以下に添付図面を参照して、この発明にかかる画像処理装置、画像処理装置の画像処理方法、および画像処理プログラムの最良な実施の形態を詳細に説明する。なお、本実施の形態では、本発明の画像処理装置、画像処理装置の画像処理方法、および画像処理プログラムを、コピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能およびファクシミリ機能のうち少なくとも2つの機能を有する複合機(MFP:Multi Function Peripheral)に適用した例を挙げて説明するが、複写機、プリンタ、スキャナ装置、ファクシミリ装置等の画像処理装置であればいずれにも適用することができる。
(第1実施の形態)
図1は、第1実施の形態にかかる複合機の全体構成例を示す図である。読取り装置1は、CCD(Charge Coupled Device)などの光電変換素子からなるラインセンサとA(Analog)/D(Digital)コンバータとそれらの駆動回路とを具備し、セットされた原稿をスキャンすることで得る原稿の濃淡情報からRGB各8ビット、解像度600dpiのデジタル画像データ(以下、画像データとする)を生成し、画像データ処理装置1(2)に出力する。なお、CCDだけでなく、CIS(Contact Image Sensor)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などのイメージセンサでも同様の構成をとることが可能であり、さらに近年拡大傾向にある読み取りビット数も、10ビットや12ビットになるように構成することも可能である。解像度についても同様に、主に読み取りデバイスのスペックによって適時変更可能である。
画像データ処理装置1(2)は、読取り装置1から出力された画像データに対して、予め定めた特性に統一する処理を施すものである。ここで、予め定めた特性は、画像データをMFP100内部に蓄積・再利用する場合に、出力先の変更に適する特性であり、その詳細については後述する。
バス制御装置3は、複合機100内で必要な画像データや制御コマンド等の各種データのやり取りを行うデータバスの制御装置であり、複数種類のバス規格間でのブリッジ機能も有している。本実施の形態では、バス制御装置3は、画像データ処理装置1(2)と画像データ処理装置2(4)とCPU(Central Processing Unit)6とはPCI(Peripheral Component Interconnect)-Expressバスで接続され、HDD(Hard Disk Drive)5とはATA(Advanced Technology Attachment)バスにより接続され、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)化されている。
画像データ処理装置2(4)は、画像データ処理装置1(2)で予め定められた特性に統一された画像データ、および回線I/F(Interface)10や外部I/F装置11を通じて入力される画像データに対して、画像の調整・編集加工やユーザから指定された出力先に適した画像処理を施すものである。例えば、紙に出力する場合には、予め定められた特性に統一された画像データを、出力デバイスに依存するCMYKの画像データへと変換する。その詳細について後述する。
HDD5は、デスクトップパソコンなどにも使用されている電子データを保存するための大容量の記憶装置であり、本実施の形態にかかる複合機100内では画像データおよび当該画像データの付帯情報を蓄積する。また、本実施の形態では、HDD5は、IDE(Integrated Drive Electronics)を拡張して規格化されているATAバス接続のハードディスクを使用する。
この記憶装置は、別のデバイスも任意に選択可能であり、近年容量が大きくなってきたフラッシュメモリを用いたシリコンディスクなども適用可能である。その場合、消費電力の面やアクセス速度の向上が期待できる。
CPU6は、本実施の形態にかかる複合機100の制御全体を司るマイクロプロセッサである。本実施の形態では、CPU6には、近年普及してきたCPUコア単体に+αの機能を追加したIntegrated CPUを使用した。また、本実施の形態では、CPU6には、汎用規格I/Fとの接続機能や、クロスバースイッチを使ったこれらバス接続機能がインテグレートされたCPUを使用するものとする。
メモリ7は、複数種類のバス規格間をブリッジする際の速度差や接続された部品自体の処理速度差を吸収するために、一時的にやりとりするデータの記憶や、CPU6が複合機100の制御を行う際にプログラムや中間処理データを一時的に記憶する揮発性メモリである。なお、CPU6には高速処理が求められるため、通常起動時に、後述するROM(Read Only Memory)14に記憶されたブートプログラムにてシステムを起動し、その後は高速にアクセス可能なメモリ7に展開されたプログラムにて処理を行う。なお、本実施の形態では、メモリ7には、規格化されたパーソナルコンピュータに使用されているDIMM(Dual Inline Memory Module)を使用する。
プロッタI/F装置8は、CPU6にインテグレータされた汎用規格I/F経由で送られてくるCMYKからなる画像データを受け取ると、プロッタ装置9の専用I/Fに出力するバスブリッジ処理を行う。本実施の形態で使用されている汎用規格I/FはPCI−Expressバスである。
プロッタ装置9は、紙への出力デバイスに依存するCMYKからなる画像データを受け取ると、レーザービームを用いた電子写真プロセスを使って、受け取った画像データを転写紙に出力する。モノクロ出力を行う際にはKだけの画像データを受け取って出力するように構成することも可能であるが、ここではCMYKの4チャンネルの画像データを受け取る例について説明する。
なお、画像データの出力に使用するプロセスは任意に選択可能であり、近年パーソナルユースで使われることの多いインクジェットエンジンでも構わない。その場合には6色や7色といった多色インクへの対応も必要に応じて構成することができる。
S.B.13は、パーソナルコンピュータに使用されるチップセットの一つであり、South Bridgeと呼ばれる汎用の電子デバイスであり、主にPCI−ExpressとISA(Industrial Standard Architecture)ブリッジを含むCPUシステムを構築する際に頻繁に使用されるバスのブリッジ機能を汎用回路化したものであり、本実施の形態ではROM14との間をブリッジしている。
ROM14は、本実施の形態にかかる複合機100の制御を行う際のプログラム(ブートプログラムを含む)が格納されるメモリであり、電源をオフしても内容が消えない不揮発性のメモリで構築している。
操作表示装置10は、本実施の形態にかかる複合機100のユーザインターフェースとして使用される部分であり、タッチパネルを備えた液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)とキースイッチとを備えて構成され、装置の各種状態や操作方法をLCDに表示し、ユーザからのタッチパネル入力およびキースイッチ入力を検知する。なお、キースイッチを省略し、タッチパネルで全ての入力に対応する構成とすることもできる。また、本実施の形態では、操作表示装置10は、PCI−Expressバスを介してCPU6と接続されている。
回線I/F装置11は、PCI−Expressバスと電話回線を接続する装置であり、この装置により本実施の形態にかかる複合機100は電話回線を介して各種データのやり取りを行うことが可能になる。
FAX(Facsimile)15は、通常のファクシミリであり、電話回線を介して本実施の形態にかかる複合機100と、画像データの授受を行う。
外部I/F装置12は、PCI−Expressバスと外部装置を接続する装置であり、この装置により本実施の形態にかかる複合機100は外部装置との間で各種データのやり取りを行うことが可能になる。本実施の形態では、外部I/F装置12による接続I/Fにネットワーク(イーサーネット)およびUSB(Universal Serial Bus)を使用する。すなわち、本実施の形態にかかる複合機100は、外部I/F装置12を介してネットワークや外部メディア(SDカードなど)17に接続されている。ネットワークには、有線LAN(Local Area Network)や無線LANがあるが、どちらでも構成することが可能である。
PC16は、いわゆるパーソナルコンピュータである。ユーザは、パーソナルコンピュータにインストールされたアプリケーションソフトやドライバを介して、本実施の形態にかかる複合機100に対して各種制御や画像データの入出力を行う。
外部メディア17は、いわゆるコンパクトフラッシュ(登録商標)カードやSDカード等のメモリカードであり、画像データを含む各種電子データを記録しており、ユーザは本実施の形態にかかる複合機100に対して画像データの入出力を行う。
