JP3647347B2 - 画像処理装置およびその出力制御方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は画像処理装置およびその出力制御方法に関し、特に、コピー機能、スキャナ機能、プリンタ機能、ファクシミリ機能等のマルチ・ファンクションを制御する画像処理装置およびその出力制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、コピー機能、スキャナ機能、プリンタ機能、ファクシミリ機能等を持つマルチ・ファンクションのマルチ・ファンクション周辺装置では、同一の原稿をコピーしたり、スキャンしてホスト・コンピュータへスキャン・ファイルを転送したり、ファックス送信することがある。このような場合、その用途毎に所要の解像度が違ったり、データの階調が変化する。したがって、その用途毎に何度も原稿をスキャンして各機能を達成していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、同一原稿のスキャンを何度も繰り返すために原稿が痛んだり、操作が煩雑であったり、すべての処理を終了するまで時間がかかったり、速やかに原稿を持ちかえることができなかったりする課題があった。
【0004】
また、原稿を一度読み込んでHDDのような記憶装置に取り込んでおいて、その用途に応じて解像度/階調の変換処理を行うことも考えられるが、各用途に対して最適な画像処理を行うことは困難な状況にあった。
【0005】
たとえば、B/W画像処理の場合、2値画像データでHDDにスプールし、この2値画像を解像度変換すると、本来のスキャナ出力多値データから解像度変換したものに比べ格段に画質が劣化してしまう。そこで、2値を多値に階調変換したとしても、やはり本来のスキャナ出力多値データから階調変換したものに比べると画質はかなり劣化する。
【0006】
本発明は上記の課題に鑑みて成されたものであって、その目的は、操作が煩雑でなく、原稿劣化がなく、原稿の手離れがよく、また、最適な画質を得ることのできるマルチ・ファンクション機能を備えた画像処理装置およびその出力制御方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために請求項1の発明は、入力画像の画像データおよび該入力画像の向き、該入力画像における文字/自然画像領域の画像種別、並びに該入力画像の白黒/カラー画像の画像色を表す属性データを記憶する記憶手段と、該記憶手段に記憶した前記画像データおよび前記属性データに基づいて出力先毎に異なる各種出力画像データを生成する出力制御手段を備えた画像処理装置であって、前記出力制御手段は、前記記憶手段から前記画像データおよび前記属性データを取り込む手段と、取り込んだ前記属性データから前記入力画像の各属性を判別する手段と、前記入力画像の向きに応じて前記画像データおよび前記属性データを前記入力画像の出力時の向きに応じて回転および変倍し、回転および変倍された出力画像データを外部装置に出力する第1の出力手段と、回転および変倍された前記出力画像データをさらに、前記画像種別に応じて前記文字領域には解像度優先の2値化処理し、前記自然画像領域には諧調再現のための2値化処理してファックス送信部に出力する第2の出力手段と、さらに2値化処理された前記出力画像データをさらに、前記画像色に応じて前記白黒画像には白黒系のプリンタ画像処理し、前記カラー画像にはカラー系のプリンタ画像処理してプリンタ装置に出力する第3の出力手段とを備えた画像処理装置を提供する。
【0008】
また、請求項2の発明は、前記入力画像をスキャンするスキャン手段と、該スキャン手段によるスキャン画像に基づき前記入力画像の前記属性データを検出する検出手段と、該スキャン画像から得た画像データおよび検出した前記属性データを前記記憶手段に記憶する手段をさらに備えた画像処理装置を提供する。
【0009】
また、請求項3の発明は、ホスト装置から入力される前記入力画像のPDLデータを取り込んで、該PDLデータを展開してビットマップデータおよび前記属性データを前記記憶手段に記憶する手段をさらに備えた記載の画像処理装置を提供する。
【0010】
また、請求項4の発明は、前記属性データはさらに、前記入力画像が紙幣または有価証券であるかを表し、前記入力画像が前記紙幣または有価証券である場合に、前記第2および第3の出力手段による出力処理を禁止する手段をさらに備えた画像処理装置を提供する。
【0011】
