JP5021578B2 - 画像処理装置及び画像処理方法 - Google Patents

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本発明は、画像の特性に応じて画像データに対して画像処理を行う画像処理装置及び画像処理方法に関する。
従来より、例えば、デジタルカラー複写機におけるフルカラーコピーモードの作像プロセスはシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、及びブラック(Bk)の4つのそれぞれの基本色に関するコピープロセスを実行し、それらの色を一枚の転写紙上に出力する。また、単色コピーモードのコピープロセスを実行する場合には、1回のコピープロセスで一色の画像を転写紙上に出力する。従って、この種の複写機においては、フルカラーモードと単色モードとでは使用するトナーの量が大きく異なり、複写機の利用者がコピーに要するコストも大きく変わる。また、そのモードによっては、転写紙に出力される画像は大きく異なるため、利用者はカラーモードと単色モードとの切り替えに注意を払う必要があり、原稿に表れる画像(原稿画像)の種類に応じて動作モードを適宜切り換える操作を行わなければならない。この種の動作モードの切り換えの煩わしさを解消するために、原稿画像が有彩画像か無彩画像かを自動的に識別し、その識別結果に応じて複写機の動作モードを自動的に切り換える技術(自動カラー選択:ACS)が知られている。しかしこのACSの判定が誤判定を起こした時、特に無彩画像を有彩画像として誤判定した時には、CMYBkの4版でコピープロセスが実行され、転写紙に出力される画像の色が利用者の期待する色と異なるだけではなく、コピーに要するコストや時間も大きくなってしまう。このため、精度の高い判定を行うことが求められている。
また、近年においては、デジタルカラー複写機は、複写機単体としてだけではなく、デジタル画像データを扱う他の装置との親和性が高まり、ファクシミリ機能、プリンタ機能、配信スキャナ機能などと融合し、複合機(MFP:Multi Function Printer)と呼ばれるようになっている。さらには、HDD(Hard Disc Drive)等の記録メディアの大容量化や低コスト化が進んだことにより、大容量の記憶媒体がMFPに搭載されるようになってきている。この大容量の記憶媒体に、一度スキャンした原稿画像を蓄積したり、他の媒体より入力された画像を蓄積したりすることができる。蓄積されたこれらの画像は、再び読み出すことが可能であり、蓄積時とは異なる用途にも再利用することができる。例えば、原稿画像をスキャナで読取り、配信スキャナ機能で送信された画像をHDDに蓄積しておけば、もう一度原稿画像をスキャナで読み取ることなく、原稿画像を読み取ったMFPとは異なるMFPに画像データを配信したり、転写紙に改めて出力をしたりすることができるようになる。更には、原稿画像のスキャン時には等倍で出力し、しかる後に同じ原稿画像を200%などの変倍率で拡大して出力したりすることもできる。
ところで、従来では、ACSを実行する際に原稿画像を読み取るための本スキャンを行う前に、ACS用のプリスキャンを行う必要があった。しかし、近年の大容量の記憶媒体が搭載されるMFPの中には、ACSの判定結果と画像とを対応付けて記憶媒体に蓄積することにより、プレスキャンを行う回数を減少させ、生産性を図っているものがある(例えば、特許文献1〜3参照)。また、画像データを再利用すると宣言された場合には、画像データに対して予め定めた特性に統一する画像処理を施して記憶媒体に蓄積した後、再利用時には、メモリ装置に蓄積されている画像データに対して、出力先や処理モードに応じた画像処理を行うことにより、再利用性を向上させると共に、出力先や処理モードに対するユーザの要求に効率的に対応することを図る技術が提案されている(例えば、特許文献4参照)。また、画像データが再利用されることを考慮して、予め定めた特性に統一した画像データと共に当該画像データに対するACSの判定結果を付帯情報として記憶媒体に蓄積する技術も提案されている(例えば、特許文献5参照)。
特開2001−119589号公報 特開平03−64267号公報 特開2002−369012号公報 特開2007−88783号公報 特開2007−251835号公報
しかしながら、画像データの再利用時は、利用者の用途に応じて様々な変倍率で原稿画像を変倍して出力することがある。この場合、変倍率によっては、スキャンされた原稿画像の一部しか出力されない場合がある。この場合、原稿画像全体は有彩画像であっても、原稿画像の一部である出力対象の画像は無彩画像である場合がある。従って、この場合、特許文献1〜5の技術においては、記憶媒体に記憶されたACSの判定結果を用いると、転写紙に出力される画像の色が利用者の期待する色と異なるだけではなく、コピーに要するコストや時間も大きくなってしまう恐れがある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、出力対象の画像の特性に応じて画像を出力可能な画像処理装置及び画像処理方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、画像処理装置であって、原稿画像を読み取る読取手段と、前記読取手段が読み取った前記原稿画像を、出力対象の領域に依存しない複数の判定領域に細分化する細分化手段と、前記細分化手段が細分化した前記判定領域毎に画像特徴を判定する第1判定手段と、前記読取手段が読み取った前記原稿画像に対して第1画像処理を行う第1画像処理手段と、前記第1画像処理手段が前記第1画像処理を行った前記原稿画像を、前記判定領域毎の画像特徴を示す特徴情報と対応付けて記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された前記原稿画像に対する出力を指示すると共に、当該原稿画像のうち出力対の領域に相当する出力対象画像を決定するための操作入力を受け付ける入力受付手段と、前記入力受付手段が受け付けた前記操作入力に応じて、前記出力対象画像を決定する決定手段と、前記原稿画像と対応付けられて前記記憶手段に記憶されている前記特徴情報のうち、前記出力対象画像を構成する前記判定領域の前記特徴情報に基づいて、前記出力対象画像の画像特徴を判定する第2判定手段と、前記第2判定手段が判定した前記画像特徴に応じて、前記出力対象画像に対して第2画像処理を行う第2画像処理手段とを備えることを特徴とする。
また、本発明は、読取手段と、細分化手段と、第1判定手段と、第1画像処理手段と、記憶制御手段と、入力受付手段と、決定手段と、第2判定手段と、第2画像処理手段とを備える画像処理装置で実行される画像処理方法であって、前記読取手段が、原稿画像を読み取る読取ステップと、前記細分化手段が、前記読取ステップで読み取った前記原稿画像を、出力対象の領域に依存しない複数の判定領域に細分化する細分化ステップと、前記第1判定手段が、前記細分化ステップで細分化した前記判定領域毎に画像特徴を判定する第1判定ステップと、前記第1画像処理手段が、前記読取ステップで読み取った前記原稿画像に対して第1画像処理を行う第1画像処理ステップと、前記記憶制御手段が、前記第1画像処理ステップで前記第1画像処理を行った前記原稿画像を、前記判定領域毎の画像特徴を示す特徴情報と対応付けて記憶手段に記憶させる記憶制御ステップと、前記入力受付手段が、前記記憶手段に記憶された前記原稿画像に対する出力を指示すると共に、当該原稿画像のうち出力対の領域に相当する出力対象画像を決定するための操作入力を受け付ける入力受付ステップと、前記決定手段が、記入力受付ステップで受け付けた前記操作入力に応じて、前記出力対象画像を決定する決定ステップと、前記第2判定手段が、前記原稿画像と対応付けられて前記記憶手段に記憶されている前記特徴情報のうち、前記出力対象画像を構成する前記判定領域の前記特徴情報に基づいて、前記決定ステップで決定した前記出力対象画像の画像特徴を判定する第2判定ステップと、前記第2画像処理手段が、前記第2判定ステップで判定した前記画像特徴に応じて、前記出力対象画像に対して第2画像処理を行う第2画像処理ステップとを含むことを特徴とする。
本発明によれば、出力対象の画像の特性に応じて画像を出力可能になる。
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる画像処理装置及び画像処理方法の最良な実施の形態を詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
(1)構成
図1は、本実施の形態にかかる画像形成装置の構成を示す図である。同図に示すように画像形成装置50は、読み取り装置51と、第1画像処理装置52と、第2画像処理装置66と、バス制御装置67と、HDD(Hard Disc Drive)68と、CPU(Central Processing Unit)53と、メモリ54と、プロッタI/F(Interface)装置55と、プロッタ装置56と、操作表示装置57と、回線I/F装置58と、外部I/F装置59と、SB(South Bridge)60と、ROM(Read Only Memory)61とを備える。