次に、本実施の形態にかかる複合機100に入力された各種画像データがどのように処理されて蓄積・出力されるかを、ユースケースに分けて説明する。
(スキャナ入力→プロッタ出力動作)
ユーザは、原稿を読取り装置1にセットし、所望する画像処理モード等の設定とコピー開始の入力を操作表示装置10から行う。操作表示装置10は、ユーザの操作により入力された情報を、機器内部の制御コマンドデータに変換し発行する。発行された制御コマンドデータは、PCI−Expressバスを介して、CPU6に通知される。CPU6は、コピー開始の制御コマンドデータに従って、コピー動作プロセスの画像処理プログラムを実行し、コピー動作に必要な設定や動作を順に行う。以下にコピー動作プロセスを順に記す。
読取り装置1で原稿をスキャンして得られたRGB各8ビットの画像データは、画像データ処理装置1(2)で予め定めた特性に統一され、バス制御装置3に送られる。また、必要に応じて原稿から情報を抽出する。
ここで、図2を用いて、画像データ処理装置1(2)の詳細の構成について説明する。図2は、画像データ処理装置1の詳細な処理ブロック図である。γ変換部201は、読取り装置1から入力され、デジタル化された画像データのγ特性を、反射率を基にした特性から予め定められた特性(例えばγ=2.2)に変換する。本実施の形態では、γ変換部201は、図3に示すチャートをスキャンした場合に、所定のγ特性になるように変換する。図3は、γ変換部における画像データのγ特性を予め定めた特性に統一するためのチャートの一例を示した図である。また、γ変換部201は、γ変換と合せて、白黒の論理も反転し、白:0,黒:255の画像データとする。
色変換部202は、画像データが表す色空間を予め定めた色空間に変換する。なお、変換後の色空間は、入力される画像データに対して、クリップや圧縮がかからない程度の大きさを有することが好ましい。本実施の形態では、図3に示すようなチャートをスキャンしたときに、規格化された色空間の一つであるAdobeRGB色空間(AdobeはAdobe Systems Incorporated(アドビシステムズ社)の商標)になるように変換する。後述するカラー/モノクロ判定部1〜7によるカラーデータか否かの判定の前に、予め定めた色空間に変換することにより、再利用での画質調整の色差予測の精度を向上させることができる。また、色差比較を行う際に、異なる色空間同士だとその差を埋めるハードウェアが別に必要となるが、その必要がなくなるので、コスト上のメリットにも繋がる。
カラー/モノクロ判定部1〜7(203)は、入力された画像データがカラーデータかモノクロデータかを複数のACS判定基準(例えば、彩度など)ごとに判定する。本実施の形態では、複数のACS判定基準毎にカラーデータかモノクロデータかの判定を行うため、複数のカラー/モノクロ判定部を並列に配置している。なお、本実施の形態では、7つのカラー/モノクロ判定部が配置されているが、これに限定するものではなく、システム全体の要件に応じて適時変更が可能である。カラー/モノクロ判定部1〜7(203)は、1フレームの画像データに対してカラーデータかモノクロデータかの判定処理が終るごとに、そのカラー/モノクロ判定結果(カラー原稿判定情報)だけをCPU6に出力するものとする。
ここで、図4を用いて、カラー/モノクロ判定部1〜7(203)の詳細な構成について説明する。図4は、カラー/モノクロ判定部の詳細な構成を示すブロック図である。
300dpi化部401は、入力された600dpiの画像データを、RGB独立に300dpiの画像データに解像度変換するものである。本実施の形態では、300dpi化部401は、2×2画素の平均値で1画素を求めることにより、600dpiの画像データを300dpiの画像データに解像度変換するものとする。以降の処理は、300dpiの画像データに対して行われるものとする。
彩度判定部402は、300dpiの画像データの色空間を、以下に示す演算式を用いて、規格化された色空間であるAdobeRGB色空間からYUV色空間へ変換を行う。なお、本実施の形態では、YUV色空間へ変換を行っているが、回路規模が問題にならない場合には、公知のRGB→HLS変換を行っても良い。
<RGB→YUV変換>
Y=R1+2×G1+B1 (Y:0〜1020)
U=R1−G1 (U:−255〜255)
V=B1−G1 (V:−255〜255)
次に、彩度判定部402は、YUV色空間に変換された画像データに含まれる各画素の彩度(sat)を算出する。本実施の形態では、彩度判定部402は、回路を減らすため簡易的に、以下に示す演算式を用いて、UVの絶対値の和を彩度(sat)として算出することにより、8ビットに正規化を行う。
<彩度算出>
sat=(|U|+|V|)>>2(sat:0〜255)
次に、彩度判定部402は、画像データに含まれる各画素の彩度(sat)と、カラーデータかモノクロデータかを判定するための判定基準(ACS判定基準)である彩度閾値Cthとの比較を行う。そして、彩度判定部402は、彩度閾値Cthよりも各画素の彩度(sat)が大きい場合には、当該画素の彩度判定結果として「1」を出力する。一方、彩度判定部402は、各画素の彩度(sat)が彩度閾値Cth以下である場合には、当該画素の彩度判定結果として「0」を出力する。本実施の形態では、並列に配置された7つのカラー/モノクロ判定部1〜7(203)において、画像データに含まれる各画素の彩度(sat)と、当該カラー/モノクロ判定部1〜7それぞれに与えられた複数の彩度閾値C1〜C7と、を比較するものとする。
図5は、カラー/モノクロ判定部1〜7において画像データに含まれる各画素の彩度と比較する彩度閾値C1〜C7を示す図である。彩度閾値C1〜C7は、図5に示すように、明度Lに応じて異なるように構成しても良い。より具体的には、彩度閾値C1〜C7は、基本的に明度Lが低い領域(つまり暗い領域)では、彩度(sat)に対する許容度が高くなり、その値が下がる。一方、彩度閾値C1〜C7は、明度が高くなるにつれて彩度(sat)に対する許容度が低くなり、その値が上がる。または、彩度閾値C1〜C7は、画像データの出力先に応じて異なるように構成しても良い。これにより、出力時に発生するコストを抑えることが可能である。
さらに、彩度判定部402は、上述した処理とは別途、RGBそれぞれと白画素閾値WhThとの比較を行い、RGB全てが白画素閾値WhThよりも小さい場合に、その画素を白画素と判定する。なお、彩度判定部402は、白画素と判定された場合には、彩度閾値Cthとの比較結果に関わらず、彩度判定結果:「0」を出力するものとする。
次に、有彩判定と無彩判定に分かれて処理を行う。カウント部1(403)は、所定のサイズのウィンドウ内において、彩度判定結果:「1」が出力された画素をカウントするものである。ここでは、所定のサイズを7×7画素としている。そして、カウント部1(403)は、カウント結果とカウント閾値MinThとの比較を行い、カウント結果がカウント閾値MinThよりも大きい場合には、色画素候補1:「1」を出力し、カウント結果がカウント閾値MinThより小さい場合には、色画素候補1:「0」を出力する。
これに並行して、ACS PM部404は、彩度判定した画素に対して、本来色として対象としたくない画素を除外するためのパターンマッチングを行う。例えば、黒い線分を読取り装置1で読み取る際に振動によりRGBのCCDからの入力が乱れて、読取位置がずれることにより色づくようなケースや、糸くずのような微小なゴミがコンタクトガラス上に付着して、孤立した色として存在するケースなどである。ACS PM部404は、パターンにマッチしない場合には、色画素候補2:「1」を出力し、パターンにマッチした場合には、色画素候補2:「0」を出力する。
有彩判定部406は、色画素候補1および色画素候補2が両方とも「1」の画素を有彩画素と判定し、その数をカウントする。
5×5ブロック化部407は、5×5画素のブロックごとに、有彩画素と判定された画素をカウントし、当該5×5画素のブロック内に1つ以上の有彩画素がある場合には、そのブロックを有彩画素からなる有彩画素ブロックとする。これ以降の処理は5×5画素のブロック単位での処理となる。
密度化3×3部408は、孤立するブロックを除去するために、3×3ブロックの中で有彩画素ブロックが4つ以上であり、かつ注目ブロックが有彩画素ブロックの場合には、この3×3ブロックを有彩画素からなる有彩画素ブロックとする。本実施の形態では、この結果を、有彩画素の彩度判定結果とする。
カウント部2(405)は、所定のサイズのウィンドウ内において、彩度判定結果:「0」が出力された画素をカウントするものである。ここでは、所定のサイズを7×7画素としている。
無彩判定部409は、カウント部2によるカウント結果とカウント閾値BkThとの比較を行い、カウント結果がカウント閾値BkTh以上であるならば、その7×7画素のウィンドウを黒画素からなるウィンドウと判定する。
