JP2003051280A - 冷陰極 - Google Patents

冷陰極

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JP2003051280A
JP2003051280A JP2001238560A JP2001238560A JP2003051280A JP 2003051280 A JP2003051280 A JP 2003051280A JP 2001238560 A JP2001238560 A JP 2001238560A JP 2001238560 A JP2001238560 A JP 2001238560A JP 2003051280 A JP2003051280 A JP 2003051280A
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aluminum
oxide
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Nobuyuki Yoshino
吉野  信幸
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Citizen Watch Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長寿命で、高輝度の発光動作の安定した放電
管における冷陰極を提供することにある。 【解決手段】 希ガスや水銀を封入したガラス管の端部
に封装された導入線の先端部に冷陰極を具備する放電管
の冷陰極であって、チタンおよび高融点金属を有し、さ
らに前記高融点金属よりも酸化されやすい1種類以上の
元素であって、該酸化されやすい元素の酸化物の融点が
前記高融点金属の酸化物の融点よりも高い元素を有する
冷陰極である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷陰極を有する放
電管における冷陰極に係わり、特に、長寿命で、発光動
作の安定した放電管における冷陰極に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、液晶ディスプレイのバックライト
光源、あるいはレンズ付きフィルム、デジタルカメラの
ストロボなどに、冷陰極を有する放電管が使用されてい
る。この種の放電管には、発熱が少なく、消費電力が小
さく、高輝度、高効率であり、更には長寿命、小型化な
どの性能が望まれている。特に最近のデジタルカメラの
ストロボ用としては外径が2mm以下、長さが30mm
以下の細管型のものが開発されており、今後、デジタル
カメラを搭載した携帯電話の普及と共に、放電管の小型
化は更に進むと考えられる。これに伴い、放電管の端部
に封装される冷陰極も小型化が必要であり、外径1mm
以下、長さ1mm以下の冷陰極の開発も進んでいる。
【0003】通常、放電管は、冷陰極に所定の電圧を引
加すると、発生した初期プラズマのイオンによって、冷
陰極から2次電子が放出され、水銀や希ガスがあらかじ
め封入されたガラス管内で放電が開始する。そして、こ
の放電に伴う電子エネルギーによって励起された水銀原
子あるいは希ガス原子が紫外線を放射し、さらに、この
紫外線がガラス管内面に塗布された蛍光体層によって、
可視光に変換され、可視光線を発生し、発光する。
【0004】冷陰極は現在、円筒形状をしたニッケルや
タングステンなどの高融点金属からなる多孔質焼結体が
検討され、用いられてきたが、発光効率の向上の観点か
ら、最近ではチタンと高融点金属、例えば、ニオブとか
らなる多孔質焼結体の冷陰極が注目されている。
【0005】放電管は、上記の多孔質焼結体をタングス
テンワイヤーやコバールワイヤー、ジュメット線などに
挿入し、かしめることにより接合する。その後、冷陰極
に電子放射物質を含浸した後、ガラス管の端部に封装
