JP4813034B2 - 化粧料 - Google Patents

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本発明は、薄片状微細結晶からなる管状の塩基性炭酸マグネシウムからなる皮脂固定化剤や、該皮脂固定化剤を配合してなる化粧崩れ防止効果に優れた化粧料に関する。
化粧後に生ずる化粧崩れは、汗や皮脂の分泌、紫外線、外の環境に含まれる物質等の付着や反応等、多種の要因により起こり得る。従来、化粧崩れの防止のために、メーキャップ化粧品に用いられる粉体に様々な改良が加えられ、最近では、粉体を表面処理(surface treatment)することによって付着性の向上を図ることが多くなってきており、また肌に密着している粉体が汗となじみ化粧崩れすることを防ぐため粉体の撥水処理も行われ、かかる撥水処理には、金属石鹸、脂肪酸、高級アルコール、シリコーンなどが用いられている。また、粉体の吸収性とは汗や皮脂を吸収する特性で、肌のあぶらぎった光沢を消すとともに、化粧崩れをしにくくする。化粧崩れは皮脂量の多い人ほど早く、また皮脂量の多いTゾーンといわれる額や鼻のまわりは化粧崩れをしやすい。カオリン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムは、汗や皮脂の吸収に優れているが、同じ粉体でも微細化することにより、吸水量と吸油量を増すことができる。最近では、吸収能をもつ粉体として多孔性の粉体が用いられる。多孔性シリカビーズや多孔性セルロースパウダーなどがあることが知られている(例えば、非特許文献1参照)。
また、粉体を用いるメーキャップ化粧料としては、水素添加レシチン又はそのAl塩、Mg塩、Ca塩、Zn塩、ZrもしくはTi塩と炭素数6以上のパーフルオロアルキル基を含有する化合物とで粉体表面を処理することにより得られる撥水・撥油性粉体、並びにこれを含有する化粧料(例えば、特許文献1参照)や、特定構造を有するアルキルフッ素変性シリコーンを含有して成る化粧料(例えば、特許文献2参照)や、α−アミノ酸−N−炭酸無水物を乳化重合または不均一重合することにより得られるポリα−アミノ酸またはその誘導体の粒子を含有する化粧料(例えば、特許文献3参照)や、カルボキシメチルキチンでコーティングしたコンキオリンパウダーの被覆粉体(例えば、特許文献4参照)や、揮発性シリコーンに重合体が分散された非水系ポリマーディスパージョンを含有するメーキャップ化粧料(例えば、特許文献5)や、酸化鉄・酸化チタン焼結物着色含量及び皮脂固定化能を有する粉体化粧料(たとえば、特許文献6)や、特定のフッ素変性シランカップリング剤で処理して得られる粉体及び環状シリコーンを配合させて得られる化粧料(例えば、特許文献7参照)や、金属石鹸または水添レシチンで表面処理した微結晶セルロース粉体(たとえば、特許文献8参照)などが知られている。
さらに、炭酸マグネシウム粉末を用いる化粧料として、水酸化マグネシウム懸濁液に炭酸ガスを吹き込んで製造するに際し、水酸化マグネシウムを添加して濃度を一定に保ちつつ撹拌しながら炭酸ガスを吹き込んで炭酸化反応させることによって製造される、平均粒径が5〜30μmの多孔性球状炭酸マグネシウムを含有する、塗布時の肌への延び拡がり等の使用性や化粧膜の仕上がり状態がよく、化粧持続性に優れたメーキャップ化粧料(例えば、特許文献9参照)や、体質顔料であって、2以上の異方向のリーフレット状片が結合および/または交叉した構造を有し、平均粒子径3〜80μm、吸油量150〜400(mL/100g)の塩基性炭酸マグネシウムを含有する化粧料(例えば、特許文献10参照)が知られている。また、化粧崩れの防止に有効である技術として、基体上にアモルファス状酸化亜鉛を被覆した酸化亜鉛被服物(例えば、特許文献11参照)が、同様にシリカ表面に微細酸化亜鉛粒が付着しているシリカ/酸化亜鉛複合体(例えば、特許文献12参照)が知られている。
