JP4815839B2 - 高負荷高輝度放電ランプ - Google Patents

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Description

本発明は、高負荷の高輝度放電ランプに関し、更に詳しくは、高負荷の高輝度放電ランプに用いられる陰極材料にトリウムを含まない材料を使用したことを特長とする高負荷の高輝度放電ランプに関する。
従来、キセノンショートアークランプ、超高圧水銀ランプ、希ガス-水銀ショートアークランプのようなアーク安定度が高く、長寿命が求められる高負荷の高輝度放電ランプでは、陰極材料として、トリエーティッドタングステン(トリウム酸化物を含有するタングステン、化学記号ThW、以下トリタンと称する)材料が一般的に用いられている。しかし、該陰極材料に含有されているトリウムは、放射性物質であり、環境負荷の観点から、使用しないことが望まれている。
そこで、トリウムを含まない陰極材料の開発が種々進められている。例えば、蛍光ランプや入力電力の低い高圧水銀ランプのように、電極への熱負荷が比較的低い放電ランプでは、該電極材料として易電子放射性物質にバリウム酸化物を用いたものが知られている。このような技術としては、例えば、特開平8−77967号がある。該公報によれば、易電子放射性物質であるエミッター粉末としてバリウムを含み、該陰極の先端部に該エミッター材を含ませた棒状体を挿入し焼結した、いわゆる含浸陰極が提案されている。しかし、バリウムを含む該含浸陰極は、入力電力が比較的低い放電ランプが対象であり、陰極温度が高くなると、バリウムが蒸発してしまうため、該電極の電流密度が高い大型の放電ランプ、特に入力電力が500W以上になるような放電ランプでは使用できないといった問題があった。
一方、入力電力が500W以上といった比較的大型の放電ランプに対しても種々の試みが成されている。一般的に、タングステンを主成分とする高融点金属基体中に、トリウム以外の易電子放射性材料として、ランタン、セリウム、イットリウム、スカンジウム、及びガドリニウムから選ばれた少なくとも1種類の金属酸化物を含有させた材料は、良好な電子放射特性を示すことは良く知られている。これらの材料を放電ランプの陰極物質として利用することが進められている。このような技術としては、例えば、特開平5−54854号や特開平6−60806号が有る。これらの公報に開示されている技術によれば、易電子放射性材料としてランタン等の金属酸化物を放電ランプの陰極材料に含有させることが開示されており、入力電力1kw程度の放電ランプに対して1000時間程度の点灯には安定したエミッターの供給を可能とすることが記載されている。しかしながら、ランタン等の易電子放射性材料から成る金属酸化物をキセノンショートアークランプ、超高圧水銀ランプ、希ガス-水銀ショートアークランプのような高負荷高輝度放電ランプの陰極材料として用いる場合、1KW以上の高い入力電力や1000時間以上の長寿命の要求に対しては、該陰極材料に掛かる高熱負荷のためランタン等が早期に蒸発し、該陰極材料にトリタン材料を用いた場合と比較して、ランプ寿命が短かくなり実用に到っていない。
また、特開平7−153421号には、比較的小型で入力電力が小さい高圧金属ハロゲン化物放電ランプの電極材料として、第1の金属酸化物にHfO2、ZrO2、第2の金属酸化物にY2O3、La2O3、Ce2O3、Sc2O3が存在するものが開示されている。また、第1金属酸化物によって第2金属酸化物が熱負荷に対して安定化できることも示されている。しかしながら、該第1の酸化物によって該第2の酸化物を熱負荷に対して安定化させても、陰極材に加わる熱負荷が非常に高い前記の高負荷高輝度放電ランプに利用すれば、易電子放射性物質が早期に蒸発し、結果としてトリタンを陰極に用いた場合に比べてランプ寿命が短くなる場合があるといった問題があった。更には、国際公開特許WO03/075310号には、ショートアーク型高圧放電ランプの陰極にLa2O3とHfO2、または、ZrO2を含有することが記載されている。しかし、該構成では、前述の場合と同様に、陰極材に加わる熱負荷が非常に高い高負荷高輝度放電ランプに利用すれば、易電子放射性物質が早期に蒸発し、結果としてトリタンを陰極に用いた場合に比べてランプ寿命が短くなる。一般的に、高圧金属ハロゲン化物放電ランプや高圧水銀ランプの陰極の動作温度は、先端付近で、およそ2000℃程度である。一方、キセノンショートアークランプ、超高圧水銀ランプ、希ガス-水銀ショートアークランプのような高負荷の高輝度放電ランプの陰極動作温度は、2400℃乃至3000℃と高く成っている。このため、該高圧金属ハロゲン化物放電ランプ等では、易電子放射性物質が蒸発するのを抑制する、つまり熱負荷に対して安定化できれば良いが、該高負荷の高輝度放電ランプでは、易電子放射物質の蒸発を抑制することに加え、高温による該易電子放射物質自身の枯渇が問題であり、この枯渇がランプ寿命に大きな影響を与えると思われる。
特開平8−77967号 特開平5−54854号 特開平6−60806号 特開平7−153421号 国際公開特許WO03/075310号
この発明が解決しようとする課題は、キセノンショートアークランプ、超高圧水銀ランプ、希ガス-水銀ショートアークランプ等の陰極への熱負荷が高い高負荷の高輝度放電ランプにおいて、トリウムを含まない材料であって、高熱負荷の陰極材料に用いることが可能であり、且つ、トリタンに相当する長寿命、高安定性を実現できる陰極を備えた高負荷の高輝度放電ランプを提供することにある。