し、ガラス管内に水銀やキセノンガスなどの希ガスを封
入することにより構成される。電子放射物質としてはセ
シウム化合物、バリウム化合物、イットリウム化合物、
ランタン化合物などを主体としている。
【0006】たとえば、チタンと高融点金属からなる多
孔質焼結体を作製するためには、チタン粉末と高融点金
属の粉末とを混合した後、金型へ充填し、加圧成形し、
その後、真空中で焼結する手段が一般的である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、たとえ
ば、チタンと高融点金属からなる外径1mm以下、長さ
1mm以下程度の小型の多孔質焼結体を作製し、上記記
載の方法によって放電管を作製し、実際に発光させたと
ころ、以下の様な問題点が生じた。すなわち、チタンと
高融点金属からなる多孔質焼結体は、真空中での焼結工
程中に僅かに存在する酸素によって、主に高融点金属が
酸化され、酸化物を生成する。そのため、連続した発光
を行うと、生成された酸化物の激しいスパッタリングが
生じ、冷陰極付近のガラス管内部に付着する現象が生じ
る。この現象に伴い、含浸したセシウム化合物、バリウ
ム化合物、イットリウム化合物、ランタン化合物などの
電子放射物質の消耗も激しくなり、その結果、発光動作
に影響を及ぼすパラメータである始動電圧が上昇し、低
消費電力を維持する時間が短くなり、最終的には発光寿
命も短くなるという問題を生じた。特に小型になればな
るほど、この現象は顕著であった。そのため、発光動作
の安定した長寿命の放電管を提供することは困難であっ
た。
【0008】本発明は、かかる問題点に鑑みてなされた
もので、その目的は、長寿命で、高輝度の発光動作の安
定した放電管における冷陰極を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の冷陰極は、下記記載の構成を採用する。す
なわち、本発明の冷陰極は、希ガスや水銀を封入したガ
ラス管の端部に封装された導入線の先端部に冷陰極を具
備する放電管の冷陰極であって、チタンおよび高融点金
属を有し、さらに前記高融点金属よりも酸化されやすい
1種類以上の元素であって、該酸化されやすい元素の酸
化物の融点が前記高融点金属の酸化物の融点よりも高い
元素を有することを特徴とする。
【0010】さらに、本発明の冷陰極は、前記高融点金
属よりも酸化されやすい1種類以上の元素であって、該
酸化されやすい元素の酸化物の融点が前記高融点金属の
酸化物の融点よりも高い元素が、アルミニウム、シリコ
ン、カルシウム、ベリリウム、マグネシウムまたはマン
ガンから選択される1種類以上の元素であることが好ま
しい。
【0011】さらに、本発明の冷陰極は、前記アルミニ
ウム、シリコン、カルシウム、ベリリウム、マグネシウ
ムまたはマンガンから選択される1種類以上の元素の合
計の含有率が0.2重量%以上、5.0重量%以下であ
ることが好ましい。
【0012】さらに、本発明の冷陰極は、前記高融点金
属が、ニオブ、タングステン、モリブデン、タンタルま
たはジルコニウムであることが好ましい。
【0013】(作用)本発明者は、冷陰極について鋭
意、検討を進めた結果、チタンと高融点金属からなる多
孔質焼結体に好ましくは、アルミニウム、シリコン、カ
ルシウム、ベリリウム、マグネシウムまたはマンガンか
ら選択される1種類以上の元素をその合計の含有率が
0.2重量%以上、5.0重量%以下になるように添加
することにより、高融点金属の酸化が防止されるため、
高融点金属の酸化物のスパッタリング現象とこれに伴う
電子放射物質の消耗が抑制されることがわかった。その
結果、始動電圧は安定し、発光寿命も実用上、問題のな
い十分な長さになることがわかった。また、上記元素の
含有率が0.2重量%未満では、始動電圧を安定化する
効果は発現せず、5.0重量%を越えると冷陰極の機械
