JP2002352766A - 冷陰極 - Google Patents

冷陰極

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JP2002352766A
JP2002352766A JP2001156413A JP2001156413A JP2002352766A JP 2002352766 A JP2002352766 A JP 2002352766A JP 2001156413 A JP2001156413 A JP 2001156413A JP 2001156413 A JP2001156413 A JP 2001156413A JP 2002352766 A JP2002352766 A JP 2002352766A
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Nobuyuki Yoshino
吉野  信幸
庸介 ▲榊▼原
Yasusuke Sakakibara
Hidetake Hashimoto
英豪 橋本
Atsushi Sato
佐藤  惇司
Shizue Ito
静枝 伊藤
Yoshiro Hirai
芳郎 平居
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 機械的強度に優れ、長寿命で、発光挙動の安
定した放電管用冷陰極における冷陰極を提供することに
ある。 【解決手段】 希ガスや水銀を封入したガラス管の端部
に封装された導入線の先端部に冷陰極を具備する放電管
の冷陰極であって、酸素含有量が1重量%以下である冷
陰極である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷陰極を有する放
電管における冷陰極に係わり、特に、機械的強度に優
れ、長寿命で、発光挙動の安定した放電管における冷陰
極に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、液晶ディスプレイのバックライト
光源、あるいはレンズ付きフィルム、デジタルカメラの
ストロボなどに、冷陰極を有する放電管が使用されてい
る。この種の放電管には、発熱が少なく、消費電力が小
さく、高効率であり、更には長寿命、小型化などの性能
が望まれている。特に最近のデジタルカメラのストロボ
用としては外径が2mm以下、長さが50mm以下の細
管型のものが開発されており、今後、デジタルカメラを
搭載した携帯電話の普及と共に、放電管の小型化は更に
進むと考えられる。これに伴い、放電管の端部に封装さ
れる冷陰極も小型化が必要であり、外径1mm以下、長
さ1mm以下の冷陰極の開発も進んでいる。
【0003】通常、放電管は、冷陰極に所定の電圧を引
加すると、発生した初期プラズマのイオンによって、冷
陰極から2次電子が放出され、水銀や希ガスがあらかじ
め封入されたガラス管内で放電が開始する。そして、こ
の放電に伴う電子エネルギーによって励起された水銀原
子あるいは希ガス原子が紫外線を放射し、さらに、この
紫外線がガラス管内面に塗布された蛍光体層によって、
可視光に変換され、可視光線を発生する。
【0004】冷陰極は通常、円筒形状をしたタングステ
ンなどの高融点金属からなる多孔質焼結体が用いられて
きたが、発光効率の向上の観点から、最近ではチタンと
高融点金属、例えば、ニオブとからなる多孔質焼結体の
冷陰極が注目されている。
【0005】放電管は、上記の多孔質焼結体をタングス
テンワイヤーやコバールワイヤー、ジュメット線などに
挿入し、かしめることにより接合する。その後、冷陰極
に電子放射物質を含浸した後、ガラス管の端部に封装
し、ガラス管内に水銀やキセノンガスなどの希ガスを封
入することにより構成される。電子放射物質としてはバ
リウム化合物、イットリウム化合物、ランタン化合物な
どを主体としている。
【0006】たとえば、チタンと高融点金属からなる多
孔質焼結体を作製するためには、チタン粉末と高融点金
