JP2006033572A - 画像処理装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 画像入力の場合、スキャナ補正2に設けたLUTによりスキャナ入力画像を標準色空間のsRGBに変換しHDD5に蓄積する。スキャナ等の機器特性の変動により色調整が必要になった時、色変換パラメータとしてメモリマップ補間法による格子点データを算出し直すが、この演算を外部PC,サーバ19に依頼し、機器内のCPUによると、通常動作をダウンさせる必要が生じるような処理負担を外部に任せて、所期の目的を達する。格子点データの算出要求には、格子点に対応する基準チャートのスキャナ読み取りデータを付け、基準の測色値を持つ外部PC19に送る。プリンタ補正7に設けたLUTに対しても同様の方法を用いる。
【選択図】 図5
Description
近年、デジタル複写機となって、コピー機能のほかに、スキャナ,プリンタ,ファクシミリ等の機能を複合して搭載したMFP機が一般化しつつあり、これらの機能を支えるネットワーク技術によって、複写機を含む画像機器相互間でそれぞれが取得、蓄積した画像データの転送を可能にしている。
こうしたデジタル複写機、特にMFP機においては、印刷出力用或いは外部機への転送用のデータとして用いられるといった都合もあり、スキャナ入力画像を標準の色空間にマッピングし、その色空間において様々な画像処理を行い、処理後のデータを通常、HDD(Hard Disc Drive)等の記憶装置に蓄積する。蓄積画像を用いて印刷出力をする際には、蓄積画像に対して再度プロッタの出力特性に合わせて色空間を変換し、さらにγ補正・中間調処理を行って出力をしている。
このLUTを使用する際には、入出力における格子点の対応関係を示す格子点パラメータが必要である。通常、このパラメータは実験などにより、最適化演算を実施して求められた値を予め機器内部に記憶しておき、入力によってテーブルからパラメータを参照する、という方法をとる。格子点パラメータのテーブルは、画質のモードに応じて複数のテーブルを記憶しているものもある。
現在の実用機においては、リアルタイムで、上記(1)〜(3)の条件で多次元のLUTを求める演算をすることは、まず不可能で、サービスマン等による調整時に使用する際も、パラメータ算出のためのダウンタイムがかなり発生してしまい、業務などに支障をきたしてしまう。そのため、現在は、予め演算済みのパラメータを記憶して使用し、リアルタイムの調整は行われていない。
しかしながら、予め設定されたパラメータを用いるということは、経時変化等により機器間のばらつきが発生した場合に、その差を吸収するパラメータを生成することができないことを意味している。このため、従来はこのLUTを用いる方法によって、機器のばらつきを吸収することはできず、未解決の課題であった。
本発明は、デジタルカラー複写機のような、入力画像、蓄積画像及び出力画像の間でそれぞれに求められる画像のデータ形式が異なる場合に、変換パラメータに従って必要なデータ形式への色変換を画像データに施す画像処理装置における上述の従来技術の問題に鑑み、これを解決するためになされたもので、その解決課題は、機器間で画像出力にばらつきが生じた場合にも、色変換に用いる変換パラメータを即時に調整ができるようにすることにより、高画質のカラー画像出力を可能とすることにある。
請求項2の発明は、請求項1に記載された画像処理装置において、前記変換パラメータがルックアップテーブル方式のデータであることを特徴とするものである。
請求項4の発明は、請求項3に記載された画像処理装置において、前記画像入力手段の色変換特性データを取得するための前記基準画像を担う原稿として、該画像出力手段による基準画像データ入力時の画像出力を用いること特徴とするものである。
請求項6の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載された画像処理装置と、該画像処理装置をクライアントとして、ネットワークインターフェースを介して接続されたサーバよりなる画像処理システムであり、前記サーバが前記画像処理装置からの変換パラメータの算出要求に応じて色変換特性データに基づいて変換パラメータを算出する手段として機能することを特徴とする画像処理システムである。