上記の目的を達成するために請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載の複数の画像処理装置と、該複数の画像処理装置をネットワークを通じて通信可能に接続する通信手段と、該複数の画像処理装置のうちのある画像処理装置の記憶手段から入力画像の属性を表す属性データを読み出す手段と、前記通信手段を介して前記複数の画像処理装置のうちの他の画像処理装置に前記画像データおよび属性データを送信する手段とを備えた画像処理装置を提供する。
【0012】
上記の目的を達成するために請求項6の発明は、入力画像の画像データおよび該入力画像の向き、該入力画像における文字/自然画像領域の画像種別、並びに該入力画像の白黒/カラー画像の画像色を表す属性データを記憶する記憶手段を備え、該記憶手段に記憶した前記画像データおよび前記属性データに基づいて出力先毎に異なる各種出力画像データを生成する画像処理装置の出力制御方法であって、前記記憶手段に前記画像データおよび前記属性データを記憶するステップと、前記記憶手段から前記画像データおよび前記属性データを取り込むステップと、取り込んだ前記属性データから前記入力画像の各属性を判別するステップと、前記入力画像の向きに応じて前記画像データおよび前記属性データを前記入力画像の出力時の向きに応じて回転および変倍し、回転および変倍された出力画像データを外部装置に出力するステップと、回転および変倍された前記出力画像データをさらに、前記画像種別に応じて前記文字領域には解像度優先の2値化処理し、前記自然画像領域には諧調再現のための2値化処理してファックス送信部に出力するステップと、さらに2値化処理された前記出力画像データをさらに、前記画像色に応じて前記白黒画像には白黒系のプリンタ画像処理し、前記カラー画像にはカラー系のプリンタ画像処理してプリンタ装置に出力するステップとを有する画像処理装置の出力制御方法を提供する。
【0049】
上記構成とされた本発明装置および方法によれば、HDDのような記憶手段への取り込みデータは、スキャナ等の画像読み取り手段出力の多値データと、画像読み取り手段出力の画像データから検出した画像の属性データとすることとし、記憶手段から読み出し、画像処理を行う場合は、記憶手段にスプールした画像読み取り手段出力の多値データに対し、画像の属性データを元に画像処理を行う。
【0050】
また、上記構成とされた本発明装置および方法によれば、HDDのような記憶手段への取り込みデータは、スキャナ等の画像読み取り手段出力の多値データと、画像読み取り手段出力の画像データから検出した画像の属性データとすることとし、記憶手段から読み出し、画像処理を行う場合は、記憶手段にスプールした画像読み取り手段出力の多値データに対し、画像の属性データを元に画像処理を行う。
【0051】
また、上記構成とされた本発明装置および方法によれば、ファイル・サーバへの画像データの送信は、スキャナ等の画像読み取り手段出力の多値データと、画像読み取り手段出力の画像データから検出した画像の属性データとすることとしたため、受信側で必要に応じて、画像の属性データを元に画像処理を行う。
【0052】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
図1は、本発明に係るマルチ・ファンクション装置の第1の実施形態の詳細を示すブロック図である。
【0053】
CPU101はシステム全体を制御し、ROM102、RAM103、ハードディスク・ドライブ(以下、HDD)104、ユーザ・インターフェース(以下、UI)105、圧縮/伸長部106、回転部107、変倍部108、2値/多値変換部109、ビデオ入力I/F部110、ビデオ出力I/F部115、ファクシミリ部(以下、FAX)120、ネットワーク・インターフェース・カード(以下、NIC)122、およびホストI/F部124に接続されている。
【0054】
ホストI/F部124は、ホストI/Fケーブル125を介して外部ホスト126に接続される。FAX120は、電話回線(以下、PSTN(Public Switched Telephone Network))121を介して別のFAX(図示せず)に接続される。NIC122を介して、外部ホスト127を含むネットワーク123と接続される。
【0055】
図2は、ビデオ入力I/F部110と接続されるスキャナ系画像処理部113における属性データ判別部を詳細に示すブロック図である。
【0056】
