ここで、以下に添付図面を参照して、本発明の実施の形態の概略について説明する。以下の説明では、外部機器から入力された画像データを印刷用の画像データとした後に、印刷出力したり、PCなど各種画像処理装置で共通に使用することが可能な汎用形式に変換、あるいは圧縮処理をして送信したりする例を示す。
(画像処理装置に関する機能的説明)
図29は、本発明の実施の形態にかかる画像処理装置の簡易的な機能構成の一例を示すブロック図である。
この実施の形態にかかる画像処理装置2900は、NIC2901と、プリンタコントローラ2902と、FAXコントローラ2903と、印刷用画像蓄積部2904と、γ補正部2905と、プリンタ部2906と、画像フォーマット変換部2907と、を有している。そして画像処理装置2900には、IPネットワーク2910を介して、PC(a1)2911、PC(a2)2912、FAX装置2920、および、全てのPCを管理するためのPC(b)2913が接続されている。なお、PC(a1)2911とPC(a2)2912は、各ユーザが使用するPCという点で同類のものであり、PC(b)2913は、全てのPC(a1)2911およびPC(a2)2912を管理する管理者用のPCである。
まず、PC(a1)2911からの画像データの入力について説明する。PC(a1)2911は、PDLに変換された画像データを画像処理装置2900へ入力する。画像処理装置2900は、NIC2901を介して、PC(a1)2911から入力された画像データを受け付ける。たとえば、PDLは、画像情報や文字情報を画像処理装置2900が解釈可能な画像データとするもので、汎用的なものや装置製造会社が独自に定義したものなどでもよい。
プリンタコントローラ2902は、NIC2901を介して受け取った画像データに所定の画像処理を施す。ここでの画像処理は、PDLで表現された画像データに基づいて、印刷出力するための印刷用画像データを生成することで、CMYK(Cyan、Magenta、Yellow、Black)などの色空間で表現された画像データである。つづいて、プリンタコントローラ2902は、印刷用画像データを印刷用画像蓄積部2904へ出力する。
つぎに、FAX装置2920からの画像データの入力について説明する。FAX装置2920は、アナログ/デジタルの電話回線2919を通じて受信したFAX画像データを、FAXコントローラ2903へ入力する。FAXコントローラ2903は、必要に応じて、受け取ったFAX画像データに伸張処理などを施して印刷出力するための印刷用画像データを生成する。つづいて、FAXコントローラ2903は、印刷用画像データを印刷用画像蓄積部2904へ出力する。
そして、印刷用画像蓄積部2904は、プリンタコントローラ2902あるいはFAXコントローラ2903から受け取った印刷用画像データを蓄積する。印刷用画像蓄積部2904は、蓄積した印刷用画像データをγ補正部2905に転送する。γ補正部2905は、受け取った印刷用画像データにプリンタ用のγ補正を施した後、印刷用画像データをプリンタ部2906へ送出し、プリンタ部2906は、受け取った印刷用画像データを印刷し、用紙出力をする。
また、印刷用画像蓄積部2904は、印刷用画像データを画像フォーマット変換部2907へ出力できる。そして、画像フォーマット変換部2907は、PC(b)2913が扱う画像データの属性に適応する画像フォーマット形式へ画像データを変換する。この画像データの属性は、画像データの容量や種類などで、画像フォーマット変換部2907は、PC(b)2913が有するアプリケーションで処理が可能な汎用的な画像フォーマット形式へ変換する。たとえば汎用的な画像フォーマットは、JPEG(Joint Photographic Experts Group)形式、TIFF(Tagged File Format)形式、または、GIF(Graphics Interchange Format)形式などである。また、印刷を目的としたものではなく、送出のためのデータ圧縮であれば、必要に応じて、容量を小さくする圧縮であったり、カラーからモノクロへの変換であったりしてもよい。また、CMYK系の印刷用画像データをRGB系の画像データとする構成でもよい。なお、説明の便宜上、画像フォーマット変換部2907で行う画像処理は、一般に、画像処理と言われているような画像データのフィルタ処理、中間調処理、濃度γ変換処理、および、孤立点除去処理だけでなく、厳密には画像処理と言われていないような画像データの伸張、圧縮、および、解像度の変換等の各処理も含めている。
その後、画像フォーマット変換部2907は、変換した画像データをNIC2901へ転送し、このNIC2901は、画像データをPC(a2)2912、またはPC(b)2913へ送信する。
これにより、PC(a2)2912では、画像処理装置2900内の印刷用画像蓄積部2904に蓄積されている印刷用画像データと同等の画像データを共有し、閲覧することができる。また、PC(b)2913では、画像処理装置2900から画像データを抽出することで、PC(a1)2911のユーザが、過去に画像処理装置2900へ送った画像データの内容を閲覧して調査したり、過去にFAX装置2920から送られてきた画像データの内容を閲覧して調査することができる。また、PC(a2)2912やPC(b)2913では、画像処理装置2900から受け取った画像データを編集することもできる。
なお、PC(a2)2912やPC(b)2913が処理できる画像形式は、あらかじめ不図示の操作パネルで設定できる構成や、PC(b)2913の要求に応じて画像フォーマット変換部2907で変換する構成としてもよい。
以上説明した概略によれば、画像処理装置2900内に一旦蓄積された印刷用画像データを、画像処理装置2900に接続されたPCにおけるユーザからの要求に応じて、画像データの形式を変換して送信ができるため、複数のPCでの画像データの共有が可能となり、画像データの利用性が高まる。また、画像フォーマット変換部2907で、画像データをPCの環境に応じた汎用的な形式へ変換してから外部機器に送信するため、外部機器としてのPC側では、受け取った画像データの閲覧や編集を容易に行うことができる。
以下に添付図面を参照して、この発明の一実施の形態にかかる画像処理装置、画像処理方法および画像処理用プログラムについて詳細に説明する。
(実施の形態1)
まず、実施の形態1にかかる画像処理装置の構成について図1を参照して説明する。図1は実施の形態1にかかる画像処理装置の構成を示す図である。画像処理装置100は、エンジン部101とプリンタコントローラ部102を有する。画像処理装置100の各処理は、不図示のメモリに記憶された画像処理用プログラムをコンピュータで実行することにより行われる。
エンジン部101は、読み取りユニット110ならびに作像ユニット116を中心として、画像処理装置100の画像入出力を行う。読み取りユニット110は、写真や文書などの原稿画像を読み取り、R、G、B(Red、Green、Blue)に色分解した画像データ(以下、「RGBデータ」という)としてスキャナ補正部111に出力する。
