JP2004200114A - 冷陰極 - Google Patents

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Nobuyuki Yoshino
信幸 吉野
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Abstract

【課題】長寿命で、高輝度の発光動作の安定した放電管における冷陰極を提供することにある。
【解決手段】希ガスや水銀を封入したガラス管の端部に封装された導入線の先端部に冷陰極を具備する放電管の冷陰極であって、平均粒径10μm以下のNbを有し、Nbの含有量が2重量%以上、50重量%以下の範囲であり、さらにはTi、Zr、Taから選択される少なくとも1種類以上の元素を含む冷陰極である。この冷陰極では発光中に発生する酸素及び水素の吸着能が向上し、酸化物の生成及びHイオンの発生が抑制されため、仕事関数も上昇することなく、スパッタリング現象も抑制される。その結果、始動電圧が安定し、発光寿命の長い発光挙動の安定した冷陰極、ひいてはそのような冷陰極を有する放電管を提供することが可能となる。
【選択図】なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷陰極を有する放電管における冷陰極に係わり、特に、長寿命で、発光動作の安定した放電管における冷陰極に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、液晶ディスプレイのバックライト光源、あるいはレンズ付きフィルム、デジタルカメラのストロボなどに、冷陰極を有する放電管が使用されている。この種の放電管には、発熱が少なく、消費電力が小さく、高輝度、高効率であり、更には長寿命、小型化などの性能が望まれている。特に最近のデジタルカメラのストロボ用としては外径が2mm以下、長さが30mm以下の細管型のものが開発されており、今後、デジタルカメラを搭載した携帯電話の普及と共に、放電管の小型化は更に進むと考えられる。これに伴い、放電管の端部に封装される冷陰極も小型化が必要であり、外径1mm以下、長さ1mm以下の冷陰極の開発も進んでいる。
【0003】
通常、放電管は、冷陰極に所定の電圧を印加すると、発生した初期プラズマのイオンによって、冷陰極から2次電子が放出され、水銀や希ガスがあらかじめ封入されたガラス管内で放電が開始する。そして、この放電に伴う電子エネルギーによって励起された水銀原子あるいは希ガス原子が紫外線を放射し、さらに、この紫外線がガラス管内面に塗布された蛍光体層によって、可視光に変換され、可視光線を発生し、発光する。
【0004】
冷陰極はとしては、主には円筒形状をした電子放射物質を含浸した高融点金属からなる多孔質焼結体が検討され、用いられてきた。
【0005】
放電管は、上記の多孔質焼結体をタングステンワイヤーやコバールワイヤー、ジュメット線などに挿入し、かしめることにより接合する。その後、多孔質焼結体に電子放射物質を含浸することにより冷陰極を作製し、これをガラス管の端部に封装し、ガラス管内に水銀やキセノンガスなどの希ガスを封入することにより構成される。電子放射物質としてはセシウム化合物、バリウム化合物、イットリウム化合物、ランタン化合物などを主体としている。
【0006】
たとえば、高融点金属からなる多孔質焼結体を作製するためには、高融点金属を金型へ充填し、加圧成形し、その後、真空中で焼結する手段が一般的である(たとえば特許文献1参照)。
【0007】
【特許文献1】
特開平06−231727号公報(第1図)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、たとえば、高融点金属の一つであるタングステン(以下、Wと記す)からなる外径1mm以下、長さ1mm以下程度の小型の多孔質焼結体を作製し、上記記載の方法によって放電管を作製し、実際に発光させたところ、以下の様な問題点が生じた。すなわち、Wからなる多孔質焼結体は、発光中に発生する酸素によって酸化され、酸化物を生成する。そのため、連続した発光を行うと、生成された酸化物の激しいスパッタリングが生じ、冷陰極付近のガラス管内部に付着し、管内が黒化したり、ガラス管にクラックが発生する現象が生じる。この現象に伴い、含浸したセシウム化合物、バリウム化合物、イットリウム化合物、ランタン化合物などの電子放射物質の消耗も激しくなる。更には酸化によって仕事関数が高くなるため、発光動作に影響を及ぼすパラメータである始動電圧が上昇する。
【0009】