本発明は、タングステンに含有されるランタン等の易電子放射性材料の金属酸化物がエミッターとして動作する場合に離脱する酸素によってタングステンが酸化され、該タングステン酸化物と、例えばランタンの金属酸化物とが融点の低い化合物を形成し、液相化することによってエミッターの輸送速度が急速に増加し、消耗されるために高負荷高輝度放電ランプでは短寿命であることを見出し、該金属酸化物が液相化することを抑制するために安定化材を用いたものである。具体的には、安定化のためのチタン、ジルコニウム、ハフニウム、ニオブ、タンタルから選ばれた金属酸化物を易電子放射性の酸化物と共存させる、またはタングステン酸化物の生成を抑制するためにチタン、ジルコニウム、ハフニウム、ニオブ、タンタルから選ばれた金属をタングステンと合金化し酸素ゲッタとして作用させるといったものである。
この発明に記載された高負荷高輝度放電ランプは、密閉された光透過性の容器と、該容器内に対向配置された陽極と陰極と、該光透過性の容器を気密に保つために該容器の両端に突出した封着部と、を具備し、該封着部を介して該陽極と該陰極に給電される放電ランプにおいて、該陰極は、タングステンを主成分とする高融点金属基体中に、ランタン、セリウム、イットリウム、スカンジウム、及びガドリニウムから選ばれた少なくとも1種類の金属酸化物と、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、ニオブ、及びタンタルから選ばれた少なくとも1種類の金属酸化物とが共存しており、該共存物の換算粒径が15μm以上であって、該高融点金属基体の中に該共存物がコーン部先端付近における任意断面の一辺が0.5mmの正方形内に複数存在することを特徴とする。
また、前記の構成において、前記共存物は、タングステン酸化物を含むことを特徴とする。
更には、前記共存物は、タングステン金属基体中に含有されている量が、0.3重量%乃至5重量%であることを特徴とする
また、前記共存物は、該共存物中に存在するランタン、セリウム、イットリウム、スカンジウム、及びガドリニウムから選ばれた少なくとも1種類の金属酸化物AxOyと、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、ニオブ、及びタンタルから選ばれた少なくとも1種類の金属酸化物BzOtと、が存在するモル比率がA/B≦1.0あることを特徴とする
更には、前記陰極の少なくとも放電に接する先端部分が易電子放射性材料を含む金属酸化物を含有しないタングステンを主成分とする金属であり、周囲部分が易電子放射性材料を含む金属酸化物を含有するタングステンを主成分とする金属であることを特徴とする。
本発明の請求項1に記載の高負荷の高輝度放電ランプによれば、トリウム以外の易電子放射性物質としてランタン、セリウム、イットリウム、スカンジウム、及びガドリニウムから選ばれた少なくとも1種類の金属酸化物を含み、該金属酸化物と、該金属酸化物とを安定化させるための安定化材であるチタン、ジルコニウム、ハフニウム、ニオブ、及びタンタルから選ばれた少なくとも1種類の金属酸化物とが、共存することにより、易電子放射性物質である金属酸化物が単体で存在する場合と比較して、該酸化物が液相となる温度を高くできるので、該易電子放射性物質の液体化による消耗速度が抑制できる。また、該易電子放射性物質と該安定化材との共存物との換算粒径を15μm以上とすることにより、該共存物中に存在する該易電子放射性物質が点灯時間と共に消費されても、容易に液相化することが無く、安定した該易電子放射性物質を供給することが可能となる。結果として、トリウムを含まない陰極材料を利用した高負荷の高輝度放電ランプであって、陰極先端に高い熱負荷が加わるような場合であっても、アーク安定度の高い、長寿命の高負荷高輝度放電ランプを提供できる、といった利点がある。
尚、本発明における換算粒径とは、陰極を中心軸に沿って半分に切断した断面において、測定範囲は一辺が0.5mmの正方形内に存在する共存物であって、該共存物の面積を円に換算した場合の直径の内、最大の直径を除いた2番目の長さを示している。本発明においては、該2番目の換算粒径の長さが15μm以上であるものが該測定範囲中に存在することとしている。ここにおいて、測定範囲に一辺が0.5mmの正方形を取っているのは、該陰極先端のコーン部先端径が通常0.5mm程度であり、該コーン部先端付近を測定する場合に当該面積を画像処理として取り込むのが容易であるためである。また、換算粒径を測定するにあたって、最大の直径を除いた2番目の長さとしているのは、何らかの要因で異常に突出した値が発生する場合を除いて測定するためであり、一般的に統計処理で用いられる方法に準じたものである。