スキャナ補正部111は、読み取りユニット110によって読み取られた画像データに対してスキャナγ処理、フィルタ処理、色補正処理、変倍処理を行い、処理後の画像データをカラー・モノクロ多値データ固定長圧縮部112に出力する。
ここで、スキャナ補正部111で画像データに行われる処理の詳細について、図2を参照して説明する。図2はスキャナ補正部111の機能的構成を示す図である。スキャナ補正部111は、スキャナγ処理部201、フィルタ処理部202、色補正処理部203、変倍処理部204で構成される。
読み取りユニット110より出力された画像データは、スキャナγ処理部201へ入力される。スキャナγ処理部201は、読み取りユニット110から入力されたRGBデータにスキャナγ処理を行い、フィルタ処理部202に出力する。フィルタ処理部202は、各種フィルタで構成され、スキャナγ処理部201から出力された画像データにフィルタ処理を行う。また、フィルタ処理部202は、フィルタ処理後の画像データを色補正処理部203に出力する。
色補正処理部203は、フィルタ処理部202から出力された画像データに対して色補正処理を行い、RGBデータをCMYK(Cyan、Magenta、Yellow、blacK)データに変換する。また、色補正処理部203は、色補正処理後の画像データを変倍処理部204に出力する。変倍処理部204は、色補正処理部203から出力された色補正処理後の画像データに変倍処理を行い、カラー・モノクロ多値データ固定長圧縮部112に出力する。
図1の説明にもどり、カラー・モノクロ多値データ固定長圧縮部112は、スキャナ補正部111によって処理されたカラー、もしくはモノクロの画像データを固定長圧縮する。カラー・モノクロ多値データ固定長伸張部113は、カラー・モノクロ多値データ固定長圧縮部112によって固定長圧縮されたカラー、もしくはモノクロの画像データを伸張する。カラー・モノクロ多値データ固定長圧縮部112ならびにカラー・モノクロ多値データ固定長伸張部113は、それぞれ汎用バス105に接続されている。
プリンタ補正部114は、カラー・モノクロ多値データ固定長伸張部113が伸張した画像データにプリンタγ処理および中間調処理を行い、GAVD115に出力する。
ここで、プリンタ補正部114で画像データに行われる処理の詳細について、図3を参照して説明する。図3はプリンタ補正部114の機能的構成を示す図である。プリンタγ処理部301は、カラー・モノクロ多値データ固定長伸張部113で伸張された画像データにプリンタγ処理を行い、CMYK各色8bitのデータとする。また、プリンタγ処理部301は、プリンタγ処理後の画像データを中間調処理部302に出力する。中間調処理部302は、プリンタγ処理部301から出力された画像データに中間調処理を行い、CMYK各色2bitのデータとする。また、中間調処理部302は、中間調処理後の画像データをGAVD115に出力する。
図1の説明にもどり、GAVD(ゲート・アレイ・ビデオ・ドライバ)115は、プリンタ補正部114から出力された画像データをもとに、作像ユニット116のLD(レーザーダイオード)を制御する。作像ユニット116は、LDを用いた光走査装置により画像データのイメージを形成し、転写紙上に出力する。また、エンジンコントローラ117は、CPUバス118によってスキャナ補正部111ならびにプリンタ補正部114と接続され、スキャナ補正部111ならびにプリンタ補正部114を制御している。
つぎに、プリンタコントローラ部102の構成について説明する。プリンタコントローラ部102はプリンタコントローラ124と、プリンタコントローラ124に接続されたメモリコントローラ120を中心として構成される。メモリコントローラ120は、カラー可変長可逆圧縮部121とモノクロ2値可変長可逆圧縮部122を有している。カラー可変長可逆圧縮部121ならびにモノクロ2値可変長可逆圧縮部122は、それぞれカラーデータ、モノクロ2値データを可変長可逆圧縮する。
また、メモリコントローラ120は、CMYKの各色ごとに独立した半導体メモリ123(123a〜d)を有し、汎用バス105、NIC(Network Interface Card)126、ハードディスク(HD)125と接続され、それぞれに画像データの入出力を行っている。
半導体メモリ123は、CMYK各色ごとに独立したメモリ123a〜dで構成され、作像ユニット116で画像データの印刷が行われる場合などに当該画像データが展開される。ハードディスク125は、画像データを記憶保持する。NIC126は、ネットワーク130と接続され、クライアントPC131などとデータの送受信を可能としている。
画像フォーマット変換ユニット127は、メモリコントローラ120から出力される画像処理指示情報に基づいて、ハードディスク125に記憶された画像データに所定の画像処理を行う。所定の画像処理とは、フィルタ処理、γ補正処理、データ圧縮処理などである。
また、FAXコントローラ140は、画像処理装置100内の画像データをFAXデータに変換し、公衆回線142を介して図示しない外部のFAXなどに送信する。また、図示しない外部のFAXから受信したFAXデータを、画像処理装置100で取り扱うことのできる形式に変換する。FAXコントローラ140は、モノクロ2値可変長可逆圧縮データ伸張部141を備え、可変長可逆圧縮されたモノクロ2値の画像データを伸張する。
つぎに、画像処理装置100の動作について説明する。はじめに、画像処理装置100によってコピーを行う際の動作を図1を参照して説明する。まず、読み取りユニット110で原稿となる画像の読み取りを行い、スキャナ補正部111に出力する。スキャナ補正部111は、読み取りユニット110から出力された画像データにスキャナγ補正処理、フィルタ処理、色補正処理および変倍処理を行い、カラー・モノクロ多値データ固定長圧縮部112に出力する。
カラー・モノクロ多値データ固定長圧縮部112は、8bitである画像データを固定長圧縮によってnbit(n<=8)のデータに圧縮する。圧縮後の画像データは、汎用バス105を介してメモリコントローラ120に入力される。メモリコントローラ120は、入力された画像データを各色ごとに半導体メモリ123に展開する。展開された画像データは、随時ハードディスク125に書き込まれる。これは、プリントアウト時に用紙がつまるなどして印字が正常に終了しなかった場合でも、原稿を読み直すのを避けるためである。また、読み取った原稿を記憶しておき、必要なときに再出力することも可能となる。
半導体メモリ123に展開された画像データは、汎用バス105を介してカラー・モノクロ多値データ固定長伸張部113に入力される。カラー・モノクロ多値データ固定長伸張部113は、入力された画像データを再び8bitの画像データに伸張し、プリンタ補正部114に出力する。プリンタ補正部114は、カラー・モノクロ多値データ固定長伸張部113から出力された画像データにプリンタγ補正処理、中間調処理を行い、GAVD115に出力する。
GAVD115は、プリンタ補正部114から出力された画像データをもとに、作像ユニット116のLDを制御する信号を作像ユニット116に出力する。作像ユニット116は、GAVD115から出力されるLD制御信号によって制御されるLDを用いた光走査装置により、当該画像データのイメージを転写紙に出力する。
