JP4811083B2 - 易開封性蓋材用積層体及び易開封性容器 - Google Patents

易開封性蓋材用積層体及び易開封性容器 Download PDF

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Description

本発明は、ポリエステル系樹脂又はポリカーボネート系樹脂からなる成形容器本体に、ヒートシールにより蓋材を一体化してなる易開封性容器と、この易開封性容器に用いられる易開封性蓋材用積層体に関する。
従来、食品、飲料、薬品、化粧品等の包装手法として、ポリエステル系樹脂又はポリカーボネート系樹脂等でトレイ状又はカップ状に成形された容器本体に被包装物を入れ、容器本体の開口部に蓋材を当接してヒートシールにより密封する方法が広く採用されている。このような形態の包装物は、被包装物を取り出す際に蓋材を引き剥がす必要があることから、容器から被包装物の漏洩等がないことに加えて、被包装物を取り出す際には、容器本体から蓋材が容易に剥離できる程度のヒートシール強度を有していること、即ち、易開封性であることが必要とされる。
また、ヒートシール温度が高いと容器本体がヒートシール時の高温加熱で変形し、蓋材側も変形ないし内容物の変質(変色や風味を損う)のおそれがあることから、低温でヒートシールすることができることが望まれる。更に、被包装物に応じて、蓋材の剥離強度を容易に制御することができることが望まれている。即ち、被包装物が漏洩し難いものであれば、密封性はさほど重要ではなく、従って、蓋材を容易に取り去ることができることが望まれるが、被包装物が液体であったり臭気の強いものであったりする場合は、密封性が重視され、蓋材の剥離強度が高いことが望まれる。
従来、この蓋材には、一般にヒートシール面側となるシーラント層とこの上に積層された剥離層の二層積層構造、或いは、この上に更に基材層を設けた三層積層構造の積層体が用いられており、特許文献1には、シーラント層/剥離層/基材層の積層体として低結晶性ポリエステル樹脂層/無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂層/未変性ポリオレフィン樹脂層の積層構造が開示されている。
特許文献1において、シーラント層の低結晶性ポリエステル樹脂は、テレフタル酸成分を含む芳香族ポリエステル系樹脂である。
このような易開封性積層体は、シーラント層側を容器本体のヒートシール面に当接してヒートシールすることによりヒートシール部で熱融着される。その後、開封時にあっては、シーラント層と剥離層との間の剥離性を利用して、ヒートシール部においてシーラント層を容器本体側に残留させ、その他の部分を取り去ることにより、容易に開封することが可能とされる。
2001−328221号公報
近年、あらゆる分野において、商品の付加価値を高めることが要求され、易開封性容器にあっても、単に蓋材が容易に開封可能であることだけでなく、開封後の外観が良いこと、開封時の感触が良いことなどが更に要求されるようになってきている。
即ち、易開封性容器にあっては、図1に示す如く、容器本体1の開口部1a周縁の鍔状部1bに対して、蓋材2をシールバーを用いてヒートシールにより接着する。図1において、Hはヒートシール部を示し、Wはシールバーの幅を示す。
このようにして蓋材2を融着した密封容器を開封するに当たり、図2に示すような基材層2A/剥離層2B/シーラント層2Cよりなる三層積層体の蓋材2を、図2において左側から矢印Z方向に剥がし取る際、ヒートシール部Hにおいて、シーラント層2Cと剥離層2Bとの間で剥離が生じ、図2(a)に示す如く、蓋材2のシーラント層2Cがシールバー幅Wに沿って容器本体1側に残留し、ヒートシール部H以外のシーラント層2Cは基材層2A及び剥離層2Bと共に取り去ることができれば、後述する膜残りや糸引きの問題もなく、開封感も快適であり、また、容器本体1側に残留したシーラント層2C’の幅は、シールバー幅Wとほぼ等しく、この残留したシーラント層2C’は美麗な帯状となるため、開封後の容器本体1の外観も優れたものとなる。
この場合には、ヒートシール部Hの開封の進行方向(図2(a)の矢印Z方向)において、手前側のエッジ部H1でヒートシール層2Cが容易に層破断し、後側のエッジ部H2でも再びヒートシール層2Cが容易に層破断する必要がある。
これに対して、図2(b)に示すように、ヒートシール部Hにさしかかっても剥離層2Bとシーラント層2Cとか剥離せず、この結果、容器本体1側に残留するシーラント層2C’がシールバー幅Wよりも狭い幅となる場合や、逆に図2(c)に示すように、ヒートシール部Hよりも幅広くシーラント層2C’が残留する場合には、膜残りや糸引きで快適な開封感は得られず、しかも、容器本体1側に残留したシーラント層2C’はシールバーの幅Wに倣う帯状とはならず、開封後の見栄えが悪いものとなる。
しかしながら、特許文献1に開示される積層体をはじめとして、従来の易開封性容器の蓋材には、このような要求特性を満足するものがなく、その改善が望まれていた。
なお、シーラント層にノッチ(切り込み)を入れることにより、開封時に強制的にシーラント層をノッチ部で層破断させてシーラント層を所望の幅に容器本体側に残留させることも行われているが、この場合には、ノッチ加工のための手間を要し、またノッチ部で密封性が損なわれる恐れもあり、このような加工を施すことは好ましいことではない。
従って、本発明は、包装形態においては比較的低温のヒートシールにより被包装物を漏洩させることなく、確実に密封し、開封時には容易にかつ快適に蓋材を開封することができ、また、開封時の蓋材の剥離強度の調整も容易であり、しかも、開封後の外観にも優れた易開封性容器と、この易開封性容器に用いられる易開封性蓋材用積層体を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、蓋材を構成する積層体において、ポリオレフィン系樹脂を含む剥離層に対してシーラント層に特定の脂肪族ポリエステル樹脂を用いることにより、開封性に優れた易開封性容器を得ることができることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は以下を要旨とする。
[1] ヒートシール面がポリエステル系樹脂又はポリカーボネート系樹脂により構成された容器本体に対してヒートシールにより剥離可能に結着される易開封性蓋材用積層体であって、最もヒートシール面側のシーラント層と、該シーラント層に積層された剥離層とを備える易開封性蓋材用積層体において、該シーラント層が下記の脂肪族ポリエステル樹脂(A)であり、該剥離層がポリオレフィン系樹脂及び粘着付与剤を含むことを特徴とする易開封性蓋材用積層体。
脂肪族ポリエステル系樹脂(A):下記式(1)で表される脂肪族及び/又は脂環式ジオル単位、並びに下記式(2)で表される脂肪族及び/又は脂環式ジカルボン酸単位を必須成分とする脂肪族ポリエステル系樹脂。
−O−R−O− (1)
−OC−R−CO− (2)
(式(1)中、Rは炭素数3以上の2価の脂肪族炭化水素基又は2価の脂環式炭化水素基を表し、式(2)中、Rは2価の脂肪族炭化水素基又は2価の脂環式炭化水素基を表す。)
[2] [1]において、前記式(1)が、1,4−ブタンジオール単位であることを特徴とする易開封性蓋材用積層体。
[3] [1]又は[2]において、前記式(2)が、コハク酸単位及び/又はアジピン酸単位であることを特徴とする易開封性蓋材用積層体。
[4] [1]〜[3]のいずれかにおいて、前記粘着付与剤が、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、又はそれらの共重合体から選択されることを特徴とする易開封性蓋材用積層体。
] [1]〜[]のいずれかにおいて、前記シーラント層が、カルボジイミド化合物(B)を、前記脂肪族ポリエステル系樹脂(A)合計量100重量部あたり0.01〜10重量部を含むことを特徴とする易開封性蓋材用積層体。
] [1]〜[]のいずれかにおいて、前記カルボジイミド化合物(B)が、重合度2〜40のポリカルボジイミド化合物であることを特徴とする易開封性蓋材用積層体。
] [1]〜[]のいずれかにおいて、前記シーラント層と剥離層との厚み比率が、シーラント層:剥離層=1:1〜1:10であることを特徴とする易開封性蓋材用積層体。
] [1]〜[]のいずれかにおいて、前記積層体は、前記剥離層のシーラント層と反対側の面に、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物、ポリカーボネート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、及びアルミニウム箔よりなる群から選ばれる1又は2以上で構成される基材層が積層されていることを特徴とする易開封性蓋材用積層体。
] [1]〜[]のいずれかにおいて、前記剥離層は、ポリオレフィン系樹脂5〜94重量%とエラストマー5〜65重量%と粘着付与剤1〜30重量%とを含有することを特徴とする易開封性蓋材用積層体。
