JP4813184B2 - 無線カード読取装置およびそれを用いた画像形成装置 - Google Patents

Description

本発明は、提示される無線カードをアンテナ回路によって非接触に読み取る無線カード読取装置およびそれを用いた画像形成装置に関する。

従来の無線カード読取装置は、ほぼ直方体の薄く平らなケースの中にアンテナ回路や制御回路を収納していた。したがって、ループ型のアンテナおよび基板などは同一平面に並べられるのが一般的であった。そのために、無線カードをアンテナ回路に接近させるのがあまり容易ではない。直方体の薄く平らなケースの一例が、特許文献１に開示されている。

また、その無線カード読取装置を画像形成装置に取り付け、所定の無線カードを提示する者にのみその使用を許可しようとする場合がある。その場合、無線カード読取装置の取り付け位置と、コントロールパネルの操作スイッチとの位置関係を操作性の良いもの、例えば、無線カードの読み取りに続く操作がスムーズに継続されるようにしようとする提案がされていなかった。
特開２００４−２０６２４３号公報

上述したように、無線カード読取装置について無線カードの読み取りが容易でなく、また、無線カード読取装置が画像形成装置に組み込まれた場合に、無線カード読取装置と、無線カードの読み取りに続いて操作されるコントロールパネルのスイッチとが離れて設置され、無線カードの読み取りに続くコントロールパネルのスイッチ操作にスムーズに移行できなかった。

そこで、この発明は、無線カードの読み取りが容易であり、アンテナ基板が制御基板の雑音や温度の影響を受けない無線カード読取装置を提供するとともに、そのような無線カード読取装置を組み込んだ場合に、無線カードの読み取りに続くコントロールパネルのスイッチ操作にスムーズに移行できる画像形成装置を提供することを目的とする。

上述した課題を解決するため、本発明に係る無線カード読取装置は、無線カードの情報を読み取るためのアンテナが実装されたアンテナ基板と、前記アンテナ基板と電気的に接続され、前記アンテナにて読み取られる情報に関する処理を行う制御基板と、前記アンテナ基板および制御基板を収容する筐体と、前記アンテナ基板を前記筐体の内面に対して弾性的に押圧支持する弾性支持部と、を備えてなり、前記アンテナ基板は、前記制御基板に略直交する方向において前記制御基板とは重ならない位置に、前記制御基板とは異なる姿勢で前記筐体の内面に近接するように配置され、前記筐体は、分離可能に組み立てられた下部ケースと上部ケースとから構成され、前記下部ケースは、平らな底面と、弾性支持部を介してアンテナ基板を傾斜して保持する上面の第１の部分と、前記制御基板を底面に平行に、かつ、前記アンテナ基板よりも低い位置になるように固定させる上面の第２の部分とを有し、前記上部ケースは、前記下部ケースの前記第１の部分に対応する部分が、前記アンテナ基板の傾斜に沿って傾斜するとともに前記下部ケースの前記第２の部分に対応する部分よりも突出するように形成されている。

この発明の無線カード読取装置は、上述のように構成されているので、アンテナ基板に無線カードを近づけるのが容易であり、実質的に無線カードの読み取り性能を向上させることになる。また、アンテナ基板は、制御基板と重なっていないので制御基板の雑音や発熱の影響を受けることが無い。

また、本発明に係る画像形成装置は、提示される無線カードをアンテナ回路によって読み取る上記構成の無線カード読取装置を有し、前記無線カード読取装置で読み取った内容が使用許可を与えるべきものである場合に、コントロールパネルのスイッチを介して与えられる各種の指示に従って該当する処理を行う画像形成装置であって、前記アンテナ回路は、操作される頻度の最も高いと看做されるスイッチに近接して組み込まれ、コントロールパネルの一部となっている。

この発明の画像形成装置は、上述のように構成されているので、使用者は無線カードを読み取らせた後に、コントロールパネルにおける操作頻度の高いスイッチの操作にスムーズに移行することができる。

また、仕向け地の表示言語（例えば、英語、ドイツ語、中国語）や使用周波数に応じて、アンテナ回路などのカード読取に関する回路がコントロールパネルに一体的に組み込まれているので、管理が容易である。また、配線の引き回しも一体的に考慮し、最善のルートを設定できるので、組立工数やＳＮなどの性能の面からも有利である。

