JP4368280B2 - 画像処理装置 - Google Patents
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Description
このような画像処理装置相互間でそれぞれが蓄積した画像データを利用する技術に関する従来例として、下記特許文献1,2を挙げることができる。
特許文献1は、画像処理装置の画像入力部からの画像データに付属情報(画像処理の制御データなど)を添付してファイル蓄積し、蓄積ファイルの利用時に、ネットワーク上の画像処理システムは、付属情報に示される制御データを反映した処理を画像データに施し、画像出力機器側で画像処理を実行する環境が整っていない場合であっても、所望の画像出力の実現を可能とするとしている。
また、特許文献2は、MFP機において、機内で行うプリント出力にとって都合の良いCMYKデータとしてHDDに蓄積した画像を、配信の際に、配信先の要求に従って、解像度、色空間(sRGB等の標準色空間)及びファイル形式(JPEGやTIFF等の汎用のファイル形式)に変換することにより、ネットワークを介して蓄積画像を利用するPC等の外部機器で不都合が生じない様にしている。
従来からの、デジタル複写機で行われていた画像データの蓄積は、装置から画像がうまく出力されなかった場合のバックアップという位置付けであったが、ネットワークシステムのアーキテクチャをベースにして、蓄積画像をPC等の外部機器で利用する機能の付加により、ネットワークに接続された装置間で画像データを共有することを可能にする、上記のような提案がなされていることが、状況を表しているように、最近では画像データを蓄積した後、再印刷や外部機器で利用する、といったデータストレージ機能が重視されるようになってきている。
即ち、プリント出力時の要求としてWindows(登録商標)等の通常のアプリケーションによる要求は、RGBデータ形式による要求であるにも関わらず、Postscript(登録商標)によるCMYKデータの出力も求められるため、どちらの要求も満たすことができるCMYKデータの蓄積が主流であり、PDLによりRGB或いはCMYKのいずれで描画が指示されても、CMYKで描画し、画像の蓄積を行う。
このような方式の採用は、単に画像を印字するためだけにプリンタコントローラを用いるだけであれば、機器開発の効率もよく問題はなかったが、蓄積した画像データをネットワーク上で共有するシステムでは、必ずしも利用先の要求に適合しない場合が生じる。
また、蓄積画像の再利用についても、プリント出力のみならず、外部PC等に出力し、そこに保存した後、保存データを用いて別のMFP機から出力するといった使い方がなされるようになってきたことは、先に述べた蓄積した画像データをネットワーク上で共有するシステムの延長上にある利用法である。
上記した蓄積画像の利用法において、それぞれの利用法に適した画像データを提供できるようにすることが望ましい。即ち、プリンタ機能を用いて描画した画像データを蓄積する際のデータ形式を1つに限らずに、異なる出力への適応性を考慮することや、また、集約機能に用いる蓄積画像のデータの色空間や濃度値を対象画像間で整合させないと、画像出力の最適化が図られない。
しかしながら、これまで、この問題に対する解決手段については、提案がなされず、未解決の課題となっている。なお、上記特許文献1,2にも、プリンタ機能を用いて描画した画像データの利用性の向上を図るために、蓄積画像のデータ形式に異なる出力への適応性を考慮することについて、また、集約機能への適応性についても、全く考慮されておらず、いずれも、最適な画像出力を得ることができない。
本発明は、上述の従来技術の問題に鑑み、これを解決するためになされたもので、その解決課題は、MFPカラー機のように、複数のアプリを通して入力され、蓄積された画像データをもとにプリント出力を行うほか、外部機器(コンピュータ等)へ配信するために、所定のデータ形式への変換を行うようにした画像処理装置において、プリンタ機能を用いて描画した画像データを蓄積する際のデータ形式を出力に適応させ、画像出力の最適化を可能とすることにある。
また、MFPカラー機のように、複数のアプリを通して入力され、蓄積された画像データをもとにプリント出力を行うほか、外部機器(コンピュータ等)へ配信するために、所定のデータ形式への変換を行うようにした画像処理装置において、集約機能に用いる蓄積画像のデータの色空間や濃度値の不整合をなくし、画像出力の最適化を可能とすることをもう一つの解決課題とする。
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載された画像処理装置において、ネットワークに対する送受信を可能とするネットワークインターフェースを備え、前記ネットワークインターフェースを前記画像情報入力手段のプリント要求の入力手段として機能させるようにしたことを特徴とする。
また、プリントデータから生成したデータとスキャナで読み取られたRGB画像データとが整合しない場合でも、データ変換手段でデータ形式を変換することにより、整合をとることができるので、プリントデータのデータ形式によらず、プリンタデータとスキャナデータなどのアプリケーションの画像を集約することが可能になり、スキャナデータ側だけの濃度調整を行なうことにより、プリンタデータに不要な調整を行うことを回避し、又集約画像間の濃度のバランスをとることが可能になり、出力画像の適正化を図ることが可能になる。
また、他のアプリとの画像を集約する場合、集約画像間の色の一貫性を確保したり、蓄積したデータを多機種に持っていったときの機種間での色の一貫性を確保することが可能になり、プリントデータの色空間が変わっても、複数種の色空間を所定の色空間に変換する手段を用いるようにしたことで、新たな装置の付加を行なうことなく、例えばRGBで画像の描画を行うプリンタシステムを容易にCMYKでも描画可能なシステムに適応できるように装置を構成することが可能になる。
また、ネットワーク上で蓄積画像を共有するシステムの要素として本発明の画像処理装置を機能させ、ネットワークインターフェースを介して送受信する画像情報を処理対象とすることにより、本発明の上記効果を、当該システム上で具現化することが可能になる。
