図1は、本実施例に係る画像処理装置100におけるハードウェア構成例を示す図である。
図1に示すように、画像処理装置100は、原稿読み取り部101、画像データ補正部102、バス制御部103、蓄積データ合成部104、蓄積データ処理部105、補助記憶部(HD)106、制御部(CPU)107、メモリ部(RAM:Random Access Memory)108、プロッタI/F109、印刷部(プロッタ部)110、入力部(操作部)111、表示部(ディスプレイ)112、回線I/F113、外部装置I/F114、外部記憶装置I/F115、S.B.116及びROM117とから構成されている。
原稿読取り部101は、CCD(Charge Coupled Devices)光電変換素子からなるラインセンサとA/Dコンバータとこれらを駆動する駆動回路を備え、原稿読み取り面(コンタクトガラス上)にセットされた原稿を読み取る(スキャンする)ことで得た原稿の濃淡情報から、RGB各8ビットのデジタル画像データ(以下、「画像データ」と言う。)を生成し出力する。
画像データ補正部102は、特定用途向け集積回路ASIC(Application Specific Integrated Circuit)で実現されており、原稿読み取り部101から読み取った(スキャンした)の画像データに対し、予め定めた特性に統一する画像補正処理、像域分離処理及び領域変換処理を行い、補正後の画像データと画像データの特徴を表す画像特徴データを出力する。その詳細は、図2にて後述する。
バス制御部103は、画像処理装置100内で必要な画像データ/画像特徴データや制御コマンド等各種データのやり取りを行うデータバスの制御装置で、複数の種類のバス規格間のブリッジ機能も有している。本実施例では、画像データ補正部102、蓄積データ合成部104、蓄積データ処理部105及び制御部(CPU)107がPCI‐Expressバス、補助記憶部(HD)106がATA(AT Attachment)バスで接続され、ASIC化している。
蓄積データ合成部104は、ASICで実現されており、画像データ補正部102から出力され、バス制御部103を介して入力された画像データ/画像特徴データや回線I/F113、ネットワークI/F114及び外部記憶装置I/F115を介して入力される画像デーを合成し、合成した合成画像データの特徴を表す合成後の画像特徴データを生成する。その詳細は、図5にて後述する。
蓄積データ処理部105は、ASICで実現されており、画像データ補正装置102や回線I/F113、ネットワークI/F114及び外部記憶装置I/F115を介して入力される画像データに対して画像特徴データを用いた画像補正や印刷部(プロッタ部)110である出力先に適した画像処理(所定の画像処理)を行う。その詳細は、図3にて後述する。
補助記憶部(HD:Hard Disk)106は、PC(Personal Computer)にも使用されている電子データを保存するための大容量記憶装置で、画像処理装置100内では主に画像データ/画像特徴データと画像データに関する情報(画像ファイル名等の書誌情報)を蓄積する。本実施例では、IDE(Integrated Drive Electronics)を拡張して規格化されているATAバス接続のハードディスクを使用する。
制御部(CPU:Central Processing Unit)107は、画像処理装置100の制御を行うマイクロプロセッサである。本実施例では、近年普及してきたCPUコア単体を機能拡張したIntegrated CPUを使用する。また、使用するIntegrated CPUは、PMC社のRM11100で、汎用規格I/Fとの接続機能やクロスバースイッチを使ったこれらバス接続機能が統合(以下、「インテグレート」と言う。)されたCPUを使用する。
メモリ部108は、複数の種類のバス規格間をブリッジする際の速度差や接続された回路部品自体の処理速度差を吸収するために一時的にやり取りするデータや、CPUが画像処理装置100の制御を行う際に、プログラムや中間処理データを一時的に記憶する揮発性メモリである。制御部107であるCPUには、処理性能として高速処理が求められるため、通常起動時にROM117(Read Only Member)に記憶されたブートプログラムにてシステムを起動し、その後、高速にアクセス可能なメモリ部108上に展開(ロード)されたプログラムによって処理を行う。本実施例では、規格化されPCに使用されているDIMM(Dual Inline Memory Module)を使用する。
プロッタI/F109は、制御部(CPU)107にインテグレートされた汎用規格I/Fを介して送られたCMYKからなる画像データを受け取ると、印刷部(プロッタ部)110の専用I/Fに出力するバスブリッジ処理を行う。本実施例では、汎用規格I/FにPCI−Expressバスを使用する。
印刷部(プロッタ部)110は、CMYKからなる画像データを受け取ると、レーザービームを用いた電子写真プロセス(露光、潜像、現像及び転写のプロセス)を用いて、転写紙(印刷用紙)に受け取った画像データを出力(印刷)する。
S.B.116は、情報処理装置等に用いられる内部情報の流通を制御するチップセット(LSIチップ:CPUやRAM、拡張カード等の間のデータの受け渡しを管理する一連の回路群。)のひとつで、South Bridgeと呼ばれる汎用の電子デバイスである。主にPCI−ExpressとISAブリッジを含むCPUシステムを構築する際によく用いられるバスのブリッジ機能を汎用回路化したもので、本実施例では、ROM(Read Only Memory)117との間をブリッジする。
ROM117は、制御部(CPU)107が画像処理装置100の制御を行う際のプログラム(ブートプログラムを含む。)が格納されたメモリである。
入力部(操作部)111と表示部(ディスプレイ)112は、画像処理装置100と利用者とのUI(User Interface)部で、LCD(Liquid Crystal Display:液晶表示装置)とキースイッチ(ハードキーとGUI(Graphical User Interface)のソフトウェアキーを含む。)から構成され、画像処理装置100の各種状態(例えば、「利用者情報」、「ジョブ情報」等。)や操作手順をLCDに表示し、利用者からのキースイッチ入力を検知する。本実施例では、PCI−Expressバスを介して制御部(CPU)107と接続する。
回線I/F113は、PCI−Expressバスと電話回線を接続するインタフェースで、このインタフェースにより、画像処理装置100は、電話回線を介して各種データのやり取りを行うことが可能になる。例えば、電話回線を介してFAX118が接続され、画像処理装置100と画像データの授受を行う。
外部装置I/F114は、PCI−Expressバスと外部装置119(例えば、「PC」等。)を接続するインタフェースで、このインタフェースにより、画像処理装置100は、外部装置118と各種データのやり取りを行うことが可能になる。本実施例では、その接続I/Fにネットワーク(イーサネット(登録商標))とUSB(Universal Serial Bus)を使用する。すなわち、画像処理装置100は、外部装置I/F114を介してPC119に接続している。このPC119は、インストールされたアプリケーションソフトウェア(Microsoft社のWord、Excel、PowerPoint(登録商標)等。)や画像処理装置100が備える印刷機能(画像処理装置100が有するPDL(Page Description Language))に対応したプリンタドライバを介して、利用者が画像処理装置100に対して各種制御や画像データの入出力を行う。
外部記憶装置I/F115は、PCI−Expressバスと外部記憶装置ドライブ120(例えば、「メモリカードドライブ」等。)を接続するインタフェースで、このインタフェースにより、画像処理装置100は、外部記憶メディア121と各種データのやり取りを行うことが可能になる。本実施例では、その接続I/FにUSBを使用する。すなわち、画像処理装置100は、外部記憶装置I/F115を介して外部記憶メディアドライブ120に接続し、外部記憶メディア121から画像データの授受を行う。
外部記憶メディア121は、コンパクトフラッシュ(登録商標)(CF:CompactFlash)やSDカード(Secure Digital memory card)等のメモリデバイスで、画像データを含む各種電子データを記録しており、利用者は画像処理装置100に対して画像データの入出力を行う。