10] []において、前記エラストマーの少なくとも一部が、ビニル芳香族化合物と共役ジエン化合物とのブロック共重合体を水添してなる水添ブロック共重合体よりなり、該ブロック共重合体のビニル芳香族化合物成分の含有量が5〜40%であり、該水添ブロック共重合体における共役ジエン化合物成分の水添率が40〜60%であることを特徴とする易開封性蓋材用積層体。
11] 開口部を有する容器本体と、該開口部を覆う蓋材とを備え、該蓋材は該開口部の周縁部に対し、ヒートシールにより剥離可能に結着されている易開封性容器であって、該容器本体のヒートシール面は、ポリエステル系樹脂又はポリカーボネート系樹脂により構成されており、該蓋材は、最もヒートシール面側のシーラント層と該シーラント層に積層された剥離層とを備える積層体よりなる易開封性容器において、該シーラント層が上記の脂肪族ポリエステル樹脂(A)であり、該剥離層がポリオレフィン系樹脂及び粘着付与剤を含むことを特徴とする易開封性容器。
なお、本発明において、「結着」とは「密着して接合一体化」している状態を指す。また「剥離可能」とは、「何ら力を加えない状態では剥離することなく、開封のために引張力等を加えた際に剥離することができること」を指す。
本発明によれば、蓋材を構成する積層体において、ポリオレフィン系樹脂を含む剥離層に対して、シーラント層に特定の脂肪族ポリエステル樹脂(A)を含むことにより、ポリエステル系樹脂又はポリカーボネート系樹脂製容器本体に対するヒートシール強度が十分かつ適度なものとなり、この結果、ノッチ加工を施すことなく、シールバー幅に倣って確実にシーラント層を容器本体側に残留させることが可能となり、快適に開封することができると共に、開封後の外観を良好なものとすることができる。
即ち、本発明者らは、快適に開封することができ、開封後の外観が良好な蓋材について検討した結果、良好な蓋材は、後述する引張試験のチャートにおいて、図3(a)に示す如く、シールバー幅にほぼ等しい水平部分(図3(a)のa部)を有する矩形形状の凸状ラインを示し、図3(b),(c)に示すように角状の突起(図3(b),(c)のb部)があったり、水平部分(a部)の幅がシールバーの幅に比べて大幅に小さかったりするものは、快適に開封することができず、また開封後の外観も劣るものとなることを見出した。
しかして、本発明に係る脂肪族ポリエステル樹脂(A)を含有するシーラント層であれば、ポリオレフィン系樹脂を含む剥離層に対して、図3(a)に示すようなチャートを示し、容易かつ快適に開封を行って、開封後に図2(a)に示すような良好な開封状態とすることができることを確認した。
なお、本発明において、ヒートシール部においてはシーラント層が容器本体側に残留するが、この残留するシーラント層に一部剥離層が付着している場合もあり、ヒートシール部における蓋材用積層体の剥離は、必ずしも剥離層とシーラント層との間では起こらず、剥離層内で層内剥離が起こる場合もある。
また、本発明に係る蓋材用積層体は、ポリエステル系樹脂又はポリカーボネート系樹脂製容器本体に対して低温のヒートシールで十分に接着することができ、また、剥離強度の調整も容易であるため、被包装物の種類に応じて、様々な包装形態に対応することができるという点においても優れている。
以下に本発明の易開封性容器及び易開封性蓋材用積層体の実施の形態を詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、本発明はその要旨を超えない限り、これらの内容に特定はされない。
[蓋材:積層体]
本発明に係る蓋材を構成する積層体は、少なくともシーラント層と剥離層との二層積層体よりなり、必要に応じて、更に剥離層の上(シーラント層と反対側の面)に基材層を積層した三層積層体よりなる。
<シーラント層>
(脂肪族ポリエステル樹脂(A))
本発明に係るシーラント層は、少なくとも下記の脂肪族ポリエステル樹脂(A)を含む。
脂肪族ポリエステル系樹脂(A):下記式(1)で表される脂肪族及び/又は脂環式ジオ−ル単位、並びに下記式(2)で表される脂肪族及び/又は脂環式ジカルボン酸単位を必須成分とする脂肪族ポリエステル系樹脂。
−O−R−O− (1)
−OC−R−CO− (2)
(式(1)中、Rは炭素数3以上の2価の脂肪族炭化水素基又は2価の脂環式炭化水素基を表し、式(2)中、Rは2価の脂肪族炭化水素基又は2価の脂環式炭化水素基を表す。)
式(1)のジオール単位を与えるジオール成分は、炭素数の下限が3以上、上限が通常10以下のものであり、例えば、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられ、中でも1,4−ブタンジオールが好ましい。
式(2)のカルボン酸単位を与えるジカルボン酸成分は、炭素数が通常2以上10以下のものであり、例えば、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカン二酸等が挙げられ、中でもコハク酸、アジピン酸が好ましい。
なお、脂肪族ジカルボン酸成分或いは脂肪族ジオール成分は、それぞれ2種類以上を用いることもできる。
この脂肪族ポリエステル系樹脂(A)には、脂肪族オキシカルボン酸単位が含有されていてもよい。脂肪族オキシカルボン酸単位を与える脂肪族オキシカルボン酸の具体例としては、乳酸、グリコール酸、2−ヒドロキシ−n−酪酸、2−ヒドロキシカプロン酸、2−ヒドロキシ3,3−ジメチル酪酸、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸、2−ヒドロキシイソカプロン酸、或いはこれらの混合物等が挙げられるが、これらの低級アルキルエステル、分子内エステルであってもよい。これらに光学異性体が存在する場合には、D体、L体、又はラセミ体のいずれでもよく、形態としては固体、液体、又は水溶液であってもよい。これらの中で好ましいものは、乳酸又はグリコール酸である。これら脂肪族オキシカルボン酸は1種単独でも、2種以上の混合物としても使用することができる。
この脂肪族オキシカルボン酸の量は、脂肪族ポリエステル系樹脂(A)を構成する全構成成分中、下限が通常0モル%以上、好ましくは0.01モル%以上であり、上限が通常30モル%以下、好ましくは20モル%以下である。
また、本発明に係る脂肪族ポリエステル系樹脂(A)は、3官能以上の脂肪族及び/又は脂環式多価アルコール、脂肪族又は脂環式多価カルボン酸又はその無水物、又は脂肪族多価オキシカルボン酸を共重合させたものであると、溶融粘度が高められ、好ましい。3官能の脂肪族又は脂環式多価アルコールの具体例としては、トリメチロールプロパン、グリセリン又はその無水物が挙げられ、4官能の脂肪族又は脂環式多価アルコールの具体例としては、ペンタエリスリトールが挙げられる。3官能の脂肪族又は脂環式多価カルボン酸又はその無水物の具体例としては、プロパントリカルボン酸又はその無水物が挙げられ、4官能の脂肪族又は脂環式多価カルボン酸又はその無水物の具体例としては、シクロペンタンテトラカルボン酸又はその無水物が挙げられる。また、3官能の脂肪族オキシカルボン酸成分は、(i)カルボキシル基が2個とヒドロキシル基が1個を同一分子中に有するタイプと、(ii)カルボキシル基が1個とヒドロキシル基が2個のタイプとに分かれ、いずれのタイプも使用可能である。具体的にはリンゴ酸が好ましく用いられる。また、4官能の脂肪族オキシカルボン酸成分は、(i)3個のカルボキシル基と1個のヒドロキシル基とを同一分子中に共有するタイプ、(ii)2個のカルボキシル基と2個のヒドロキシル基とを同一分子中に共有するタイプ、(iii)3個のヒドロキシル基と1個のカルボキシル基とを同一分子中に共有するタイプとに分かれ、いずれのタイプも使用可能である。具体的には、クエン酸や酒石酸が挙げられる。これらは1種単独で使用することも2種以上混合して使用することもできる。
このような3官能以上の化合物の量は、脂肪族ポリエステル系樹脂(A)を構成する全構成成分中、下限が通常0モル%以上、好ましくは、0.01モル%以上であり、上限が通常5モル%以下、好ましくは2.5モル%以下である。
本発明で使用する脂肪族ポリエステル系樹脂(A)は、公知の方法で製造することができる。例えば、上記の脂肪族ジカルボン酸成分とジオール成分とのエステル化反応及び/又はエステル交換反応を行った後、減圧下での重縮合反応を行うといった溶融重合の一般的な方法や、有機溶媒を用いた公知の溶液加熱脱水縮合方法によっても製造することができるが、経済性ならびに製造工程の簡略性の観点から、無溶媒下で行う溶融重合で製造する方法が好ましい。
また、重縮合反応は、重合触媒の存在下に行うのが好ましい。重合触媒の添加時期は、重縮合反応以前であれば特に限定されず、原料仕込み時に添加しておいてもよく、減圧開始時に添加してもよい。
重合触媒としては、一般には、水素、炭素を除く周期表1族〜14族金属元素を含む化合物である。具体的には、チタン、ジルコニウム、錫、アンチモン、セリウム、ゲルマニウム、亜鉛、コバルト、マンガン、鉄、アルミニウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、ナトリウム及びカリウムからなる群から選ばれた、少なくとも1種以上の金属を含む、カルボン酸塩、アルコキシ塩、有機スルホン酸塩又はβ−ジケトナート塩等の有機基を含む化合物、更には前記した金属の酸化物、ハロゲン化物等の無機化合物及びそれらの混合物が挙げられる。
