JP2004120023A - 画像処理装置と画像処理方法並びにそのプログラムおよび記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】画像処理装置で原稿から読み取った画像データを外部装置で閲覧したり、編集・加工したりなど、そのまま利用できるようにする。
【解決手段】プリンタコントローラ11内のCPUが、半導体メモリ12から読み出した画像データ(HDD13に記憶された画像データ)に対して画像フォーマット変換ユニット14によって画像フォーマット変換処理、つまり伸張処理,解像度変換,ガンマ補正,色補正(CMYK系からRGB系への変換),汎用又は専用のフォーマット変換を行わせ、その処理が行われた画像データをNIC15によってネットワーク上のパソコン30へ配信する。
【選択図】 図1
【解決手段】プリンタコントローラ11内のCPUが、半導体メモリ12から読み出した画像データ(HDD13に記憶された画像データ)に対して画像フォーマット変換ユニット14によって画像フォーマット変換処理、つまり伸張処理,解像度変換,ガンマ補正,色補正(CMYK系からRGB系への変換),汎用又は専用のフォーマット変換を行わせ、その処理が行われた画像データをNIC15によってネットワーク上のパソコン30へ配信する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、デジタル複写機,デジタル複合機,ファクシミリ(FAX)装置等の画像形成装置やスキャナ装置に用いられている画像処理装置とその画像処理方法、並びにその画像処理装置を制御するコンピュータに必要な機能(この発明に係わる機能)を実現させるためのプログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
スキャナ部(画像読取手段)を有するデジタル複写機等の画像形成装置やスキャナ装置として、例えばネットワーク上のパーソナルコンピュータやワークステーション等の情報処理装置(端末装置)と通信する通信機能(通信手段)と、原稿を光学的にスキャンしてその画像を読み取り、その読み取った画像データをネットワーク上の情報処理装置に配信するネットワークスキャナ配信なる機能である配信機能(配信手段)とを備えたものが知られている。
例えば、特許文献1に記載されているように、汎用コンピュータシステムのアーキテクチャをベースにした拡張ボックスを有し、画像形成装置の画像入力部(スキャナ部)により光学的にスキャンして読み取った画像データを画像ファイルとして拡張ボックス内のハードディスク装置(スキャンボックス)に蓄積し、スキャンボックス内の画像ファイルをネットワーク上の各コンピュータシステム(外部装置)間で共有することができる画像編集システムが提案されている。
【0003】
ここで、特許文献1に記載されている画像編集システムのスキャンボックス機能を用いる場合の処理手順について説明する。
この画像編集システムにおいて、画像形成装置が、解像度,階調,倍率,読み込み面,画像サイズ,保存先(記憶先)などのスキャンパラメータ(コピーパラメータ)を選択し、画像入力部によって原稿の画像を読み込み、その読み込んだ画像データを画像処理部に転送してスキャンパラメータに従った画像処理を実行させる。このとき、画像出力部による画像データの画像出力(画像形成)を行わなくても、出力系データフォーマットに変換する。つまり、RGB(レッド,グリーン,ブルー)系からCMYK(シアン,マゼンタ,イエロー,ブラック)系への色座標系変換や階調補正等の画像処理を行う。画像処理後の画像データは、拡張ボックスに転送する。拡張ボックスでは、画像形成装置からの画像データを圧縮し、それをハードディスク装置内の所定ディスク領域に割り当てられたスキャンボックスに一時蓄積(記憶)して保存し、全ての原稿(ページ)の画像データを蓄積し終えると、ネットワーク上のクライアントによるスキャンボックスからの画像データの取り出しを可能にする。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−333026号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このような画像編集システムでは、以下の(1)(2)に示すような問題がある。
(1)ユーザは、原稿をコピーする際、コピーボタンを押してコピー画像を得る。配信する際は、スキャンボタンを押して配信する画像を得る。このように、同じ原稿をコピーしたい場合と配信したい場合には、その原稿を2回スキャンさせて画像読み取りを行わせる必要があり、手間がかかるという問題点があった。
(2)ハードディスク装置に蓄積されている画像データは、デジタル複写機等の画像形成装置にて取り扱いが容易となるフォーマット(画像形成装置専用のフォーマット)であることが多く、更にメモリの節約のために圧縮アルゴリズムで圧縮する際に専用のアルゴリズムで圧縮されることがあることから、例えばネットワークを経由して外部装置であるパーソナルコンピュータ(以下「パソコン」ともいう)等の情報処理装置に配信しても汎用のアプリケーションで閲覧したり(画像のブラウジングを行ったり)、編集・加工することができないという問題点があった。
【0006】
この発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、デジタル複写機等の画像形成装置やスキャナ装置に用いられている画像処理装置において、同じ原稿に対してコピーと配信の両方を行うような場合でも、その原稿の画像読み取りを1回で済むようにして、ユーザによる作業性を向上させることを目的とする。また、原稿から読み取った画像データを外部装置(パソコン等の情報処理装置)で閲覧したり、編集・加工したりなど、そのまま利用(再利用)できるようにすることも目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上記の目的を達成するため、デジタル複写機等の画像処理装置と画像処理方法、並びに画像処理装置を制御するコンピュータに必要な機能を実現させるプログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供する。
【0008】
請求項1の発明による画像処理装置は、外部装置と通信する通信手段と、原稿の画像を読み取る画像読取手段と、該手段によって読み取られた画像データを記憶する画像記憶手段と、該手段に記憶された画像データを上記通信手段によって上記外部装置へ配信する配信手段とを有する画像処理装置において、上記画像記憶手段に記憶された画像データを上記外部装置で利用可能な所定フォーマットに変換するフォーマット変換手段を設け、上記配信手段を、上記フォーマット変換手段によってフォーマット変換された画像データを上記通信手段によって上記外部装置へ配信する手段としたものである。
【0009】
請求項2の発明による画像処理装置は、請求項1の画像処理装置において、上記フォーマット変換手段を、上記画像記憶手段に記憶された画像データをパーソナルコンピュータ等の汎用性のある情報処理装置で利用可能な汎用フォーマットに変換する手段としたものである。
請求項3の発明による画像処理装置は、請求項1又は2の画像処理装置において、上記画像記憶手段に記憶すべき画像データを圧縮する圧縮手段を設け、上記フォーマット変換手段を、上記圧縮手段によって圧縮された画像データを伸張する伸張手段を備え、上記画像記憶手段に記憶された圧縮された画像データを上記伸張手段によって伸張した後、その伸張した画像データをフォーマット変換する手段としたものである。
【0010】
請求項4の発明による画像処理装置は、請求項1又は2の画像処理装置において、上記フォーマット変換手段を、画像データの解像度を予め設定された解像度に変換する解像度変換手段を備え、上記画像記憶手段に記憶された画像データの解像度を上記解像度変換手段によって変換した後、その変換した画像データをフォーマット変換する手段としたものである。
請求項5の発明による画像処理装置は、請求項4の画像処理装置において、上記解像度変換手段が変換する解像度を変更可能に設定する解像度設定手段を設けたものである。
【0011】
請求項6の発明による画像処理装置は、請求項1又は2の画像処理装置において、上記フォーマット変換手段を、画像データを予め設定されたガンマ補正データに基づいてガンマ補正するガンマ補正手段を備え、上記画像記憶手段に記憶された画像データを上記ガンマ補正手段によってガンマ補正した後、そのガンマ補正された画像データをフォーマット変換する手段としたものである。
請求項7の発明による画像処理装置は、請求項6の画像処理装置において、上記ガンマ補正手段がガンマ補正に使用するガンマ補正データを変更可能に設定するガンマ値設定手段を設けたものである。
【0012】
請求項8の発明による画像処理装置は、請求項1又は2の画像処理装置において、上記フォーマット変換手段を、画像データを色補正する色補正手段を備え、上記画像記憶手段に記憶された画像データが上記色補正手段によって色補正した後、その色補正した画像データをフォーマット変換する手段としたものである。請求項9の発明による画像処理装置は、請求項8の画像処理装置において、上記画像記憶手段を、CMYK系の画像データを記憶する手段とし、上記色補正手段を、画像データをCMYK系からRGB系に変換する手段とし、上記フォーマット変換手段を、上記画像記憶手段に記憶された画像データを上記色補正手段によってCMYK系からRGB系に変換した後、その変換した画像データをフォーマット変換する手段としたものである。
【0013】
請求項10の発明による画像処理装置は、請求項9の画像処理装置において、上記画像記憶手段に記憶すべき画像データの画質モードを変更可能に設定する画質モード設定手段と、該手段によって設定された画質モードに応じて上記色補正手段によって画像データをCMYK系からRGB系へ変換する色補正のパラメータを切り替える色補正パラメータ切替手段とを設けたものである。
請求項11の発明による画像処理装置は、請求項1〜10のいずれかの画像処理装置において、上記フォーマット変換手段が変換するフォーマットを変更可能に設定するフォーマット設定手段を設けたものである。
【0014】
請求項12の発明による画像処理方法は、外部装置と通信する通信手段と、原稿の画像を読み取る画像読取手段と、該手段によって読み取られた画像データを記憶する画像記憶手段と、該手段に記憶された画像データを上記通信手段によって上記外部装置へ配信する配信手段とを有する画像処理装置における画像処理方法であって、上記画像記憶手段に記憶された画像データを上記通信手段によって上記外部装置へ配信する際に、その画像データを上記外部装置で利用可能な所定フォーマットに変換するものである。
請求項13の発明による画像処理方法は、請求項12の画像処理方法において、上記所定フォーマットを、パーソナルコンピュータ等の汎用性のある情報処理装置で利用可能な汎用フォーマットとしたものである。
【0015】
請求項14の発明による画像処理方法は、請求項12又は13の画像処理方法において、上記画像読取手段によって読み取られた画像データを上記画像記憶手段に記憶させる際に、その画像データを圧縮し、上記画像記憶手段に記憶された圧縮された画像データを上記通信手段によって上記外部装置へ配信する際に、その画像データを伸張し、その伸張した画像データをフォーマット変換するものである。
請求項15の発明による画像処理方法は、請求項12又は13の画像処理方法において、上記画像記憶手段に記憶された画像データを上記通信手段によって上記外部装置へ配信する際に、その画像データの解像度を予め設定された解像度に変換し、その変換した画像データをフォーマット変換するものである。
【0016】
請求項16の発明による画像処理方法は、請求項12又は13の画像処理方法において、上記画像記憶手段に記憶された画像データを上記通信手段によって上記外部装置へ配信する際に、その画像データを予め設定されたガンマ補正データに基づいてガンマ補正し、そのガンマ補正した画像データをフォーマット変換するものである。
請求項17の発明による画像処理方法は、請求項12又は13の画像処理方法において、上記画像記憶手段に記憶された画像データを上記通信手段によって上記外部装置へ配信する際に、その画像データを色補正し、その色補正した画像データをフォーマット変換するものである。