5×5ブロック化部410は、7×7ウィンドウのブロックごとに、黒画素と判定されたウィンドウをカウントし、1つ以上の黒画素と判定されたウィンドウがある場合には、当該7×7ウィンドウのブロックを黒画素ブロックとする。これ以降の処理は5×5画素のブロック単位での処理となる。
無彩膨張部411は、5×5ブロックの中で黒画素ブロックが1つ以上ある場合には、注目ブロックを黒画素ブロックとする。本実施の形態では、この結果を、無彩画素の彩度判定結果とする。
カラーブロック判定部412は、有彩画素の彩度判定結果が「1」、かつ無彩画素の彩度判定結果が「0」のブロックを有彩画素からなる色ブロックと判定する。
9×9ブロック膨張部413は、9×9ブロックの中から色ブロックと判定されたブロックをカウントし、1つでも色ブロックと判定されたブロックがある場合には、その9×9ブロックに含まれる全てのブロックを色ブロックと判定して、カラーブロック判定部412による判定結果を膨張させる。
連続カウント部414は、9×9ブロックに膨張させた色ブロックの連続数をカウントすることにより、最終的に画像データがカラーデータかモノクロデータかを判定する。カウントした色ブロックの連続が途切れた場合、連続カウント部414は、それまでの最大のカウント結果のみを保持し、カウント値を0にリセットして再びカウントを始める。そして、最終的に原稿全面の画像データに含まれる画素が有彩画素か否かを判定したときの最大のカウント値(カラー/モノクロ判定結果)が、CPU6により読み込まれ画像データとともにHDD5に保存する。
図6は、HDDに保存されるカウント値の一例を示す図である。本実施の形態では、7つのカラー/モノクロ判定部1〜7(203)が画像データ処理装置1(2)内に配置されているため、HDD5には、7つの判定レベルに対応付けて、7つの彩度閾値C1〜C7であるACS判定基準およびカラー/モノクロ判定結果である有彩カウンタ(カウント結果)が保存されている。なお、7つの判定レベルは、カラー/モノクロの判定を行うものなので、彩度をACS判定基準の軸として用意するものとする。なお、図6に示す有彩カウンタは、ある原稿の画像データを判定したときの一例であり、各種条件により変動するものである。
図7は、画像データを読み取り可能な原稿領域を主走査方向および副走査方向に分割した例を示す図である。連続カウント部414は、図7に示すように、画像データを読み取り可能な原稿領域を主走査方向および副走査方向に分割し、分割した領域ごとに色ブロックの連続数をカウントし、分割した領域ごとに画像データがカラーデータかモノクロデータかを判定しても良い。図7に示す例では、原稿領域を3×3の均等なサイズの9領域に分割しているが、任意の座標を基準にして任意のサイズに分割しても良い。
図8は、コンタクトガラス上に原稿をセットする際の基準位置を基準にして原稿領域を分割した例を示す図である。連続カウント部414は、図8(a)に示すように、コンタクトガラス上に原稿をセットする際の基準位置となる角を基準にして、原稿領域を3×3の9領域に分割している。さらに、連続カウント部414は、一般に流通しているA5縦、A4縦、A4横、A3縦などの用紙サイズを想定して任意のサイズに分割している(図8(b)〜(e)に示す)。
図9は、コンタクトガラス上に原稿をセットする際の基準位置を基準にして原稿領域を分割した例を示す図である。連続カウント部414は、図9(a)に示すように、コンタクトガラス上に原稿をセットする際の基準位置となるセンターを基準にして、原稿領域を5×3の15領域に分割している。さらに、連続カウント部414は、一般に流通しているA5縦、A4縦、A4横、A3縦などの用紙サイズを想定して任意のサイズに分割している(図9(b)〜(e)に示す)。
なお、図7および図8に示す例では、分割した領域同士が重ならないように原稿領域を分割しているが、領域同士が相互に重なるように原稿領域を分割することも可能である。その場合、領域同士で重なりが発生した分だけ冗長にカラー/モノクロの判定が行われることとなる。
図2に戻り、フィルタ処理部204は、画像データの鮮鋭性を表すMTF特性等を予め定めた特性値に変換する。本実施の形態では、図10に示すような基準チャートのパターンをスキャンしたときに、線数毎に対して予め定めたMTF特性値になるように変換する。図10は、フィルタ処理部におけるRGB画像データの鮮鋭性を予め定めた特性に統一するための基準チャートを示した図である。
解像度変換部205は、画像データのサイズ(解像度)を予め定めた解像度へと変換し、バス制御装置3に出力する。図2では変換後の画像データを画像データ1と表している。本実施の形態では、サイズ(解像度)を600dpiに変換するものとするが、この例に限らないものとする。
バス制御装置3は、画像データ処理装置1(2)から画像データを受け取ると、CPU6を介してメモリ7に蓄積する。なお、メモリ7に蓄積された画像データは、今回の使用だけでなく後日の再利用に向けたユーザによる蓄積指示や複数の出力先への同報送信など、編集加工前の画像データとして必要に応じてHDD5へも保存される。
また、画像データの検索などに利用するために、画像データだけでなく、当該画像データの解像度を下げたサムネイルも編集加工前の画像データと紐付けされてHDD5に保存させても良い。サムネイルは、ファイルサイズも小さいため、画像データのHDD5への保存の要否に関わらず常にHDD5に保存させても良い。なお、サムネイルの作成は、CPU6がHDD5に保存された画像データを読み出し、読み出した画像データに解像度変換およびsRGB色空間への色変換により行うものとするが、後述する画像データ処理装置2(4)が備える色変換処理部1103および解像度変換部1104(図11に示す)によりサムネイルを作成しても良い。本実施の形態では、解像度が72dpiおよび144dpiの2種類のサムネイルを生成する作成するものとする。
メモリ7に蓄積された画像データは、CPU6およびバス制御装置3を介して画像データ処理装置2(4)に送られる。画像データ処理装置2(4)は、受け取った画像データをプロッタ出力用のCMYK画像データに変換して出力する。なお、画像データのバスを介して転送する際やHDD5へ画像データを保存する際などに、必要に応じて画像データに圧縮/伸張処理を行うことにより、効率的にデータを扱うことも可能である。
ところで、CPU6は、カラーモードが自動カラー選択モード(ACSモード)の場合、画像データ処理装置2(4)による実際の処理が行われる前に、HDD5に保存された判定レベルごとのカラー/モノクロ判定結果である有彩カウンタと、画質調整への指示内容と、を照らし合わせて、カラー出力を行うか、モノクロ出力を行うかを判断し、後述する画像データ処理装置2(4)が備える色変換部1103に対してカラー出力かモノクロ出力かを指示する。具体的には、CPU6は、ユーザによる画質調整への指示内容(判定レベル)に対応するACS判定基準(彩度)と対応付けられた有彩カウンタに従って、色変換部1103に対してカラー出力/モノクロ出力を指示する。
本実施の形態では、ユーザは彩度を±3段階(合計7段階)の判定レベルで調整することができるものとする。CPU6は、調整された判定レベルに対応する彩度におけるカウンタ値と予め定められた閾値(例えば、1500)とを比較して、カラーデータかモノクロデータかを総合判定する。そして、CPU6は、そのカラー/モノクロ総合判定結果に従って、後述する画像データ処理装置2(4)が備える色変換部1103に対してカラー出力かモノクロ出力かを指示する。
図12は、カラー/モノクロ総合判定結果の一例を示す図である。例えば、CPU6は、図12に示すように、有彩カウンタが1500を超える彩度に対応する判定レベルに調整された場合には、カラー出力を指示し、有彩カウンタが1500以下の彩度に対応する判定レベルに調整された場合には、モノクロ出力を指示する。つまり、ユーザによる画質調整への指示内容が示す彩度に対応する判定レベルが「+2」に調整された場合には、有彩カウンタが2048となるため、CPU6は、カラー出力を指示する。一方、ユーザによる画質調整への指示内容が示す彩度に対応する判定レベルが「−1」に調整された場合には、有彩カウンタが1024となるので、CPU6は、モノクロ出力を指示し、画質調整を行わない場合(判定レベル:「0」)のときと変化がないこととなる。
なお、CPU6は、カラー/モノクロ総合判定結果が覆った場合(つまり画質調整への指示内容が示す彩度における有彩カウンタが、予め設定された判定レベルに対応する彩度における有彩カウンタから変化したことを通知するとともに、このまま処理を継続するか否かの通知を操作表示装置10に表示する。これにより、ユーザが予期しない出力が行われることを未然に防ぐことができる。
図13は、処理を継続する否かの通知の一例を示す図である。例えば、調整した判定レベルと対応付けられたカウンタ値が閾値を越えて、カラー/モノクロ総合判定結果がモノクロ出力からカラー出力に変わる場合には、図13(a)に示す通知を操作表示装置10に表示する。一方、調整した判定レベルと対応付けられたカウンタ値が閾値以下となり、カラー/モノクロ総合判定結果がカラー出力からモノクロ出力に変わる場合には、図13(b)に示す通知を操作表示装置10に表示する。また、このような確認を行うか否かをユーザが設定できるようにしておいても良い。さらに、カラー出力からモノクロ出力に変わる場合とモノクロ出力からカラー出力に変わる場合とで、このような確認を個別に設定できるようにしても良い。