これらの中では、チタン、ジルコニウム、ゲルマニウム、亜鉛、アルミニウム、マグネシウム及びカルシウムを含む金属化合物、並びにそれらの混合物が好ましく、その中でも、特に、チタン化合物及びゲルマニウム化合物が好ましい。また、触媒は、重合時に溶融或いは溶解した状態であると重合速度が高くなる理由から、重合時に液状であるか、エステル低重合体やポリエステルに溶解する化合物が好ましい。
これらの重合触媒として金属化合物を用いる場合の触媒添加量は、生成するポリエステル樹脂に対する金属量として、下限値が通常5ppm以上、好ましくは10ppm以上であり、上限値が通常30000ppm以下、好ましくは1000ppm以下、より好ましくは250ppm以下、特に好ましくは130ppm以下である。使用する触媒量が多すぎると、経済的に不利であるばかりでなくポリマーの熱安定性が低くなるのに対し、逆に少なすぎると重合活性が低くなり、それに伴いポリマー製造中にポリマーの分解が誘発されやすくなる。
ジカルボン酸成分とジオール成分とのエステル化反応及び/又はエステル交換反応の反応温度は、下限が通常150℃以上、好ましくは180℃以上、上限が通常260℃以下、好ましくは250℃以下である。反応雰囲気は、通常、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下である。反応圧力は、通常、常圧〜10kPaであるが、常圧が好ましい。
反応時間は、通常1時間以上であり、上限が通常10時間以下、好ましくは4時間以下である。
エステル化反応及び/又はエステル交換反応後の重縮合反応は、圧力を、下限が通常0.01×10Pa以上、好ましくは0.01×10Pa以上であり、上限が通常1.4×10Pa以下、好ましくは0.4×10Pa以下の真空度下として行う。この時の反応温度は、下限が通常150℃以上、好ましくは180℃以上であり、上限が通常260℃以下、好ましくは250℃以下の範囲である。反応時間は、下限が通常2時間以上であり、上限が通常15時間以下、好ましくは10時間以下である。
本発明において脂肪族ポリエステル樹脂(A)を製造する反応装置としては、公知の縦型或いは横型攪拌槽型反応器を用いることができる。例えば、溶融重合を同一又は異なる反応装置を用いて、エステル化及び/又はエステル交換の工程と減圧重縮合の工程の2段階で行い、減圧重縮合の反応器としては、真空ポンプと反応器を結ぶ減圧用排気管を具備した攪拌槽型反応器を使用する方法が挙げられる。また、真空ポンプと反応器とを結ぶ減圧用排気管の間には、凝縮器が結合されており、該凝縮器にて縮重合反応中に生成する揮発成分や未反応モノマーが回収される方法が好んで用いられる。
本発明において、目的とする重合度の脂肪族ポリエステル樹脂(A)を得るためのジオール成分とジカルボン酸成分とのモル比は、その目的や原料の種類により好ましい範囲は異なるが、ジカルボン酸成分1モルに対するジオール成分の量が、下限が通常0.8モル以上、好ましくは、0.9モル以上であり、上限が通常1.5モル以下、好ましくは1.3モル以下、特に好ましくは1.2モル以下である。また、生分解性に影響を与えない範囲で、ウレタン結合、アミド結合、カーボネート結合、エーテル結合等を導入することができる。
本発明に用いられる脂肪族ポリエステル系樹脂(A)は十分に結晶化速度が高いものであり、示差走査熱量計測定において10℃/分で冷却した際の結晶化に基づく発熱ピークの半値幅が、通常15℃以下、好ましくは10℃以下、特に好ましくは8℃以下である。なお示差走査熱量計測定は、例えばパーキンエルマー社製DSC7を用い、10mgのサンプルを流量50mL/分の窒素気流下で加熱溶融させた後、10℃/分の速度で冷却し、結晶化に伴う発熱ピークを記録することにより実施される。
本発明に用いられる脂肪族ポリエステル(A)のメルトフローインデックス(MFR)は、190℃、2.16kgで測定した場合、下限が通常0.1g/10分以上であり、上限が通常100g/10分以下、好ましくは50g/10分以下、特に好ましくは30g/10分以下である。
本発明に用いられる脂肪族ポリエステル系樹脂(A)のガラス転移温度の上限は、−10℃以下、特に−21℃以下、とりわけ−23℃以下であることが好ましい。ガラス転移温度がこの上限よりも高いと、ヒートシール温度が高くなる傾向にあり、開封時の感触も硬くなり、衝撃で内容物をこぼしてしまう可能性がある。膜残りや糸引きといった夾雑シールを回避できても、開封時の感触が硬ければ、優れたシーラント材とは言いがたい。本発明に用いられる脂肪族ポリエステル系樹脂(A)のガラス転移温度の下限としては、−59℃以上、特に−55℃以上、とりわけ−50℃以上である。ガラス転移温度がこの下限より低いと、脂肪族ポリエステル系樹脂(A)の柔軟性が高すぎるため、ベタツキが大きくフィルムの巻き締まりや製品同士のブロッキング等ハンドリング性が劣る問題が発生しやすく、伸びも大きいので開封時に剥離するために引っ張る距離や力を必要以上に要したり、剥離面がみだれて汚い剥離面となる傾向となるため、完全な易開封性容器とは言いがたいものとなる。
また、本発明に用いられる脂肪族ポリエステル系樹脂(A)の融点は、40℃以上、特に50℃以上、とりわけ60℃であることが好ましい。融点がこの温度より低いと、夏場のハンドリングが劣る傾向となり、フィルムのブロッキングによる巻き返しが不可能になったり、高温になる製品輸送時の融着が生じたり、シーラント層の浮きによる開封等の問題が発生する可能性が高くなる。本発明に用いられる脂肪族ポリエステル系樹脂(A)の融点の上限は180℃以下、特に160℃以下、とりわけ140℃以下である。融点がこの温度より高いと、低温ヒートシールが出来ないばかりか、容器本体の材質までも変形させてしまうことになる。
また、本発明に用いられる脂肪族ポリエステル系樹脂(A)の引張破断点伸びは、10〜600%の範囲が好ましく、特に好ましくは20〜550%である。引張破断点伸びが10%未満では、もろすぎるため密閉性に劣る傾向にあり、引張破断点伸びが600%を超すと伸びが大きすぎて剥離外観が優れない傾向にある。
脂肪族ポリエステル樹脂(A)の製造工程又は得られた脂肪族ポリエステル樹脂(A)には、その特性が損なわれない範囲において各種の添加剤、例えば熱安定剤、酸化防止剤、結晶核剤、難燃剤、帯電防止剤、離型剤及び紫外線吸収剤等を添加してもよい。
(カルボジイミド化合物(B))
本発明に係るシーラント層には、主に大気中の水分などによる脂肪族ポリエステル樹脂(A)の加水分解を抑制する目的において、カルボジイミド化合物(B)を配合しても良い。用いられるカルボジイミド化合物(B)は、分子中に1個以上のカルボジイミド基を有する化合物(ポリカルボジイミド化合物を含む)であり、このようなカルボジイミド化合物は、例えば触媒として有機リン系化合物又は有機金属化合物を用いて、イソシアネート化合物を70℃以上の温度で、無溶媒又は不活性溶媒中で脱炭酸縮合反応させることにより合成することができる。
上記のカルボジイミド化合物の内、モノカルボジイミド化合物としては、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド、ジメチルカルボジイミド、ジイソブチルカルボジイミド、ジオクチルカルボジイミド、t−ブチルイソプロピルカルボジイミド、ジフェニルカルボジイミド、ジ−t−ブチルカルボジイミド、ジ−β−ナフチルカルボジイミド等を例示することができる。これらの中では、工業的に入手が容易であるので、ジシクロヘキシルカルボジイミドやジイソプロピルカルボジイミドが好ましい。
また、ポリカルボジイミド化合物としては、例えば米国特許第2941956号明細書、特公昭47−33279号公報、J.Org.Chem.28巻、p2069−2075(1963)、及びChemical Review 1981、81巻、第4号、p.619−621等に記載された方法により製造したものを用いることができる。
ポリカルボジイミド化合物の製造原料である有機ジイソシアネートとしては、例えば脂肪族ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネートやこれらの混合物を挙げることができる。具体的には、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、2,6−ジイソプロピルフェニルジイソシアネート、1,3,5−トリイソプロピルベンゼン−2,4−ジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネートと2,6−トリレンジイソシアネートとの混合物、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネートが挙げられる。