属の粉末とを混合した後、金型へ充填し、加圧成形し、
その後、真空中で焼結する手段が一般的である。また、
この時、チタン粒子の代わりに水素化チタン粒子を用い
ても真空中で焼結するとチタンと高融点金属からなる多
孔質焼結体の冷陰極が得られることが本発明者により明
らかになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、たとえ
ば、チタンと高融点金属からなる外径1mm以下、長さ
1mm以下程度の小型の多孔質焼結体を作製するに当た
り、以下の様な問題点が生じた。すなわち、チタンと高
融点金属からなる多孔質焼結体は、通常、機械的強度が
弱いために、タングステンワイヤーやコバールワイヤー
へかしめることによって接合する際に崩壊してしまい、
放電管を提供することは困難であった。特に小型になれ
ばなるほど、この現象は顕著であった。
【0008】本発明は、かかる問題点に鑑みてなされた
もので、その目的は、機械的強度に優れ、長寿命で、発
光挙動の安定した放電管における冷陰極を提供すること
にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の冷陰極は、下記記載の構成を採用する。す
なわち、本発明の冷陰極は、希ガスや水銀を封入したガ
ラス管の端部に封装された導入線の先端部に冷陰極を具
備する放電管の冷陰極であって、酸素含有量が1重量%
以下であることを特徴とする。また、本発明の冷陰極
は、チタンと高融点金属を有することが好ましい。
【0010】さらに、本発明の冷陰極は、高融点金属
が、ニオブ、タングステン、モリブデン、タンタルまた
はジルコニウムであることがなお好ましい。
【0011】また、本発明の冷陰極は、多孔質体である
ことが好ましい。
【0012】(作用)本発明者は、冷陰極について鋭
意、検討を進めた結果、その機械的強度、具体的には、
円筒形状の焼結体をタングステンワイヤー等にかしめ
て、接合する際に崩壊することのない最低限の強度は、
冷陰極に含有される酸素量に依存することを突き止め
た。すなわち、機械的強度を円筒状の冷陰極の側面から
加圧し、崩壊する際の圧力(破壊強度)で示すと、冷陰
極の酸素含有量が少なくなるにつれて、破壊強度は大き
くなり、強固になることが分かった。これは、酸素含有
量がある一定量以下では、冷陰極の機械的強度は変化し
ないが、酸素含有量がある一定量を越えると冷陰極を構
成する材料、たとえばチタン等の機械的強度が急激に脆
くなることに起因している。この時、冷陰極の破壊強度
(円筒状の冷陰極の側面から加圧し、崩壊する際の圧
力)は、酸素含有量が1重量%を越えると著しく低下す
ることが、本発明者によって確認された。
【0013】更に、冷陰極中に含まれる酸素の大部分
は、原料粉であるたとえばチタンあるいは水素化チタン
に含まれる酸素によるものであり、これが冷陰極中の酸
素の大部分を占める。もう一つの原料粉であるたとえば
高融点金属中の酸素含有量は元来、僅かである。即ち、
原料粉であるチタンあるいは水素化チタン中の酸素は、
真空中で焼結しても、ほとんど脱離することはなく、原
料粉に存在する酸素を保持して冷陰極中に存在する。
【0014】以上のことから、冷陰極中の酸素含有量を
1重量%以下に制御することが可能になれば、冷陰極の
強度も低下することなく、タングステンワイヤー等へか
しめて接合することが可能となる。そのためには、原料
粉であるたとえばチタンあるいは水素化チタン中の酸素
含有量を制御することが必要となる。
【0015】ここで、水素化チタンとは、チタンの水素
化物であり、化学式ではTiH2 と表せるチタン化合物
である。水素化チタンは真空中で400〜500℃で加
熱することにより水素が脱離し、チタンに変化するた
め、水素化チタンを原料粉として使用しても焼結後の冷
陰極の組成には何ら影響を及ぼさないことが本発明者に
よって確認されている。
【0016】更に、作製した冷陰極の空孔状態は均一で
あり、電子放射物質を多量に含浸できるため、その発光