的強度が低下し、タングステンワイヤー等に挿入し、か
しめる際に崩壊してしまうことや、冷陰極自体の仕事関
数が上昇し、却って始動電圧が向上してしまことも本発
明者により明らかとなった。
【0014】上記の効果は、添加したアルミニウム、シ
リコン、カルシウム、ベリリウム、マグネシウムまたは
マンガンから選択される1種類以上の元素が、真空中で
の焼結工程中に存在する酸素と高融点金属との反応より
も、優先的に酸素と結合し、雰囲気中の酸素を取り込ん
でしまうため、高融点金属の酸化が防げることと、酸素
と結合したアルミニウム、シリコン、カルシウム、ベリ
リウム、マグネシウムまたはマンガンから選択される1
種類以上の元素の酸化物は、発光動作中には殆どスパッ
タリングされず、安定して冷陰極中に留まって存在する
ことに起因している。例えば高融点金属であるニオブの
融点は約2500℃であるが、その酸化物の融点は約1
400℃となってしまう、タンタルの場合もその融点は
約3000℃であるが、その酸化物の融点は約1400
℃である。これに対し、本発明で添加するアルミニウ
ム、シリコン、カルシウム、ベリリウム、マグネシウム
またはマンガンの酸化物の融点は最も低いものでも17
00℃以上であり、殆どは2000℃以上の融点を有す
る。
【0015】通常、放電管の発光時には、冷陰極管内部
の温度の上昇は数百℃程度までであるが、冷陰極自体は
電子やイオンの衝撃を受け、融点が1500℃以下の材
料は容易にスパッタリングされてしまう。しかしなが
ら、融点の高いアルミニウム、シリコン、カルシウム、
ベリリウム、マグネシウムまたはマンガンなどの酸化物
はほとんどスパッタリングされない。また、冷陰極を構
成するチタンや高融点金属もほとんどスパッタリングさ
れない。以上の理由から本発明の冷陰極は、スパッタリ
ング現象とこれに伴う電子放射物質の消耗が抑制される
ため、長寿命、高輝度で発光動作が安定した放電管にお
ける冷陰極の提供が可能となる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。
【0017】図1は冷陰極を有する放電管の構造を示す
模式図である。冷陰極1は細管状のガラス管3の端部に
封装されたタングステンワイヤー2の導入線の先端部に
かしめて接合されている。ガラス管の長さは例えば40
mm、直径は2mmであり、ガラス管3の内部にはキセ
ノンガスが封入されている。図1中の4は封止用のガラ
スであり、材質はガラス管3と同じである。図2は冷陰
極1の構造を示す断面模式図であり、たとえば、チタン
と高融点金属からなる貫通した穴を有する円筒状の多孔
質焼結体からなり、外径は1mm、内径は0.5mm、
長さは1mmである。この貫通した穴に外径0.45m
mのタングステンワイヤー2を通し、かしめることによ
りタングステンワイヤー2と接合する。また、図3は冷
陰極の製造方法を示すフローチャートであり、図4は焼
結する工程における処理温度プロファイルを示してい
る。
【0018】本発明の冷陰極は、まず、たとえば、チタ
ンあるいは水素化チタンの粉末と高融点金属の粉末とア
ルミニウム、シリコン、カルシウム、ベリリウムまたは
マグネシウム、マンガンから選択される1種類以上の粉
末を混合して混合粉を作製する。この時、アルミニウ
ム、シリコン、カルシウム、ベリリウム、マグネシウム
またはマンガンから選択される1種類以上の元素の合計
の含有率が0.2重量%以上、5.0重量%以下である
ことが好ましい。
【0019】その後、この混合粉を有機高分子化合物よ
りなるバインダーと有機溶剤を撹拌機を用いて混合し、
次いで、例えばスプレードライヤー法によりコンパウン
ド(顆粒)化することにより、流動性が改善され、金型
への充填がスムーズに行われる。そして、金型へ充填
後、一定の圧力を印加して、成形体を作成後、真空炉中
で焼結する。この時、焼結する工程は、図4に示すよう