以上に詳述したように本発明の無線カード読取装置によれば、アンテナ基板は他の基板に重ならないように、また、所望の向きに傾けられるとともに他の基板よりも外側に突出して組み立てることができる。したがって、無線カードをアンテナ基板に近づけるのが容易になり、不要な電気的および熱的悪影響を受けることが少なくなり、読取性能が向上する。また、この発明の画像形成装置によれば、使用者は、自己の無線カードの内容をアンテナ回路を介して読み取らせ、認証（許可）を受けるのに続けて、アンテナ回路の近くに配置された操作頻度の高いスイッチの操作にスムーズに移行することができる。さらに、前記の無線カード読取装置の部分が、画像形成装置のコントロールパネルに一体化されて組み込まれていれば、仕向け地の表示言語や使用周波数に応じて、アンテナ回路などのカード読取に関する回路がコントロールパネルと一体になっているので、部材管理が容易であり、配線の引き回しも一体的に考慮し、最善のルートを設定できるので、組立工数やＳＮなどの性能の面からも有利である。

以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図１（Ａ）は、本発明の無線カード読取装置の実施の形態の外観を示す斜視図、図１（Ｂ）は、図１（Ａ）の側面図、図２は、図１で示された無線カード読取装置の構造を示す展開図、図３（Ａ）は、図２の下部ケースと弾性部材とアンテナ基板との関係を説明するための展開図、図３（Ｂ）は、図３（Ａ）に従って組み立てた後の下部ケースと基板との関係を示す平面図、図３（Ｃ）は、図３（Ｂ）のＣ−Ｃ断面図である。

図１で示される無線カード読取装置１００の筐体（ケース）は、分離可能に組み立てられた下部ケース１０と上部ケース５０とから構成されている。これらケース１０，５０の中には、無線カードを読み取るためのカード読取回路を構成するアンテナ読取回路およびそのアンテナ読取回路を制御する制御回路をそれぞれ搭載したアンテナ基板３０および制御基板４０などが収納されている。この例において、下部ケース１０の底面はほぼ平らであるが、図２および図３に示されるように、その上面のほぼ半分の第１の部分にはアンテナ基板３０が取り付けられ、残りの半分の第２の部分には制御基板４０が取り付けられる。これらの両基板３０，４０は、フレキシブルなハーネス（不図示）で電気的に接続されている。

上述のアンテナ基板３０が取り付けられる下部ケース１０の上面の第１の部分においては、小幅な端縁ＥＧ（図１（Ａ）参照）に寄って２本のアンテナ基板取付支柱１１が形成されている。また、中央部分に寄って支柱１１よりも長い２本のアンテナ基板取付支柱１２が形成されている。これらの支柱１１，１２の上部の端面は、ケースの中央部分でアンテナ基板３０を高く、端縁ＥＧ側でアンテナ基板３０を低くするように（図３（Ｃ）を参照のこと）、高さおよび傾斜が設定されている。

上述の支柱１１，１２の端面にはそれぞれ弾性支持部として板状の弾性部材２０（ゴム、スポンジなど）が取り付けられている。アンテナ基板３０が弾性部材２０の上にセットされると、アンテナ基板３０は、下部ケース１０の上面の第２の部分よりも突出し、かつ、下部ケース１０の底面に対して傾いて取り付けられることとなる。このアンテナ基板３０の傾きや突出は、読み取りのために無線カードをアンテナ基板３０に近づけ対面し易くし、読み取り性能を実質的に向上させるためのものである。もちろん、場合によっては、突出はさせるが傾きは持たせなくても良く、適宜変更可能である。

下部ケース１０の上面の第２の部分においては、支柱１１，１２よりも低くかつ同じ高さの端面を有する複数の制御基板取付支柱１３が形成されている。制御基板４０は、図３（Ｃ）に示されるように、これらの支柱１３によって下部ケース１０の底面に平行に支持されるとともに、ねじ４１によって下部ケース１０に固定される。このように、アンテナ基板３０と制御基板４０とが下部ケース１０に取り付けられた場合、上方（制御基板４０に垂直の方向）から見ると、図３（Ｂ）に示されるように、両方の基板３０，４０は重ならないように取り付けられる。このことにより、アンテナ基板３０は、制御基板４０からの不要な電気的な干渉を受けたり、発熱による温度の悪影響を受けることが少なくなる。