読み取り装置51は、CCD(Charge Coupled Device)光電変換素子からなるラインセンサとA/D(analog to digital)コンバータとそれらを駆動する駆動回路とを具備する(いずれも図示せず)。読み取り装置51は、セットされた原稿に表される画像(原稿画像)をスキャンして、原稿画像の濃淡情報を得て、これを用いて、原稿画像を表しRGB毎に各8ビットで表現されるRGB形式の画像データを生成してこれを第1画像処理装置52に出力する。ここでは読み取り装置51の読取り解像度は600dpiとするが解像度はこれに限るものではない。
第1画像処理装置52は、読み取り装置51から出力された画像データに対して、プロッタ装置56と外部装置であるPC63との両方に利用可能となるようにその性質を統一するなどの各種画像処理を行い、処理後の画像データを出力する。また、第1画像処理装置52は、読み取り装置51から出力された画像データによって表される原稿画像について、複数の判定領域に細分化し、判定領域毎に画像特徴を判定し、当該判定結果を付帯情報として出力すると共に、予め定めた特性に統一する各種画像処理を行って処理後の画像データを出力する。尚、画像特徴とは、例えば、画像の色彩に関する特徴として有彩画像又は無彩画像、白紙原稿又はそれ以外などや、画像の画質に関する特徴として文字画像又は写真画像かなどの特徴である。ここでは、第1画像処理装置52は、画像の特徴として、原稿画像について有彩画像であるか又は無彩画像であるかを判定する。特性とは、明度や鮮鋭性や色空間などのことである。また、第1画像処理装置52は、後述する像域分離処理を行い、像域分離結果を出力する。第1画像処理装置52の詳細な構成については後述する。
バス制御装置67は、画像形成装置50内で必要な画像データや制御コマンド等の各種データの送受信を行うデータバスの制御装置であり、複数種のバス規格間のブリッジ機能を有している。本実施の形態では、バス制御装置67は、第1画像処理装置52,第2画像処理装置66及びCPU53と汎用規格I/F78で接続され、HDD68とATAバスで接続されてASIC化されている。汎用規格I/F78とは、例えばPCI−Expressバスである。そして、バス制御装置67は、第1画像処理装置52から出力された画像データ及びその付帯情報を対応付けてHDD68に記憶させる。尚、付帯情報の詳細については後述する。HDD68は、各種データや各種プログラムを保存するための大型の記憶装置である。HDD68はここでは特に、画像データ及びその付帯情報を対応付けて記憶する。HDD68としては、例えば、IDEを拡張して規格化されているATAバス接続のハードディスクを使用することができる。
ROM61は、ブートプログラムやコピーやスキャンや画像処理を行うための各種プログラムや各種データを記憶する不揮発性メモリである。メモリ54は、各種プログラムや各種データを一時的に記憶する揮発性メモリである。メモリ54には、例えば、DIMM(Dual Inline Memory Module)やHDD(Hard Disk Drive)が使用される。このようなメモリ54には、複数種のバス規格間をブリッジする際の処理の速度差を吸収するために一時的にやりとりする各種データが記憶されたり、CPU53が画像形成装置50の制御を行う際に実行するプログラムやその実行時に用いる各種データが記憶されたりする。各種データとしては画像データが記憶される。従って、CPU53はメモリ54に記憶された画像データを自由に読み出したり書き込んだりすることができる。CPU53は、当該画像形成装置50全体を制御するマイクロプロセッサである。CPU53としては、例えば、近年普及してきたIntegrated CPUを用いる。Integrated CPUとは、CPUコア単体に様々な機能を追加したマイクロプロセッサである。具体的には、例えば、PMC社のRM11100をCPU53として採用する。これには、PCI−Expressバスなどの各種汎用規格I/Fとの接続機能や、クロスバースイッチを使ってこれらの各種汎用規格I/F間を接続する機能がインテグレートされている。CPU53は、通常起動時にROM61に記憶されたブートプログラムを実行してシステムを起動し、その後は高速処理を行うため、高速にアクセス可能なメモリ54にプログラムを展開してこれを実行することにより各種処理を行う。
第2画像処理装置66は、CPU53及びバス制御装置67を介して、圧縮画像データ及びその付帯情報と、出力対象画像に対するカラー判定結果と、出力対象画像を構成するための判定領域を指定する領域指定情報とを受け取ると、これらを用いて各種画像処理を行って処理後の画像データを出力する。第2画像処理装置66の詳細な構成については後述する。
プロッタ装置56は、画像データに基づいて作像を行い、作像された画像を転写紙に出力することにより、画像形成を行うプロッタである。例えば、プロッタ装置56は、プロッタI/F装置55を介して、CMYK形式に変換された画像データを受け取ると、レーザービームを用いた電子写真プロセスを使って、画像データによって表される画像を転写紙に出力する。プロッタI/F装置55は、CPU53にインテグレードされた汎用規格I/F78を介して、CMYK形式に変換された画像データをCPU53から受け取ると、プロッタ装置56に出力するバスブリッジ処理を行う。
SB60は、ブリッジ機能を有する汎用の電子デバイスであり、ここでは、ROM61との間をブリッジしている。操作表示装置57は、各種情報を表示するLCD(Liquid Crystal Display)などの表示装置と、キースイッチ等を具備し利用者からの操作入力を受け付ける操作装置とが一体的に構成されたものである。利用者の操作入力としては例えば画像のコピーや読み取りを指示するものや、コピー時の出力サイズや変倍率や画質モードの指定や、配信スキャナ時の解像度の指定や読み取り範囲の指定などがある。画質モードとは、出力対象の画像の画質の取り扱いを示すものである。画質モードとしては、例えば、出力対象の画像を文字画像として取り扱う文字モードや、出力対象の画像を写真画像として取り扱う写真モードなどがある。操作表示装置57は、汎用規格I/F78を介して、このような操作入力に応じた制御コマンドをCPU53に出力したり、CPU53から表示対象として出力された情報を表示させたりする。
回線I/F装置58は、汎用規格I/F78と電話回線とを接続する装置である。この回線I/F装置58により画像形成装置50は電話回線を介して例えばFAX62とファクシミリ通信を行って画像データの授受を行う。外部I/F装置59は汎用規格I/F78と外部装置とを接続する装置である。この外部I/F装置59により画像形成装置50は外部装置と接続されて各種データの授受を行う。外部装置としては、例えば、PC63や、コンパクトフラッシュ(登録商標)カードやSDカード等の外部メディア65である。外部I/F装置59は、PC63や、デジタル複合機であるMFP(図示せず)とは、イーサネット(登録商標)などのネットワーク(図示せず)を介して各種データの授受を行い、外部メディア65とは外部メディアI/F(図示せず)を介して各種データの授受を行う。特に後述するスキャン配信の処理が行われる場合、例えば、PC63などの外部装置には、読み取り装置51で読み取られた原稿画像の全部又は一部を表す出力対象画像データが外部I/F装置59を介して送信される。
次に、第1画像処理装置52の詳細な構成について図2を用いて説明する。画像処理装置52は、カラー判定部100と、像域分離部101と、γ変換部102と、フィルタ処理部103と、色変換部104と、画像圧縮部105とを有する。γ変換部102には、読み取り装置51から出力された画像データが入力される。γ変換部102は、入力された画像データの明るさを補正する。本実施の形態においては、γ変換部102は、反射率リニアな特性で読み取り装置51から出力された画像データを、明度リニアな特性に補正する。そしてγ変換部102は、補正したRGB形式の画像データをフィルタ処理部103に出力する。
像域分離部101には、読み取り装置51から出力されたRGB形式の画像データが入力される。像域分離部101は、入力された画像データに対して、像域分離処理を行う。具体的には、像域分離部101は、入力されたRGB形式の画像データによって表される原稿画像の線画領域を認識し、1スキャン分の中の線画領域の割合から、各画素が、文字領域又は絵柄領域、有彩領域又は無彩領域のいずれに属するのかを判別して、この判別結果を像域分離結果として出力する。
