例えば、n型GaNからなる基板1の上には、厚さが約2.5μmのn型AlGa1−xN(x=0.03)からなるn型クラッド層2が形成されている。n型クラッド層2の上には、厚さが約0.1μmのn型GaNからなるn型光ガイド層3が形成されている。n型光ガイド層3の上には、厚さが約3nmのInGa1−zN(z=0.07)からなる井戸層と、厚さが約8nmのInGa1−sN(s=0.01)からなる障壁層とによって構成される多重量子井戸活性層4が形成されている。多重量子井戸活性層4の上には、厚さが約0.1μmのp型GaNからなるp型光ガイド層5が形成されている。
p型光ガイド層5の上には、p型AlGa1−tN(t=0.03)からなるp型クラッド層6が形成されている。p型クラッド層6には、厚さが約0.5μmのストライプ状で順メサ形状を有するリッジ部6aが形成されている。ここで、順メサ形状とは、リッジ部6aの幅が基板1の上方に向かうにつれて小さくなる断面台形状をいう。リッジ部6aの上部には、厚さが約60nmのp型GaNからなるコンタクト層8が形成されている。
図1及び図2(b)に示すように、コンタクト層8の上には、パラジウム(Pd)及び白金(Pt)が積層されてなり、コンタクト層8とオーミック接続するP電極9が形成されている。また、p型クラッド層6におけるリッジ部6aの両側面上及び両側方の領域上には、例えば酸化シリコン(SiO)からなる誘電体膜10が形成されており、誘電体膜10は、P電極9が形成された領域に開口部を有している。また、図1及び図2(a)に示すように、電流非注入領域30は、誘電体膜10によって覆われている。すなわち、誘電体膜10から露出したコンタクト層8の上面及び側面を覆うP電極9は、p型クラッド層6におけるリッジ部6aの側面、及びリッジ部6aを除く誘電体膜10の上には形成されていない。また、P電極9及び該P電極9のエッチング時の残留物は、リッジ部6aの共振器端面の近傍において、電流非注入領域30として機能する誘電体膜10とコンタクト層8との間には介在していない。なお、第1の実施形態においては、電流非注入領域30は共振器の前端面側及び後端面側の両方に形成しているが、いずれか一方に形成してもよい。但し、いずれか一方に形成する場合には、共振器の前端面側に設けるのが好ましい。
図1、図2(a)及び(b)に示すように、誘電体膜10及びP電極9の上には、チタン(Ti)/白金(Pt)/金(Au)が順次積層されてなるパッド電極11が形成されている。また、基板1におけるn型クラッド層2と反対側の面(裏面)上には、基板1とオーミック接続するN電極12が形成されている。
このように、第1の実施形態に係るGaN系半導体レーザダイオードによると、P電極9とコンタクト層8との接触面積を大きくできるため、素子抵抗を低減することができる。その上、誘電体膜10からなる電流非注入領域30がリッジ部6aの両端部に設けられているため、P電極9が共振器端面の近傍で剥がれ難い。このため、素子抵抗のばらつきを小さくすることができる。
また、誘電体膜10の電流非注入領域30は、コンタクト層8に対して密着性良く接触するため、電流非注入領域30を介した電流リークが抑制されるので、誘電体膜10自体の剥がれも生じにくくなる。
さらに、P電極9は、電流非注入領域30とほぼ接しているため、共振器端面近傍における放熱性が高い。その上、電流非注入領域30の形成精度も高いため、高出力下での電流−光出力特性に生じる不連続な跳びが抑制される。その結果、電流−光出力特性の直線性に優れた、長寿命特性を有するGaN系半導体レーザダイオードを得ることができる。
以下、第1の実施形態に係るGaN系半導体レーザダイオードの製造方法について図3(a)及び(b)〜図18(a)及び(b)を参照しながら説明する。なお、各図の(a)は図1のA−A線と対応する断面構成を示し、(b)は図1のB−B線と対応する断面構成を示している。
まず、図3(a)及び(b)に示すように、n型GaNからなる基板1の上に、半導体積層体20を形成する。具体的には、例えば有機金属気相成長(MOCVD)法を用いて、基板1側の主面上に、n型クラッド層2、n型光ガイド層3、多重量子井戸活性層4、p型光ガイド層5、厚さが約0.5μmのp型クラッド層6及びコンタクト層8を順次エピタキシャル成長する。