(2) しかも、請求項3,4の発明によると、基準画像を担う原稿を機器のスキャナ等の画像入力手段で読み取り、このデータを基に色空間変換パラメータを求めることにより、機器間のばらつきを吸収した色空間パラメータを求めることが可能になる。
(3) 請求項5の発明によると、ネットワークインターフェースを介して画像処理装置にPCという汎用の情報処理装置を外部情報処理装置として接続することにより、画像処理装置に上記(1)、(2)の効果を生む処理システムを容易に構築できる。また、請求項6の発明によると、ネットワークインターフェースを介して画像処理装置にサーバを外部情報処理装置として接続することにより、画像処理装置における上記(1)、(2)の効果をより高度化することを可能にする処理システムを構築できる。
また、MFPデジタルカラー複写機は、入力画像(スキャナ入力による)を標準の色空間にマッピングし、その色空間において様々な画像処理を行い、処理後HDD等に蓄積し、印刷出力をする際には、蓄積画像に対して再度プロッタの出力特性に合わせて色空間等の変換及び処理するという過程で色変換を行うものであり、さらに、HDD等に蓄積した標準の色空間の画像を配信する機能を備えている。以下には、HDD等に蓄積する標準の色空間を“sRGB”とした「実施形態1」と 、“sYCC”とした「実施形態2」をそれぞれ、上記MFPデジタルカラー複写機に実施する形態として例示する。
図1は、本実施形態のMFPデジタルカラー複写機に係わる画像データ処理システムの構成を概略的に示すブロック図である。なお、ここでは、HDD等に蓄積する標準の色空間を“sRGB”とした例を示す。
図1に示すように、コピー機能に用いる要素として、原稿から画像データを読み取る読み取りユニット1、読み取りユニット1が読み取った画像データに対し画像処理を施すスキャナ補正部2、スキャナ補正部2から出力される多値データを圧縮する固定長多値圧縮器3、圧縮後のデータを蓄積するHDD5を有する。カラー画像に対応可能な構成であり、読み取りユニット1では、カラー成分信号で画像を読み取り、また固定長多値圧縮器3もカラー・モノクロ対応とする。
FAX機能に用いる要素として、本例ではPSTNに接続してFAX信号の送受信を行い、圧縮された受信FAXデータを元のデータに戻す2値可変長可逆圧縮データ伸張器を有するFAXコントローラ13を備える。なお、FAX画像をモノクロとする場合、2値可変長可逆圧縮データ伸張器をモノクロ対応とする。
プリンタコントローラ4は、原稿読み取りから、読み取り画像データの蓄積、蓄積画像データを用いた印刷出力といったコピー機能を始め、複合機能全体の動作を制御するコントローラとして動作する。また、プリンタコントローラ4は、画像データに処理を施す各種の処理部の制御を司るので、各処理部に設定する制御パラメータや変換パラメータを管理し、本実施形態では、色変換における変換パラメータの管理の一環として、変換パラメータの調整(後記にて詳述)を行なう。また、こうした制御動作に伴って必要になる画像データ及び制御データを操作するために、これらのデータを格納するための半導体メモリ11を制御下に持つ。
また、上記各機能を用いて生成される画像データを用いて印刷出力(画像形成処理)をする場合には、本例では、HDD5に蓄積されたデータを用いる。このために、蓄積した圧縮データを元のデータに戻すために、画像データ種に応じた伸張器を用いる。コピー機能の場合には多値のカラー・モノクロデータを伸張する固定長多値伸張器6を、又FAX機能の場合にはプリンタコントローラ4にモノクロ用、カラー用の各可変長可逆圧縮データ伸張器を設ける。また、画像形成処理を行うための手段として、伸張後のデータに補正を施すプリンタ補正部7と、GAVD(書き込みユニット)8、作像ユニット9からなるエンジン部を有する。なお、エンジン部はエンジンコントローラ12によって制御される。
図1を参照して、本実施形態の画像データ処理をその流れに沿って詳細に説明する。