【0017】
請求項18の発明によるプログラムは、外部装置と通信する通信手段と、画像データを記憶する画像記憶手段とを有する画像処理装置を制御するコンピュータに、上記画像記憶手段に記憶された画像データをパーソナルコンピュータ等の汎用性のある情報処理装置で利用可能な汎用フォーマット等の所定フォーマットに変換するフォーマット変換機能と、該機能によってフォーマット変換された画像データを上記通信手段によって上記外部装置へ配信する配信機能とを実現させるためのものである。
【0018】
請求項19の発明によるプログラムは、外部装置と通信する通信手段と、圧縮された画像データを記憶する画像記憶手段とを有する画像処理装置を制御するコンピュータに、上記画像記憶手段に記憶された圧縮された画像データを伸張する伸張機能と、該機能によって伸張した画像データをパーソナルコンピュータ等の汎用性のある情報処理装置で利用可能な汎用フォーマット等の所定フォーマットに変換するフォーマット変換機能と、該機能によってフォーマット変換された画像データを上記通信手段によって上記外部装置へ配信する配信機能とを実現させるためのものである。
【0019】
請求項20の発明によるプログラムは、外部装置と通信する通信手段と、画像データを記憶する画像記憶手段とを有する画像処理装置を制御するコンピュータに、上記画像記憶手段に記憶された画像データの解像度を予め設定された解像度に変換する解像度変換機能と、該機能によって変換した画像データをパーソナルコンピュータ等の汎用性のある情報処理装置で利用可能な汎用フォーマット等の所定フォーマットに変換するフォーマット変換機能と、該機能によってフォーマット変換された画像データを上記通信手段によって上記外部装置へ配信する配信機能とを実現させるためのものである。
【0020】
請求項21の発明によるプログラムは、外部装置と通信する通信手段と、画像データを記憶する画像記憶手段とを有する画像処理装置を制御するコンピュータに、上記画像記憶手段に記憶された画像データを予め設定されたガンマ補正データに基づいてガンマ補正するガンマ補正機能と、該機能によって変換した画像データをパーソナルコンピュータ等の汎用性のある情報処理装置で利用可能な汎用フォーマット等の所定フォーマットに変換するフォーマット変換機能と、該機能によってフォーマット変換された画像データを上記通信手段によって上記外部装置へ配信する配信機能とを実現させるためのものである。
【0021】
請求項22の発明によるプログラムは、外部装置と通信する通信手段と、画像データを記憶する画像記憶手段とを有する画像処理装置を制御するコンピュータに、上記画像記憶手段に記憶された画像データを色補正する色補正機能と、該機能によって色補正した画像データをパーソナルコンピュータ等の汎用性のある情報処理装置で利用可能な汎用フォーマット等の所定フォーマットに変換するフォーマット変換機能と、該機能によってフォーマット変換された画像データを上記通信手段によって上記外部装置へ配信する配信機能とを実現させるためのものである。
請求項23の発明による記録媒体は、請求項18〜22のいずれかのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いてこの発明の実施の形態の説明を行う。
以下、この発明の実施形態を図面に基づいて具体的に説明する。
図1は、この発明による画像処理装置を含む画像形成装置の一実施形態であるMFP(Multi Function Printer)のようなデジタル複写機の構成例をコピー時の画像データの流れと共に示すブロック図である。
図2は、図1のスキャナ補正部2の構成例を示すブロック図である。
図3は、図1のプリンタ補正部6の構成例を示すブロック図である。
【0023】
このデジタル複写機は、大きく分けて、プロッタエンジン部(以下単に「エンジン部」という)とプリンタコントローラ部と後述するオペレーションパネル20(図6参照)とによって構成されている。
エンジン部は、読み取りユニット(スキャナ部)1,スキャナ補正部2,固定長多値圧縮器3,エンジンコントローラ4,固定長多値伸張器5,プリンタ補正部6,GAVD(書き込みユニット)7,作像ユニット8,およびFAXコントローラ9等によって構成されている。
プリンタコントローラ部は、プリンタコントローラ11,半導体メモリ12,HDD(ハードディスク装置)13,画像フォーマット変換ユニット14,およびNIC(ネットワーク・インタフェース・コントローラ)等によって構成されている。
なお、このデジタル複写機の画像処理装置は、エンジン部の印刷手段(画像形成手段)に相当する部分(例えばGAVD7,作像ユニット8)を除く部分によって構成される。
【0024】
エンジン部とプリンタコントローラ部とは、汎用バスインタフェース(以下「インタフェース」を「I/F」という)16によって接続されている。
エンジン部の読み取りユニット1は、画像読取手段であり、読み取り位置(例えばコンタクトガラス上)にセット(載置)された原稿あるいは読み取り位置を通過中の原稿の画像を光学的に読み取る。このとき、R(レッド),G(グリーン),B(ブルー)の色分解光毎に光電変換して増幅させ、電気的な画像信号であるRGB各色8ビット(8ビット以外でもよい)の画像データとしてスキャナ補正部2へ送出する。
なお、読み取り用の原稿は、ユーザによって読み取りユニット1の読み取り位置にセットされるか、ADF(自動原稿給送装置)によって原稿台上の原稿が1枚ずつ自動給送されて読み取り位置にセットされるか、あるいはそのADFによって読み取り位置を単に通過する。また、ここでは読み取りユニット1によって読み取った画像データを各色8ビットとしたが、これに限るものではない。
【0025】
スキャナ補正部2は、図2に示すように、スキャナガンマ(γ)補正部101,フィルタ処理部102,色補正部103,および変倍処理部104によって構成されており、それらにより読み取りユニット1から送られてくる画像データに対してスキャナガンマ(γ)補正処理,フィルタ処理,色補正処理(RGB系からCMYK系への色変換),変倍処理を順次行い、それらの画像処理を行った画像データを固定長多値圧縮器(固定長の非可逆圧縮器)3へ送出する。
固定長多値圧縮器3は、圧縮手段であり、スキャナ補正部2から送られてくる画像データを非可逆圧縮(符号化)する。つまり、CMYK各色8ビットの色データ(色信号)を各色2ビット(2ビット以外でもよい)の色データに変換する。
この固定長多値圧縮器3の出力部は汎用バスI/F16につながっているため、非可逆圧縮後のCMYK系の画像データは汎用バスI/F16を通ってプリンタコントローラ部のプリンタコントローラ11に送られる。
【0026】
プリンタコントローラ11は、CPU(中央処理装置),ROM,RAMを含むマイクロコンピュータを用いており、プリンタコントローラ部全体を統括的に制御する。
半導体メモリ12は、CMYK各色毎に独立しており、プリンタコントローラ11の制御によってCMYK系の画像データを蓄積(記憶)することができる。HDD13は、大容量記憶装置であり、多量の画像データやジョブ履歴データ、この発明に係わるプログラムを含む各種プログラムなど、各種のデータを蓄積して保存することができる。なお、HDD13および半導体メモリ12が画像記憶手段に相当する。また、HDD13の代わりに、光ディスク装置等の他の大容量記憶装置を使用することもできる。
【0027】
ここで、半導体メモリ12に蓄積された画像データは、随時HDD13にも蓄積される。これは、印刷(プリントアウト)時に用紙が詰まり、印刷が正常に終了しなかった場合でも、再び同じ原稿を読み直すのを避けるためであったり、複数枚の原稿の画像データを並べ替える電子ソートを行うためである。近年は、これだけでなく、読み取った原稿の画像データを蓄積しておき、必要なときに再出力(再印刷又は再配信)する機能が追加されているデジタル複写機も存在する。また、ここではCMYK系の画像データに対して非可逆の圧縮を施すとしたが、汎用バスI/F16の帯域が十分に広く、蓄積するHDD13の記憶容量が大きければ、非圧縮の状態でデータを扱っても良い。その方が、非可逆な圧縮による画像劣化を防ぐことができる。
コピー時には、HDD13内のCMYK系の画像データ(圧縮データ)は、プリンタコントローラ11によって一度半導体メモリ12に展開され、次に汎用バスI/F16を通り、エンジン部の固定長多値伸張器5に送られる。
【0028】
エンジン部の固定長多値伸張器(固定長の非可逆伸張器)5は、伸張手段であり、プリンタコントローラ部から送られてくる画像データ(圧縮データ)を伸張(復号化)する。つまり、CMYK各色2ビットの色データを各色8ビットの色データに変換する。そして、その変換後の画像データをプリンタ補正部6に送出する。
プリンタ補正部6は、プリンタガンマ補正部110および中間調処理部111によって構成されており、それらにより固定長多値伸張器5から送られてくる画像データであるCMYK各色の色データに対して順次プリンタガンマ補正処理,GAVD7および作像ユニット8に合わせた中間調処理を順次行い、それらの画像処理を行った画像データを各色毎にGAVD7へ送出する。
【0029】
GAVD7は、プリンタ補正部6から送られてくるC画像データに基づいて図示しない半導体レーザ(レーザダイオード)を変調駆動して対応するレーザビームを射出させ、ポリゴンミラー(回転多面鏡)によって周期的に偏向させ、走査レンズによって集束させたレーザビームにより副走査方向に回転するドラム状又はベルト状の感光体上(作像ユニット8の帯電器によって予め一様に帯電されている)を主走査方向に反復走査することにより静電潜像を形成させる。以後、プリンタ補正部6から順次送られてくるM,Y,Kの各画像データに対しても上述と同様の処理を行う。
【0030】
作像ユニット8は、公知の作像処理を行う。例えば、帯電器によって感光体上を一様に帯電させ、C用の現像ユニットによって感光体上に形成されたY画像データに対応する静電潜像にCトナーを付着させてCトナー画像を形成させ、それを1次転写ユニットによってベルト状又はドラム状の中間転写体上に転写する。次に、M用の現像ユニットによって感光体上に形成されたM画像データに対応する静電潜像にMトナーを付着させてMトナー画像を形成させ、それを1次転写ユニットによって中間転写体のCトナー画像上に転写する。以後、Y,K用の各現像ユニットによっても順次上述と同様の処理を行うことにより、中間転写体上に4色重ねのトナー画像を形成させ、その4色重ねのトナー画像を給紙部から給紙させた用紙(転写紙)上に2次転写ユニットによって一括転写させた後、その用紙上のトナー画像を定着ユニットによって溶融定着させ、この定着処理後の用紙(コピー)を排紙部に排紙させる。なお、作像順はCMYKに限らない。
【0031】
エンジンコントローラ4は、CPU,ROM,RAMを含むマイクロコンピュータを用いており、エンジン部全体を統括的に制御する。
FAXコントローラ9は、公衆回線を介してFAX装置やFAX機能を有する他のデジタル複写機等の画像形成装置との間でFAXデータ(画像データ)の送受信を制御する。
画像フォーマット変換ユニット14は、フォーマット変換手段であり、画像データをフォーマット変換するなどの各種処理を行うが、追って詳細に説明する。
NIC15は、通信手段であり、LAN(ローカル・エリア・ネットワーク)等のネットワーク上のパソコン30(外部PC)等の外部装置と通信する。
オペレーションパネル20(図6)は、コピーボタン(コピーキー)等の各種操作ボタンと、各種情報を表示する表示器とを備えている。
【0032】
以下、このように構成したこのデジタル複写機におけるこの発明に係る部分の各実施形態について、図4以降の図面を参照して具体的に説明する。
まず、第1実施形態について説明する。
図4は、このデジタル複写機の構成例を配信時の画像データの流れと共に示すブロック図である。
図5は、図4の画像フォーマット変換ユニット14の構成例を示すブロック図である。
【0033】
図1と図4を比べると分かるように、HDD13に蓄積されるまでの画像データの流れはコピー時と同じであるので、その説明は省略する。
HDD13にはコピー時と同じパスを通ったCMYK系の圧縮された2ビットの画像データが蓄積されている。
