JP4248114B2 - 芳香族ポリエステル系樹脂容器用蓋材およびその蓋材を用いた包装体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、芳香族ポリエステル系樹脂容器の開口部を密封するための蓋材およびその蓋材を用いた包装体に関するものであり、特に、例えば、芳香剤及び/又は消臭剤、あるいはこれらを含むサニタリー製品、トイレタリー製品、化粧品等を収容する容器の開口部を封じるための蓋材およびその蓋材を用いた包装体に関する。
【0002】
【従来の技術】
玄関口、トイレ、台所、自動車内、部屋内等に使用される芳香剤及び/又は消臭剤には、多数の香気成分が含有されている。
香気成分の多くは、ポリオレフィン樹脂の容器に収納されると、ポリオレフィン樹脂に収着されたり、容器を貫通して外部へ散逸されたりするので、かかる問題を生じず、密閉状態を保持できる材質の容器が検討された。例えば、特開平11−35058号には、ポリエチレンテレフタレートのような芳香族ポリエステル樹脂を容器の材料として用い、熱封緘層として脂肪族ポリエステル系樹脂を用いた包装体が開示されている。しかし、ここに開示された蓋材は、芳香族ポリエステル系樹脂容器とのイージーピール性に問題があり、使用時に蓋材を容易に剥離することができず、剥離の際に大きな力が必要となったり、容器の開口部を損傷したりすることもあった。また、蓋材の打ち抜きの際に、例えば、容器開口部にヒートシールする前あるいはヒートシールした後に円形、四角形等の蓋材形状に打ち抜く際に、蓋材の熱封緘層が打ち抜き装置に粘着したり、また、その結果打ち抜き製品の蓋材にしわがよったり、打ち抜き断面が醜くなったり等の問題を生じた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記問題点を解決すべくなされたものであり、本発明の目的は、良好なイージーピール性および打ち抜き性を有する、芳香族ポリエステル系樹脂容器用蓋材およびこの蓋材を用いた包装体を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の芳香族ポリエステル系樹脂容器用蓋材は、芳香族ポリエステル系樹脂容器の開口部を密封するための蓋材であって、前記蓋材の最外層に脂肪族ポリエステル系重合体を主成分とする熱封緘層を有し、該熱封緘層が、脂肪族ジオールと脂肪族ジカルボン酸を縮合して得られる脂肪族ポリエステル系重合体100重量部に対して、平均粒径1〜10μmの無機粒子を5〜20重量部含有することを特徴とする。
ここで、本発明の包装体は、上記芳香族ポリエステル系樹脂容器用蓋材を用いて、芳香族ポリエステル系樹脂容器の開口部を密封することを特徴とする。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明の芳香族ポリエステル系樹脂容器用蓋材は、最外層に脂肪族ポリエステル系重合体を主成分とする層(熱封緘層)を有する。熱封緘層は、脂肪族ポリエステル系重合体100重量部に対して、平均粒径が1〜10μmの無機粒子を5〜20重量部の割合で配合した組成物から形成されている。無機粒子の含有量が5重量部未満では、打ち抜き性が劣り、10重量部を超える場合には、ブツが発生し、外観が劣ったものとなる。
本発明に好ましく用いられる無機粒子としては、タルク、マイカ、シリカ、炭酸カルシウム等が挙げられる。
【0006】
本発明の熱封緘層に用いられる脂肪族ポリエステル系重合体は、アルキレン基とエステル結合とを基本骨格として持つものであり、その基本骨格に、エステル結合の他に、ウレタン結合、アミド結合、エーテル結合等が導入されていてもよい。
脂肪族ポリエステル系重合体の具体例としては、脂肪族ジオールと脂肪族ジカルボン酸を縮合して得られる脂肪族ポリエステル系重合体がまず挙げられる。脂肪族ジオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール等が挙げられ、脂肪族ジカルボン酸としては、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカン二酸等が代表的に挙げられる。これらの脂肪族ジオール及び脂肪族ジカルボン酸中から、それぞれ1種類以上選んで縮合重合した後、必要に応じてイソシアネート化合物で重量平均分子量50,000以上にジャンプアップした重合体は、通常60〜110℃の熱融解温度(Tm)とポリエチレンライクの比較的優れた基本物性を持ち、本発明に好ましく用いることができる。ガラス転移温度(Tg)が150℃以下の脂肪族ポリエステル系重合体は商業的に入手可能であり、市販品としては、例えば昭和高分子(株)製の「ビオノーレ」シリーズがある。
【0007】