また、画像データがモノクロの場合、当該モノクロ画像データはスキャナ補正部111の色補正部203(図2参照)でRGBデータから8bitのグレースケール画像に変換される。グレースケール画像に変換された画像データは、カラー・モノクロ多値データ固定長圧縮部112で圧縮された後、汎用バス105を介してメモリコントローラ120に出力される。メモリコントローラ120に出力された画像データは、半導体メモリ123のうちKデータを記憶するメモリ123dに展開される。ハードディスク125には圧縮後のグレースケール画像が蓄積される。
たとえば、クライアントPC131からハードディスク125に蓄積された画像データの印刷要求があった場合、カラー印刷の場合はCMYK各色1〜4bit程度の低bitラスタイメージ処理(RIP)画像が生成される。また、モノクロのプリンタ動作の場合はK版のみの1bitRIP画像が生成される。
RIPされたCMYKデータやKデータはメモリコントローラ120上のカラー可変長可逆圧縮部121またはモノクロ2値可変長可逆圧縮部122によって圧縮される。これはRIP後のデータサイズが大きいため、圧縮せずに半導体メモリ123に蓄積すると非常に多くのメモリ容量を消費してしまうからである。そして、圧縮後のデータがハードディスク125に蓄積される。印刷時の解像度は300,600,1200dpiなどに設定される。
この他に、FAXコントローラ140によってFAXを送信する場合、FAXコントローラ140には2値可変長可逆圧縮方式で圧縮された2値画像が蓄積される。FAX時の解像度は200,300,400dpiなどに設定される。
このように画像処理装置100には、さまざまなフォーマットで圧縮された、さまざまな解像度の画像データが存在し、ハードディスク125は、これらを一括して保持している。ハードディスク125中の画像データの圧縮フォーマットと解像度をまとめると図4のようになる。図4はハードディスク125に記憶された画像データの圧縮フォーマットと解像度を表す図表である。
図中(a)はカラーコピー用、(b)はモノクロコピー用、(c)はカラープリンタ用、(d)はモノクロプリンタ用、(e)はFAX用としてそれぞれ蓄積されている画像データの圧縮形式と解像度を示している。
つぎに、画像処理装置100のハードディスク125に蓄積された画像データを、ネットワーク130を介してクライアントPC131に送信する際の動作について図5,6を参照して説明する。先に述べたようにハードディスク125に蓄積されている画像データは、色々な種類があり、それらがどれも独自のフォーマットであるため、そのままの状態で送信しても、クライアントPC131では内容を見ることができない。そのため、画像フォーマット変換ユニット127において、送信する画像データを画像処理装置100内部の機器に依存するデータ形式から汎用のデータ形式に変換する。
まず、クライアントPC131から取得したい画像データ(以下、取得希望画像データという)と、取得希望画像データのフォーマット形式を指定する。たとえば、画像処理装置100固有の形式で2値可変長圧縮が行われているモノクロプリンタデータに対して、汎用圧縮形式による2値圧縮データでの取得が指定されたとする。この場合、画像フォーマット変換ユニット127は図5に示すような処理を行う。
図5は画像フォーマット変換ユニット127が行う処理工程の一例を示す図である。まず、2値可変長圧縮伸張部501によって機器固有の2値可変長圧縮方式で圧縮されていた画像データを伸張する。伸張後の画像データは、MHMR/MMR圧縮部502に出力され、汎用的な2値可逆圧縮方式であるMHMR/MMR方式で圧縮される。圧縮後の画像データは、所定のTIFFフォーマットのヘッダーが付加され、NIC126、ネットワーク130を介してクライアントPC131に送信される。
また、たとえば、モノクロコピーデータに対して、2値データとして元の1/2の解像度での取得が要求されたとする。この場合、画像フォーマット変換ユニット127は図6に示すような処理を行う。
図6は画像フォーマット変換ユニット127が行う処理工程の他の一例を示す図である。まず、伸張部601で圧縮されているモノクロコピーデータを伸張する。つぎに、解像度変換部602で解像度を1/2に変換する。たとえば、指定画像データが600dpiでハードディスク125に蓄積されているとすると、300dpiに解像度変換が行われる。そして、孤立点除去部603で読み取り時のノイズが除去される。
つづいて、フィルタ処理部604で所望の強度の強調フィルタがかけられ、濃度γ変換部605で濃度γの変換が行われる。2値化処理部606により誤差拡散法などの2値化アルゴリズムで2値化処理が行われ、圧縮部607で2値データのG3圧縮が行われたのち、NIC126を経由してクライアントPC131へ送信される。
このように、画像処理装置100に記憶されている画像データをクライアントPC131に送信する場合、クライアントPC131から画像処理装置100に取得希望画像データの指定情報が送信される。指定情報とは、変倍率、孤立点除去の有無、フィルタ処理の種類、γ変換の種類、2値化処理の種類、汎用圧縮方式の種類と有無などである。画像処理装置100は、指定情報に適合するよう取得希望画像データに適切な処理を行った上でクライアントPC131に送信する。
指定情報はXMLなどの汎用の形式でやり取りが行われる。指定情報には、フィルタの種類、γの種類、解像度などのパラメータが含まれており、このパラメータにしたがって画像フォーマット変換ユニット127が各種処理を行う。
つぎに、クライアントPC131から画像データの印刷出力要求があった場合の動作について図1,7を参照して説明する。まず、印刷出力要求のあった画像データは、メモリコントローラ120でラスタイメージ処理(RIP)が行われRGB8bitのRIP画像データに変換される。このRIP画像データは、カラー可変長可逆圧縮部121またはモノクロ2値可変長可逆圧縮部122によって順次圧縮され、ハードディスク125に記憶される。これは、RIP後のデータサイズが大きいため圧縮しないで半導体メモリ123上に展開すると多くのメモリ容量を消費してしまうからである。
また、このように印刷出力要求によってハードディスク125に記憶された画像データを再びクライアントPC131で閲覧、加工することも可能である。しかし、そのためには当該画像データの解像度および色空間を、クライアントPC131が要求しているフォーマットに変換する必要がある。
このような場合、画像フォーマット変換ユニット127では図7に示すような処理を行う。図7は画像フォーマット変換ユニット127が行う処理工程の他の一例を示す図である。まず、伸張部701でハードディスク125に記憶された画像データを伸張する。つづいて、解像度変換部702で解像度変換、色空間変換部703で色空間変換が行われる。なお、画像データがモノクロの場合には色空間変換部703による処理は行われない。