ネットワークを介してパソコン30に画像データを配信する場合、プリンタコントローラ11内のCPUは、HDD13に蓄積されているCMYK系の2ビットの画像データ(圧縮データ)を読み出して一度半導体メモリ12に展開した後、その展開した画像データを読み出し、汎用バスI/F16を介して画像フォーマット変換ユニット14へ送出し、以下の処理を行わせる。
【0034】
画像フォーマット変換ユニット14は、図5に示すように、伸張処理部121,解像度変換部122,ガンマ補正部123,色補正部124,および汎用フォーマット処理部125によって構成されており、それによりプリンタコントローラ11から汎用バスI/F16を介して送られてくる画像データに対して画像フォーマット変換処理(画像処理)を行う。
すなわち、その画像データ(圧縮データ)を伸張処理部121が伸張し(CMYK各色2ビットの色データを各色8ビットの色データに変換し)、その伸張した画像データの解像度を解像度変換部122が予め設定された解像度に変換し、その解像度変換した画像データを予め設定されたガンマ補正データ(ガンマカーブ)に基づいてガンマ補正し、そのガンマ補正した画像データを色補正部124が色補正し(CMYK系からRGB系へ色変換し)、その色補正した画像データを汎用フォーマット処理部125が汎用フォーマットに変換する。
【0035】
なお、色補正部124は、画像データをCMYK系からRGB系に変換するだけでなく、sRGBやYUVといったどのような色座標系(色空間)にでも、オペレーションパネル20又はパソコン30上でのユーザによる操作(指定)によって変換することが可能である。
プリンタコントローラ11のCPUは、画像フォーマット変換ユニット14によってフォーマット変換処理が行われた画像データをNIC15によってネットワーク上のパソコン30又は汎用性のある他の情報処理装置(外部装置)へ配信する。
【0036】
ここで、画像フォーマット変換ユニット14について、もう少し詳細に説明する。
画像フォーマット変換ユニット14内の汎用フォーマット処理部125は、色補正部124によって色補正された画像データを外部装置であるパソコン30等の汎用性のある情報処理装置で利用(閲覧又は編集・加工)可能な汎用フォーマット(所定フォーマット)に変換する。例えば、JPEG(Joint PhotographicExpert Group),BPM(Bitmap)形式,又はTIFF(Tagged Image File Format)形式に変換する。
なお、第1実施形態では、プリンタコントローラ11内のCPUが、ROM又はHDD13(記録媒体)等に記憶(記録)されているこの発明に係わるプログラムに従って動作することにより、配信手段としての機能を実現することができる。
【0037】
このように、プリンタコントローラ11内のCPUが、半導体メモリ12から読み出した画像データ(HDD13に記憶された画像データ)に対して画像フォーマット変換ユニット14によって上述した画像フォーマット変換処理を行わせ、その処理が行われた画像データをNIC15によってネットワーク上のパソコン30へ配信することにより、同じ原稿に対してコピーと配信の両方を行うような場合でも、その原稿の画像読み取りが1回で済むので、ユーザによる作業性を向上させることができる。また、原稿から読み取った画像データをパソコン30で閲覧したり、編集・加工したりなど、そのまま利用することも可能になる。
【0038】
なお、画像フォーマット変換ユニット14に、汎用フォーマット処理部125の代わりに専用フォーマット処理部を備え、色補正部124によって色補正された画像データを汎用性のある情報処理装置以外の外部装置で利用可能な専用フォーマット(所定フォーマット)に変換するようにすることもできる。この場合、その外部装置が専用フォーマットの画像データを利用するための専用ソフト(専用プログラム)を備えているものとする。よって、原稿から読み取った画像データを汎用性のある情報処理装置以外の外部装置で閲覧したり、編集・加工したりなど、そのまま利用することも可能になる。
【0039】
また、画像フォーマット変換ユニット14が、汎用フォーマット処理部125(又は専用フォーマット処理部)の他に、伸張処理部121,解像度変換部122,ガンマ補正部123,色補正部124を備えているが、汎用フォーマット処理部125以外は必ずしも備える必要はない。この場合、プリンタコントローラ11内のCPUが、半導体メモリ12から読み出した画像データをそのまま画像フォーマット変換ユニット14の汎用フォーマット処理部125(又は専用フォーマット処理部)によって汎用フォーマット(又は専用フォーマット)に変換し、そのフォーマット変換された画像データをNIC15によってネットワーク上のパソコン30又は他の外部装置へ配信することができる。
【0040】
あるいは、画像フォーマット変換ユニット14が、汎用フォーマット処理部125(又は専用フォーマット処理部)の他に、伸張処理部121,解像度変換部122,ガンマ補正部123,色補正部124のいずれか1つ又は複数(任意の組み合わせ)を備えるようにしてもよい。この場合、プリンタコントローラ11内のCPUが、以下の(1)〜(5)のいずれか1つ又は複数の処理を行うことができる。
(1)半導体メモリ12から読み出した画像データ(圧縮データ)を画像フォーマット変換ユニット14内の伸張処理部121によって伸張した後、その伸張した画像データを汎用フォーマット処理部125(又は専用フォーマット処理部)によって汎用フォーマット(又は専用フォーマット)に変換し、そのフォーマット変換された画像データをNIC15によってネットワーク上のパソコン30又は他の外部装置へ配信する。
【0041】
(2)半導体メモリ12から読み出した画像データの解像度を画像フォーマット変換ユニット14内の解像度変換部122によって変換した後、その変換した画像データを汎用フォーマット処理部125(又は専用フォーマット処理部)によって汎用フォーマット(又は専用フォーマット)に変換し、そのフォーマット変換された画像データをNIC15によってネットワーク上のパソコン30又は他の外部装置へ配信する。
(3)半導体メモリ12から読み出した画像データを画像フォーマット変換ユニット14内のガンマ補正部123によってガンマ補正した後、そのガンマ補正した画像データを汎用フォーマット処理部125(又は専用フォーマット処理部)によって汎用フォーマット(又は専用フォーマット)に変換し、そのフォーマット変換された画像データをNIC15によってネットワーク上のパソコン30又は他の外部装置へ配信する。
【0042】
(4)半導体メモリ12から読み出した画像データを画像フォーマット変換ユニット14内の色補正部124によって色補正(CMYK系からRGB系に変換)した後、その色補正した画像データを汎用フォーマット処理部125(又は専用フォーマット処理部)によって汎用フォーマット(又は専用フォーマット)に変換し、そのフォーマット変換された画像データをNIC15によってネットワーク上のパソコン30又は他の外部装置へ配信する。
【0043】
次に、第2実施形態について説明する。
図6は、このデジタル複写機の構成例をHDD13に蓄積されるまでの画像データの流れ,配信時の画像データの流れ,コピー時の画像データの流れと共に示すブロック図である。
図7は、図6の画像フォーマット変換ユニット14の各部とオペレーションパネル20との接続例を示す図である。
【0044】
この第2実施形態において、第1実施形態(図4)と異なる点は、プリンタコントローラ11が、オペレーションパネル20上でのユーザによる操作(パソコン30等の外部装置上でのユーザによる操作でもよい)によって発生した要求(操作信号)により、画像フォーマット変換ユニット14内の解像度変換部122が変換する解像度を変更可能に設定(選択)したり、ガンマ補正部123がガンマ補正に使用するガンマ補正データ(ガンマカーブ)を変更可能に設定したり、汎用フォーマット処理部125が変換する汎用フォーマット(又は専用フォーマット)を変更可能に設定したりする点である。
【0045】
プリンタコントローラ11は、ユーザによってオペレーションパネル20上のドキュメントボックスボタンが押下されると、対応する読み取り要求コマンドを汎用バスI/F16を介してエンジンコントローラ4に送出する。
エンジンコントローラ4は、読み取り要求コマンドを受信すると、読み取りユニット1に読み取りを指示する。
読み取りユニット1は、エンジンコントローラ4からの読み取り指示により、原稿の画像を読み取る。読み取られた画像データは、図6に矢印付きの1点鎖線で示す画像処理パスを通ってHDD13に蓄積される(第1実施形態の説明の際に上述したので詳細は明記しない)
【0046】
例えば、ユーザ(オペレータ)であるAさん、Bさん、Cさんがデジタル複写機を使用する場合、HDD13に蓄積された画像データに対して、Aさんがコピー画像が欲しいという要求を、Bさんが解像度300dpi,JPEG形式の電子画像データが欲しいという要求を、Cさんが解像度100dpi,ガンマの濃度を一段濃くしてBMP形式の電子画像データが欲しいという要求をそれぞれするものとする。
Aさんがオペレーションパネル20上のコピーボタンを押すと、Aさんの要求はプリンタコントローラ11に送られる。プリンタコントローラ11は、コピー画像が欲しいというAさんの要求を受けてHDD13に蓄積された画像データを一度半導体メモリ12で展開し、エンジン部に送る。つまり、図6に矢印付きの実線で示すパスを通って画像データがGAVD7に出力され、作像ユニット8によりコピー画像として出力される。
【0047】
Bさんはオペレーションパネル20上の配信ボタンを押す。そして、解像度として300dpiを選択すると共に、フォーマットとしてJPEG形式を選択する。それによって、Bさんの要求はプリンタコントローラ11に送られる。プリンタコントローラ11は、Bさんの要求を受けて、HDD13に蓄積された画像データを一度半導体メモリ12で展開し、図6の矢印付きの破線で示すように、画像フォーマット変換ユニット14に送って画像フォーマット変換処理を行わせる。
画像フォーマット変換ユニット14では、オペレーションパネル20上の操作によって選択された情報により、プリンタコントローラ11によって解像度変換部122が変換する解像度を300dpiとして設定し、汎用フォーマット処理部125が変換する汎用フォーマット形式をJPEG形式として設定した後、プリンタコントローラ11から送られてくる画像データに対して画像フォーマット変換処理を行う。
【0048】
すなわち、その画像データ(圧縮データ)を伸張処理部121が伸張し、その伸張した画像データの解像度を解像度変換部122が予め設定された解像度(この例では300dpi)に変換し、その解像度変換した画像データを予め設定されたガンマ補正データに基づいてガンマ補正し、そのガンマ補正した画像データを色補正部124が色補正し、その色補正した画像データを汎用フォーマット処理部125が汎用フォーマット(この例ではJPEG形式)に変換する。
画像フォーマット変換ユニット14によって画像フォーマット変換処理(画像処理)が行われた画像データは、図6に矢印付きの破線で示すパスを通ってNIC15に送られ、ネットワーク上のパソコン30又は他の外部装置へ配信される。
【0049】
Cさんはオペレーションパネル20上の配信ボタンを押す。そして、解像度として100dpiを選択し、ガンマの濃度が一段濃くなるような濃度を選択し、更にフォーマット形式としてBMP形式を選択する。これらの要求は、プリンタコントローラ11に送られる。プリンタコントローラ11は、Cさんの要求を受けてHDD13に蓄積された画像データを一度半導体メモリ12で展開し、画像フォーマット変換ユニット14に送って画像フォーマット変換処理を行わせる。画像フォーマット変換ユニット14では、オペレーションパネル20上の操作によって選択された情報により、プリンタコントローラ11によって解像度変換部122が変換する解像度を100dpiとして設定し、ガンマ補正部123がガンマ補正に使用するガンマ補正データとしてガンマの濃度が一段濃くなるような濃度に対応するガンマ補正データを設定し、汎用フォーマット処理部125が変換する汎用フォーマット形式をBMP形式として設定した後、プリンタコントローラ11から送られてくる画像データに対して画像フォーマット変換処理を行う。
【0050】