スキャナ系画像処理部113はスキャナ114に接続され、スキャナ114からの出力ビデオ信号は、ビデオ入力I/F部110とスキャナ系画像処理部113に提供される。スキャナ系画像処理部113において当該出力ビデオ信号は、文字像域判別部205、原稿向き判別部206、カラーB/W原稿判別部207、紙幣/有価証券判別部208に提供され、各判別部はそれぞれ文字像域判定フラグ201、原稿向き判別フラグ202、カラーB/W判別フラグ203、紙幣/有価証券判別フラグ204をビデオ入力I/F部110に出力している。
【0057】
文字像域判定フラグ201は文字画像領域と自然画像領域の有無を判定するためのフラグ、原稿向き判別フラグ202は原稿の向きを判別するためのフラグ、カラーB/W判別フラグ203は白黒原稿かカラー原稿かを判別するためのフラグ、紙幣/有価証券判別フラグ204は原稿に紙幣/有価証券含むかを判別するためのフラグである。
【0058】
図3は、ビデオ入力I/F部110と接続されるプリンタ系画像処理部118における2値化処理を詳細に示すブロック図である。
【0059】
ビデオ出力I/F部115からの多値画像データ116、および属性データのうちの文字像域判定フラグ201はプリンタ系画像処理部118中の2値化部302に入力される。ここで、文字像域判定フラグ201に基づいて、画像データが文字領域であれば解像度を優先する2値化を行い、自然画像領域であれば階調を再現する2値化を行って、プリンタ系画像処理部118と接続されるプリンタ119に出力する。
【0060】
図4は、プリンタ系画像処理部118におけるカラー画像処理およびB/W画像処理を詳細に示すブロック図である。
【0061】
ビデオ出力I/F部115からの多値画像データ116、属性データのうちのカラーB/W判別フラグ401、および紙幣/有価証券判別フラグ402はプリンタ系画像処理部118中のカラー系画像処理部403およびB/W系画像処理部404に入力される。ここで、カラーB/W判別フラグ401に基づいて、画像データがカラー領域であれば、カラー系画像処理部403においてRGB−YMCK変換等のカラー系のプリンタ画像処理を行い、B/W領域であれば、B/W系画像処理部404においてRGB−B/W変換等のB/W系のプリンタ画像処理を行って、プリンタ系画像処理部118と接続されるプリンタ119に出力する。
【0062】
紙幣/有価証券判別フラグ402によって紙幣または有価証券を判別した場合は、カラー系画像処理部403およびB/W系画像処理部404に対し、プリント・データを出力しないように制御する。
【0063】
図5は、上記した構成の本実施形態におけるスキャナの原稿読み取り処理の手順を示すフローチャートである。
【0064】
UI105によってスキャン操作が行われると(ステップS501)、スキャナ114はフィーダに載っている原稿をスキャンする(ステップS502)。スキャナ系画像処理部113はスキャン・データを入力し、多値画像データ111と画像の属性データ112に変換し、ビデオ入力I/F部110を介してこれらデータをRAM103に取り込む(ステップS503)。
【0065】
取り込む属性データには、前述した文字像域判定フラグ201、原稿向き判別フラグ202、カラーB/W判別フラグ203、紙幣/有価証券判別フラグ204等がある。
【0066】
データ取り込みに続いて、多値画像データと属性データを圧縮/伸長部106により圧縮して、圧縮データをRAM103に取り込む(ステップS504)。さらに、RAM103に取り込まれたデータをHDD104に格納して(ステップS505)、原稿のスキャンが終了する。
【0067】
ステップS504における多値画像データに対する圧縮方式は可逆圧縮でもよいが、圧縮効率のよいJPEG(Joint Photographic Experts Group)のような非可逆圧縮を使用するとより好ましい。また、属性データは画素毎に属性フラグが付加されるため、データ誤りの起こらないJBIG、Pack Bits、MMR(Modified Modified READ Code)のような可逆圧縮を使用する。
【0068】
図6は、上記した構成の本実施形態におけるプリント・データの取り込み処理の流れを示すフローチャートである。
【0069】
外部ホスト126とプリント・データの取り込み処理操作を受けると(ステップS601)、当該外部ホスト126からホストI/Fケーブル125、ホストI/F部124を介してPDL(Page Description Language)データをHDD104に取り込む(ステップS602)。HDD104への全ページのデータ取り込みが終了すると(ステップS603)、当該PDLデータを多値ビットマップ・データおよび画像の属性データに展開し、RAM103に取り込む(ステップS604)。