次に、上記に説明した各機能部がどのように動作しているのかについて、「複写(コピー)動作」を例に図2〜5を用いて説明する。
<コピー動作:原稿読み取り部101より読み取った画像データを印刷部(プロッタ部)110で印刷する動作について>
利用者は、原稿を原稿読み取り部101の原稿読み取り面(コンタクトガラス上)にセットし、読み取り機能の入力画質モード(例えば、「文字モード」、「写真モード」等の入力画質特性。)の設定とコピー開始の入力を入力部(操作部)111と表示部112が有するUIのキースイッチを介して行う。
入力部(操作部)111は、利用者からキースイッチを介して入力された情報を、画像処理装置100内部の制御コマンドデータに変換し発行する。発行された制御コマンドデータは、PCI−Expressバスを介して制御部(CPU)107に通知される。
制御部(CPU)107は、コピー開始命令の制御コマンドデータに従って、コピー動作プロセス(コピー機能)のプログラムを実行し、コピー動作に必要な設定や動作を順に行っていく。以下にコピー動作プロセスについて順に説明する。
原稿読み取り部101で原稿を読み取って(スキャンして)得られたRGB各8ビットの画像データは、画像データ補正部102で予め定めた特性に統一する画像補正処理、像域分離処理及び領域変換処理が行われ、補正後の画像データと画像特徴データはバス制御部103に送られる。
図2は、本実施例に係る画像処理装置100における画像データ補正部102が有する各機能構成例を示すブロック図である。画像データ補正部102で行う所定の画像補正処理について、図2を用いて説明する。
画像データ補正部102は、像域分離処理部1021、フィルタ処理部1022、色変換処理部1023、スキャナγ処理部1024及び領域変換部1025とから構成されている。
入力された画像データは、像域分離処理部1021において、原稿の持つ特徴的な画像領域の抽出を行い、抽出した画像領域の画素毎に領域分離信号を生成する。例えば、一般的な印刷によって形成されている網点部の抽出、文字等のエッジ部抽出、画像データの有彩/無彩の判定、背景画像が白であるかの白背景部の判定等を行う。この場合、像域分離信号は、4つの判定結果の情報を示すため、4ビット必要になる。また、入力された画像データは、スキャナγ処理1024へ送られる。
スキャナγ処理部1024は、受け取った画像データに対して、画像読み取り部101のγ補正から出力する特性への画像γ変換を行う。γ補正では、入出力の関係を変化させて、画像の濃淡を修正する方法で、画像の濃度変化の状態を変えることで、明るさ、調子、色のバランス等を調整する。その後、画像γ変換後の出力データがフィルタ処理部1022へ送られる。
フィルタ処理部1022は、受け取った画像データの持つ空間周波数を各種空間フィルタ(例えば、「平滑化フィルタ」、「強調フィルタ(MTF:Modulation Transfer Function補正)」。)を用いて変換する。また、像域分離処理部1021で抽出された特徴的な画像領域に関する情報を基に、抽出画像領域毎に特徴的なフィルタ処理を行う。フィルタ処理では、画像データを構成する個々の画素に、周辺の画素との間で演算を行い、画像に特殊効果を与える。例えば、網点部と抽出した特徴的な画像領域では、網点を平滑するような平滑化フィルタを用いて平滑化処理を行い、文字等のエッジ部で白背景である特徴的な画像領域では、その画像領域が文字部であると推定して、強調フィルタを用いてMTF特性が向上するようなエッジ強調処理を行う。このようにフィルタ処理部1022によりフィルタ処理された画像データは、色変換処理部1023へ送られる。
色変換処理部1023は、受け取った画像データに対して、出力特性にあった色変換処理を行う。一旦蓄積する画像形成の場合、汎用RGBデータもしくは、予め決められた色空間へのRGB変換を行い色の特性を統一した画像データを出力する。
領域変換部1025は、像域分離処理部1021により抽出された特徴的な画像領域のうち、蓄積データ処理部105において、蓄積された画像データに対して所定の画像処理を行う必要がある画像領域の特徴を表す信号に変換(例えば、抽出された4つの特徴的な画像領域のうち、所定の画像処理を行う必要がある2つの特徴的な画像領域に絞り込む。)し、画像データの画像特徴データとして出力する。蓄積データ処理部105で必要とする画像領域は、「色が有彩か否か(白と白以外)」、「文字であるか否か(文字と文字以外)」の2つの特徴領域であるため、領域変換部1025により変換された像域分離信号は、4ビットから2ビットの信号となる。
図3は、本実施例に係る画像処理装置100が用いる画像特徴データのビット定義を示す図である。
図3に示すように、2ビット(b1,b0)のb1には、「文字であるか否か(文字と文字以外)」の情報を、また、b0には、「色が有彩か否か(白と白以外)」の情報が定義されている。この2ビットの情報の組み合わせによって、「文字で有彩」、「文字で無彩」、「文字以外で有彩」、及び「文字以外で無彩」の4つのパターンで、蓄積データ処理部105において所定の画像処理を行う画像領域の特徴(画像特徴データ)を表すことができる。
バス制御部103は、画像データ補正部102からのRGB画像データ/画像特徴データを受け取ると、制御部(CPU)107を介してメモリ部(DIMM)108に蓄積する。
次に、メモリ部(DIMM)108に蓄積された画像データ/画像特徴データは、制御部(CPU)107とバス制御部103を介して、蓄積データ処理部105に送られる。
蓄積データ処理部105は、受け取った画像データに対応する画像特徴データに基づいて、受け取った画像データ(RGBデータ)を印刷部(プロッタ部)で印刷するためのCMYKデータに変換する色変換処理を含む所定の画像処理を行う。
図4は、本実施例に係る画像処理装置100における蓄積データ処理部105が有する各機能構成例を示すブロック図である。蓄積データ処理部105で行う所定の画像処理について、図4を用いて説明する。
蓄積データ処理部105は、フィルタ処理部1051、色変換処理部1052、解像度変換処理部1053、γ処理部1054及び中間調処理部1055とから構成されている。
画像データ補正部102で画像補正されバス制御部103を介して受け取った画像データは、フィルタ処理部1051において印刷部(プロッタ部)110のMTF特性に合うようにフィルタ処理を行う。前述した画像データ補正部102内におけるフィルタ処理部1022では、メモリ部(DIMM)108もしくは補助記憶部(HD)106等に蓄積するために予め定められた特性に補正されている。画像データ処理部105が有するフィルタ処理部1051では、予め定められた画像特性から印刷部(プロッタ部)110である出力先の出力特性に合うように変換を行う。また、この時、画像特徴データを基に印刷部(プロッタ部)110である出力先の出力再現性を向上させるための適応処理を行う。本実施例では、出力再現性向上のための適応処理を次のように行っている。図3で示す画像特徴データのビット定義に従い画像特徴データ値"b1=l"(文字)の画素には、強い鮮鋭化処理(文字輪郭を強調)を行い、"b1=0"(文字以外)の画素には、中度の鮮鋭化処理を行う。このようにフィルタ処理部1051によりフィルタ処理された画像データは、色変換処理部1052へ送られる。
色変換処理部1052は、受け取った画像データに対して、印刷部(プロッタ部)110である出力先の色空間特性に合うように色変換処理を行う。本実施例では、印刷部(プロッタ部)110に合わせてRGBからCMYKへ色変換を行う。この時も、画像特徴データを基に印刷部(プロッタ部)110である出力先の出力再現性を向上させるための適応処理を行う。色変換処理には、マスキング演算法、メモリマップ法又は補間法等がある。本実施例では、出力再現性向上のための適応処理を次のように行っている。図3で示すビット定義に従い画像特徴データ値"b0=l"(有彩)の画素には、通常の色変換を行い、"b0=0"(無彩)の画素には、K(ブラック)の比重を大きくした色変換を行う。このように色変換処理部1052により色変換処理された画像データは、解像度変換部1053へ送られる。
解像度変換部1053は、受け取った画像データに対して任意の変倍処理が行われ、変倍後の画像データは、γ処理部1054へ送られる。