すなわち、その画像データ(圧縮データ)を伸張処理部121が伸張し、その伸張した画像データの解像度を解像度変換部122が予め設定された解像度(この例では100dpi)に変換し、その解像度変換した画像データを予め設定されたガンマ補正データ(この例ではガンマの濃度が一段濃くなるような濃度に対応するもの)に基づいてガンマ補正し、そのガンマ補正した画像データを色補正部124が色補正し、その色補正した画像データを汎用フォーマット処理部125が汎用フォーマット(この例ではBMP形式)に変換する。
画像フォーマット変換ユニット14によって画像フォーマット変換処理が行われた画像データはNIC15に送られ、ネットワーク上のパソコン30又は他の外部装置へ配信される。
【0051】
なお、第2実施形態では、プリンタコントローラ11内のCPUが、ROM又はHDD13等に記憶されているこの発明に係わるプログラムに従って動作することにより、配信手段,解像度設定手段,ガンマ補正データ設定手段,およびフォーマット設定手段としての機能を実現することができる。
この第2実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果に加え、次のような効果も得ることができる。
【0052】
HDD13には、読み取りユニット(スキャナ)1が原稿の画像を600dpiで読み取るものであれば、600dpiで読み取られたCMYKの画像データが蓄積されるが、その600dpiの画像データを配信するには、データ量が大きいので、その画像データを低解像度の100dpiや200dpiに変換することが考えられる。しかし、ユーザによっては、データ量が大きくても良好な画質が欲しい、もっと画像の濃度を濃くまたは薄くして配信したい、JPEG形式で配信したい、BMP形式で配信したい、など要望はさまざまである。
第2実施形態によれば、このようなさまざまなユーザの要望にあわせて任意の解像度,ガンマ補正テーブル(ガンマの濃度),汎用フォーマット形式(又は専用フォーマット形式)を選択できるため、ユーザの要望に合わせた配信画像を得ることができる。
【0053】
次に、第3実施形態について説明する。
図8は、図6の画像フォーマット変換ユニット14の各部とオペレーションパネル20との他の接続例を示す図である。
この第3実施形態において、第2実施形態(図6)と異なる点は、プリンタコントローラ11が、オペレーションパネル20上でのユーザによる操作(パソコン30等の外部装置上でのユーザによる操作でもよい)によって発生した要求により、半導体メモリ12又はHDD13に蓄積(記憶)すべき画像データの画質モードを変更可能に設定し、その設定した画質モードに応じて画像フォーマット変換ユニット14内の色補正部124によって画像データをCMYK系からRGB系へ変換する色補正のパラメータ(色変換パラメータ)を切り替える点である。
【0054】
ここで、メタメリズムという読み取りユニット(スキャナ)1の分光感度が人間の目と異なるために生じる現象により、印画紙と印刷物では、測色的には同じ色であっても読み取りユニット1から入力されるRGB系の画像データ(RGB信号)としては大きくずれてしまい、その結果、1つの色変換パラメータで、あらゆる原稿に対し、色味一致を行うのは不可能であり、印刷原稿について色味の一致を行ったとすると、印画紙原稿では、色味が合わなくなるという問題点がある。
このような問題を解決するために、プリンタコントローラ11は、オペレーションパネル20上でのユーザによる操作によって発生した要求により、半導体メモリ12又はHDD13に蓄積すべき画像データの画質モードを変更可能に設定し、その設定した画質モードに応じて色補正部124内の色変換パラメータを切り替える。
【0055】
これにより、画質モードに合った色変換(色補間)を行うことができるため、色味が一致し、高画質の画像を得ることができる。
さまざまな観察条件の基で正確な色再現を実現する色補正装置,色管理方法,および装置は、公知のものであり、例えば特開平9−107484号公報などに記載されている。
なお、第3実施形態では、プリンタコントローラ11内のCPUが、ROM又はHDD13等に記憶されているこの発明に係わるプログラムに従って動作することにより、配信手段,解像度設定手段,ガンマ補正データ設定手段,フォーマット設定手段,画質モード設定手段,および色補正パラメータ切替手段としての機能を実現することができる。
【0056】
ところで、画像フォーマット変換ユニット14は専用のハードウェアであり、それによって処理の高速化を図っている。しかし、汎用性を高めるために、画像フォーマット変換ユニット14の各部の機能をプログラマブルなプロセッサによって構成するようにしてもよいし、プリンタコントローラ11のCPUあるいはこれとは別に設けたCPUに所定のプログラムを実行させることにより、画像フォーマット変換ユニット14の各部の機能を実現させるようにしてもよい。
この場合において、この発明に係わるプログラム(画像フォーマット変換ユニット14の各部の機能を実現するためのプログラムおよび配信機能等を実現するためのプログラム)は、プリンタコントローラ11に設けたROM又はHDD13等に記録(格納)しておけばよいが、記録媒体である別のROM等のメモリに記録して提供することもできる。
【0057】
また、SRAMやEEPROM、メモリカード,光ディスク(CD−ROM等)のような、他の不揮発性記録媒体(メモリ)に記録して提供することももちろん可能である。この場合、デジタル複写機にその不揮発性記録媒体を挿着するための手段を備えた記録媒体読取装置(光ディスク装置等)を備えるか外付けできれば、その不揮発性記録媒体を記録媒体読取装置に挿着して、その不揮発性記録媒体に記録されているプログラムを読み取ってHDD13にインストールさせることにより、この発明による機能を実現させることができる。この発明に係わるプログラムを記憶させるメモリを書き換え可能な不揮発性記憶手段とすれば、技術の進歩に応じたプログラムのアップデートが容易になる。
【0058】
さらに、NIC15に接続されたネットワークに接続され、この発明に係わるプログラムを記録した記録媒体を備える外部装置からダウンロードして実行させるようにすることも可能である。
以上、この発明をデジタル複写機に用いられている画像処理装置に適用した実施形態について説明したが、この発明はこれに限らず、デジタル複合機,FAX装置等の画像形成装置やスキャナ装置に用いられている画像処理装置にも適用可能である。
【0059】
【発明の効果】
以上説明してきたように、この発明によれば、同じ原稿に対してコピーと配信の両方を行うような場合でも、その原稿の画像読み取りを1回で済むため、ユーザによる作業性を向上させることができる。また、原稿から読み取った画像データを外部装置で閲覧したり、編集・加工したりなど、そのまま利用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による画像処理装置を含む画像形成装置の一実施形態であるデジタル複写機の構成例をコピー時の画像データの流れと共に示すブロック図である。
【図2】図1のスキャナ補正部2の構成例を示すブロック図である。
【図3】図1のプリンタ補正部6の構成例を示すブロック図である。
【図4】図1のデジタル複写機の構成例を配信時の画像データの流れと共に示すブロック図である。
【図5】図4の画像フォーマット変換ユニット14の構成例を示すブロック図である。
【図6】図1のデジタル複写機の構成例をHDD13に蓄積されるまでの画像データの流れ,配信時の画像データの流れ,コピー時の画像データの流れと共に示すブロック図である。
【図7】図6の画像フォーマット変換ユニット14の各部とオペレーションパネル20との接続例を示す図である。
【図8】図6の画像フォーマット変換ユニット14の各部とオペレーションパネル20との他の接続例を示す図である。
【符号の説明】
1:読み取りユニット 2:スキャナ補正部
3:固定長多値圧縮器 4:エンジンコントローラ
5:固定長多値伸張器 6:プリンタ補正部
7:GAVD 8:作像ユニット
9:FAXコントローラ 11:プリンタコントローラ
12:半導体メモリ 13:HDD
14:画像フォーマット変換ユニット
15:NIC 16:汎用バスI/F
20:オペレーションパネル 30:パソコン
101:スキャナガンマ補正部
102:フィルタ処理部 103:色補正部
104:変倍処理部 110:プリンタガンマ補正部
111:中間調処理部 121:伸張処理部
122:解像度変換部 123:ガンマ補正部
124:色補正部 125:汎用フォーマット処理部
【発明の属する技術分野】
この発明は、デジタル複写機,デジタル複合機,ファクシミリ(FAX)装置等の画像形成装置やスキャナ装置に用いられている画像処理装置とその画像処理方法、並びにその画像処理装置を制御するコンピュータに必要な機能(この発明に係わる機能)を実現させるためのプログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
スキャナ部(画像読取手段)を有するデジタル複写機等の画像形成装置やスキャナ装置として、例えばネットワーク上のパーソナルコンピュータやワークステーション等の情報処理装置(端末装置)と通信する通信機能(通信手段)と、原稿を光学的にスキャンしてその画像を読み取り、その読み取った画像データをネットワーク上の情報処理装置に配信するネットワークスキャナ配信なる機能である配信機能(配信手段)とを備えたものが知られている。
例えば、特許文献1に記載されているように、汎用コンピュータシステムのアーキテクチャをベースにした拡張ボックスを有し、画像形成装置の画像入力部(スキャナ部)により光学的にスキャンして読み取った画像データを画像ファイルとして拡張ボックス内のハードディスク装置(スキャンボックス)に蓄積し、スキャンボックス内の画像ファイルをネットワーク上の各コンピュータシステム(外部装置)間で共有することができる画像編集システムが提案されている。
【0003】
ここで、特許文献1に記載されている画像編集システムのスキャンボックス機能を用いる場合の処理手順について説明する。
この画像編集システムにおいて、画像形成装置が、解像度,階調,倍率,読み込み面,画像サイズ,保存先(記憶先)などのスキャンパラメータ(コピーパラメータ)を選択し、画像入力部によって原稿の画像を読み込み、その読み込んだ画像データを画像処理部に転送してスキャンパラメータに従った画像処理を実行させる。このとき、画像出力部による画像データの画像出力(画像形成)を行わなくても、出力系データフォーマットに変換する。つまり、RGB(レッド,グリーン,ブルー)系からCMYK(シアン,マゼンタ,イエロー,ブラック)系への色座標系変換や階調補正等の画像処理を行う。画像処理後の画像データは、拡張ボックスに転送する。拡張ボックスでは、画像形成装置からの画像データを圧縮し、それをハードディスク装置内の所定ディスク領域に割り当てられたスキャンボックスに一時蓄積(記憶)して保存し、全ての原稿(ページ)の画像データを蓄積し終えると、ネットワーク上のクライアントによるスキャンボックスからの画像データの取り出しを可能にする。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−333026号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このような画像編集システムでは、以下の(1)(2)に示すような問題がある。
(1)ユーザは、原稿をコピーする際、コピーボタンを押してコピー画像を得る。配信する際は、スキャンボタンを押して配信する画像を得る。このように、同じ原稿をコピーしたい場合と配信したい場合には、その原稿を2回スキャンさせて画像読み取りを行わせる必要があり、手間がかかるという問題点があった。
(2)ハードディスク装置に蓄積されている画像データは、デジタル複写機等の画像形成装置にて取り扱いが容易となるフォーマット(画像形成装置専用のフォーマット)であることが多く、更にメモリの節約のために圧縮アルゴリズムで圧縮する際に専用のアルゴリズムで圧縮されることがあることから、例えばネットワークを経由して外部装置であるパーソナルコンピュータ(以下「パソコン」ともいう)等の情報処理装置に配信しても汎用のアプリケーションで閲覧したり(画像のブラウジングを行ったり)、編集・加工することができないという問題点があった。