「実施形態1」
本実施形態は、HDD等の記憶装置に蓄積した画像データを基に、プリント出力を行う画像処理装置(例えば、MFPカラー複写機等)で、入力プリントデータに指示された色空間に応じて生成した色空間のデータを蓄積するようにするもので、例えば、RGBにより描画されたプリントデータの場合は、他のアプリとのデータの整合性を保つことができ、また、CMYKで描画されたプリントデータの場合は、印刷時にユーザが指定した通りの出力画質を確保することができ、出力方法に応じて最適なデータ形式をとることを可能することを意図する。
図1は、本実施形態のMFPカラー機に係わる画像データ処理システムの構成を概略的に示すブロック図である。
図1を参照して、本画像データ処理システムの各部の構成及び印刷指示に従って行うプリント出力処理、即ち、外部PC19から受け取った印刷指示に従う描画処理、描画で得た画像データの蓄積、蓄積画像を用いた印字出力、という過程で行なわれる処理を説明する。ここに、プリンタコントローラ4は、コピー機能を始め、各機能アプリの動作を実行するコントローラとしてMFP機全体を制御する。従って、動作に必要なデータを格納するためのメモリ11を制御下に持ち、ここをワークメモリ及び制御データ、各種の管理情報等を格納するメモリとし、また、各種の入力パスを通して入力される画像データを蓄積し、そこに蓄積されるデータの管理を行う。また、プリンタコントローラ4にユーザによる機能の選択や動作条件の設定等の入力操作を行う操作部(図示せず)が接続されており、ユーザによる設定入力を受け付ける。
プリンタコントローラ4は、PDLコードの指示により、バンドメモリ制御装置44を介して、バンドメモリ45にアクセスし、ビットマップイメージの描画を行なう。
ここで、PDLコードがRGB(R:Red,G:Green,B:Blue)で描画をする指示をしている場合は、バンドメモリ制御装置44を通して、バンドメモリ45上のRGB各8bitの3プレーンに対して描画が行なわれる。
また、PDLコードがCMYK(C:Cyan,M:Magenta,Y:Yellow,K:Black)で描画をする指示をしている場合は、バンドメモリ制御装置44を通して、バンドメモリ45上のCMYK各8bit4プレーンに対して描画が行なわれる。
バンドメモリ45に描画された画像は、バンドメモリ制御装置44を介して圧縮伸張器46に送られる。圧縮伸張器46により圧縮された画像は、メインメモリ制御装置11cを介してメインメモリ11に蓄積される。
既に描画が終わってメインメモリ11に蓄積されている画像に対して上書き描画の命令が発生する場合がある。その場合には、メインメモリ制御装置11cを通してメインメモリ11上の描画後の圧縮データに対して読み出しが行なわれ、伸張器46、バンドメモリ制御装置44を通り、バンドメモリ45に書き戻される。書き戻された画像データに対してプリンタコントローラ4は再度描画を行なうことができる。
このような過程を経て、メインメモリ11に描画後の圧縮データが蓄積される。なお、メインメモリ11に蓄積される画像は、メインメモリ制御装置11cを通してHDD5にも蓄積される。
次にメインメモリ11に蓄積されているデータがRGBデータの場合は、RGBからCMYKに変換する機能をもつ色補正 (1)75aにより、このプリンタデバイスに即したCMYKの色空間のデータに変換が行なわれる。即ち、RGBからCMYKへの色変換と同時に機器特性に応じた補正がかけられる。
メインメモリに蓄積されているデータがCMYKデータの場合は、プリンタコントローラ4が描画したCMYKデータからデバイス固有のCMYKに変換する機能をもつ色補正(2)75bにより、プリンタデバイスに即したCMYKの色空間のデータに変換が行なわれる。
その後、CMYKデータはプリンタγ変換71に送られる。プリンタγ変換71はプロッタ9の書き込み特性に合わせた階調変換を行なう。次いで、中間調処理72は、ディザや誤差拡散法によりプロッタ9が出力できるビット数にまで、階調数が落とされる。
その後、画像データは、プロッタ9に送られ、印刷用紙に印字が行なわれる。プロッタ9の制御は、エンジンコントローラ12が司っている。なお、プロッタ9は電子写真方式でもインクジェット方式のプリンタなど、どのような形式でもかまわない。
本画像データ処理システム(図1)におけるプリント要求時の処理は、上記のようなフローに従って行われる。RGBで描画要求を行なうPDLコードの場合は、RGBでメインメモリ11に画像が蓄積されるので、メインメモリ11に蓄積されるデータサイズが比較的小さいため、大きな画像をメインメモリに蓄積することが可能となる。
他方、CMYKで描画要求を行なうPDLコードの場合は、CMYKでメインメモリ11に画像が蓄積されるので、ユーザがCMYKで指定したとおりの画像を印字出力することができる。RGB、CMYKの描画要求、それぞれのもつ特徴を生かした利用方法を選ぶことにより、高パフォーマンス化が可能になる。
本実施形態は、HDD等の記憶装置に蓄積した画像データを基に、プリント出力を行うほか、ネットワーク上への配信出力を可能とし、蓄積画像データをネットワーク間で共有することを可能にするMFPカラー複写機で、プリントデータから生成したデータ(上記実施形態1、参照)とスキャナで読み取られたRGB画像データとが整合しない場合でも、データ変換手段でデータ形式を変換することにより、整合をとり、プリントデータのデータ形式によらず、プリンタデータとスキャナデータなどのアプリケーションの画像を集約することを可能にする。
図2は、本実施形態のMFPカラー機に係わる画像データ処理システムの構成を概略的に示すブロック図である。
図2を参照して、本実施形態の画像データ処理を、その処理フローに沿って詳細に説明する。ここに、プリンタコントローラ4は、コピー機能を始め、各機能アプリの動作を実行するコントローラとしてMFP機全体を制御する。従って、動作に必要なデータを格納するためのメモリ11を制御下に持ち、ここをワークメモリ及び制御データ、各種の管理情報等を格納するメモリとし、また、各種の入力パスを通して入力される画像データを蓄積し、そこに蓄積されるデータの管理を行う。また、プリンタコントローラ4にユーザによる機能の選択や動作条件の設定等の入力操作を行う操作部(図示せず)が接続されており、ユーザによる設定入力を受け付ける。