先ず、コピー機能を使用する時の処理フローを説明する。なお、図1において、コピー時の画像データの流れを一点鎖線にて示す。
原稿を読み取る場合、原稿台にセットされた原稿を読み取りユニット1のスキャナなどの読み取り装置によって読み取る。読み取られた画像データは、R,G,Bに色分解された600dpi各色8ビットのデータとして、スキャナ補正部2に送られる。ここで、スキャナ画像データを600dpi各色8ビットとしたが、これに限るものではない。
スキャナ補正部2にて、各種の補正や変換等を行う。図2は、スキャナ補正の構成例を示す図で、同図に示すように、ここでは、先ず、LUT(1)28による読み取りユニット1に固有のRGBからsRGB色空間への変換を行う。本実施形態で用いるLUT(1)28による色変換は、色変換手段そのものとしては、公知技術であるメモリマップ補間法によるLUT(ルックアップテーブル)を採用する。
また、色変換後のデータに対し、平滑や強調といったフィルタ処理22、変倍処理24を行う。なお、この処理では、操作パネル(図示せず)より設定されるモード情報に従って、設定モードに適した処理が施される。また、コピーのモードがモノクロモードの時には、Gデータのみが有用なデータとなる。
本実施形態では、蓄積時の色空間を標準色空間の一つであるsRGBとしているが、sRGBに限定する趣旨ではなく、他の色空間でもかまわない。ただ、所定の色空間にすることにより、機器間やアプリ間においてデータの受け渡しがやり易くなるからであり、特にsRGBは、PCでの標準的な色空間として認知されており、PCやその周辺機器とのカラーマッチングなどの親和性が良い。別の構成例として、蓄積時の色空間をsYCCにしたものを、後述の「実施形態2」にて示す。
プリンタコントローラ4は蓄積した画像データと関連付けて、属性情報を収めた属性データも保持する。例えば、画像の解像度、文字や写真、カラーやモノクロといった画質モード、紙サイズや印刷枚数などの情報が挙げられる。
蓄積された画像データと属性データは、随時大容量の記憶装置であるHDD5に書き込まれる。これはプリントアウト時に用紙が詰まり、出力が正常に終了しなかった場合でも再び原稿を読み直すのを避けるためや、複数の原稿画像データを並べ替える電子ソートを行うためである。近年はこれだけでなく、読み取った原稿を蓄積しておき、必要なときに再出力する機能が追加されているものも存在する。
なお、ここではsRGB画像データに対し、固定長の非可逆圧縮器3で非可逆の圧縮を施すとしたが、汎用バスI/F15の帯域が十分に広く、蓄積するHDD5の容量が大きければ、非圧縮の状態でデータを扱っても良い。その方が非可逆な圧縮による画像劣化を防ぐことが出来る。また、可逆な圧縮方式の圧縮器を使っても良いが、その場合にはブロック圧縮後の符号長が一定にならないため、像回転処理を行う場合に画像を回転し難く、多くの場合に、外部に回転用のメモリを設け、このメモリを用いてこの処理を行うような構成により対応する
プロッタエンジン部では、受けた画像を多値のカラー・モノクロデータを伸張する固定長多値伸張器6により、再び600dpi 8ビットのsRGB画像データへと復号する。
復号した600dpi 8ビットsRGBの色信号は、プリンタ補正7に送られる。図3は、プリンタ補正7の構成例を示す図で、同図に示すように、ここでは、LUT(2)78によりsRGBの色信号を600dpi 8ビットCMYKの色信号へ変換し、CMYKの各色に対してプリンタγ補正71を行ったのち、書き込みユニット(GAVD)8および作像ユニット9に合わせた中間調処理を施こす。なお、この処理では、操作パネル(図示せず)より設定されるモード情報に従って、設定モードに適した処理が施される。
プリンタ補正7から出力されたデータは、GAVD8にてLD(レーザダイオード)用データに変換し、作像ユニット9により潜像、現像、転写、定着を経て、転写紙に出力される。
また、プリンタ補正7を構成する別の実施例として、図4のような構成も採用可能である。この場合には、同図に示すように、UCR/UCA回路79を別に設けている。なお、UCR/UCA回路79そのものは、UCR(Under Color Removal),UCA(Under Color Addition)処理によりRGBをCMYKの色信号に変換する手段として公知であり、この公知技術を適用することにより実施できる。