これらのポリカルボジイミド化合物の合成時には、モノイソシアネートやその他の末端イソシアネート基と反応可能な活性水素含有化合物を用いて、所望の重合度に制御することもできる。このような目的に用いられる化合物としては、フェニルイソシアネート、トリルイソシアネート、ジメチルフェニルイソシアネート、シクロヘキシルイソシアネート、ブチルイソシアネート、ナフチルイソシアネート等のモノイソシアネート化合物、メタノール、エタノール、フェノール、シクロヘキサノール、N−メチルエタノールアミン、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリプロピレングリコールモノメチルエーテル等の水酸基含有化合物、ジエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、β−ナフチルアミン、シクロヘキシルアミン等のアミノ基含有化合物、コハク酸、安息香酸、シクロヘキサン酸等のカルボキシル基含有化合物、エチルメルカプタン、アリルメルカプタン、チオフェノール等のメルカプト基含有化合物、及び種々のエポキシ基含有化合物等を例示することができる。
本発明において、カルボジイミド化合物(B)としては、ポリカルボジイミド化合物を用いることが好ましく、その重合度(単量体のカルボジイミド化合物の繰り返し数)は、下限が通常2以上、好ましくは4以上であり、上限が通常40以下、好ましくは20以下である。この重合度が大きすぎると分散性が不十分となり、例えば成形時の外観不良の原因になる場合がある。
有機ジイソシアネートの脱炭酸縮合反応に用いられるカルボジイミド化触媒としては、有機リン系化合物や一般式M(OR)nで示される有機金属化合物(但し、Mはチタン、ナトリウム、カリウム、バナジウム、タングステン、ハフニウム、ジルコニウム、鉛、マンガン、ニッケル、カルシウムやバリウム等の金属原子を、Rは炭素原子数1〜20のアルキル基又は炭素原子数6〜20のアリール基を示し、nは金属原子Mが取り得る原子価を示す)が好適である。中でも、有機リン系化合物ではホスフォレンオキシド類が、有機金属化合物ではチタン、ハフニウム、ジルコニウムのアルコシド類が活性が高く好ましい。
ホスフォレンオキシド類の具体例としては、3−メチル−1−フェニル−2−ホスフォレン−1−オキシド、3−メチル−1−エチル−2−ホスフォレン−1−オキシド、1,3−ジメチル−2−ホスフォレン−1−オキシド、1−フェニル−2−ホスフォレン−1−オキシド、1−エチル−2−ホスフォレン−1−オキシド、1−メチル−2−ホスフォレン−1−オキシド及びこれらの二重結合異性体を例示することができる。中でも工業的に入手が容易な3−メチル−1−フェニル−2−ホスフォレン−1−オキシドが特に好ましい。
カルボジイミド化合物(B)は1種を単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
カルボジイミド化合物(B)の配合量は、脂肪族ポリエステル系樹脂(A)100重量部あたり、下限が通常0.01重量部以上、好ましくは0.05重量部以上、特に好ましくは0.1重量部以上、上限が通常10重量部以下、好ましくは5重量部以下、特に好ましくは3重量部以下である。カルボジイミド化合物(B)の配合量が少なすぎると、加水分解抑制効果が不十分となる傾向があり、多すぎると添加効果は飽和し、添加量の増加に見合う効果が得られない。
カルボジイミド化合物(B)は、後述する組成物の調製時に添加しても良いし、脂肪族ポリエステル系樹脂(A)に練り込んでもよい。或いは、脂肪族ポリエステル系樹脂(A)で高濃度のカルボジイミドのマスターバッチを調製し、成形時にカルボジイミド化合物(B)が所定濃度となるように、脂肪族ポリエステル系樹脂(A)をドライブレンドして希釈してもよい。
(引張破断点強度)
本発明に係る積層体を構成するシーラント層は、後述の実施例の項に記載される方法で測定された引張破断点強度が20〜40MPaであることが、快適な開封を行うと共に、開封後の外観を良好なものとするという本発明の目的を達成する上で好ましい。この引張破断点強度が20MPa未満では、容器との密閉性に劣る傾向となり、輸送時の剥離開封を引き起こしてしまう可能性がある。40MPaを超えると剥離感覚が硬くなり、剥離強度が強すぎるため、開封が容易でなくなり、開封時に内容物が反動でこぼれてしまう可能性もある。
<剥離層>
本発明に係る剥離層はポリオレフィン系樹脂を含み、好ましくは更に後述のエラストマー、及び粘着付与剤を含む。
(ポリオレフィン系樹脂)
ポリオレフィン系樹脂とはポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂に代表される樹脂であり、好ましくは、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状ポリエチレンなどのポリエチレン系樹脂である。
本発明に好適なポリエチレン系樹脂は、MFR(メルトフローレート)(190℃/2.16kgf)0.05〜50g/10分、密度0.850〜0.950g/cmのエチレン単独重合体又はエチレン−α−オレフィン共重合体である。エチレン−α−オレフィン共重合体を構成するα−オレフィンは、通常炭素数3ないし20の環状分子を含まないα−オレフィン、例えばプロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−テトラデセン、1−オクタデセン等であり、それぞれ単独或いは2種以上の混合物からなる。また、ビニルエステル(酢酸ビニル等)、不飽和カルボン酸又はそのエステル(アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル等)等を使用しても良い。さらに、エチレン系重合体は2種類以上混合して使用することも可能である。
ポリエチレン系樹脂の具体例としては、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、超低密度ポリエチレン(VLDPE)、低結晶性エチレン−1−ブテンランダム共重合体(EBM)、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体等が挙げられる。これらは1種を単独で使用しても2種以上を併用しても良い。
これらのうち特に、低密度ポリエチレンが好ましい。特に、高圧法低密度ポリエチレンは、成形加工性の安定性や剥離強度の安定性を高めると共に、剥離外観を良好なものとするために有効である。
(エラストマー)
エラストマーとしては、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−オクテン共重合体、エチレン−ブテン−プロピレン共重合体、プロピレン−ブテン共重合体等に代表されるオレフィン系エラストマーや、スチレン−ブタジエンブロック共重合体水添タイプやスチレン−イソプレンブロック共重合体水添タイプ、スチレン−ブタジエン−イソプレンブロック共重合体水添タイプに代表されるようなスチレン系エラストマーが挙げられる。これらは1種を単独で使用してもよいが、2種以上を併用することで、剥離強度の安定性や、低温領域での剥離強度低下を抑制する効果が大きい。
本発明においては、エラストマーの一部もしくは全部が、ビニル芳香族化合物と共役ジエン化合物とのブロック共重合体を水添してなる水添ブロック共重合体であり、その水添率が40〜60%であることが好ましい。
以下本発明に好適な水添ブロック共重合体について説明する。
水添ブロック共重合体のブロック共重合体とは、ブロックAがビニル芳香族化合物、ブロックBが共役ジエン化合物であるとしたときに、一般式A−B、A−B−A、B−A−B−A、A−B−A−B−A等で表されるブロック共重合体で、重合体ブロック部Aを構成するビニル芳香族化合物としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等のうちから1種以上が選ばれ、中でもスチレンが好ましい。
また、重合体ブロック部Bを構成する共役ジエン化合物としては、例えばブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン等のうちから1種以上が選ばれ、中でもブタジエン、イソプレン及びこれらの組み合わせが好ましい。
Aブロックとなるビニル芳香族化合物の重合体ブロックの含有量は5〜40重量%、好ましくは10〜40重量%、更に好ましくは10〜30重量%で、この含有量は少なくても多すぎてもシーラント層との接着強度が不安定に低下する傾向にある。
共役ジエン化合物の重合体ブロックの水添率は40%以上が好ましく、より好ましくは40〜60%、特に好ましくは42〜50%、とりわけ好ましくは43〜55%であり、この水添率は低すぎても高すぎてもシーラント層との接着強度が低下する傾向になる。特に低すぎる場合は、成形加工時に発煙やヤケ、変色の原因となり好ましくない。
水添ブロック共重合体の数平均分子量は10,000〜400,000、好ましくは20,000〜300,000である。分子量は、大き過ぎても、小さ過ぎてもシーラント層との接着強度が低下傾向となり、また、数平均分子量が大き過ぎる場合には本組成物の加工性が低下する傾向がある。また、水添ブロック共重合体の数平均分子量が400,000を越えなくとも、相当に高い場合は、プロセスオイル、液状ポリブタジエン、数平均分子量が6,000以下のオレフィン系ワックス等の中から選ばれた流動性改良剤を、水添ブロック共重合体100重量部に対し1〜40重量部程度添加することにより、接着強度及び加工性の低下を抑えることが可能となり、有効な手段である。