本例はMFPカラー複写機であるから、画像読みとり装置としてのスキャナ1sを備えている。原稿を読み取る場合、スキャナ1sによって、セットされた原稿は、RGBに色分解された各色8ビットの画像データとして読み取られる。
次いで、色補正(3)2cにより所定の色空間に変換が行なわれる。この色変換は、スキャナで得たRGBデータをsRGBやsYCCなどの標準色空間に変換するものである。
色補正後の画像データは、スキャナ用画像処理2pにより、フィルタ処理などが行われて、スキャナアプリやコピーアプリにとって適切な画質に処理、即ち画像種、機器特性に応じた補正やユーザの選択した設定条件等による処理、が行われる。
その後、圧縮器3で圧縮がかけられ、メインメモリ制御装置11cを介して、メインメモリ11に画像データが蓄積される。メインメモリ11に蓄積される画像は、メインメモリ制御装置11cを通してHDD5にも蓄積される。
電子ソーティング(複数の原稿画像データを並べ替える)の場合はHDD5から画像データを読み出すことで機能を実現する。
この画像データは、スキャナ入力パスでRGB標準色空間に変換され、蓄積されたので、次に、このRGBデータには、RGBからCMYKに変換する機能をもつ色補正(1)75aによって、プリンタデバイス(プロッタ9)に即したCMYKの色空間のデータへの変換が行なわれる。
その後、CMYKデータはプリンタγ変換71に送られる。プリンタγ変換71はプロッタ9の書き込み特性に合わせた階調変換を行なう。次いで、中間調処理72は、ディザや誤差拡散法によりプロッタ9が出力できるビット数にまで、階調数が落とされる。その後、画像データはプロッタ9に送られ、印刷用紙に印字が行なわれる。
外部PC19からプリンタ機能の利用して行われるプリント要求時の処理フローは、上記「実施形態1」における処理フローと同様に行われ、PDLによる色空間の指定がRGBの場合はRGBでメインメモリ11に描画後のデータが蓄積される。
データ形式変換装置10は、メインメモリ制御装置11cを通してメインメモリ11中の画像データに対してアクセスすることができる。メインメモリ11から読み出された圧縮後の画像データは、データ形式変換装置10内の伸張器102で伸張され、解像度変換105aで解像度変換が行なわれる。解像度変換は、一般的なキュービックコンボリューション法などにより変換が行なわれる。
その後、色補正(4)103a、γ変換107を経て、フォーマット変換器108に到達する。フォーマット変換器108は、この画像をJPEG(Joint Photographic Experts Group)形式などのPC上での汎用画像に変換する機能を持つ。
フォーマット変換後の画像は、NIC14を経て外部PC19に送信される。また、逆に、外部PC19からJPEGなどの汎用フォーマット画像を受け取り、フォーマット変換器108で画像を復元した後、色補正(5) 103b、解像度変換105bを通り、所望の解像度に変換し、圧縮器109で圧縮されて、メインメモリ制御装置11cを経て、メインメモリ11に蓄積される。
この場合、データ形式変換装置10は、メインメモリ制御装置11cを通してメインメモリ11中の画像データに対してアクセスし、メインメモリ11から読み出された圧縮後の画像データを伸張器102で伸張し、解像度変換105aで所望の解像度変換を行う。
この動作では、解像度変換を行う、という目的のためにデータ形式変換装置10を利用するので、色補正(4)103a、γ変換107をスルーして、フォーマット変換器108に到達するが、フォーマット変換器108では何も処理を行わない。この後、色補正(5) 103b、解像度変換105bもスルーして、圧縮器109で再度圧縮し、メインメモリ制御装置11cを通してメインメモリ11の別アドレスに格納される。
予めメインメモリ11に蓄積されている複数枚の画像各々に対し、上記した解像度の変換動作を繰り返し行ない、1枚の画像にまとめる処理を行うことで、複数枚の蓄積画像の集約画像データを得ることが可能になる。
本実施形態では、上記「実施形態1」に述べたように、外部PC19等からのプリント要求に従って描画を行った後、メインメモリ11蓄積されるプリンタ画像は、RGB、CMYK、いずれの場合もある。
プリンタ画像がRGBの場合、本実施形態では、メインメモリ11に蓄積するスキャン画像をRGBとしているので、色空間が合っているので、この点でデータ形式が整合しているので、集約画像を生成することが可能である。
他方、プリンタ画像がCMYKの場合、メインメモリ11に蓄積するスキャン画像をRGBとしているので、色空間が合わず、データ形式が整合しないので、このままでは集約画像を生成することができない。
そこで、この場合には、データ形式変換装置10を利用して、色変換を行う。具体的には、データ形式変換装置10内の色補正(4)103aによりCMYKからRGBへの変換を行なわせることにより、データ形式を整合させる。
このようにして、メインメモリ11に蓄積されている画像が、スキャナ画像とプリンタ画像であり、プリンタ画像がCMYKの場合でも、RGBのスキャン画像との集約を可能とする。
上記「実施形態2」では、データ形式変換装置10を利用することにより、プリンタ画像がCMYKの場合でも、RGBのスキャン画像との集約を可能とする実施形態を示したが、本実施形態は、さらに集約画像の画質を向上させる改良を図るものである。
具体的には、メインメモリ11に蓄積されているスキャナ画像とプリンタ画像を集約して1枚の画像データにするときの濃度の制御に係わり、スキャナ画像側だけに濃度調整を行なうことにより、プリンタ画像に不要な調整を行うことを回避し、又集約画像間の濃度のバランスをとることを可能とすることで、出力画像の適正化を図るようにするものである。
図2を参照して、本例を説明すると、スキャナ画像をプリント出力する場合、これまでに説明した通り、ユーザの指定した濃度への制御は、図2中のプリンタγ変換72で行われる。これは、蓄積したときと異なった濃度の制御を行うことができるようにするためである。