ここで、半導体積層体20をエピタキシャル成長するための原料として、例えば、ガリウム(Ga)にはトリメチルガリウム(TMI)、アルミニウム(Al)にはトリメチルアルミニウム、インジウム(In)にはトリメチルインジウム、窒素(N)にはアンモニア(NH)を用いることができる。また、p型のドーパントとしてのマグネシウム(Mg)にはシクロペンタジエニルマグネシウム(CpMg)、n型のドーパントとしてのシリコン(Si)にはシラン(SiH)を用いることができる。また、原料ガス用のキャリアガスには、窒素(N)及び水素(H)を用いることができる。
なお、本発明は、上述した半導体積層体20及びその製造方法に限定されず、半導体積層体20の成長方法及び該半導体積層体20を構成する各半導体層の組成が変わっても同様に適用可能である。
次に、図4(a)及び(b)に示すように、半導体積層体20を構成するコンタクト層8の上に所望の膜厚を有する酸化シリコン(SiO)からなるマスク層13を形成する。続いて、フォトリソグラフィ法により、マスク層13の上に所定の方向に延びるストライプ状のレジストパターン14を形成する。
次に、図5(a)及び(b)に示すように、ストライプ状のレジストパターン14をマスクとして、例えば、反応性イオンエッチング(RIE)法等によるドライエッチング法、又はバッファードフッ酸(BHF)等を用いたウエットエッチング法により、マスク層13をエッチングすることにより、マスク層13から所望の幅を持つストライプ状のマスクパターン13aを形成する。なお、マスクパターン13aの形成には、通常、加工制御性に優れるドライエッチング法を用いる。その後、レジストパターン14を除去する。
次に、図6(a)及び(b)に示すように、マスクパターン13aをマスクとして、塩素ガス(Cl)に堆積性ガスである四塩化珪素ガス(SiCl)を添加した混合ガスを用いた誘導結合型プラズマ(ICP)エッチング法により、コンタクト層8及びクラッド層6を順次エッチングして、コンタクト層8とクラッド層6の上部とからリッジ部6aを形成する。
次に、図7(a)及び(b)に示すように、バッファードフッ酸(BHF)等を用いたウエットエッチングにより、マスクパターン13aを除去する。これにより、リッジ部6aの側面が基板1の主面の法線から5°〜30°程度に傾斜した順メサ形状を有するリッジ部6aの形成工程が終了する。ここで、リッジ部6aの側面の傾斜角度は、堆積性ガスであるSiClの添加比率を変えることによって可能である。続いて、化学気相成長(CVD)法により、リッジ部6aを含むp型クラッド層6の上にその全面を覆うように、SiOからなる誘電体膜10を形成する。誘電体膜10の膜厚は、50nm〜1000nm程度であれば良く、誘電体膜10の光閉じ込め効果と該誘電体膜10の応力が半導体積層体20に及ぼす影響とを考慮して、好ましくは、50nm〜300nm程度である。
次に、図8(a)及び(b)に示すように、誘電体膜10の上の全面に、リッジ部6aの段差部分の高さの約1.5倍以上の膜厚を有する第1のレジスト膜16を塗布する。このような膜厚とすることにより、上面がリッジ部6aの段差部の影響を受けにくい、平坦性の良い第1のレジスト膜16が形成される。続いて、形成した第1のレジスト膜16に対して温度が150℃以上の加熱処理、例えば約170℃の温度で約20分間の加熱処理を行うことにより、該第1のレジスト膜16を失活させる。なお、第1のレジスト膜16を失活させる方法として、加熱処理に代えて、紫外線を照射するUVキュア処理を用いてもよい。
次に、図9(a)及び(b)に示すように、第1のレジスト膜16に対して酸素プラズマ処理を行って、誘電体膜10におけるリッジ部6aの頂部の上側部分が露出するように、所望の膜厚をエッチバックする。このエッチバック工程は、枚葉式で且つ高均一性を有するアッシング装置により、第1のレジスト膜16を制御性良くエッチバック処理すると共に、反射分光法等の光学的膜厚測定技術を用いて、誘電体膜10上の第1のレジスト膜16の膜厚を精度良く測定することによって実現できる。続いて、露出した誘電体膜10を含め、エッチバックされた第1のレジスト膜16の上の全面に、P電極をパターニングする第2のレジスト膜17を塗布する。このとき、図1に示すように、共振器端面の電流非注入領域30であるリッジ部6aの上に誘電体膜10が残存する構造を形成する場合は、第2のレジスト膜17と誘電体膜10との密着性を確保するためのレジスト塗布の前処理として、第1のレジスト膜16から露出した誘電体膜10を、例えばヘキサメチルジシザラン(HMDS)にさらす処理を行う。