他方、各種のフィラーや担体として用いられる、薄片状微細結晶からなる柱状又は管状の凝集粒子である塩基性炭酸マグネシウム及びその製造方法(例えば、特許文献13、特許文献14参照)が知られている。
特開平5−285370号公報 特開平7−258021号公報 特開平9−241126号公報 特開平9−59130号公報 特開平9−59130号公報 特開平11−49637号公報 特開2001−2524号公報 特開2003−146829号公報 特許第2519436号 特開2003−261796号公報 特開平9−227792号公報 特開平11−1411号公報 特開2003−306325号公報 特開2004−59378号公報 光井武夫編「新化粧品学」、第401〜404頁、2002年3月25日、株式会社南山堂発行
従来の粉体である炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、或いは多孔性シリカや多孔性セルロースは、塗布直後においては、メーキャップ化粧品等がよく伸展し、皮脂を吸収することにより化粧持ちをある程度まで向上させることはできるが、吸収した皮脂を固定できないため、化粧崩れを改善するには十分ではなく、また、酸化亜鉛は、皮脂を完全に固化させるまでに時間を要し、さらに皮脂中の遊離脂肪酸のみ選択的に固化するものであり、化粧崩れを改善するには十分とは言えなかった。本発明の課題は、皮脂中の脂肪酸や油脂等の成分種を問わず固定化することができ、種々の原因による化粧崩れに対する防止効果に優れた化粧料を提供することにある。
本発明者は、以前より炭酸マグネシウムについて、ファンデーション等に用いる粉体として、化粧崩れ等の防止により効果がある物性について鋭意研究した結果、従来の不定形、球又は2以上の異方向のリーフレット状片が結合および/または交叉した構造の形状をもつ炭酸マグネシウムの形状から、薄片状微細結晶からなる管状にすることで粉体構造に内包部分を持たせ、汗や皮脂、涙腺からの液体を十分に吸収することができ、且つ皮脂成分を選ぶことなく速やかに皮脂を固定化し、この薄片状微細結晶からなる管状の塩基性炭酸マグネシウムをファンデーション等に用いると、化粧崩れ防止効果が長時間にわたって持続しうることを見い出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、(1)薄片状微細結晶からなり、内径0.5〜2μm、外径1〜5μm、長径10〜30μmである管状の塩基性炭酸マグネシウムを主成分とし、かつ太さ0.7cm、長さ3.0cmの市販のスターラーバーを入れた100mLビーカーにモデル皮脂を10g定量して入れ、iuchi製 MAGNETIC STIRRER HS−3E上にて回転数750rpmで攪拌し、これに前記塩基性炭酸マグネシウムの粉末粒子を1.0g添加し、粉末粒子をすべて添加した時間からモデル皮脂が固化し、前記スターラーバーが停止するまでの時間が30秒以内である固化能を有し、皮脂による化粧崩れのない、皮脂テカリのない、耐衝撃性の固形粉末状化粧料を製造するための皮脂固定化剤に関する。
また本発明は、(2)薄片状微細結晶からなり、内径0.5〜2μm、外径1〜5μm、長径10〜30μmである管状の塩基性炭酸マグネシウムを、太さ0.7cm、長さ3.0cmの市販のスターラーバーを入れた100mLビーカーにモデル皮脂を10g定量して入れ、iuchi製 MAGNETIC STIRRER HS−3E上にて回転数750rpmで攪拌し、これに前記塩基性炭酸マグネシウムの粉末粒子を1.0g添加し、粉末粒子をすべて添加した時間からモデル皮脂が固化し、前記スターラーバーが停止するまでの時間が30秒以内である固化能を有し、皮脂による化粧崩れのない、皮脂テカリのない、耐衝撃性の固形粉末状化粧料を製造するための皮脂固定化剤として、使用する方法に関する。
本発明の化粧料は、汗や皮脂等の吸収に優れ、さらに皮脂構成成分を選ぶことなく少量の配合で瞬時に固化することから、経時での化粧崩れを防止する効果や化粧料の浮き、テカリを防止する効果に優れるという利点がある。