【0006】
この発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、デジタル複写機等の画像形成装置やスキャナ装置に用いられている画像処理装置において、同じ原稿に対してコピーと配信の両方を行うような場合でも、その原稿の画像読み取りを1回で済むようにして、ユーザによる作業性を向上させることを目的とする。また、原稿から読み取った画像データを外部装置(パソコン等の情報処理装置)で閲覧したり、編集・加工したりなど、そのまま利用(再利用)できるようにすることも目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上記の目的を達成するため、デジタル複写機等の画像処理装置と画像処理方法、並びに画像処理装置を制御するコンピュータに必要な機能を実現させるプログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供する。
【0008】
請求項1の発明による画像処理装置は、外部装置と通信する通信手段と、原稿の画像を読み取る画像読取手段と、該手段によって読み取られた画像データを記憶する画像記憶手段と、該手段に記憶された画像データを上記通信手段によって上記外部装置へ配信する配信手段とを有する画像処理装置において、上記画像記憶手段に記憶された画像データを上記外部装置で利用可能な所定フォーマットに変換するフォーマット変換手段を設け、上記配信手段を、上記フォーマット変換手段によってフォーマット変換された画像データを上記通信手段によって上記外部装置へ配信する手段としたものである。
【0009】
請求項2の発明による画像処理装置は、請求項1の画像処理装置において、上記フォーマット変換手段を、上記画像記憶手段に記憶された画像データをパーソナルコンピュータ等の汎用性のある情報処理装置で利用可能な汎用フォーマットに変換する手段としたものである。
請求項3の発明による画像処理装置は、請求項1又は2の画像処理装置において、上記画像記憶手段に記憶すべき画像データを圧縮する圧縮手段を設け、上記フォーマット変換手段を、上記圧縮手段によって圧縮された画像データを伸張する伸張手段を備え、上記画像記憶手段に記憶された圧縮された画像データを上記伸張手段によって伸張した後、その伸張した画像データをフォーマット変換する手段としたものである。
【0010】
請求項4の発明による画像処理装置は、請求項1又は2の画像処理装置において、上記フォーマット変換手段を、画像データの解像度を予め設定された解像度に変換する解像度変換手段を備え、上記画像記憶手段に記憶された画像データの解像度を上記解像度変換手段によって変換した後、その変換した画像データをフォーマット変換する手段としたものである。
請求項5の発明による画像処理装置は、請求項4の画像処理装置において、上記解像度変換手段が変換する解像度を変更可能に設定する解像度設定手段を設けたものである。
【0011】
請求項6の発明による画像処理装置は、請求項1又は2の画像処理装置において、上記フォーマット変換手段を、画像データを予め設定されたガンマ補正データに基づいてガンマ補正するガンマ補正手段を備え、上記画像記憶手段に記憶された画像データを上記ガンマ補正手段によってガンマ補正した後、そのガンマ補正された画像データをフォーマット変換する手段としたものである。
請求項7の発明による画像処理装置は、請求項6の画像処理装置において、上記ガンマ補正手段がガンマ補正に使用するガンマ補正データを変更可能に設定するガンマ値設定手段を設けたものである。
【0012】
請求項8の発明による画像処理装置は、請求項1又は2の画像処理装置において、上記フォーマット変換手段を、画像データを色補正する色補正手段を備え、上記画像記憶手段に記憶された画像データが上記色補正手段によって色補正した後、その色補正した画像データをフォーマット変換する手段としたものである。請求項9の発明による画像処理装置は、請求項8の画像処理装置において、上記画像記憶手段を、CMYK系の画像データを記憶する手段とし、上記色補正手段を、画像データをCMYK系からRGB系に変換する手段とし、上記フォーマット変換手段を、上記画像記憶手段に記憶された画像データを上記色補正手段によってCMYK系からRGB系に変換した後、その変換した画像データをフォーマット変換する手段としたものである。
【0013】
請求項10の発明による画像処理装置は、請求項9の画像処理装置において、上記画像記憶手段に記憶すべき画像データの画質モードを変更可能に設定する画質モード設定手段と、該手段によって設定された画質モードに応じて上記色補正手段によって画像データをCMYK系からRGB系へ変換する色補正のパラメータを切り替える色補正パラメータ切替手段とを設けたものである。
請求項11の発明による画像処理装置は、請求項1〜10のいずれかの画像処理装置において、上記フォーマット変換手段が変換するフォーマットを変更可能に設定するフォーマット設定手段を設けたものである。
【0014】
請求項12の発明による画像処理方法は、外部装置と通信する通信手段と、原稿の画像を読み取る画像読取手段と、該手段によって読み取られた画像データを記憶する画像記憶手段と、該手段に記憶された画像データを上記通信手段によって上記外部装置へ配信する配信手段とを有する画像処理装置における画像処理方法であって、上記画像記憶手段に記憶された画像データを上記通信手段によって上記外部装置へ配信する際に、その画像データを上記外部装置で利用可能な所定フォーマットに変換するものである。
請求項13の発明による画像処理方法は、請求項12の画像処理方法において、上記所定フォーマットを、パーソナルコンピュータ等の汎用性のある情報処理装置で利用可能な汎用フォーマットとしたものである。
【0015】
請求項14の発明による画像処理方法は、請求項12又は13の画像処理方法において、上記画像読取手段によって読み取られた画像データを上記画像記憶手段に記憶させる際に、その画像データを圧縮し、上記画像記憶手段に記憶された圧縮された画像データを上記通信手段によって上記外部装置へ配信する際に、その画像データを伸張し、その伸張した画像データをフォーマット変換するものである。
請求項15の発明による画像処理方法は、請求項12又は13の画像処理方法において、上記画像記憶手段に記憶された画像データを上記通信手段によって上記外部装置へ配信する際に、その画像データの解像度を予め設定された解像度に変換し、その変換した画像データをフォーマット変換するものである。
【0016】
請求項16の発明による画像処理方法は、請求項12又は13の画像処理方法において、上記画像記憶手段に記憶された画像データを上記通信手段によって上記外部装置へ配信する際に、その画像データを予め設定されたガンマ補正データに基づいてガンマ補正し、そのガンマ補正した画像データをフォーマット変換するものである。
請求項17の発明による画像処理方法は、請求項12又は13の画像処理方法において、上記画像記憶手段に記憶された画像データを上記通信手段によって上記外部装置へ配信する際に、その画像データを色補正し、その色補正した画像データをフォーマット変換するものである。
【0017】
請求項18の発明によるプログラムは、外部装置と通信する通信手段と、画像データを記憶する画像記憶手段とを有する画像処理装置を制御するコンピュータに、上記画像記憶手段に記憶された画像データをパーソナルコンピュータ等の汎用性のある情報処理装置で利用可能な汎用フォーマット等の所定フォーマットに変換するフォーマット変換機能と、該機能によってフォーマット変換された画像データを上記通信手段によって上記外部装置へ配信する配信機能とを実現させるためのものである。
【0018】
請求項19の発明によるプログラムは、外部装置と通信する通信手段と、圧縮された画像データを記憶する画像記憶手段とを有する画像処理装置を制御するコンピュータに、上記画像記憶手段に記憶された圧縮された画像データを伸張する伸張機能と、該機能によって伸張した画像データをパーソナルコンピュータ等の汎用性のある情報処理装置で利用可能な汎用フォーマット等の所定フォーマットに変換するフォーマット変換機能と、該機能によってフォーマット変換された画像データを上記通信手段によって上記外部装置へ配信する配信機能とを実現させるためのものである。
【0019】
請求項20の発明によるプログラムは、外部装置と通信する通信手段と、画像データを記憶する画像記憶手段とを有する画像処理装置を制御するコンピュータに、上記画像記憶手段に記憶された画像データの解像度を予め設定された解像度に変換する解像度変換機能と、該機能によって変換した画像データをパーソナルコンピュータ等の汎用性のある情報処理装置で利用可能な汎用フォーマット等の所定フォーマットに変換するフォーマット変換機能と、該機能によってフォーマット変換された画像データを上記通信手段によって上記外部装置へ配信する配信機能とを実現させるためのものである。
【0020】
請求項21の発明によるプログラムは、外部装置と通信する通信手段と、画像データを記憶する画像記憶手段とを有する画像処理装置を制御するコンピュータに、上記画像記憶手段に記憶された画像データを予め設定されたガンマ補正データに基づいてガンマ補正するガンマ補正機能と、該機能によって変換した画像データをパーソナルコンピュータ等の汎用性のある情報処理装置で利用可能な汎用フォーマット等の所定フォーマットに変換するフォーマット変換機能と、該機能によってフォーマット変換された画像データを上記通信手段によって上記外部装置へ配信する配信機能とを実現させるためのものである。
【0021】
請求項22の発明によるプログラムは、外部装置と通信する通信手段と、画像データを記憶する画像記憶手段とを有する画像処理装置を制御するコンピュータに、上記画像記憶手段に記憶された画像データを色補正する色補正機能と、該機能によって色補正した画像データをパーソナルコンピュータ等の汎用性のある情報処理装置で利用可能な汎用フォーマット等の所定フォーマットに変換するフォーマット変換機能と、該機能によってフォーマット変換された画像データを上記通信手段によって上記外部装置へ配信する配信機能とを実現させるためのものである。
請求項23の発明による記録媒体は、請求項18〜22のいずれかのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いてこの発明の実施の形態の説明を行う。
以下、この発明の実施形態を図面に基づいて具体的に説明する。
図1は、この発明による画像処理装置を含む画像形成装置の一実施形態であるMFP(Multi Function Printer)のようなデジタル複写機の構成例をコピー時の画像データの流れと共に示すブロック図である。
図2は、図1のスキャナ補正部2の構成例を示すブロック図である。
図3は、図1のプリンタ補正部6の構成例を示すブロック図である。
【0023】
このデジタル複写機は、大きく分けて、プロッタエンジン部(以下単に「エンジン部」という)とプリンタコントローラ部と後述するオペレーションパネル20(図6参照)とによって構成されている。
エンジン部は、読み取りユニット(スキャナ部)1,スキャナ補正部2,固定長多値圧縮器3,エンジンコントローラ4,固定長多値伸張器5,プリンタ補正部6,GAVD(書き込みユニット)7,作像ユニット8,およびFAXコントローラ9等によって構成されている。
プリンタコントローラ部は、プリンタコントローラ11,半導体メモリ12,HDD(ハードディスク装置)13,画像フォーマット変換ユニット14,およびNIC(ネットワーク・インタフェース・コントローラ)等によって構成されている。
なお、このデジタル複写機の画像処理装置は、エンジン部の印刷手段(画像形成手段)に相当する部分(例えばGAVD7,作像ユニット8)を除く部分によって構成される。
【0024】
エンジン部とプリンタコントローラ部とは、汎用バスインタフェース(以下「インタフェース」を「I/F」という)16によって接続されている。
エンジン部の読み取りユニット1は、画像読取手段であり、読み取り位置(例えばコンタクトガラス上)にセット(載置)された原稿あるいは読み取り位置を通過中の原稿の画像を光学的に読み取る。このとき、R(レッド),G(グリーン),B(ブルー)の色分解光毎に光電変換して増幅させ、電気的な画像信号であるRGB各色8ビット(8ビット以外でもよい)の画像データとしてスキャナ補正部2へ送出する。