一方、発光時には水素も同時に発生するが、この水素は発光によってイオン化し、ガラス管中に存在する電子を捕獲するため、これも始動電圧を上昇させる一因となることが分かっている。この両者の相乗効果によって始動電圧が著しく上昇し、低消費電力を維持する時間が短くなり、最終的には発光寿命も短くなるという問題を生じた。特に小型になればなるほど、この現象は顕著であった。そのため、発光動作の安定した長寿命の放電管を提供することは困難であった。
【0010】
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、長寿命で、高輝度の発光動作の安定した放電管における冷陰極を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の冷陰極は、下記記載の構成を採用する。すなわち、本発明の冷陰極は、希ガスや水銀を封入したガラス管の端部に封装された導入線の先端部に冷陰極を具備する放電管の冷陰極であって、平均粒径10μm以下のNbを有し、前記Nbの含有量が2重量%以上、50重量%以下の範囲である多孔質焼結体からなることを特徴とする。
【0012】
さらに、本発明の冷陰極は、前記記多孔質焼結体がTi、Zr、Taから選択される少なくとも1種類以上の元素を含むことが好ましい。
【0013】
(作用)
本発明者は、冷陰極について鋭意、検討を進めた結果、平均粒径10μm以下のNbを有し、このNbの含有量が2重量%以上、50重量%以下の範囲であり、更に好ましくはTi、Zr、Taから選択される少なくとも1種類以上の元素を含む多孔質焼結体が好ましいことを見いだした。
【0014】
ここでTi、Zr、Taは酸化し難い元素であり、寧ろ冷陰極やガラス管から発生する酸素を吸着する効果を有している。NbはWの効果にはない水素ガスを吸着する効果を有する。
【0015】
更に本発明者は多孔質焼結体を構成する金属の含有量、粒径、焼結条件等について検討した結果、特にNbにおいてNbの特定の平均粒径と含有量が発光中のスパッタリング現象の抑制に有効であることを見いだした。これが上記に示した値であり、平均粒径については10μm以下が最適であり、これより大きいと、焼結が多孔質焼結体の内部まで充分に進行せず、機械的強度や連続発光時における熱的強度に劣り、容易にスパッタリング現象を引き起こす。また、Nbの含有量については発光時に発生する水素ガスを吸着するために最適な範囲であり、これより小さいと、水素ガスを充分に吸着することができず、またこの範囲を越えると主に酸素を吸着するTi、Zr、Taの混合比が小さくなり、酸素を吸着する効果が薄れてしまうためである。このような構成からなる冷陰極を作製することにより始動電圧の上昇が抑制され、長寿命で、発光動作の安定した冷陰極放電管を提供することを可能となった。
【0016】
【発明の実施の形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0018】
図1は冷陰極を有する放電管の構造を示す模式図である。冷陰極1は細管状のガラス管3の端部に封装されたタングステンワイヤー2の導入線の先端部にかしめて接合されている。ガラス管3の内部には主にはキセノンガスが封入されている。図1中の4は封止用のガラスであり、材質はガラス管3と同じである。図2は冷陰極1の構造を示す断面模式図であり、貫通した穴を有する円筒状の多孔質焼結体からなっている。この貫通した穴にタングステンワイヤー2を通し、かしめることによりタングステンワイヤー2と接合する。また、図3は冷陰極の製造方法を示すフローチャートであり、図4は焼結する工程における処理温度プロファイルを示している。
【0019】
以下に本発明の具体的な実施例について、図1〜図4を参照しながら説明する。
(実施例)
本実施例で検討した平均粒径5μmのTiと平均粒径の異なるNbとの重量比を変えた各組合せについてまとめたものを表1に示す。表1に示した実施例ではいずれもNbの平均粒径は10μm以下であり、Nbの含有量を2重量%以上、50重量%以下の範囲とした。
【0020】
【表1】
Figure 2004200114
【0021】
その後、図3の冷陰極の製造方法を示すフローチャートに従い、TiとNbからなる原料粉末を有機高分子化合物よりなるバインダーBL−S(積水化学製)20gを溶解したアセトン1000gに入れ、撹拌機を用いて混合し、スラリーを作製した。次いで、このスラリーを用いて、スプレードライヤー法により粒径約50μmのコンパウンド(顆粒)を作製した。続いて、このコンパウンドを金型に充填して、5トン/cm2 の圧力を加えてプレス加工を施し、貫通した穴を有する円筒状の外径1.05mm、内径0.504mm、長さ1.07mmの成形体を作製した。
【0022】