続いて、リソグラフィ法により、前処理された第2のレジスト膜17をパターニングして、第2のレジスト膜17におけるリッジ部6aの上側の領域に、コンタクト層8の幅よりも大きい開口幅を持つ開口部17aを形成する。図9(a)に示すように、本工程において、第2のレジスト膜17を、リッジ部6aの端部上に開口部を設けないマスク形状とすることにより、リッジ部6aの端部上に、P電極が形成されない電流非注入領域30を形成することができる。このとき、電流非注入領域30は、共振器端面から3μm以上且つ10μm以下程度の寸法で設ければよい。より好ましくは、共振器端面から約5μmである。また、第2のレジスト膜17に、リッジ部6aの頂面の幅よりも大きい開口部17aを設けることにより、リソグラフィ工程におけるパターン合わせ精度に依存しない自己整合プロセスを行える。
次に、図10(a)及び(b)に示すように、第1のレジスト膜16及び第2のレジスト膜17をマスクとして、例えばバッファードフッ酸を用いたウエットエッチング法により誘電体膜10をエッチングする。これにより、誘電体膜10にコンタクト層8の一部を露出する開口部が形成される。すなわち、電流非注入領域30を除くコンタクト層8の上面の領域及び側面の一部がP電極形成用の第2のレジスト膜17から露出する。このとき、前述した第2のレジスト膜17と誘電体膜10との密着性を確保するための塗布前処理、例えば、ヘキサメチルジシザラン(HMDS)処理を行った場合には、バッファードフッ酸を用いたウエットエッチング液は、誘電体膜10と第2のレジスト膜17との界面を透浸しない。このため、誘電体膜10の電流非注入領域30におけるエッチング面は、リッジ部6aの端部上に開口部17aを設けない第2のレジスト膜17からなるマスクとほぼ同等の形状となる。これにより、リッジ部6aの上側に電流非注入領域30となる誘電体膜10が残存する構造を得る。
ここで、第2のレジスト膜17と誘電体膜10との密着性を確保する塗布前処理を実施することなく、第2のレジスト膜17の塗布を行う工程を経た場合(以下、一変形例と呼ぶ。)を説明する。
本変形例においては、図11(a)及び(b)に示すように、バッファードフッ酸を用いたウエットエッチング液は、誘電体膜10と第2のレジスト膜17との界面を透浸し得るため、図11(a)に示すように、電流非注入領域30において誘電体膜10が除去されてなる空洞部10aが形成される。
この場合には、次の図12(a)及び(b)に示すように、所望の厚さを持つPd/Pt膜を蒸着する工程を経て、図13(a)及び(b)のリフトオフ後の状態に示す通り、リッジ部6aの上側の電流非注入領域30についても、図13(a)に示すように、誘電体膜10が残存しない構造を得る。
次に、図14(a)及び(b)に示すように、蒸着リフトオフ法により、P電極9を含む誘電体膜10の上に、Ti/Pt/Au膜からなるパッド電極11を形成する。このとき、図14(b)に示すように、リッジ部6aの端部においては、コンタクト層8及び誘電体膜10の上に、パッド電極11が形成される。続いて、基板1におけるn型クラッド層2が形成された面と反対側の面(裏面)を研磨する。その後、研磨された基板1の裏面上にN電極12を形成する。
このように、一変形例においては、図14(a)及び図15の平面図に示すように、共振器端面の近傍において、誘電体膜10がリッジ部6aの上面を覆わずに、Ti/Pt/Auからなるパッド電極11が電流非注入領域30を覆う構造を得る。ここで、パッド電極11におけるコンタクト層8と直接に接触するTi膜は、p型GaNからなるコンタクト層8とはオーミック接続しないため、電流非注入領域30が形成される。
以上説明したように、本実施形態に係る誘電体膜10が電流非注入領域30においてリッジ部6aの上面を覆う構造と、一変形例に係る誘電体膜10が電流非注入領域30でリッジ部6aの上面を覆わない構造とを選択的に形成することができる。
また、第2のレジスト膜17に対して塗布前処理を施す本実施形態においても、図16(a)及び(b)に示すように、第2のレジスト膜17の上に、所望の厚さを持つPd/Pt膜を蒸着することにより、コンタクト層8の上面及び側面の上にP電極9を形成する。このとき、コンタクト層8の上面及び側面上から、エッチングにより開口された誘電体膜10の開口端面にかけてもP電極9が形成される。なお、P電極9を構成するPd膜の膜厚は10nm以上且つ100nm以下が望ましい。また、Pt膜はPd膜の酸化又は合金化による変質に対する保護膜として機能させるために、10nm以上の膜厚を有していることが望ましい。