また、カラー判定部100にも、読み取り装置51から出力された画像データが入力される。カラー判定部100は、入力されたRGB形式の画像データに対して、カラー判定処理を行う。具体的には、カラー判定部100は、入力された画像データによって表される原稿画像の色を認識し、1スキャン分の原稿画像に表れる色が、白黒か白黒以外の色を含むか否か、即ち、画像が有彩画像か無彩画像かを判定する。特に本実施の形態においては、カラー判定部100は、原稿画像について細分化された判定領域毎に、カラー判定処理を行う。図3は、原稿画像を例示する図である。同図において画像領域G1には、無彩画像のみで有彩画像が含まれておらず、画像領域G2には有彩画像が含まれているものとする。図4は、図3に例示した原稿画像を細分化した状態を例示する図である。同図において点線で区切られた矩形領域が各々判定領域となる。カラー判定部100は、この判定領域毎にカラー判定処理を行い、各カラー判定結果を、各判定領域が原稿画像のいずれの部分に相当するかを示す判定領域情報と対応付けて出力する。尚、線画領域の認識方法及びカラー判定処理自体の方法については、例えば、特開2003−46772号公報に記載されているため、その詳細な説明は省略する。
フィルタ処理部103は、γ変換部102から出力されたRGB形式の画像データに対して、フィルタ処理を行い、その鮮鋭性を予め定めた特性に統一して出力する。本実施の形態では、例えば、図5に示すような基準チャートをスキャンしたときに、フィルタ処理部103は線数毎に予め定めたMTF特性値になるようにMTF特性値を補正する。また、このMTF特性値の補正に際しては、文字領域と絵柄領域とでは要求される特性値が異なるため、フィルタ処理部103は文字領域及び絵柄領域の各々に対して補正を行う。従って、ここでは、像域分離部101での像域分離結果に応じて、適切なフィルタ処理がなされる。
色変換部104は、フィルタ処理部103から出力された画像データに対して、プロッタ装置56と外部装置であるPC63との両方に利用可能となるようにその性質を統一するように、予め定められたRGB空間に色変換をする。予め定められたRGB空間とは、例えば、CIE-RGB空間などである。そして、色変換部104は、色変換を行った画像データを出力する。画像圧縮部105は、色変換部104から出力された色変換後のRGB形式の画像データに対して、圧縮処理を行い、圧縮画像データを生成する。尚、画像圧縮部105は、例えば、メモリ54やHDD68の記憶容量の残容量を示す残容量情報を取得し、当該残容量情報に基づいて、その圧縮率を変更して画像データに対して圧縮処理を行うようにしても良い。
次に、CPU53が、ROM61やメモリ54やHDD68に記憶された各種プログラムを実行することにより本実施の形態において実現される特有の機能について説明する。CPU53は、第1画像処置装置52において出力された圧縮画像データと、当該圧縮画像データの付帯情報として像域分離結果、判定領域が原稿画像のどの部分に相当するかを示す判定領域情報及び各判定領域に対するカラー判定結果とを、バス制御装置67を介して受け取る。そして、CPU53は、操作表示装置57を介して入力される利用者の操作入力に基づいて、出力対象の領域に相当する画像(出力対象画像という)を決定する。そして、CPU53は、画像データの付帯情報を用いて、当該出力対象画像の特徴として有彩画像か無彩画像かを判定するカラー判定を行う。そして、CPU53は、第2画像処理装置66に処理をさせるべく、圧縮画像データ及びその付帯情報をメモリ54から読み出してこれらを、バス制御装置67を介して第2画像処理装置66に出力する。また、CPU53は、出力対象画像に対するカラー判定結果と、出力対象画像を構成するための判定領域を指定する領域指定情報とバス制御装置67を介して第2画像処理装置66に出力する。
次に、第2画像処理装置66の構成について図6を用いて説明する。第2画像処理装置66は、画像伸張部110と、フィルタ処理部111と、色変換部112と、解像度変換部113と、γ変換部114と、中間調処理部115と、フォーマット変換部116とを備えている。第2画像処理装置66には、第1画像処理装置52で圧縮されHDD68に記憶された圧縮画像データ及びその付帯情報と、領域指定情報とがCPU53及びバス制御装置67を介して入力される。画像伸張部110には圧縮画像データが入力され、画像伸張部110はこの圧縮画像データを伸張して出力する。フィルタ処理部111は、画像伸張部110から出力されたRGB形式の画像データについて、領域指定情報によって指定される判定領域から構成される出力対象画像に対して以下のフィルタ処理を行う。フィルタ処理部111は、当該出力対象画像の鮮鋭性を、プロッタ装置56に出力する場合の再現性が良くなるように補正する。具体的には、フィルタ処理部111は、画像データの付帯情報に含まれる像域分離結果を参照して鮮鋭化処理や平滑化処理を行う。例えば、フィルタ処理部111は、文字領域では文字をくっきりとさせ判読性を高めるために鮮鋭化処理を行い、絵柄領域では画像を滑らかにするために平滑化処理を行う。第1画像処理装置52の有するフィルタ処理部103は画像データの再利用性を高めるために、線数毎に予め定めたMTF特性値になるように変換するものであるのに対し、第2画像処理装置66の有するフィルタ処理部111は、利用者の用途に応じた加工を行うための処理を行うものである。例えば、利用者が画質モードとして文字モードを指定した場合は鮮鋭化処理の程度を高め、写真モードを指定した場合は平滑化処理の程度を高める。そしてフィルタ処理部111は、補正後の出力対象画像を表す出力対象画像データを出力する。
色変換部112は、フィルタ処理部111から出力された出力対象画像データに対して出力対象に応じた色変換を行う。画像形成装置50がコピー動作を行っており出力対象がプロッタ装置56である場合は、色変換部112は、カラー判定結果に基づいて、RGB各8ビットのからプロッタ装置56における色空間であるCMYK各8ビット又はKのみ8ビット画像データに対して色変換を行う。また、画像形成装置50が配信スキャナ動作を行っており出力対象がPC63等の外部装置である時は、例えば、CIE-RGB空間のRGB各8ビットから、モニタ表示に適した色空間であるAdobe−RGB色空間のRGB各8ビット又はグレースケール8ビット画像データへと色変換を行う。ここではAdobe−RGB色空間を例にあげたが、sRGB色空間など、その他の標準的な色空間に変換しても構わない。
解像度変換部113は、画像の拡大や縮小など画像を変倍する場合、操作表示装置57を介して指定された変倍率に従って、色変換部112から出力された出力対象画像データに対して解像度の変換(変倍処理)を行う。そして、解像度変換部113は、変換後の出力対象画像データを出力する。尚、画像を変倍しない場合、解像度変換部113は、色変換部112から出力された出力対象画像データに対して変換を行わずにこれを出力する。γ変換部114は、出力対象画像データに対して、画像が出力される出力先の特性に応じて画像の階調特性を変換する。出力先がプロッタ装置56である場合は、γ変換部114は、プロッタ装置56の出力特性に応じて、画像の階調性を良好に保てるように階調特性を変換する。そして、解像度変換部113は、変換後の出力対象画像データを出力する。中間調処理部115は、解像度変換部113から出力されたCMYK各8ビットの出力対象画像データ又はKのみの8ビットの出力対象画像データに対してプロッタ装置56の階調処理能力に従った階調数変換処理を行う。例えば、中間調処理部115は、解像度変換部113から出力されたCMYK又はKの各8ビットの出力対象画像データを、CMYK又はKの各2ビットの画像データに疑似中間調処理の一つである誤差拡散法を用いて階調数変換処理を行う。そして、中間調処理部115は、処理後の出力対象画像データを出力する。尚、出力対象画像が多値画像である場合には、中間調処理部115は、解像度変換部113から出力された出力対象画像データに対して処理を行わずにこれを出力する。フォーマット変換部116は、中間調処理部115から出力された出力対象画像データに対して、画像の出力用途に応じてJPEG圧縮やMMR圧縮などを行うなどのフォーマット変換を行う。
(2)動作
<コピー処理>