水添ブロック共重合体としては、スチレン−ブタジエン構造を有する部分水添タイプが良く、スチレン−ブタジエン−ブチレン−スチレンブロック共重合体や、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体が好ましく、これらのブロック共重合体は2種類以上混合して使用することも可能である。
エラストマー中の上記水添ブロック共重合体の割合は特に5重量%以上、とりわけ10〜40重量%であることが好ましく、このような水添ブロック共重合体と共に他のエラストマーを併用する場合、他のエラストマーとしては、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−オクテン共重合体、エチレン−ブテン−プロピレン共重合体、プロピレン−ブテン共重合体等に代表されるオレフィン系エラストマーの1種又は2種以上を用いることが好ましい。
(粘着付与剤)
粘着付与剤とは、常温では固体の非晶性樹脂であり、中でも石油樹脂、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂又はそれらの水添物が好ましく、市販のものから適宜選択して用いることができる。
石油樹脂としては、例えば、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、又はそれらの共重合体、及びこれらの水添物などが有り、具体的には市販品としてトーホーハイレジン(東邦石油樹脂(株))、ピコペール(ピコ社)、アルコンP及びM(荒川化学工業(株))、アドマーブ(出光石油化学工業(株))、スーパースタータック(ライヒホールド(株))、エスコレッツ(エッソ化学(株))、トーホーペトロレンジ(東燃石油樹脂(株))、ハイレッツ(三井石油化学(株))、クイントン(日本ゼオン(株))などが挙げられる。ロジン系樹脂として、天然ロジン、重合ロジン及びそれらの誘導体例えば、ペンタエリスリトエステルロジン、グリセリンエステルロジン及びそれらの水添物などであり、具体的には市販品としてガムロジン、ウッドロジン、エステルガムA、ペルセンA、ペルセンC(荒川化学工業(株))、ペンタリンA、ペンタリンC、フォーラル105(理化ハーキュレス(株))などが挙げられる。テルペン系樹脂として、ポリテルペン系樹脂、テルペンフェノール系樹脂及びそれらの水添物が有り、具体的には市販品としてピコライトS、及びA(ピコ社)、YSレジン、クリアロン(安原油脂(株))などが挙げられる。
本発明においてはこれら粘着付与剤を用途により使い分けることができるが、これらの粘着付与剤の中でも、軟化温度(環球法)が、好ましくは70〜150℃、特に好ましくは90〜150℃のものが用いられる。軟化温度が低すぎると接着強度が低下する傾向にあると同時に、エラストマーやポリオレフィン系樹脂との溶融混練がし難くなる傾向にある。
特に、剥離層の色相をできる限り自然色(白色又は無色透明、黄色の着色防止)に近付けるためには、粘着付与剤としては、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、又はそれらの共重合体が好ましく、特にその水添物が好ましい。その水添率は好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上である。
(配合)
剥離層は、ポリオレフィン系樹脂5〜94重量%、エラストマー5〜65重量%、粘着付与剤1〜30重量%、特にポリオレフィン系樹脂10〜87重量%、エラストマー10〜65重量%、粘着付与剤3〜25重量%、とりわけオレフィン系樹脂30〜80重量%、エラストマー15〜50重量%、粘着付与剤5〜20重量%で構成されることが好ましい。
この範囲よりも粘着付与剤が多すぎるとベタツキがひどくなり、ハンドリング性が悪くなって、造粒・製膜の生産性が低下する傾向にあり、少なすぎると接着強度が充分に発現できない状態になる。また、エラストマーが少なすぎると接着強度が安定しない傾向になり、多すぎると造粒・製膜の生産性が低下する傾向にある。更に、ポリオレフィン系樹脂が少な過ぎると成形性、取り扱い性が損なわれ、多過ぎると、相対的にエラストマーや粘着付与剤の配合量が減って接着性が低下する。
<基材層>
基材層は、ポリオレフィン系樹脂、各種ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物、ポリカーボネート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、アルミニウム箔等で構成される。
基材層に用いるポリオレィン系樹脂としては、炭素数2〜4のα−オレフィンであるエチレン、プロピレン、1−ブテンの単独或いはこれらを主成分とする結晶性の重合体が挙げられる。これらのポリオレィンとしては、具体的にはポリエチレン、ポリプロピレン及びポリ−1−ブテンが挙げられるが、これらはいずれも単独重合体に限らず、それらオレフィンを主成分とする限り、他の炭素数2〜20のα−オレフィン或いは酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリル酸、メタクリル酸、スチレン等のビニル化合物との共重合体等をも含むものであり、また無水マレイン酸、マレイン酸、アクリル酸等の不飽和カルボン酸或いはその誘導体でグラフト変性されたグラフト共重合体でもよい。さらにこれらのポリオレフィンは混合物であっても良い。
前記ポリエチレンの具体例としては、例えば高圧法低密度ポリエチレン(LDPE)、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−4−メチル−1−ペンテン重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、高密度ポリエチレン(HDPE)、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体などが挙げられる。これらの中では、LDPE、エチレン−α−オレフィンランダム共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体などが透明性、低温ヒートシール性に優れるので好ましく、とりわけ密度が0.910〜0.960g/cm及び融点が100〜135℃の範囲のものが好ましい。なお、ポリエチレンのメルトフローレートは特に限定はされないが、成形性の点から通常0.01〜30g/10分さらには0.1〜10g/10分の範囲のものが好ましい。
前記ポリプロピレンの具体例としては、例えばポリプロピレン(プロピレンホモポリマー)、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−エチレン−1−ブテンランダム共重合体及びプロピレン−1−ブテンランダム共重合体などのプロピレンランダムコポリマー(プロピレン含有量が通常90モル%以上、好ましくは95モル%以上)、プロピレン−エチレンブロック共重合体(エチレン含有量が通常5〜30モル%)などが挙げられる。これらの中ではホモポリマー、ランダムコポリマーが透明性で優れるので好ましく、特に融点が130〜140℃のランダムコポリマーがヒートシール性に優れるので好ましい。なお、ポリプロピレンのMFR(190℃/2.16kgf)は特に限定はされないが、成形性の点から通常0.5〜30g/10分の範囲のものが好ましい。
前記ポリ1−ブテンの具体例としては、例えば1−ブテン単独重合体、1−ブテン−エチレン共重合体、1−ブテン−プロピレン共重合体、1−ブテン−4−メチル−1−ペンテン共重合体が挙げ必須られる。なお、ポリ1−ブテンのMFR(190℃/2.16kgf)は特に限定はされないが、成形性の点から通常0.01〜100g/10分さらには0.03〜30g/10分の範囲のものが好ましい。
基材層に用いるポリエステル系樹脂とは、テレフタル酸、イソフタル酸、ジフェニルエーテル−4,4−ジカルボン酸、ナフタレン−1,4−又は2,6−ジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ウンデカジカルボン酸などの脂肪族ジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸などの脂環族ジカルボン酸などのジカルボン酸の酸成分と、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコールなどの脂肪族グリコール、シクロヘキサンジメタノールなどの脂環族グリコール、ビフェノールAなどの芳香族ジヒドロキシ化合物などのグリコール成分とからなるものであり、ポリエチレンテレフタレート(PET)、共重合体PET、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリシクロヘキシレンテレフタレート等が挙げられる。この中で好ましいのは、ポリエチレンテレフタレート(PET)であり、通常ジカルボン酸成分の80モル%以上がテレフタル酸であり、グリコール成分の80モル%以上がエチレングリコールである熱可塑性ポリエステル樹脂が特に好ましい。さらに、共重合体PETであっても良く、またPETと他のポリエステルとの混合物であってもよい。