ここで、図11を用いて、画像データ処理装置2(4)の詳細な構成について説明する。図11は、画像データ処理装置2の詳細な処理ブロック図である。
フィルタ処理部1101は、画像データの鮮鋭性やS/Nを、プロッタ装置9に出力する場合に再現性が良くなるように補正する。具体的には、フィルタ処理部1101は、所望の画像処理モードに従って鮮鋭化/平滑化処理を施すものである。例えば、フィルタ処理部1101は、画像処理モードが文字モードである場合には、文字をハッキリ/クッキリとするために鮮鋭化処理を施し、画像処理モードが写真モードである場合には、諧調性を表現するために平滑化処理を施す。
画質調整部1102は、画像データに対して、ユーザの画質調整への指示内容が示す彩度、コントラスト、地肌レベルなどに従って画像データに対して画質調整を行うものである。なお、本実施の形態では、画像データの彩度を調整する例について説明するが、画像データに対する画質調整や画像編集などの画像調整への指示内容が示すACS判定基準に従って画像データに対して画像調整を行うものであれば、これに限定するものではない。
ここで、図14および図15を用いて、画質調整部1102における画質調整処理について詳細に説明する。図14は、画質調整部の構成を示すブロック図である。図15は、色相の境界を示す色相角Φを示す図である。
本実施の形態にかかる画像調整部1102は、色相判定部1401、彩度調整部1402〜1407、およびセレクタ1408を備えて構成される。
色相判定部1401は、入力された8ビットの画像データを、RGBCMYの6色相のいずれに該当しているかの判定を行うものである。本実施の形態では、色相判定部1401は、AdobeRGB色空間からLab色空間へと変換し、abから色相角Ξを求める。そして、色相判定部1401は、求めた色相角Ξを、R色相領域から順次比較することにより、当該色相角Ξが属する色相領域を特定する。なお、RGBCMYの色相領域は、図15に示すように、それぞれ色相の境界を示す色相角Φにより定められているものとする。図15は、色相角Φにより定められたRGBCMYの色相領域を示す図である。
彩度調整部1402〜1407は、色相判定部1401による色相の判定に平行して、画像データの彩度調整を行うものである。本実施の形態では、彩度調整部1402〜1407は、センターノッチ(段階)に対応する彩度を基準として±3段階(ノッチ)に対応する彩度で画像データに対して彩度調整を行うものとする(調整ノッチ方式)。なお、センターノッチの彩度への彩度調整は行われず、入力された画像データがそのまま出力される。以下に画像データに対して行われる彩度調整の詳細について説明する。
図16は、ノッチに対応する彩度のテーブルを示す図である。本実施の形態では、ノッチを一段ずつ上げ下げすると、それぞれの彩度がプラス方向またはマイナス方向に調整されるテーブルを用いて彩度調整を行うものとする。ただし、色相領域ごとに彩度調整による効果が人の目によって若干前後するため、それぞれの色相領域ごとに彩度のテーブルを用意しているものとする。なお、本実施の形態では、各ノッチに対応する彩度を全て均一なパラメータとしているが、無彩軸に近い(彩度が0に近い)部分は彩度変換率(後述する)を若干落とすようにすると、彩度調整による色づきを軽減することができる。
<RGB→YUV変換>
まず、以下に示す演算式を用いて、RGBの画像データをYUVの画像データへと変換する。
Y=R1+2×G1+B1 (Y:0〜1020)
U=R1−G1 (U:−255〜255)
V=B1−G1 (V:−255〜255)
<彩度算出>
次に、以下に示す演算式を用いて、YUVに変換された画像データの彩度(sat)を算出する。本実施の形態では、彩度(sat)は、回路を減らすために、簡易的にUVの絶対値の和とする。なお、回路規模が問題にならない場合には、RGBの画像データをHLSの画像データに変換して彩度(sat)を算出しても良い。
sat=(|U|+|V|)>>2 (sat:0〜255)
<彩度変換率の設定>
次に、以下に示す演算式を用いて、得られたインデックスで変換テーブルを引いて、彩度変換率(conv_sat[sat])を求める。変換テーブルへの入力は0〜255となる、予め変換テーブルに設定される彩度変換率(conv_sat[sat])は、最小:0/64〜最大:255/64であり、係数分解能は1/64とする。したがって、彩度変換率(conv_sat[sat])が「1」の場合には、彩度は「64」となる。
変換テーブル=unsigned char(彩度変換率×64)
<彩度調整>
次に、以下に示す演算式を用いて、UVの距離に応じた彩度変換率(conv_sat[sat])をUVに乗じて彩度調整を行う。
U´=(U×conv_sat[sat])/24
V´=(V×conv_sat[sat])/24
なお、彩度調整は、下位6ビットを小数部として演算しているので、U´およびV´は小数部を2ビット分残していることとなる。
<YUV→RGB変換>
次に、彩度調整されたYUVの画像データをRGBの画像データに変換する。本実施の形態では、以下に示す演算式を用いてクリップし、outRGBを求めるものとする。
G´=Y−((U´+V´)/22)
ただし、(G´<0:outG=0)、(G´≧1024:outG=255)、(0≦G´<1024:outG=G´>>2)
R´=U´+G´
ただし、(B´<0:outB=0)、(B´≧1024:outB=255)、(0≦B´<1024:outB=B´>>2)
B´=V´+G´
ただし、(R´<0:outR=0)、(R´≧1024:outR=255)、(0≦R´<1024:outR=R´>>2)
図11に戻り、色変換部1103は、RGB各8ビットの画像データを受け取ると、プロッタ装置9用の色空間であるCMYK各8ビットに色変換する。より具体的には、色変換部1103は、カラーモードがカラー出力モードの場合にはCMYKの画像データに色変換し、カラーモードがモノクロ出力モードの場合にはK単色の画像データに色変換する。
また、色変換部1103は、CPU6からのカラー/モノクロ総合判定結果(カラー出力の指示またはモノクロ出力の指示)に従って、画質調整を行った画像データに対して色変換を行うものとする。
解像度変換部1104は、CMYKの画像データの解像度を、プロッタ装置9の性能に従って解像度変換を行う。本実施の形態では、解像度変換部1104は、プロッタ装置9の性能が600dpi出力であるため、特に変換は行われない。
γ変換部1105は、CMYKの画像データのγ特性を、プロッタ装置9のプロセス特性に従ってγ変換を行う。
中間調処理部1106では、CMYK各8ビットの画像データを受け取ると、プロッタ装置9の階調処理能力に従った中間調処理を行う。本実施の形態では、中間調処理部1106は、CMYK各2ビットとし疑似中間調処理の一つである誤差拡散法を用いる。そして、中間調処理の施されたCMYK各2ビットの画像データはバス制御装置3へと送られる。
バス制御装置3は、画像データ処理装置2(4)からのCMYKの画像データを受け取ると、CPU6を介してメモリ7に展開する。メモリ7に展開されたCMYKの画像データはCPU6及びプロッタI/F装置9を介してプロッタ装置9に送られる。加えて、ユーザからの蓄積指示で後日の再出力用編集加工済み画像データとして必要に応じてHDD5へも蓄積保存される。
この編集加工済み画像データも編集加工前のRGBの画像データと同じようにサムネイルが生成される。CPU6によってCMYKからsRGBへ色変換を行い、解像度72dpiと144dpiの二種類のサムネイルを生成する。ここで、デバイスに依存したCMYKからsRGBへと変換する際には画質上劣化が生じるため、サムネイルの画質に拘る場合には編集加工前のRGBの画像データから上述してきた画像データ処理装置2(4)を用いた処理によって直接サムネイルを生成するようにしても良い。
プロッタ装置9は、受け取ったCMYKの画像データを転写紙に出力し、原稿のコピーが生成される。
(スキャナ入力→ファックス送信動作)
ユーザは原稿を読取り装置1にセットし、所望する画像処理モード等の設定とファックス開始の入力を操作表示装置10に行う。操作表示装置10はユーザから入力された情報を、機器内部の制御コマンドデータに変換し発行する。発行された制御コマンドデータはPCI-Expressバスを介してCPU6に通知される。CPU6はファックス送信開始の制御コマンドデータに従って、ファックス送信動作プロセスの画像処理プログラムを実行し、ファックス送信動作に必要な設定や動作を順に行っていく。以下に動作プロセスを順に記す。