次に、本実施の形態にかかる画像形成装置50の行うコピー処理の手順について図7を用いて説明する。利用者は、原稿を読み取り装置51にセットし、コピーの設定に関する操作入力と、コピーの開始を指示する操作入力とを操作表示装置57において行う。ここでは、コピーの設定に関し、変倍率の指定や出力サイズの指定や画質モードの指定などの指示なされ得る。また、ここでは、出力対象画像が有彩画像か無彩画像かを自動で判定するACSモードを設定する操作入力もなされるものとする。操作表示装置57は利用者からの操作入力に応じて、コピーの設定やコピーの開始を指示する制御コマンドを生成してこれを、汎用規格I/F78を介してCPU53に出力する。CPU53は、操作入力に応じて生成された制御コマンドを受け付け、ROM61から各種プログラムを読み出して実行すると共に、制御コマンドに従って、コピーに必要な設定や処理を順次行う。まず、CPU53は、原稿画像の読み取りを読み取り装置51に指示する(ステップS1)。読み取り装置51は、当該指示に従い、原稿画像を読み取り、原稿画像を表すRGB形式の画像データを生成してこれを出力する(ステップS2)。出力された画像データは第1画像処理装置52のγ変換部102、像域分離部101及びカラー判定部100に入力される。γ変換部102は、上述したように、入力された画像データを補正して、補正後の画像データを出力する。また、像域分離部101は、上述したように、読み取り装置51から入力された画像データによって表されるデータによって表される原稿画像の線画領域を認識し、1スキャン分の中の線画領域の割合から、各画素が、文字領域又は絵柄領域、有彩領域又は無彩領域のいずれに属するのかを判別して、この判別結果を像域分離結果として出力する。また、カラー判定部100は、入力されたRGB形式の画像データによって表される原稿画像が有彩画像か無彩画像かを判定し、当該判定領域が原稿画像のどの部分に相当するかを示す判定領域情報及び当該判定領域に対する判定結果(カラー判定結果)を出力する(ステップS3)。
また、上述したように、フィルタ処理部103は、γ変換部102から出力されたRGB形式の画像データに対してフィルタ処理を行い、処理後の画像データを出力する。色変換部104は、フィルタ処理部103から出力された画像データに対して色変換を行い、色変換後の画像データを出力する。画像圧縮部105は、色変換部104から出力された色変換後のRGB形式の画像データに対して圧縮処理を行い、圧縮画像データを生成する(ステップS4)。
バス制御装置67は、第1画像処理装置52から出力された圧縮画像データをCPU53に送ると共に、当該圧縮画像データの付帯情報として上述の像域分離結果、判定領域情報及び各判定領域に対するカラー判定結果をCPU53に送る(ステップS5)。CPU53は、像域分離結果、判定領域情報及びカラー判定結果を付帯情報として圧縮画像データと対応付けてメモリ54に記憶させる(ステップS6)。そして、CPU53は、当該圧縮画像データによって表される原稿画像に対し、変倍率の指定や出力サイズの指定の操作入力に応じて出力対象の領域に相当する画像(出力対象画像という)を決定する。そして、ここでは、ACSモードが設定されているから、CPU53は、当該圧縮画像データに対する付帯情報に含まれる判定領域情報及び各判定領域に対するカラー判定結果を用いて、出力対象画像が有彩画像か無彩画像かを以下のようにして判定する。CPU53は、当該出力対象画像を構成するための判定領域を選択し、当該判定領域に対応するカラー判定結果を参照して、出力対象画像が有彩画像であるか無彩画像であるかのカラー判定を行う。具体的には、CPU53は、出力対象画像を構成するために選択した全ての判定領域のうち、そのカラー判定結果が有彩画像であるものが1つでもあれば、出力対象画像が有彩画像であると判定し、カラー判定結果が全て無彩画像であれば、出力対象画像が無彩画像であると判定する(ステップS7)。
尚、変倍率が100%、即ち、等倍コピーを行う場合には、出力対象画像は原稿画像全体であり、出力対象画像を構成するための判定領域は、原稿画像を構成する全ての判定領域に相当することになる。変倍率が100%以下である場合、即ち、縮小コピーを行う場合も同様に、出力対象画像を構成するための判定領域は、原稿画像を構成する全ての判定領域に相当することになる。100%より大きい変倍率でコピーを行う場合、即ち、拡大コピーを行う場合に、原稿画像の一部が出力対象画像となる。例えば、変倍率が200%である場合、図8に例示されるように、判定領域のうち斜線が引かれた部分の判定領域のみが出力対象画像に含まれることになる。また、例えば原稿画像のサイズをA3サイズからA4サイズに変倍する場合変倍率は141%となる。この場合、図9に例示されるように、判定領域のうち斜線が引かれた部分の判定領域のみが出力対象画像に含まれることになる。このように変倍率に応じて異なる出力対象画像について、CPU53は、当該出力対象画像を構成する各判定領域に各々対するカラー判定結果を用いて、上述のようにして有彩画像であるか無彩画像であるかのカラー判定を行う。
次に、CPU53は、第2画像処理装置66に処理をさせるべく、圧縮画像データ及びその付帯情報をメモリ54から読み出してこれらをバス制御装置67に送り(ステップS8)、バス制御装置67はこれらを第2画像処理装置66に出力する。また、CPU53は、出力対象画像に対するカラー判定結果と、出力対象画像を構成するための判定領域を指定する領域指定情報とバス制御装置67を介して第2画像処理装置66に出力する。このようにして、CPU53は、第2画像処置装置66に処理を切り替える。また、CPU53は、出力サイズ及び画像モードのうち少なくとも1つを指定する操作入力があった場合、それを指定する設定指定情報をバス制御装置67に送り、バス制御装置67はこれを第2画像処理装置66に出力する(ステップS9)。
第2画像処理装置66の画像伸張部110は、CPU53及びバス制御装置67を介して圧縮画像データを受け取るとこれを伸張して出力する。フィルタ処理部111は、画像伸張部110から出力された画像データのうち、領域指定情報によって指定される判定領域から構成される出力対象画像について、付帯情報に含まれる像域分離結果及び設定指定情報に基づいて、フィルタ処理を行い、処理後の出力対象画像データを出力する。具体的には、フィルタ処理部111は、出力対象画像に対して、設定指定情報において画質モードが文字モードに指定されている場合は鮮鋭化処理の程度を高め、写真モードが指定されている場合は平滑化処理の程度を高める。色変換部112は、フィルタ処理部111から出力されたRGB各8ビットの出力対象画像データに対して、CPU53から送られたカラー判定結果に基づいて、プロッタ装置56における色空間に応じた色変換を行う。具体的には、色変換部112は、カラー判定結果が有彩画像である場合、出力対象画像データに対してRGB各8ビットからCMYK各8ビットに色変換を行い、カラー判定結果が無彩画像である場合、出力対象画像データに対してRGB各8ビットからKのみの各8ビットに色変換を行う。解像度変換部113は、変倍率が100%以外である場合、当該変倍率に従って、色変換部112から出力された出力対象画像データに対して変倍処理を行い、変換後の出力対象画像データをγ変換部114に出力する。γ変換部114は、画像が出力される出力先の特性に応じて画像の階調特性を変換し、変換後の出力対象画像データを出力する。中間調処理部115は、解像度変換部113から出力された出力対象画像データに対して、出力対象画像が2値画像であるか多値画像であるかに応じて階調数変換処理を適宜行い、処理の実行の有無に応じた出力対象画像データを出力する。フォーマット変換部116は、出力対象画像の出力用途が転写紙に出力することであるため、中間調処理部115から出力された出力対象画像データに対して処理を行わずにこれを出力する(ステップS10)。CPU53は、フォーマット変換部116から出力された出力対象画像データを、バス制御装置67を介して受け取りこれをメモリ54に記憶させる(ステップS11)。次いで、CPU53は、当該出力対象画像データをメモリ54から読み出して、プロッタI/F装置55を介してプロッタ装置56に送る(ステップS12)。プロッタ装置56は、出力対象画像データを受け取ると、当該出力対象画像データの色空間であるCMYK又はKに応じて、当該出力対象画像データによって表される出力対象画像を形成しこれを転写紙に出力する。 この結果、出力対象画像がコピーされることになる。
例えば、変倍率が100%、即ち、等倍コピーを行う場合には、出力対象画像は有彩画像として出力される。また、変倍率が200%である場合、図10に例示されるように、出力対象画像は無彩画像として出力される。また、変倍率が141%である場合、図11に例示されるように、出力対象画像は無彩画像として出力される。
<スキャナ配信処理>
次に、画像形成装置50が行うスキャナ配信処理の手順について図12を用いて説明する。まず、利用者は原稿を読み取り装置51にセットし、スキャナ配信の設定に関する操作入力と、スキャナ配信の開始を指示する操作入力とを操作表示装置57において行う。ここでは、スキャナ配信の設定に関し、配信対象の外部装置(ここではPC63とする)や、配信対象の画像の解像度や読み取り範囲の指定などの指示がなされる。また、ここでも、ACSモードを設定する操作入力もなされるものとする。操作表示装置57は利用者からの操作入力に応じて、スキャナ配信の設定やスキャナ配信の開始を指示する制御コマンドを生成してこれを、汎用規格I/F78を介してCPU53に出力する。CPU53は、操作入力に応じて生成された制御コマンドを受け付け、ROM61から各種プログラムを読み出して実行すると共に、制御コマンドに従って、スキャナ配信に必要な設定や処理を順次行う。まず、CPU53は、原稿画像の読み取りを読み取り装置51に指示する(ステップS20)。読み取り装置51は、当該指示に従い、原稿画像を読み取り、原稿画像を表すRGB形式の画像データを生成してこれを出力する(ステップS2)。出力された画像データは第1画像処理装置52のγ変換部102、像域分離部101及びカラー判定部100に入力され、上述のコピー処理で説明したように、当該画像データに対して各部で各処理が行われる(ステップS3〜S4)。圧縮画像データ、上述の像域分離結果、判定領域情報及びカラー判定結果は、バス制御装置67を介してCPU53に入力される。ステップS5〜S7も上述のコピー処理と同様である。