また、本発明の請求項2に記載の発明によれば、該共存物にタングステン酸化物を含むことにより、該共存物の周辺にタングステン酸化物の高濃度層が生成されるのを抑制し、該共存物が液相化し該易電子放射性物質が早期に枯渇せず、安定した放電を維持した長寿命の高負荷の高輝度放電ランプを提供できるといった利点がある。具体的には、以下の様な現象が発生していると考えられる。該共存物は、該易電子放射性材料がエミッターとして動作する場合に、該易電子放射性材料から酸素が離脱し、例えばランタン原子等として高融点金属基体であるタングステン中を移動し、放電に必要な電子を供給する。この酸素は、該共存物の周囲を覆っているタングステンと結合してタングステン酸化物を生成する。やがて、該共存物の周囲に薄皮状の高濃度タングステン酸化物層が作られる。このタングステン酸化物層が高濃度になると、融点が低下し、低温でも液相化してしまう。この液相化が発生すると、該共存物自身が急速に消滅する。しかし、該共存物中にタングステン酸化物が含まれることにより、該共存物の周囲に生成されたタングステン酸化物は該共存物内へ容易に拡散することができ、該共存物の周辺に徐々に堆積することで融点の低い高濃度のタングステン酸化物が生成されるのを抑制できる。これにより、結果として、高濃度のタングステン酸化物が生成されることによる該共存物周辺の液相化が発生することなく、該共存物から該易電子放射性材料が早期に枯渇することなく、安定して供給され、安定した放電を維持した長寿命の高負荷高輝度放電ランプを提供できる、といった利点がある。
また、本発明の請求項3に記載の発明によれば、タングステンが該共存物である金属酸化物と容易に反応して低融点の化合物を生成することがなく、該共存物の液相化を抑制できる。結果として、該共存物から該易電子放射性材料が早期に枯渇することなく、安定して供給され、安定した放電を維持した長寿命の高負荷高輝度放電ランプを提供できる、といった利点がある。
更には、本発明の請求項4に記載の発明によれば、該タングステン金属基体に対する該共存物の含有割合が0.3重量%以上であるので、充分な該易電子放射性材料の供給が行われ、高負荷高輝度放電ランプの安定した放電を維持できる。また、該共存物の含有割合が5重量%以下であるので、陰極材料として熱伝導性の低下を引き起こすことなく、ランプを点灯した場合に陰極先端のコーン部先端の温度が上昇して、該陰極の変形を抑制できる。結果として、長時間に亘って安定した放電を維持した高負荷高輝度放電ランプを提供できる、といった利点がある。
また、本発明によれば、トリウム以外の易電子放射性材料としてランタン、セリウム、イットリウム、スカンジウム、及びガドリニウムから選ばれた少なくとも1種類の金属酸化物を含み、該易電子放射性材料がエミッターとして作用する場合に、陰極を構成するタングステンより酸素と結合しやすく酸素と安定結合できる材料であるチタン、ジルコニウム、ハフニウム、ニオブ、タンタルから成る安定材によって、該易電子放射性材料から離脱する酸素原子がゲッタされることにより、タングステン酸化物による液相化が抑制できる。具体的には、該易電子放射性材料の金属酸化物がエミッターとして作用する場合、該金属酸化物の酸素が離脱して、該易電子放射性材料が原子状態でタングステン金属基体中を拡散する。この時、離脱した酸素は、周辺の金属と結び付き金属酸化物を生成する。ここにおいて、安定化材としてタングステンと合金化しているチタン、ジルコニウム、ハフニウム、ニオブ、タンタルといった金属は、タングステンよりも酸素と結び付き易く、酸素ゲッタとして機能する。これにより、タングステンが酸化されタングステン酸化物が形成されることを抑制できる。結果として、融点の低いタングステン酸化物が、陰極の動作温度程度で液相化されることが抑制され、長時間に亘って安定した該易電子放射性材料の供給がなされ、安定した放電を長時間維持することができる。尚、タングステンと合金化させる該安定化材であるチタン、ジルコニウム、ハフニウム、ニオブ、タンタルといった金属は、一般的に金属状態のタングステンより融点が低く、合金化によって該タングステン金属基体自身の融点が低下する場合がある。そのため、該安定化材のタングステンに対する組成比は、1原子%程度以下にすることが望ましい。このような低い濃度であっても、該安定化材とタングステンとを比較すると、該安定化材の方が圧倒的に酸素と結び付きやすく、酸素ゲッタとして機能するには充分に有効である。
また、本発明の請求項に記載の発明によれば、陰極の先端部で少なくとも放電に曝される部分がタングステン金属であり、その周囲部分がタングステン金属基体中に易電子放射性物質を含む金属酸化物が含有されているので、熱的な負荷が高くなっても、タングステン自身の溶融や蒸発が抑制され、更には、該先端部の周囲から表面拡散により易電子放射性物質が供給されるので、該陰極先端の損耗が無く、安定した放電を維持できるといった利点がある。また、該陰極の先端部が該金属酸化物を含まないので、易電子放射性の金属酸化物が液化し、急速な噴出や飛散により該陰極先端の変形が無い。特に、該陰極先端で動作温度が2000℃を超える部分に該金属酸化物が存在しないことが望ましく、かかる構成により該陰極先端の変形を長時間に亘り防止できるといった利点がある。尚、本構成による放電に曝される部分とは、通常、陰極のコーン部先端から0.5mm乃至1.5mmの部分である。(図3)
本発明の高負荷高輝度放電ランプは、陰極材料にトリウムを使用する事無く、ランタン等の易電子放射性物質からなる金属酸化物と、安定化材として作用するジルコニウム等からなる金属酸化物とが共存する共存物を形成することにより、該易電子放射性物質が低い温度で液相化することを抑制し、高い入力電力で駆動させる場合や大型の該高負荷高輝度放電ランプであっても、該陰極にトリタン材料を利用した場合と同様の安定した放電と長寿命を実現するものである。