本発明の化粧料に用いられる皮脂固定化剤としては、薄片状微細結晶からなる管状の塩基性炭酸マグネシウムを主成分とするものであれば特に制限されず、また、本発明の化粧料としては、薄片状微細結晶からなる管状の塩基性炭酸マグネシウムを主成分とする皮脂固定化剤を配合したものであれば特に制限されず、上記薄片状微細結晶からなる管状の塩基性炭酸マグネシウムは、内部に空洞を持つ円筒状であり、かかる管状の炭酸マグネシウムとしては、内径0.5〜5μm、外径0.5〜10μm、長径10〜50μmの大きさのものが好ましい。更に、BET法により求めた比表面積は、120〜160m/g、水銀圧入法により求めた細孔容積は、8000〜11000m/g、JIS K−5101により求めた吸油量は、110〜140mL/100gであるものが好ましい。このような薄片状微細結晶からなる管状の炭酸マグネシウムは、市販品として塩基性炭酸マグネシウムである、マグチューブ Mg Tube(日鉄鉱業株式会社製)を用いることができる。マグチューブ Mg Tube の形状は図1及び図2の顕微鏡写真により示される形状であり、内径0.5〜2μm、外径1〜5μm、長径10〜30μmである。
本発明の化粧料における、薄片状微細結晶からなる管状の炭酸マグネシウムの配合量は、特には限定されないが、0.1〜15質量%(以下単に「%」と略する場合がある)が好ましく、より好ましくは0.5〜10%である。これより少ないと化粧崩れ等の効果を奏さず、これより多いと、伸び等に支障をきたす。
本発明の化粧料には、上記成分の他に、通常、化粧料に使用される成分、例えば、粉体、界面活性剤、油ゲル化剤、水性成分、紫外線吸収剤、水溶性高分子、トリメチルシロキシケイ酸等の油溶性被膜形成剤、パラオキシ安息香酸誘導体、フェノキシエタノール等の防腐剤、ビタミン類、美容成分、香料等を本発明の効果を損なわない範囲で適宜配合することができる。
粉体としては、通常、化粧料に用いられる粉体であれば、球状、板状、針状等の形状、煙霧状、微粒子、顔料級等の粒子径、多孔質、無孔質等の粒子構造等により特に限定されず、無機粉体類、光輝性粉体類、有機粉体類、色素粉体類、複合粉体類等が挙げられる。具体的には、酸化チタン、黒色酸化チタン、コンジョウ、群青、ベンガラ、黄色酸化鉄、黒色酸化鉄、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、シリカ、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化クロム、水酸化クロム、カーボンブラック、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、マイカ、合成マイカ、セリサイト、タルク、カオリン、炭化珪素、硫酸バリウム、ベントナイト、スメクタイト、窒化硼素等の無機粉体類、オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆マイカ、酸化鉄被覆マイカ、酸化鉄被覆マイカチタン、有機顔料被覆マイカチタン、アルミニウムパウダー等の光輝性粉体類、ナイロンパウダー、ポリメチルメタクリレートパウダー、アクリロニトリル−メタクリル酸共重合体パウダー、塩化ビニリデン−メタクリル酸共重合体パウダー、ポリエチレンパウダー、ポリスチレンパウダー、オルガノポリシロキサンエラストマーパウダー、ポリメチルシルセスキオキサンパウダー、ポリウレタンパウダー、ウールパウダー、シルクパウダー、結晶セルロースパウダー、N−アシルリジンパウダー等の有機粉体類、有機タール系顔料、有機色素のレーキ顔料等の色素粉体類、微粒子酸化チタン被覆マイカチタン、微粒子酸化亜鉛被覆マイカチタン、硫酸バリウム被覆マイカチタン、酸化チタン含有シリカ、酸化亜鉛含有シリカ等の複合粉体等が挙げられ、これらを一種又は二種以上用いることができる。