次いで、ステップS7では、CPU53は、当該圧縮画像データによって表される原稿画像に対し配信対象の画像の解像度や読み取り範囲の指定の操作入力に応じて出力対象画像を決定する。尚、配信対象の画像の解像度や読み取り範囲の指定がない場合は、出力対象画像は原稿画像是全体に相当する。また、ここでは、ACSモードが設定されているから、CPU53は、判定領域情報及び各判定領域に対するカラー判定結果を用いて、出力対象画像が有彩画像か無彩画像かのカラー判定を上述のコピー処理と同様にして行う。そして、CPU53は、上述と同様にしてステップS8〜S9の処理を行う。
次いで、ステップS10では、まず、第2画像処理装置66の画像伸張部110は、CPU53及びバス制御装置67を介して圧縮画像データを受け取るとこれを伸張して出力する。フィルタ処理部111は、画像伸張部110から出力されたRGB形式の画像データについて、領域指定情報によって指定される判定領域から構成される出力対象画像に対してフィルタ処理を行い、処理後の出力対象画像データを出力する。色変換部112は、フィルタ処理部111から出力されたRGB各8ビットの出力対象画像データに対して、CPU53から送られたカラー判定結果に基づいて、配信対象の外部装置であるPC63における色空間に応じた色変換を行う。具体的には、色変換部112は、カラー判定結果が有彩画像である場合、出力対象画像データに対してRGB各8ビットから多値のRGB形式に色変換を行い、出力対象画像が無有彩画像であることをカラー判定結果が示す場合、出力対象画像データに対してRGB各8ビットから多値のグレースケール又は2値のモノクロに色変換を行う。解像度変換部113は、色変換部112から出力された出力対象画像データをγ変換部114に出力する。γ変換部114は、画像が出力される出力先の特性に応じて画像の階調特性を変換し、変換後の出力対象画像データを出力する。中間調処理部115は、解像度変換部113から出力された出力対象画像データに対して、出力対象画像が2値画像であるか多値画像であるかに応じて階調数変換処理を適宜行い、処理の実行の有無に応じた出力対象画像データを出力する。フォーマット変換部116は、出力対象画像の出力用途がスキャナ配信であるため、中間調処理部115から出力された出力対象画像データに対してフォーマット変換を行い、変換後の出力対象画像データを出力する。ここでは、例えば、CPU53から送られたカラー判定結果が、出力対象画像が有彩画像であることを示す場合、フォーマット変換部116は、出力対象画像データに対してJPEG圧縮を行い、圧縮後の出力対象画像データを出力する。また、カラー判定結果が、出力対象画像が無彩画像であることを示す場合であって、出力対象画像データが2値のモノクロに色変換されている場合、フォーマット変換部116は、出力対象画像データに対してMMR圧縮を行ってTIFFファイル形式の出力対象画像データを生成してこれを出力する。また、カラー判定結果が、出力対象画像が無彩画像であることを示す場合であって、出力対象画像データがグレースケールに色変換されている場合、フォーマット変換部116は、出力対象画像データに対してJPEG圧縮を行って圧縮後の出力対象画像データを出力する。CPU53は、フォーマット変換部116から出力された出力対象画像データを、バス制御装置67を介して受け取りこれをメモリ54に記憶させる(ステップS11)。次いで、CPU53は、当該出力対象画像データをメモリ54から読み出して、外部I/F装置59を介して、外部装置であるPC63に送信する(ステップS21)。
<画像蓄積処理>
次に、画像形成装置50が、コピー処理やスキャナ配信処理を行うことなく、画像蓄積処理のみを行う場合の処理の手順について図13を用いて説明する。利用者は、原稿を読み取り装置51にセットし、所望する画質モード等の設定に関する操作入力と、原稿画像の読み取り及び蓄積の開始を指示する操作入力とを操作表示装置57において行う。尚、ここでは、画像の蓄積後に多種多様な目的で再利用できるように、最も汎用的な条件で原稿画像の読み取りを行う。即ち、原稿画像の読み取り倍率を等倍とする。操作表示装置57は利用者からの操作入力に応じて、画質モード等の設定や原稿画像の読み取りの開始を指示する制御コマンドを生成してこれを、汎用規格I/F78を介してCPU53に出力する。CPU53は、操作入力に応じて生成された制御コマンドを受け付け、ROM61から各種プログラムを読み出して実行すると共に、制御コマンドに従って、原稿画像の読み取りに必要な設定や処理を順次行う(ステップS30)。以降、ステップS2〜S4までは上述のスキャナ配信処理と同様である。その後、ステップS31では、バス制御装置67は、第1画像処理装置52から出力された像域分離結果、判定領域情報及び各判定領域に対するカラー判定結果を付帯情報として圧縮画像データと対応付けてHDD68に記憶させる。
<コピー処理及び画像蓄積処理>
次に、画像形成装置50がコピー処理と画像蓄積処理とを同時に行う場合の処理の手順について図14を用いて説明する。ステップS1〜S8の処理は上述のコピー処理と同様である。ステップS8の後、ステップS40では、バス制御装置67は、第1画像処理装置52から出力された像域分離結果、判定領域情報及びカラー判定結果と圧縮画像データとを第2画像処理装置66に送信する。このとき、バス制御装置67は、像域分離結果、判定領域情報及び各判定領域に対するカラー判定結果を付帯情報として圧縮画像データをHDD68に記憶させる。ステップS10以降の処理は上述のコピー処理と同様である。これにより、画像形成装置50はコピー処理と画像蓄積処理とを同時に行うことができる。
<スキャナ配信処理及び画像蓄積処理>
次に、画像形成装置50がスキャナ配信処理と画像蓄積処理とを同時に行う場合の処理の手順について図15を用いて説明する。ステップS20,S2〜S8の処理は上述のスキャナ配信処理と同様である。ステップS40の処理は、上述のコピー処理と画像蓄積処理とを同時に行う場合の処理と同様である。ステップS10以降の処理は上述のスキャナ配信処理と同様である。これにより、画像形成装置50はスキャナ配信処理と画像蓄積処理とを同時に行うことができる。
<蓄積画像の再利用>
次に、画像形成装置50がHDD68に記憶された画像データを再利用する場合の処理の概要について説明する。上述したようにHDD68に記憶された画像データは、付帯情報と対応付けて記憶されている。原稿画像の蓄積時よりも時間が経過した場合でも、当該画像データを再利用することができる。まず、画像形成装置50のCPU53は、画像データの再利用時のユーザインターフェースとして表示画面を操作表示装置57に表示させる。例えば、CPU53は、利用者の操作に応じて、当該操作時点でHDD68に記憶されている画像データのデータ名、当該画像データの作成日時や更新日時、当該画像データによって表される画像の縮小画像であるサムネイル画像を表す表示画面を表示させる。利用者は、当該操作表示装置57に表示された表示画面を閲覧することにより、どのような画像がHDD68に蓄積されているかを確認することができる。そして、利用者は、当該表示画面において再利用したい画像データを選択する操作入力と共に、当該画像データに対する再利用処理の開始を指示する操作入力や、再利用処理に関する設定や所望する画質モードなどの操作入力を操作表示装置57において行う。再利用処理としては、転写紙に画像を出力する処理やスキャナ配信処理などがある。その他、ここでは特に説明しないが、FAX送信など他の処理であっても良い。