本発明における高負荷高輝度放電ランプの概略図を図1に示す。図1は、希ガス−水銀ショートアークランプ1であって、石英ガラス製のバルブ4内に、キセノン等の希ガスが封入されており、陰極2と陽極3とが対抗配置されている。該陽極3は、例えばタングステン含有率が99.99重量%以上である純タングステンを用い、陰極2には、タングステンを主成分とし、タングステン含有率が98重量%弱であり、このタングステン金属基体中に、該易電子放射性材料としてランタン(La)の金属酸化物と、該易電子放射性材料を安定化させる安定化材として、ジルコニウム(Zr)の金属酸化物、または、ハフニウム(Hf)の金属酸化物とが含まれ、例えば、ランタンの金属酸化物とジルコニウムの金属酸化物とを共存させる共存物を形成させ、該共存物が2重量%含有された材料を陰極2に用いている。該希ガス−水銀ショートアークランプ1は、入力電力2kWの希ガス−水銀ショートアークランプであって、電極間距離が7mm、希ガスとしてキセノンを用い、該キセノンの封入圧力が常温での圧力で1.5気圧、陰極の形状は直径8mm、長さ20mm、先端のコーン部の頂角60度、最先端部であるコーン部先端の径0.5mmといったものである。
該タングステン金属基体に、該易電子放射性材料として、ランタン(La)の金属酸化物を用い、該易電子放射性材料を安定化させる安定化材として、ジルコニウム(Zr)の金属酸化物、ハフニウム(Hf)の金属酸化物の各々を陰極に用いた、該高負荷高輝度放電ランプを作製し、トリタン材料で作製した陰極と比較試験を行った。該比較試験用の該高負荷高輝度放電ランプは、前記の高負荷高輝度放電ランプと同様の仕様として、入力電力2kWの希ガス−水銀ショートアークランプを用いた。該高負荷高輝度放電ランプは、主に半導体露光用光源等に用いられるランプであって、比較的高い電流で駆動され、且つ水銀の封入量が少なく、該陰極への熱的な負荷が非常に大きい高負荷高輝度放電ランプである。また、封入される希ガスとしてはキセノンを用いたが、キセノン、クリプトン、アルゴン、及びそれらの混合ガスで有る場合でも同様である。該高負荷高輝度放電ランプを定常点灯させ、放射される光として、例えば波長365nmの光を検知する半導体モニターで、該高負荷高輝度放電ランプから放射される光の変動率を測定する。該変動率が、1%以上の変動である状態、いわゆるアーク不安定が発生するまでの点灯時間を比較評価した。
図2に示したのは、各共存物の組成、該共存物の換算粒径、アーク不安定が発生するまでの時間、及び比較評価の結果である。図2中に示した基準試料1は、従来から一般的に使用されていたトリタン電極であり、易電子放射性材料としてトリウムの金属酸化物(ThO2)がタングステン金属基体中に2重量%含有された材料を陰極に使用したものである。従来のトリタン電極を用いた該基準試料1ではアーク不安定が700時間で発生した。この時間を基準に他のサンプルについて比較評価を行った。
比較評価を行った本発明の試料としては、該易電子放射性材料としてランタン(La)の金属酸化物と、安定化材としてジルコニウム(Zr)の金属酸化物、または、ハフニウム(Hf)の金属酸化物と、を共存させた粒をタングステン金属基体に含有する場合について確認した。これらのタングステン金属基体に含有する金属酸化物は、前記のトリタン電極の場合と同様に、該易電子放射性材料としてランタンと安定化材とからなる金属酸化物の共存物として、該タングステン金属基体中に2重量%含有されている。サンプル1からサンプル5までがジルコニウム(Zr)の金属酸化物を用いた場合であり、該共存物の組成は、例えばLa2Zr2O7である。また、サンプルaからサンプルdまでは、ハフニウム(Hf)の金属酸化物を用いた場合であり、該共存物の組成は、例えばLa2Hf2O7である。図3に、該共存物を含有するタングステン金属基体の説明用の概略図を示す。尚、ここで示す金属酸化物の形状は、模式的な一例であり、材料や製造条件により存在する形状は種々異なっている。図3−a)は、該希ガス−水銀ショートアークランプに用いられる陰極2を中心軸に沿って半分に切断した断面図であって、タングステン金属基体31と、コーン部32とから成っている。該コーン部32の先端であるコーン部先端33付近には、該共存物を測定する測定範囲21を破線で囲んで示しており、該測定範囲21は一辺が0.5mmの正方形部分を取っている。図3−b)は、該測定範囲21を拡大した断面を示す、説明用概念図である。該測定範囲21には、タングステン金属結晶粒界22があり、該タングステン金属粒界22上やタングステン結晶粒30の中に、該共存物23が存在している。該共存物23は、例えば、ランタンの金属酸化物と、ジルコニウムの金属酸化物と、が混在している。図3−c)は、トリタン陰極の場合を示した該測定範囲21の拡大断面図である。該タングステン金属粒界22上やタングステン結晶粒30の中に、トリウムの金属酸化物であるトリア(ThO2)のトリア粒24が存在している。該とリア粒24は、細かく、均一に分散している。
ここで、図3−b)に示した、該共存物23中に存在する該易電子放射性材料であるランタンの金属酸化物と、安定化材であるジルコニウムの金属酸化物との存在比率としては、次のような比率であることが望ましい。つまり、該易電子放射性材料の金属酸化物AxOyと、安定化材の金属酸化物BzOtのモル比率はA/B≦1.0であることが望ましい。該安定化のための金属酸化物の比率が低下し、A/B>1.0になると、タングステンが該共存物23である金属酸化物と反応して低融点の化合物を生成するからである。