油剤としては、通常、化粧料に用いられる油剤であれば特に限定されない。具体的には、パラフィンワックス、セレシンワックス、オゾケライト、マイクロクリスタリンワックス、モンタンワックス、フィッシャトロプシュワックス、ポリエチレンワックス、流動パラフィン、スクワラン、ワセリン、ポリイソブチレン、ポリブテン等の炭化水素系類、カルナウバロウ、ミツロウ、ラノリンワックス、キャンデリラ等の天然ロウ類、トリベヘン酸グリセリル、ロジン酸ペンタエリトリットエステル、ホホバ油、セチルイソオクタネート、ミリスチン酸イソプロピル、トリオクタン酸グリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、ジペンタエリトリット脂肪酸エステル、マカデミアンナッツ油脂肪酸フィトステリル等のエステル類、ステアリン酸、ベヘニン酸、12−ヒドロキシステアリン酸等の脂肪酸類、セタノール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール類、オリーブ油、ヒマシ油、ミンク油、モクロウ等の油脂類、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリンアルコール等のラノリン誘導体類、N−ラウロイルーL−グルタミン酸ジ(コレステリル・ベヘニル・オクチルドデシル)等のアミノ酸誘導体類、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、アルキル変性オルガノポリシロキサン、アルコキシ変性オルガノポリシロキサン、高級脂肪酸変性オルガノポリシロキサン、フッ素変性シリコーン等のシリコーン類、パーフルオロポリエーテル、パーフルオロデカン、パーフルオロオクタン等のフッ素系油剤類等が挙げられ、これらの一種又は二種以上を用いることができる。
界面活性剤としては、通常、化粧料に用いられる油剤であれば特に限定されない。具体的には、グリセリン脂肪酸エステルおよびそのアルキレングリコール付加物、ポリグリセリン脂肪酸エステルおよびそのアルキレングリコール付加物、プロピレングリコール脂肪酸エステルおよびそのアルキレングリコール付加物、ソルビタン脂肪酸エステルおよびそのアルキレングリコール付加物、ソルビトールの脂肪酸エステルおよびそのアルキレングリコール付加物、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン変性シリコーン、ポリオキシアルキレンアルキル共変性シリコーン等の非イオン性界面活性剤類、アルキルベンゼン硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、α−スルホン化脂肪酸塩、アシルメチルタウリン塩、N−メチル−N−アルキルタウリン塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、アルキル燐酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸塩、N−アシルアミノ酸塩、N−アシル−N−アルキルアミノ酸塩等の陰イオン性界面活性剤類、アルキルアミン塩、ポリアミンおよびアルカノイルアミン脂肪酸誘導体、アルキルアンモニウム塩、脂環式アンモニウム塩等の陽イオン性界面活性剤類、レシチン、N,N−ジメチル−N−アルキル−N−カルボキシメチルアンモニウムベタイン等の両性界面活性剤等が挙げられ、これらの一種又は二種以上を用いることができる。
油ゲル化剤としては、通常、化粧料に用いられるものであれば特に限定されない。具体的には、デキストリン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、デンプン脂肪酸エステル、ヒドロキシステアリン酸、ステアリン酸カルシウム等が挙げられ、これらの一種又は二種以上を用いることができる。