この例では、LUT(2)78による色空間変換処理ではsRGBの色信号をCMYKではなく、CMYに変換し、後段のUCR/UCA回路79のUCR、UCA処理によって、K版を生成する。この場合、LUT(2)78の規模が小さくなるため、ハード量を削減することが可能になる。
図5を参照して、配信機能を使用する時の処理フローを説明する。なお、図5において、配信時の画像データの流れを破線にて示す。
図5に破線で表した処理のフローに示すように、HDD5に蓄積されるまでは、図1に示した通常コピー時におけると変わりなく、画像データに対し同じ処理が施されるので、HDD5に蓄積されるまでの説明は、上記図1のコピー時に関する説明を参照することとして、ここでは記載を省略する。
HDD5には、コピーの画像処理と同じパスを通った2ビットのsRGB圧縮画像データが蓄積されている。ネットワークを介して、例えば外部PC又はサーバー19に画像データを配信する場合は、配信先に適した画像フォーマットに変換して送るための処理を行う。このために、HDD5内の2ビットのsRGB圧縮画像データは、一旦半導体メモリ11に展開され、次に汎用バス15を通って、固定長の圧縮・伸張ブロック16を通して画像フォーマット変換ユニット10に送られる。圧縮・伸張ブロック16では、2ビットのsRGB圧縮画像データを再び600dpi 8ビットのsRGB画像データに復号し、次段の画像フォーマット変換ユニット10に入力する。
ここでは、HDD5蓄積時の色空間が標準色空間の一つであるsRGBだったので、配信時には色空間を変換することなく、そのままのsRGBのまま配信した。勿論、他の色空間でもかまわない。ただ、所定の色空間にすることにより、機器間やアプリ間においてデータの受け渡しがやり易くなる。特にsRGBはPCでの標準的な色空間として認知されており、PCやその周辺機器とのカラーマッチングなどの親和性が良い。他の色空間に変換する際にはもう一段LUTが必要となる。その構成例は、後述する「実施形態2」のsYCC蓄積での説明に示す。
次に、上記スキャナ補正2及びプリンタ補正7の色変換に用いるLUTの調整に関する実施形態を詳細に説明する。
本実施形態では、色変換に用いるLUTとして、公知技術であるメモリマップ補間法によるLUTを採用する。ただし、機器特性の変動により機器間で画像出力にばらつきが生じた場合にも、色変換に用いるLUTの変換パラメータを即時に調整ができるようにするという新たな要請に応えることを可能にする。
このために、調整に必要な色変換パラメータとしての格子点パラメータの算出を外部情報処理装置(本例では、外部PC又はサーバー19)に依頼することにより、即ち、機器内のCPUによって変換パラメータを算出する場合に、通常の機器の動作をダウンさせる必要が生じるような処理負担を外部に任せるようにして、所期の目的を達するようにする。
以下に、LUTのパラメータ調整方法をその手順に従って述べるが、スキャナ補正2のLUT(1)28とプリンタ補正7のLUT(2)78では、調整方法が異なるので、別に説明する。
画像入力手段としての読み取りユニット1の特性の変動により生じる入力RGBデータにおける適正値からの偏差をなくすようにスキャナ補正2のLUT(1)28を調整する。従って、LUT(1)で使用する色変換パラメータとしての格子点パラメータを決定するには、その格子点に対応した基準チャートを読み取りユニット1のスキャナで読み取り、LUT(1)28による補正処理なしにこの読み取りデータを得、得たデータを基にして格子点データを生成する必要がある。
基準チャートは、基準となる色空間を等間隔に分割した色のパッチを並べたものを使用すればよく、測色計などによって、予めsRGB系での測色値を把握し、変換パラメータ調整の際に、パラメータの算出を要求する外部PC又はサーバー19に、基準の測色値データを置いておく必要がある。