γ処理部1054は、受け取った画像データに対して、予め定められた画像特性から印刷部(プロッタ部)110である出力先の出力特性のγ変換処理を行い、γ変換後の画像データは、中間調処理部1055へ送られる。
中間調処理部1055は、受け取った画像データに対して、印刷部(プロッタ部)110である出力先の出力特性に合わせた階調変換処理を行う。本実施例では、階調変換処理に、ディザ処理、誤差拡散処理を用いて印刷部(プロッタ部)110である出力先に合わせて階調の深さ(ビット数)の変換(8ビットから2ビットへ変換)を行う。
バス制御部103は、上述した蓄積データ処理部105により画像処理された画像データ(CMYKデータ)を受け取ると、制御部(CPU)107を介してメモリ部(DIMM)108に蓄積する。
次に、メモリ部(DIMM)108に蓄積された画像データは、制御部(CPU)107を介してプロッタI/F109に渡り、印刷部(プロッタ部)110に送られる。
印刷部(プロッタ部)110は、受け取った画像データを転写紙(印刷用紙)に印刷(出力)し、原稿のコピーが生成される。
次に、本実施例において、原稿を読み取った(スキャンした)画像データを画像処理装置100内に蓄積・保存し、合成して印刷部(プロッタ部)110に印刷(出力)する場合の動作を例に、本発明の「合成印刷機能」について、図5〜10を用いて説明する。
<画像蓄積動作:補助記憶部106への蓄積・保存する動作について>
利用者は、原稿を原稿読み取り部101の原稿読み取り面(コンタクトガラス上)にセットし、読み取り機能の入力画質モード(例えば、「文字モード」、「写真モード」等の入力画質特性。)の設定と蓄積開始の入力を入力部(操作部)111と表示部112が有するUIのキースイッチを介して行う。
制御部(CPU)107は、図1〜3を用いて説明した「コピー動作」の画像データ補正部102までの処理を行い、メモリ部(DIMM)108に画像データ補正部102により画像補正処理された画像データ/画像特徴データを、バス制御部103を介してメモリ部(DIMM)108に蓄積する。蓄積された画像データ/画像特徴データは、制御部(CPU)107とバス制御部103を介して、補助記憶部(HD)106に蓄積・保存される。
図5は、本実施例に係る画像処理装置100の補助記憶部(HD)106に蓄積・保存される画像ファイル20の構成例を示す図である。
図5に示すように、蓄積・保存される画像ファイル20は、「書誌情報エリア21」、「画像データエリア22」及び「画像特徴データエリア23」の3つのデータエリアで構成され、画像毎に3つのデータエリアに必要な情報とデータが蓄積・保存される。
書誌情報エリア21は、画像ファイルに関する情報をコード化したデータが保存されるエリアで、コード化したデータは、ファイル名、幅高さの画素数を示す画像サイズ(W x H dot)情報、階調及び色情報等の画像形式(例えば、「RGB:8ビット:256階調」。)、画像に対応する画像特徴データの有無を示す情報(例えば、「有り:2ビット」。)、入力した(原稿を読み取った)際の入力画質特性の情報(例えば、「文字/写真」。)等の画像データに関する各種データで構成されている。また、書誌情報エリア21のデータは、制御部(CPU)107が、補助記憶部(HD)106に画像データ/画像特徴データを蓄積・保存する際に、コード化されて蓄積・保存される。
画像データ22は、画像データそのものが蓄積・保存されるデータエリアで、蓄積・保存されるデータは、1画素あたりの8ビットの画像データ(RGBデータ)群で構成されている。
画像特徴データ23は、画像特徴データそのものが蓄積・保存されるデータエリアで、蓄積・保存されるデータは、1画素あたり2ビットの画像特徴データ群で構成されている。
<蓄積画像合成印刷動作:補助記憶部(HD)106に蓄積・保存された画像データを合成し、印刷部(プロッタ部)110で印刷する動作について>
図6は、本実施例に係る画像処理装置100で読み取られた2つの画像データを合成する様子を示す図である。
図6に示すように、利用者は、補助記憶部(HD)106に蓄積・保存された2つの画像データ(第1の画像データ(原稿側)である画像データ1(画像/画像特徴)と第2の画像データ(合成側)である画像データ2(画像/画像特徴))に対して、印刷機能の出力画質特性(例えば、「文字モード」、「写真モード」、「原稿側の画質モードを継承」、「合成側の画質モードを継承」等。)の設定と合成印刷(合成出力)開始の入力を入力部(操作部)111と表示部112が有するUIのキースイッチを介して行う。
入力部(操作部)111は、利用者からキースイッチを介して入力された情報を、画像処理装置100内部の制御コマンドデータに変換し発行する。発行された制御コマンドデータは、PCI−Expressバスを介して制御部(CPU)107に通知される。
制御部(CPU)107は、合成印刷開始命令の制御コマンドデータに従って、合成印刷動作プロセス(合成印刷機能)のプログラムを実行し、蓄積画像合成印刷動作に必要な設定や動作を順に行っていく。以下に蓄積画像合成印刷動作プロセスについて順に説明する。
バス制御部103は、補助記憶部(HD)106内に蓄積・保存された第1の画像データ(原稿側)である画像データ1(画像/画像特徴)と第2の画像データ(合成側)である画像データ2(画像/画像特徴)それぞれを、制御部(CPU)107を介して、メモリ部(DIMM)108上に展開(ロード)する。
展開(ロード)された画像データ1と2は、蓄積データ合成部104で画像合成し、合成後の画像データは、蓄積データ処理部105で印刷部(プロッタ部)110である出力先の出力特性に合わせてRGBからCMYKの画像データに変換され出力される。
以下に、蓄積データ合成部104について、図7を用いて説明する。
図7は、本実施例に係る画像処理装置100が有する蓄積データ合成部104の主要機能部の構成例を示すブロック図である。図7(a)は、画像データ合成処理部1042の機能部を示す図、また、図7(b)は、合成画像特徴データ生成処理部1041の機能部を示す図である。
図7に示すように、蓄積データ合成部104は、画像データ合成処理部1041と合成画像特徴データ生成処理部1042とから構成されている。
画像データ合成処理部1041は、図7(a)に示すように、補助記憶部(HD)106から第1の画像データ(原稿側)と第2の画像データ(合成側)として、メモリ部(DIMM)108上に展開(ロード)された画像データ1と2を画像合成し、合成画像データ3を生成し、生成された合成画像データ3を蓄積データ処理部105へ送る。
合成画像特徴データ生成処理部1042は、図7(b)に示すように、補助記憶部(HD)106からメモリ部(DIMM)108上に展開(ロード)された、合成画像データの画像領域の特徴を表す複数の合成画像特徴データのうち、画像特徴データ1と2との組み合わせで1つの合成画像特徴データが対応するようにテーブル形式でまとめられた合成画像特徴データ生成規則情報41(LUT:Look Up Table)を参照し、合成する画像データの画像特徴データ1と2に基づいて、合成画像データに対応する合成画像特徴データ3を生成し、生成した合成画像特徴データ3を蓄積データ処理部105へ送る。
以下に、画像データ合成処理部1041と合成画像特徴データ生成処理部1042がどのような手段によって機能しているかについて、図8を用いて説明する。
図8は、本実施例に係る画像処理装置100の蓄積画像データ合成に関する主要手段を示すブロック図である。
画像データ合成処理部1041は、図8に示すように、画像データ合成手段33を有し、補助記憶部(HD)106から合成する画像データとして、メモリ部(DIMM)108上に展開(ロード)された画像データ1と2を画像合成する。
画像データ合成手段33は、画像データ1と画像データ2において、互いに画素配列(x , y)上対応する画素のRGB値(0〜255の範囲)の大きさを比較し、RGB値が大きい画素の値を合成後の画素値とし、画像合成を行い(8ビット:256階調において、黒(0,0,0)をFFH(0x11111111)として算出)、合成後の画像データ3を蓄積データ処理部105へ送る。
図9は、本実施例に係る画像処理装置100が有する画像データ合成手段33により画像合成された合成結果の例を示す図である。
図9に示すように、画像データ合成手段33の画像合成方法を用いると、RGB値が大きい画素値が合成後の画素値となるため、合成後の画像が見かけ上「透かし合成」されたようになる。