尚、本サンプルにおいては、該タングステン金属基体31に対する該共存物23の含有割合を2重量%としたが、該共存物23は、0.3重量%から5重量%程度含まれていることが望ましい。該共存物23が0.3重量%より少ないと該易電子放射性材料の供給が不十分になり、ランプを点灯した場合に安定した放電が得られない。また、5重量%以上では電極材料としての熱伝導性が低下し、ランプを点灯した場合に陰極先端のコーン部先端33の温度が上昇し、電極としての寿命が短くなる。
図2に示された該サンプル1からサンプル5に示された一群のサンプル、及びサンプルaからサンプルdに示された一群のサンプルは、換算粒径で示した粒径が異なる他は、同一の条件である。ここで、換算粒径とは、該陰極を中心軸に沿って半分に切断した断面において、測定範囲が一辺0.5mmの正方形内に存在する共存物であって、該共存物の面積を円に換算した場合の直径(面積Sに対して直径をLとすれば、S=(πL^2)/4で表される)の内、最大の直径を除いた2番目の長さを示している。測定範囲を一辺0.5mmの正方形で取れば、該陰極の先端であるコーン部先端径が0.5mm程度の場合が多く、該コーン部先端近傍までを簡単に観察できる。
具体的には、該陰極先端のコーン部全体を含むように該陰極の中心軸に沿って半分に切断し、該断面を平坦に研磨し、光学顕微鏡、または電子顕微鏡によって、該断面中のタングステンを主成分とする金属基体と、該金属基体中に粒状に存在する該共存物である金属酸化物とが区別できるように、該断面像を撮影等行う。該撮影像等を該断面上で換算して一辺が0.5mmの正方形内である測定範囲にある該共存物について該共存物の面積を円に換算した場合の直径を求める。ここで、測定範囲の解像度としては、幅0.5μmの正方形を一画素として計測し、データをタングステン金属基体と該共存物とで2値化処理し、画像処理データから該共存物のデータを換算する。換算式は前記の面積Sから直径を求める式を用い、換算値は四捨五入によりμmの位まで求める。該直径の内、測定範囲内の最大の直径を除いた2番目の長さを該測定範囲内の該換算粒径とする。実際には、該陰極先端のコーン部、その中でも特に先端近傍について測定を行った。
図2の比較試料1で示したトリタン電極は、該換算粒径が従来のトリタン電極である基準試料1の該換算粒径に比べて、大きくなっている。この場合、アーク不安定が発生する時間は300時間と短かった。これは、トリタンの場合、一般的に易電子放射性材料である金属酸化物は細かく分散した方が、安定して該易電子放射性材料を供給できるため好ましいとされており、該換算粒径を大きくした比較試料1の場合は該易電子放射性材料の供給が不十分となり、アーク不安定が発生した、と思われる。
一方、サンプル1からサンプル5においては、トリタン電極の場合とは逆に、該換算粒径が大きくなるにつれてアーク不安定が発生するまでの時間は長くなっている。特に15μm以上の大きさでは、基準試料1である従来のトリタン電極と同等、またはそれ以上安定した放電が維持されている。また、サンプルaからサンプルdまでも同様に、換算粒径12μm以上で、基準試料1である従来のトリタン電極より安定した放電が長く維持されている。これらの結果より、従来のトリタン電極と比較して、該共存物の換算粒径が15μm以上であれば、該トリタン電極と同様、または、それ以上に安定した放電を維持し、長寿命の高負荷の高輝度放電ランプが提供できる。ただし、該共存物の換算粒径が100μmを越えると、該陰極材料自身の機械的強度が低下し、例えば陰極加工時にクラックが入る等の不具合が発生する。つまり、該換算粒径は15μm乃至100μmの範囲であることが望ましい。
本実施例において、前記トリタン電極の場合とは異なり、該共存物の換算粒径が大きい方が、該高負荷の高輝度放電ランプが安定した放電を維持し、長寿命を実現できる。それは、易電子放射性材料の金属酸化物は、該高負荷の高輝度放電ランプの動作時、陰極が高温になることにより還元される。この時、該金属酸化物から酸素が離脱して、該易電子放射性材料がタングステン金属基体中を拡散することにより該陰極先端に輸送され、仕事関数を下げることにより熱電子放出が容易になる。
一方、離脱した該酸素はタングステンと結合し、タングステン酸化物を生成する。金属状態である間は他の酸化物中へ容易に拡散しなかったタングステンが、タングステン酸化物になると他の酸化物内に容易に拡散を始める。本実施例の場合、生成されたタングステン酸化物は、該易電子放射性材料から成る金属酸化物と、安定化材である金属酸化物と、が共存する共存物中に拡散し始める。ここにおいて、ランタン、セリウム、イットリウム、スカンジウム、及びガドリニウムといった該易電子放射性材料の金属酸化物と、タングステン酸化物とが共存すると、該タングステン酸化物の占る割合が高くなるにつれて、該金属酸化物の融点が低下する傾向にある。該タングステン酸化物が多く含有されると、該陰極の動作温度以下でも該金属酸化物が液相化する。該共存物が一度液相化すると、固体の場合に比べて、拡散速度が著しく増加し、速やかな拡散によって、該易電子放射性材料が電極外部へと放出される。その後、該易電子放射性物質が枯渇状態となり、供給量が減少し、安定した放電が維持できなくなる。
該共存物である粒の内部にタングステン酸化物が拡散する量は、該共存物の粒の大きさに、つまり表面積によって決まる。該共存物中のタングステン酸化物の割合は、(共存物の表面積)/(共存物の体積)なる関係式によって表され、該共存物の換算粒径が大きいほどタングステン酸化物の含有割合は低くなる。該共存物の粒の大きさが大きければ、該タングステン酸化物の割合が低く保たれ、融点の低下が抑制され、該共存物が液相化することなく、長時間に渡って該易電子放射性材料を供給できる。該共存物の大きな粒の数が多いほど、長時間に亘って安定した供給がなされ、安定した放電が維持できる。