次に、図17(a)及び(b)に示すように、リフトオフ法により、第1のレジスト膜16、P電極9形成用の第2のレジスト膜17及び第2のレジスト膜17上のP電極9を同時に取り除く。このように、本実施形態に係る製造方法は、自己整列工法、いわゆるエッチバック法を用いる第1のレジスト膜16を形成し、その後、エッチバックされた第1のレジスト膜16の上に所望の開口部17aを有する第2のレジスト膜17を形成する2層レジスト工法を用いる。これにより、誘電体膜10からなり、リッジ部6aの両側面上に形成される電流ブロック層及びP電極9のそれぞれの左右対称性を確保することができる。その上、リッジ部6a(共振器)の両端部の上にP電極9を接合しない電流非注入領域30が形成されており、リッジ部6aの上にのみP電極9を設ける構造、又はP電極9がリッジ部6aの上面に対して最大限に大きくオーミック接合できるように、コンタクト層8の上面及び側面にP電極9が形成される構造を実現できる。
なお、本実施形態のように、電流非注入領域30に誘電体膜10を残存する構造の場合は、誘電体膜10におけるリッジ部6aの両側面上に形成される部分とリッジ部6aの電流非注入領域30を形成する部分とが同時に形成される。このため、例えば電流ブロック層を形成する一の誘電体膜と電流非注入領域30を覆う他の誘電体膜とを別工程で形成する場合の誘電体膜同士の界面に及ぼす不純物等の作用による微分量子効率(Se)の低下を防止することができる。その上、接触抵抗の劣化を防止でき、さらには、誘電体膜10を一体に形成することにより、成膜工程を簡略化できる。
次に、図18(a)及び(b)に示すように、蒸着リフトオフ法により、P電極9を含む誘電体膜10の上に、Ti/Pt/Au膜からなるパッド電極11を形成する。ここで、リッジ部6aの側面に堆積する誘電体膜10は、基板1の主面の法線に対して5°〜20°程度に傾斜した順メサ形状であるため、リッジ部6aの段差部においても誘電体膜10を滑らかに形成することができる。このため、パッド電極11におけるリッジ部6aの下部の隅部には段切れ部が生じることがない。従って、段切れ部を起点とした電界集中による素子破壊を防止することができる。また、P電極9の上に形成される、最上層がAuからなるパッド電極11における共振器端面側の端部の位置は、P電極9がパッド電極11から露出しないように、P電極9の端部よりもパッド電極11の端部の方が共振器端面に近いことが好ましい。これにより、P電極9への電界集中による素子破壊を防止することができる。なお、パッド電極11の形成には、上述のようにレジストパターンを用いた蒸着リフトオフ方によって形成してもよく、また、電解めっき法によって形成してもよい。続いて、基板1におけるn型クラッド層2が形成された面と反対側の面(裏面)を研磨する。その後、研磨された基板1の裏面上にN電極12を形成する。
以上により、本実施形態に係るGaN系半導体レーザダイオードのウエハプロセスが完了する。
その後は、以上の工程によって得られたウエハ状態にある複数のレーザダイオードを複数のバー状態(レーザバー)に劈開して、GaN系半導体レーザダイオードに共振器を形成する。さらに、劈開された共振器端面に反射率を制御するための端面コートを施し、その後、レーザバーを個々のチップ状態に劈開することにより、GaN系半導体レーザダイオードが完成する。
図19に第1の実施形態に係るGaN系半導体レーザダイオードの共振器端面の近傍を拡大した平面図を示す。図19に示すように、ここでは電流非注入領域30におけるの共振器端面とP電極9との間隔を非注入領域長Lとしている。
図20(a)〜図20(d)は、図19において、GaN系半導体レーザダイオードの非注入領域長Lをそれぞれ、0μm、3μm、5μm及び10μmとしたときの、電流−光出力特性を示している。ここで、非注入領域長Lが0μmとは、電流非注入領域30を設けない構成をいう。
図20(a)に示す電流非注入領域30を設けない構成と比較して、図20(b)〜図20(d)に示すように、非注入領域長L=3μm、5μm及び10μmと、電流非注入領域30の間隔が大きくなるに従って、レーザ発振領域における効率が向上する。また、非注入領域長L=5μmとL=10μmとを比較した場合では、非注入領域長L=10μmでは閾値の上昇と共にレーザ発振領域における電流−光出力特性に不連続な跳びが現れる。このように、共振器端面の近傍に電流を注入しない電流非注入領域30を設ける構造は、非注入領域長Lが小さ過ぎるとCOD抑止の効果がなくなる。一方、非注入領域長Lが大き過ぎると電流非注入領域30が可飽和吸収体となって、電流−光出力特性に不連続な跳びを生じる。従って、非注入領域長Lの最適化が必要であることが分かる。