に、脱バインダー工程と、粉末間を溶融させ、粉末と粉
末とを結合させる工程の2工程からなるが、水素化チタ
ンを原料粉とした場合は、脱バインダー工程と粉末と粉
末とを結合させる工程との間に脱水素化工程として、温
度400℃〜600℃で1時間〜2時間程度の熱処理工
程を導入することが好ましい。このようにしてチタンと
高融点金属と合計の含有率が0.2重量%以上、5.0
重量%以下のアルミニウム、シリコン、カルシウム、ベ
リリウム、マグネシウムまたはマンガンから選択される
1種類以上の元素を有する多孔質焼結体である冷陰極が
作製される。
【0020】
【実施例】以下に本発明の具体的な実施例について、図
1〜図4を参照しながら説明する。(実施例1)まず、
図3の製造方法のフローチャートに示すように、原料粉
であるチタンとニオブとの粉末にアルミニウム、シリコ
ン、カルシウム、ベリリウム、マグネシウムまたはマン
ガンから選択される1種類以上元素の粉末をその合計の
含有率が0.2重量%以上、5.0重量%以下の範囲に
なるように計量し、混合した。本実施例で検討した組成
の組合せおよびその組成比についてまとめたものを表1
に示す。
【0021】
【表1】
【0022】チタンとニオブとその他のアルミニウム、
シリコン、カルシウム、ベリリウム、マグネシウムまた
はマンガンの平均粒径はいずれも20μmであった。こ
の原料粉末を有機高分子化合物よりなるバインダーBL
−S(積水化学製)20gを溶解したアセトン1000
gに入れ、撹拌機を用いて混合し、スラリーを作製し
た。次いで、このスラリーを用いて、スプレードライヤ
ー法により粒径約50μmのコンパウンド(顆粒)を作
製した。続いて、このコンパウンドを金型に充填して、
5トン/cm2 の圧力を加えてプレス加工を施し、貫通
した穴を有する円筒状の外径1.05mm、内径0.5
04mm、長さ1.07mmの成形体を作製した。
【0023】その後、上記の成形体を真空炉に入れ、図
4に示すような昇温パターンで焼結した。この時、図4
の11で示した範囲は脱バインダーを行うための工程で
あり、12は粒子を溶融し、多孔質焼結体を作製するた
めの焼結工程である。いずれの工程も真空度は2×10
-5 Torrであり、11の工程は温度500℃、保持
時間2時間、12の工程は温度1200℃、保持時間2
時間で行った。このようにして、図2に示すような外径
1mm、内径0.5mm、長さ1mmの貫通した穴を有
した円筒状の多孔質体である冷陰極1を作製した。本実
施例の冷陰極はチタンとニオブとその他のアルミニウ
ム、シリコン、カルシウム、ベリリウム、マグネシウム
またはマンガンの酸化物から構成されている。この時、
ニオブの融点は2460℃であり、その他のアルミニウ
ム、シリコン、カルシウム、ベリリウム、マグネシウム
またはマンガンの酸化物は以下の化学式の状態で存在す
る(カッコ内にその融点を示す)。Al23(2050
℃)、Si0(1800℃)、CaO(2570℃)、
BeO(2570℃)、Mg0(2800℃)、MnO
(1700℃)。仮に、ニオブが酸化されるとそれはN
23の化学式の状態で存在するが、この融点は約14
00℃であり、明らかにアルミニウム、シリコン、カル
シウム、ベリリウム、マグネシウムまたはマンガンの酸
化物の融点よりも低い。
【0024】ここで、冷陰極1の空孔率は、プレス加工
時の圧力や焼結工程時の温度、時間により制御される。
空孔率は20〜30%が望ましい。その理由は、空孔率
が30%を越えると、機械的強度が低下し、更には冷陰
極1中に含浸した電子放射物質が過剰に蒸発して早くな
くなるため、冷陰極としての寿命が短くなり、逆に空孔
率が20%より小さいと、電子放射物質を外部から含浸
させることができなくなり、かつ、動作中の冷陰極表面
への電子放射物質の供給を妨げるため電子放出特性が悪
化するからである。本実施例の冷陰極の空孔率は約22