なお、読み取り用の原稿は、ユーザによって読み取りユニット1の読み取り位置にセットされるか、ADF(自動原稿給送装置)によって原稿台上の原稿が1枚ずつ自動給送されて読み取り位置にセットされるか、あるいはそのADFによって読み取り位置を単に通過する。また、ここでは読み取りユニット1によって読み取った画像データを各色8ビットとしたが、これに限るものではない。
【0025】
スキャナ補正部2は、図2に示すように、スキャナガンマ(γ)補正部101,フィルタ処理部102,色補正部103,および変倍処理部104によって構成されており、それらにより読み取りユニット1から送られてくる画像データに対してスキャナガンマ(γ)補正処理,フィルタ処理,色補正処理(RGB系からCMYK系への色変換),変倍処理を順次行い、それらの画像処理を行った画像データを固定長多値圧縮器(固定長の非可逆圧縮器)3へ送出する。
固定長多値圧縮器3は、圧縮手段であり、スキャナ補正部2から送られてくる画像データを非可逆圧縮(符号化)する。つまり、CMYK各色8ビットの色データ(色信号)を各色2ビット(2ビット以外でもよい)の色データに変換する。
この固定長多値圧縮器3の出力部は汎用バスI/F16につながっているため、非可逆圧縮後のCMYK系の画像データは汎用バスI/F16を通ってプリンタコントローラ部のプリンタコントローラ11に送られる。
【0026】
プリンタコントローラ11は、CPU(中央処理装置),ROM,RAMを含むマイクロコンピュータを用いており、プリンタコントローラ部全体を統括的に制御する。
半導体メモリ12は、CMYK各色毎に独立しており、プリンタコントローラ11の制御によってCMYK系の画像データを蓄積(記憶)することができる。HDD13は、大容量記憶装置であり、多量の画像データやジョブ履歴データ、この発明に係わるプログラムを含む各種プログラムなど、各種のデータを蓄積して保存することができる。なお、HDD13および半導体メモリ12が画像記憶手段に相当する。また、HDD13の代わりに、光ディスク装置等の他の大容量記憶装置を使用することもできる。
【0027】
ここで、半導体メモリ12に蓄積された画像データは、随時HDD13にも蓄積される。これは、印刷(プリントアウト)時に用紙が詰まり、印刷が正常に終了しなかった場合でも、再び同じ原稿を読み直すのを避けるためであったり、複数枚の原稿の画像データを並べ替える電子ソートを行うためである。近年は、これだけでなく、読み取った原稿の画像データを蓄積しておき、必要なときに再出力(再印刷又は再配信)する機能が追加されているデジタル複写機も存在する。また、ここではCMYK系の画像データに対して非可逆の圧縮を施すとしたが、汎用バスI/F16の帯域が十分に広く、蓄積するHDD13の記憶容量が大きければ、非圧縮の状態でデータを扱っても良い。その方が、非可逆な圧縮による画像劣化を防ぐことができる。
コピー時には、HDD13内のCMYK系の画像データ(圧縮データ)は、プリンタコントローラ11によって一度半導体メモリ12に展開され、次に汎用バスI/F16を通り、エンジン部の固定長多値伸張器5に送られる。
【0028】
エンジン部の固定長多値伸張器(固定長の非可逆伸張器)5は、伸張手段であり、プリンタコントローラ部から送られてくる画像データ(圧縮データ)を伸張(復号化)する。つまり、CMYK各色2ビットの色データを各色8ビットの色データに変換する。そして、その変換後の画像データをプリンタ補正部6に送出する。
プリンタ補正部6は、プリンタガンマ補正部110および中間調処理部111によって構成されており、それらにより固定長多値伸張器5から送られてくる画像データであるCMYK各色の色データに対して順次プリンタガンマ補正処理,GAVD7および作像ユニット8に合わせた中間調処理を順次行い、それらの画像処理を行った画像データを各色毎にGAVD7へ送出する。
【0029】
GAVD7は、プリンタ補正部6から送られてくるC画像データに基づいて図示しない半導体レーザ(レーザダイオード)を変調駆動して対応するレーザビームを射出させ、ポリゴンミラー(回転多面鏡)によって周期的に偏向させ、走査レンズによって集束させたレーザビームにより副走査方向に回転するドラム状又はベルト状の感光体上(作像ユニット8の帯電器によって予め一様に帯電されている)を主走査方向に反復走査することにより静電潜像を形成させる。以後、プリンタ補正部6から順次送られてくるM,Y,Kの各画像データに対しても上述と同様の処理を行う。
【0030】
作像ユニット8は、公知の作像処理を行う。例えば、帯電器によって感光体上を一様に帯電させ、C用の現像ユニットによって感光体上に形成されたY画像データに対応する静電潜像にCトナーを付着させてCトナー画像を形成させ、それを1次転写ユニットによってベルト状又はドラム状の中間転写体上に転写する。次に、M用の現像ユニットによって感光体上に形成されたM画像データに対応する静電潜像にMトナーを付着させてMトナー画像を形成させ、それを1次転写ユニットによって中間転写体のCトナー画像上に転写する。以後、Y,K用の各現像ユニットによっても順次上述と同様の処理を行うことにより、中間転写体上に4色重ねのトナー画像を形成させ、その4色重ねのトナー画像を給紙部から給紙させた用紙(転写紙)上に2次転写ユニットによって一括転写させた後、その用紙上のトナー画像を定着ユニットによって溶融定着させ、この定着処理後の用紙(コピー)を排紙部に排紙させる。なお、作像順はCMYKに限らない。
【0031】
エンジンコントローラ4は、CPU,ROM,RAMを含むマイクロコンピュータを用いており、エンジン部全体を統括的に制御する。
FAXコントローラ9は、公衆回線を介してFAX装置やFAX機能を有する他のデジタル複写機等の画像形成装置との間でFAXデータ(画像データ)の送受信を制御する。
画像フォーマット変換ユニット14は、フォーマット変換手段であり、画像データをフォーマット変換するなどの各種処理を行うが、追って詳細に説明する。
NIC15は、通信手段であり、LAN(ローカル・エリア・ネットワーク)等のネットワーク上のパソコン30(外部PC)等の外部装置と通信する。
オペレーションパネル20(図6)は、コピーボタン(コピーキー)等の各種操作ボタンと、各種情報を表示する表示器とを備えている。
【0032】
以下、このように構成したこのデジタル複写機におけるこの発明に係る部分の各実施形態について、図4以降の図面を参照して具体的に説明する。
まず、第1実施形態について説明する。
図4は、このデジタル複写機の構成例を配信時の画像データの流れと共に示すブロック図である。
図5は、図4の画像フォーマット変換ユニット14の構成例を示すブロック図である。
【0033】
図1と図4を比べると分かるように、HDD13に蓄積されるまでの画像データの流れはコピー時と同じであるので、その説明は省略する。
HDD13にはコピー時と同じパスを通ったCMYK系の圧縮された2ビットの画像データが蓄積されている。
ネットワークを介してパソコン30に画像データを配信する場合、プリンタコントローラ11内のCPUは、HDD13に蓄積されているCMYK系の2ビットの画像データ(圧縮データ)を読み出して一度半導体メモリ12に展開した後、その展開した画像データを読み出し、汎用バスI/F16を介して画像フォーマット変換ユニット14へ送出し、以下の処理を行わせる。
【0034】
画像フォーマット変換ユニット14は、図5に示すように、伸張処理部121,解像度変換部122,ガンマ補正部123,色補正部124,および汎用フォーマット処理部125によって構成されており、それによりプリンタコントローラ11から汎用バスI/F16を介して送られてくる画像データに対して画像フォーマット変換処理(画像処理)を行う。
すなわち、その画像データ(圧縮データ)を伸張処理部121が伸張し(CMYK各色2ビットの色データを各色8ビットの色データに変換し)、その伸張した画像データの解像度を解像度変換部122が予め設定された解像度に変換し、その解像度変換した画像データを予め設定されたガンマ補正データ(ガンマカーブ)に基づいてガンマ補正し、そのガンマ補正した画像データを色補正部124が色補正し(CMYK系からRGB系へ色変換し)、その色補正した画像データを汎用フォーマット処理部125が汎用フォーマットに変換する。
【0035】
なお、色補正部124は、画像データをCMYK系からRGB系に変換するだけでなく、sRGBやYUVといったどのような色座標系(色空間)にでも、オペレーションパネル20又はパソコン30上でのユーザによる操作(指定)によって変換することが可能である。
プリンタコントローラ11のCPUは、画像フォーマット変換ユニット14によってフォーマット変換処理が行われた画像データをNIC15によってネットワーク上のパソコン30又は汎用性のある他の情報処理装置(外部装置)へ配信する。
【0036】
ここで、画像フォーマット変換ユニット14について、もう少し詳細に説明する。
画像フォーマット変換ユニット14内の汎用フォーマット処理部125は、色補正部124によって色補正された画像データを外部装置であるパソコン30等の汎用性のある情報処理装置で利用(閲覧又は編集・加工)可能な汎用フォーマット(所定フォーマット)に変換する。例えば、JPEG(Joint PhotographicExpert Group),BPM(Bitmap)形式,又はTIFF(Tagged Image File Format)形式に変換する。
なお、第1実施形態では、プリンタコントローラ11内のCPUが、ROM又はHDD13(記録媒体)等に記憶(記録)されているこの発明に係わるプログラムに従って動作することにより、配信手段としての機能を実現することができる。
【0037】
このように、プリンタコントローラ11内のCPUが、半導体メモリ12から読み出した画像データ(HDD13に記憶された画像データ)に対して画像フォーマット変換ユニット14によって上述した画像フォーマット変換処理を行わせ、その処理が行われた画像データをNIC15によってネットワーク上のパソコン30へ配信することにより、同じ原稿に対してコピーと配信の両方を行うような場合でも、その原稿の画像読み取りが1回で済むので、ユーザによる作業性を向上させることができる。また、原稿から読み取った画像データをパソコン30で閲覧したり、編集・加工したりなど、そのまま利用することも可能になる。
【0038】
なお、画像フォーマット変換ユニット14に、汎用フォーマット処理部125の代わりに専用フォーマット処理部を備え、色補正部124によって色補正された画像データを汎用性のある情報処理装置以外の外部装置で利用可能な専用フォーマット(所定フォーマット)に変換するようにすることもできる。この場合、その外部装置が専用フォーマットの画像データを利用するための専用ソフト(専用プログラム)を備えているものとする。よって、原稿から読み取った画像データを汎用性のある情報処理装置以外の外部装置で閲覧したり、編集・加工したりなど、そのまま利用することも可能になる。
【0039】
また、画像フォーマット変換ユニット14が、汎用フォーマット処理部125(又は専用フォーマット処理部)の他に、伸張処理部121,解像度変換部122,ガンマ補正部123,色補正部124を備えているが、汎用フォーマット処理部125以外は必ずしも備える必要はない。この場合、プリンタコントローラ11内のCPUが、半導体メモリ12から読み出した画像データをそのまま画像フォーマット変換ユニット14の汎用フォーマット処理部125(又は専用フォーマット処理部)によって汎用フォーマット(又は専用フォーマット)に変換し、そのフォーマット変換された画像データをNIC15によってネットワーク上のパソコン30又は他の外部装置へ配信することができる。
【0040】
あるいは、画像フォーマット変換ユニット14が、汎用フォーマット処理部125(又は専用フォーマット処理部)の他に、伸張処理部121,解像度変換部122,ガンマ補正部123,色補正部124のいずれか1つ又は複数(任意の組み合わせ)を備えるようにしてもよい。この場合、プリンタコントローラ11内のCPUが、以下の(1)〜(5)のいずれか1つ又は複数の処理を行うことができる。