このように、該共存物の粒が大きいことが必要であるが、該共存物の粒の大きさを制御するためには、種々の手段を取ることができる。例えば、該陰極材料であるタングステンは、粉末冶金法によって作られるので、焼結前の出発原料粉末に添加する、該易電子放射性材料からなる金属酸化物の粉末粒径と、安定化材として機能する金属酸化物との粉末粒径を揃えることで、該共存物の粒の大きさを制御できる。また、該共存物は焼結時に雰囲気、温度、時間等の条件を決めることでも、(出発粉末の粒径)/(共存物の大きな粒の粒径)を一定に保つことが可能である。更に、該共存物を含む焼結体を転打によって縮径することで、該共存物が引き伸ばされ、砕けて小さくなる。この時の焼結体の断面積減少率を制御することで、該共存物の粒の大きさを制御することもできる。
実施例1に記載の陰極材料を製造する方法の一例をランタンの金属酸化物とジルコニウムの金属酸化物とが共存物として生成される場合について述べる。まず、平均粒径20μm以下のランタンの金属酸化物の粉末と、同じく平均粒径20μm以下のジルコニウムからなる金属酸化物の粉末をボールミルで混合し、プレス後大気中で約1400℃で焼結し、その後再度粉砕してランタンの金属酸化物とジルコニウムの金属酸化物とが共存した酸化物の粉末を得る。この共存した酸化物の粉末を分級し、粒径10−20μmの粉末を得る。この粉末と99.5重量%以上の純度をもった平均粒径2−20μmのタングステン粉末を混合、プレスし、水素中で仮焼結させ、その後、更に通電して本焼結する。該焼結体をスエージし、理論密度の95%以上の電極材料を得る。このようにして製造された該電極材料は、所望の電極形状に加工した、更に1900℃で1時間、真空中で加熱することにより脱ガスし、高負荷高輝度放電ランプ中に陰極として組み込まれる。尚、該共存物を含んだ該タングステンの理論密度が95%未満であれば、ランプに組み込み、駆動させた場合に、電極先端が収縮変形したり、熱伝導による電極のコーン部先端の損耗が増加することになるので、焼結体のスエージには注意が必要である。
また、焼結後のスエージ工程での断面減少率を調整する等により、タングステンの結晶粒を電極軸方向に伸びた形態とすることもできる。該タングステンの結晶粒を電極軸方向に伸びた形態とすることにより、該易電子放射性材料の輸送が該結晶粒に沿って行われる。該結晶粒が該電極先端に向かって形成されることとなるため、先端部への該易電子放射性材料の安定した供給が可能である。
同様に、焼結後のスエージ工程での断面減少率を調整する等により、タングステン金属基体中に存在する該共存物を電極軸方向に延在した形態とすることもできる。該共存物が電極軸方向に延在することにより、該易電子放射性材料の輸送において、該輸送路が該電極先端に向かって形成されることとなるため、先端部への該易電子放射性材料の安定した供給が可能である。
また、該電極材料にカリウムを1重量ppmから100重量ppm含ませれば、タングステン金属自身の結晶粒成長を抑制でき、該結晶粒の大きさを安定に保つことが可能であり、該易電子放射性材料が該タングステン金属の結晶粒界を沿って輸送される場合の供給量を安定的に保つこともできる。
次に、第2の実施例として、該共存物中にタングステン酸化物が含まれている陰極材料を用いた高負荷高輝度放電ランプをについて示す。該陰極材料としては、易電子放射性材料としてランタンの金属酸化物と、安定化材としてハフニウムの金属酸化物と、更に、タングステン酸化物と、を混合している該共存物が存在するものである。該共存物中にタングステン酸化物が含まれることにより、該共存物から該易電子放射性材料であるランタンの金属酸化物がエミッターとして動作する場合に離脱した酸素によって、該共存物の周囲に生成されたタングステン酸化物は該共存物内へ容易に拡散することができ、該共存物の周辺に徐々に堆積することで融点の低い高濃度のタングステン酸化物が生成されるのを抑制できる。これにより、結果として、高濃度のタングステン酸化物が生成されることによる該共存物周辺の液相化が発生することなく、該共存物から該易電子放射性材料が早期に枯渇することなく、安定して供給され、安定した放電を維持した長寿命の高負荷高輝度放電ランプを提供できる。
該陰極材料の作製には、例えば、以下の手順で行う。平均粒径20μm以下のランタンの金属酸化物の粉末と、平均粒径20μm以下のハフニウムからなる金属酸化物の粉末、及び、三酸化タングステン粉末(WO3)をボールミルで混合し、プレス後大気中で約1500℃で焼結し、その後、粉砕して該共存物の粉末を得る。該共存物の粉末を分級して平均粒径10−20μmの混合粉末を得る。その後の工程は、実施例1における電極材料を製造する場合の手法と同じである。これによってLa2O3−HfO2−WO3の共存物を含有するタングステン金属基体が製造できる。該陰極を用いて入力電力が2kWのキセノンショートアークランプを作製した。該陰極中の該共存物の換算粒径は、約22μmであり、該陰極の直径は8mm、長さ20mm、該陰極先端のコーン部の頂角は60度、該陰極先端のコーン部先端の径は0.5mmとした。また、本実施例では、該共存物はタングステン金属基体に対して、4重量%とした。該陰極材料にトリタンを用いた場合の高負荷高輝度放電ランプの照度維持率を比較した。本実施例では、該キセノンショートアークランプから放射される光を、スクリーン投影装置により、スクリーン上に照射した場合に、目視でチラツキが発生するまでの時間を測定した。本実施例では、トリタン陰極を用いた場合と同様に、点灯1000時間でチラツキが発生し、トリタン陰極と同等の特性を得た。