図8に戻り、画像処理装置100は、合成画像特徴データ生成規則選択手段31を有し、合成する画像データに関する情報に基づいて合成画像特徴データの生成規則(合成画像特徴データ生成規則情報41)を選択する。
蓄積データ合成部104において合成された合成画像データは、蓄積データ処理部105により、利用者が意図している合成結果を得るために最適な画像処理(出力再現性を向上させるための適応処理)を行う。ここで行われる画像処理では、フィルタ処理部1051のフィルタ処理と色変換処理部1052の色変換処理等であり、画像データ補正部102が有する像域分離処理により抽出された特徴的な画像領域のうち、蓄積データ処理部105による画像処理が必要な特徴的な画像領域(本実施例では、「文字で無彩」、「文字で有彩」、「文字以外で無彩」、「文字以外で有彩」の4パターン。)のみ画像処理を行うことから、画像処理を行う画像領域を判断するために、画像データ補正部102が有する領域変換処理により生成された画像データの画像領域の特徴を表す画像特徴データが用いられる。よって、合成画像データにおいても、合成画像データの画像領域の特徴を表す合成画像特徴データを生成しなければならない。
しかし、合成画像データの場合、複数の画像データを取り扱うため、画像特徴データも複数存在する。よって、合成後に行う所定の画像処理を最適に行うためには、合成する画像データが「どのような特徴を持ったデータなのか」、また、「どのように入力画質特性で入力されたデータなのか」等を考慮しなければならない。よって、以下に挙げる合成する画像データに関する情報のうち、少なくても1つの情報に基づいて、合成画像データの画像処理に適切な合成画像特徴データを生成する必要がある。
(1)合成する画像データの画像特徴データの有無に関する情報
(2)合成する画像データを入力した際の入力画質に関する情報(例えば、「文字モード」、「写真モード」等の入力画質モードの設定値。)
(3)合成画像データを出力する際の出力画質に関する情報(例えば、「文字モード」、「写真モード」、「原稿側の画質モードを継承」、「合成側の画質モードを継承」等の出力画質モードの設定値。)
そこで、合成画像特徴データ生成規則選択手段31は、上記合成する画像データに関する情報(1)〜(3)による合成する画像データの組み合わせを予め考慮した複数個の合成画像特徴データ生成規則情報41(LUT)を補助記憶部(HD)106に用意しておき(格納しておき)、合成画像特徴データを生成する際に、合成する画像データの組み合わせを上記合成する画像データに関する情報(1)〜(3)を基に判断し、複数個の合成画像特徴データ生成規則情報41(LUT)を用いて、第1と第2の画像データ(原稿側と合成側)を合成した合成画像データに対応する合成画像特徴データの生成を行う。
すなわち、合成画像特徴データ生成規則選択手段31は、複数個用意された合成画像特徴データ生成規則情報41(LUT)の中から、該当する合成画像特徴データ生成規則情報41(LUT)を選択する。これによって、蓄積データ処理部105において最適な画像処理(フィルタ処理と色変換処理)を行う際に用いられる適切な合成画像特徴データを、以降に述べる合成画像特徴データ生成手段32によって生成することができる。
合成画像特徴データ生成規則選択手段31は、制御部(CPU)107で実行され、選択した合成画像特徴データ生成規則情報41(LUT)は、メモリ部(DIMM)108上に展開(ロード)され、制御部(CPU)107により、バス制御部103を介して、蓄積データ合成部104が参照可能なように設定される。
図10は、本実施例に係る画像処理装置100が有する合成画像特徴データ生成規則情報41(LUT)のデータ例を示す図である。
図10に示すように、合成画像特徴データ生成規則情報41(LUT)は、合成する画像の第1の画像データ(原稿側)の画像特徴データ1と第2の画像データ(合成側)の画像特徴データ2に基づいて、複数の合成画像特徴データの候補から、1つの合成画像特徴データを生成することができるようにテーブル形式(LUT)となっている。このような形式(LUT)で合成画像特徴データを生成する規則を表すことによって、第1の画像データ(原稿側)の画像特徴データ1(2ビット)と第2の画像データ(合成側)の画像特徴データ(2ビット)をLUTの参照アドレスデータ(参照キー)として用いて、合成画像特徴データを容易に生成することができる。また、新規の画像特徴データの組み合わせに対応する合成画像特徴データの追加を容易に行うことができる。また、合成する画像データに関する情報(1)〜(3)の他、新しい画像データに関する情報が追加された場合でも、合成する画像データに関する情報の新規組み合わせに対応する新規の合成画像特徴データ生成規則情報41(LUT)を用意することで、容易に対応を行うことができる。
図8に戻り、蓄積データ合成部104が有する合成画像特徴データ生成処理部1042は、合成画像特徴データ生成手段32を有し、合成画像特徴データ生成規則選択手段31により選択(設定)された合成画像特徴データ生成規則情報41(LUT)を参照し、画像データ補正部102の像域分離処理部1021により、合成する画像データ1と2から抽出した特徴的な画像領域を表す画像特徴データ1と2を参照アドレスデータとして、合成画像特徴データ3を生成し、蓄積データ処理部105へ送られる。
合成画像特徴データ生成手段32が、例えば、合成する第1の画像データ(原稿側)の画像特徴データ1(2ビット)が"b1b0=10"(「文字で無彩」の特徴)、又、第2の画像データ(合成側)の画像特徴データ2(2ビット)が"b1b0=01"(「文字以外で有彩」の特徴)であった場合に、図10に示す合成画像特徴データ生成規則情報41(LUT)が選ばれた場合、"b1b0=01"(「文字以外で有彩」の特徴)の合成画像特徴データ3(2ビット)が生成される。その結果、第1の画像データ(原稿側)の画像特徴が「文字で無彩」で第2の画像データ(合成側)の画像特徴が「文字以外で有彩」の組み合わせでは、図10のLUTに示す生成規則に従い、「文字以外で有彩」の合成画像特徴データ3に基づいて、合成画像データ3の「文字以外で有彩」の画像領域に対して、蓄積データ処理部105の最適な画像処理(フィルタ処理と色変換処理)を行うことで、出力再現性が良い画像品質の合成画像を生成する設定となる。
このように、メモリ部(DIMM)108上に展開(ロード)された合成する画像データは、蓄積データ合成部104により、合成する画像データに関する情報(1)〜(3)の組み合わせに応じた合成画像特徴データの生成規則に従って、合成画像データに適した合成画像特徴データを生成することができる。
合成画像特徴データ生成手段32により生成された合成画像特徴データ2と画像データ合成手段33により合成された合成画像データ3は、バス制御部103を介して蓄積データ処理部105へ送られ、蓄積データ処理部105は、受け取った合成画像特徴データ3に基づいて、合成画像データ3に対して、最適な画像処理(フィルタ処理と色変換処理)を行った後、図4で示した画像処理(解像度変換処理→γ処理→中間調処理)を順に行い、その結果、合成画像データ3は、印刷部(プロッタ部)110である出力先の出力特性に合わせた画像データ(CMYKデータ)に変換される。
蓄積データ処理部105により画像処理された合成画像データは、バス制御部103と制御部(CPU)107を介してメモリ部(DIMM)108に蓄積される。
メモリ部(DIMM)108に蓄積された合成画像データは、制御部(CPU)107とプロッタI/F109を介して、印刷部(プロッタ部)110に送られ、印刷部(プロッタ部)110は、受け取った合成画像データを転写紙に印刷する(合成画像が印刷される)。その結果、利用者が意図する合成結果を実現することができる。
次に、蓄積画像データ合成において、合成画像特徴データ生成規則選択手段31がどのような処理手順によって動作しているかについて、図11〜14を用いて説明する。
図11は、本実施例に係る情報処理装置100における蓄積データ合成部104の合成前の処理手順(画像特徴データの有無と入力画質特性の組み合わせを考慮した処理手順)を示すフローチャートである。
制御部(CPU)107は、補助記憶部(HD)106に蓄積された合成する第1の画像データ(原稿側)を含む画像ファイルと第2の画像データ(合成側)を含む画像ファイルから書誌情報エリア21のデータ(書誌情報)を取得する(S101とS102)。