(1)半導体メモリ12から読み出した画像データ(圧縮データ)を画像フォーマット変換ユニット14内の伸張処理部121によって伸張した後、その伸張した画像データを汎用フォーマット処理部125(又は専用フォーマット処理部)によって汎用フォーマット(又は専用フォーマット)に変換し、そのフォーマット変換された画像データをNIC15によってネットワーク上のパソコン30又は他の外部装置へ配信する。
【0041】
(2)半導体メモリ12から読み出した画像データの解像度を画像フォーマット変換ユニット14内の解像度変換部122によって変換した後、その変換した画像データを汎用フォーマット処理部125(又は専用フォーマット処理部)によって汎用フォーマット(又は専用フォーマット)に変換し、そのフォーマット変換された画像データをNIC15によってネットワーク上のパソコン30又は他の外部装置へ配信する。
(3)半導体メモリ12から読み出した画像データを画像フォーマット変換ユニット14内のガンマ補正部123によってガンマ補正した後、そのガンマ補正した画像データを汎用フォーマット処理部125(又は専用フォーマット処理部)によって汎用フォーマット(又は専用フォーマット)に変換し、そのフォーマット変換された画像データをNIC15によってネットワーク上のパソコン30又は他の外部装置へ配信する。
【0042】
(4)半導体メモリ12から読み出した画像データを画像フォーマット変換ユニット14内の色補正部124によって色補正(CMYK系からRGB系に変換)した後、その色補正した画像データを汎用フォーマット処理部125(又は専用フォーマット処理部)によって汎用フォーマット(又は専用フォーマット)に変換し、そのフォーマット変換された画像データをNIC15によってネットワーク上のパソコン30又は他の外部装置へ配信する。
【0043】
次に、第2実施形態について説明する。
図6は、このデジタル複写機の構成例をHDD13に蓄積されるまでの画像データの流れ,配信時の画像データの流れ,コピー時の画像データの流れと共に示すブロック図である。
図7は、図6の画像フォーマット変換ユニット14の各部とオペレーションパネル20との接続例を示す図である。
【0044】
この第2実施形態において、第1実施形態(図4)と異なる点は、プリンタコントローラ11が、オペレーションパネル20上でのユーザによる操作(パソコン30等の外部装置上でのユーザによる操作でもよい)によって発生した要求(操作信号)により、画像フォーマット変換ユニット14内の解像度変換部122が変換する解像度を変更可能に設定(選択)したり、ガンマ補正部123がガンマ補正に使用するガンマ補正データ(ガンマカーブ)を変更可能に設定したり、汎用フォーマット処理部125が変換する汎用フォーマット(又は専用フォーマット)を変更可能に設定したりする点である。
【0045】
プリンタコントローラ11は、ユーザによってオペレーションパネル20上のドキュメントボックスボタンが押下されると、対応する読み取り要求コマンドを汎用バスI/F16を介してエンジンコントローラ4に送出する。
エンジンコントローラ4は、読み取り要求コマンドを受信すると、読み取りユニット1に読み取りを指示する。
読み取りユニット1は、エンジンコントローラ4からの読み取り指示により、原稿の画像を読み取る。読み取られた画像データは、図6に矢印付きの1点鎖線で示す画像処理パスを通ってHDD13に蓄積される(第1実施形態の説明の際に上述したので詳細は明記しない)
【0046】
例えば、ユーザ(オペレータ)であるAさん、Bさん、Cさんがデジタル複写機を使用する場合、HDD13に蓄積された画像データに対して、Aさんがコピー画像が欲しいという要求を、Bさんが解像度300dpi,JPEG形式の電子画像データが欲しいという要求を、Cさんが解像度100dpi,ガンマの濃度を一段濃くしてBMP形式の電子画像データが欲しいという要求をそれぞれするものとする。
Aさんがオペレーションパネル20上のコピーボタンを押すと、Aさんの要求はプリンタコントローラ11に送られる。プリンタコントローラ11は、コピー画像が欲しいというAさんの要求を受けてHDD13に蓄積された画像データを一度半導体メモリ12で展開し、エンジン部に送る。つまり、図6に矢印付きの実線で示すパスを通って画像データがGAVD7に出力され、作像ユニット8によりコピー画像として出力される。
【0047】
Bさんはオペレーションパネル20上の配信ボタンを押す。そして、解像度として300dpiを選択すると共に、フォーマットとしてJPEG形式を選択する。それによって、Bさんの要求はプリンタコントローラ11に送られる。プリンタコントローラ11は、Bさんの要求を受けて、HDD13に蓄積された画像データを一度半導体メモリ12で展開し、図6の矢印付きの破線で示すように、画像フォーマット変換ユニット14に送って画像フォーマット変換処理を行わせる。
画像フォーマット変換ユニット14では、オペレーションパネル20上の操作によって選択された情報により、プリンタコントローラ11によって解像度変換部122が変換する解像度を300dpiとして設定し、汎用フォーマット処理部125が変換する汎用フォーマット形式をJPEG形式として設定した後、プリンタコントローラ11から送られてくる画像データに対して画像フォーマット変換処理を行う。
【0048】
すなわち、その画像データ(圧縮データ)を伸張処理部121が伸張し、その伸張した画像データの解像度を解像度変換部122が予め設定された解像度(この例では300dpi)に変換し、その解像度変換した画像データを予め設定されたガンマ補正データに基づいてガンマ補正し、そのガンマ補正した画像データを色補正部124が色補正し、その色補正した画像データを汎用フォーマット処理部125が汎用フォーマット(この例ではJPEG形式)に変換する。
画像フォーマット変換ユニット14によって画像フォーマット変換処理(画像処理)が行われた画像データは、図6に矢印付きの破線で示すパスを通ってNIC15に送られ、ネットワーク上のパソコン30又は他の外部装置へ配信される。
【0049】
Cさんはオペレーションパネル20上の配信ボタンを押す。そして、解像度として100dpiを選択し、ガンマの濃度が一段濃くなるような濃度を選択し、更にフォーマット形式としてBMP形式を選択する。これらの要求は、プリンタコントローラ11に送られる。プリンタコントローラ11は、Cさんの要求を受けてHDD13に蓄積された画像データを一度半導体メモリ12で展開し、画像フォーマット変換ユニット14に送って画像フォーマット変換処理を行わせる。画像フォーマット変換ユニット14では、オペレーションパネル20上の操作によって選択された情報により、プリンタコントローラ11によって解像度変換部122が変換する解像度を100dpiとして設定し、ガンマ補正部123がガンマ補正に使用するガンマ補正データとしてガンマの濃度が一段濃くなるような濃度に対応するガンマ補正データを設定し、汎用フォーマット処理部125が変換する汎用フォーマット形式をBMP形式として設定した後、プリンタコントローラ11から送られてくる画像データに対して画像フォーマット変換処理を行う。
【0050】
すなわち、その画像データ(圧縮データ)を伸張処理部121が伸張し、その伸張した画像データの解像度を解像度変換部122が予め設定された解像度(この例では100dpi)に変換し、その解像度変換した画像データを予め設定されたガンマ補正データ(この例ではガンマの濃度が一段濃くなるような濃度に対応するもの)に基づいてガンマ補正し、そのガンマ補正した画像データを色補正部124が色補正し、その色補正した画像データを汎用フォーマット処理部125が汎用フォーマット(この例ではBMP形式)に変換する。
画像フォーマット変換ユニット14によって画像フォーマット変換処理が行われた画像データはNIC15に送られ、ネットワーク上のパソコン30又は他の外部装置へ配信される。
【0051】
なお、第2実施形態では、プリンタコントローラ11内のCPUが、ROM又はHDD13等に記憶されているこの発明に係わるプログラムに従って動作することにより、配信手段,解像度設定手段,ガンマ補正データ設定手段,およびフォーマット設定手段としての機能を実現することができる。
この第2実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果に加え、次のような効果も得ることができる。
【0052】
HDD13には、読み取りユニット(スキャナ)1が原稿の画像を600dpiで読み取るものであれば、600dpiで読み取られたCMYKの画像データが蓄積されるが、その600dpiの画像データを配信するには、データ量が大きいので、その画像データを低解像度の100dpiや200dpiに変換することが考えられる。しかし、ユーザによっては、データ量が大きくても良好な画質が欲しい、もっと画像の濃度を濃くまたは薄くして配信したい、JPEG形式で配信したい、BMP形式で配信したい、など要望はさまざまである。
第2実施形態によれば、このようなさまざまなユーザの要望にあわせて任意の解像度,ガンマ補正テーブル(ガンマの濃度),汎用フォーマット形式(又は専用フォーマット形式)を選択できるため、ユーザの要望に合わせた配信画像を得ることができる。
【0053】
次に、第3実施形態について説明する。
図8は、図6の画像フォーマット変換ユニット14の各部とオペレーションパネル20との他の接続例を示す図である。
この第3実施形態において、第2実施形態(図6)と異なる点は、プリンタコントローラ11が、オペレーションパネル20上でのユーザによる操作(パソコン30等の外部装置上でのユーザによる操作でもよい)によって発生した要求により、半導体メモリ12又はHDD13に蓄積(記憶)すべき画像データの画質モードを変更可能に設定し、その設定した画質モードに応じて画像フォーマット変換ユニット14内の色補正部124によって画像データをCMYK系からRGB系へ変換する色補正のパラメータ(色変換パラメータ)を切り替える点である。
【0054】
ここで、メタメリズムという読み取りユニット(スキャナ)1の分光感度が人間の目と異なるために生じる現象により、印画紙と印刷物では、測色的には同じ色であっても読み取りユニット1から入力されるRGB系の画像データ(RGB信号)としては大きくずれてしまい、その結果、1つの色変換パラメータで、あらゆる原稿に対し、色味一致を行うのは不可能であり、印刷原稿について色味の一致を行ったとすると、印画紙原稿では、色味が合わなくなるという問題点がある。
このような問題を解決するために、プリンタコントローラ11は、オペレーションパネル20上でのユーザによる操作によって発生した要求により、半導体メモリ12又はHDD13に蓄積すべき画像データの画質モードを変更可能に設定し、その設定した画質モードに応じて色補正部124内の色変換パラメータを切り替える。
【0055】
これにより、画質モードに合った色変換(色補間)を行うことができるため、色味が一致し、高画質の画像を得ることができる。
さまざまな観察条件の基で正確な色再現を実現する色補正装置,色管理方法,および装置は、公知のものであり、例えば特開平9−107484号公報などに記載されている。
なお、第3実施形態では、プリンタコントローラ11内のCPUが、ROM又はHDD13等に記憶されているこの発明に係わるプログラムに従って動作することにより、配信手段,解像度設定手段,ガンマ補正データ設定手段,フォーマット設定手段,画質モード設定手段,および色補正パラメータ切替手段としての機能を実現することができる。
【0056】
ところで、画像フォーマット変換ユニット14は専用のハードウェアであり、それによって処理の高速化を図っている。しかし、汎用性を高めるために、画像フォーマット変換ユニット14の各部の機能をプログラマブルなプロセッサによって構成するようにしてもよいし、プリンタコントローラ11のCPUあるいはこれとは別に設けたCPUに所定のプログラムを実行させることにより、画像フォーマット変換ユニット14の各部の機能を実現させるようにしてもよい。
この場合において、この発明に係わるプログラム(画像フォーマット変換ユニット14の各部の機能を実現するためのプログラムおよび配信機能等を実現するためのプログラム)は、プリンタコントローラ11に設けたROM又はHDD13等に記録(格納)しておけばよいが、記録媒体である別のROM等のメモリに記録して提供することもできる。