読取り装置1で原稿をスキャンして得られたRGB各8ビットのデジタル画像データは、画像データ処理装置1(2)で予め定めた特性に統一され、バス制御装置3に送られる。また、必要に応じて原稿から情報を抽出する。なお、処理の詳細については、(スキャナ入力→プロッタ出力動作)と同等なため割愛する。
バス制御装置3は、画像データ処理装置1(2)からRGBの画像データを受け取ると、CPU6を介してメモリ7に蓄積する。メモリ7に展開されたRGBの画像データは今回の使用だけでなく後日の再利用に向けたユーザによる蓄積指示や複数の出力先への同報送信など編集加工前の画像データとして必要に応じてHDD5へも蓄積保存される。
また、RGBの画像データを蓄積保存するだけでなく、画像検索などに利用するための解像度を下げたサムネイルも編集加工前のRGBの画像データと紐付けされて保存される。サムネイルはファイルサイズも少ないため、画像データの蓄積保存の要否に関わらず常に保存するようにしておいても良い。サムネイルの作成は、CPU6において、蓄積した画像データの解像度変換およびsRGB色空間への変換により行うが、後述する画像データ処理装置2(4)の色変換部1103と解像度変換部1104を利用しても良い。解像度は72dpi及び144dpiの2種類を生成する。
メモリ7に蓄積された画像データは、CPU6およびバス制御装置3を介して画像データ処理装置2(4)に送られる。画像データ処理装置2(4)は受け取った画像データを、ファックス送信用のモノクロ2値の画像データに変換し出力する。
CPU6は、カラーモードが自動カラー選択モード(ACSモード)の場合、画像データ処理装置2(4)による実際の処理が行われる前に、HDD5に保存された判定レベルごとのカラー/モノクロ判定結果である有彩カウンタと、画質調整への指示内容と照らし合わせてカラー出力を行うか、モノクロ出力を行うかを判断し、画像データ処理装2(4)が備える色変換部1103へカラー出力かモノクロ出力かを指示する。具体的には、CPU6は、ユーザによる画質調整への指示内容(判定レベル)が示す彩度(ACS判定基準)と対応付けられた有彩カウンタに従って、色変換部1103に対してカラー出力/モノクロ出力を指示する。
本実施の形態では、ユーザは彩度を±3段階(合計7段階)の判定レベルで調整することができるものとする。CPU6は、調整された判定レベルに対応する彩度におけるカウンタ値と、予め定められた閾値(例えば、1800)とを比較して、カラーデータかモノクロデータかを総合判定する。この予め定められた閾値は、前述のプロッタ出力よりも閾値が下がっており、よりモノクロ判定しやすいようにする。これはFAX出力の場合は、データ通信料がかかるため、よりモノクロ出力での比重が高まるためである。
図17は、カラー/モノクロ総合判定結果の一例を示す図である。例えば、CPU6は、図12に示すように、有彩カウンタが1800を越える彩度に対応する判定レベルに調整された場合には、カラー出力を指示し、有彩カウンタが1800以下の彩度に対応する判定レベルに調整された場合には、モノクロ出力を指示する。つまり、ユーザによる画質調整への指示内容が示す彩度に対応する判定レベルが「+2」に調整された場合には、有彩カウンタが2048となるため、CPU6は、カラー出力を指示する。一方、ユーザによる画質調整への指示内容が示す彩度に対応する判定レベルが「+1」に調整された場合には、有彩カウンタが1024となるため、CPU6は、モノクロ出力を指示し、画質調整を行わない場合(判定レベル:「0」)のときと変化はないこととなる。
なお、CPU6は、カラー/モノクロ総合判定結果が覆った場合、図13に示すように、このまま処理を継続するかユーザに通知を行う。また、このような確認を行うか否かをユーザが設定できるようにしておいても良い。さらに、カラー出力からモノクロ出力に変わる場合と、モノクロ出力からカラー出力に変わる場合とで、このような確認を個別に設定できるようにしておいても良い。
フィルタ処理部1101は、画像データの鮮鋭性を、FAX送信する場合に再現性が良くなるように補正する。具体的には、フィルタ処理部1101は、所望する画像処理モードに従って鮮鋭化/平滑化処理を施す。例えば、フィルタ処理部1101は、画像処理モードが文字モードである場合には、文字をハッキリ/クッキリとするために鮮鋭化処理を施し、画像処理モードが写真モードである場合には、滑らかに階調性を表現するため平滑化処理を施す。
画質調整部1102は、RGB各8ビットの画像データに対して、ユーザの画質調整への指示内容が示す彩度やコントラスト、地肌レベルなどに従って画質調整を行う。本実施の形態では、説明を簡単にするために彩度のみ調整できるものとする。
色変換部1103は、RGB各8ビットの画像データを受け取ると、FAX15で一般的な単色(モノクロ)8ビットに変換する。ただし、送信先がカラーFAXに対応している場合には先のプロッタへの変換と同様にすることも可能である。より具体的には、色変換部1103は、カラーモードがカラー出力モードの場合にはRGBの画像データに色変換し、カラーモードがモノクロ出力モードの場合にはグレースケールの画像データに色変換する。また、色変換部1103は、CPU6からのカラー/モノクロ総合判定結果(カラー出力の指示またはモノクロ出力の指示)に従って、画質調整を行った画像データに対して色変換を行うものとする。
解像度変換部1104は、モノクロの画像データの解像度を、FAX15で送受される解像度に変換する。本実施の形態では、解像度変換部1104は、主走査方向:200dpi×副走査方向:100dpiに解像度変換する。
γ変換部1105は、モノクロの画像データのγ特性を、FAX送信する場合の再現性が良くなるように補正する。例えば、文字モードでは、文字をハッキリ/クッキリさせるためにコントラストを高めにして、γ変換を行う。写真モードでは、滑らかに階調が表現できるようにやや寝かせ気味のγ変換を行う。
中間調処理部1106は、モノクロ8ビットの画像データを受け取るとFAX15で送受される中間調処理能力に従った中間調処理を行う。本実施の形態では、中間調処理部1106は、疑似中間調処理の一つである誤差拡散法を用いて2値のデータとする。カラーFAX出力では8ビットのまま中間調処理は施さずに出力する。
バス制御装置3は、画像データ処理装置2(4)からのモノクロの2値画像データを受け取ると、CPU6を介してメモリ7に展開する。メモリ7に展開されたモノクロの2値画像データは、CPU6を介して、回線I/F装置11に送られる。加えて、ユーザからの蓄積指示で後日の再出力用編集加工済み画像データとして必要に応じてHDD5へも蓄積保存される。
この編集加工済み画像データも編集加工前のRGBの画像データと同じようにサムネイルが生成される。CPU6によってモノクロ2値からsRGBへ色変換を行い、解像度72dpiと144dpiの二種類のサムネイルを生成する。ここで、解像度の低いモノクロ2値からsRGBへと変換する際には画質上劣化が生じるため、サムネイルの画質に拘る場合には編集加工前のRGBの画像データから、上述してきた画像データ処理装置2(4)を用いた処理によって直接サムネイルを生成するようにしても良い。
回線I/F装置11は、受け取ったモノクロの2値画像データを送信プロトコルに則って回線を介して接続したFAX15に送信する。
(スキャナ入力→スキャナ配信動作)
ユーザは原稿を読取り装置1にセットし、所望する画像処理モード等の設定とスキャナ配信開始の入力を操作表示装置10に行う。操作表示装置10はユーザから入力された情報を、機器内部の制御コマンドデータに変換し発行する。発行された制御コマンドデータはPCI-Expressバスを介してCPU6に通知される。CPU6はスキャナ配信開始の制御コマンドデータに従って、スキャナ配信動作プロセスの画像処理プログラムを実行し、スキャナは配信動作に必要な設定や動作を順に行っていく。以下に動作プロセスを順に記す。
読取り装置1で原稿をスキャンして得られたRGB各8ビットのデジタル画像データは、画像データ処理装置1(2)で予め定めた特性に統一され、バス制御装置4に送られる。また、必要に応じて原稿から情報を抽出する。なお、処理の詳細については、(スキャナ入力→プロッタ出力動作)と同等なため割愛する。
バス制御装置3は、画像データ処理装置1(2)からのRGBの画像データを受け取ると、CPU6を介してメモリ7に蓄積する。メモリ7に展開されたRGBの画像データは今回の使用だけでなく後日の再利用に向けたユーザによる蓄積指示や複数の出力先への同報送信など編集加工前の画像データとして必要に応じてHDD5へも蓄積保存される。
また、RGBの画像データを蓄積保存するだけでなく、画像検索などに利用するための解像度を下げたサムネイルも編集加工前のRGBの画像データと紐付けされて保存される。サムネイルはファイルサイズも少ないため、画像データの蓄積保存の要否に関わらず常に保存するようにしておいても良い。サムネイル作成は、CPU6において、蓄積した画像データの解像度変換およびsRGB色空間への変換によりを行うが、画像データ処理装置2(4)の色変換部1103と解像度変換部1104を利用しても良い。解像度は72dpiおよび144dpiの2種類を生成する。