ところがスキャナ画像とプリンタ画像を集約して出力する場合、集約後の画像に対してプリンタγの処理を行ったのでは、ユーザ指定の濃度となっているプリンタ画像の部分にまで濃度の変更が行われてしまう。ユーザが濃度の調整を行いたいのは、スキャナ画像の部分だけで、プリンタ画像の部分に対しては、濃度の調整を必要としていない。
このため、スキャナ画像とプリンタ画像の集約を行う時には、スキャナ画像の部分にだけユーザの指示に従った濃度調整を行う仕組みが必要である。
図3は、本実施形態における画像集約時の処理手順の説明図である。
図3を参照すると、メインメモリ11上に置かれているスキャナ画像(S1)は、図2に示したデータ形式変換装置10の解像度変換105aにより所定の大きさのスキャナ画像(S2)に変換させる。
次に、プリント出力するときの濃度の設定に従って、γ変換107により濃度調整が行われ、スキャナ画像(S3)を処理結果として得る。本実施形態の処理の場合、画像1枚ごとに蓄積される画像の濃度情報や画質モード情報が、画像データとは別に属性情報としてメインメモリ11上に蓄えられており、その属性情報に基づいて、γ変換が行われる。
その後、スキャナ画像(S3)は、集約画像(S+P)の一部として、メインメモリ11上の所定の場所に書き込まれる。
他方、メインメモリ11上に置かれているプリンタ画像(P1)は、解像度変換105aにより所定の大きさのプリンタ画像(P2)に変換された後に、集約画像(S+P)の一部として、メインメモリ11上の所定の場所に書き込まれる。
このようにして集約された画像は、プリント出力されるときに、プリンタγ変換71ではプロッタ9の書き込み特性に合わせたγ変換だけが行われ、中間調処理72を施された後、プリント出力される。
図3を参照して説明した処理手順を踏み、スキャナ画像部分はユーザ指示に応じた濃度制御を行い、プリンタ画像部分はそのまま出力することにより、集約画像において所期の画質向上を図ることが可能になる。
上記「実施形態2」では、データ形式変換装置10を利用することにより、プリンタ画像がCMYKの場合でも、RGBのスキャン画像との集約を可能とする実施形態を示したが、本実施形態は、「実施形態2」と異なる手段によって、集約画像の画質を向上させる改良を図るものである。即ち、集約に用いるプリンタ画像に対して、メインメモリ11への蓄積前のプリンタデータの入力パスで色補正を施し、RGBのスキャン画像との色の一貫性を保つようにするものである。
具体的には、集約に用いるプリンタ画像がCMYKで入力された場合に限って、プリンタデータの入力パスの色補正において、通常行う色補正に加えて、CMYKからRGBへの色変換を施すことにより、RGBのスキャン画像との色の一貫性を保つようにする。
図2を参照して、本例を説明すると、スキャナ入力の処理では、スキャナ画像は色補正(3)2cによって、所定のRGB色空間に変換される。
また、プリンタ画像の入力処理の色補正では、基本的にRGBとCMYK間の色空間の変換は行わないので、RGBで描画された画像に対しては、色補正(RGB1)43aでスキャナ画像と同じRGB色空間に変換される。同様に、集約に用いないプリンタ画像として、CMYKが入力された場合、このデータに対しては、色補正(CMYK1)43bでCMYKのままで処理が行われる。
しかしながら、集約に用いるプリンタ画像がCMYKで入力された場合に限って、入力パスの色補正(CMYK1)43bにおいて、スキャナと同じRGB色空間に変換されるようにする。
従って、プリントアウトする場合は、プリント出力の処理パスにおける色補正(1)(RGBtoCMYK)75aで、再びCMYKへの色変換が行われる。このような構成にしておくことでスキャン画像とプリンタ画像を合成して印刷する場合でも色の一貫性を保つことができる。
本実施形態は、プリンタ画像の入力パス及びプリント出力の処理パスそれぞれに設けた色補正手段の改良に係わる。
上記「実施形態4」では、この色補正手段を、図2に示すように、プリンタ画像の入力パスでは、色補正(RGB1)43aと色補正(CMYK1)43bとし、また、プリント出力の処理パスでは、色補正(1)(RGBtoCMYK)75aと色補正(2)(CMYK2)75bとして、RGB,CMYKの色空間に対応して各別に備えるようにしている。
本実施形態では、この色補正手段の構成を、図4に示すように、プリンタコントローラ4がRGB展開を行う場合でもCMYK展開を行う場合でも、共通の色補正回路である色補正(入力)43により色変換を行う。なお、この色補正(入力)43は、3次元空間から4次元空間へのLUT(Look up table)で構成されている。このLUTを用いた色変換方式については公知の技術(例えば、下記「実施形態6」に示す四面体補間法、参照)であり、本実施形態は、公知のLUT色変換方式を採用することにより実施可能である。
LUTを用いた色補正(入力)43では、プリンタコントローラ4が、RGBの画像データを描画した場合は、RGBから標準RGB空間へ変換するパラメータをLUTにセットする。また、プリンタコントローラ4が、CMYKの画像データを描画した場合は、CMYKから標準RGB空間へ変換するパラメータをLUTにセットする。このようにプリンタコントローラ4が生成するデータの形式に応じてLUTのパラメータを書き換えることで、共通のハードウエアで様々な画像データに対応することができる。
また、プリント出力の処理パスにおける色補正である、色補正(出力)75においても、同様のLUT色変換方式の色補正手段を用いる。色補正(出力)75においても、色補正(入力)43と同様に、データの形式に応じてLUTのパラメータを書き換えることにより、RGB,CMYK各々の色空間に対応する。
上記のように、プリントデータの色空間が変わっても、複数種の色空間を所定の色空間に変換する手段を用いるようにしたことで、新たな装置の付加を行なうことなく、例えばRGBで画像の描画を行うプリンタシステムを容易にCMYKでも描画可能なシステムに適応できるように装置を構成することが可能になる。
本実施形態は、HDD等の記憶装置に蓄積した画像データを基に、プリント出力を行うほか、ネットワーク上への配信出力を可能とし、蓄積画像データをネットワーク間で共有することを可能にする画像処理装置(例えば、MFPカラー複写機等)において、各種の処理パスを通して、異なる色空間の画像データとして入力され、蓄積されたデータを基に、集約画像出力を可能にするものである。