また、電流−光出力特性が線形性を有する領域の効率値に対して、閾値電流付近における効率の変化量の最大値を、0.5W/A以下に抑制することが要望されており、これを満たすには、非注入領域長Lを10μm以下に設定する必要がある。すなわち、非注入領域長Lが10μmを超えると、COD抑止の効果は得られるものの、本レーザダイオードを光ピックアップ装置に使用した際に、光出力モニタができない等の不具合が発生する。このため、非注入領域長Lは10μm以下に設定する。
また、図21に第1の実施形態に係るGaN系半導体レーザダイオードの共振器端面の近傍を拡大した平面図を示す。図21においては、共振器端面、P電極9及びパッド電極11の2通りの端部11A、11Bの位置関係を示している。ここでも、電流非注入領域30における非注入領域長をLとしている。
図22(a)は、図21において、P電極9の非注入領域長L=0μmで且つパッド電極11の端部が11Aの場合、図22(b)は非注入領域長L=5μmで且つパッド電極11の端部が11Aの場合、及び図22(c)は非注入領域長L=5μmで且つパッド電極11の端部が11Bの場合の、三水準における室温(25℃)での連続波(CW)駆動時の電流−光出力特性をそれぞれ表している。なお、図22(b)の場合は、P電極9の端部がパッド電極11の端部から露出する構成であり、図22(c)の場合は、P電極9の端部がパッド電極11に覆われる構成である。
図22(a)及び(b)から分かるように、非注入領域長L=0μm及び5μmで且つパッド電極11の端部が11Aの場合は、光出力の400mA付近からキンクが生じている。これに対し、図22(c)からは、非注入領域長L=5μmで且つパッド電極11の端部が11Bの場合には、光出力が700mA付近までキンクは発生していないことが分かる。この場合、さらに光出力が1200mW付近までCODレベルが増大していることが確認できる。すなわち、P電極9の共振器端面側の端部がパッド電極11の端部から露出しない構造とすることにより、電界集中によるCODレベルの劣化を防止することができる。
さらに、第1の実施形態に係るGaN系半導体レーザダイオードは、下部レジスト層にエッチバック法を利用し、所望のレジストマスクを上部レジスト層として下部レジスト層の上に形成する2層レジスト工法を用いる半導体レーザダイオードである。このため、誘電体膜10及びP電極(導電膜)9の左右対称性を確保できるので、レーザ光の光軸中心の設計値からのずれを回避できる。
また、第1の実施形態に係るレーザダイオードは、リッジ部6a上の所望の部位にのみP電極9が形成される構成である。このため、従来のようにSiO等の誘電体からなる電流ブロック層を覆うようにP電極が形成される場合と比較して、P電極9に電極剥がれが生じにくい。さらに、コンタクト層8の上面及び側面と、誘電体膜10におけるリッジ部6aの側面上の端面にもP電極9が形成される。このため、P電極9がリッジ部6aの上面に対して最大限に広くオーミック接合できることによる接触抵抗の低減と、P電極9の電極剥がれの防止との両立を図ることができる。
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図23は本発明の第2の実施形態に係るGaN系半導体レーザダイオードの平面構成を示し、図24(a)は図23のA−A線における断面構成を示し、図24(b)は図23のB−B線における断面構成を示している。また、図23及び図24において、図1及び図2と同一の構成部材には同一の符号を付すことにより説明を省略する。
図23に示すように、第2の実施形態に係るGaN系半導体レーザダイオードは、リッジ部6aの平面形状が、該リッジ部6aが延びる方向において変化している。すなわち、リッジ部6aの幅が、例えば共振器の前端面側で狭く、後誕面側で広い平面台形状を有している。
また、図24(a)及び(b)に示すように、第2の実施形態においては、リッジ部6aの側面が基板1の主面の法線に対して約0°〜約5°とほぼ垂直としている。これに対し、誘電体膜10の断面形状は、基板1の主面の法線に対して5°〜30°程度の傾斜角度を有する順メサ形状である。ここでは、誘電体膜10の膜厚は、50nm〜400nm程度としている。
以下、第2の実施形態に係るGaN系半導体レーザダイオードの製造方法について図25(a)及び(b)〜図28(a)及び(b)を参照しながら説明する。なお、各図の(a)は図23のA−A線と対応する断面構成を示し、(b)は図23のB−B線と対応する断面構成を示している。