基材層に用いるエチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物としては、エチレン含有量が好ましくは15〜60モル%、さらに好ましくは25〜50モル%のエチレン−酢酸ビニル共重合体を、その鹸化度が好ましくは50%以上、さらに好ましくは90%以上になるように鹸化したものが用いられる。エチレン含有量が少なすぎると熱分解し易く、溶融成形が困難で、また延伸性にも劣り、かつ吸水し膨潤し易く耐水性が劣るため好ましくない。一方、エチレン含有量が多すぎると、耐ガス透過性が低下する傾向がある。また、鹸化度が低すぎても耐ガス透過性が低下する傾向がある。
基材層に用いるポリアミド系樹脂としては、ヘキサメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4−又は2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、1,3−又は1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、ビス(p−アミノシクロヘキシルメタン)、m−又はp−キシリレンジアミンなどの脂肪族、脂環族、芳香族などのジアミンとアジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸などの脂肪族、脂環族、芳香族などのジカルボン酸との重縮合によって得られるポリアミド、ε−アミノカプロン酸、11−アミノウンデカンカルボン酸などのアミノカルボン酸の縮合によって得られるポリアミド、ε−カプロラクタム、ω−ラウロラクタムなどのラクタムから得られるポリアミド或いはこれらの成分からなる共重合ポリアミドの混合物などが例示される。具体的にはナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン9、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6/66、ナイロン66/610、ナイロン6/11などが挙げられる。これらの中では、融点、剛性などが優れるナイロン6、ナイロン66が好ましい。また分子量も特に限定はされないが、通常相対粘度ηγ(JIS K6810、98%硫酸中で測定)が0.5以上のポリアミドが用いられるが、中でも2.0以上のものが好ましい。
基材層に用いるポリカーボネート系樹脂とは、ジヒドロキシ化合物とホスゲン又はジフェニルカーボネートとを公知の方法で反応させて得られる種々のポリカーボネートである。ジヒドロキシ化合物としては、ハイドロキノン、レゾルシノール、4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニル−n−ブタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルヘプタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニル−2,2−プロパン(ビスフェノールA)、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニル−2,2−プロパン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジフェニルジフェニル2,2−プロパン、4,4’−ジヒドロキシジクロロジフェニル−2,2−プロパン、4,4’−ジヒドロキシジフェニル−1,1−シクロペンタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニル−1,1−シクロヘキサン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルメチルフェニルメタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエチルフェニルメタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニル−2,2,2−トリクロロ−1,1−エタン、2,2’−ジヒドロキシジフェニル、2,6−ジヒドロキシナフタレン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジクロロジフェニルエーテル及び4,4’−ジヒドロキシ−2,5−ジエトキシフェニルエーテル等が用いられる。このうち4,4’−ジヒドロキシジフェニル−2,2−プロパン(ビスフェノールA)を用いたポリカーボネートが機械的性能、透明性に優れているので好ましい。
基材層に用いるポリスチレン系樹脂とは、スチレンの単独重合体、スチレンとアクリロニトリル、メチルメタアクリレートなどの共重合体或いはそれらのゴム変性物等のスチレンを主体とした樹脂であり、具体的にはポリスチレン、耐衝撃性ポリスチレン(ゴム配合ポリスチレン)、AS樹脂(SAN)、ABS、SMA(スチレン−無水マレイン酸重合体)などと呼称されている熱可塑性樹脂が用いられる。ポリスチレンは、通常MFR(190℃/2.16kgf)が0.1〜50g/10分、好ましくは1〜20g/10分の範囲のものである。MFRが上記範囲外のものは成形性が低下する傾向にある。
基材層に用いるポリアクリル系樹脂とは、ポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル、ポリアクリル酸−2−エチルヘキシル、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリロニトリル、ポリメタクリロニトリル、メタクリル酸メチル−アクリロニトリル共重合体、メタクリル酸メチル−α−メチルスチレン共重合体等を例示することができる。さらに、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体等であっても良い。中でもポリアクリロニトリル及びスチレン−アクリロニトリル−ブタジエン共重合体が好ましい。これらのアクリル系樹脂は、市販品の中から適宜選んで用いることができ、また本発明の効果を損なわない範囲で、各種可塑剤、安定剤、無機フィラー、帯電防止剤や顔料等の添加剤を配合したものであってもよい。
基材層は上記樹脂の1種又は2種、或いはアルミニウム箔等の金属箔よりなる単層構造であっても良く、これらの2層以上の積層構造であっても良い。
<厚み比率>
シーラント層と剥離層との厚み比率は1:1〜1:10でシーラント層の方が薄い方が好ましい。この範囲よりも剥離層が薄いとシーラント層がきれいに破断しなかったり、剥離層とシーラント層がきれいに剥離しなかったりする傾向にある。厚すぎるとヒートシール時に熱量不足で完全にシールすることが出来ない可能性がある。
また、各層の厚みは、蓋材としての用途や基材層の有無によっても異なるが、基材層を設けない場合、シーラント層の厚みは1〜30μm、特に3〜15μmで、剥離層の厚みは5〜100μm、特に10〜50μmで、総厚み6〜130μm、特に13〜65μmであることが好ましい。
また、基材層を設ける場合、各層の厚みはシーラント層:1〜30μm、特に3〜15μm、剥離層:5〜100μm、特に10〜50μm、基材層:5〜100μm、特に10〜50μmで、総厚み11〜230μm、特に23〜115μm、とりわけ23〜80μmであることが好ましい。
<製造方法>
シーラント層、剥離層、基材層としての樹脂層の製造原料としての樹脂組成物は、各層の構成材料を種々の公知の手法、例えばタンブラーブレンダー、Vブレンダー、リボンブレンダー、ヘンシェルミキサー等を用いて混合し、混合後、単軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、ニーダー等で溶融混練し、造粒或いは粉砕する手法により調製することができる。なお、各組成物には前記成分に加えて、耐熱安定剤、耐候安定剤、ブロッキング防止剤、スリップ剤、帯電防止剤、難燃剤、触媒残渣の中和剤、顔料、染料、無機及び/又は有機フィラー等、一般的に用いられている添加剤を本発明の目的を損なわない範囲で配合することができる。
蓋材としての積層体は、このようにして調製したシーラント層用組成物と剥離層用組成物とを、それぞれ別個の押出機で溶融し、溶融後二層構造のダイに別々に供給し、これを基材層上に、剥離層が、基材層と接するようにして共押出ラミネートすることによって製造することができる。ここで用いられるダイは、共押出しすることができるダイであれば、タイプは問わないが、通常はいわゆるフラットダイであって、ブラックボックスを使用したシングル・マニホールド形式或いはマルチ・マニホールド形式のいずれかを用いることができる。
また、三層押出機を用い、樹脂層よりなる基材層も、シーラント層及び剥離層と共に押出成形して三層成形体とすることもできる。