次に、取得した第1の画像データ(原稿側)と第2の画像データ(合成側)の書誌情報エリア21の画像特徴データの有無に関する情報(合成する画像データに関する情報(1))と合成する画像データの入力画質特性に関する情報(合成する画像データに関する情報(2))の組み合わせに基づいて、該当する合成画像特徴データ生成規則情報41(LUT)を選択し(S103)、選択した合成画像特徴データ生成規則情報41(LUT)を、合成画像特徴データ生成手段32により、合成画像データの画像処理に適切な合成画像特徴データを生成するためのLUT(生成規則)として、蓄積データ合成部104に設定する(S104)。
その後に、制御部(CPU)107は、合成する第1の画像データ(原稿側)と第2の画像データ(合成側)を蓄積データ合成部104に入力する(S105)。
図12は、本実施例に係る情報処理装置100における蓄積データ合成部104の合成前の処理手順(画像特徴データの有無、入力画質特性及び出力画質モードの組み合わせを考慮した処理手順)を示すフローチャートである。
制御部(CPU)107は、補助記憶部(HD)106に蓄積された合成する第1の画像データ(原稿側)と第2の画像データ(合成側)から書誌情報エリア21のデータ(書誌情報)を取得する(S201とS202)。
次に、取得した第1の画像データ(原稿側)と第2の画像データ(合成側)の書誌情報エリア21の合成画像特徴データの有無(合成する画像データに関する情報(1))、入力画質特性(合成する画像データに関する情報(2))及び出力画質特性(合成する画像データに関する情報(3))の組み合わせから、該当する合成画像特徴データ生成規則情報41(LUT)を選択し(S203)、選択した合成画像特徴データ生成規則情報41(LUT)を、合成画像特徴データ生成手段32により、合成画像データの画像処理に適切な合成画像特徴データを生成するためのLUT(生成規則)として、蓄積データ合成部104に設定する(S204)。
その後に、制御部(CPU)107は、第1と第2の画像データ(原稿側と合成側)を蓄積データ合成部104に入力する(S205)。
図13は、本実施例に係る情報処理装置100が有する蓄積データ合成部104の合成画像特徴データ生成規則選択手段31の処理手順(画像特徴データの有無と入力画質特性の組み合わせを考慮した処理手順)を示すフローチャートである。
合成画像特徴データ生成規則選択手段31は、取得した第1と第2の画像データ(原稿側と合成側)のそれぞれの書誌情報を基に、第1と第2の画像データに対応する画像特徴データそれぞれがあるか否かを判定する(S301)。
第1と第2の画像データそれぞれに対応する画像特徴データがある場合(S301がYESの場合)、取得した第1と第2の画像データのそれぞれの書誌情報を基に、第1と第2の画像データの入力画質特性が異なる(入力時の画質モード設定が異なる)かい否かを判定する(S302)。
第1と第2の画像データの入力画質特性が同じ場合(S302がNOの場合)、合成する画像データそれぞれの画像特徴データの組み合わせに従って、複数個用意された合成画像特徴データ生成規則情報41(LUT)の中から、該当する合成画像特徴データ生成規則情報41(LUT)を選択する(S303)。
また、第1と第2の画像データの入力画質特性が異なる場合(S302がYESの場合)、第1の画像データの入力画質特性に従って、複数個用意された合成画像特徴データ生成規則情報41(LUT)の中から、該当する合成画像特徴データ生成規則情報41(LUT)を選択する(S304)。
また、第1と2の画像データそれぞれに対応する画像特徴データがない場合(S301がNOの場合)、取得した第1と第2の画像データのそれぞれの書誌情報を基に、第1と第2の画像データの入力画質特性が異なる(入力時の画質モード設定が異なる)かい否かを判定する(S305)。
第1と第2の画像データの入力画質特性が同じ場合(S305がNOの場合)、第1の画像データの入力画質特性に従って、複数個用意された合成画像特徴データ生成規則情報41(LUT)の中から、該当する合成画像特徴データ生成規則情報41(LUT:固定値)を選択する(S306)。ここで選択されるLUTは、画像特徴データがなくても合成画像特徴データが生成できる固定値の合成画像特徴データで構成されている。
また、第1と第2の画像データの入力画質特性が異なる場合(S302がYESの場合)、複数個用意された合成画像特徴データ生成規則情報41(LUT)の中から、予め設定しておいたデフォルトの合成画像特徴データ生成規則情報41(LUT:固定値)を選択する(S307)。ここで選択されるLUTは、画像特徴データがなくても合成画像特徴データが生成できる固定値の合成画像特徴データで構成されている。
図14は、本実施例に係る情報処理装置100が有する蓄積データ合成部104の合成画像特徴データ生成規則選択手段31の処理手順(出力画質モードを考慮した処理手順)を示すフローチャートである。
合成画像特徴データ生成規則選択手段31は、入力部(操作部)111のキースイッチから入力(指示された)された印刷部(プロッタ部)110へ出力する際の出力画質モード(例えば、「文字モード」、「写真モード」、「原稿側の画質モードを継承」、「合成側の画質モードを優先」等。)の設定が「原稿側(第1の画像データ)の画質モードを継承」に設定されているか否かを判定する(S401)。
出力画質モードが「原稿側の画質モードを継承」に設定されていた場合(S401がYESの場合)、第1の画像データ(原稿側)の入力画質特性に従って、複数個用意された合成画像特徴データ生成規則情報41(LUT)の中から、該当する合成画像特徴データ生成規則情報41(LUT)を選択する(S402)。
また、出力画質モードが「原稿側の画質モードを継承」に設定されていない場合(S401がNOの場合)、出力画質モードが「合成側の画質モードを継承」に設定されているか否かを判定する(S403)。
出力画質モードが「合成側の画質モードを継承」に設定されていた場合(S403がYESの場合)、第2の画像データ(合成側)の入力画質特性に従って、複数個用意された合成画像特徴データ生成規則情報41(LUT)の中から、該当する合成画像特徴データ生成規則情報41(LUT)を選択する(S404)。
また、出力画質モードが「合成側の画質モードを継承」に設定されていない場合(S403がNOの場合)、出力画質モードが「原稿側の画質モードを継承」と「合成側の画質モードを継承」以外のパラメータが設定されているか否かを判定する(S405)。
出力画質モードが「原稿側の画質モードを継承」と「合成側の画質モードを継承」以外の「文字モード」や「写真モード」等が設定されていた場合(S405がYESの場合)、設定された出力画質モード(「文字モード」、「写真モード」。)に従って、複数個用意された合成画像特徴データ生成規則情報41(LUT)の中から、該当する合成画像特徴データ生成規則情報41(LUT)を選択する(S406)。
また、出力画質モードが「原稿側の画質モードを継承」と「合成側の画質モードを継承」以外のパラメータが設定されていない場合(S405がNOの場合)、予め設定しておいたデフォルトの出力画質モードの設定に従って、複数個用意された合成画像特徴データ生成規則情報41(LUT)の中から、該当する合成画像特徴データ生成規則情報41(LUT)を選択する(S407)。
次に、蓄積画像データ合成において、画像特徴データの有無、入力画質特性及び出力画質モード等の組み合わせにより、合成画像特徴データ生成規則選択手段31が、どのような合成画像特徴データ生成規則情報41(LUT)を選択するのかについて、図15〜22に示す動作例を基に説明する。
図15は、本実施例に係る情報処理装置100の蓄積画像データ合成の動作例(外部装置I/F114から入力された画像データと画像処理装置100に蓄積された画像データとの合成)を示す図である。
<外部データ蓄積動作:外部装置I/Fから画像データを入力し補助記憶部(HD)106へ蓄積・保存する動作について>
利用者は、PC119のアプリケーションソフトから画像処理装置100に対応したプリンタドライバを介して、電子ドキュメントの印刷を行い、プリンタドライバは、電子ドキュメントの内容を画像処理装置100が有するプリンタ機能のPDL(例えば、「PCL」、「PostScript」等。)が解釈可能なデータ(言語)に変換し、変換されたデータ(印刷データ)は、画像処理装置100とPC119を繋ぐネットワークもしくはUSB等のデータ転送路を経由して画像処理装置100に送られる。