まず、画像形成装置50が再利用処理として転写紙に画像を出力する処理を行う場合の処理の手順について図16を用いて説明する。まず、画像形成装置50のCPU53は、画像データの再利用時のユーザインターフェースとして表示画面を操作表示装置57に表示させる(ステップS50)。当該画面において、利用者は、再利用処理として転写紙への出力の設定に関する操作入力と、転写紙への出力の開始を指示する操作入力とを操作表示装置57において行う。転写紙に画像を出力する処理は、上述のコピー処理と略同様となる。このため、ここでは、転写紙への出力の設定に関し、上述のコピー処理において説明したように、変倍率の指定や出力サイズの指定や画質モードの指定などの指示なされ得る。また、ここでは、ACSモードが設定される。操作表示装置57は利用者からの操作入力に応じて、転写紙への出力の設定や転写紙への出力の開始を指示する制御コマンドを生成してこれを、汎用規格I/F78を介してCPU53に出力する。CPU53は、操作入力に応じて生成された制御コマンドを受け付け、ROM61から各種プログラムを読み出して実行すると共に、制御コマンドに従って、転写紙への出力に必要な設定や処理を順次行う。そして、CPU53は、該当の画像データの読み出しをバス制御装置67に指示する(ステップS51)。バス制御装置67は、当該指示に従い、該当の画像データ及び付帯情報をHDD68から読み出しこれをCPU53に送る(ステップS52)。そして、ここでは、ACSモードが設定されているから、ステップS7では、CPU53は、上述のコピー処理と同様にして、該当の画像データ及び付帯情報と、変倍率とを用いて出力対象画像を決定する。
例えば、最初のコピー処理において、等倍でコピーされた、図3に例示したような原稿画像を表す画像データがHDD68に記憶された後、当該画像データを用いてACSモードで200%の変倍率で原稿画像を出力する場合がある。この場合、200%の変倍率が指定されることにより、図8に示されるように、原稿画像のうち出力対象画像が決定される。そして、出力対象画像が決定されることにより、当該出力対象画像を構成する各判定領域の各々に対するカラー判定結果を用いることにより、出力対象画像のカラー判定を行うことができる。ステップS8以降の処理は上述したコピー処理と同様である。
また、画像形成装置50が再利用処理としてスキャナ配信処理を行う場合の手順について図17を用いて説明する。まず、画像形成装置50のCPU53は、画像データの再利用時のユーザインターフェースとして表示画面を操作表示装置57に表示させる(ステップS50)。当該画面において、利用者は、再利用処理としてスキャナ配信の開始を指示する操作入力や、所望する画質モード等の設定などの操作入力を操作表示装置57において行う。ここでは、スキャナ配信の設定に関し、上述のスキャナ配信処理において説明したように、配信対象の外部装置(ここではPC63とする)や、配信対象の画像の解像度や読み取り範囲の指定などの指示がなされる。操作表示装置57は利用者からの操作入力に応じて、スキャナ配信の設定やスキャナ配信の開始を指示する制御コマンドを生成してこれを、汎用規格I/F78を介してCPU53に出力する。CPU53は、操作入力に応じて生成された制御コマンドを受け付け、ROM61から各種プログラムを読み出して実行すると共に、制御コマンドに従って、スキャナ配信処理に必要な設定や処理を順次行う。そして、CPU53は、該当の画像データの読み出しをバス制御装置に67に指示する(ステップS60)。バス制御装置67は、当該指示に従い、該当の画像データ及び付帯情報をHDD68から読み出しこれをCPU53に送る(ステップS52)。そして、ここでは、ACSモードが設定されているから、ステップS7では、CPU53は、上述のスキャナ配信処理で説明したように、配信対象の画像の解像度や読み取り範囲に応じて出力対象画像を決定する。
例えば、上述のコピー処理及び画像蓄積処理でA3サイズの原稿画像をA3サイズの転写紙に等倍でコピーした後HDD68に蓄積された画像データに対してスキャナ配信処理をするとする。このとき、解像度として600dpiが指定され、読み取り範囲としてA4横置きが指定されるものとする。この場合、例えば、図3に示される原稿画像に対して、図9に示される斜線部が出力対象画像になる。この場合、当該出力対象画像は無彩画像であることを示すカラー判定結果が得られる。ステップS8以降の処理は上述したスキャナ配信処理と同様である。
以上のようにして、第1画像処理装置52は、読み取り装置51から入力された画像データについて、プロッタ装置56と外部装置であるPC63との両方に利用可能となるようにその性質を統一し、性質を統一した画像データをHDD68に蓄積する。そして、第2画像処理装置66が、プロッタ装置56やPC63である出力先に適した性質の画像データに処理する。これにより、利用者が画像形成装置50のHDD68に蓄積した画像データを再利用する場合に、当該画像データの蓄積時に利用した形態とは異なる形態で再利用することも可能になる。
また、第1画像処理装置52が、原稿画像を複数の判定領域に細分化し、各判定領域についてカラー判定を行い、各判定領域に対するカラー判定結果を、原稿画像を表す画像データと共に記憶する。そして、当該画像データの再利用時に、CPU53が、変倍率や、解像度や読み取り範囲に応じて出力対象画像を決定し、当該出力対象を構成する各判定領域に対するカラー判定結果を用いて、当該出力対象画像のカラー判定を行う。これにより、多種多様な再利用形態に適切に対応したカラー判定を行うことができる。この結果、処理コストや処理時間を低減したり、記憶容量を節約したりすることができ、画像データの再利用時の問題点を解決することが可能になる。
即ち、従来では、コピー処理やスキャナ配信処理を行った後画像データと、当該画像データによって表される原稿画像に対するカラー判定結果をHDDなどに蓄積してこれを再利用する場合はあった。この場合、変倍率や解像度や読み取り範囲などの指定に応じて出力対象画像は、蓄積された画像データによって表される画像の一部である場合がある。この場合、当該画像データと共に蓄積された、原稿画像自体に対するカラー判定結果を用いて出力対象画像を出力すると、不必要に有彩画像として出力してしまうという問題が生じる恐れがあった。
例えば、上述の図3に例示されるように有彩画像を含む原稿画像を等倍で出力した後、当該原稿画像を表す画像データを用いて変倍率200%で拡大して画像を出力する場合、出力対象画像は図8に示されるように有彩画像を含まない。この場合、ACSモードでこの出力対象画像を出力する際に、原稿画像自体に対するカラー判定結果を用いると、有彩画像として出力してしまうことになる。また、図3に例示される原稿画像を表す画像データを再利用する際に当該原稿画像を等倍で出力する場合でも、原稿画像のサイズよりも小さなサイズの転写紙に出力する場合がある。例えば、A3サイズの原稿画像をA4サイズの転写紙に出力する場合などである。この場合、図9に示すように、転写紙上に出力される対象の出力対象画像は、有彩画像を含まないことになる。この場合も、ACSモードでこの出力対象画像を出力する際に、原稿画像自体に対するカラー判定結果を用いると、有彩画像として出力してしまうことになる。また、スキャナ配信処理において、読み取り範囲として原稿画像よりも小さいサイズが指定された場合も同様である。
このように、原稿画像を表す画像データを再利用する場合、原稿画像の出力対象の領域に相当する出力対象画像は一意ではなく、変倍率や解像度や読み取り範囲などの指定に応じて異なる。このため、原稿画像自体のカラー判定結果を蓄積したとしても、ACSモードで画像データを再利用する時には、当該カラー判定結果を用いると誤判定の恐れがある。このため、本実施の形態においては、再利用時の出力対象画像が原稿画像のどの領域であっても正しいカラー判定結果を得られるように、原稿画像を判定領域に細分化して、各判定領域に対してカラー判定を行い、各判定領域に対するカラー判定結果を蓄積する。また、このカラー判定を、第2画像処理装置66が行うフィルタ処理、色変換処理、γ変換処理などの各処理の前に行うため、カラー判定結果に応じて適切に各処理を行うことができる。また、像域分離結果なども付帯情報として蓄積することにより、HDD68に蓄積する画像データの品質を保ちつつ、HDD68の記憶容量を有効に活用することが可能になる。従って、このような構成によれば、蓄積された画像データを利用者が任意の方法で再利用することが可能になり、再利用時の処理コストや処理時間を低減したり、記憶容量を節約したりすることができるのである。
尚、読み取り装置51で一度読み取った原稿画像を表す画像データに対してカラー判定処理を一度行った後、HDD68に記憶された画像データを再利用する場合、当該画像データを用いてカラー判定処理を再度行うことも考えられる。この場合、2度目のカラー判定処理の結果と1度目のカラー判定処理の結果とが異なる可能性があり、カラー判定処理の精度が低下する恐れがある。これに対し、本実施の形態によれば、一度行ったカラー判定処理の結果を用いることにより、再利用時の出力対象画像に対しても精度の高いカラー判定結果を得ることができる。
また、上述の実施の形態においては、スキャナ配信処理を行う場合、第2画像処理装置66は、出力対象画像に対するカラー判定結果に応じて、JPEG圧縮又はMMR圧縮を行うことより、フォーマットを切り替える。これにより、必要以上に大きなサイズの画像データを外部装置に配信しないことにより、処理コストや処理時間を低減したり、記憶容量を節約したりすることができる。