〜26%であった。また、本実施例では、冷陰極の形状
は円筒状であったが、これに限るものではなく、寸法も
これに限るものではない。またガラス管の形状も直管の
細管型のに限定されるものではない。
【0025】(実施例2)原料粉であるチタンとタンタ
ルとの粉末にアルミニウム、シリコン、カルシウム、ベ
リリウム、マグネシウムまたはマンガンから選択される
1種類以上の粉末をその合計の含有率が0.2重量%以
上、5.0重量%以下の範囲になるように計量し、混合
した。本実施例で検討した組成の組合せおよびその組成
比についてまとめたものを表2に示す
【0026】
【表2】
【0027】チタンとタンタルとその他のアルミニウ
ム、シリコン、カルシウム、ベリリウム、マグネシウム
またはマンガンの平均粒径はいずれも20μmであっ
た。この原料粉末を有機高分子化合物よりなるバインダ
ーBL−S(積水化学製)20gを溶解したアセトン1
000gに入れ、撹拌機を用いて混合し、スラリーを作
製した。次いで、このスラリーを用いて、スプレードラ
イヤー法により粒径約50μmのコンパウンド(顆粒)
を作製した。続いて、このコンパウンドを金型に充填し
て、5トン/cm2 の圧力を加えてプレス加工を施し、
貫通した穴を有する円筒状の外径1.05mm、内径
0.504mm、長さ1.07mmの成形体を作製し
た。
【0028】その後、上記の成形体を真空炉に入れ、実
施例1と同条件の昇温パターンで焼結した。このように
して、図2に示すような外径1mm、内径0.5mm、
長さ1mmの貫通した穴を有した円筒状の多孔質体であ
る冷陰極1を作製した。本実施例の冷陰極はチタンとタ
ンタルとその他のアルミニウム、シリコン、カルシウ
ム、ベリリウム、マグネシウムまたはマンガンの酸化物
から構成されている。この時、タンタルの融点は300
0℃であり、仮に、タンタルが酸化されるとそれはTa
25の化学式の状態で存在するが、この融点は約140
0℃であり、明らかにアルミニウム、シリコン、カルシ
ウム、ベリリウム、マグネシウムまたはマンガンの酸化
物の融点よりも低い。また、この冷陰極1の空孔率は、
約22〜26%であった。
【0029】(実施例3)主成分がチタンとタンタルで
ある原料粉末を重量比がチタン:タンタル:アルミニウ
ム:亜鉛=75:20:3:2になるように計量し、混
合した。チタン、タンタル、アルミニウムおよび亜鉛の
平均粒径はいずれも20μmであった。この原料粉末を
有機高分子化合物よりなるバインダーBL−S(積水化
学製)20gを溶解したアセトン1000gに入れ、撹
拌機を用いて混合し、スラリーを作製した。次いで、こ
のスラリーを用いて、スプレードライヤー法により粒径
約50μmのコンパウンド(顆粒)を作製した。続い
て、このコンパウンドを金型に充填して、5トン/cm
2 の圧力を加えてプレス加工を施し、貫通した穴を有す
る円筒状の外径1.05mm、内径0.504mm、長
さ1.07mmの成形体を作製した。
【0030】その後、上記の成形体を真空炉に入れ、実
施例1と同条件の昇温パターンで焼結した。このように
して、図2に示すような外径1mm、内径0.5mm、
長さ1mmの貫通した穴を有した円筒状の多孔質体であ
る冷陰極1を作製した。また、この冷陰極1の空孔率
は、約22〜26%であった。
【0031】(比較例1)原料粉であるチタンとニオブ
の粉末を重量比がチタン:ニオブ=80:20になるよ
うに計量し、混合した。チタンとニオブの平均粒径はい
ずれも20μmであった。この原料粉末を有機高分子化
合物よりなるバインダーBL−S(積水化学製)20g
を溶解したアセトン1000gに入れ、撹拌機を用いて
混合し、スラリーを作製した。次いで、このスラリーを
用いて、スプレードライヤー法により粒径約50μmの
コンパウンド(顆粒)を作製した。続いて、このコンパ
ウンドを金型に充填して、5トン/cm2 の圧力を加え