上部ケース５０は、図１および図２に示されるように、下部ケース１０の上に取り外しができるように組み付けられる。上部ケース５０のアンテナ基板３０の位置に対応する部分は、アンテナ基板３０の取り付け状態に対応するように、傾斜を持って他の部分よりも突出するように形成されている。この場合、内壁も同様に傾斜を持って形成されており、上部ケース５０が下部ケース１０の上に組みつけられた状態で、弾性部材２０の弾性力によってアンテナ基板３０が上部ケース５０の内壁に押圧されるようになっている。したがって、組み立て完了後にあって、アンテナ基板３０は、弾性力によって上部ケース５０の外面に最も近くなるように上部ケース５０の内壁に押圧保持される。また、この弾性部材２０は、ケースに衝撃が加えられたような場合には、アンテナ基板に対する緩衝材の働きをもする。

図１に示されるように組み立てられた無線カード読取装置１００が使用される際には、上部ケース５０を介して対向させられる無線カードの内容をアンテナ基板３０が読み取る。アンテナ基板３０が読み取った内容を制御基板４０が受け取って、予め与えられたプログラムにしたがって処理し、処理した結果を上位の装置などに出力する。出力された処理結果は、上位の装置などに与えられ、所定の目的（例えば、使用者確認）のために使用される。このような場合に、無線カード読取装置１００を上位の装置に取り付ける必要が生じることがある。そのために用意されたのが、図２ないし図３に示された取付用プレート６０である。例えば、無線カード読取装置１００をねじ６１によって取付用プレート６０に取り付け、取り付け用プレート６０を上位の装置に取り付けることにより、無線カード読取装置１００を上位の装置に取り付け、ユニット化することが可能になる。

図４（Ａ）は、本発明の画像形成装置の実施の形態の外観を示す斜視図、図４（Ｂ）は、図４（Ａ）のコントロールパネルを拡大して示す図である。図４（Ａ）の画像形成装置２００において、無線カードの内容を読み取るためのカード読取回路は、コントロールパネル７０に一体的に組み込まれており、特に、カード読取回路のアンテナ回路部分は印刷開始スイッチ７１に隣接したアンテナ回路組み込み部７２に組み込まれている。この場合、アンテナ回路部分と印刷開始スイッチ７１とが隣接させられている理由は、印刷開始スイッチ７１が、無線カードの読み取り後に、続いて操作される頻度が最も高いスイッチであると看做されているからである。制御回路などのその他の回路の部分は、アンテナ回路組み込み部７２以外のところ、例えば、その他回路組み込み部７３などのところに組み込まれるのが好ましい。

上述の場合に、重要なことは、仕向け地の表示言語（例えば、英語、ドイツ語、中国語）や使用周波数に応じて、適切なカード読取回路がコントロールパネル７０に一体的に組み込まれており、管理が容易である。また、配線の引き回しも一体的に考慮し、最善のルートを設定できるので、組立工数やＳＮなどの性能の面からも有利である。さらに、カード読取回路による無線カードの読み取りに続いて操作される頻度の高いスイッチ（例えば、印刷開始スイッチ７１）と、アンテナ回路組み込み部７２とを予め近接するように設計配置することができるので、操作性を向上（例えば、片手でも操作可能）させることができる。すなわち、使用者は、自己の無線カードの内容をカード読取回路に読み取らせ、認証（許可）を受けるのに続けて、隣接したスイッチの操作を連続動作でスムーズに行うことができる。

上述の例では、コントロールパネル７０のケースの中にアンテナ回路などが組み込まれるものとしている。この場合、アンテナ回路のある部分は、図１ないし図３で示した無線カード読取装置１００のアンテナ回路のように外側に突出させるのが好ましい。また、このような構成とは異なり、図１ないし図３で示した無線カード読取装置１００を別部材として取り付け、ユニット化することも好ましい。その場合にも、カード読取回路による無線カードの読み取りに続いて操作される頻度の高いスイッチは、取り付けられる無線カード読取装置１００と隣接するように配置設計しておくことが重要である。

図５（Ａ）は、この発明の画像形成装置の他の実施の形態であって、コントロールパネルが回転軸周りに回転できる実施の形態を説明する概観図、図５（Ｂ）は、図５（Ａ）のコントロールパネルの角度を変えているところを示す概観図、図５（Ｃ）は、図５（Ａ）および図５（Ｂ）のコントロールパネルを拡大して示す図である。図５（Ａ）の画像形成装置３００において、無線カードの内容を読み取るためのカード読取回路は、コントロールパネル８０に一体的に組み込まれており、特に、カード読取回路のアンテナ回路部分は印刷開始スイッチ８１に隣接したアンテナ回路組み込み部８２に組み込まれている。したがって、画像形成装置３００は、コントロールパネル８０が図４のコントロールパネル７０と異なって、回転軸８９の周りに、矢印ＲＲで示される向きに回転できることを除けば、図４の画像形成装置２００と実質的に同じである。なお、図５（Ｂ）の場合、コントロールパネル８０を回転軸８９の周りに、矢印ＰＰで示される向きに回転させたことを示している。