次に、環状ラクトン類を有機金属触媒を用い開環重合して得られる脂肪族ポリエステル系重合体が挙げられる。単量体である環状ラクトン類としては、ε−カプロラクトン、δ−バレロラクトン、β−メチル−δ−バレロラクトン、β−プロピオラクトン、ピバロラクトン、β−ブチロラクトン、γ−ブチロラクトン等が代表的に挙げられる。これらの環状ラクトン類から選ばれた1種類以上の単量体は、場合によっては少量のラクチドやグリコリドと共に、重量平均分子量が30,000以上になるように、条件を調整して重合される。
【0008】
他の化学合成系の脂肪族ポリエステル系重合体としては、環状酸無水物とオキシラン類との重合体、例えば、無水コハク酸とエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド又はアリルグリシジルエーテルとの重合体や、エチレンと環状ケテンアセタールである2−メチレン−1,3−ジオキソランや2−メチレン−1,3−ジオキセパンとのラジカル重合体等が挙げられる。
【0009】
脂肪族ポリエステル系重合体の1つであるポリ乳酸系重合体は、L−乳酸、D−乳酸またはDL−乳酸単位を主成分とする重合体、またはこれらの重合体の混合物であるが、乳酸の光学異性体(L−乳酸に対してはD−乳酸が、D−乳酸に対してはL−乳酸)を共重合することができる。ポリ乳酸系重合体は、少量の共重合成分として他のヒドロキシカルボン酸等を含んでいてもよく、また分子量増大等を目的として少量の鎖延長剤、例えば、ジイソシアネート化合物、ジエポキシ化合物、酸無水物、酸クロライドなどを含んでいてもよい。これらの場合、重合体の骨格には、前述のエステル結合の他に、ウレタン結合、アミド結合、エーテル結合等が導入されることもある。なお、本発明において、ポリ乳酸系重合体というときには、これら全ての重合体が含まれるものとする。
【0010】
ポリ乳酸に共重合される共重合成分等のモノマーとしては、グリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、2−ヒドロキシ−n−酪酸、2−ヒドロキシ−3,3−ジメチル酪酸、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸、2−メチル乳酸、2−ヒドロキシカプロン酸、6−ヒドロキシカプロン酸、3−ヒドロキシ吉草酸、4−ヒドロキシ吉草酸等の2官能脂肪族ヒドロキシカルボン酸やカプロラクトン、ブチロラクトン、バレロラクトン等のラクトン類が挙げられる。
【0011】
また、生合成系の脂肪族ポリエステル系重合体としては、アルカリゲネスユートロファスを始めとする菌体内でアセチルコエンチームA(アセチルCoA)により生合成された脂肪族ポリエステル系重合体が挙げられる。最も代表的なものにポリ−β−ヒドロキシ酪酸(ポリ3HB)がある。ただし、そのままではTmが高すぎ、熱封緘に際し容器素材の結晶化により熱封緘強度が低下することもあるので、発酵プロセス等を工夫し、吉草酸ユニット(2〜5HV)や、ポリ−γ−ヒドロキシ酪酸ユニット(4HB)を導入した共重合体とすることが好ましい。
【0012】
脂肪族ポリエステル系重合体を配合する方法としては、任意の方法を採用することができる。すなわち原料ペレットをドライブレンドして樹脂加工押出機に供してもよいし、一旦、混練効果の高い2軸押出機でコンパウンドした後、加工押出機に供してもよい。
【0013】
本発明において、芳香族ポリエステル系樹脂容器の開口部を密封する蓋材は、通常、少なくとも、熱封緘層及びこれを支持する基体とから構成され、熱封緘層が容器開口部との融着及び香気成分を遮断する機能を、基体が必要な剛性及び水蒸気を遮断する機能を発揮することが好ましい。また、形状的には、熱封緘層が容器開口部周縁と密着する面を有することが必要である。
【0014】
熱封緘層の厚さは、任意に決定しうるが、一般的に1〜1,000μmであることが好ましく、5〜500μmであることがより好ましく、10〜200μmであることが最も好ましい。熱封緘層の厚さが1μm以上であれば、製造上の不都合もなく、また、香気成分の遮断も十分である。熱封緘層の厚さが1,000μm以下であれば、経済的に不利になることもなく、熱伝達も良好で、良好な熱封緘性を示すことができる。
【0015】
熱封緘層としては、脂肪族ポリエステル系樹脂を、樹脂加工押出機を用い、Tダイ、Iダイ、サーキュラーダイ等からフィルム状に押し出したものを、必要に応じ、延伸加工、コーティング加工等を施して使用される。また、この熱封緘層にコロナ処理、プラズマ処理等の表面処理を施すことにより、印刷する際に該層表面への印刷インキの転写を良好に行えるだけでなく、蓋材の基体との接着性を向上させることができる。
【0016】