基準チャートをスキャナで読み込んだ画像データをHDD5に蓄積し、プリンタコントローラ4によってパッチ毎にその平均読み取り値を算出する。
その後、算出された各パッチの読み取り値は、パラメータの算出を要求するコマンドに付けられて、NIC14を通じて、外部ネットワーク上にある外部PC又はサーバー19に転送される。
サーバーの場合は、プリンタコントローラ4をクライアントとして転送されてきた読み取り値を用いて、格子点データを算出する。算出された格子点データはクライアントであるプリンタコントローラ4に戻され、不揮発性のRAM(例えばSDカードのようなフラッシュメモリなど)に保存され、ここから新たに調整した格子点データが、エンジンコントローラ12を通じてLUT(1)28へと展開され、変換パラメータとして用いられる。
また、外部PC19の場合には、予め画像処理部との通信を確保した上で、パッチの読み取り値を転送し、格子点データを算出する。算出した格子点データは、まだ通信が確保されていれば、そのままプリンタコントローラ4に返し、通信が確立されていなければ、再度通信を確保した後に、格子点データを返すことになる。プリンタコントローラ4に返された格子点データは、不揮発性のRAM(例えばSDカードのようなフラッシュメモリなど)に保存され、ここから新たに調整した格子点データが、エンジンコントローラ12を通じてLUT(1)28へと展開される。
なお、格子点データの算出方法そのものは、例えば、上記特許文献2として示した特開2002−185804号公報記載の公知の方法を適用することにより実施することが可能である。
このように、この格子点データを算出するフロー(基準チャート読み取り時を除く)を実行中も、変換パラメータの演算は外部で行っているため、通常のコピー・スキャナ・FAXなどの動作には支障をきたすことはない。
画像出力手段としてのプリンタ(作像ユニット9等を含む)の特性の変動により生じる印刷出力(CMYK)における適正値からの偏差をなくすようにプリンタ補正7のLUT(2)78を調整する。従って、LUT(2)78で使用する色変換パラメータとしての格子点パラメータを決定するには、その格子点パッチに対応した基準CMYK信号によりプリンタで印刷出力を行ない、印刷出力結果をデータ化し、この出力データを基に格子点データを生成する必要がある。
本実施形態では、発生させた基準CMYK信号にプリンタγ処理及び中間調処理を施して、実際にプリンタに即したCMYK系で作成された格子点パッチを作像し、これを色変換パラメータ(格子点データ)作成の基礎チャートとする。
次いで、ここではスキャナを測色計として機能させるので、基礎チャートをスキャナで読み込み、読み取りユニット1から読み込んだ画像データをHDD5に蓄積し(なお、このときスキャナ補正2のLUT(1)28は測色計としてのスキャナを補正するために有効とする)、得たパッチ読み取りデータからプリンタコントローラ4によってそれぞれのパッチ毎に平均読み取り値を算出する。ここで格子点パッチを出力するために使用する基準CMYK信号は、別途パターン生成回路を用意しても良いが、LUT(2)78の最終段にパターン発生機構としてテーブルデータの一部に組み込んでおくと良い。そのときのパターンは、格子点を均等に分割したものなどを使用することができる。
サーバーの場合は、プリンタコントローラ4をクライアントとして転送されてきた読み取り値及び格子点パッチ出力値を用いて、格子点データを算出する。算出された格子点データはクライアントであるプリンタコントローラ4に戻され、不揮発性のRAM(例えばSDカードのようなフラッシュメモリなど)に保存され、に保存され、ここから新たに調整した格子点データが、エンジンコントローラ12を通じてLUT(2)78へと展開され、変換パラメータとして用いられる。
また、外部PC19の場合には、予め画像処理部との通信を確保した上で、パッチの読み取り値とCMYKの格子点パッチの出力値データを転送し、格子点データを算出する。算出した格子点データは、まだ通信が確保されていれば、そのままプリンタコントローラ4に返し、通信が確立されていなければ、再度通信を確保した後に、格子点データを返すことになる。プリンタコントローラ4に返された格子点データは、不揮発性のRAM(例えばSDカードのようなフラッシュメモリなど)に保存され、ここから新たに調整した格子点データが、エンジンコントローラを通じてLUT(2)78へと展開され、変換パラメータとして用いられる。