本発明の第3の実施例は、タングステンから成る金属基体に安定化材としてのジルコニウムを合金化し、該金属基体に粒状の該易電子放射性材料としてランタンの金属酸化物を含む陰極材料を高負荷の高輝度放電ランプに使用した場合を示す。その形態は、図3−b)におけるタングステン結晶粒30が、タングステンとジルコニウムの合金を形成しており、該共存物23の変わりにランタンの金属酸化物の粒が含有されたものである。本実施例において、該易電子放射性材料であるランタンの金属酸化物がエミッターとして動作する場合に、該ランタンの金属酸化物から酸素が離脱し、ランタン原子として高融点金属基体であるタングステン中を移動し、放電に必要な電子を供給する。この時、離脱した酸素は、該ランタンの金属酸化物の最表面に徐々に堆積する。この酸素は、該ランタンの金属酸化物の周囲を覆っているタングステンと結合してタングステン酸化物を生成する。やがて、該共存物の周囲に薄皮状の高濃度タングステン酸化物層が作られる。このタングステン酸化物層が高濃度になると、融点が低下し、低温でも液相化してしまう。また、金属状態ではランタンの金属酸化物内に拡散しなかったタングステンが、酸化物になることによって、該タングステン酸化物が該ランタンの金属酸化物の内部に拡散し、ランタンの金属酸化物とタングステン酸化物との化合物を形成する。該化合物はランタンの金属酸化物に比べて融点が低く、陰極の駆動温度程度で液相化が発生する。ここにおいて、該金属基体中に安定化材としてジルコニウムがタングステンと合金の形で存在すると、該ジルコニウムが該易電子放射性物質から離脱した酸素に対して酸素ゲッタとして働き、タングステン酸化物が生成されるのを抑制する。結果として、ランタンの金属酸化物中にタングステン酸化物が拡散し、融点の低い化合物を形成することがなく、ランタンの金属酸化物が液相化することが無く、高負荷高輝度放電ランプの陰極に使用した場合、安定した放電を長時間に渡って維持することが出来る。
本実施例では、ジルコニウムがタングステンと合金化された前記陰極材料を超高圧水銀ランプに組み込み、トリタンを陰極に用いた場合と比較した。該超高圧水銀ランプは、一般的に液晶用カラーフィルタ等の製造に使用されるランプであって、入力電力5kW、希ガスとしてキセノンを常温で1気圧封入し、比較的多量の水銀が封入されている。該超高圧水銀ランプの陰極の組成は、タングステン(W)とジルコニウム(Zr)との合金にランタンの金属酸化物(La2O3)が含有されており、該金属酸化物の粒の大きさは、換算粒径で約35μmである。また、その形状は、直径12mm、長さ20mm、先端のコーン部の頂角が80度、該コーン部の先端部径が0.6mmである。この超高圧水銀ランプの波長405nmにおけるアーク不安定が発生するまでの時間をトリタン陰極の場合と比較した。ここで、アーク不安定とは、波長405nmの光を検知する半導体モニターで、該高負荷高輝度放電ランプから放射される光の変動率を測定する。該変動率が、1%以上の変動である状態とした。トリタン陰極を用いた場合では、点灯時間1000時間でアーク不安定が発生した。本実施例の場合でも、点灯時間1000時間で、アーク不安定が発生し、トリタンの場合と同等の特性を示した。
このような陰極材料を作製するには、平均粒径2−20μmのタングステン粉末と水素化ジルコニウムの粉末をボールミルで混合し、プレスし、真空中で1200℃に加熱する。この段階でタングステン粉末の中にジルコニウムが拡散する。これを粉砕し、W−Zr合金粉末を得る。該W−Zr合金粉末を粉砕、分級して得た平均粒径20μm以下の該W−Zr合金粉末と、平均粒径10−20μm以下のランタン酸化物の粉末を混合し、プレス成形後、不活性ガス中、約1000℃で仮焼結する。その後、不活性ガス中1600℃で焼結し、さらに水素中で通電焼結する。該焼結体をスエージし、理論密度の95%以上の電極材料を得ることができる。該電極材料を所望の電極形状に加工した後、1900℃、1時間、真空中で加熱し、脱ガスする。この様にして作製した陰極を該高負荷高輝度放電ランプに組み込み、前記サンプルを作製した。
本発明の第4の実施例として、図4に該陰極2の概略断面図を示す。該陰極2は、タングステンを主成分とし、タングステンとジルコニウムとの合金が含まれた、タングステン金属基体31と、該タングステン金属基体31の先端に形成されたコーン部32と、該コーン部32の先端であるコーン部先端33に埋め込まれた純水タングステンの棒状体34とから形成されている。また、該タングステン金属基体31中には、共存物35としてランタンの金属酸化物とジルコニウムの金属酸化物とが共存した粒状部分が含まれている。具体的には、タングステン金属基体31が、直径12mm、長さ30mm、コーン部32の頂角36が80度、該コーン部32のコーン部先端33の径が1.0mmであって、該コーン部32のコーン部先端33には直径1.0mm、深さ3.0mmの穴が設けられ、該穴には、該タングステンの棒状体34が圧入され、該コーン部先端33をレーザ溶融することで該タングステン金属材料31と一体化するとともに、該コーン部先端33から0.5mm程度を金属酸化物を含まないタングステンとした。この時の該共存物35の換算粒径は、約25μmとし、該タングステン金属基体31に対する含有率は、0.5重量%とした。このように作製した陰極2を組み込んだ高負荷高輝度放電ランプとして、入力電力5kWの希ガス−水銀ショートアークランプを作製した。該希ガス−水銀ショートアークランプは、希ガスとして、アルゴンとクリプトンの混合ガスを常温での圧力で1気圧封入した。同等の該希ガス−水銀ショートアークランプにトリタン陰極を組み込み、本実施例との比較を行った。評価方法は、実施例1の場合と同様に波長365nmでの変動率を測定し、該変動率が1%以上となるまでの点灯時間で評価した。本実施例の該希ガス−水銀ショートアークランプは、陰極材料にトリタンを用いた場合と同等の点灯時間であった。