水性成分としては、通常、化粧料に用いられるものであれば特に限定されない。具体的には、水や、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール等の多価アルコール類、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン等のグリセロール類、アロエベラ、ハマメリス、キュウリ、レモン、ラベンダー、ローズ等の植物抽出液を挙げることができ、これらの一種又は二種以上を用いることができる。
紫外線吸収剤としては、通常、化粧料に用いられるものであれば特に限定されない。具体的には、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,4,6−トリアニリノ−パラ−(カルボ−2’−エチルヘキシル−1’−オキシ)−1,3,5−トリアジン等のベンゾフェノン系、サリチル酸−2−エチルヘキシル等のサリチル酸系、パラジヒドロキシプロピル安息香酸エチル等のPABA系、4−tert−4’−メトキシジベンゾイルメタン等のジベンゾイルメタン系等が挙げられ、これらの一種又は二種以上を用いることができる。
水溶性高分子としては、通常、化粧料に用いられるものであれば特に限定されない。具体的には、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体類、アルギン酸ソーダ、カラギーナン、クインスシードガム、寒天、ゼラチン、キサンタンガム、ローカストビーンガム、ペクチン、ジェランガム等の天然高分子類、ポリビニルアルコール、カルボキシビニルポリマー、アルキル付加カルボキシビニルポリマー、ポリメタクリル酸ソーダ、ポリアクリル酸グリセリンエステル,ポリビニルピロリドン等の合成高分子類等が挙げられ、これらの一種又は二種以上を用いることができる。
本発明の化粧料は、ファンデーション、下地料、白粉、頬紅、アイシャドウ、アイブロウ、コンシラー、口紅、マスカラ等のメーキャップ化粧料や、日焼け止め料、乳液、クリーム等のスキンケア化粧料等が挙げられる。本発明はファンデーション等のメーキャップ化粧料に適用した際に、効果が顕著である。
本発明の化粧料の形態は、粉末状、固形状、固形粉末状、スティック状、液状、クリーム状、多層状、シート状等が挙げられる。また、本発明の化粧料の剤型は、粉体化粧料、油性化粧料、水中油型乳化化粧料、油中水型乳化化粧料、水系化粧料、溶剤型化粧料、シート状化粧料等が挙げられる。尚、本発明の効果が顕著に発揮される形態及び剤型は、固形粉末状の化粧料である。
本発明に係る化粧品において、その本体、包装、説明書、宣伝物のいずれかに化粧崩れ防止効果或いはテカリ防止効果を表示することができる。例えば、各化粧料を収容した容器(本体)や、該容器(本体)の包装体(外箱)や、該包装体(外箱)中に収められた説明書や、パンフレット・チラシ等の宣伝物に、化粧崩れ防止効果或いはテカリ防止効果のあることを表示することにより、かかる表示のない化粧料と明確に区別することができる。
(試験例)
皮脂固化能試験:
化粧崩れの代表的評価として皮脂固化能試験を実施した。管状の塩基性炭酸マグネシウムの簡易系での特性把握のために、Downingらの報告(Downing D.T.,Straus J.S.and Pochi P.E.:Variability in the chemical compo-sition of human skin surface lipids. J.Invest.Dermatol., 53, 322-327 (1969))から皮脂をモデル化し、このモデル皮脂に対する管状の塩基性炭酸マグネシウムの固化能試験を行った。調製したモデル皮脂の組成を表1に示す。
評価方法:「皮脂及び室温(25℃)にて液状であるモデル皮脂構成成分に対する固化能」
太さ0.7cm、長さ3.0cmの市販のスターラーバーを入れた100mLビーカーにモデル皮脂を10g定量して入れ、iuchi製 MAGNETIC STIRRER HS−3E上にて所定の回転数750rpmで攪拌した。次に表2の粉末粒子(5)〜(12)を1.0g添加し、粉末粒子をすべて添加した時間からモデル皮脂が固化し、前記スターラーバーが停止するまでの時間を測定した。さらにモデル皮脂の構成成分で、室温(25℃)にて液状である表2の(1)〜(4)に対して固化能試験を行った。