画像処理装置100が備える制御部(CPU)107は、外部装置I/F114を介して受け取った印刷データを、プリンタ機能であるPDLに解釈させ、メモリ部(DIMM)108上に電子ドキュメントのレンダリングを行う。本動作例では、RGB各8ビットの規格化された色空間にてマッピングを行うとともに電子ドキュメントの画像特徴データを生成する(レンダリングされた画像データに対して像域分離処理と領域変換処理を行う)。本動作例に用いた画像特徴データは、1画素あたり2ビットとし、そのビット定義を図16に示す。
図16は、本実施例に係る画像処理装置100における外部装置I/F114経由で入力された画像データに対して用いる画像特徴データのビット定義を示す図である。
図16に示すように、2ビット(b1,b0)のb1には、「イメージであるか否か(イメージとイメージ以外)」の情報を、また、b0には、「白地か否か(白地と白地以外)」の情報が定義されている。この2ビットの情報の組み合わせによって、「イメージで白地」、「イメージで白地以外」、「イメージ以外で白地」、及び「イメージ以外で白地以外」の4パターンで蓄積データ処理部105が必要とする画像領域の画像特徴データを表すことができる。
プリンタ機能によりレンダリングされメモリ部(DIMM)108に蓄積された画像データとレンダリングされた画像データ(RGBデータ)から像域分離処理と領域変更処理により生成した画像特徴データ(2ビット)は、制御部(CPU)107により、バス制御部103を介して、メモリ部(DIMM)108上の画像データ/画像特徴データを補助記憶部(HD)106へ蓄積される。
<蓄積画像合成印刷動作:補助記憶部(HD)106に蓄積・保存された画像データを合成し、印刷部(プロッタ部)110で印刷する動作について>
利用者は、補助記憶部(HD)106に蓄積・保存された2つの画像データ(例えば、画像データ1(画像/画像特徴)と画像データ2(画像/画像特徴)。)に対して、印刷機能の出力画質モード(例えば、「文字モード」、「写真モード」、「原稿側の画質モードを継承」、「合成側の画質モードを継承」等の画像出力特性。)の設定と合成印刷開始の入力を入力部(操作部)111と表示部112が有するUIのキースイッチを介して行う。
入力部(操作部)111は、利用者からキースイッチを介して入力された情報を、画像処理装置100内部の制御コマンドデータに変換し発行する。発行された制御コマンドデータは、PCI−Expressバスを介して制御部(CPU)107に通知される。
制御部(CPU)107は、合成印刷開始命令の制御コマンドデータに従って、合成印刷動作プロセスのプログラムを実行し、蓄積画像合成印刷動作に必要な設定や動作を順に行っていく。本動作例では、制御部(CPU)107が行う合成画像特徴データ生成規則選択手段31により、図17に示すような合成画像特徴データ生成規則情報41(LUT)が選択される。
図17は、本実施例に係る画像処理装置100が有する合成画像特徴データ生成規則情報41(LUT)のデータ例を示す図である。
図17に示すハッチング部は、図10に示す合成画像特徴データ生成規則情報41(LUT)のデータと異なる点である。第1の画像データ(原稿側)の画像特徴データが「イメージ以外で白地以外」で第2の画像データ(合成側)の画像特徴データが「イメージで白地」の組み合わせの場合、ハッチング部の合成画像特徴データにより、第2の画像データ(合成側)である画像データ2の白地上のイメージに合成された第1の画像データ(原稿側)である画像データ1の文字領域が、蓄積データ処理部105において文字の再現性が良くなるような最適な画像処理(フィルタ処理と色変換処理)が行われる。
これによって、合成する画像の組み合わせが、画像処理装置100が備える原稿読み取り部101により読み取られた(入力された)画像データか、外部装置I/F114を介して入力された画像データかを、それぞれの画像特徴データの有無によって判断し、適切な合成画像特徴データ生成規則方法(LUT)41を選択することができ(画像データの入力先によって合成画像特徴データ生成規則を切り換えることができ)、利用者が意図している合成画像を生成するために行う最適な画像処理に対して適切な合成画像特徴データを生成することができる。
図18は、本実施例に係る情報処理装置100の蓄積画像データ合成の動作例(画像処理装置100に蓄積された画質モードが異なる2つの画像データとの合成)を示す図である。
<画像蓄積動作:補助記憶部(HD)106への蓄積・保存する動作について>
利用者は、原稿を原稿読み取り部101の原稿読み取り面(コンタクトガラス上)にセットし、読み取り機能の入力画質モード(例えば、「文字モード」、「写真モード」等の画像入力特性。)の設定と蓄積開始の入力を入力部(操作部)111と表示部112が有するUIのキースイッチを介して行う。
制御部(CPU)107は、図1〜3を用いて説明した「コピー動作」の画像データ補正部102までの処理を行い、メモリ部(DIMM)108に画像データ補正部102により画像補正処理された画像データ/画像特徴データを、バス制御部103を介してメモリ部(DIMM)108に蓄積する。蓄積された画像データ/画像特徴データは、制御部(CPU)107とバス制御部103を介して、補助記憶部(HD)106に蓄積・保存される。
本動作例での特徴点は、利用者によって指示された入力画質モードが、第1の画像データ(原稿側)である画像データ1を「文字モード」として設定し、第2の画像データ(合成側)である画像データ2を「写真モード」として設定し、それぞれの原稿を原稿読み取り部101で読み取った点である。
制御部(CPU)107は、これらの入力画質モードを付帯情報として画像ファイル20の書誌情報エリア21内に含め、補助記憶部(HD)106へ蓄積・保存することで管理することができる。
<蓄積画像合成印刷動作:補助記憶部(HD)106に蓄積・保存された画像データを合成し、印刷部(プロッタ部)110で印刷する動作について>
利用者は、補助記憶部(HD)106に蓄積・保存された2つの画像データ(例えば、画像データ1(画像/画像特徴)と画像データ2(画像/画像特徴)。)に対して、印刷機能の出力画質モード(例えば、「文字モード」、「写真モード」、「原稿側の画質モードを継承」、「合成側の画質モードを継承」等の画像出力特性。)の設定と合成印刷(合成出力)開始の入力を入力部(操作部)111と表示部112が有するUIのキースイッチを介して行う。
入力部(操作部)111は、利用者からキースイッチを介して入力された情報を、画像処理装置100内部の制御コマンドデータに変換し発行する。発行された制御コマンドデータは、PCI−Expressバスを介して制御部(CPU)107に通知される。
制御部(CPU)107は、合成印刷開始命令の制御コマンドデータに従って、合成印刷動作プロセスのプログラムを実行し、蓄積画像合成印刷動作に必要な設定や動作を順に行っていく。本動作例では、制御部(CPU)107が行う合成画像特徴データ生成規則選択手段31により、図19に示すような合成画像特徴データ生成規則情報41(LUT)が選択される。
図19は、本実施例に係る画像処理装置100が有する合成画像特徴データ生成規則情報41(LUT)のデータ例を示す図である。
図19に示すハッチング部は、図10に示す合成画像特徴データ生成規則情報41(LUT)のデータと異なる点である。第2の画像データ(合成側)である画像データ2は、原稿読み取り時に「写真モード」の入力画質モードが選択されている。従って、第2の画像データ(合成側)である画像データ2は、写真原稿であることが考えられ、画像データ補正部102の像域分離処理と領域変換処理により抽出された画像特徴データにおいてb1のビット情報が"1"(文字)と判定した画素は、画像データ2における写真原稿上のエッジ部と推測されるため、これに該当する組み合わせの合成画像特徴データを、ハッチング部に示す合成画像特徴データに変更する。
これによって、写真原稿である画像データ1と合成される画像データ2の文字領域が、蓄積データ処理部105において統一されて画像処理(フィルタ処理と色変換処理)が行われ、文字の再現性が良くなる。よって、合成する画像の組み合わせが、画像処理装置100が備える原稿読み取り部101により読み取られた(入力された)際の入力画質モードの設定が異なる画像データにおいても、合成画像特徴データ生成規則を選択することができ(画像データの異なる画質モードによって合成画像特徴データ生成方法を切り換えることができ)、利用者が意図している合成画像を生成することができる。