まず、図25(a)及び(b)に示すように、第1の実施形態と同様に、例えばMOCVD法により、n型GaNからなる基板1の上に半導体積層体20を形成する。その後、コンタクト層8の上に、SiOからなり、平面台形状を有するマスクパターン13aを形成する。
次に、図26(a)及び(b)に示すように、マスクパターン13aをマスクとして、塩素ガス(Cl)を用いた誘導結合型プラズマ(ICP)エッチング法により、コンタクト層8及びクラッド層6をエッチングして、コンタクト層8及びクラッド層6の上部からリッジ部6aを形成する。
次に、図27(a)及び(b)に示すように、バッファードフッ酸(BHF)等を用いたウエットエッチングにより、マスクパターン13aを除去する。これにより、リッジ部6aの側面が基板1に主面の法線から0°〜5°程度に傾斜したほぼ垂直形状であるリッジ部6aが形成される。続いて、CVD法により、リッジ部6aを含むp型クラッド層6の上にその全面を覆うように、SiOからなる誘電体膜10を形成する。ここで、CVD法により形成される誘電体膜10は、通常、リッジ部6aの側面にもリッジ部6aを除く領域の上面の膜厚とほぼ同一か又はやや薄い膜厚で堆積される。このため、誘電体膜10で覆われたリッジ部6aの側面は、基板1の主面にほぼ垂直か又は逆テーパ状を呈する。また、上述したように、第2の実施形態においては、ストライプ状に形成されたリッジ部6aの幅は、リッジ部6aが延びる方向でその幅が変化する。
次に、図28(a)及び(b)に示すように、堆積した誘電体膜10に対して、アルゴンガス(Ar)等の不活性ガスによるRIE処理を行う。これにより、リッジ部6aの側面上に形成された誘電体膜10の断面形状を順テーパ形状に加工する。すなわち、誘電体膜10は、リッジ部6aの上部から下部に向かって幅寸法が大きくなる順テーパ形状となる。ここで、誘電体膜10の膜厚は、50nm〜400nm程度の範囲である。より好ましくは、上部での膜厚が200nm〜350nm程度である。さらに、誘電体膜10の膜厚はリッジ部6aの下部に向かって徐々に増大し、そのリッジ部6a上の側面は基板1の主面に垂直な方向から5°〜30°程度の傾斜角度を有し、且つリッジ部6aが露出しない順メサ形状が好適である。
この後は、第1の実施形態と同様に、2層のレジスト膜を用いて、誘電体膜10におけるリッジ部6aの頂面上にP電極9を選択的に形成し、その後、P電極9を含む誘電体膜10の上にパッド電極11を形成する。第2の実施形態においては、リッジ部6aの側面が基板1の主面に対してほぼ垂直であったり、リッジ部6aの平面形状が該リッジ部6aが延びる方向によって幅が変化したりしても、第1の実施形態と同様に、最上層がAuからなるパッド電極11をリッジ部6aの段差部においても滑らかに形成することができる。従って、パッド電極11におけるリッジ部6aの下部には段切れ部が生じることがなく、該段切れ部を起点とした電界集中による素子破壊を防止することができる。
また、P電極9と該P電極9の上に形成されるパッド電極11との共振器端面側の端部の位置関係は、図21で説明したように、P電極9がパッド電極11の端部から露出しないように、共振器端面との距離がパッド電極11と比べてP電極9の方が大きいことが好ましい。これにより、P電極9への電界集中による素子破壊を防止することができる。
また、第2の実施形態においては、リッジ部6aの側面を基板1の主面に対してほぼ垂直としている。これにより、リッジ部6aの幅が該リッジ部6aが延びる方向によって変化するような場合(テーパストライプ)、例えばリッジ部6aの後端面側の幅を前端面側の幅よりも大きくできるため、コンタクト層8とP電極9との接触抵抗が低減される。このため、レーザダイオードの動作電圧を低減することができるので、テーパストライプ構造は高出力のGaN系半導体レーザダイオードに好適な構造である。
以上説明したように、上記の各実施形態に係るGaN系レーザダイオードの製造方法は、自己整列工法である、いわゆるエッチバック法を用い、さらに、所望のマスクを上部レジスト層として形成する2層レジスト工法を用いる。これにより、誘電体膜10及びP電極9のリッジ部6aにおける左右対称性を確保することができる。その上、リッジ部6a上であって、共振器の端部の上にP電極9を形成しない構造の電流非注入領域30を設けていることから、光軸中心のずれを回避できる。このため、高CODレベルを実現することが可能となる。
また、レーザ構造が形成されたウエハの劈開時の電極剥がれ及び製造工程中のコンタクト層9の剥がれを防止できるので、接触抵抗の増大を防止できると共に、電流−光出力特性に不連続な跳び等が生じるレーザ特性の不具合を防止することができる。