評価基準及び判定基準
[固化するまでの時間] [評点]
0〜30秒 :◎
30秒〜180秒 :○
180秒〜600秒 :△
600秒以上 :×
表2より明らかなように本発明に用いる薄片状微細結晶からなる管状の塩基性炭酸マグネシウムは、モデル皮脂及びモデル皮脂の構成成分を選ぶことなく少量の配合で瞬時に固化することが分かった。
(実施例1〜3)
実施例1〜3及び比較例1〜6
[固形粉末状ファンデーション(乾使用専用)]
表3に示す組成及び下記製法にて固形粉末状ファンデーションを調製し、「皮脂による化粧崩れのなさ」、「皮脂テカリのなさ」、「耐衝撃性(成形性)」の各項目について、以下に示す評価方法及び判定基準により評価判定し、結果を表3に示した。
(製造方法)
A:成分18、19を60℃で加温溶解し、混合する。
B:成分1〜17をヘンシェルミキサー(三井三池社製)で均一分散する。
C:BにA及び成分20を添加し、均一分散する。
D:Cをパルベライザーで粉砕する。
E:Dを金皿に充填し、圧縮成型し、固形粉末状ファンデーションを得た。
〔評価方法:「皮脂による化粧崩れのなさ」「皮脂テカリのなさ」〕
実施例及び比較例の各試料につき、20名の専門パネル員により官能評価を行った。評価内容は、表3に示す固形粉末状ファンデーションを使用してもらい、化粧塗布時から2時間後の「皮脂による化粧崩れのなさ」、「皮脂テカリのなさ」について各自が以下の評価基準に従って7段階評価し、固形粉末状ファンデーション毎に評点を付し、更に全パネルの評点の平均点を以下の判定基準に従って判定した。
評価基準
(評価) (内容)
6 : 非常に良い
5 : 良い
4 : やや良い
3 : 普通
2 : やや悪い。
1 : 悪い。
0 : 非常に悪い。
判定基準
(評点の平均点) (評価)
5.0以上 :◎(非常に良好)
3.5以上5.0未満 :○(良好)
1.0以上3.5未満 :△(普通)
1.0未満 :×(不良)
〔評価方法:「耐衝撃性(成形性)」〕
前記実施例及び比較例の固形粉末状ファンデーションをそれぞれ5個用意し、金皿に充填した状態のまま、50cmの高さからアクリル板上に正立方向で自由落下させ、落下後の表面状態を観察し、固形粉末状ファンデーション毎に以下の評価基準により評点を付し、そしてn=5の評点の平均点を算出し、以下の4段階の判定基準により判定した。
評価基準
[内容] [評点]
変化なし : 4
僅かにヒビ割れがあるが、使用性に問題なし : 3
ヒビ割れ、スキマ有り : 2
大きなヒビ割れやスキマ有り : 1
判定基準
[n=5の評点の平均点] : [評点]
3.5以上 : ◎
3.0以上〜3.5未満 : ○
2.0以上〜3.0未満 : △
2.0未満 : ×
固形粉末状ファンデーションは、比較例の固形粉末状ファンデーションに比べ、「皮脂による化粧崩れのなさ」、「皮脂テカリのなさ」、「耐衝撃性(成形性)」の全ての項目に優れた化粧料であった。
(実施例4)
固形粉末状白粉
(成分) (%)
1.雲母 20
2.タルク 残量
3.管状塩基性炭酸マグネシウム(注1) 5
4.雲母チタン 10
5.赤226号 0.5
6.群青 0.2
7.合成炭化水素ワックス粉末 5
8.スクワラン 1
9.トリオクタン酸グリセリル 0.5
10.パラオキシ安息香酸メチル 0.15
11.香料 適量
(製造方法)
A:成分8〜10を混合する。
B:成分1〜7をヘンシェルミキサー(三井三池社製)で均一分散する。
C:BにA及び成分11を添加し、均一分散する。
D:Cをパルベライザーで粉砕する。
E:Dを金皿に充填し、圧縮成型し、固形粉末状白粉を得た。
以上のようにして得られた実施例4の固形粉末状白粉は、「皮脂による化粧崩れのなさ」、「皮脂テカリのなさ」、「耐衝撃性(成形性)」の全ての項目に優れた化粧料であった。