寿命は長く、明るさ、始動電圧、色温度などの発光挙動
も安定していることが本発明者により確認された。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。
【0018】図1は冷陰極を有する放電管の構造を示す
模式図である。冷陰極1は細管状のガラス管3の端部に
封装されたタングステンワイヤー2の導入線の先端部に
かしめて接合されている。ガラス管の長さは例えば40
mm、直径は4mmであり、ガラス管3の内部にはキセ
ノンガスが封入されている。図1中の4は封止用のガラ
スであり、材質はガラス管3と同じである。図2は冷陰
極1の構造を示す断面模式図であり、たとえば、チタン
と高融点金属からなる貫通した穴を有する円筒状の多孔
質焼結体からなり、外径は1mm、内径は0.5mm、
長さは1mmである。この貫通した穴に外径0.45m
mのタングステンワイヤー2を通し、かしめることによ
りタングステンワイヤー2と接合する。また、図3は冷
陰極の製造方法を示すフローチャートであり、図4は焼
結する工程における処理温度プロファイルを示してい
る。
【0019】本発明の冷陰極は、まず、たとえば、チタ
ンあるいは水素化チタンの粉末と高融点金属の粉末とを
混合して混合粉を作製する。この時、チタンあるいは水
素化チタン中の酸素含有量は、チタン精錬時の熱処理時
における雰囲気の酸素濃度の制御によって行い、いずれ
も1重量%未満の原料粉を使用する。また、高融点金属
の粉末中の酸素含有量は元来、僅かであり、0.01〜
0.04重量%程度であるが、チタンあるいは水素化チ
タン中の酸素含有量と合計して、酸素含有量が1重量%
にならないものを選択して使用することが好ましい。
【0020】その後、この混合粉を有機高分子化合物よ
りなるバインダーと有機溶剤を撹拌機を用いて混合し、
次いで、例えばスプレードライヤー法によりコンパウン
ド(顆粒)化することにより、流動性が改善され、金型
への充填がスムーズに行われる。そして、金型へ充填
後、一定の圧力を印加して、成形体を作成後、真空炉中
で焼結する。この時、焼結する工程は、図4に示すよう
に、脱バインダー工程と、粉末間を溶融させ、粉末と粉
末とを結合させる工程の2工程からなるが、水素化チタ
ンを原料粉とした場合は、脱バインダー工程と粉末と粉
末とを結合させる工程との間に脱水素化工程として、温
度400℃〜600℃で1時間〜2時間程度の熱処理工
程を導入することが好ましい。このようにして、酸素含
有量が1重量%以下であり、たとえば、チタンと高融点
金属からなる多孔質体である冷陰極が作製される。
【0021】
【実施例】以下に本発明の具体的な実施例について、図
1〜図4を参照しながら説明する。 (実施例1)まず、図3の製造方法のフローチャートに
示すように、原料粉であるチタンとニオブの粉末を重量
比がチタン:ニオブ=80:20になるように計量し、
混合した。この時、チタン粉末の酸素含有量は0.1重
量%であり、ニオブ粉末の酸素含有量は0.02重量%
であった。チタンとニオブの平均粒径はそれぞれ20μ
mであった。この原料粉末を有機高分子化合物よりなる
バインダーBL−S(積水化学製)20gを溶解したア
セトン1000gに入れ、撹拌機を用いて混合し、スラ
リーを作製した。次いで、このスラリーを用いて、スプ
レードライヤー法により粒径約50μmのコンパウンド
(顆粒)を作製した。続いて、このコンパウンドを金型
に充填して、5トン/cm2 の圧力を加えてプレス加工
を施し、貫通した穴を有する円筒状の外径1.05m
m、内径0.504mm、長さ1.07mmの成形体を
約1000個作製した。
【0022】その後、上記の成形体を真空炉に入れ、図
4に示すような昇温パターンで焼結した。この時、図4
の11で示した範囲は脱バインダーを行うための工程で
あり、12はチタンとニオブの粒子を溶融し、多孔質焼
結体を作製するための焼結工程である。いずれの工程も
真空度は2×10-5 Torrであり、11の工程は温