メモリ7に蓄積された画像データは、CPU6およびバス制御装置3を介して画像データ処理装置2(4)に送られる。画像データ処理装置2(4)は受け取った画像データを、スキャナ配信用の画像データ(RGB多値、グレースケール、モノクロ2値等)に変換し出力する。
CPU6は、カラーモードが自動カラー選択モード(ACSモード)の場合、画像データ処理装置2(4)による実際の処理が行われる前に、HDD5に保存された判定レベルごとのカラー/モノクロ判定結果である有彩カウンタと、画質調整への指示内容とを照らし合わせてカラー出力を行うか、モノクロ出力を行うかを判断し、画像データ処理装置2(4)が備える色変換部1103へカラー出力かモノクロ出力かを指示する。具体的には、CPU6は、ユーザの画質調整への指示内容(判定レベル)が示す彩度(ACS判定基準)と対応付けられた有彩カウンタに従って、色変換部1103に対してカラー出力/モノクロ出力を指示する。
本実施の形態では、ユーザは彩度を±3段階(合計7段階)の判定レベルで調整するできるものとする。CPU6は、調整された判定レベルに対応する彩度における有彩カウンタと、予め定められた閾値(例えば、1000)とを比較して、カラーデータかモノクロデータかを総合判定する。この予め定められた閾値は、前述のプロッタ出力よりも閾値が下がっており、よりカラー判定しやすいようにする。これはスキャナ配信の場合にではトナーやパーチャー課金のような制約が無いのでカラー出力での比重が高まるためである。
図18は、カラー/モノクロ総合判定の一例を示す図である。例えば、CPU6は、図18に示すように、有彩カウンタが1000を越える彩度に対応する判定レベルに調整された場合には、カラー出力を指示し、有彩カウンタが1000以下の彩度に対応する判定レベルが指示された場合には、モノクロ出力を指示する。つまり、ユーザによる画質調整への指示内容が示す彩度に対応する判定レベルが「+1」に調整された場合には、有彩カウンタが1680となるため、CPU6は、カラー出力を指示し、画質調整を行わない場合(判定レベル:「0」)のときと変化はないことになる。一方、ユーザによる画質調整への指示内容が示す彩度に対応する判定レベルが「−2」に調整された場合には、有彩カウンタが768となるため、CPU6は、モノクロ出力を指示する。
なお、CPU6は、カラー/モノクロ総合判定結果が覆った場合、図13に示すように、このまま処理を継続するかユーザに通知を行う。このような確認を行うかどうかユーザが設定できるようにしておいても良い。さらに、カラー出力からモノクロ出力に変わる場合と、モノクロ出力からカラー出力に変わる場合とで、このような確認を個別に設定できるようにしておいても良い。
フィルタ処理部1101は、画像データの鮮鋭性を、スキャナ配信する場合の再現性が良くなるように補正する。具体的には、フィルタ処理部1101は、所望する画像処理モード従って鮮鋭化/平滑化処理を施す。例えば、フィルタ処理部1101は、画像処理モードが文字モードである場合には、文字をハッキリ/クッキリとするために鮮鋭化処理を施し、画像処理モードが写真モードである場合には、滑らかに階調性を表現するため平滑化処理を施す。
画質調整部1102は、RGB各8ビットの画像データに対してユーザの画質調製への指示内容が示す彩度やコントラスト、地肌レベルなどに従って画質調整を行う。本実施の形態では、説明を簡単にするために彩度のみ調整できるものとする。
色変換部1103は、RGB各8ビットの画像データを受け取ると、指定される色空間に変換する。本実施の形態では、色変換部1103は、スキャナ配信で一般的なsRGB規格化された色空間に各色8ビットで変換する。ただし、先のプロッタ・FAXへの変換と同様にsRGB以外にもグレースケールによる配信や、モノクロ2値による配信も可能なため、様々な色への変換を行うことも可能である。
なお、色変換部1103は、カラーモードが自動カラー選択モード(ACSモード)の場合には事前に行った判断による指示内容(判定レベル)が示すACS判定基準(彩度)に従って、色変換を行う。具体的には、カラーモードがカラー出力モードの場合にはsRGBでの再現を、モノクロ出力モードの場合にはグレースケールでの再現を行うように色変換を行う。
解像度変換部1104は、sRGBの画像データの解像度を、指定されたスキャナ配信で送受される解像度に変換する。本実施の形態では、解像度変換部1104は、主走査方向:200dpi×副走査方向:200dpiに変換する。
γ変換部1105は、RGBの画像データのγ特性を、スキャナ配信する場合の再現性が良くなるように補正する。この場合はsRGB規格化された色空間に既にカラーマッチングされているため、γ変換は行われない。
中間調処理部1106では、指定されたスキャナ配信で送受される中間調処理能力に従った中間調処理を行う。本実施の形態では、中間調処理部1106は、RGB各8ビットの16万色が指定されたものとして、階調処理は特に実施しない。
バス制御装置3は、画像データ処理装置2(4)からの画像データを受け取ると、CPU6を介してメモリ7に展開する。メモリ7に展開された画像データは、CPU6を介して外部I/F装置12に送られる。加えて、ユーザからの蓄積指示で後日の再出力用編集加工済み画像データとして必要に応じてHDD5へも蓄積保存される。
この編集加工済み画像データも編集加工前のRGBの画像データと同じようにサムネイルが生成される。CPU6によって解像度72dpiと144dpiの二種類のサムネイルを生成する。なお、色空間はもともとsRGBなので変換の必要はない。ここで、解像度の低いsRGBからサムネイルを生成する際には画質上劣化が生じるため、サムネイルの画質に拘る場合には編集加工前のRGBの画像データから上述してきた画像データ処理装置2(4)を用いた処理によって直接サムネイルを生成するようにしても良い。
外部I/F装置12は、受け取った画像データを、ネットワークを介して接続したPC16に送信する。
(外部I/F入力→プロッタ出力動作)
ユーザは画像データが記録された外部メディア17を外部I/F装置12を介して接続し、所望する画像処理モード等の設定とプリント開始の入力を操作表示装置10に行う。また、PC16からのプリント出力の場合、所望する画像処理モード等の設定とプリント開始の入力はPC16から行う。操作表示装置10はユーザから入力された情報を、機器内部の制御コマンドデータに変換し発行する。発行された制御コマンドデータはPCI-Expressバスを介してCPU6に通知される。CPU6はプリント開始の制御コマンドデータに従って、プリント動作プロセスの画像処理プログラムを実行し、プリント動作に必要な設定や動作を順に行っていく。以下に動作プロセスを順に記す。
外部メディア17から外部I/F装置12経由で得られたRGB各8ビットの規格化された色空間に基づいたデジタル画像データ、またはPC16からプリント出力されたレンダリング済みRGB各8ビットの規格化された色空間に基づいたデジタル画像データは、その規格化された色空間のままCPU6を介してメモリ7に蓄積される。規格化された色空間にはいろいろな定義があるが、一般的にはsRGBやAdobeRGBを使うことが多い。
もし、入力されるRGB画像データが規格化された色空間以外のものならば、メモリ7蓄積されたRGB画像データは、CPU6およびバス制御装置3を介して、画像データ処理装置2(4)に送られ、ユーザが設定した規格化された色空間に変換して再度メモリ7に蓄積する。
メモリ7に展開されたRGB画像データは今回の使用だけでなく後日の再利用に向けたユーザによる蓄積指示や複数の出力先への同報送信など編集加工前の画像データとして必要に応じてHDD5へも蓄積保存される。
また、RGB画像データを蓄積保存するだけでなく、画像検索などに利用するための解像度を下げたサムネイルも編集加工前のRGB画像データと紐付けされて保存される。サムネイルはファイルサイズも少ないため、画像データの蓄積保存の要否に関わらず常に保存するようにしておいても良い。サムネイルの作成は、CPU6において、蓄積した画像データの解像度変換およびsRGB色空間への変換により行うが、画像データ処理装置2(4)の色変換部1103と解像度変換部1104を利用しても良い。解像度は72dpiおよび144dpiの二種類を生成する。
次に、メモリ7に蓄積された規格化された色空間のRGB画像データは、CPU6およびバス制御装置3を介して、画像データ処理装置2(4)に送られる。画像データ処理装置2(4)は受け取った規格化された色空間のRGB画像データをプロッタ出力用のCMYK画像データに変換し出力する。なお、処理の詳細については(スキャナ入力→プロッタ出力動作)と同様なため割愛する。