さらに、フィルタ処理部704でフィルタ処理、濃度γ変換部705で濃度γ変換処理、中間調処理部706で中間調処理が行われ、最後に圧縮部707でクライアントPC131が指定する方式で圧縮する。このような処理を行うことで、印刷出力要求によってハードディスク125に記憶された画像データを、再びクライアントPC131で取得し閲覧、加工することができる。
つぎに、画像フォーマット変換ユニット127において、画像データのフォーマットを変換する際の動作について図8〜10を参照して説明する。画像データのフォーマットにはさまざまな種類があるが、これらは機器に依存しない汎用フォーマットと機器に依存する専用フォーマットに分類される。汎用フォーマットの画像データは、他の機器との間でやり取りされる際にどちらの機器でも扱うことができる。一方、専用フォーマットの画像データは、そのままでは他の機器で扱うことはできないが、機器内部において効率的にデータ処理を行うことができる。これらを相互に変換することにより、画像データの利用の幅が広がる。
まず、汎用データフォーマットであるJPEG形式のカラー画像データに画像処理を行い、同じく汎用データフォーマットであるJPEG形式に再度変換して送信する場合を図8を参照して説明する。クライアントPC131に送信される画像データは、画像フォーマット変換ユニット127でフォーマット変換が行われる。図8は画像フォーマット変換ユニット127が行う処理工程の他の一例を示す図である。
まず、JPEGによって圧縮された画像データをJPEG伸張部801で伸張する。つぎに、画像処理部802で伸張後の画像データに対して、クライアントPC131が指定した画像データの変倍率、解像度などの指定情報に適合させるための画像処理を行う。最後に、JPEG圧縮部803で画像処理後の画像データをJPEG圧縮して汎用データフォーマットに変換したのち、画像フォーマット変換ユニット127の外部へ出力する。
このように、JPEGのような標準化されている汎用データフォーマットで画像データの送受信を行うことで、送受信される機器間でのデータフォーマットを統一することができる。さらに、データ品質とデータ送受信効率の双方を維持したデータ形式変換システムを構築することができる。また、画像データが2値データである場合は、MHMR/MMR方式などの標準的な2値圧縮伸張方式を用いる。
つぎに、多値データ圧縮方式によってデータ圧縮されている専用データフォーマットのカラー画像データを、多値データ圧縮方式によって圧縮されている汎用データフォーマットのカラー画像データで送信する場合を図9を参照して説明する。図9は画像フォーマット変換ユニット127が行う処理工程の他の一例を示す図である。ここで、前記専用データフォーマットはブロック固定長伸張方式、前記汎用データフォーマットはJPEGとする。ブロック固定長伸張方式によれば、圧縮効率やデータ加工効率を維持することができる。
まず、ブロック固定長圧縮された画像データをブロック固定長伸張部901で伸張する。つぎに、画像処理部902で、指定情報に基づいて伸張後の画像データに画像処理を行い、クライアントPC131の要求する形式に変換する。最後に、JPEG圧縮部903で画像処理後の画像データをJPEG圧縮し、汎用データフォーマットに変換したのち画像フォーマット変換ユニット127の外部へ出力する。
このように、送信前の画像データが、画像処理装置100の専用データフォーマットであるブロック固定長圧縮データであることで、画像データによる圧縮率の変動を固定化して管理することができる。また、データをブロック単位で取り扱うので、データ回転、並び替え等の加工が容易となる。
一方、送信に際しては、JPEGのような標準化されている汎用データフォーマットで行うことで、受信側の機器とデータフォーマットを統一することができる。さらに、データの品質と送受信効率とを両立したデータ形式変換システムを構築することができる。なお、データが2値データである場合はMHMR/MMR方式などの標準的な圧縮伸張方式を用いる。
つぎに、専用データフォーマットであるブロック固定長伸張方式のカラー画像データを、同じく専用データフォーマットであるブロック固定長伸張方式のカラー画像データで送信する場合を図10を参照して説明する。図10は画像フォーマット変換ユニット127が行う処理工程の他の一例を示す図である。
まず、ブロック固定長圧縮された画像データをブロック固定長伸張部1001で伸張する。つぎに、画像処理部1002で、指定情報に基づいて伸張後の画像データに画像処理を行い、クライアントPC131の要求する形式に変換する。最後に、ブロック固定長圧縮部1003で画像処理後の画像データをブロック固定長圧縮したのち、画像フォーマット変換ユニット127の外部へ出力する。
この場合、送信先の機器も専用フォーマットを扱うことができなければならないが、専用フォーマットのみで送受信することで、汎用フォーマットでの送受信時と比較して、圧縮率や送受信効率を向上させることができる。
このように、画像処理装置100は、クライアントPC131をはじめとする外部機器に画像データを送信する際、外部機器からの要求(指定情報)に合わせて画像フォーマット変換ユニット127で各種の画像処理を行い、送信する画像データの可用性を高めている。ここで、画像フォーマット変換ユニット127で行われる各種画像処理の詳細について図11〜23を参照して説明する。
まず、2値の画像データを、多値変換機能によって256値データへ階調数を変換する際の処理を説明する。画像データが2値データの場合、1bitの注目画素データの周辺(2次元マトリクス内)の画素を参照して空間フィルタ処理を行う。まず、注目画素のデータ値が0の場合は0x00、1の場合は0xFFとして8bitデータに変換する。そして、下記(1),(2)式に示すマトリクス係数と演算式に基づいてフィルタ演算を行う。この演算結果より、2値データから多値データへと変換することができる。
つぎに、解像度変換を行う際の処理について図11〜13を参照して説明する。図11は解像度変換部1100の構成を示す図である。解像度変換部1100は、画像データに対して解像度変換を行う。ここでは対象画素データが多値データであり、主走査と副走査双方に任意の解像度への変換を行う場合を説明する。解像度変換部1100は、主走査方向解像度変換部1101と副走査方向解像度変換部1102により構成される。
主走査方向解像度変換部1101は、入力された画像データに対し主走査方向に解像度変換を行い、変換後のデータを副走査方向解像度変換部1102に出力する。副走査方向解像度変換部1102は、主走査方向解像度変換部1101から出力されたデータに対し副走査方向に解像度変換を行い、解像度変換処理部1100の外部へと出力する。
つぎに、主走査方向解像度変換部1101の構成について図12を参照して説明する。図12は主走査方向解像度変換部1101の構成を示す図である。FF(フリップフロップ回路)1201ならびに画素補間部1202は、入力多値データに主走査方向の画素補間を行い、指定された解像度へとデータ数を変換する。変換後のデータは、副走査方向解像度変換部1102へと出力される。補間する画素データ値の算出方式としては、最近接画素置換法、隣接2画素加重平均法、3次関数コンボリューション法などが知られている。