度500℃、保持時間2時間、12の工程は温度120
0℃、保持時間2時間とした。このようにして、図2に
示すような外径1mm、内径0.5mm、長さ1mmの
チタンとニオブからなる、貫通した穴を有した円筒状の
多孔質体である冷陰極1を作製した。尚、多孔質体の酸
素含有量は、酸素・窒素分析装置EMGA(堀場製作所
製)により測定した。
【0023】ここで、冷陰極1の空孔率は、プレス加工
時の圧力や焼結工程時の温度、時間により制御される。
空孔率は20〜30%が望ましい。その理由は、空孔率
が30%を越えると、機械的強度が低下し、更には冷陰
極1中に含浸した電子放射物質が過剰に蒸発して早くな
くなるため、冷陰極としての寿命が短くなり、逆に空孔
率が20%より小さいと、電子放射物質を外部から含浸
させることができなくなり、かつ、動作中の冷陰極表面
への電子放射物質の供給を妨げるため電子放出特性が悪
化するからである。本実施例の冷陰極の空孔率は約22
〜26%であった。また、本実施例では、冷陰極の形状
は円筒状であったが、これに限るものではなく、寸法も
これに限るものではない。またガラス管の形状も直管の
細管型のに限定されるものではない。
【0024】(実施例2)原料粉であるチタンとニオブ
の粉末を重量比がチタン:ニオブ=80:20になるよ
うに計量し、混合した。この時、チタン粉末の酸素含有
量は0.3重量%であり、ニオブ粉末の酸素含有量は
0.02重量%であった。チタンとニオブの平均粒径は
それぞれ20μmであった。この原料粉末を有機高分子
化合物よりなるバインダーBL−S(積水化学製)20
gを溶解したアセトン1000gに入れ、撹拌機を用い
て混合し、スラリーを作製した。次いで、このスラリー
を用いて、スプレードライヤー法により粒径約50μm
のコンパウンド(顆粒)を作製した。続いて、このコン
パウンドを金型に充填して、5トン/cm2 の圧力を加
えてプレス加工を施し、貫通した穴を有する円筒状の外
径1.05mm、内径0.504mm、長さ1.07m
mの成形体を約1000個作製した。
【0025】その後、上記の成形体を真空炉に入れ、実
施例1と同条件の昇温パターンで焼結した。このように
して、図2に示すような外径1mm、内径0.5mm、
長さ1mmのチタンとニオブからなる、貫通した穴を有
した円筒状の多孔質体である冷陰極1を作製した。尚、
多孔質体の酸素含有量は、酸素・窒素分析装置EMGA
(堀場製作所製)により測定した。また、この冷陰極1
の空孔率は、約22〜26%であった。
【0026】(実施例3)原料粉であるチタンとニオブ
の粉末を重量比がチタン:ニオブ=80:20になるよ
うに計量し、混合した。この時、チタン粉末の酸素含有
量は0.9重量%であり、ニオブ粉末の酸素含有量は
0.02重量%であった。チタンとニオブの平均粒径は
それぞれ20μmであった。この原料粉末を有機高分子
化合物よりなるバインダーBL−S(積水化学製)20
gを溶解したアセトン1000gに入れ、撹拌機を用い
て混合し、スラリーを作製した。次いで、このスラリー
を用いて、スプレードライヤー法により粒径約50μm
のコンパウンド(顆粒)を作製した。続いて、このコン
パウンドを金型に充填して、5トン/cm2 の圧力を加
えてプレス加工を施し、貫通した穴を有する円筒状の外
径1.05mm、内径0.504mm、長さ1.07m
mの成形体を約1000個作製した。
【0027】その後、上記の成形体を真空炉に入れ、実
施例1と同条件の昇温パターンで焼結した。このように
して、図2に示すような外径1mm、内径0.5mm、
長さ1mmのチタンとニオブからなる、貫通した穴を有
した円筒状の多孔質体である冷陰極1を作製した。尚、
多孔質体の酸素含有量は、酸素・窒素分析装置EMGA
(堀場製作所製)により測定した。また、この冷陰極1
の空孔率は、約22〜26%であった。
【0028】(比較例1)原料粉であるチタンとニオブ
の粉末を重量比がチタン:ニオブ=80:20になるよ
うに計量し、混合した。この時、チタン粉末の酸素含有