【0070】
データ取り込みに続いて、多値ビットマップ・データと属性データを圧縮伸長部106で圧縮し、圧縮データをRAM103に取り込む(ステップS605)。さらに、RAM103に取り込まれたデータをHDD104に格納して(ステップS606)、プリント・データの取り込みが終了する。
【0071】
なお、ステップS604で取り込む属性データ(属性フラグ)はスキャナ画像の場合と同じ属性を表す。また、ステップS605におけるデータ圧縮方式にはスキャナ画像の場合と同一のものを採用し、これにより、スキャナ画像とプリンタ画像を意識しないで済むようにしている。
【0072】
図7は、上記した構成の本実施形態において取り込んだスキャナ原稿データおよび入力したプリント・データの回転、変倍後のプリント処理の流れを示すフローチャートである。
【0073】
まずHDD104からRAM103に圧縮画像データおよび圧縮属性データを取り込み(ステップS701)、当該圧縮画像データおよび圧縮属性データを圧縮/伸長部106によって伸長し、伸長した多値画像データおよび属性データをRAM103に取り込む(ステップS702)。
【0074】
次に、回転部107において、RAM103の属性データのうちの原稿向き判別フラグ202に基づいて、RAM103に取り込んだ多値画像データを必要なプリントの向きに回転して再度RAM103に取り込む(ステップS703)。続いて変倍部108において、UI105の操作指示に基づいて、RAM103に取り込んだ多値画像データおよび属性データを変倍して再度RAM103に取り込む(ステップS704)。
【0075】
RAM103に取り込まれた多値画像データ116および属性データ117は次に、ビデオ出力I/F部115を介してプリンタ系画像処理部118に伝送され、ここで、属性データ117(像域判別フラグ)に基づいて、画像データが文字領域であれば解像度を優先する2値化を行い、自然画像領域であれば階調を再現する2値化を行う(ステップS705)。いずれかの手法で2値化するとプリンタ119でプリントする(ステップS706)。
【0076】
このようにして、スキャナ114で取り込んだスキャナ原稿データ、および外部ホスト127から入力されたプリント・データの回転、変倍後のプリントを終了する。
【0077】
図8は、上記した構成の本実施形態において取り込んだスキャナ原稿データおよび入力したプリント・データの回転、変倍後のFAX送信処理の流れを示すフローチャートである。
【0078】
まずHDD104からRAM103に圧縮画像データおよび圧縮属性データを取り込み(ステップS801)、当該圧縮画像データおよび圧縮属性データを圧縮/伸長部106によって伸長し、伸長した多値画像データおよび属性データをRAM103に取り込む(ステップS802)。
【0079】
次に、回転部107において、RAM103に取り込んだ属性データのうちの原稿向き判別フラグ202とFAXの原稿送信向きに基づいて、RAM103に取り込んだ多値画像データを必要な向きに回転してRAM103に取り込む(ステップS803)。続いて変倍部108において、UI105の操作指示と送信先のFAXの解像度に基づいて、RAM103に取り込んだ多値画像データおよび属性データを変倍して再度RAM103に取り込む(ステップS804)。
【0080】
続いて2値/多値変換部109において、RAM103に取り込んだ属性データのうちの像域判別フラグ(属性データ117)に基づいて、RAM103に取り込んだ多値画像データが文字領域であれば解像度を優先する2値化を行い、自然画像領域であれば階調を再現する2値化を行ってRAM103に取り込む(ステップS805)。続いて当該2値化データをFAX部120に送り(ステップS806)、取り込んだスキャナ原稿データと入力したプリント・データの回転、変倍後のFAX送信を行い(ステップS806)、FAX送信を終了する。
【0081】
図9は、上記した構成の本実施形態において取り込んだスキャナ原稿データおよび入力したプリント・データの回転、変倍後の外部ホスト127へのファイル送信処理の流れを示すフローチャートである。
【0082】
まずHDD104からRAM103に圧縮画像データおよび圧縮属性データを取り込み(ステップS901)、当該圧縮画像データおよび圧縮属性データを圧縮/伸長部106によって伸長し、伸長した多値画像データおよび属性データをRAM103に取り込む(ステップS902)。