つぎに、副走査方向解像度変換部1102の構成について図13を参照して説明する。図13は副走査方向解像度変換部1102の構成を示す図である。副走査ライン蓄積メモリ1301は、1ラインメモリ1302を複数有する(1302a〜d)。1ラインメモリ1302は、主走査方向解像度変換後の1ライン分のデータを蓄積することができる。画素補間部1304は、副走査方向の参照画素データをもとに補間画素値を算出し、画素補間を行う。補間画素値の算出方式は、主走査方向と同様に最近接画素置換法、隣接2画素加重平均法、3次関数コンボリューション法などを用いる。
以上のような構成により解像度変換部1100は、画像処理装置に入力される多値データを主走査、副走査方向に任意の解像度(変倍率)に変換している。さらに、主走査、副走査方向に補間画素を算出する際に、周辺の多値画素データを参照して所定の算出方式で補間画素を決定し、テクスチャーを抑えた解像度変換を行うことも可能である。
つぎに、フィルタ処理を行う際の動作ついて図14〜16を参照して説明する。フィルタ処理は、画像データのMTF(Modulation Transfer Function)を変調させるものであるが、基画像データよりもMTF値を高めて画像のエッジを強調する場合と、MTF値を下げて画像を平滑化する場合の2種類がある。
図14,15はフィルタ処理前後の画像データの周波数を示すグラフである。図14は、フィルタ処理において画像データのMTF値を高める場合であり、図15は、フィルタ処理において画像データのMTF値を平滑化する場合である。図中、実線は基画像データの画像周波数、点線はフィルタ処理後の画像データの画像周波数を示している。また、縦軸は画像データのダイナミックレンジ、横軸は画像データのラスタ形式参照方向を示している。
画像データのMTF値を高める場合には、図14に示すように、基画像データの画像周波数の隆起を強調するような処理を行う。また、画像データのMTF値を平滑化する場合は、図15に示すように、画像周波数の隆起が鈍るような処理を行う。
つぎに、画像周波数の増減処理について図16を参照して説明する。図16は画像周波数の増減処理を説明するための図である。図16に示すように、2次元の画像データのラスタ形式参照方向をライン方向(X方向)、他方向をY方向とする。そして、画像データをライン単位で扱い、注目画素の画素値を周辺の画素の画素値をもとに算出する。図16では注目画素1601の画素値をXm,nとして、周辺の5×5画素の画素値を記号化して表している。
画像データのMTF値を高める場合は、強調する必要がある画像周波数の微分係数を画像データの解像度を基調としてマトリクス状に配置した係数(以下、マトリクス係数という)を算出する。そのマトリクス係数を、周辺画素記号と同形式にAm-2,n-2,Am-2,n-1,・・・,Am,n,Am+2,n+1,Am+2,n+2と記号化すると、画像データのMTF値を高める場合のフィルタ処理後の注目画素値Yは、下記(5)式で表せる。
B=(Xm-2,n-2×Am-2,n-2)+(Xm-2,n-1×Am-2,n-1)+・・・+(Xm+2,n+2×Am+2,n+2) …(3)
D=B×C …(4)
Y=D+Xm,n …(5)
(3)式は、微分係数により求めたマトリクス係数と画像データの画素値の行列積である。この(3)式により求められたBの値が、フィルタ処理による画像の強調成分である。また、(4)式は、その強調成分を任意に増減させる式である。(4)式により求まったフィルタ処理による強調値Dを、注目画素値Xm,nに加算することで、(5)式のように最終的な注目画素値Yを算出する。このような演算により、画像データの全画素を変換することで、画像データのMTF値を高める処理を行う。
画像データを平滑化する場合は、注目画素の画素値とその周辺画素の画素値を加算して画素数Eで割ることにより、注目画素とその周辺画素の画素値の平均値を求める。このような演算により、画像データの全画素を変換することで、画像データを平滑化することができる。
また、平滑化の度合いを調整するために、注目画素や周辺画素の重みを単純に等価として平均化せず、各画素間に隔たりをもたせることも可能である。その場合は、下記(6)式のようにマトリクス係数に任意の整数を代入し、注目画素値Yを調整する。
Y={(Xm-2,n-2×Am-2,n-2)+(Xm-2,n-1×Am-2,n-1)+・・・+(Xm+2,n+2×Am+2,n+2)}/E …(6)
以上のような処理によって、フィルタ処理部は多値の画像データのMTFを変調し、画像データの強調や平滑化を行っている。
つぎに、γ変換処理について図17,18を参照して説明する。γ変換処理は、画像の濃度勾配や濃度特性を、所定のγテーブル(γ変換特性)にしたがって変換するものである。図17はγ変換テーブルの一例を示すグラフである。横軸は基画像データのダイナミックレンジ、縦軸はγ変換処理後の画像データのダイナミックレンジである。また、実線および点線はそれぞれγ変換テーブルを示している。
γ変換処理は、図17中実線のγ変換テーブルとして用いるとすると、基画像データの値(横軸a)をγ変換テーブルにしたがい、対応するγ変換後の値(縦軸b)に変換する。また、変換テーブルの曲線を変更することにより、任意の濃度分布をもつ画像データに変更することができる。たとえば、図17中実線で示すリニアなγ変換テーブルを、点線で示すγ変換テーブルに変更すれば、実線で示しているγ変換テーブルに比べγ変換後の画像データが濃度勾配が滑らかな画像データに変換することができる。
つぎに、γ変換テーブルの作成方法を、図18を参照して説明する。図18はγ変換テーブルの一例を示すグラフである。横軸は基画像データのダイナミックレンジ、縦軸はγ変換処理後のデータのダイナミックレンジである。また、実線はリニアのγ変換テーブル、点線は濃度勾配を変更したγ変換テーブル、一点鎖線は全体濃度を変更したγ変換テーブルを示す。
実線で示すリニアのγ変換テーブルは、原点から45°方向に延びる。このテーブルの濃度特性を変えずに画像の全体濃度を変更したい場合は、一点鎖線で示すようにグラフの横軸方向にγ変換テーブルを平行移動させればよい。また、画像の濃度勾配を変更したい場合は、点線で示すようにγ変換テーブルの傾きを変更すればよい。
また、濃度特性を変更したい場合は、図17に示すように連続する曲線で示せるようなγ変換テーブルの湾曲具合を変更すれば、任意の濃度特性が得られる。このようにγ変換テーブルの変更を行うことにより、画像データを任意の濃度勾配および濃度特性へと変換することができる。
つぎに、中間調処理について図19,20を参照して説明する。中間調処理とは、多値の画像データを2値もしくはそれに近い少値の階調数に量子化する処理であり、さまざまな方法が提案されている。ここでは、一般的に用いられる、単純量子化法、ディザ法、誤差拡散法について説明する。なお、説明の便宜上、量子化階調数は2値とする。