尚、操作表示装置57を介してASCモードを設定する操作入力がない場合、即ち、原稿画像を有彩画像又は無彩画像のいずれかで出力することを指示する操作入力があった場合、CPU53は、出力対象画像に対する上述のカラー判定を行わずに当該操作入力に応じて、出力対象画像の画像を出力すれば良い。
[変形例]
なお、本発明は前記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、前記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。また、以下に例示するような種々の変形が可能である。
<変形例1>
上述した実施の形態において、画像形成装置50のCPU53が実行する各種プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、当該各種プログラムを、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等の光記録媒体、フレキシブルディスク(FD)等の磁気記録媒体、光磁気記録媒体、半導体記録媒体及び磁気テープ等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成しても良い。また、各種プログラムの全部又は一部は、OS(オペレーティングシステム)に組み込まれていても良いし、OSとして機能するように構成しても良い。
また、上述した実施の形態においては、第1画像処理装置52及び第2画像処理装置66をハードウェアにより構成したが、これらのうち少なくとも一方によって実現される機能が、CPU53がプログラムを実行することにより実現されるように構成しても良い。
また、上述した実施の形態においては、カラー判定部100が第1画像処理装置52に含まれるように構成したが、第1画像処理装置52に含まれないように構成しても良い。
また、上述した実施の形態においては、フォーマット変換部116が第2画像処理装置66に含まれるように構成したが、第1画像処理装置52に含まれないように構成しても良い。
また、画像形成装置50として複合機に適用した例を示したが、これに限定されるものではなく、複写機、プリンタ、ファクシミリ等にも適用することが可能である。また、画像形成装置50は、複数の機器(例えば、ホストコンピュータ、インターフェース機器、スキャナ、プリンタ等)から構成されるシステムに適用しても、1つの機器から構成される装置(ホストコンピュータ等)に適用しても良い。
<変形例2>
上述した実施の形態においては、図4に示したように、原稿画像における判定領域の細分化を主走査方向に8等分、副走査方向に10等分した。しかし、この分割数はこの値に限るものではない。判定領域の細分化はこの分割数が多いほど多種多様な再利用形態に対応できるようになる。
また、判定領域の細分化の分割数を、操作表示装置57を介して利用者が選択できるようにしても良い。上述の実施の形態においては、(主走査分割数、副走査分割数)=(8、10)であるが、例えば、これを(4、5)、(6、8)、(8、10)、(16、20)、(32、40)の5段階で選択できるようにしても良い。この場合、第1画像処理装置52は、利用者が選択した分割数に応じて原稿画像を判定領域に分割して、上述と同様にして各判定領域に対してカラー判定を行えば良い。このように、判定領域の細分化の程度を必要に応じて変化させることができることにより、HDD68に蓄積された画像データをACSモードで再利用する時の処理時間やHDD68の記憶容量に応じて、再利用形態への対応力を適切に変更することができる。つまり、判定領域とカラー判定結果との組を全てHDD68に記憶するため、判定領域を細分化しすぎると、極めて大容量のHDDが必要とされ、また、出力対象画像を構成する判定領域及びそのカラー判定結果を求めるための処理時間が増大するという問題が生じる恐れがある。しかし、本変形例のように、判定領域の細分化の分割数を選択することができることにより、このような問題の発生を抑制することが可能になり、生産性の低下を抑制することが可能になる。
<変形例3>
上述した実施の形態においては、原稿画像の全域において各判定領域に細分化した。しかし、例えば、定型の転写紙のサイズ間の変倍率に各々応じた判定領域を設定するように構成しても良い。拡大や縮小のコピーが定型の転写紙のサイズ間で行われることが多いからである。例えば、A3サイズからA4にサイズに縮小したり(変倍率71%)、A4サイズからA3サイズに拡大したり(変倍率141%)、B5サイズからA4サイズに拡大したり(変倍率115%)することが行われる。このため、最も使用頻度の高い変倍率として、例えば、50%、61%、71%、82%、87%、100%、115%、122%、141%、200%などの予め設定された各変倍率に対応する判定領域を各々設定する。図18は、これらの変倍率のうち、200%、141%、115%及び100%の各変倍率に対応する判定領域を例示する図である。点線で区切られた矩形領域が、変倍率200%に対応する判定対象領域R1である。判定領域R1を含み一点鎖線で区切られた矩形領域が、変倍率141%に対応する判定対象領域R2である。判定領域R1〜R2を含み二点鎖線で区切られた矩形領域が、変倍率115%に対応する判定対象領域R3である。判定領域R1〜R3を含み実線で囲まれた矩形領域が、変倍率100%に対応する判定対象領域R4であり、原稿画像に相当する。この場合、第1画像処理装置52は、判定領域R1,R2に対して無彩画像であると各々判定し、判定領域R3,R4に対して有彩画像であると各々判定することになる。例えば、B5サイズからA4サイズに拡大する、即ち、変倍率115%にする操作入力が行われた場合には、CPU53は、判定領域R3を出力対象画像として決定し、当該判定領域R3が有彩画像であるというカラー判定結果を、当該出力対象画像のカラー判定結果とする。そして、例えば、上述と同様にしてコピー処理が行われることにより、図19に示されるような画像が出力される。尚、変倍率が141%である場合には、図11に示されるような画像が出力される。変倍率が200%である場合には、図10に示されるような画像が出力される。
以上のように、利用者が再利用時に使用する頻度の高い状況に対応する判定領域を設定し、当該判定領域に対するカラー判定結果を各々記憶することにより、HDD68に記憶された画像データをACSモードで再利用する。このような構成によれば、HDD68において必要な記憶容量も少なくて済む。また、出力対象画像に応じた判定領域及びカラー判定結果を求めるための処理時間も少なくて済むため、生産性の低下を抑制することができる。
<変形例4>
上述した実施の形態においては、第2画像処理装置66のフォーマット変換部116は、中間調処理部115から出力された画像データに対して、例えば、PDFファイルなどの所定のファイル形式の画像ファイルを作成するようにしても良い。この場合、フォーマット変換部116は、出力対象画像に対するカラー判定結果をヘッダ情報などの書誌情報に含ませても良い。これにより、スキャナ配信処理において、外部装置であるPC63がこの画像ファイルを受信してこれを用いて転写紙に出力を行う場合には、当該ヘッダ情報に含まれるカラー判定結果を用いて、出力を行うことができる。即ち、画像データを再利用する場合として、スキャナ配信処理により受信された画像ファイルを用いて転写紙に出力する場合に、処理コストや処理時間を低減したり、PC63の記憶装置における記憶容量を節約したりすることができる。
一実施の形態にかかる画像形成装置の構成を例示する図である。 同実施の形態にかかる第1画像処理装置52の詳細な構成を例示する図である。 原稿画像を例示する図である。 図3に例示した原稿画像を細分化した状態を例示する図である。 基準チャート示す図である。 同実施の形態にかかる第2画像処理装置66の構成を例示する図である。 同実施の形態にかかる画像形成装置50の行うコピー処理の手順を示すフローチャートである。 変倍率が200%である場合に出力対象画像に含まれる判定領域を例示する図である。 変倍率が141%である場合に出力対象画像に含まれる判定領域を例示する図である。 変倍率が200%である場合に出力される画像を例示する図である。 変倍率が141%である場合に出力される画像を例示する図である。 同実施の形態にかかる画像形成装置50が行うスキャナ配信処理の手順を示すフローチャートである。 同実施の形態にかかる画像形成装置50が、コピー処理やスキャナ配信処理を行うことなく、画像蓄積処理のみを行う場合の処理の手順を示すフローチャートである。 同実施の形態にかかる画像形成装置50がコピー処理と画像蓄積処理とを同時に行う場合の処理の手順を示すフローチャートである。 同実施の形態にかかる画像形成装置50がスキャナ配信処理と画像蓄積処理とを同時に行う場合の処理の手順を示すフローチャートである。 同実施の形態にかかる画像形成装置50が再利用処理として転写紙に画像を出力する処理を行う場合の処理の手順を示すフローチャートである。 同実施の形態にかかる画像形成装置50が再利用処理としてスキャナ配信処理を行う場合の手順を示すフローチャートである。 200%、141%、115%及び100%の各変倍率に対応する判定領域を例示する図である。 変倍率が115%である場合に出力される画像を例示する図である。