図20は、本実施例に係る情報処理装置100の蓄積画像データ合成の動作例(外部記憶メディア121より入力された画像データと画像処理装置100に蓄積された画像データとの合成)を示す図である。
<画像蓄積動作:補助記憶部(HD)106への蓄積・保存する動作について>
利用者は、外部記憶メディア121(例えば、「SDカード」等。)を外部記憶メディアドライブ120に接続する。制御部(CPU)107は、外部記憶メディアドライブ120と外部記憶装置I/F115とを接続したデータ転送路を介して、外部記憶メディア121に記録された画像データを取得し、バス制御部103を介して、補助記憶部(HD)106に蓄積・保存する。
<蓄積画像合成印刷動作:補助記憶部(HD)106に蓄積・保存された画像データを合成し、印刷部(プロッタ部)110で印刷する動作について>
利用者は、補助記憶部(HD)106に蓄積・保存された2つの画像データ(例えば、画像データ1(画像/画像特徴)と画像データ2(画像/画像特徴))に対して、印刷機能の出力画質モード(例えば、「文字モード」、「写真モード」、「原稿側の画質モードを継承」、「合成側の画質モードを継承」等の画像出力特性。)の設定と合成印刷開始の入力を入力部(操作部)111と表示部112が有するUIのキースイッチを介して行う。本動作例では、第1の画像データ(原稿側)である画像データ1に画像処理装置100の原稿読み取り部101から読み取った画像データを指定し、第2の画像データ(合成側)である画像データ2に外部記憶メディア121に記録された画像データを指定する。
入力部(操作部)111は、利用者からキースイッチを介して入力された情報を、画像処理装置100内部の制御コマンドデータに変換し発行する。発行された制御コマンドデータは、PCI−Expressバスを介して制御部(CPU)107に通知される。
制御部(CPU)107は、合成印刷開始命令の制御コマンドデータに従って、合成印刷動作プロセスのプログラムを実行し、蓄積画像合成印刷動作に必要な設定や動作を順に行っていく。本動作例では、制御部(CPU)107が行う合成画像特徴データ生成規則選択手段31により、図21に示すような合成画像特徴データ生成規則情報41(LUT)が選択される。
図21は、本実施例に係る画像処理装置100が有する合成画像特徴データ生成規則情報41(LUT)のデータ例を示す図である。
図21に示す合成画像特徴データは、ハッチング部に示すように、図10に示す合成画像特徴データ生成規則情報41(LUT)のデータと、一意の値(b1=0, b0=1:「文字以外で有彩」)に固定されている点が異なる。第2の画像データ(合成側)である画像データ2は、外部記憶メディア121に記録された画像データで、例えば、デジタルカメラ等で撮影した画像データ等である。そのため、画像処理装置100が備える原稿読み取り部101から原稿を読み取り、画像データ補正部102において像域分離処理と領域変換処理が行われていないため、画像特徴データがなく、合成画像特徴データ生成規則情報41(LUT)から合成画像特徴データを生成するため第2の画像データ(合成側)の画像特徴データである参照アドレスデータを持っていない。そのため、外部記憶メディア121(例えば、「SDカード」等。)に記録された画像データの特性を考慮した、図21に示すような合成画像特徴データ生成規則情報41(LUT)を用意しておく。
これによって、蓄積データ処理部105において画像処理(フィルタ処理と色変換処理)が行われ、外部記憶メディア121(例えば、「SDカード」等。)に記録された写真画像の再現性が良くなる。よって、合成する画像の組み合わせで、画像特徴データが抽出されていない画像データを合成する場合においても、適切な合成画像特徴データ生成規則方法(LUT)41を選択することができ(画像データの入力先によって合成画像特徴データ生成規則を切り換えることができ)、利用者が意図している合成画像を生成するために行う最適な画像処理に対して適切な合成画像特徴データを生成することができる。
図22は、本実施例に係る情報処理装置100の蓄積画像データ合成の動作例(異機種の画像処理装置内に特席された画像データと本実施例の画像処理装置100に蓄積された画像データとの合成)を示す図である。
<画像蓄積動作:補助記憶部(HD)106への蓄積・保存する動作について>
利用者は、外部装置I/F114を介して接続された異機種の画像処理装置に蓄積された画像データを、本実施例の画像処理装置100が有する入力部(操作部)111と表示部112が有するUIのキースイッチを介して取得操作を行う。制御部(CPU)107は、異機種の画像処理装置と画像処理装置100とを接続したデータ転送路を介して、異機種の画像処理装置に蓄積された画像データを取得し、バス制御部103を介して、補助記憶部(HD)106に蓄積・保存する。
<蓄積画像合成印刷動作:補助記憶部(HD)106に蓄積・保存された画像データを合成し、印刷部(プロッタ部)110で印刷する動作について>
利用者は、補助記憶部(HD)106に蓄積・保存された2つの画像データ(例えば、画像データ1(画像/画像特徴)と画像データ2(画像/画像特徴)。)に対して、印刷機能の出力画質モード(例えば、「文字モード」、「写真モード」、「原稿側の画質モードを継承」、「合成側の画質モードを継承」等の画像出力特性。)の設定と合成印刷開始の入力を入力部(操作部)111と表示部112が有するUIのキースイッチを介して行う。本動作例では、第1の画像データ(原稿側)である画像データ1に画像処理装置100の原稿読み取り部101から読み取った画像データを指定し、第2の画像データ(合成側)である画像データ2に異機種の画像処理装置に蓄積された画像データを指定する。
入力部(操作部)111は、利用者からキースイッチを介して入力された情報を、画像処理装置100内部の制御コマンドデータに変換し発行する。発行された制御コマンドデータは、PCI−Expressバスを介して制御部(CPU)107に通知される。
制御部(CPU)107は、合成印刷開始命令の制御コマンドデータに従って、合成印刷動作プロセスのプログラムを実行し、蓄積画像合成印刷動作に必要な設定や動作を順に行っていく。本動作例では、制御部(CPU)107が行う合成画像特徴データ生成規則選択手段31により、図21に示すような合成画像特徴データ生成規則情報41(LUT)が選択される。
図23は、本実施例に係る画像処理装置100が有する合成画像特徴データ生成規則情報41(LUT)のデータ例を示す図である。
図23に示す合成画像特徴データは、ハッチング部に示すように、図10に示す合成画像特徴データ生成規則情報41(LUT)のデータと、一意の値(b1=1, b0=0:「文字で無彩」)に固定されている点が異なる。第2の画像データ(合成側)である画像データ2は、異機種の画像処理装置に蓄積された画像データで、例えば、画像処理装置にも、像域分離処理と領域変換処理等の機能を有しておらず、蓄積された画像データは単なるRGBデータで画像特徴データを持っていない機種(例えば、「低価格帯の機種」。)もあり、同機種においても、原稿読み取りの際の入力画質モード(例えば、「文字モード」、「写真モード」等。)の設定が異なる場合もある。そのため、異機種の画像処理装置に蓄積された画像データは、電子ドキュメント(文字が含まれるデータ)が多いことから、第1と第2の画像データの組み合わせにおいて、どちらか一方もしくは両方で画像特徴データを持っていない場合、第1と第2の画像データ(原稿側と合成側)の両方で持っている入力画質モード(例えば、「文字モード」、「写真モード」等。)を考慮して、図23に示すような合成画像特徴データ生成規則情報41(LUT)を用意しておく。
これによって、蓄積データ処理部105において画像処理(フィルタ処理と色変換処理)が行われ、異機種の画像処理装置に蓄積された文書ドキュメントに含まれる文字の再現性が良くなる。よって、合成する画像の組み合わせで、異機種の画像処理装置が蓄積する画像データを合成する場合においても、適切な合成画像特徴データ生成規則方法(LUT)41を選択することができ(画像データの入力先によって合成画像特徴データ生成規則を切り換えることができ)、利用者が意図している合成画像を生成するために行う最適な画像処理に対して適切な合成画像特徴データを生成することができる。
最後に、図24に本実施例の変形例を示す。
図24は、本実施例の変形例に係る画像処理装置100におけるハードウェア構成例を示す図である。