その後、上記の成形体を真空炉に入れ、図4に示すような昇温パターンで焼結した。この時、図4の11で示した範囲は脱バインダーを行うための工程であり、12は粒子を溶融し、多孔質焼結体を作製するための焼結工程である。いずれの工程も真空度は2×10-5 Torrであり、11の工程は温度500℃、保持時間2時間、12の工程は温度1200℃、保持時間2時間で行った。このようにして、図2に示すような外径1mm、内径0.5mm、長さ1mmの貫通した穴を有した円筒状の多孔質体焼結体を作製した。その後、タングステンワイヤーを貫通した穴を有した円筒状の多孔質体焼結体に挿入後、接合し、電子放射物質を含浸させることにより冷陰極1を作製した。
【0023】
ここで、冷陰極1の空孔率は、プレス加工時の圧力や焼結工程時の温度、時間により制御される。空孔率は20〜30%が望ましい。その理由は、空孔率が30%を越えると、機械的強度が低下し、更には冷陰極1中に含浸した電子放射物質が過剰に蒸発して早くなくなるため、冷陰極としての寿命が短くなり、逆に空孔率が20%より小さいと、電子放射物質を外部から含浸させることができなくなり、かつ、動作中の冷陰極表面への電子放射物質の供給を妨げるため電子放出特性が悪化するからである。本実施例の冷陰極の空孔率は約22〜26%であった。また、本実施例では、冷陰極の形状は円筒状であったが、これに限るものではなく、寸法もこれに限るものではない。またガラス管の形状も直管の細管型のに限定されるものではない。
【0024】
(比較例)
実施例と同様に、本比較例で検討した平均粒径5μmのTiと平均粒径の異なるNbとの重量比を変えた各組合せについてまとめたものを表2に示す。表2に示した比較例ではいずれもNbの平均粒径は10μmより大きいか、あるいはNbの含有量が2重量%未満あるいは50重量%より大きいか、あるいは両者の条件を満足する条件が記載されている。
【0025】
【表2】
Figure 2004200114
【0026】
その後、実施例と同様に図3の冷陰極の製造方法を示すフローチャートに従い、図2に示すような外径1mm、内径0.5mm、長さ1mmの貫通した穴を有した円筒状の多孔質体焼結体を作製した。その後、タングステンワイヤーを貫通した穴を有した円筒状の多孔質体焼結体に挿入後、接合し、電子放射物質を含浸させることにより冷陰極1を作製した。
【0027】
以上にようにして得られた実施例および比較例の各冷陰極を用いて放電管を作製し、初期における始動電圧とその後、20秒毎に発光させ、3000回発光した後の始動電圧を測定する寿命試験を行った。表3にその結果をまとめて示す。
【0028】
【表3】
Figure 2004200114
【0029】
表3から分かるように実施例で得られた冷陰極は、いずれも比較例と比較すると明らかなように、始動電圧は寿命試験後も安定しており、試験後の電圧上昇は10V程度の上昇であった。また、ここには示していないが、その他の発光特性である色温度や明るさ等の評価項目においても優れた特性を示すことが確認された。一方、比較例では寿命試験後、30V以上も始動電圧が上昇し、比較例全てに亘ってガラス管内が黒化する現象が発生した。また、本実施例では、原料粉としてTiを用いたが、ZrやTaでも同様の効果が得られた。更にはTiの代わりに水素化チタン粉を用いても同様の結果が得られた。
【0030】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明の冷陰極は、NbとTi、Zr、Taから選択される少なくとも1種類以上の元素を含む冷陰極であり、Nbの平均粒径は10μm以下であり、その含有量を2重量%以上、50重量%以下にすることによって、発光中に発生する酸素及び水素の吸着能が向上し、酸化物の生成及びHイオンの発生が抑制される。そのため、仕事関数も上昇することなく、スパッタリング現象も抑制される。その結果、始動電圧は安定し、発光寿命の長い発光挙動の安定した冷陰極、ひいてはそのような冷陰極を有する放電管を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】冷陰極を有する放電管の構造を示す断面模式図である。
【図2】冷陰極の構造を示す断面模式図である。
【図3】冷陰極の製造方法を示すフローチャートである。
【図4】冷陰極の製造方法における焼結する工程での処理温度プロファイルである。
【符号の説明】
1 冷陰極
2 タングステンワイヤー
3 ガラス管
4 封止用ガラス
11 脱バインダー工程
12 粉末間を溶融させ、粉末と粉末とを結合させる工程

Claims (2)

  1. 希ガスや水銀を封入したガラス管の端部に封装された導入線の先端部に冷陰極を具備する放電管の冷陰極であって、平均粒径が10μm以下であるNbを有し、該Nbの含有量が2重量%以上、50重量%以下の範囲にある冷陰極。
  2. Ti、Zr、Taから選択される少なくとも1種類以上の元素を含むことを特徴とする請求項1に記載の冷陰極。
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