図5は、本実施形態のMFPカラー機に係わる画像データ処理システムの構成を概略的に示すブロック図である。
先ず、図5を参照して、デジタル複写機の各部の構成、及び原稿画像の読み取り、読み取り画像の蓄積、蓄積画像を用いた印刷出力、という過程で行なわれるコピー時の処理を、フローに沿い説明する。ここに、プリンタコントローラ4は、コピー機能を始め、各機能アプリの動作を実行するコントローラとしてMFP機全体を制御する。従って、動作に必要なデータを格納するためのメモリ11を制御下に持ち、ここをワークメモリ及び制御データ、各種の管理情報等を格納するメモリとし、また、各種の入力パスを通して入力される画像データをHDD5に蓄積し、そこに蓄積されるデータの管理を行う。また、プリンタコントローラ4にユーザによる機能の選択や動作条件の設定等の入力操作を行う操作部(図示せず)が接続されており、ユーザによる設定入力を受け付ける。
読み取られた画像データは、スキャナ補正部2に送られ、各種の補正や変換等が施される。図6は、スキャナ補正の構成例を示す図で、同図に示すように、ここでは、スキャナγ21、画質モードに対応したフィルタ22の処理及び変倍24の各処理が行われる。なお、スキャナ補正部2、後述するプリンタ補正部7ブロックなどのエンジン部にある処理部は、エンジンコントローラ12によって制御される。
変倍後の8bitの画像データは固定長の圧縮器3によって、nbit(n≦8)のデータに変換される。固定長の圧縮器3の出力は、汎用バスI/F15につながっており、圧縮後の画像データは、汎用バスI/F15を通ってプリンタコントローラ4に送られる。
プリンタコントローラ4は、半導体メモリ11に各色毎に独立したメモリ領域を持ち、ここに送られたデータを一旦格納した後、HDD5に蓄積する。
HDD5への画像データの蓄積は、データをプリントアウトする時に用紙がつまり、印字が正常に終了しなかった場合でも、再び原稿を読み直すのを避けるためであったり、電子ソート等の画像データの操作を行うためである。また、この外に、読み取った原稿を蓄積しておき、必要なときに、再印刷したり、ネットワーク配信をする、といった再出力の機能をサポートする。
プリント出力する場合は、HDD5内の圧縮データは、一旦半導体メモリ11に展開され、次に汎用バス15をとおりエンジン部に送られる。エンジン部の固定長の伸張器6により、再び8bitの画像データに復元される。このデータは、プリンタ補正7に送られる。図7は、プリンタ補正7の構成例を示す図で、同図に示すように、ここでは、色補正75、プリンタγ補正71を行ったのち、レーザ書き込みユニット8および作像ユニット9に合わせた中間調処理72を施す。
プリンタ補正7から出力されたデータは、レーザ書き込みユニット8にてLD(レーザダイオード)用データに変換し、作像ユニット9により潜像、現像、転写、定着を経て、転写紙に出力される。
なお、上記したコピー時の処理フローは、カラーの動作モードの説明を行ったが、モノクロの動作モードの場合には、スキャナ補正部2(図6参照)に色補正部を設け、色補正処理でRGBから8bitのgrayscale画像に変換され、同様の圧縮を施した後、汎用バス15を通り、プリンタコントローラ側に送られ、半導体メモリ11のメモリKのプレーンに画像が格納される。従って、この場合には、HDD5には圧縮後のグレースケール画像が蓄積される。
外部PC19からのプリント要求コマンドを受け取ったプリンタコントローラ4は、このコマンドを発したプリンタドライバによって指定されたPC19上の色空間(RGB、sRGB、CMYK)を、色空間変換によってMFP機内のプリンタ(エンジン)に依存したデバイスディペンデントなCMYK色空間、若しくは標準CMYK色空間に変換する。
CMYKに変換されたカラー画像データは、プリンタコントローラ4上で中間調処理が施され、1〜4bit程度の低bitデータに変換された後、ラスターイメージ処理(RIP)される。
また、処理後のRIPデータは、専用の圧縮器によって順次圧縮され、HDD5などの記憶装置に蓄積される。これはRIP後のデータサイズが大きいため、圧縮せずに半導体メモリ11上に蓄積すると、非常に多くのメモリを消費するからである。
この他に、本MFP機にはFAX機能を持つものもあり、この場合はプリンタコントローラ4上の半導体メモリ11には、2値可逆可変長圧縮方式で圧縮された2値画像が蓄積される。
従って、蓄積されたデータを用いて、再印刷や配信といったデータ出力を行う場合、対象となるデータは、色空間が様々であるため、蓄積した色空間のまま出力しても、出力先で利用可能な色空間と適合せず、データの出力ができない場合が生じる。
特に、蓄積画像データを集約して出力する(複数枚の画像を1枚の画像にまとめる処理を行う)場合、出力先で利用可能な色空間との適合、という以前に、異なる色空間の画像同士を集約することができないので、集約の対象となった画像データの色空間を合わせる必要がある。
このために、本実施形態では、図5に示すように、プリンタコントローラ4の制御下に蓄積画像データの処理に用いるデータ形式変換装置10を設け、そこで、集約の対象となる画像データの色空間の統一を行うことを可能とする。
データ形式変換装置10には、プリンタコントローラ4に接続されている半導体メモリ11上にある様々な形式の画像データが、汎用バス15を通って送り込まれる。
集約機能によって、HDD5などの記憶装置に蓄積されている画像データから集約の要求がなされた場合、集約を行う際に必要となる対象画像の属性情報が、プリンタコントローラ4に渡される。プリンタコントローラ4は、HDD5に蓄積されている画像データ、属性情報を検知して、データ形式変換装置10に対して、どのような画像処理を行うか、その命令を行う。
データ形式変換装置10は、プリンタコントローラ4からの命令を受けて、データの形式によって異なる伸張器に画像データが導かれ伸張し、復元した画像データに対し適宜の画像処理を行い、出力先クライアントの望む画像フォーマットに変換した後、集約を行う。
図8は、データ形式変換装置10の内部構成の1例を示すブロック図である。