【0083】
次に、回転部107において、RAM103の属性データのうちの原稿向き判別フラグ202に基づいて、RAM103に取り込んだ多値画像データを必要なプリントの向きに回転して再度RAM103に取り込む(ステップS903)。続いて変倍部108において、UI105の操作指示に基づいて、RAM103に取り込んだ多値画像データおよび属性データを変倍して再度RAM103に取り込む(ステップS904)。
【0084】
RAM103へのデータ取り込みに続いて、CPU101が実行するソフトウェア処理により、RAM103に取り込んだ多値画像データを外部ホスト127のファイル・フォーマットに変換し、RAM103に再度記憶する(ステップS905)。記憶されたデータはNIC122、ネットワーク123を介して外部ホスト127へ送出され(ステップS906)、ファイル送信を終了する。
【0085】
図10は、上記した構成の本実施形態におけるFAX受信とプリント処理の流れを示すフローチャートである。
【0086】
FAX受信を開始すると、PSTN121を介して外部FAXからFAX120で受信したFAX画像は、HDD104に取り込まれて蓄積される(ステップS1001)。HDD104への全ページのデータ取り込みが終了すると(ステップS1002)、これを読み出してRAM103に取り込む(ステップS1003)。RAM103に取り込まれたデータは、ビデオ出力I/F部115、プリンタ系画像処理部118を介してプリンタ119によってプリントされ(ステップS1004)、FAX受信とプリント処理が終了する。
【0087】
(第2の実施形態)
図11は本発明に係るマルチ・ファンクション装置の第2実施形態であるネットワーク(N/W)システムのブロック図である。
【0088】
第1実施形態のマルチ・ファンクション装置はスタンドアロンでマルチ・ファンクション機能を達成する構成であったが、本実施形態のマルチ・ファンクション機能を備えた画像処理装置は、コントローラ1001、スキャナ1002、プリンタ1003等を含んで構成され、ネットワーク1004を介して他の、同一構成の画像処理装置と接続され、いずれの画像処理装置が備えるスキャナおよびプリンタを用いてもマルチ・ファンクション機能を達成することができる。また、画像処理装置単体によっても、マルチ・ファンクション機能を達成することができる。
【0089】
図11では、それぞれがマルチ・ファンクション機能を備えた2台の画像処理装置1110と1120がネットワーク1004を介して接続される形態を示したが、スキャナとプリンタと入力I/Fと出力I/Fを備えた画像処理装置の台数は複数であればよい。
【0090】
図12は、一例として画像処理装置1110が備えるコントローラ1001の内部構成を詳細に示すブロック図であり、図1中の構成要素と同一のものには同一符号を付してある。他のコントローラの内部構成も同様であり、本実施形態で用いたコントローラは図2乃至図4に示した構成を含む。
【0091】
図13は、画像処理装置1110が取り込んだスキャナ原稿データおよびプリント・データを、ネットワークを1004介して他のマルチ・ファンクション装置および外部ホスト127へ送信するファイル送信処理の手順を示すフローチャートである。
【0092】
まずHDD104からRAM103に圧縮画像データおよび圧縮属性データを取り込み(ステップS1301)、当該圧縮画像データおよび圧縮属性データ・ファイルをNIC122からネットワーク1004を介して、他の画像処理装置1120または外部ホスト127へ送信し(ステップS1302)、ファイル送信処理を終了する。
【0093】
図14は、受信側のマルチ・ファンクション装置(ここでは、画像処理装置1120)における受信とプリントの手順を示すフローチャートである。
【0094】
ここでは、前述の通り画像処理装置1120が備えるコントローラ1005の構成がコントローラ1001と同一構成(第1実施形態におけるマルチ・ファンクション装置と同一構成)として説明する。
【0095】
ネットワーク1004を介して、まず、NIC122から圧縮画像データおよび圧縮属性データを受信してRAM103に取り込む(ステップS1401)。取り込んだデータをRAM103からHDD104に一時的に取り込みスプールする(ステップS1402)。
【0096】