単純量子化法は、多値の画像データのダイナミックレンジ中の任意の値を閾値として、画像データを2階調化する方法である。たとえば、ダイナミックレンジが0〜255の256階調である多値の画像データを0または1に量子化する場合、閾値が128であるとすると、画像データが100であれば量子化値は0、200であれば量子化値は1となる。
つぎに、ディザ法について図19を参照して説明する。図19はディザ法による量子化を説明するための図である。図中Aのように太線で囲まれている領域が閾値マトリクスであり、閾値マトリクス1つで1閾値を表す。そして、1閾値1画素、すなわち1画素ごとに1つの閾値マトリクスを画像データに当てはめていき、各画素ごとに2階調化を行う。マトリクス内の閾値を、画像データのダイナミックレンジの範囲でばらつくような閾値にすれば、画像の解像度とトレードオフとなるが、2階調化された画像データでも中間濃度を表現することができる。
つぎに、誤差拡散法について図20を参照して説明する。図20は誤差拡散法による量子化を説明するための図である。誤差拡散法は、単純量子化法と同様、任意の閾値で2階調化を行うものである。量子化する際に発生する量子化誤差を記憶し、注目画素2001に対して、ラスタ形式順ですでに量子化処理が終了し誤差が確定している周辺画素(図中網掛部)の誤差を加味して量子化を行う。これにより画像データ全体の、量子化による誤差を最小限に留めることができる。
量子化による誤差とは、たとえばダイナミックレンジが0〜255の256階調である多値の画像データを0と1の値に量子化する場合、画像データが100であれば量子化値は0となる。画像データには100という中間濃度情報があったにも関わらず、最低値の0となってしまうため画像データの中間濃度情報が失われる。そのため、この画像データの量子化誤差は100(=100−0。0はダイナミックレンジの最低値)となる。また、画像データが200であれば量子化値は1となるが、この場合も200という中間濃度情報があったにも関わらず、最高値の1となってしまうため、この画像データの量子化誤差は−55(=200−255。255はダイナミックレンジの最高値)となる。
これらの量子化誤差値を、量子化処理終了後、各画素ごとに画像データとは別のデータとして記憶しておく。図20に示すように、画像データはラスタ形式で順に処理されているため、網掛してある画素の量子化誤差は確定済みであり、別データとして記憶されている。注目画素2001の量子化処理にあたっては、誤差の確定している注目画素周辺の誤差値の平均を注目画素値に加算してから量子化する。このことにより、画像データ全体の量子化誤差による中間濃度情報の欠落を緩和することができる。
つぎに、色空間変換処理について図21〜23を参照して説明する。色空間変換処理には各種の方法が知られているが、ここではテーブル補間法による実施例を示す。図21はテーブル補間法を説明するための図である。まず、図21に示すように入出力色空間上の単位立方体2100の各軸を8分割し、入力色空間を上位と下位にわける。そして、上位でLUT(Look Up Table)を参照し、下位で3次元補間処理を行う。このような構成により、精密な出力を得ることができる。
3次元補間処理についても各種の方法が知られているが、ここでは四面体補間法による実施例を図22,23を参照して説明する。図22,23は四面体補間法について説明するための図である。まず、入力色空間を複数の単位立方体に分割する。そして、入力色信号P(x,y,z)を内包する単位立方体2200を選択する。なお、図22中P1〜P8は、単位立方体2200の各頂点を示している。そして、選択された単位立方体2200内でのPの下位座標(x’,y’,z’)を求める。
つぎに、単位立方体2200をx=y面2201、y=z面2202、x=z面2203により分割する。これにより、単位立方体2200は6個の単位四面体に分割される。図23は、分割された単位四面体のうちPを含む単位四面体2300を示している。つぎに、入力色信号Pの上位座標(x,y,z)により選択された単位四面体の分割境界点(P1〜P8)のパラメータ(以下格子点パラメータとする)をLUTより参照する。
そして、下位座標の大小比較により単位四面体を選択し、単位四面体ごとに線形補間を行い、座標Pでの出力値Poutを求める。各単位四面体の線形補間の式は、座標Pの下位座標(x’,y’,z’)の大小関係により下記(7)〜(12)式のいずれかで表される。なお、下記(7)〜(12)式において、Lは単位立方体の一辺の長さである。
(x’<y’<z’)Pout=P2+(P5−P7)×x’/L+(P7−P8)×y’
/L+(P8−P2)×z’/L・・・(7)
(y’≦x’<z’)Pout=P2+(P6−P8)×x’/L+(P5−P6)×y’
/L+(P8−P2)×z’/L・・・(8)
(y’<z’≦x’)Pout=P2+(P4−P2)×x’/L+(P5−P6)×y’
/L+(P6−P4)×z’/L・・・(9)
(z’≦y’≦x’)Pout=P2+(P4−P2)×x’/L+(P3−P4)×y’
/L+(P5−P3)×z’/L・・・(10)
(z’≦x’<y’)Pout=P2+(P3−P1)×x’/L+(P1−P2)×y’
/L+(P5−P3)×z’/L・・・(11)
(x’<z’≦y’)Pout=P2+(P5−P7)×x’/L+(P1−P1)×y’
/L+(P7−P1)×z’/L・・・(12)
以上のように、画像フォーマット変換ユニット127において、画像データに各種の処理を行うことにより、クライアントPC131から指定された条件に適合した画像データを送信することが可能となる。これにより、当該画像データが記憶されている形式によらず、幅広い用途で利用することができる。
つぎに、複数の外部機器としてのクライアントPCから、ハードディスク125に記憶されている画像データの送信要求があった際の動作について図24を参照して説明する。図24はハードディスク125と複数のクライアントPC2401a〜cのデータのやり取りを模式的に示す図である。
画像処理装置100のハードディスク125は、NIC126、ネットワーク130(図1参照)を介して、複数のクライアントPC2401a〜cと接続されている。各クライアントPC2401a〜cが画像処理装置100に対して画像データの送信を要求する際には、送信を要求する画像データならびにその画像データのフォーマットなどを指定する画像データ要求信号を画像処理装置100に送信する。この画像データ要求信号は、上記送信を要求する画像データの各種属性としての、色空間、伸張、圧縮、解像度、フィルタ処理、中間調処理、濃度γ処理、および、孤立点除去処理等に関する情報(要求属性情報)を含んでいる。この要求属性情報は、画像フォーマット変換ユニット127で行う各種処理の処理パラメータ値の決定に使用される。