図8に示すように、入力ポート101を通して入力された画像データは、まず、第1の形式の伸張器102によって第1の形式より圧縮されていた画像データは伸張される。その後、解像度変換ブロック105によって解像度変換が行われる。この解像度変換は、画像を縮小して、集約する場合に、必要になる処理である。
次に、色補正ブロック103によって色空間の変換が行われる。この変換は、異なる色空間の画像を集約する場合に、不可欠の処理である。
次に、フィルタ処理ブロック106により画像データのMTFの強弱を調整するフィルタ処理が施され、次いで、γ変換処理ブロック107により画像データの濃度特性を調整するγ処理が施され、中間調処理ブロック108で多値の画像データを2値の画像データに量子化し、最後に、第2の形式への圧縮器109によって第2の形式へ圧縮される。
データ形式変換装置10内では所定の画像処理を行うために、第1の形式より圧縮されているデータを伸張し、多値データに復元した後に、画像処理を行う構成とする。さらに所定の画像処理機能実行後に出力ポート110を通して再び外部に出力するために、第2の形式への圧縮器109によって第2の形式へ圧縮される。
第1の形式、第2の形式とは、専用ブロック固定長圧縮などの専用データフォーマットなどであるが、ここでは特に詳細な説明は省く。
以下に、データ形式変換装置10の処理ブロックを分説する。
多値の画像データに対し、色補正機能を果たす色補正処理ブロック103についての実施例を次に説明する。
色空間変換の一例として公知の技術であるテーブル補間法によって行う例を以下に示す。 テーブル補間法に用いるLUTは、入力空間の各軸を8分割し、入力色空間を上位と下位にわけて上位でLUTを参照し、下位で3次元補間を行って精密な出力を得る方式である。3次元補間法には多数種類があるが、線形補間の中でも最も簡単な4面体補間法を例にあげる。
図9は、この4面体補間法を説明するための図を示す。図9において、(A)はxyz立体座標軸上の入力色空間を示し、(B)は入力色空間を補間単位立体(4面体)へ分割する方法を示し、(C)は分割した4面体を示す。
4面体補間法は、図9に示すように入力色空間を複数の単位立方体に分割して(図9(A))、さらに単位立方体の対称軸を共有する6個の四面体に分割する(図9(B))。これにより入力色信号は、入力色信号の上位座標により選択された単位四面体の分割境界点(=格子点P1〜P8)のパラメータ(以下「格子点パラメータ」とする)をLUTより参照する。次に下位座標により選択された単位四面体(図9(C))の格子点パラメータから線形演算することで出力値を得る方法である。
このテーブル補間法による色変換の処理手順は以下の通りである。
(1) 入力色信号X(x、y、z)を内包する単位立方体を選択する。
(2) 選択された単位立方体内での座標Pの下位座標(□ x,□ y,□ z)を求める。
(3) 下位座標の大小比較により単位四面体を選択して各単位四面体毎に線形補間を行い、
座標Pでの出力値Poutを求める。各単位四面体の線形補間値は、下記式(1)で与え
られる。なお、□:単位立方体の一辺の長さ、である。
(□x<□y<□z) Pout=P2+(P5-P7)×□x/□+(P7-P8)×□y/□+(P8−P2)×□z/□
(□y≦□x<□z) Pout=P2+(P6-P8)×□x/□+(P5-P6)×□y/□+(P8−P2)×□z/□
(□y<□z≦□x) Pout=P2+(P4-P2)×□x/□+(P5-P6)×□y/□+(P6−P4)×□z/□
(□z≦□y≦□x) Pout=P2+(P4-P2)×□x/□+(P3-P4)×□y/□+(P5−P3)×□z/□
(□z≦□x<□y) Pout=P2+(P3-P1)×□x/□+(P1-P2)×□y/□+(P5−P3)×□z/□
(□x<□z≦□y) Pout=P2+(P5-P7)×□x/□+(P1-P1)×□y/□+(P7−P1)×□z/□
・・・・・・式(1)
解像度変換機能を実現する解像度変換処理ブロック105についての実施例を次に説明する。
本実施形態では、対象画素データが多値データであり、主走査と副走査の双方に任意の解像度への変換が可能な多値画像データに対する変換方式を説明する。
入力される多値データに対して主走査方向に解像度変換を行う、主走査解像度変換ブロックと、主走査方向に変換後の多値データに対して副走査方向に解像度変換する副走査解像度変換ブロックの構成からなる。主走査解像度変換ブロックでは、入力多値データを指定された解像度へのデータ数の変換するために主走査方向に画素補間を行う。補間する画素データ値の算出方式として一般的な最近接画素置換法、隣接2画素加重平均法、3次関数コンボリューション法などを適用することが可能である。
主走査方向への解像度変換後のデータは、副走査解像度変換ブロックにて、主走査解像度変換後の1ライン分のデータを蓄積可能なラインメモリを複数ライン分もった副走査ライン蓄積メモリを用意し、そこに蓄積した副走査方向の参照画素データを元に、補間するラインのデータ値の算出を行う。補間するデータ値の算出方式は、主走査方向と同様に、最近接画素置換法、隣接2画素加重平均法、3次関数コンボリューション法などを適用することが可能である。
本実施形態における多値の画像データに適用し得る、フィルタ処理機能を実現するフィルタ処理ブロック106についての実施例を次に説明する。
フィルタ処理は、画像データのMTFを変調させるものであるが、元の画像データよりもMTF値を高めて画像のエッジを強調する場合と、MTF値を下げて画像を平滑化する場合の2種類がある。
画像データのMTFを高める場合は、基画像の画像周波数を実線、フィルタ処理後の画像周波数を破線で示すと、図10(A)に示すように、画像周波数の隆起が強調するような処理を施す。なお、同図における縦軸は、画像濃度のダイナミックレンジとし、横軸は、画像データのラスタ形式参照を示している。
同様に、画像データのMTFを平滑化する場合は、図10(B)に示すように、画像周波数の隆起が鈍るような処理を施す。