HDD104へのデータ転送が全て終了すると(ステップS1403)、HDD104からRAM103に圧縮画像データおよび圧縮属性データを取り込む(ステップS1404)。RAM103に取り込んである圧縮画像データおよび圧縮属性データを圧縮/伸長部106によって伸長し、伸長した多値画像データおよび属性データをRAM103に取り込む(ステップS1405)。
【0097】
伸長データの取り込みに続いて回転部107において、RAM103の属性データのうち原稿向き判別フラグ202に基づいて、RAM103に取り込んだ伸長多値画像データを必要なプリントの向きに回転処理し、処理したデータをRAM103に取り込む(ステップS1406)。回転処理に続いて変倍部108において、UI105の操作指示に基づいて、RAM103に取り込んだ伸長多値画像データおよび属性データを変倍し、変倍したデータをRAM103に取り込む(ステップS1407)。
【0098】
伸長、回転、変倍が済むと、ステップS1408に進んで2値化と当該2値化データ送信を行う。すなわち、ビデオ出力I/F部115を介してRAM103から多値画像データ116および属性データ117(像域判別フラグ)をプリンタ系画像処理部118に転送し、プリンタ系画像処理部118では、属性データ117に基づいて、画像データが文字領域であれば解像度を優先する2値化を行い、自然画像領域であれば階調を再現する2値化を行う。そして、当該2値化データをプリンタ系画像処理部118からプリンタ1007に送信する。
【0099】
プリンタ1007は2値化データにしたがってプリントし(ステップS1409)、スキャナ1002で取り込んだスキャナ原稿データ、および入力したプリント・データの回転、変倍後のプリントを終了する。
【0100】
この場合、変倍は受信側画像処理装置1120のコントローラ1005で行っていたが、送信側画像処理装置1110で変倍後にコントローラ1005に送信しても構わない。
【0101】
図14に示した受信側のフローチャートには、B/Wのマルチ・ファンクション装置に対するファイル転送の手順を記述したが、図4に示したカラー系画像処理部403を備えたカラースキャナ系からのファイル転送に関しても、同様に画像データと属性データを送信し、受信側で画像データを属性データに基づいて画像処理してプリントすることができる。
【0102】
<他の実施形態>
本発明は上述のように、複数の機器(たとえばホストコンピュータ、インタフェース機器、スキャナ、プリンタ等)から構成されるシステムに適用しても一つの機器(たとえば複写機、ファクシミリ装置)からなる装置に適用してもよい。
【0103】
また、前述した実施形態の機能を実現するように各種のデバイスを動作させるように該各種デバイスと接続された装置あるいはシステム内のコンピュータに、前記実施形態機能を実現するためのソフトウェアのプログラムコードを供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(CPUあるいはMPU)を格納されたプログラムに従って前記各種デバイスを動作させることによって実施したものも本発明の範疇に含まれる。
【0104】
またこの場合、前記ソフトウェアのプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード自体、およびそのプログラムコードをコンピュータに供給するための手段、例えばかかるプログラムコードを格納した記憶媒体は本発明を構成する。
【0105】
かかるプログラムコードを格納する記憶媒体としては例えばフロッピーディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。
【0106】
またコンピュータが供給されたプログラムコードを実行することにより、前述の実施形態の機能が実現されるだけではなく、そのプログラムコードがコンピュータにおいて稼働しているOS(オペレーティングシステム)、あるいは他のアプリケーションソフト等と共同して前述の実施形態の機能が実現される場合にもかかるプログラムコードは本発明の実施形態に含まれることは言うまでもない。
【0107】
さらに供給されたプログラムコードが、コンピュータの機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに格納された後そのプログラムコードの指示に基づいてその機能拡張ボードや機能格納ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も本発明に含まれることは言うまでもない。
【0108】
【発明の効果】