バス制御装置3は、画像データ処理装置2(4)からのCMYK画像データを受け取ると、CPU6を介してメモリ7に展開する。メモリ7に展開されたCMYK画像データは、CPU6およびプロッタI/F装置8を介して、プロッタ装置9に送られる。加えて、ユーザからの蓄積指示で後日の再出力用編集加工済み画像データとして必要に応じてHDD5へも蓄積保存される。
この編集加工済み画像データも編集加工前のRGB画像データと同じようにサムネイルが生成される。CPU6によってCMYKからsRGBへ色変換を行い、解像度72dpiと144dpiの二種類のサムネイルを生成する。ここで、デバイスに依存したCMYKからsRGBへと変換する際には画質上劣化が生じる。そのため、サムネイルの画質に拘る場合には、画像データ処理装置2(4)を用いた処理によって、編集加工前のRGB画像データから直接サムネイルを生成するようにしても良い。
プロッタ装置9は、受け取ったCMYK画像データを転写紙に出力し、外部メディア17に記録された画像データのプリントが生成される。
(外部I/F入力→ファックス送信動作)
ユーザは画像データの記録された外部メディア17を外部I/F装置12を介して接続し、所望する画像処理モード等の設定とプリント開始の入力を操作表示装置10に行う。また、PC16からのプリント出力の場合、所望する画像処理モード等の設定とプリント開始の入力はPC16から行う。操作表示装置10は、ユーザから入力された情報を、機器内部の制御コマンドデータに変換し発行する。発行された制御コマンドデータはPCI-Expressバスを介してCPU6に通知される。CPU6はファックス送信開始の制御コマンドデータに従って、ファックス送信動作プロセスの画像処理プログラムを実行し、ファックス送信動作に必要な設定や動作を順に行っていく。以下に動作プロセスを順に記す。外部I/F装置12からのデータ蓄積の処理の詳細については、(外部I/F入力→プロッタ出力動作)と同様なため割愛する。
メモリ7に展開されたRGB画像データは今回の使用だけでなく後日の再利用に向けたユーザによる蓄積指示や複数の出力先への同報送信など編集加工前の画像データとして必要に応じてHDD5へも蓄積保存される。
また、RGB画像データを蓄積保存するだけでなく、画像検索などに利用するための解像度を下げたサムネイルも編集加工前のRGB画像データと紐付けされて保存される。サムネイルはファイルサイズも少ないため、画像データの蓄積保存の要否に関わらず常に保存するようにしておいても良い。サムネイルの作成は、CPU6において、蓄積した画像データの解像度変換およびsRGB色空間への変換により行うが、画像データ処理装置2(4)が備える色変換部1103と解像度変換部1104を利用しても良い。解像度は72dpiおよび144dpiの二種類を生成する。
メモリ7に蓄積された規格化された色空間のRGB画像データは、CPU6およびバス制御装置3を介して画像データ処理装置2(4)に送られる。画像データ処理装置2(4)は、受け取った規格化された色空間のRGB画像データをファックス送信用のモノクロ2値の画像データに変換し出力する。処理の詳細については(スキャナ入力→ファックス送信動作)と同様なため割愛する。
バス制御装置3は、画像データ処理装置2(4)からのモノクロ2値画像データを受け取ると、CPU6を介してメモリ7に展開する。メモリ7に展開されたモノクロ2値画像データは、CPU6を介して、回線I/F装置11送られる。加えて、ユーザからの蓄積指示で後日の再出力用編集加工済み画像データとして必要に応じてHDD5へも蓄積保存される。
この編集加工済み画像データも編集加工前のRGB画像データと同じようにサムネイルが生成される。CPU6によってモノクロ2値からsRGBへ色変換を行い、解像度72dpiと144dpiの二種類のサムネイルを生成する。ここで、解像度の低いモノクロ2値からsRGBへと変換する際には画質上劣化が生じる。そのため、サムネイルの画質に拘る場合には、画像データ処理装置2(4)を用いた処理によって、編集加工前のRGB画像データから直接サムネイルを生成するようにしても良い。
回線I/F装置11は、受け取ったモノクロ2値画像データを、回線を介して接続したFAX15に送信する。
(外部I/F入力→スキャナ配信動作)
ユーザは画像データの記録された外部メディア17を外部I/F装置12を介して接続し、所望する画像処理モード等の設定とプリント開始の入力を操作表示装置10に行う。また、PC16からのプリント出力の場合、所望する画像処理モード等の設定とプリント開始の入力はPC16から行う。操作表示装置10はユーザから入力された情報を、機器内部の制御コマンドデータに変換し発行する。発行された制御コマンドデータはPCI-Expressバスを介してCPU6に通知される。CPU6はスキャナ配信開始の制御コマンドデータに従って、スキャナ配信動作プロセスの画像処理プログラムを実行し、スキャナは配信動作に必要な設定や動作を順に行っていく。外部I/F装置12からのデータ蓄積の処理の詳細については(外部I/F入力→プロッタ出力動作)と同様なため割愛する。
メモリ7に展開されたRGB画像データは今回の使用だけでなく後日の再利用に向けたユーザによる蓄積指示や複数の出力先への同報送信など編集加工前の画像データとして必要に応じてHDD5へも蓄積保存される。
また、RGB画像データを蓄積保存するだけでなく、画像検索などに利用するための解像度を下げたサムネイルも編集加工前のRGB画像データと紐付けされて保存される。サムネイルはファイルサイズも少ないため、画像データの蓄積保存の要否に関わらず常に保存するようにしておいても良い。サムネイルの作成は、CPU6において、蓄積した画像データの解像度変換およびsRGB色空間への変換により行うが、画像データ処理装置2(4)が備える色変換部1103と解像度変換部1104を利用しても良い。解像度は72dpiおよび144dpiの二種類を生成する。
メモリ7蓄積された規格化された色空間のRGB画像データは、CPU6およびバス制御装置3を介して画像データ処理装置2(4)に送られる。
画像データ処理装置2(4)は、受け取った規格化されたRGB画像データをスキャナ配信用の画像データ(RGB多値、グレースケール、モノクロ2値等)に変換し出力する。処理の詳細については(スキャナ入力→スキャナ配信動作)と同様なため割愛する。
バス制御装置3は、画像データ処理装置2(4)から画像データを受け取ると、CPU6を介してメモリ7に展開する。メモリ7に展開された画像データは、CPU6を介して、外部I/F装置12に送られる。加えて、ユーザからの蓄積指示で後日の再出力用編集加工済み画像データとして必要に応じてHDD5へも蓄積保存される。
この編集加工済み画像データも編集加工前のRGB画像データと同じようにサムネイルが生成される。CPU6によって解像度72dpiと144dpiの二種類のサムネイルを生成する。色空間はもともとsRGBなので変換の必要はない。ここで、解像度の低いsRGBからサムネイルを生成する際には画質上劣化が生じる。そのため、サムネイルの画質に拘る場合には、画像データ処理装置2(4)を用いて、編集加工前のRGB画像データから直接サムネイルを生成するようにしても良い。
外部I/F装置12は、受け取った画像データを、ネットワークを介して接続したPC16に送信する。
以上説明してきた各動作フローはスキャナ入力・外部I/F入力といった画像データの入力デバイスからスタートしているが、再出力用にHDD5やメモリ7に退避した画像データから処理をスタートしても良い。
例えば、集約時の動作を例として説明すると、複数の原稿の集約出力には2枚の原稿を1枚にまとめるものから8枚のものを1枚にまとめるものなど非常に多くの種類が存在する。ここでは一例としてA4の2枚の原稿をA4の1枚にまとめる2in1出力の場合を用いて説明する。
まず、蓄積された2枚のA4の原稿画像データをHDD5から読み出し、画像データ処理装置2(4)を用いて出力画像データを生成する。ただし、A4の2枚の画像データをA4の1枚にまとめるため、解像度変換にて600dpiの画像データを300dpiの画像データに変換(すなわち50%の縮小変倍を行う)する必要がある。
そしてバス制御装置3は、画像データ処理装置2(4)から解像度が変換された画像データを受け取ると、CPU6を介してメモリ7に蓄積する。そして、バス制御装置3は、この2枚の原稿の画像データを並べて出力することにより、2in1の出力を実現することができる。並べる、という動作は実際にメモリ7上に原稿2枚の画像データのアドレスを並べて展開しても良いし、出力時に、メモリ7からの読み出しを連続させても良い。
別の例として、A4の2枚の原稿をA3の1枚にまとめる2in1出力の場合には、そのままA4を2枚並べることが出来るため、解像度変換は600dpiのまま(等倍)出力する。処理を分かりやすくするために、解像度変換以外の処理は集約の方法によって変わらないようにしているが、より画質を高めるためには集約による解像度変換の処理に応じてフィルタや色変換などの画像処理パラメータを調整すると良い。
さらに、それぞれの用途に応じてフローを説明してきたが、画像データを入力するだけで目的が定まっていないケースもある。その場合には画像データの蓄積のみを行うことも可能であり、後で必要に応じて再利用することが出来る。