なお、格子点データの算出方法そのものは、例えば、上記特許文献2として示した特開2002−185804号公報記載の公知の方法を適用することにより実施することが可能である。
このように、この格子点データを算出するフロー(格子点データ作成用の基礎チャート読み取り時を除く)を実行中も、変換パラメータの演算は外部で行っているため、通常のコピー・スキャナ・FAXなどの動作には支障をきたすことはない。
図7は、本実施形態のMFPデジタルカラー複写機に係わる画像データ処理システムの構成を概略的に示すブロック図である。なお、ここでは、HDD等に蓄積する標準の色空間を“sYCC”とした例を示す。
図7に示すように、コピー機能に用いる要素、FAX機能に用いる要素、プリンタコントローラ4及び外部機器との間の画像データの配信機能や外部機器の情報処理機能を利用するための情報の送受信機能に用いる要素等、本MFP機を構成する要素は、基本的に上記「実施形態1」として示した、蓄積画像の標準色空間を“sRGB”としたMFP機(図1、参照)と変わりが無い(なお、図中には、対応する構成要素に同一の参照番号を付した)。
ただし、当然に、HDD5に蓄積する標準の色空間を“sYCC”とすることに対応して、構成要素の内部構成の違いは、存在するので、下記の“コピー時の処理”及び“配信時の処理”にそれぞれ示す動作説明の中で、その違いを補足することとして、基本的な構成要素に関する説明については、上記「実施形態1」と同様であるから、ここでは記載を省略する。
図7を参照して、本実施形態の画像データ処理をその流れに沿って詳細に説明する。
先ず、コピー機能を使用する時の処理フローを説明する。なお、図7において、コピー時の画像データの流れを一点鎖線にて示す。
原稿を読み取る場合、原稿台にセットされた原稿を読み取りユニット1のスキャナなどの読み取り装置によって読み取る。読み取られた画像データは、R,G,Bに色分解された600dpi各色8ビットのデータとして、スキャナ補正部2に送られる。ここで、スキャナ画像データを600dpi各色8ビットとしたが、これに限るものではない。
スキャナ補正部2にて、各種の補正や変換等を行う。図8は、スキャナ補正の構成例を示す図で、同図に示すように、ここでは、先ず、LUT(1)28による読み取りユニット1に固有のRGBからsYCC色空間への変換を行う。本実施形態で用いるLUT(1)28による色変換は、色変換手段そのものとしては、公知技術であるメモリマップ補間法によるLUT(ルックアップテーブル)を採用する。
また、色変換後のデータに対し、平滑や強調といったフィルタ処理22、変倍処理24を行う。なお、この処理では、操作パネル(図示せず)より設定されるモード情報に従って、設定モードに適した処理が施される。また、コピーのモードがモノクロモードの時には、Yデータのみが有用なデータとなる。
本実施形態では、蓄積時の色空間を標準色空間の一つであるsYCCとしているが、sYCCは、PCでの標準的な色空間として認知されており、PCやその周辺機器とのカラーマッチングなどの親和性が良い。
プリンタコントローラ4は蓄積した画像データと関連付けて、属性情報を収めた属性データも保持する。例えば、画像の解像度、文字や写真、カラーやモノクロといった画質モード、紙サイズや印刷枚数などの情報が挙げられる。
蓄積された画像データと属性データは、随時大容量の記憶装置であるHDD5に書き込まれる。これはプリントアウト時に用紙が詰まり、出力が正常に終了しなかった場合でも再び原稿を読み直すのを避けるためや、複数の原稿画像データを並べ替える電子ソートを行うためである。近年はこれだけでなく、読み取った原稿を蓄積しておき、必要なときに再出力する機能が追加されているものも存在する。