(実施例5)
固形粉末状アイシャドウ
(成分) (%)
1.雲母 残量
2.タルク 20
3.雲母チタン 5
4.窒化ホウ素 5
5.管状炭酸マグネシウム(注1) 2
6.群青 2
7.黄色401号 0.5
8.合成炭化水素ワックス粉末 5
9.スクワラン 2
10.ワセリン 1
11.ジメチルポリシロキサン 3
12.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
13.香料 適量
(製造方法)
A:成分9〜12を60℃で加温し、混合する。
B:成分1〜8をヘンシェルミキサー(三井三池社製)で均一分散する。
C:BにA及び成分13を添加し、均一分散する。
D:Cをパルベライザーで粉砕する。
E:Dを金皿に充填し、圧縮成型し、固形粉末状アイシャドウを得た。
以上のようにして得られた実施例5の固形粉末状アイシャドウは、「皮脂による化粧崩れのなさ」、「皮脂テカリのなさ」、「耐衝撃性(成形性)」の全ての項目に優れた化粧料であった。
(実施例6)
固形粉末状ファンデーション(水使用専用)
(成分) (%)
1.タルク 残量
2.雲母 20
3.雲母チタン 5
4.管状炭酸マグネシウム(注1) 3
5.酸化チタン 13
6.ベンガラ 0.8
7.黄酸化鉄 2.5
8.黒酸化鉄 0.3
9.パーフルオロポリエーテル 3
10.オクチルメトキシシンナメート 7
11.ジメチルポリシロキサン 2
12.オキシベンゾン 0.5
13.ポリオキシエチレン(20モル)
ソルビタンモノオレート 0.5
14.パラオキシ安息香酸メチル 0.2
15.香料 適量
(製造方法)
A:成分9〜14を60℃で加温し、混合する。
B:成分1〜8をヘンシェルミキサー(三井三池社製)で均一分散する。
C:BにA及び成分15を添加し、均一分散する。
D:Cをパルベライザーで粉砕する。
E:Dを金皿に充填し、圧縮成型し、固形粉末状ファンデーションを得た。
以上のようにして得られた実施例6の固形粉末状ファンデーションは、「皮脂による化粧崩れのなさ」、「皮脂テカリのなさ」、「耐衝撃性(成形性)」の全ての項目に優れた化粧料であった。
本発明の管状の塩基性炭酸マグネシウムを示す顕微鏡写真である。 本発明の管状の塩基性炭酸マグネシウムの断面を撮影した顕微鏡写真である。

Claims (2)

  1. 薄片状微細結晶からなり、内径0.5〜2μm、外径1〜5μm、長径10〜30μmである管状の塩基性炭酸マグネシウムを主成分とし、かつ太さ0.7cm、長さ3.0cmの市販のスターラーバーを入れた100mLビーカーにモデル皮脂を10g定量して入れ、iuchi製 MAGNETIC STIRRER HS−3E上にて回転数750rpmで攪拌し、これに前記塩基性炭酸マグネシウムの粉末粒子を1.0g添加し、粉末粒子をすべて添加した時間からモデル皮脂が固化し、前記スターラーバーが停止するまでの時間が30秒以内である固化能を有し、皮脂による化粧崩れのない、皮脂テカリのない、耐衝撃性の固形粉末状化粧料を製造するための皮脂固定化剤。
  2. 薄片状微細結晶からなり、内径0.5〜2μm、外径1〜5μm、長径10〜30μmである管状の塩基性炭酸マグネシウムを、
    太さ0.7cm、長さ3.0cmの市販のスターラーバーを入れた100mLビーカーにモデル皮脂を10g定量して入れ、iuchi製 MAGNETIC STIRRER HS−3E上にて回転数750rpmで攪拌し、これに前記塩基性炭酸マグネシウムの粉末粒子を1.0g添加し、粉末粒子をすべて添加した時間からモデル皮脂が固化し、前記スターラーバーが停止するまでの時間が30秒以内である固化能を有し、皮脂による化粧崩れのない、皮脂テカリのない、耐衝撃性の固形粉末状化粧料を製造するための皮脂固定化剤として、
    使用する方法。
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