てプレス加工を施し、貫通した穴を有する円筒状の外径
1.05mm、内径0.504mm、長さ1.07mm
の成形体を作製した。
【0032】その後、上記の成形体を真空炉に入れ、実
施例1と同条件の昇温パターンで焼結した。このように
して、図2に示すような外径1mm、内径0.5mm、
長さ1mmの貫通した穴を有した円筒状の多孔質体であ
る冷陰極1を作製した。また、この冷陰極1の空孔率
は、約22〜26%であった。
【0033】(比較例2)原料粉であるチタンとタンタ
ルの粉末を重量比がチタン:タンタル=80:20にな
るように計量し、混合した。チタンとタンタルの平均粒
径はいずれも20μmであった。この原料粉末を有機高
分子化合物よりなるバインダーBL−S(積水化学製)
20gを溶解したアセトン1000gに入れ、撹拌機を
用いて混合し、スラリーを作製した。次いで、このスラ
リーを用いて、スプレードライヤー法により粒径約50
μmのコンパウンド(顆粒)を作製した。続いて、この
コンパウンドを金型に充填して、5トン/cm2 の圧力
を加えてプレス加工を施し、貫通した穴を有する円筒状
の外径1.05mm、内径0.504mm、長さ1.0
7mmの成形体を作製した。
【0034】その後、上記の成形体を真空炉に入れ、実
施例1と同条件の昇温パターンで焼結した。このように
して、図2に示すような外径1mm、内径0.5mm、
長さ1mmの貫通した穴を有した円筒状の多孔質体であ
る冷陰極1を作製した。また、この冷陰極1の空孔率
は、約22〜26%であった。
【0035】(比較例3)主成分がチタンとニオブであ
る原料粉末を重量比がチタン:ニオブ:アルミニウム=
79.9:20:0.1になるように計量し、混合し
た。チタンとニオブとアルミニウムの平均粒径はいずれ
も20μmであった。この原料粉末を有機高分子化合物
よりなるバインダーBL−S(積水化学製)20gを溶
解したアセトン1000gに入れ、撹拌機を用いて混合
し、スラリーを作製した。次いで、このスラリーを用い
て、スプレードライヤー法により粒径約50μmのコン
パウンド(顆粒)を作製した。続いて、このコンパウン
ドを金型に充填して、5トン/cm2 の圧力を加えてプ
レス加工を施し、貫通した穴を有する円筒状の外径1.
05mm、内径0.504mm、長さ1.07mmの成
形体を作製した。
【0036】その後、上記の成形体を真空炉に入れ、実
施例1と同条件の昇温パターンで焼結した。このように
して、図2に示すような外径1mm、内径0.5mm、
長さ1mmの貫通した穴を有した円筒状の多孔質体であ
る冷陰極1を作製した。また、この冷陰極1の空孔率
は、約22〜26%であった。
【0037】(比較例4)主成分がチタンとニオブであ
る原料粉末を重量比がチタン:ニオブ:アルミニウム=
74.8:20:5.2になるように計量し、混合し
た。チタンとニオブとアルミニウムの平均粒径はいずれ
も20μmであった。この原料粉末を有機高分子化合物
よりなるバインダーBL−S(積水化学製)20gを溶
解したアセトン1000gに入れ、撹拌機を用いて混合
し、スラリーを作製した。次いで、このスラリーを用い
て、スプレードライヤー法により粒径約50μmのコン
パウンド(顆粒)を作製した。続いて、このコンパウン
ドを金型に充填して、5トン/cm2 の圧力を加えてプ
レス加工を施し、貫通した穴を有する円筒状の外径1.
05mm、内径0.504mm、長さ1.07mmの成
形体を作製した。
【0038】その後、上記の成形体を真空炉に入れ、実
施例1と同条件の昇温パターンで焼結した。このように
して、図2に示すような外径1mm、内径0.5mm、
長さ1mmの貫通した穴を有した円筒状の多孔質体であ
る冷陰極1を作製した。また、この冷陰極1の空孔率
は、約22〜26%であった。
【0039】(比較例5)主成分がチタンとタンタルで
ある原料粉末を重量比がチタン:タンタル:銅=79.