図19Aは、出力モードごとにACSによるカラーかモノクロかの判定条件を変えるケースの一例を示すタイムチャートである。図19Aに示すように、通常出力時は、画像を読み取り、ユーザの要求に従って画質調整を行った結果を逐次出力する流れを示している。一方、ACS出力時においても、画像の読み取りおよびACSによるカラーかモノクロかの判定後、ユーザの要求に従って画質調整を行い、カラーかモノクロかの判定結果と画質調整への指示内容と応じて、画像データに対して色変換を行うことにより、画質調整を行った後、再度ACSによるカラーかモノクロかの判定を行う必要がないため、生産性の低下を防止することができる。
このように本実施の形態にかかる複合機100によれば、再利用時の画像データに対する画質調整や画像編集への指示内容が示すACS判定基準におけるカラー/モノクロ判定結果に従って、画質調整や画像編集を行った画像データに対して色変換を行うことにより、ACSによるカラーかモノクロかの判定結果を画質調整の内容に追従させることができ、かつ画質調整や画像編集を行った画像データに対して再度カラー/モノクロの判定を行う必要がないので、ACS出力時に画質調整および画像編集を利用でき、かつACSによるカラーかモノクロかの判定が繰り返されることによる生産性の低下を防止することができる。
(第2実施の形態)
本実施の形態は、画像データ処理装置2(4)が備える画質調整部1102を、画像データ処理装置1(2)のカラー/モノクロ判定部1〜7(203)に組み込んだ例である。なお、第1実施の形態と同様の箇所については説明を省略し、異なる箇所についてのみ説明する。
図19Bは、画像データ処理装置2の詳細な処理ブロック図である。画像処理装置2(1900)が備える画質調整部1〜7(1901)は、センターノッチに対応する彩度を基準として±3段階(ノッチ)に対応する彩度に従って画像データに対して画質調整を行う。
カラー/モノクロ判定部1〜7(203)は、画質調整が行われた画像データがカラーかモノクロかを、画質調整に用いた7種類のノッチに対応する彩度(ACS判定基準)で判定する。
なお、本実施の形態では、画質調整部1〜7(1901)およびカラー/モノクロ判定部1〜7(203)の配置数は、それぞれ7つとするが、システム全体の要件に応じて適時変更が可能である。
このように本実施の形態にかかる複合機100によれば、画質調整に用いた7種類のノッチに対応するACS判定基準および画像調整後の画像データを用いてカラーかモノクロかの判定を行うことにより、画像調整部1〜7(1901)およびカラー/モノクロ判定部1〜7(203)で用いる7種類のノッチに対応するACS判定基準などのパラメータを含めて共通の判定処理とすることができる。
(第3実施の形態)
本実施の形態は、画質調整後に再度カラーかモノクロかを判定しなおす例である。なお、上述の実施の形態と同様の箇所については説明を省略し、異なる箇所についてのみ説明する。
図20は、画像データ処理装置2の詳細な処理ブロック図である。CPU6は、カラーモードが自動カラー選択モード(ACSモード)の場合、画像データ処理装置2(2000)による実際の処理が行われる前に、HDD5に保存された判定レベルごとのカラー/モノクロ判定結果である有彩カウンタと画質調整への指示内容とを照らし合わせてカラー出力を行うか、モノクロ出力を行うか判断し、色変換部1103へカラー出力かモノクロ出力かを指示する。具体的には、CPU6は、ユーザによる画質調整への指示内容が示す彩度を軸とするACS判定基準と対応付けられた有彩カウンタに従って、色変換部1103に対してカラー出力/モノクロ出力を指示する。
図21は、カラー/モノクロ総合判定結果の一例を示す図である。例えば、CPU6は、図21に示すように、有彩カウンタが閾値(例えば、1500)を越える彩度に対応する彩度調整レベル(判定レベル)に調整された場合には、カラー出力を指示し、有彩カウンタが1500以下の彩度に対応する彩度調整レベル(判定レベル)に調整された場合には、モノクロ出力を指示する。本実施の形態では、ユーザは、彩度に対応する彩度調整レベルを、彩度調整レベル:「0」を基準にして±6段階(合計13段階)で調整できるものとする。そして、ユーザによる画質調整への指示内容が示す彩度に対応する彩度調整レベルが「+4」に調整された場合には、有彩カウンタが2048となるため、CPU6は、カラー出力を指示する。一方、ユーザによる画質調整への指示内容が示す彩度に対応する彩度調整レベルが「−2」に調整された場合には、有彩カウンタが1024となるため、CPU6は、モノクロ出力を指示し、画質調整が行われない場合(彩度調整レベル:「0」)のときと変化がないこととなる。
ただし、彩度調整レベルが、彩度調整レベル:「+1」のように、カラーかモノクロかの判定結果の境界になる場合は判定が正しいかどうか曖昧な状態となる。そのため、このようなときには、実際の画質調整を実施した後に読み取り側で行ったカラー/モノクロ判定を再度実施するものとする。
カラー/モノクロ再判定部2001は、ユーザによる画質調整への指示内容(彩度調整レベル)に対応するACS判定基準(彩度)が、上述した曖昧なカラーかモノクロかの判定結果の境界になる場合には、画質調整後の画像データがカラーかモノクロかを、当該指示内容に対応するACS判定基準で再判定する。なお、カラー/モノクロ再判定部2001は、ユーザによる画質調整への指示内容に対応するACS判定基準におけるカラーかモノクロかの判定結果が明確な場合にはスルーとする。
なお、カラー/モノクロ再判定部2001の構成は、画像データ処理装置1(2)が備えるカラー/モノクロ判定部1〜7(203)の回路と共通でよいが、カラー/モノクロ判定部1〜7(203)によるカラー/モノクロ判定結果から、カラーかモノクロかを再判定するためのACS判定基準(彩度)を決定することにより、その確度を挙げることが可能である。
具体的には、カラー判定・モノクロ判定と判断が分かれた二つの条件から、ユーザの画質調整の指示内容による間の領域の閾値を補完処理により決定する。例えば、上述した条件のようにユーザが彩度調整レベルを「+1」にした場合ではカラー判定・モノクロ判定の境界に当たるが、それぞれのACS判定基準C5,C4から補完すればよい。
このように本実施の形態にかかる複合機100によれば、画像データがカラーかモノクロかの判定が曖昧な場合に、カラーかモノクロかを再判定することにより、誤判定のリスクを低減することができる。また、カラーからモノクロに切り替わる境界のACS判定基準を用いて、カラーかモノクロかの再判定を行うことにより、誤判定のリスクをさらに低減することができる。
(第4実施の形態)
本実施の形態は、分割した領域毎にカラーかモノクロかの判定を行う例である。なお、なお、第1実施の形態と同様の箇所については説明を省略し、異なる箇所についてのみ説明する。
CPU6は、図7に示したように、カラー/モノクロ判定部1〜7(203)がカラー/モノクロ判定を領域毎に複数のACS判定基準で行った場合、画質調整への指示内容が示すACS判定基準におけるカラーかモノクロかのカラー/モノクロ判定結果のうち、画像データを蓄積後に再利用するときにユーザが出力指定した領域(用紙選択で自動的に出力対象になる場合も含む)のカラー/モノクロ判定結果に従って、色変換部1103に対してカラー出力またはモノクロ出力を指示する。
具体的には、CPU6は、ユーザが出力指定した領域に含まれる全ての領域毎にカラー/モノクロ総合判定を行う。一つでもカラーと判定した領域があった場合、CPU6は、その領域についてカラー出力を指示する。ユーザが出力指定した領域の境界と、図7の領域が一致しない場合、CPU6は、冗長にカラー/モノクロ総合判定が行われることになり、カラー/モノクロの判定が曖昧になるリスクがある。その場合、図20に示すような画像データ処理装置2(4)の構成を取っている場合には出力指定した領域に対して再判定を行い、確実にカラー/モノクロを判定しても良い。このとき、ユーザが特定の出力用紙により領域を出力指定するような場合、例えばプロッタへの用紙指定での出力などでは、図8や図9のように領域を分割しておくと用紙に合わせて判定を行うことができる。
このように本実施の形態にかかる複合機100によれば、出力指定された領域の判定結果に従って、画質調整を行った画像データに対して色変換を行うことにより、出力指定された領域だけを対象にしてカラーかモノクロかの判定を行うことができる。
なお、本発明は、上記実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。また、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成することができる。例えば、実施の形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施の形態にわたる構成要素を適宜組み合わせても良い。