量は1.1重量%であり、ニオブ粉末の酸素含有量は
0.02重量%であった。チタンとニオブの平均粒径は
それぞれ20μmであった。この原料粉末を有機高分子
化合物よりなるバインダーBL−S(積水化学製)20
gを溶解したアセトン1000gに入れ、撹拌機を用い
て混合し、スラリーを作製した。次いで、このスラリー
を用いて、スプレードライヤー法により粒径約50μm
のコンパウンド(顆粒)を作製した。続いて、このコン
パウンドを金型に充填して、5トン/cm2 の圧力を加
えてプレス加工を施し、貫通した穴を有する円筒状の外
径1.05mm、内径0.504mm、長さ1.07m
mの成形体を約1000個作製した。
【0029】その後、上記の成形体を真空炉に入れ、実
施例1と同条件の昇温パターンで焼結した。このように
して、図2に示すような外径1mm、内径0.5mm、
長さ1mmのチタンとニオブからなる、貫通した穴を有
した円筒状の多孔質体である冷陰極1を作製した。尚、
多孔質体の酸素含有量は、酸素・窒素分析装置EMGA
(堀場製作所製)により測定した。また、この冷陰極1
の空孔率は、約22〜26%であった。
【0030】(比較例2)原料粉であるチタンとニオブ
の粉末を重量比がチタン:ニオブ=80:20になるよ
うに計量し、混合した。この時、チタン粉末の酸素含有
量は1.5重量%であり、ニオブ粉末の酸素含有量は
0.02重量%であった。チタンとニオブの平均粒径は
それぞれ20μmであった。この原料粉末を有機高分子
化合物よりなるバインダーBL−S(積水化学製)20
gを溶解したアセトン1000gに入れ、撹拌機を用い
て混合し、スラリーを作製した。次いで、このスラリー
を用いて、スプレードライヤー法により粒径約50μm
のコンパウンド(顆粒)を作製した。続いて、このコン
パウンドを金型に充填して、5トン/cm2 の圧力を加
えてプレス加工を施し、貫通した穴を有する円筒状の外
径1.05mm、内径0.504mm、長さ1.07m
mの成形体を約1000個作製した。
【0031】その後、上記の成形体を真空炉に入れ、実
施例1と同条件の昇温パターンで焼結した。このように
して、図2に示すような外径1mm、内径0.5mm、
長さ1mmのチタンとニオブからなる、貫通した穴を有
した円筒状の多孔質体である冷陰極1を作製した。尚、
多孔質体の酸素含有量は、酸素・窒素分析装置EMGA
(堀場製作所製)により測定した。また、この冷陰極1
の空孔率は、約22〜26%であった。
【0032】(比較例3)原料粉であるチタンとニオブ
の粉末を重量比がチタン:ニオブ=80:20になるよ
うに計量し、混合した。この時、チタン粉末の酸素含有
量は2.0重量%であり、ニオブ粉末の酸素含有量は
0.02重量%であった。チタンとニオブの平均粒径は
それぞれ20μmであった。この原料粉末を有機高分子
化合物よりなるバインダーBL−S(積水化学製)20
gを溶解したアセトン1000gに入れ、撹拌機を用い
て混合し、スラリーを作製した。次いで、このスラリー
を用いて、スプレードライヤー法により粒径約50μm
のコンパウンド(顆粒)を作製した。続いて、このコン
パウンドを金型に充填して、5トン/cm2 の圧力を加
えてプレス加工を施し、貫通した穴を有する円筒状の外
径1.05mm、内径0.504mm、長さ1.07m
mの成形体を約1000個作製した。
【0033】その後、上記の成形体を真空炉に入れ、実
施例1と同条件の昇温パターンで焼結した。このように
して、図2に示すような外径1mm、内径0.5mm、
長さ1mmのチタンとニオブからなる、貫通した穴を有
した円筒状の多孔質体である冷陰極1を作製した。尚、
多孔質体の酸素含有量は、酸素・窒素分析装置EMGA
(堀場製作所製)により測定した。また、この冷陰極1
の空孔率は、約22〜26%であった。
【0034】以上にようにして得られた実施例1〜3お
よび比較例1〜3の冷陰極について、酸素含有量、
側面から加圧して、破壊する際の強度(評価基準:3.