図４および図５で示されるコントロールパネル７０，８０のアンテナ回路組み込み部７２，８２の構造に関して、図１ないし図３で示されたアンテナ基板３０と制御基板４０の考えを適用するのも好ましい。例えば、コントロールパネル７０，８０の上部ケースのアンテナ回路組み込み部７２，８２に上部ケース５０の考えを適用する。例えば、アンテナ回路の部分を外表面に向けて突出させる。そのことによって、無線カードの読み取りが容易になるなどの無線カード読取装置１００が有していた利点をそのまま利用できる。もちろん、その場合、下部ケースおよび上部ケースは、コントロールパネルのケースの延長部分となっていることが好ましい。

（Ａ）は、本発明の無線カード読取装置の実施の形態の外観を示す斜視図である。（Ｂ）は、（Ａ）の側面図である。 図１で示された無線カード読取装置の構造を示す展開図である。 （Ａ）は、図２の下部ケースと弾性部材とアンテナ基板との関係を説明するための展開図である。 （Ｂ）は、（Ａ）に従って組み立てた後の下部ケースと基板との関係を示す平面図である。 （Ｃ）は、（Ｂ）のＣ−Ｃ断面図である。 （Ａ）は、本発明の画像形成装置の実施の形態の外観を示す斜視図である。 （Ｂ）は、（Ａ）のコントロールパネルの拡大図である。 （Ａ）は、本発明の画像形成装置の他の実施の形態の外観を示す斜視図である。 （Ｂ）は、（Ａ）で示されるコントロールパネルの角度を変えているところを示す斜視図である。 （Ｃ）は、（Ａ）および（Ｂ）で示されるコントロールパネルを拡大して示した図である。

符号の説明

１０ 下部ケース、１１，１２ アンテナ基板取付支柱、１３ 制御基板取付支柱、２０ 弾性部材、３０ アンテナ基板、４０ 制御基板、４１，６１ ねじ、５０ 上部ケース、６０ 取付用プレート、７０，８０ コントロールパネル、７１，８１ 印刷開始スイッチ、７２，８２ アンテナ回路組み込み部、７３，８３ その他回路組み込み部、１００ 無線カード読取装置、２００，３００ 画像形成装置。

Claims (3)

1. 無線カードの情報を読み取るためのアンテナが実装されたアンテナ基板と、
   前記アンテナ基板と電気的に接続され、前記アンテナにて読み取られる情報に関する処理を行う制御基板と、
   前記アンテナ基板および制御基板を収容する筐体と、
   前記アンテナ基板を前記筐体の内面に対して弾性的に押圧支持する弾性支持部と、
   を備えてなり、
   前記アンテナ基板は、前記制御基板に略直交する方向において前記制御基板とは重ならない位置に、前記制御基板とは異なる姿勢で前記筐体の内面に近接するように配置され、
   前記筐体は、分離可能に組み立てられた下部ケースと上部ケースとから構成され、
   前記下部ケースは、平らな底面と、弾性支持部を介してアンテナ基板を傾斜して保持する上面の第１の部分と、前記制御基板を底面に平行に、かつ、前記アンテナ基板よりも低い位置になるように固定させる上面の第２の部分とを有し、
   前記上部ケースは、前記下部ケースの前記第１の部分に対応する部分が、前記アンテナ基板の傾斜に沿って傾斜するとともに前記下部ケースの前記第２の部分に対応する部分よりも突出するように形成されている無線カード読取装置。
2. 提示される無線カードをアンテナ回路によって読み取る請求項１に記載の無線カード読取装置を有し、前記無線カード読取装置で読み取った内容が使用許可を与えるべきものである場合に、コントロールパネルのスイッチを介して与えられる各種の指示に従って該当する処理を行う画像形成装置であって、
   前記アンテナ回路は、操作される頻度の最も高いと看做されるスイッチに近接して組み込まれ、コントロールパネルの一部となっている画像形成装置。
3. 請求項２に記載の画像形成装置において、
   前記無線カード読取装置の部分は、画像形成装置のコントロールパネルに一体化されて組み込まれている画像形成装置。

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