なお、ここではsYCC画像データに対し、固定長の非可逆圧縮器3で非可逆の圧縮を施すとしたが、汎用バスI/F15の帯域が十分に広く、蓄積するHDD5の容量が大きければ、非圧縮の状態でデータを扱っても良い。その方が非可逆な圧縮による画像劣化を防ぐことが出来る。また、可逆な圧縮方式の圧縮器を使っても良いが、その場合にはブロック圧縮後の符号長が一定にならないため、像回転処理を行う場合に画像を回転し難く、多くの場合に、外部に回転用のメモリを設け、このメモリを用いてこの処理を行うような構成により対応する。
プロッタエンジン部では、受けた画像を多値のカラー・モノクロデータを伸張する固定長多値伸張器6により、再び600dpi 8ビットのsYCC画像データへと復号する。
復号した600dpi 8ビットsYCCの色信号は、プリンタ補正7に送られる。図9は、プリンタ補正7の構成例を示す図で、同図に示すように、ここでは、LUT(2)78によりsYCCの色信号を600dpi 8ビットCMYKの色信号へ変換し、CMYKの各色に対してプリンタγ補正71を行ったのち、書き込みユニット(GAVD)8および作像ユニット9に合わせた中間調処理を施こす。なお、この処理では、操作パネル(図示せず)より設定されるモード情報に従って、設定モードに適した処理が施される。
プリンタ補正7から出力されたデータは、GAVD8にてLD(レーザダイオード)用データに変換し、作像ユニット9により潜像、現像、転写、定着を経て、転写紙に出力される。
また、プリンタ補正7を構成する別の実施例として、図10のような構成も採用可能である。この場合には、同図に示すように、UCR/UCA回路79を別に設けている。なお、UCR/UCA回路79そのものは、UCR(Under Color Removal),UCA(Under Color Addition)処理によりRGBをCMYKの色信号に変換する手段として公知であり、この公知技術を適用することにより実施できる。
この例では、LUT(2)78による色空間変換処理ではsYCCの色信号をCMYKではなく、CMYに変換し、後段のUCR/UCA回路79のUCR、UCA処理によって、K版を生成する。この場合、LUT(2)78の規模が小さくなるため、ハード量を削減することが可能になる。
図11を参照して、配信機能を使用する時の処理フローを説明する。なお、図11において、配信時の画像データの流れを破線にて示す。
図11に破線で表した処理のフローに示すように、HDD5に蓄積されるまでは、図7に示した通常コピー時におけると変わりなく、画像データに対し同じ処理が施されるので、HDD5に蓄積されるまでの説明は、上記図7のコピー時に関する説明を参照することとして、ここでは記載を省略する。
HDD5には、コピーの画像処理と同じパスを通った2ビットのsYCC圧縮画像データが蓄積されている。ネットワークを介して、例えば外部PC19に画像データを配信する場合は、配信先に適した画像フォーマットに変換して送るための処理を行う。このために、HDD5内の2ビットのsYCC圧縮画像データは、一旦半導体メモリ11に展開され、次に汎用バス15を通って、固定長の圧縮・伸張ブロック16を通して画像フォーマット変換ユニット10に送られる。圧縮・伸張ブロック16では、2ビットのsYCC圧縮画像データを再び600dpi 8ビットのsYCC画像データに復号し、次段の画像フォーマット変換ユニット10に入力する。
ここでは、配信する画像の色空間を標準色空間の一つであるsRGBとしたが、勿論、sYCCのまま出しても良いし、他の色空間に変換しても良い。ただ、所定の色空間にすることにより、機器間やアプリ間においてデータの受け渡しがやり易くなる。特にsRGBはPCでの標準的な色空間として認知されており、PCやその周辺機器とのカラーマッチングなどの親和性が良い。
従って、上記した、スキャナ補正2のLUT(1)28とプリンタ補正7のLUT(2)78に対して行なった変換パラメータの調整は、LUT(3)102に対しては不要で、エンジンコントローラ12内のROMに予め設定値を備えておけば良い。
しかしながら、LUT(3)102に用いる格子点パラメータとして、複数の色空間の変換に対応するため、複数を内部のROMに持たせると、ROMの容量が大きくなってしまうため、複数の格子点パラメータを外部のPCやサーバー上に置いておき、必要な格子点パラメータのみ機器内部で保持するようにしてもかまわない。