0Kgf以上であり、タングステンワイヤーへのかしめ
時に、破壊されなければ合格とする)を測定した。その
後、別途、実施例1〜3および比較例1〜3の冷陰極か
ら、無差別に抜き取りした冷陰極を用いて、タングステ
ンワイヤーにかしめ、その際、破壊しなかった冷陰極を
封装した冷陰極放電管を作製して、発光寿命(評価基
準:20秒毎に発光させ、3000回まで発光すれば合
格とする。)、始動電圧(評価基準:240V以下で
あれば合格とする。低い値の方が特性が良い。)、色
温度(評価基準:6000〜6800Kの範囲であれば
合格とする。値の高い方が良い。)について、それぞれ
測定した。尚、実施例1〜3の冷陰極は、抜き取りした
すべてが崩壊せずに、タングステンワイヤーへかしめる
ことができたが、比較例1〜3の冷陰極は、大部分がか
しめ時に崩壊してしまい、放電管が作製できたのは僅か
であった。表1に、その結果をまとめて示す。
【0035】
【表1】
【0036】表1から分かるように実施例で得られた酸
素含有量が1重量%以下の冷陰極は、いずれも比較例と
比較すると明らかなように、破壊強度が高く、タングス
テンワイヤーへのかしめによる接合が可能であり、発光
寿命、始動電圧、色温度の評価項目において、優れた発
光特性を示すことが確認された。また、本実施例では、
原料粉としてチタンを用いたが、水素化チタン粉を用い
ても同様の結果が得られた。
【0037】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明によれ
ば、酸素含有量が1重量%以下の冷陰極により、機械的
強度に優れ、長寿命で、発光挙動の安定した冷陰極、ひ
いてはそのような冷陰極を有する放電管を提供すること
が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】冷陰極を有する放電管の構造を示す断面模式図
である。
【図2】冷陰極の構造を示す断面模式図である。
【図3】冷陰極の製造方法を示すフローチャートであ
る。
【図4】冷陰極の製造方法における焼結する工程での処
理温度プロファイルである。
【符号の説明】
1 冷陰極 2 タングステンワイヤー 3 ガラス管 4 封止用ガラス 11 脱バインダー工程 12 粉末間を溶融させ、粉末と粉末とを結合させる工
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 惇司 東京都西東京市田無町六丁目1番12号 シ チズン時計株式会社内 (72)発明者 伊藤 静枝 東京都西東京市田無町六丁目1番12号 シ チズン時計株式会社内 (72)発明者 平居 芳郎 東京都西東京市田無町六丁目1番12号 シ チズン時計株式会社内 Fターム(参考) 5C015 AA04 BB01 CC17

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 希ガスや水銀を封入したガラス管の端部
    に封装された導入線の先端部に冷陰極を具備する放電管
    の冷陰極であって、酸素含有量が1重量%以下である冷
    陰極。
  2. 【請求項2】 チタンおよび高融点金属とを有すること
    を特徴とする請求項1に記載の冷陰極。
  3. 【請求項3】 前記高融点金属が、ニオブ、タングステ
    ン、モリブデン、タンタルまたはジルコニウムであるこ
    とを特徴とする請求項2に記載の冷陰極。
  4. 【請求項4】 多孔質体であることを特徴とする請求項
    1に記載の冷陰極。
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JP2005203184A (ja) * 2004-01-14 2005-07-28 Tokyo Cathode Laboratory Co Ltd 冷陰極蛍光ランプ用電極材および放電電極、その製造方法

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