本変形例は、図24に示すように、蓄積データ合成部104の処理を、画像処理装置100の制御部(CPU)107においてプログラムを実行することで実現するものである。
実施例1においては、図1で説明したように、蓄積データ合成部104を特定用途向け集積回路ASICで実現しており、図7(a)に示す画像データ合成処理部1041が有する画像データ合成手段33において、補助記憶部(HD)106から、合成する第1の画像データ(原稿側)と第2の画像データ(合成側)をメモリ部(DIMM)108上に展開(ロード)し画像合成していた。
その中で、画像データ合成手段33は、第1の画像データと第2の画像データにおいて、互いに画素配列(x , y)上対応する画素のRGB値(0〜255の範囲)の大きさを比較し、RGB値が大きい画素の値を合成後の画素値とし、画像合成を行い(8ビット:256階調において、黒(0,0,0)をFFH(0x11111111)として算出)、合成後の画像データを蓄積データ処理部105へ送っている。
変形例では、上記の画像合成に関する処理手順を、制御部(CPU)107においてプログラムを実行することで実現する。そのため、制御部(CPU)107は、メモリ部(DIMM)108上に展開(ロード)した画像データを、上記に示した画像データ合成手段33の画像合成を行う演算を行い、演算後の合成画像データをメモリ部(DIMM)108上に戻す。
図25は、本実施例の変形例に係る画像処理装置100が有する画像データ合成手段33の処理手順を示すフローチャートである。
制御部(CPU)107は、メモリ部(DIMM)108上に展開(ロード)された第1の画像データ(原稿側)の画素値(RGB値:0〜255の範囲)を取得し(S501)、第2の画像データ(合成側)の画素値(RGB値:0〜255の範囲)も取得する(S502)。
取得した第1の画像データ(原稿側)の画素値が第2の画像データ(合成側)の画素値よりRGB値が大きいか否かを判定する(S503)。
第1の画像データ(原稿側)の画素値が第2の画像データ(合成側)の画素値より大きい又は等しい場合(S503がYESの場合)、第1の画像データ(原稿側)の画素値を合成後の画像データの画素値に設定する(S504)。
また、第1の画像データ(原稿側)の画素値が第2の画像データ(合成側)の画素値より小さい場合(S503がNOの場合)、第2の画像データ(合成側)の画素値を合成後の画像データの画素値に設定する(S505)。
現在、参照している画素が合成後の画像データの最後の画素か否かを判定する(S506)。
参照している画素が合成語の画像データの最後の画素でない場合(S506がNOの場合)、S501に戻り、第1の画像データ(原稿側)と第2の画像データ(合成側)の次の画素値を参照し、S501〜S505までの処理を行う。
また、実施例1においては、図1で説明したように、蓄積データ合成部104を特定用途向け集積回路ASICで実現しており、図7(b)に示す合成画像特徴データ生成処理部1042が有する合成画像特徴データ生成手段32において、制御部(CPU)107で実行された合成画像特徴データ生成規則選択手段31により選択され設定された合成画像特徴データ生成規則情報41(LUT)を、第1の画像データ(原稿側)の画像特徴データと第2の画像データ(合成側)の画像特徴データを参照アドレスデータとして参照し、合成画像特徴データを生成していた。
変形例では、上記の合成画像特徴データ生成に関する処理手順を、制御部(CPU)107においてプログラムを実行することで実現する。そのため、制御部(CPU)107は、メモリ部(DIMM)108上に展開(ロード)した合成画像特徴データ生成規則情報41(LUT)を、上記に示した合成画像特徴データ生成手段32の合成画像特徴データ生成処理を行い、生成後の合成画像特徴データをメモリ部(DIMM)108上に戻す。
図26は、本実施例の変形例に係る画像処理装置100が有する合成画像特徴データ生成手段32の処理手順を示すフローチャートである。
制御部(CPU)107は、メモリ部(DIMM)108上に展開(ロード)された第1の画像データ(原稿側)の画像特徴データを取得し(S601)、第2の画像データ(合成側)の画像特徴データも取得する(S602)。
合成画像特徴データ生成規則選択手段31により選択され設定された合成画像特徴データ生成規則情報41(LUT)を参照し、取得した第1の画像データ(原稿側)の画像特徴データと第2の画像データ(合成側)の画像特徴データを参照アドレスにして、該当する合成画像特徴データを生成する(S603)。
よって、変形例においても実施例1と同様の作用効果を奏することができる。
以上のように、本発明の実施例1によれば、画像データ合成手段33により画像処理装置100に蓄積された第1の画像データと第2の画像データとを合成し、合成画像特徴データ生成規則選択手段31により、合成する画像データに関連する情報の組み合わせに応じて選択された合成画像特性データ生成規則情報41を基に、合成画像特徴データ生成手段32により合成画像特徴データを生成し、生成した合成画像特徴データに基づいて、合成後に出力再現性を向上させる目的で、蓄積データ処理部105において行う所定の画像処理(適応処理:フィルタ処理と色変換処理)を行うことにより、効率的に合成後の画像特徴データを生成し、最適な合成画像を生成することができる。
よって、これらの作用効果を実現する画像処理装置、画像処理方法及び画像処理プログラムを提供することができる。
実施例1に基づき本発明の説明を行ってきたが、上記実施例に挙げた外部記憶メディア121は、画像データの記録された外部記憶メディアの一例であって、この要件に、本発明が限定されるものではない。
例えば、SDカードだけでなく、CF(CompactFlash)やスマートメディア(SmartMedia(登録商標))、メモリースティック(登録商標)、MMC(MultiMedia Card)、xDピクチャーカード等のメモリカードや外部接続のHD、また、記録媒体であるCD(Compact Disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、MO(Magneto-Optical disk)、フロッピーディスクであっても良く、画像処理装置100が備える外部記憶装置I/F115とUSB等のデータ転送路で接続可能な記憶メディアドライブ120で読み取れる外部記憶メディア121であれば良い。
また、上記実施例に挙げた複数個の合成画像特徴データ生成規則情報41(LUT)は、本実施例の画像処理装置100において想定しうる画像特徴データ、入力画質モード(例えば、「文字モード」、「写真モード」等。)及び出力画質モード(例えば、「文字モード」、「写真モード」、「原稿側の画質モードを継承」、「合成側の画質モードを継承」等。)の組み合わせを考慮して用意された合成画像特徴データ生成規則情報41(LUT)であって、この要件に、本発明が限定されるものではない。
画像処理装置100の使用状態や使用用途等、取り扱う画像データや利用者のニーズに合わせた合成画像特徴データ生成規則情報41(LUT)を用意すれば良く、画像処理装置100が有する合成画像特徴データ生成規則情報41(LUT)の個数やその情報内容をカスタマイズすることができる。
また、上記変形例に挙げた画像データ合成手段33を制御部(CPU)107においてプログラムを実行することで実現する方法は、プログラムを制御部(CPU)107で実行することで機能を実現する一例であって、この要件に、本発明が限定されるものではない。
例えば、本実施例で説明したように、画像データ補正部102、蓄積データ処理部105等、画像補正や画像処理機能を特定用途向け集積回路ASICで実現している機能部においても、プログラムを制御部(CPU)107で実行することで機能を実現しても良く、特に、低価格帯の画像処理装置100等においては、高機能の特定用途向け集積回路ASICを搭載することができないため、プログラムを制御部(CPU)107で実行することで、機能を実現することができる。但し、制御部(CPU)107に負荷がかかり、画像処理装置100の性能を低下させてしまうことが考えられるため、プログラム実行により機能実現する場合には、この点を考慮する必要がある。
最後に、上記実施例に挙げた形状に、その他の要素との組み合わせ等、ここで示した要件に、本発明が限定されるものではない。
これらの点に関しては、本発明の主旨をそこなわない範囲で変更することが可能であり、その応用形態に応じて適切に定めることができる。