また、予め成形した基材層上に、上述のシーラント層と剥離層の二層押出を行って三層成形体とすることもでき、更に、予め成形した基材層に対して、別途二層押出成形して得られたシーラント層と剥離層との二層積層体を接着して、三層積層体とすることもできる。
[容器本体]
本発明に係る容器本体は、少なくともヒートシール面がポリエステル系樹脂又はポリカーボネート系樹脂で構成される。このヒートシール面はポリエステル系樹脂とポリカーボネート系樹脂とのブレンド樹脂で構成されても良い。
このポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂としては前述の基材層の構成材料として挙げたものを用いることができる。
容器本体は、ヒートシール面がポリエステル系樹脂又はポリカーボネート系樹脂で構成されていれば良く、ポリエステル系樹脂又はポリカーボネート系樹脂よりなる単層構造の成形体に限らず、その他の部分はポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂以外の材料で構成されたものであっても良く、またポリエステル系樹脂又はポリカーボネート系樹脂よりなる表面層と他の材料よりなる基層、更には中間層とを有する積層構造のものであっても良い。
このような容器本体は、通常、射出成形や押出成形により成形される。
[ヒートシール]
本発明の易開封性容器は、例えば、図1に示す如く、上述の容器本体1の開口部1aを覆うように前述の積層体よりなる蓋材2を、そのシーラント層が容器本体1側となるように配置し、開口部1aの周縁部で、常法に従ってシールバーでヒートシールすることにより包装形態とすることができる。
この場合のヒートシール温度は、容器の材質や内容物によっても異なるが、通常90℃以上、好ましくは100℃以上、通常200℃以下、好ましくは180℃以下である。このヒートシール温度が低過ぎると、蓋材を容器本体に対して十分に結着させることができず、高過ぎると容器本体や蓋材の熱劣化を招く。
なお、本発明の易開封性容器にあっては、蓋材の剥離強度を容易に調整することができる。即ち、液体や臭気の強い被包装物を包装する場合のように、強い剥離強度が要求される場合には、蓋材を構成する積層体のうち、シーラント層の厚みを厚くするか、剥離層とシーラント層の接着強度を上げるような剥離層の組成を変更すれば良い。また、剥離強度が低く、弱い力で簡単に開封することが望まれる場合には、蓋材を構成する積層体のうち、剥離層とシーラント層の層間接着強度が低くなるような剥離層の組成を変更すればよい。
このような本発明の易開封性容器は、食品、飲料、薬品、化粧品等の各種の被包装物に有用である。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
なお、容器本体用基材としては、ポリエチレンテレフタレート樹脂(三菱レイヨン社製「PA500D」)よりなる厚さ100μmの単層の成形シートを用いた。
また、実施例及び比較例で用いた蓋材用積層体の各層の成形材料は、次の通りである。
<基材層用成形材料>
下記の低密度ポリエチレンを用いた。
低密度ポリエチレン:日本ポリエチレン社製「ノバテックSF840]密度0.929g/cm,MFR(190/2.16kgf)2.6g/10分
<剥離層用成形材料>
下記の材料を表1に示す配合で50リッターのV型ブレンダーで5分間混合し、単軸押出機(サーモ30φ)を使用して設定温度190℃にて、スクリュー回転数100rpm、吐出量15kg/時間で溶融混練し、ひも状に押し出し、冷却後にカッティングして剥離層用組成物を得た。
(ポリオレフィン系樹脂)
Manh変性PE:三菱化学社製無水マレイン酸変性LLDPE,無水マレイン酸含量0.8重量%,密度0.920g/cm,MFR(190℃/2.16kgf)2g/10分
高圧法PE:日本ポリエチレン社製高圧法LDPE「ノバテックLC607K」,密度0.919g/cm,MFR(190℃/2.16kgf)8g/10分
C2/C6系PE:日本ポリエチレン社製エチレン−α−オレフィン共重合体(シングルサイト触媒にて製造されたエチレン−プロピレン−ヘキセン系直鎖状ポリエチレン),密度0.898g/cm,MFR(190℃/2.16kgf)3.5
(オレフィン系エラストマー)
C2/C3系:三菱化学社製エチレン−プロピレン共重合体「タフマーP0275」,密度0.86g/cm,MFR(230℃)5.5g/10分
C2/C4系:三井化学社製エチレン−ブチレン共重合体「タフマーA4050」,密度0.86g/cm,MFR(190℃/2.16kgf)3.5g/10分
(スチレン系エラストマー)
完全水添SEBS:旭化成社製スチレン−ブタジエンブロック共重合体完全水添タイプ,スチレン含量30重量%,水添率97%,MFR(190℃/2.16kgf)0.3g/10分
部分水添SEBS:旭化成社製スチレン−ブタジエンブロック共重合体部分水添タイプ,スチレン含量30重量%,水添率46%,MFR(190℃/2.16kgf)4g/10分
(粘着付与剤)
P125:荒川化学社製水添型芳香族系石油樹脂「アルコンP125」水添率95%,環球法による軟化温度125℃
P140:荒川化学社製水添型芳香族系石油樹脂「アルコンP140」水添率97%,環球法による軟化温度140℃
Figure 0004811083
<シーラント層用成形材料>
以下の各種のポリエステル系樹脂を用いた。
(脂肪族ポリエステル系樹脂(A1))
以下の方法で製造した。
攪拌装置、窒素導入口、加熱装置、温度計及び減圧口を備えた容量1立方メートルの反応容器に、コハク酸134kg、1,4−ブタンジオール116リットル、DL−リンゴ酸0.24kg、酸化ゲルマニウムを予め1重量%溶解させた90%DL乳酸水溶液7.21kgを仕込んだ。容器内容物を攪拌下、窒素ガスを導入し、窒素ガス雰囲気下120℃から反応を開始し、1時間40分かけて200℃まで昇温した。引き続き、1時間25分かけて230℃に昇温すると同時に1mmHg(133Pa)まで減圧し、230℃、1mmHg(133Pa)にて4時間20分重合を行い脂肪族ポリエステル系樹脂(A1)を得た。
得られた脂肪族ポリエステル系樹脂(A1)のMFR(190℃/2.16kgf)は4.2g/10分、ガラス転移温度(Tg)は−25℃、融点は110℃であった。
なお、ガラス転移温度(Tg)は、レオメトリック・サイエンティフィック・エフ・イー社製「RMS800」を用い、長さ45mm、幅12mm、厚み2mmの試験片に1Hzの正弦波振動を与えた際の応答信号を観測する測定を、低温側から順次温度を変化させながら行い、応答信号から計算される損失正接のピーク温度を記録することにより決定した。
また、融点は、パーキンエルマー(株)製示差走査熱量計,製品名:DSC7を用い、10mgのサンプルを重量50mL/分の窒素気流下で10℃/分の速度で加熱溶融させた後、10℃/分の速度で一旦冷却固化させ、引き続き10℃/分の速度で昇温する際の融解ピーク温度とした。
以下の脂肪族ポリエステル系樹脂(A2)においても同様である。
(脂肪族ポリエステル系樹脂(A2))
以下の方法で製造した。
攪拌装置、窒素導入口、加熱装置、温度計及び減圧口を備えた容量1立方メートルの反応容器に、コハク酸76.9kg、アジピン酸24.8kg、1,4−ブタンジオール84.3リットル、DLリンゴ酸0.24kg、酸化ゲルマニウムを予め1重量%溶解させた90%DL乳酸水溶液5.4kgを仕込んだ。容器内容物を攪拌下、窒素ガスを導入し、窒素ガス雰囲気下120℃から反応を開始し、1時間40分かけて200℃まで昇温した。引き続き、1時間25分かけて230℃に昇温すると同時に1mmHg(133Pa)まで減圧し、230℃、1mmHg(133Pa)にて4時間重合を行い脂肪族ポリエステル系樹脂(A2)を得た。
得られた脂肪族ポリエステル系樹脂(A2)のMFR(190℃/2.16kgf)は4.2g/10分、ガラス転移温度(Tg)は−38℃、融点は88℃であった。
(カルボジイミド化合物)
カルボジライト:4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートを縮合して得られた日清紡社製「カルボジライト」(重合度10)を用いた。
(非晶性PET)
6763:イーストマン・ケミカル社製ポリエチレンテレフタレート樹脂「6763」ビカット軟化温度(ASTM D1525)82℃,ガラス転移温度(Tg)81℃
(結晶性PET)
PA500D:三菱レイヨン社製ポリエチレンテレフタレート樹脂「PA500D」融点255℃,ガラス転移温度(Tg)69℃
(エラストマー)
#350:三菱化学社製エステル系エラストマー「プリマロイ#350」,融点150℃,MFR(190℃/2.16kgf)20g/10分,ガラス転移温度(Tg)−60℃
(引張破断点強度及び引張破断点伸び)
上記の各シーラント層材料のうちの一部について、Tダイ成形を行って0.25mm厚みのフィルムを得、このフィルムについて、MD方向にJIS Z1702に準拠して引張破断点強度及び引張破断点伸びを測定したところ、下記表2の通りであった。
Figure 0004811083
実施例1〜14,比較例1〜14