以上説明したように本発明装置および方法によれば、スキャナで読み取った原稿画像データと当該読み取り画像から検出される属性データ、およびPDLプリント・データとその属性データを一旦メモリまたはHDDにスプールしておくため、読み取り画像のプリント、ファイル送信、FAX送信等の処理を行う場合は、いちいち原稿の読み取り、PDLのビットマップ画像の展開を行うことなく、スプールしたメモリまたはHDDの画像データを読み出すことで画像出力することができる。したがって、処理を煩雑にすることがなく、また、画像に付加した属性フラグに応じて画像処理を行うことにより、画像劣化のないよい良好な画像をプリントし、ファイル送信し、FAX送信することができる効果がある。
【0109】
また、スキャナで読み取った原稿画像データと当該読み取り画像から検出される属性データを一旦メモリまたはHDDにスプールしておくため、読み取り画像の画像のプリント、ファイル送信等の処理を行う場合は、いちいち原稿のスキャンを行うことなく、スプールしたメモリまたはHDDの画像データを読み出すことで画像出力することができる。したがって、処理を煩雑にすることがなく出力を行える効果がある。
【0110】
また、別の画像処理装置にファイル転送する場合は、ネットワークを介して画像と属性データを送信することにより、受信側装置で画像に付加した属性フラグに応じて画像処理を行うことにより、画像の劣化がなくよりよい画像のプリントを行える効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るマルチ・ファンクション装置の第1実施形態を示すブロック図である。
【図2】第1実施形態のスキャナ系画像処理部における属性データの判別部を示すブロック図である。
【図3】第1実施形態のプリンタ系画像処理部における2値化処理を示すブロック図である。
【図4】第1実施形態のプリンタ系画像処理部におけるカラー画像処理およびB/W画像処理を示すブロック図である。
【図5】第1実施形態のスキャナによる原稿読み取り処理を示すフローチャートである。
【図6】第1実施形態におけるプリント・データの取り込み処理を示すフローチャートである。
【図7】第1実施形態において取り込んだスキャナ原稿データおよびプリント・データの回転、変倍後のプリント処理を示すフローチャートである。
【図8】第1実施形態において取り込んだスキャナ原稿データおよびプリント・データの回転、変倍後のFAX送信処理を示すフローチャートである。
【図9】第1実施形態において取り込んだスキャナ原稿データおよびプリント・データの回転、変倍後のホストへのファイル送信処理を示すフローチャートである。
【図10】第1実施形態におけるFAX受信およびプリント処理を示すフローチャートである。
【図11】本発明に係るマルチ・ファンクション装置の第2実施形態である画像処理装置を備えたN/Wシステムを示すブロック図である。
【図12】第2実施形態の画像処理装置を備えたN/Wシステムにおけるコントローラを詳細に示すブロック図である。
【図13】第2実施形態において取り込んだスキャナ原稿データおよびプリント・データを別のマルチ・ファンクション画像処理装置およびホストへ転送するファイル送信処理を示すフローチャートである。
【図14】第2実施形態における受信側マルチ・ファンクション画像処理装置による受信およびプリント処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
101 CPU
102 ROM
103 RAM
104 ハードディスク・ドライブ(HDD)
105 ユーザ・インターフェース(UI)
106 圧縮/伸長部
107 回転部
108 変倍部
109 2値/多値変換部
110 ビデオ入力I/F部
113 スキャナ系画像処理部
114,1002,1006 スキャナ
115 ビデオ出力I/F部
118 プリンタ系画像処理部
119,1003,1007 プリンタ
120 ファクシミリ部(FAX)
121 電話回線(PSTN)
122 ネットワーク・インターフェース・カード(NIC)
123,1004 ネットワーク
124 ホストI/F部
125 ホストI/Fケーブル
126,127 外部ホスト
205 文字像域判別部
206 原稿向き判別部
207 カラーB/W原稿判別部
208 紙幣/有価証券判別部
302 2値化部
403 カラー系画像処理部
404 B/W系画像処理部
1001,1005 コントローラ
1110,1120 画像処理装置

Claims (6)