実際の処理としては、2次元の画像データのラスタ形式方向をライン方向(X方向)、これに直交する方向をY方向とし、画像データをライン単位で扱い、注目画素値を周辺の画素値を基に算出する。本例では、図10(C)の定義に従い、同図に示すように、注目画素をXm n、注目画素を中心とした5×5画素を周辺画素とし、それらを図中の記号にて表す。
画像データのMTFを高める場合は、強調する必要がある画像周波数の微分係数を、画像データの解像度を基調としてマトリクス状に配置した係数(以下、マトリクス係数) を算出する。そのマトリクス係数を、周辺画素記号と同形式に、Am-2 n-2、 Am-2 n-1、 ・・・ 、Am n 、 Am+2 n+1 、 Am+2 n+2 と記号化すると、画像データのMTFを高める場合のフィルタ処理後の注目画素値Yは、次のような演算式で表せる。
C=(Xm-2 n-2×Am-2 n-2)+(Xm-2 n-1×Am-2 n-1)+…+(Xm+2 n+2×Am+2 n+2) ・・・・式(I)
D=B×C ・・・・式(II)
Y=D+Xm n ・・・・式(III)
式(I)は、微分係数により求めたマトリクス係数と画像データを、行列積の演算を行ったものである。この式(I)により求められたCの値が、フィルタ処理による画像の強調成分である。また、式(II)はその強調成分を任意(B)に増減幅する項である。式(II)により求まったフィルタ処理による強調値Dを、注目画素値Xm n に加算することで、最終的な注目画素値Yを算出する(式(III))。上記のような演算により、画像データの全画素を変換することで、画像データのMTFを高める操作を行う。
画像データを平滑化する場合は、注目画素とその周辺画素を加算して画素数Eで割ることにより、注目画素とその周辺画素との平均値を求める。このような演算により、画像データの全画素を変換することで、画像データの平滑化の操作を行う。平滑化の度合いを調整する意味で、注目画素や周辺画素の重みを単純に等価として平均化せず、各画素間に隔たりを持たせるのであれば、下記式(IV)のようにマトリクス係数に任意の整数を代入することで、注目画素値Yを調整することが可能である。
Y=((Xm-2 n-2×Am-2 n-2)+(Xm-2 n-1×Am-2 n-1)+…+(Xm+2 n+2×Am+2 n+2))/E ・・・・式(IV)
多値の画像データに対し、γ変換処理機能を実現するγ変換処理ブロック107についての実施例を次に説明する。
γ変換処理は、画像の濃度勾配や濃度特性を可変とするものであるが、処理としては、γ変換特性をグラフで表す図6(A)の実線がγ変換テーブルとすると、グラフに従って、元の画像データ(横軸)に相当する値をγ変換後の画像データ(縦軸)の値に変換するだけである。この変換テーブルの曲線を変更して、狙いの濃度分布を持つ画像データに変更することが可能となる。例えば、図6(A)の破線で示しているようなγ変換テーブルにすれば、実線で示しているγ変換テーブルに比べ、γ変換後の画像データは濃度勾配が滑らかな画像データに変換することができる。但し、図の矢印側になるにつれ濃度が高くなるとする。
γ変換テーブルの作成方法は、便宜上、図6(B)に示してある原点から45°方向に延びるリニアなγ変換テーブル(実線)を基に説明する。
濃度特性を変えずに画像の全体濃度を上下させる場合は、図6(B)に示すように、グラフの横軸方向にγ変換テーブル(一点鎖線)のように平行移動させれば良く、画像の濃度勾配を変える場合は、γ変換テーブルの傾きを変更(破線)すれば良い。また、濃度特性を変更する場合は、図6(A)にあるような、連続する曲線で示すようなγ変換テーブルの湾曲具合を変更すれば、任意の濃度特性が得られる。
上記で例示した方法により、γ変換処理ブロック107では、多値の画像データに対し、画像データの濃度勾配および濃度特性の変更を可能とするγ変換処理機能を実現することが可能になる。
多値の画像データに対し、中間調処理機能を実現する中間調処理ブロック108についての実施例を次に説明する。
中間調処理は、多値の画像データを2値もしくはそれに近い少値の階調数に量子化する処理であるが、方法は様々である。ここでは、一般的に用いられる、単純量子化法、ディザ法、誤差拡散法を実施例として取り上げる。但し、量子化階調数は、便宜上2値とする。
単純量子化法は、多値の画像データにおけるダイナミックレンジ中の任意の値を閾値として、画像データを2階調化する。例えば、ダイナミックレンジが0〜255の256階調である多値の画像データを0と1の値に量子化する場合、閾値を128とすると、画像データが100であれば量子化値は0、200であれば量子化値は1となる。
ディザ法は、マトリクス状になった閾値を用いて、2階調化を行う。図7に示す例では、同図(B)に示す5×5の閾値マトリクスの場合、多値画像データを示す同図(A)上に太枠で示すように、閾値マトリクスを1閾値1画素というように、タイル状に画像データの5×5の画素領域に当てはめていき、画素毎に2階調化を行う。
マトリクス内の閾値を、画像データのダイナミックレンジの範囲でばらつくような閾値にすれば、画像の解像度とトレードオフとなるが、2階調化された画像データでも中間濃度が再現可能となる。
また、誤差拡散法は、単純量子化法と同様に、任意の閾値にて2階調化を行うのだが、量子化する際に発生する量子化誤差を蓄積し、処理を行っている注目画素は、ラスタ形式順で既に量子化処理が終了し誤差が確定している周辺画素の誤差を加味して量子化を行うことにより、画像データトータルでの量子化による誤差を最小限に留めようとする中間調処理である。
ここに、量子化する場合に発生する誤差とは、例えば、ダイナミックレンジが0〜255の256階調である多値の画像データを0と1の値に量子化する場合、画像データが100であれば量試化値は0となってしまうが、画像データには100という中間濃度情報があったにも関わらず、最低値の0扱いとなってしまい画像データの中間濃度情報が失われる。故に、この画像データの量子化誤差は、100=100−0(ダイナミックレンジの最低値)となる。また、画像データが200であれば量子化値は1となるが、この場合も200という中間濃度情報があったにも関わらず、1という最高値扱いになってしまうので、この画像データの量子化誤差は、−55=200−255(ダイナミックレンジの最高値)となる。