一方、ハードディスク125に蓄積される印刷用画像データは、クライアントPC131をはじめとする外部機器から印刷出力要求があった画像データであるが、ハードディスク125には画像データ本体と一緒に当該画像データの属性情報(付帯属性情報)が蓄積されている。この付帯属性情報は、画像データの各種属性としての、色空間、伸張、圧縮、解像度、フィルタ処理、中間調処理、濃度γ処理、および、孤立点除去処理等に関する情報である。この付帯属性情報は、画像フォーマット変換ユニット127で行う各種処理の処理パラメータ値の決定に使用される。そして、図1に示すメモリコントローラ120は、上記要求属性情報と上記付帯属性情報とから、画像フォーマット変換ユニット127で行う画像処理の処理パラメータ値を決定する。通常、付帯属性情報は、上記色空間、伸張等の全ての属性を表しており、上記処理パラメータ値の決定に際して、上記要求属性情報に含まれている属性と重複した部分に関しては、上記要求属性情報が表す属性が優先して採用される。たとえば、要求属性情報として、色空間および解像度のみが含まれている場合には、上記処理のパラメータ値のうち、色空間部分および解像度部分に関しては、上記要求属性情報の属性が採用され、それ以外の伸張、圧縮、フィルタ処理等の部分に関しては、上記付帯属性情報の属性が採用される。
これにより、ハードディスク125から画像データを読み出して、クライアントPC2401a〜cへ送信する前に、付帯属性情報の変更あるいは追加を実施したい場合は、クライアントPC2401a〜c側で画像データの属性を設定できる。また、ハードディスク125に記憶されている画像データの属性をそのまま全て受け継ぎたい場合は、クライアント2401a〜c側で画像データの属性を設定する手間を省くこともできる。
ここで、ハードディスク125に蓄積されている画像データは、クライアントPC131などの外部機器からすでにプリント要求があったプリンタ出力データであり、非圧縮、解像度600dpi、2値画像データとする。また、クライアントPC2401aは解像度200dpi,JPEG形式、クライアントPC2401bは解像度400dpi,TIFF形式、クライアントPC2401cは解像度100dpi,JPEG2000形式で画像データの送信要求を行ったとする。
画像フォーマット変換ユニット127は、クライアントPC2401a〜cからの要求を受け、送信する画像データに対して各クライアントPC2401a〜cの要求に応じた画像処理を行う。まず、ハードディスク125に蓄積されている画像データは非圧縮であるので、伸張部701は処理を行わない。
つぎに、解像度変換部702では、ハードディスク125に蓄積されている画像データの解像度とクライアント2401a〜cが要求する解像度をもとに解像度変換パラメータ値を決定し、解像度変換が行われる。図24の例では、クライアント2401aに送信する画像データに対しては600dpiから200dpi、クライアント2401bに送信する画像データに対しては600dpiから400dpi、クライアント2401cに送信する画像データに対しては600dpiから100dpiに解像度変換が行われる。
また、圧縮部707では、クライアント2401aに対してはJPEGファイル形式、クライアント2401bに対してはTIFFファイル形式、クライアント2401cに対してはJPEG2000ファイル形式への変換処理が行われる。このような処理が行われた後、画像データは各クライアント2401a〜cに対して送信される。
以上説明したように、実施の形態1にかかる画像処理装置100は、記憶している画像データを外部機器に送信する際に、送信先の外部機器の要求するフォーマットに変換した後に送信することができ、画像データを幅広く活用することができる。
(実施の形態2)
実施の形態1にかかる画像処理装置100は、読み取った画像データをCMYK形式に変換して保持していた。実施の形態2にかかる画像処理装置2500では、読み取った画像データをRGB形式のままハードディスク125に記憶する。画像処理装置100の各処理は、不図示のメモリに記憶された画像処理用プログラムをコンピュータで実行することにより行われる。
まず、実施の形態2にかかる画像処理装置2500の構成について図25を参照して説明する。図25は実施の形態2にかかる画像処理装置2500の構成を示す図である。なお、実施の形態1にかかる画像処理装置100と同様の構成の箇所には図1と同じ番号を付し、説明を省略する。
読み取りユニット110で読み取られた原稿画像データは、スキャナ補正部2511に出力される。スキャナ補正部2511で画像データに行われる処理の詳細について、図26を参照して説明する。図26はスキャナ補正部2511の機能的構成を示す図である。スキャナ補正部2511は、スキャナγ処理部2601、フィルタ処理部2602、第1色補正処理部2603、変倍処理部2604で構成される。
読み取りユニット110より出力された画像データは、スキャナγ補正部2601でスキャナγ処理、フィルタ処理部2602でフィルタ処理が行われ、第1補正処理部2603に出力される。
第1色補正処理部2603は、フィルタ処理部2602から出力された画像データに対して色補正処理を行い、R,G,Bの色信号を別形式のRGB信号(R’,G’,B’)に変換する。R’,G’,B’はsRGBやNTSC、もしくはメーカー独自で規格を設けたRGB信号である。また、第1色補正処理部2603での処理を行わず、読み取りユニット111から出力されたRGB信号をそのまま使用してもよい。
第1色補正処理部2603で色補正処理された画像データは変倍処理部2604に出力され、変倍処理が行われたのち、RGB多値データ圧縮部2512に出力される。RGB多値データ圧縮部2512は、変倍処理後のRGB各色8bitの色信号である画像データに対して固定長圧縮を行う。このときの圧縮方式は、汎用のJPEG方式やJPEG2000方式などでもよい。
RGB多値データ圧縮部2512から出力された画像データは、汎用バス105を介してメモリコントローラ120に出力される。メモリコントローラ120は半導体メモリ2523を有する。半導体メモリ2523は、バンドメモリ2523aとページメモリ2523bからなり、RGB多値データ圧縮部2512から出力された画像データを展開する。バンドメモリ2523aは、ドキュメントの印刷に必要なグラフィックスとページレイアウト情報が展開される。また、ページメモリ2523bは、ページデータの展開用に使用され、印字の高速化を図る。
半導体メモリ2523に展開されたデータは、随時ハードディスク125に記憶される。ハードディスク125に記憶された画像データを出力する場合、画像データは半導体メモリ2523に展開されたのち、汎用バス105を介してRGB多値データ伸張部2513に出力される。
RGB多値データ伸張部2513は、RGB多値データ圧縮部2512によって圧縮されている画像データを再び8bitに伸張し、プリンタ補正部2514に出力する。プリンタ補正部2514は画像データに対してプリンタ補正処理を行い、GAVD115に出力する。
ここで、プリンタ補正部2514で行われる処理の詳細について、図27を参照して説明する。図27はプリンタ補正部2514の機能的構成を示す図である。プリンタ補正部2514は、第2色補正処理部2701、プリンタγ処理部2702、中間調処理部2703、出力I/Fディレイメモリ2704(2704a〜d)によって構成される。