  1. 入力画像の画像データおよび該入力画像の向き、該入力画像における文字/自然画像領域の画像種別、並びに該入力画像の白黒/カラー画像の画像色を表す属性データを記憶する記憶手段と、該記憶手段に記憶した前記画像データおよび前記属性データに基づいて出力先毎に異なる各種出力画像データを生成する出力制御手段を備えた画像処理装置であって、
    前記出力制御手段は、
    前記記憶手段から前記画像データおよび前記属性データを取り込む手段と、
    取り込んだ前記属性データから前記入力画像の各属性を判別する手段と、
    前記入力画像の向きに応じて前記画像データおよび前記属性データを前記入力画像の出力時の向きに応じて回転および変倍し、回転および変倍された出力画像データを外部装置に出力する第1の出力手段と、
    回転および変倍された前記出力画像データをさらに、前記画像種別に応じて前記文字領域には解像度優先の2値化処理し、前記自然画像領域には諧調再現のための2値化処理してファックス送信部に出力する第2の出力手段と、
    さらに2値化処理された前記出力画像データをさらに、前記画像色に応じて前記白黒画像には白黒系のプリンタ画像処理し、前記カラー画像にはカラー系のプリンタ画像処理してプリンタ装置に出力する第3の出力手段と
    を備えたことを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記入力画像をスキャンするスキャン手段と、
    該スキャン手段によるスキャン画像に基づき前記入力画像の前記属性データを検出する検出手段と、
    該スキャン画像から得た画像データおよび検出した前記属性データを前記記憶手段に記憶する手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. ホスト装置から入力される前記入力画像のPDLデータを取り込んで、該PDLデータを展開してビットマップデータおよび前記属性データを前記記憶手段に記憶する手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  4. 前記属性データはさらに、前記入力画像が紙幣または有価証券であるかを表し、
    前記入力画像が前記紙幣または有価証券である場合に、前記第2および第3の出力手段による出力処理を禁止する手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の画像処理装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の複数の画像処理装置と、
    該複数の画像処理装置をネットワークを通じて通信可能に接続する通信手段と、
    該複数の画像処理装置のうちのある画像処理装置の記憶手段から入力画像の属性を表す属性データを読み出す手段と、
    前記通信手段を介して前記複数の画像処理装置のうちの他の画像処理装置に前記画像データおよび属性データを送信する手段と
    を備えたことを特徴とする画像処理装置。
  6. 入力画像の画像データおよび該入力画像の向き、該入力画像における文字/自然画像領域の画像種別、並びに該入力画像の白黒/カラー画像の画像色を表す属性データを記憶する記憶手段を備え、該記憶手段に記憶した前記画像データおよび前記属性データに基づいて出力先毎に異なる各種出力画像データを生成する画像処理装置の出力制御方法であって、
    前記記憶手段に前記画像データおよび前記属性データを記憶するステップと、
    前記記憶手段から前記画像データおよび前記属性データを取り込むステップと、
    取り込んだ前記属性データから前記入力画像の各属性を判別するステップと、
    前記入力画像の向きに応じて前記画像データおよび前記属性データを前記入力画像の出力時の向きに応じて回転および変倍し、回転および変倍された出力画像データを外部装置に出力するステップと、
    回転および変倍された前記出力画像データをさらに、前記画像種別に応じて前記文字領域には解像度優先の2値化処理し、前記自然画像領域には諧調再現のための2値化処理してファックス送信部に出力するステップと、
    さらに2値化処理された前記出力画像データをさらに、前記画像色に応じて前記白黒画像には白黒系のプリンタ画像処理し、前記カラー画像にはカラー系のプリンタ画像処理してプリンタ装置に出力するステップと
    を有することを特徴とする画像処理装置の出力制御方法。
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