基体に用いられる材料の具体例としては、ポリエチレンフィルムやポリプロピレンフィルム等のポリオレフィン系フィルム、PETフィルム等のポリエステル系フィルム、ポリ塩化ビニル系フィルム、ポリスチレン系フィルム、ポリカーボネート系フィルム、ポリアミド系フィルムの如き各種合成樹脂薄膜、アルミニウム箔等の金属薄膜、金属や金属酸化物の蒸着薄膜、紙、不織布、編物、織物等のシート状物が挙げられる。これらの薄膜又はシート状物は、単独でも、2種以上を組み合わせて積層物としても用いることができる。積層物の具体例としては、アルミニウム箔/ポリエステル系フィルム、ポリ塩化ビニリデン系フィルム/延伸ナイロンフィルム、延伸ナイロンフィルム/アルミニウム箔、ポリプロピレン系フィルム/ポリビニルアルコールフィルム/ポリプロピレン系フィルム等の組み合わせが挙げられる。なお、これら積層物の場合は、任意の接着剤を用いて積層接着することが多いが、接着剤を用いないで、コーティング法やラミネート法により積層することもできる。
【0017】
本発明の芳香族ポリエステル系樹脂容器用蓋材は、熱封緘層と基体とが積層されたフィルム形状で提供されることが多いが、両者を積層したフィルムを所望の形状に賦形したものを用いてもよいし、予め所定の形状に賦形された基体の上に熱封緘層フィルムを積層してもよい。なお、積層に際しては、接着剤を使用してもよい。接着剤を使用する場合には、接着剤は適宜選択されるものとする。例えば、基体がアルミニウム箔等で構成される場合、ポリウレタン系接着剤を用いることが好ましい。また、基体がアルミニウム箔とPETフィルムとからなる場合も、ポリウレタン系接着剤は、好適に用いられる。なお、基体の素材として用いるアルミニウム箔は、その厚さが4〜60μmであることが好ましい。
【0018】
本発明においては、例えば芳香剤等を芳香族ポリエステル系樹脂容器に収納した後、蓋材を容器の開口部に装着して、開口部周縁と接する部分において加熱加圧等して溶着させることにより包装体を形成することができる。すなわち、この蓋材の表面の脂肪族ポリエステル系樹脂製熱封緘層を、芳香族ポリエステル系樹脂容器の開口部周縁と当接させ、加熱加圧して、熱封緘することによって、密封包装体を得ることができる。熱封緘に際しては、容器開口部を構成する芳香族ポリエステル系樹脂の結晶化が起こらない条件を選択することが好ましい。
【0019】
本発明の包装体は例えば芳香剤等を収納する態様で用いることができるが、従来、これらの香気成分は容器や蓋材の材料によっては、密閉保持が不十分にしか行えなかった。しかし、本発明の包装体は、容器が芳香族ポリエステル製であり、蓋材の熱封緘層が脂肪族ポリエステル系樹脂を主成分とする層であるので、香気成分を完全に封じ込め保持することができる。かかる香気成分としては、例えば、p−メンタン、ピネン、d−リモネン、ミルセン、テルピネン、1,8−シオネール、カレン、サピネン、あるいはβ−カリオフィレン等のテルペン系炭化水素化合物;ゲラニオール、ネロール、シトラネール、テルピネオール、リナロール、メントール、ネロリドール、ボルオネール等のテルペン系アルコール化合物、あるいはそれらのエステル類;シトラール、シトロネラール等のテルペン系アルデヒド化合物;オクタノール、ベンジルアルコール、オイゲノール等のアルコール類;カプロン酸エチルエステル、安息香酸アミルエステル、ケイ皮酸エチルエステル等のエステル類;γ−ノナラクトン、γ−デカラクトン、γ−ウンデカラクトン、δ−ノナラクトン、δ−デカラクトン、δ−ウンデカラクトン等のラクトン類;イオノン、メチルイオノン等のケトン類;レモン油、オレンジ油、ライム油、ユーカリ油、ヒノキ油、ヒバ油、パイン油、テレピン油、ホー油、ラベンダー油、ジャスミン油、バニラ、ペパーミント、スペアミント等の精油類、又はその他多くの有機化合物が知られている。
【0020】
本発明の包装体は、芳香剤及び/又は消臭剤のように香気成分を含有するものを収容するのに好適であるが、これらのみに限定されるものではなく、食品、電気部品、その他の被包装物を収容し流通するための手段として広く用いることができる。
【0021】
本発明の容器として用いられる芳香族ポリエステル系樹脂は、ポリエステルの構成モノマーであるジカルボン酸成分として、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸を含むものであり、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等が知られている。また、これらの芳香族ポリエステル系樹脂の他方の構成モノマーであるジオール成分としては、特に制限はない。通常、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール等の脂肪族ジオールが使われることが多いが、Tgを低下させず結晶性を低下せしめるために、シクロヘキサンジメタノールのような脂環族ジオールを使用した、芳香族脂環族ポリエステル樹脂(商品名:PETG、イーストマン・ケミカル社製)も、好ましく使用することができる。