第2色補正処理部2701は、RGB多値データ伸張部2513から出力された画像データをRGB信号からCMYK信号に変換する。画像データがモノクロであった場合には、RGB信号から8bitのグレースケール画像に変換する。変換後の画像データはプリンタγ処理部2702に出力される。プリンタγ処理部2702は、第2色補正処理部2701から出力されたCMYKの各色に対してプリンタγ補正を行い、中間調処理部2703に出力する。
中間調処理部2703は、プリンタγ処理部2702から出力された画像データに対して作像ユニット116に合わせた中間調処理を行い、出力I/Fディレイメモリ2704に出力する。出力I/Fディレイメモリ2704は、CMYK各色ごとのディレイメモリからなり、各版の作像タイミングに合わせるようにディレイ調整がなされる。これは、出力の際CMYK各版が並列に処理されるためである。ディレイ調整後の画像データは、GAVD115を経て作像ユニット116で転写紙に出力される。以上はカラーコピーの動作であるが、モノクロコピーの場合も同様の処理が行われる。
つぎに、画像処理装置2500において、クライアントPC131から画像データの印刷要求があった場合の動作について、図25を参照して説明する。まず、クライアントPC131から特定の画像データについて印刷命令(PDL)がなされる。当該印刷命令は、メモリコントローラ120によって解釈され、RGB8bitイメージデータが作成されバンドメモリ2523aに展開される。このとき、オブジェクト中の文字、グラフィック、イメージなどの印刷用属性データもページメモリ2523bに展開される。バンドメモリ2523aに格納されたRGB8bitイメージデータは、カラー可変長可逆圧縮部121もしくはモノクロ2値可変長可逆圧縮部122で圧縮され、ハードディスク125に記憶される。
ハードディスク125に記憶されたRGB圧縮データとページメモリ2523bに蓄積された印刷用属性データは、エンジン部101に出力される。RGB圧縮データは、RGB多値データ伸張部2513によって元のRGB8bitイメージデータに伸張される。伸張されたRGB8bitイメージデータは、印刷用属性データにしたがってプリンタ補正部2514でCMYK信号への変換などが行われたのち、作像ユニット116で印刷紙に出力される。
つぎに、複数のクライアントPCからハードディスク125に蓄積されている画像データの送信要求があった際の動作について図28を参照して説明する。図28はハードディスク125と複数のクライアントPC2801a〜cのデータのやり取りを模式的に示す図である。画像処理装置2500のハードディスク125は、NIC126、ネットワーク130(図25参照)を介して、複数のクライアントPC2801a〜cと接続されている。
各クライアントPC2801a〜cが画像データの送信を要求する際には、送信を要求する画像データならびにその画像データのフォーマットを指定する画像データ要求信号を画像処理装置2500に送信する。
画像処理装置2500のプリンタコントローラ124に接続されたメモリコントローラ120は、クライアントPC2801a〜cから送信された画像データ要求信号が保有する要求属性情報と、すでにハードディスク125に蓄積されている当該画像データの付帯属性情報とから、画像フォーマット変換ユニット127で行う画像処理のパラメータ値を決定する。たとえば、画像フォーマット変換ユニット127が図7に示す構成である場合に、上記要求属性情報が解像度を示し、上記外部属性情報が色空間と圧縮を示している場合には、これらの属性を反映して、解像度変換部702、色空間変換部703、圧縮部707の処理パラメータ値が変更される。
図28の例では、ハードディスク125に蓄積されている画像データは解像度が600dpi、RGB画像データとする。また、ハードディスク125に蓄積されている画像データは、カラープリンタ画像データとして読み取られた任意の色空間系の画像データである。ここで、クライアントPC2801aは解像度200dpi,sRGB空間のJPEG画像、クライアントPC2801bは解像度400dpi,モノクロ2値のTIFF画像、クライアントPC2801cは解像度100dpi,sYcc空間のJPEG2000画像を指定して画像データの送信要求を行ったとする。
画像フォーマット変換ユニット127は、クライアントPC2801a〜cからの要求を受け、送信する画像データに対してそれぞれの要求に応じた画像処理を行う。解像度変換部702では、ハードディスク125に蓄積されている画像データの解像度とクライアントPC2801a〜cが要求する解像度をもとに解像度変換パラメータ値を決定し、解像度変換が行われる。図28の例では、クライアントPC2801aに送信する画像データに対しては600dpiから200dpi、クライアントPC2801bに送信する画像データに対しては600dpiから400dpi、クライアントPC2801cに送信する画像データに対しては600dpiから100dpiに解像度変換が行われる。
つぎに、色空間変換部703ではそれぞれのクライアントPCの要求に適合した色空間変換が行われる。図28の例では、クライアントPC2801aに送信する画像データに対してはRGBからsRGB空間へ、クライアントPC2801bに送信する画像データに対してはRGBからグレースケールへ、クライアントPC2801cに送信する画像データに対してはRGBからsYccへと色空間変換が行われる。
画像処理装置2500は、機器固有のRGB信号でカラー画像データを記憶している場合がある。この場合、画像データを他の機器に送信したいときはsRGBやLabなどの標準色空間(デバイスインディペンデントな色空間)に変換してから送信を行う。
また、カラー画像データは取り込んだときに容量が大きく負荷が大きいので、モノクロ画像データに変換して取り込みたいという場合は、下記(13)式で表されるカラーグレー変換でカラー画像データをモノクロ画像データに変換する。
Gray = (R+2G+B)/4 ・・・(13)
また、圧縮部707ではそれぞれのクライアントPCの要求に適合したファイル形式への変換が行われる。図28の例では、クライアントPC2801aに送信する画像データに対してはJPEGファイル形式へ、クライアントPC2801bに送信する画像データに対してはTIFFファイル形式へ、クライアントPC2801cに送信する画像データに対してはJPEG2000形式への変換処理が行われる。このような処理が行われた後、画像データは各クライアントPC2801a〜cに対して送信される。
以上説明したように、実施の形態2にかかる画像処理装置2500によれば、RGB形式で記憶されている画像データを外部機器に送信する際に、送信先の外部機器の要求するフォーマットに変換した後に送信することができ、画像データを幅広く活用することができる。なお、上記各実施の形態で説明した画像処理用プログラムは、CD−ROMや半導体メモリ等の記録媒体に記録して、取引することができる。また、上記各実施の形態の画像処理装置100では、クライアントPCやFAX装置から画像データを受け取っているが、これに限らずに、外部のスキャナや、画像処理装置100に備え付けられたスキャナによって紙原稿を読み取って得た画像データに基づいて、印刷用画像データを生成するようにしてもよい。