また、リッジ部6a上の所定の領域にのみP電極9を設ける構造であるため、SiO等からなる誘電体膜で構成される電流ブロック層をP電極が覆う構成と比較して、電極剥がれが生じにくい。例えば、p型GaNと良好にオーミック接続するパラジウム(Pd)及びNi(ニッケル)等の金属は、SiOとの密着性が特に悪い。従って、上記の各実施形態のように、リッジ部6aの上にのみ、Pd又はNi等からなるP電極9を形成する構造は、電極剥がれを防止するという観点から極めて優れた構造といえる。
さらに、コンタクト層8の上面及び側面にP電極9が形成されており、該P電極9がリッジ部6aの上面に対して最大限に広くオーミック接合できるため、低接触抵抗と電極剥がれ防止とを両立することができる。
また、電流非注入領域30は、電流ブロック層として機能する誘電体膜10と一体に形成されているため、該誘電体膜10とコンタクト層8との接合面での不純物を介した電流リークに基づく損失の増大による微分量子効率(Se)の低下を防止することができる。これと同時に、アルカリ性の物質及びレジスト材料に対して不安定であるコンタクト層8の表面が、製造工程中に不要なレジスト等に接触するおそれを回避できる。従って、コンタクト層8とP電極9との間の接触抵抗の劣化を防止することができる。
本発明に係る半導体発光素子は、FFP(Far Field Pattern:遠視野特性)特性及び信頼性に優れており、高密度光ディスクシステムにおける光ピックアップ用のレーザ光源等に有用である。また、半導体発光素子を歩留まり良く製造可能であるため、半導体発光素子を光源として用いる他の分野にも利用可能である。
1 基板
2 n型クラッド層
3 n型光ガイド層
4 多重量子井戸活性層
5 p型光ガイド層
6 p型クラッド層
6a リッジ部
8 コンタクト層
9 P電極
10 誘電体膜
10a 空洞部
11 パッド電極
12 N電極
13 マスク層
13a マスクパターン
14 レジストパターン
16 第1のレジスト膜
17 第2のレジスト膜
17a 開口部
20 半導体積層体
30 電流非注入領域

Claims (19)

  1. 半導体基板の上に、少なくとも第1導電型の第1クラッド層、活性層、第2導電型の第2クラッド層及び第2導電型のコンタクト層が順次積層され、前記第2クラッド層及びコンタクト層がストライプ状に形成されたリッジ部を有する半導体積層体と、
    前記第2クラッド層の上に前記リッジ部を覆うように設けられ、前記リッジ部の上部を選択的に露出する開口部を有する誘電体膜と、
    前記リッジ部の上部に設けられ、前記誘電体膜から露出した前記コンタクト層の上面及び側面と接触する第1の電極とを備え、
    前記誘電体膜は、前記リッジ部における共振器端面側の端部の少なくとも一方を覆うことにより、前記活性層に注入される電流を阻止する電流非注入領域を有し、
    前記誘電体膜における前記電流非注入領域は、前記コンタクト層と接して形成されていることを特徴とする半導体発光素子。
  2. 前記第1の電極は、前記誘電体膜から露出した前記コンタクト層の上面の全部に接触すると共に、前記コンタクト層の両側面と接触していることを特徴とする請求項1に記載の半導体発光素子。
  3. 前記リッジ部の幅寸法は、前記リッジ部が延びる方向において変化していることを特徴とする請求項1に記載の半導体発光素子。
  4. 前記半導体基板及び半導体積層体は、InAlGa1−x−yN(但し、0≦x≦1、0≦y≦1、x+y≦1)からなるIII-V族窒化物化合物半導体であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導体発光素子。
  5. 前記第1の電極は、前記コンタクト層と接触する部分にニッケル又はパラジウムを含むことを特徴とする請求項4に記載の半導体発光素子。
  6. 前記誘電体膜及び第1の電極の上に形成された第2の電極をさらに備え、
    前記第2の電極は、前記リッジ部の共振器端面側の端部が前記電流非注入領域の上に位置するように形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の半導体発光素子。
  7. 前記第2の電極における前記リッジ部の共振器端面側の端部の幅寸法は、前記リッジ部の幅よりも大きいことを特徴とする請求項6に記載の半導体発光素子。