【0057】
また、SRAMやEEPROM、メモリカード,光ディスク(CD−ROM等)のような、他の不揮発性記録媒体(メモリ)に記録して提供することももちろん可能である。この場合、デジタル複写機にその不揮発性記録媒体を挿着するための手段を備えた記録媒体読取装置(光ディスク装置等)を備えるか外付けできれば、その不揮発性記録媒体を記録媒体読取装置に挿着して、その不揮発性記録媒体に記録されているプログラムを読み取ってHDD13にインストールさせることにより、この発明による機能を実現させることができる。この発明に係わるプログラムを記憶させるメモリを書き換え可能な不揮発性記憶手段とすれば、技術の進歩に応じたプログラムのアップデートが容易になる。
【0058】
さらに、NIC15に接続されたネットワークに接続され、この発明に係わるプログラムを記録した記録媒体を備える外部装置からダウンロードして実行させるようにすることも可能である。
以上、この発明をデジタル複写機に用いられている画像処理装置に適用した実施形態について説明したが、この発明はこれに限らず、デジタル複合機,FAX装置等の画像形成装置やスキャナ装置に用いられている画像処理装置にも適用可能である。
【0059】
【発明の効果】
以上説明してきたように、この発明によれば、同じ原稿に対してコピーと配信の両方を行うような場合でも、その原稿の画像読み取りを1回で済むため、ユーザによる作業性を向上させることができる。また、原稿から読み取った画像データを外部装置で閲覧したり、編集・加工したりなど、そのまま利用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による画像処理装置を含む画像形成装置の一実施形態であるデジタル複写機の構成例をコピー時の画像データの流れと共に示すブロック図である。
【図2】図1のスキャナ補正部2の構成例を示すブロック図である。
【図3】図1のプリンタ補正部6の構成例を示すブロック図である。
【図4】図1のデジタル複写機の構成例を配信時の画像データの流れと共に示すブロック図である。
【図5】図4の画像フォーマット変換ユニット14の構成例を示すブロック図である。
【図6】図1のデジタル複写機の構成例をHDD13に蓄積されるまでの画像データの流れ,配信時の画像データの流れ,コピー時の画像データの流れと共に示すブロック図である。
【図7】図6の画像フォーマット変換ユニット14の各部とオペレーションパネル20との接続例を示す図である。
【図8】図6の画像フォーマット変換ユニット14の各部とオペレーションパネル20との他の接続例を示す図である。
【符号の説明】
1:読み取りユニット 2:スキャナ補正部
3:固定長多値圧縮器 4:エンジンコントローラ
5:固定長多値伸張器 6:プリンタ補正部
7:GAVD 8:作像ユニット
9:FAXコントローラ 11:プリンタコントローラ
12:半導体メモリ 13:HDD
14:画像フォーマット変換ユニット
15:NIC 16:汎用バスI/F
20:オペレーションパネル 30:パソコン
101:スキャナガンマ補正部
102:フィルタ処理部 103:色補正部
104:変倍処理部 110:プリンタガンマ補正部
111:中間調処理部 121:伸張処理部
122:解像度変換部 123:ガンマ補正部
124:色補正部 125:汎用フォーマット処理部
Claims (23)
- 外部装置と通信する通信手段と、原稿の画像を読み取る画像読取手段と、該手段によって読み取られた画像データを記憶する画像記憶手段と、該手段に記憶された画像データを前記通信手段によって前記外部装置へ配信する配信手段とを有する画像処理装置において、
前記画像記憶手段に記憶された画像データを前記外部装置で利用可能な所定フォーマットに変換するフォーマット変換手段を設け、
前記配信手段が、前記フォーマット変換手段によってフォーマット変換された画像データを前記通信手段によって前記外部装置へ配信する手段であることを特徴とする画像処理装置。 - 請求項1記載の画像処理装置において、
前記フォーマット変換手段が、前記画像記憶手段に記憶された画像データをパーソナルコンピュータ等の汎用性のある情報処理装置で利用可能な汎用フォーマットに変換する手段であることを特徴とする画像処理装置。 - 請求項1又は2記載の画像処理装置において、
前記画像記憶手段に記憶すべき画像データを圧縮する圧縮手段を設け、
前記フォーマット変換手段が、前記圧縮手段によって圧縮された画像データを伸張する伸張手段を有し、前記画像記憶手段に記憶された圧縮された画像データを前記伸張手段によって伸張した後、その伸張した画像データをフォーマット変換する手段であることを特徴とする画像処理装置。 - 請求項1又は2記載の画像処理装置において、
前記フォーマット変換手段が、画像データの解像度を予め設定された解像度に変換する解像度変換手段を有し、前記画像記憶手段に記憶された画像データの解像度を前記解像度変換手段によって変換した後、その変換した画像データをフォーマット変換する手段であることを特徴とする画像処理装置。 - 請求項4記載の画像処理装置において、
前記解像度変換手段が変換する解像度を変更可能に設定する解像度設定手段を設けたことを特徴とする画像処理装置。 - 請求項1又は2記載の画像処理装置において、
前記フォーマット変換手段が、画像データを予め設定されたガンマ補正データに基づいてガンマ補正するガンマ補正手段を有し、前記画像記憶手段に記憶された画像データを前記ガンマ補正手段によってガンマ補正した後、そのガンマ補正された画像データをフォーマット変換する手段であることを特徴とする画像処理装置。 - 請求項6記載の画像処理装置において、
前記ガンマ補正手段がガンマ補正に使用するガンマ補正データを変更可能に設定するガンマ値設定手段を設けたことを特徴とする画像処理装置。 - 請求項1又は2記載の画像処理装置において、
前記フォーマット変換手段が、画像データを色補正する色補正手段を有し、前記画像記憶手段に記憶された画像データが前記色補正手段によって色補正した後、その色補正した画像データをフォーマット変換する手段であることを特徴とする画像処理装置。 - 請求項8記載の画像処理装置において、
前記画像記憶手段が、CMYK系の画像データを記憶する手段であり、
前記色補正手段が、画像データをCMYK系からRGB系に変換する手段であり、
前記フォーマット変換手段が、前記画像記憶手段に記憶された画像データを前記色補正手段によってCMYK系からRGB系に変換した後、その変換した画像データをフォーマット変換する手段であることを特徴とする画像処理装置。 - 請求項9記載の画像処理装置において、
前記画像記憶手段に記憶すべき画像データの画質モードを変更可能に設定する画質モード設定手段と、
該手段によって設定された画質モードに応じて前記色補正手段によって画像データをCMYK系からRGB系へ変換する色補正のパラメータを切り替える色補正パラメータ切替手段と
を設けたことを特徴とする画像処理装置。 - 請求項1乃至10のいずれか一項に記載の画像処理装置において、
前記フォーマット変換手段が変換するフォーマットを変更可能に設定するフォーマット設定手段を設けたことを特徴とする画像処理装置。 - 外部装置と通信する通信手段と、原稿の画像を読み取る画像読取手段と、該手段によって読み取られた画像データを記憶する画像記憶手段と、該手段に記憶された画像データを前記通信手段によって前記外部装置へ配信する配信手段とを有する画像処理装置における画像処理方法であって、
前記画像記憶手段に記憶された画像データを前記通信手段によって前記外部装置へ配信する際に、その画像データを前記外部装置で利用可能な所定フォーマットに変換することを特徴とする画像処理方法。 - 請求項12記載の画像処理方法において、
前記所定フォーマットは、パーソナルコンピュータ等の汎用性のある情報処理装置で利用可能な汎用フォーマットであることを特徴とする画像処理方法。 - 請求項12又は13記載の画像処理方法において、
前記画像読取手段によって読み取られた画像データを前記画像記憶手段に記憶させる際に、その画像データを圧縮し、前記画像記憶手段に記憶された圧縮された画像データを前記通信手段によって前記外部装置へ配信する際に、その画像データを伸張し、その伸張した画像データをフォーマット変換することを特徴とする画像処理方法。 - 請求項12又は13記載の画像処理方法において、
前記画像記憶手段に記憶された画像データを前記通信手段によって前記外部装置へ配信する際に、その画像データの解像度を予め設定された解像度に変換し、その変換した画像データをフォーマット変換することを特徴とする画像処理方法。 - 請求項12又は13記載の画像処理方法において、
前記画像記憶手段に記憶された画像データを前記通信手段によって前記外部装置へ配信する際に、その画像データを予め設定されたガンマ補正データに基づいてガンマ補正し、そのガンマ補正した画像データをフォーマット変換することを特徴とする画像処理方法。 - 請求項12又は13記載の画像処理方法において、
前記画像記憶手段に記憶された画像データを前記通信手段によって前記外部装置へ配信する際に、その画像データを色補正し、その色補正した画像データをフォーマット変換することを特徴とする画像処理方法。 - 外部装置と通信する通信手段と、画像データを記憶する画像記憶手段とを有する画像処理装置を制御するコンピュータに、
前記画像記憶手段に記憶された画像データをパーソナルコンピュータ等の汎用性のある情報処理装置で利用可能な汎用フォーマット等の所定フォーマットに変換するフォーマット変換機能と、該機能によってフォーマット変換された画像データを前記通信手段によって前記外部装置へ配信する配信機能とを実現させるためのプログラム。 - 外部装置と通信する通信手段と、圧縮された画像データを記憶する画像記憶手段とを有する画像処理装置を制御するコンピュータに、
前記画像記憶手段に記憶された圧縮された画像データを伸張する伸張機能と、該機能によって伸張した画像データをパーソナルコンピュータ等の汎用性のある情報処理装置で利用可能な汎用フォーマット等の所定フォーマットに変換するフォーマット変換機能と、該機能によってフォーマット変換された画像データを前記通信手段によって前記外部装置へ配信する配信機能とを実現させるためのプログラム。 - 外部装置と通信する通信手段と、画像データを記憶する画像記憶手段とを有する画像処理装置を制御するコンピュータに、
前記画像記憶手段に記憶された画像データの解像度を予め設定された解像度に変換する解像度変換機能と、該機能によって変換した画像データをパーソナルコンピュータ等の汎用性のある情報処理装置で利用可能な汎用フォーマット等の所定フォーマットに変換するフォーマット変換機能と、該機能によってフォーマット変換された画像データを前記通信手段によって前記外部装置へ配信する配信機能とを実現させるためのプログラム。 - 外部装置と通信する通信手段と、画像データを記憶する画像記憶手段とを有する画像処理装置を制御するコンピュータに、
前記画像記憶手段に記憶された画像データを予め設定されたガンマ補正データに基づいてガンマ補正するガンマ補正機能と、該機能によって変換した画像データをパーソナルコンピュータ等の汎用性のある情報処理装置で利用可能な汎用フォーマット等の所定フォーマットに変換するフォーマット変換機能と、該機能によってフォーマット変換された画像データを前記通信手段によって前記外部装置へ配信する配信機能とを実現させるためのプログラム。 - 外部装置と通信する通信手段と、画像データを記憶する画像記憶手段とを有する画像処理装置を制御するコンピュータに、
前記画像記憶手段に記憶された画像データを色補正する色補正機能と、該機能によって色補正した画像データをパーソナルコンピュータ等の汎用性のある情報処理装置で利用可能な汎用フォーマット等の所定フォーマットに変換するフォーマット変換機能と、該機能によってフォーマット変換された画像データを前記通信手段によって前記外部装置へ配信する配信機能とを実現させるためのプログラム。 - 請求項18乃至22のいずれか一項に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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