符号の説明
50 画像形成装置
51 読み取り装置
52 第1画像処理装置
54 メモリ
55 プロッタI/F装置
56 プロッタ装置
57 操作表示装置
58 回線I/F装置
59 外部I/F装置
65 外部メディア
66 第2画像処置装置
67 バス制御装置
68 HDD
100 カラー判定部
101 像域分離部
102 γ変換部
103 フィルタ処理部
104 色変換部
105 画像圧縮部
110 画像伸張部
111 フィルタ処理部
112 色変換部
113 解像度変換部
114 変換部
115 中間調処理部
116 フォーマット変換部

Claims (12)

  1. 稿画像を読み取る読取手段と、
    前記読取手段が読み取った前記原稿画像を、出力対象の領域に依存しない複数の判定領域に細分化する細分化手段と、
    前記細分化手段が細分化した前記判定領域毎に画像特徴を判定する第1判定手段と、
    前記読取手段が読み取った前記原稿画像に対して第1画像処理を行う第1画像処理手段と、
    記第1画像処理手段が前記第1画像処理を行った前記原稿画像を、前記判定領域毎の画像特徴を示す特徴情報と対応付けて記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段に記憶された前記原稿画像に対する出力を指示すると共に、当該原稿画像のうち出力対の領域に相当する出力対象画像を決定するための操作入力を受け付ける入力受付手段と、
    前記入力受付手段が受け付けた前記操作入力に応じて、前記出力対象画像を決定する決定手段と、
    前記原稿画像と対応付けられて前記記憶手段に記憶されている前記特徴情報のうち、前記出力対象画像を構成する前記判定領域の前記特徴情報に基づいて、前記出力対象画像の画像特徴を判定する第2判定手段と、
    前記第2判定手段が判定した前記画像特徴に応じて、前記出力対象画像に対して第2画像処理を行う第2画像処理手段とを備える
    ことを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記第1判定手段は、前記原稿画像についての前記画像特徴として、前記判定領域毎に有彩画像であるか無彩画像であるかを判定し、
    前記第2判定手段は、前記出力対象画像の前記画像特徴として、前記出力対象画像が有彩画像であるか無彩画像であるかを判定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記第1判定手段は、前記原稿画像についての前記画像特徴として、前記判定領域毎に文字画像であるか写真画像であるかを判定し、
    前記第2判定手段は、前記出力対象画像の前記画像特徴として、前記出力対象画像が文字画像であるか写真画像であるかを判定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  4. 前記第1判定手段は、前記原稿画像についての前記画像特徴として、白紙画像であるか否かを判定し、
    前記第2判定手段は、前記出力対象画像の前記画像特徴として、前記出力対象画像が白紙画像であるか否かを判定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  5. 前記第2判定手段は、前記出力対象画像を構成する前記判定領域の前記特徴情報のうち少なくとも1つが有彩画像であることを示す場合、前記出力対象画像の画像特徴が有彩画像であると判定し、前記出力対象画像を構成する前記判定領域の前記特徴情報の全てが無彩画像であることを示す場合、前記出力対象画像の画像特徴が無彩画像であると判定する
    ことを特徴とする請求項に記載の画像処理装置。
  6. 前記細分化手段は、前記原稿画像を複数の前記判定領域に細分化すると共に、各判定領域が前記原稿画像のどの部分に相当するかを示す判定領域情報を出力し、
    前記記憶手段は、前記原稿画像を、前記判定領域毎の前記特徴情報及び前記判定領域情報と対応付けて記憶し、
    前記判定領域情報を用いて、前記決定手段が決定した前記出力対象画像を構成する前記判定領域を指定する判定領域指定情報を出力する情報出力手段を更に備え、
    前記第2画像処理手段は、前記情報出力手段が出力した前記判定領域指定情報を用いて、前記出力対象画像に対して前記第2画像処理を行
    とを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の画像処理装置。
  7. 前記入力受付手段は、前記原稿画像に対する出力を指示すると共に、前記出力対象画像を決定するための操作入力として、転写紙への出力を指示すると共に、当該原稿画像に対する変倍率を指定する操作入力を受け付け、
    前記決定手段は、前記入力受付手段が受け付けた前記変倍率に応じて、前記出力対象画像を決定する
    ことを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の画像処理装置。
  8. 前記入力受付手段は、前記原稿画像に対する出力を指示すると共に、前記出力対象画像を決定するための操作入力として、外部装置への送信を指示すると共に、解像度及び読み取り範囲を指定する操作入力を受け付け、
    前記決定手段は、前記入力受付手段が受け付けた前記解像度及び読み取り範囲に応じて、前記出力対象画像を決定する
    ことを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の画像処理装置。
  9. 前記第2判定手段の判定結果を書誌情報として前記出力対象画像に対して付与すると共に、当該出力対象画像を所定のフォーマットに変換することにより、画像ファイルを生成するフォーマット変換手段と、
    前記フォーマット変換手段が生成した画像ファイルを外部装置へ送信する画像送信手段とを更に備える
    ことを特徴とする請求項に記載の画像処理装置。
  10. 前記フォーマット変換手段は、前記出力対象画像に対して圧縮を行う圧縮手段を有し、
    前記圧縮手段は、前記第2判定手段の判定結果に応じた圧縮方法により、前記出力対象画像に対して圧縮を行う
    ことを特徴とする請求項に記載の画像処理装置。
  11. 前記第2画像処理手段が前記第2画像処理を行った前記出力対象画像に基づいて作像を行い、作像された画像を転写紙に出力することにより、画像形成を行う画像形成手段を更に備える
    ことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載の画像処理装置。
  12. 読取手段と、細分化手段と、第1判定手段と、第1画像処理手段と、記憶制御手段と、入力受付手段と、決定手段と、第2判定手段と、第2画像処理手段とを備える画像処理装置で実行される画像処理方法であって、
    前記読取手段が、原稿画像を読み取る読取ステップと、
    前記細分化手段が、前記読取ステップで読み取った前記原稿画像を、出力対象の領域に依存しない複数の判定領域に細分化する細分化ステップと、
    前記第1判定手段が、前記細分化ステップで細分化した前記判定領域毎に画像特徴を判定する第1判定ステップと、
    前記第1画像処理手段が、前記読取ステップで読み取った前記原稿画像に対して第1画像処理を行う第1画像処理ステップと、
    前記記憶制御手段が、前記第1画像処理ステップで前記第1画像処理を行った前記原稿画像を、前記判定領域毎の画像特徴を示す特徴情報と対応付けて記憶手段に記憶させる記憶制御ステップと、
    前記入力受付手段が、前記記憶手段に記憶された前記原稿画像に対する出力を指示すると共に、当該原稿画像のうち出力対の領域に相当する出力対象画像を決定するための操作入力を受け付ける入力受付ステップと、
    前記決定手段が、記入力受付ステップで受け付けた前記操作入力に応じて、前記出力対象画像を決定する決定ステップと、
    前記第2判定手段が、前記原稿画像と対応付けられて前記記憶手段に記憶されている前記特徴情報のうち、前記出力対象画像を構成する前記判定領域の前記特徴情報に基づいて、前記決定ステップで決定した前記出力対象画像の画像特徴を判定する第2判定ステップと、
    前記第2画像処理手段が、前記第2判定ステップで判定した前記画像特徴に応じて、前記出力対象画像に対して第2画像処理を行う第2画像処理ステップとを含む
    ことを特徴とする画像処理方法。
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