  8. 前記リッジ部は、前記リッジ部の上部から下部に向けてその幅寸法が大きくなるように台形傾斜していることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の半導体発光素子。
  9. 前記誘電体膜は、前記リッジ部の両側面を覆う部分の外側同士の間の寸法が前記リッジ部の上部から下部に向けて大きくなるように形成されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の半導体発光素子。
  10. 前記第1の電極は、前記リッジ部の共振器端面側の端部と該共振器端面との距離が3μm以上且つ10μm以下であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の半導体発光素子。
  11. 半導体基板の上に、少なくとも半導体層からなるn型クラッド層、活性層、p型クラッド層及びp型コンタクト層を順次積層することにより、半導体積層体を形成する工程と、
    前記p型クラッド層及びp型コンタクト層をエッチングすることにより、ストライプ状のリッジ部を形成する工程と、
    前記半導体積層体の上に前記リッジ部を覆うように誘電体膜を形成する工程と、
    前記誘電体膜の上に第1のレジスト膜を形成し、形成した第1のレジスト膜に対してエッチバックを行って、前記第1のレジスト膜から前記誘電体膜における前記リッジ部の上側部分を露出する工程と、
    前記第1のレジスト膜を失活させる工程と、
    前記誘電体膜における前記リッジ部の上側部分を含む前記第1のレジスト膜の上に、第2のレジスト膜を形成する工程と、
    形成した前記第2のレジスト膜に対して露光及び現像を行うことにより、前記第2のレジスト膜に、前記誘電体膜における前記リッジ部の上側部分を共振器端面側の両端部の少なくとも一方を残して露出する開口パターンを形成する工程と、
    前記第1のレジスト膜及び第2のレジスト膜をマスクとして前記誘電体膜をエッチングすることにより、前記誘電体膜から前記リッジ部の上部を選択的に露出する工程と、
    露出した前記リッジ部の上部を含む前記第1のレジスト膜及び第2のレジスト膜の上に第1の導電膜を形成する工程と、
    前記第1のレジスト膜及び第2のレジスト膜を除去することにより、前記リッジ部の上に、前記第1の導電膜からなる第1の電極を選択的に形成する工程と、
    前記第1の電極の上に第2の導電膜を形成し、形成した前記第2の導電膜をパターニングすることにより、前記第2の導電膜から第2の電極を形成する工程とを備えていることを特徴とする半導体発光素子の製造方法。
  12. 前記リッジ部を形成する工程において、前記リッジ部はその上部から下部に向けてその幅寸法が大きくなるように形成することを特徴とする請求項11に記載の半導体発光素子の製造方法。
  13. 前記誘電体膜を形成する工程において、前記誘電体膜は、前記リッジ部の両側面を覆う部分の外側同士の間の寸法が前記リッジ部の上部から下部に向けて大きくなるように形成することを特徴とする請求項11又は12に記載の半導体発光素子の製造方法。
  14. 前記誘電体膜における前記リッジ部の両側面を覆う部分の外側同士の間の寸法を前記リッジ部の上部から下部に向けて大きくする工程は、不活性ガスを用いたドライエッチング工程であることを特徴とする請求項13に記載の半導体発光素子の製造方法。
  15. 前記不活性ガスはアルゴンであることを特徴とする請求項14に記載の半導体発光素子の製造方法。
  16. 前記第1のレジスト膜を失活させる工程と、前記第2のレジスト膜を形成する工程との間に、前記誘電体膜を該誘電体膜と前記第2のレジスト膜との密着性を向上する密着性向上剤にさらす工程をさらに備えていることを特徴とする請求項11〜15のいずれか1項に記載の半導体発光素子の製造方法。
  17. 前記誘電体膜から前記リッジ部を露出する工程は、ウエットエッチング工程であることを特徴とする請求項11に記載の半導体発光素子の製造方法。
  18. 前記第1のレジスト膜を失活させる工程は、UV照射又は温度が150℃以上のベーキングを用いることを特徴とする請求項11〜17のいずれか1項に記載の半導体発光素子の製造方法。
  19. 前記半導体基板及び半導体積層体は、InAlGa1−x−yN(但し、0≦x≦1、0≦y≦1、x+y≦1)からなるIII-V族窒化物化合物半導体であることを特徴とする請求項11〜18のいずれか1項に記載の半導体発光素子の製造方法。
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