8:20:0.2になるように計量し、混合した。チタ
ンとタンタルと銅の平均粒径はいずれも20μmであっ
た。この原料粉末を有機高分子化合物よりなるバインダ
ーBL−S(積水化学製)20gを溶解したアセトン1
000gに入れ、撹拌機を用いて混合し、スラリーを作
製した。次いで、このスラリーを用いて、スプレードラ
イヤー法により粒径約50μmのコンパウンド(顆粒)
を作製した。続いて、このコンパウンドを金型に充填し
て、5トン/cm2 の圧力を加えてプレス加工を施し、
貫通した穴を有する円筒状の外径1.05mm、内径
0.504mm、長さ1.07mmの成形体を作製し
た。
【0040】その後、上記の成形体を真空炉に入れ、実
施例1と同条件の昇温パターンで焼結した。このように
して、図2に示すような外径1mm、内径0.5mm、
長さ1mmの貫通した穴を有した円筒状の多孔質体であ
る冷陰極1を作製した。本比較例の冷陰極はチタンとタ
ンタルと銅の酸化物から構成されている。銅はこの時、
CuOの化学式の状態で存在する。その融点は1000
℃であり、仮に、タンタルが酸化されるとそれはTa2
5の化学式の状態で存在するが、それよりも低い融点
を有する。また、この冷陰極1の空孔率は、約22〜2
6%であった。
【0041】(比較例6)主成分がチタンとタンタルで
ある原料粉末を重量比がチタン:タンタル:ニッケル=
79.8:20:0.2になるように計量し、混合し
た。チタンとタンタルとニッケルの平均粒径はいずれも
20μmであった。この原料粉末を有機高分子化合物よ
りなるバインダーBL−S(積水化学製)20gを溶解
したアセトン1000gに入れ、撹拌機を用いて混合
し、スラリーを作製した。次いで、このスラリーを用い
て、スプレードライヤー法により粒径約50μmのコン
パウンド(顆粒)を作製した。続いて、このコンパウン
ドを金型に充填して、5トン/cm2 の圧力を加えてプ
レス加工を施し、貫通した穴を有する円筒状の外径1.
05mm、内径0.504mm、長さ1.07mmの成
形体を作製した。
【0042】その後、上記の成形体を真空炉に入れ、実
施例1と同条件の昇温パターンで焼結した。このように
して、図2に示すような外径1mm、内径0.5mm、
長さ1mmの貫通した穴を有した円筒状の多孔質体であ
る冷陰極1を作製した。本比較例の冷陰極では主にチタ
ンとタンタルの酸化物と僅かなニッケルの酸化物から構
成されている。これはニッケルがタンタルよりも酸化し
難く、ニッケルよりも優先してタンタルが酸化してしま
うためである。この時、ニッケルの酸化物はNiOの化
学式の状態で存在する。その融点は2000℃であり、
タンタルの酸化物であるTa25よりも高い融点を有す
る。また、この冷陰極1の空孔率は、約22〜26%で
あった。
【0043】上記の比較例において、比較例1と比較例
2はチタンと高融点金属のみからなり、その他の元素を
添加しない冷陰極との比較を目的とする代表例であり、
比較例3と比較例4は本発明の請求項2に示した元素の
含有率が本発明の請求項3の範囲外である冷陰極との比
較を目的とする代表例であり、比較例5は高融点金属よ
りも酸化されやすいが、その元素の酸化物の融点が高融
点金属の酸化物の融点よりも低い元素を添加した冷陰極
との比較を目的とする代表例であり、比較例6は、高融
点金属よりも酸化され難く、この酸化され難い元素の酸
化物の融点が高融点金属の酸化物の融点よりも高い元素
を添加した冷陰極との比較を目的とする代表例である。
【0044】以上にようにして得られた実施例1〜3お
よび比較例1〜6の各冷陰極を用いて放電管を作製し、
初期における始動電圧とその後、20秒毎に発光させ、
3000回発光した後の始動電圧を測定する寿命試験を
行った。表3〜表6に、その結果をまとめて示す。
【0045】
【表3】
【0046】
【表4】
【0047】
【表5】
【0048】