5・・HDD、 7・・プリンタ補正、
9・・作像ユニット、 10・・画像フォーマット変換ユニット、
14・・NIC(ネットワークインターフェースコントローラ)、
19・・外部PC(外部サーバー)、 28・・LUT(ルックアップテーブル)(1)、
78・・LUT(2)、 102・・LUT(3)。
Claims (6)
- 画像データを入力する画像入力手段と、画像データに基づいて画像出力を行う画像出力手段と、前記画像入力手段による色空間の入力画像データを設定が可変な変換パラメータに従って所定の標準色空間の画像データに変換する第1色空間変換手段と、前記第1色空間変換手段によって変換した標準色空間の画像データを設定が可変な変換パラメータに従って前記画像出力手段が処理可能な色空間に変換する第2色空間変換手段と、ネットワークを介して外部情報処理装置と情報を通信可能とするネットワークインターフェースを有する画像処理装置であって、前記画像入力手段と前記画像出力手段の少なくとも一方の色変換特性データを取得する手段と、取得した色変換特性データを付加して変換パラメータの算出要求を外部情報処理装置にネットワークインターフェースを介して送信する手段と、外部情報処理装置から算出結果として送信されてくる変換パラメータによって第1色空間変換手段と第2色空間変換手段の少なくとも一方の変換パラメータを変更する手段を備えたことを特徴とする画像処理装置。
- 請求項1に記載された画像処理装置において、前記変換パラメータがルックアップテーブル方式のデータであることを特徴とする画像処理装置。
- 請求項1又は2に記載された画像処理装置において、前記色変換特性データを取得する手段が、基準画像を担う原稿を前記画像入力手段によって読み取ることにより、該データを取得する手段であること特徴とする画像処理装置。
- 請求項3に記載された画像処理装置において、前記画像入力手段の色変換特性データを取得するための前記基準画像を担う原稿として、該画像出力手段による基準画像データ入力時の画像出力を用いること特徴とする画像処理装置。
- 請求項1乃至4のいずれかに記載された画像処理装置と、該画像処理装置にネットワークインターフェースを介して接続されたパーソナルコンピュータよりなる画像処理システムであり、前記パーソナルコンピュータが前記画像処理装置からの変換パラメータの算出要求に応じて色変換特性データに基づいて変換パラメータを算出する手段として機能することを特徴とする画像処理システム。
- 請求項1乃至4のいずれかに記載された画像処理装置と、該画像処理装置をクライアントとして、ネットワークインターフェースを介して接続されたサーバよりなる画像処理システムであり、前記サーバが前記画像処理装置からの変換パラメータの算出要求に応じて色変換特性データに基づいて変換パラメータを算出する手段として機能することを特徴とする画像処理システム。
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Cited By (3)
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- 2004-07-20 JP JP2004211374A patent/JP2006033572A/ja active Pending
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US10284749B2 (en) | 2015-10-01 | 2019-05-07 | Konica Minolta, Inc. | Printer, non-transitory computer-readable storage medium storing program for creating scanner profile and method of creating scanner profile |
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