表3,4に示す剥離層成形材料とシーラント層成形材料の組み合わせで(ただし、実施例7,14では、シーラント層成形材料として、脂肪族ポリエステル系樹脂(A1)又は脂肪族ポリエステル系樹脂(A2)100重量部に対してカルボジイミド化合物(カルボジライト)を0.2重量部外添した。)、前述の基材層材料を用いて、Tダイ成形機にて三層共押出成形を行って、シーラント層/剥離層/基材層のシーラント層積層フィルムを得た。各層の押出機の大きさは次の通りであり、成形された三層積層フィルムの各層の厚さは、シーラント層=10μm,剥離層:20μm,基材層30μmであった。
シーラント層:35mmφ
剥離層:20mmφ
基材層:35mmφ
なお、成形温度は、シーラント層の成形材料が結晶性PETの場合は280℃とし、それ以外のものは240℃とした。
得られた三層積層フィルムは、剥離強度試験時の強度確保のために、厚さ16μmのポリエチレンテレフタレート樹脂製二軸延伸フィルムにアンカーコート剤を塗布し、この面に積層フィルムの基材層側を貼り合わせて補強した。
得られた補強フィルムを、シーラント層面が、前述の容器本体用基材シート側となるように該シート上に載置し、熱板式ヒートシーラーを用いて、表3,4に示す各温度で圧力2kg/cm(196Pa)、時間1秒で熱圧着し、その熱圧着部を15mm幅に切断してサンプルとした。
このサンプルについて、インストロン型引張試験機を用い、JIS K6854に準拠して23℃において、剥離速度300mm/分で180度剥離にて剥離強度を測定した。剥離強度は大きい方が容器の密封性に優れ、好ましい。
また、この剥離試験後の状態を観察した。これらの結果を表3,4に示した。
また、実施例6、比較例4、及び比較例14の場合の剥離強度試験における引張試験チャートを図4〜6に示した。
Figure 0004811083
Figure 0004811083
実施例15〜19、比較例15〜20
実施例1〜14及び比較例1〜14において、表5に示す剥離層成形材料とシーラント層成形材料の組み合わせとし(シーラント層成形材料としてカルボジイミド化合物は用いず。)、三層積層フィルムの各層の厚さをシーラント層=5μm、剥離層=20μm、基材層30μmとしたこと以外は同様にして成形を行い、同様に剥離試験を行って結果を表5に示した。
Figure 0004811083
以上の結果から、シーラント層の成形材料について、次のようなことが言える。
<脂肪族ポリエステル系樹脂(A1),(A2)>
シールバーが当った箇所はしっかり融着接着が確認でき、シールバーエッヂ部分でさっくりと破断し、シーラント層と剥離層との間の層間剥離後、シールバーエッヂ部分でシーラント層がさっくりときれいに材料破断して開封が終了し、目標どおりの剥離状況が確認できた。
引張試験チャートもフラットで安定した値を示した。
<非晶性PET 6763>
シーラント層剥離は確認できたが、剥離状態が汚く、容器本体用基材シートにまだらに残っている。剥離試験を行ったチャートにも剥離開始と終了時に角(剥離強度が急激に大きくなる)が出ており、滑らかな安定した剥離とは言えない。剥離強度は、引張試験チャートの角状突起部分の最大値を採用しており、シーラント層の非晶性PET6763自体の剥離点伸びの値に相当する。
<結晶性PET PA500D>
240℃以下のシール温度では接着せず、250℃まで上げてようやく接着したが、積層フィルム及び容器本体用基材シート共に変形してしまい実用性が無い。
<エラストマー#350>
シール温度が低温側から接着が確認でき、目的とする剥離状況にはなるが、引張試験チャートにおいて、剥離終了時に角がでる。容器本体用基材シート側にも、剥離開始部分と終了部分にシーラント層が伸びて破断したフィルム残りがしっかり確認できる。剥離状況が汚いので実用性がない。剥離強度は引張試験チャートにおける角状突起部分の最大値を採用しており、エラストマー#350自体の破断点伸びの値に相当する。
易開封性容器の一例を示す断面図である。 蓋材の剥離状況を説明する模式的断面図である。 引張試験チャートの線形を示す模式図である。 実施例6における剥離強度測定時の引張試験チャートである。 比較例4における剥離強度測定時の引張試験チャートである。 比較例14における剥離強度測定時の引張試験チャートである。
符号の説明
1 容器本体
2 蓋材
2A 基材層
2B 剥離層
2C シーラント層
H ヒートシール部

Claims (11)

  1. ヒートシール面がポリエステル系樹脂又はポリカーボネート系樹脂により構成された容器本体に対してヒートシールにより剥離可能に結着される易開封性蓋材用積層体であって、
    最もヒートシール面側のシーラント層と、該シーラント層に積層された剥離層とを備える易開封性蓋材用積層体において、
    該シーラント層が下記の脂肪族ポリエステル樹脂(A)であり
    該剥離層がポリオレフィン系樹脂及び粘着付与剤を含むことを特徴とする易開封性蓋材用積層体。
    脂肪族ポリエステル系樹脂(A):下記式(1)で表される脂肪族及び/又は脂環式ジオル単位、並びに下記式(2)で表される脂肪族及び/又は脂環式ジカルボン酸単位を必須成分とする脂肪族ポリエステル系樹脂。
    −O−R−O− (1)
    −OC−R−CO− (2)
    (式(1)中、Rは炭素数3以上の2価の脂肪族炭化水素基又は2価の脂環式炭化水素基を表し、式(2)中、Rは2価の脂肪族炭化水素基又は2価の脂環式炭化水素基を表す。)
  2. 請求項1において、前記式(1)が、1,4−ブタンジオール単位であることを特徴とする易開封性蓋材用積層体。
  3. 請求項1又は2において、前記式(2)が、コハク酸単位及び/又はアジピン酸単位であることを特徴とする易開封性蓋材用積層体。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項において、前記粘着付与剤が、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、又はそれらの共重合体から選択されることを特徴とする易開封性蓋材用積層体。
  5. 請求項1ないしのいずれか1項において、前記シーラント層が、カルボジイミド化合物(B)を、前記脂肪族ポリエステル系樹脂(A)合計量100重量部あたり0.01〜10重量部を含むことを特徴とする易開封性蓋材用積層体。
  6. 請求項1ないしのいずれか1項において、前記カルボジイミド化合物(B)が、重合度2〜40のポリカルボジイミド化合物であることを特徴とする易開封性蓋材用積層体。
  7. 請求項1ないしのいずれか1項において、前記シーラント層と剥離層との厚み比率が、シーラント層:剥離層=1:1〜1:10であることを特徴とする易開封性蓋材用積層体。
  8. 請求項1ないしのいずれか1項において、前記積層体は、前記剥離層のシーラント層と反対側の面に、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物、ポリカーボネート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、及びアルミニウム箔よりなる群から選ばれる1又は2以上で構成される基材層が積層されていることを特徴とする易開封性蓋材用積層体。
  9. 請求項1ないしのいずれか1項において、前記剥離層は、ポリオレフィン系樹脂5〜94重量%とエラストマー5〜65重量%と粘着付与剤1〜30重量%とを含有することを特徴とする易開封性蓋材用積層体。
  10. 請求項において、前記エラストマーの少なくとも一部が、ビニル芳香族化合物と共役ジエン化合物とのブロック共重合体を水添してなる水添ブロック共重合体よりなり、該ブロック共重合体のビニル芳香族化合物成分の含有量が5〜40%であり、該水添ブロック共重合体における共役ジエン化合物成分の水添率が40〜60%であることを特徴とする易開封性蓋材用積層体。
  11. 開口部を有する容器本体と、該開口部を覆う蓋材とを備え、該蓋材は該開口部の周縁部に対し、ヒートシールにより剥離可能に結着されている易開封性容器であって、
    該容器本体のヒートシール面は、ポリエステル系樹脂又はポリカーボネート系樹脂により構成されており、
    該蓋材は、最もヒートシール面側のシーラント層と該シーラント層に積層された剥離層とを備える積層体よりなる易開封性容器において、
    該シーラント層が下記の脂肪族ポリエステル樹脂(A)であり
    該剥離層がポリオレフィン系樹脂及び粘着付与剤を含むことを特徴とする易開封性容器。
    脂肪族ポリエステル系樹脂(A):下記式(1)で表される脂肪族及び/又は脂環式ジオル単位、並びに下記式(2)で表される脂肪族及び/又は脂環式ジカルボン酸単位を必須成分とする脂肪族ポリエステル系樹脂。
    −O−R−O− (1)
    −OC−R−CO− (2)
    (式(1)中、Rは炭素数3以上の2価の脂肪族炭化水素基又は2価の脂環式炭化水素基を表し、式(2)中、Rは2価の脂肪族炭化水素基又は2価の脂環式炭化水素基を表す。)
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