これらの量子化誤差値を、画素毎に量子化処理終了後、画像データとは別のデータとして蓄積しておくと、図7(C)に示すように、画像データがラスタ形式で順に処理されることを考えれば、網掛してある画素については、既に量子化の誤差は確定済みであり蓄積されていることになる。誤差拡散法では、誤差の確定している注目画素周辺の誤差値の平均を注目画素値に加算してから2階調化を行うことで、画像データトータルでの量子化誤差による中間濃度情報の欠落を、緩和することを可能としている。
上記実施例の方法を適用することにより、中間調処理ブロック108では、多値の画像データに対し、画像データの2値などの少値量子化を可能とする中間調処理機能を実現可能となる。
上記「実施形態6」では、各種の処理パスを通して、異なる色空間の画像データとして入力され、蓄積されたデータを集約して出力する際に、色空間の統一を可能にする手段について示した。本実施形態では、さらに集約する際の統一色空間を機器固有の色空間とすることにより、MFP機内でプリント出力する場合に適した集約画像データとすることを意図するものである。
蓄積されている画像データについてはMFP機内に取り込まれたときのパスによって色空間が設定されるので、蓄積している画像データの色空間が様々である。
例えば、コピー動作時の画像がMFP機固有のRGB系のカラーで、この画像との集約を行おうとする蓄積画像がPCのプリンタドライバ経由のCMYK系であって、入力パスが異なるために色空間が合わない場合、CMYK系で蓄積された画像に対し、MFP機固有のRGB系のカラーに合わせた色空間変換を行うようにして、出力を行う機器の色にデータを統一することができるので、出力時に色が合わないような問題を生じることはない。
なお、蓄積画像に対する色変換は上記「実施形態6」に示したデータ形式変換装置10の色補正処理103により実施することが可能である。
上記「実施形態7」では、集約する際の統一色空間を機器固有の色空間としたが、本実施形態では、統一する機器固有の色空間をさらにCMYKと特定するものである。
上記「実施形態6」に示したデータ形式変換装置10の色補正処理103により、集約の対象となる画像データをデバイスCMYKに変換することによって、プリント出力に最適化したデータとすることが可能になる。
上記「実施形態7,8」では、集約する際の統一色空間を機器固有の色空間としたが、本実施形態では、集約する際の色空間をデバイスに依存しない標準色空間とし、蓄積データに対し、それに合わせた色空間変換を行うようにする。
これにより、例えば外部PC等に集約した画像データを配信するような場合、標準的なRGB系の色空間にデータを統一し、汎用性をもたせることにより、配信先の機器によって色が合わないような問題を生じることを避けることが可能になる。
なお、蓄積画像に対する色変換は上記「実施形態6」に示したデータ形式変換装置10の色補正処理103により実施することが可能である。
上記「実施形態9」では、集約する際の統一色空間を標準の色空間としたが、本実施形態では、統一する標準の色空間をさらにCMYKと特定するものである。
例えば、プリンタドライバのパスを介して蓄積される画像データはその種類に応じて、色空間が異なっているが、RIP後のデータを蓄積するため、蓄積時に改めてRGB系に変換するようなことは行なわれないので、そのまま標準CMYK系のデータとして蓄積される。
ここでは、このような標準CMYKに統一することを意図するもので、上記「実施形態6」に示したデータ形式変換装置10の色補正処理103により、集約の対象となる画像データを標準CMYKに変換することによって、外部のプリンタ等で用いるために配信する場合に適したデータとすることが可能になる。
4・・プリンタコントローラ、 5・・HDD、
7・・プリンタ補正、 9・・プロッタ(作像ユニット)、
10・・データ形式変換装置、 11・・メイン(半導体)メモリ、
14・・NIC(ネットワークインターフェースコントローラ)、
19・・外部PC、 21,107・・γ(ガンマ)変換、
43,75,103・・色補正、 102,105・・解像度変換。
Claims (3)
- 原稿画像読み取り手段によって読み取られた画像データ及びプリント要求として外部から送られてくるプリントデータを入力する画像情報入力手段と、
前記画像情報入力手段を通して入力されたプリントデータに基づき画像データとその属性データを生成するプリンタ描画手段と、
前記原稿画像読み取り手段によって読み取られた画像データとその属性データ及び前記プリンタ描画手段によって生成された画像データとその属性データをそれぞれ蓄積する画像データ蓄積手段と、
前記画像データ蓄積手段に蓄積された画像データを印字出力に用いるデータに変換する出力データ変換手段と、
印字出力に用いるデータをもとに印字を行う印字出力手段
を有する画像処理装置であって、
前記プリンタ描画手段が、複数種の色空間の画像データを所定の色空間の画像データに変換する第1色補正手段を備えるとともに、
前記出力データ変換手段が、複数種の色空間の画像データを印字出力用色空間の画像データに変換する第2色補正手段を備え、
前記画像データ蓄積手段に蓄積された画像データと前記プリンタ描画手段によって生成される画像データを集約し印字出力する際に、
前記プリンタ描画手段は、複数種の色補正手段のうち補正対象画像データの色空間を集約画像データの色空間に合わせる補正に適応する色補正手段を用いて色補正を行い、
かつ、前記出力データ変換手段は、複数種の色補正手段のうち補正対象画像データの色空間を印字出力用色空間に変換する色補正に適応する色補正手段を用いて色補正を行う
ことを特徴とする画像処理装置。 - 請求項1に記載された画像処理装置において、前記出力データ変換手段が、前記原稿画像読み取り手段で読み取られた画像だけの濃度を変更する手段を備えたことを特徴とする画像処理装置。
- 請求項1又は2に記載された画像処理装置において、ネットワークに対する送受信を可能とするネットワークインターフェースを備え、前記ネットワークインターフェースを前記画像情報入力手段のプリント要求の入力手段として機能させるようにしたことを特徴とする画像処理装置。
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