本実施例における陰極2を形成するタングステン金属基体31を作製するには、例えば、以下の方法がある。平均粒径2乃至20μmのタングステン粉末と水素化ジルコニウムの粉末をボールミルで混合し、プレスし、真空中、1200℃に加熱する。この段階でタングステン粉末の中にジルコニウムが拡散する。これを粉砕し、W−Zr合金粉末を得る。これを分級し平均粒径20μm以下のW−Zr合金粉末を得る。次に、平均粒径20μm以下のランタンの金属酸化物の粉末とジルコニウムの金属酸化物の粉末をボールミルで混合し、プレス後大気中で約1500℃で焼結し、粉砕して共存した金属酸化物の粉末を得る。この共存した金属酸化物を分級し、粒径10乃至20μmの粉末を得る。先に得られたW−Zr合金粉末と、後に得られた共存した金属酸化物の粉末を混合し、プレス成形後、不活性ガス中、約1000℃で仮焼結する。その後、不活性ガス中1600℃で焼結し、さらに水素中で通電焼結する。焼結体をスエージし、理論密度の95%以上の電極材料を得る。該電極材料を所望の陰極形状に加工した後、1900℃、1時間、真空中で加熱し、脱ガスする。
尚、本実施例で用いたタングステン金属基体31は、タングステンを主成分とする高融点基体金属中に、易電子放射性のランタン、セリウム、イットリウム、スカンジウム、ガドリニウムから選ばれた金属酸化物と、安定化のためのチタン、ジルコニウム、ハフニウム、ニオブ、タンタルから選ばれた金属酸化物が共存した共存物35を含み、更に該タングステン金属基体31のタングステンと、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、ニオブ、タンタルから選ばれた金属が合金を形成したものを含有している。このタングステン金属基体31から形成した陰極2の先端に、例えば99.99重量%のタングステンの棒状体34を配置しているが、該棒状体34を用いず、該タングステン金属基体31だけで陰極2を形成させることもできる。
この発明の高負荷の高輝度放電ランプの概略形状を表す略断面図。 この発明の高負荷の高輝度放電ランプの効果を表す表。 この発明のタングステン金属基体中に存在する共存物を示す説明図。 この発明の陰極の形状を示す概略拡大断面図。
符号の説明
1 希ガス−水銀ショートアーク放電ランプ
2 陰極
3 陽極
4 バルブ
21 測定範囲
22 タングステン金属粒界
23 共存物
24 トリア粒
30 タングステン結晶粒
31 タングステン金属基体
32 コーン部
33 コーン部先端
34 棒状体
35 共存物
36 頂角

Claims (5)

  1. 密閉された光透過性の容器と、該容器内に対向配置された陽極と陰極と、該光透過性の容器を気密に保つために該容器の両端に突出した封着部と、を具備し、該封着部を介して該陽極と該陰極に給電される放電ランプにおいて、
    該陰極は、タングステンを主成分とする高融点金属基体中に、ランタン、セリウム、イットリウム、スカンジウム、及びガドリニウムから選ばれた少なくとも1種類の金属酸化物と、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、ニオブ、及びタンタルから選ばれた少なくとも1種類の金属酸化物とが共存しており、該共存物の換算粒径が15μm以上であって、該高融点金属基体の中に該共存物がコーン部先端付近における任意断面の一辺が0.5mmの正方形内に複数存在することを特徴とする高負荷高輝度放電ランプ。
  2. 前記共存物は、タングステン酸化物を含むことを特徴とする請求項1に記載の高負荷高輝度放電ランプ。
  3. 前記共存物は、タングステン金属基体中に含有されている量が、0.3重量%乃至5重量%であることを特徴とする請求項1に記載の高負荷高輝度放電ランプ。
  4. 前記共存物は、該共存物中に存在するランタン、セリウム、イットリウム、スカンジウム、及びガドリニウムから選ばれた少なくとも1種類の金属酸化物AxOyと、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、ニオブ、及びタンタルから選ばれた少なくとも1種類の金属酸化物BzOtと、が存在するモル比率がA/B≦1.0あることを特徴とする請求項1に記載の高負荷高輝度放電ランプ。
  5. 前記陰極の少なくとも放電に接する先端部分が該易電子放射性材料を含む金属酸化物を含有しないタングステンを主成分とする金属であり、周囲部分が易電子放射性材料を含む金属酸化物を含有するタングステンを主成分とする金属であることを特徴とする請求項1乃至請求項4に記載の高負荷高輝度放電ランプ
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