【表6】
【0049】表3〜表6から分かるように実施例で得ら
れた冷陰極は、いずれも比較例と比較すると明らかなよ
うに、始動電圧は寿命試験後も安定しており、ここには
示していないが、その他の発光特性である色温度や明る
さ等の評価項目において、優れた特性を示すことが確認
された。また、本実施例では、原料粉としてチタンを用
いたが、水素化チタン粉を用いても同様の結果が得られ
た。また、本実施例では高融点金属としてニオブとタン
タルの例を記載したがその他の高融点金属であるタング
ステン、モリブデン、またはジルコニウムにおいても同
様の効果が得られた。また、実施例3に一例を示した
が、チタンと高融点金属を有する冷陰極において、本発
明で示したアルミニウム、シリコン、カルシウム、ベリ
リウム、マグネシウムまたはマンガンから選択される1
種類以上の元素が、本発明の範囲内の含有率で含まれて
いれば、上記以外の元素をさらに添加してもその効果は
失われることがないことも本発明者によって確認されて
いる。
【0050】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明の冷陰極
は、チタンおよび高融点金属を有し、さらに高融点金属
よりも酸化されやすい1種類以上の元素であって、酸化
されやすい元素の酸化物の融点が、前記高融点金属の酸
化物の融点よりも高い元素を好ましくは、その合計の含
有率が0.2重量%以上、5.0重量%以下になるよう
に添加することによって、高融点金属の酸化が防止され
るため、高融点金属の酸化物のスパッタリング現象とこ
れに伴う電子放射物質の消耗が抑制される。その結果、
始動電圧は安定し、発光寿命の長い発光挙動の安定した
冷陰極、ひいてはそのような冷陰極を有する放電管を提
供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】冷陰極を有する放電管の構造を示す断面模式図
である。
【図2】冷陰極の構造を示す断面模式図である。
【図3】冷陰極の製造方法を示すフローチャートであ
る。
【図4】冷陰極の製造方法における焼結する工程での処
理温度プロファイルである。
【符号の説明】
1 冷陰極 2 タングステンワイヤー 3 ガラス管 4 封止用ガラス 11 脱バインダー工程 12 粉末間を溶融させ、粉末と粉末とを結合させる工

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 希ガスや水銀を封入したガラス管の端部
    に封装された導入線の先端部に冷陰極を具備する放電管
    の冷陰極であって、チタンおよび高融点金属を有し、さ
    らに該高融点金属よりも酸化されやすい元素を有し、該
    高融点金属よりも酸化されやすい元素の酸化物の融点が
    前記高融点金属の酸化物の融点よりも高い冷陰極。
  2. 【請求項2】 前記高融点金属よりも酸化されやすい元
    素が、アルミニウム、シリコン、カルシウム、ベリリウ
    ム、マグネシウムまたはマンガンから選択される1種類
    以上の元素であることを特徴とする請求項1に記載の冷
    陰極。
  3. 【請求項3】 前記アルミニウム、シリコン、カルシウ
    ム、ベリリウム、マグネシウムまたはマンガンから選択
    される1種類以上の元素の合計の含有率が0.2重量%
    以上から5.0重量%以下の範囲にあることを特徴とす
    る請求項2に記載の冷陰極。
  4. 【請求項4】 前記高融点金属が、ニオブ、タングステ
    ン、モリブデン、タンタルまたはジルコニウムであるこ
    とを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に
    記載の冷陰極。
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