【0022】
【実施例】
以下に実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
まず、容積100cc、フランジ内径60mmφ、フランジ幅3mmのポリエチレンテレフタレート(PET)製広口容器を準備した。
次いで、蓋材の基体として、厚さ12μmのPETフィルムと厚さ9μmのアルミニウム箔とが、ポリウレタン系溶剤型接着剤(商品名:アドコート AD76P−1、東洋モートン(株)製)によってドライラミネーションされた2層積層物を準備した。
脂肪族ポリエステル系樹脂製熱封緘層としては、以下の如き方法で得られたフィルムを準備した。即ち、主に、コハク酸、アジピン酸、1,4−ブタンジオールからなるTm=95℃の脂肪族ポリエステル系樹脂100重量部と、平均粒径が1.0μmのタルク(商品名:ミセルトーン、林化成(株)製)5.0重量部とを2軸押出機を用い混練しペレット化した後、T−ダイを備えた単軸押出機を用い、フィルム状に押し出しキャストロールで急冷して、厚さ40μmのフィルムを作製した。得られたフィルムは、引張り弾性率が130kgf/mmであった。得られたフィルムを、基体のアルミニウム箔表面に、接着剤としてポリウレタン系溶剤型接着剤(商品名:アドコートAD76P−1,東洋モートン(株)製)を用いてドライラミネーション法で積層接着し、蓋材を作製した。
【0023】
得られた蓋材について、イージーピール性および打ち抜き性の評価を下記方法に従って行った。
また、蓋材の外観について目視評価を行った。すなわち、タルク等の凝集ブツの発生が少なく優れている場合を「○」、凝集ブツが発生しているが実用レベルの範囲内である場合を「△」、凝集ブツの発生が多く実用不可能なレベルである場合を「×」で示した。その結果を表1に示す。なお、無機粒子の平均粒径は、粒度分布測定器(商品名:SA−CP3L、(株)島津製作所 製)を用いて、自然沈降と遠心力下における液相分散沈降法、光透過法により、JIS Z−8820、JIS Z−8822に基づいて検出した。
【0024】
次いで、得られた蓋材を用いて包装体を形成した。すなわち、芳香族ポリエステル系樹脂製容器に、被包装物として、(1)d−リモネン液50cc、(2)α−ピネン液50cc、(3)ミルセン液50ccをそれぞれ個々に収納し、蓋材の脂肪族ポリエステル系樹脂製熱封緘層と容器フランジ部を当接させ、熱封緘を行い、密封包装体を作製した。
得られた包装体について、密封性の評価を行ったところ、長期間経過しても香気成分が全く外部に漏出することなく、密封性に優れていることが分かった。
【0025】
イージーピール性の評価:
得られた蓋材および厚さ50μmの無延伸PETフィルムをそれぞれ押し出し方向に平行に30mm幅×100mm長の短冊状に切り出す。短冊状の蓋材サンプルと短冊状の無延伸PETフィルムとを重ね合わせ、ヒートシーラーのヒートシールバー(10mm幅×90mm長)に平行に、かつ端部を合わせてセットした後、120℃で片側から加熱し、1.2kgf/cmの圧力で1秒間ヒートシールした。その後、未シール部分から剥離を行い、下記基準に基づいて評価を行った。
○: シール性および剥離性に優れている
△: シール性および剥離性は実用可能なレベルである
×: シール性および剥離性は実用不可能なレベルである
【0026】
打ち抜き性の評価:
得られた蓋材を100mm×100mmの大きさに切断し、これを内径60mm、周縁幅1mmの芳香族ポリエステル系樹脂容器であるPET製容器の開口部に当接してセットし、温度120℃でヒートシールした。シール部の外側の蓋材の下にプラスチック製プレートを置き、打ち抜き装置を用いて蓋材の打ち抜き試験を実施した。蓋材の打ち抜き性の評価は下記基準に基づき行った。
○: きれいに打ち抜くことができ、打ち抜き性に優れている
△: 打ち抜くことはできるが、しわがやや発生。ただし、実用可能レベルである
×: 打ち抜くことができず、実用不能レベルである
【0027】
実施例2〜6、比較例1〜4
実施例1において、無機粒子の種類、平均粒径、添加量を表1に示すように変更した以外は実施例1と同様にして、蓋材および包装体を作製した。得られた蓋材および包装体について、実施例1と同様の評価を行った。その結果を表1に示す。
【0028】
【表1】
Figure 0004248114
【0029】
表1から明らかなように、熱封緘層に平均粒径が1〜10μmの無機粒子を5〜20重量部含有する実施例1〜6の蓋材は、イージーピール性、打ち抜き性および外観のすべてにおいて実用可能なレベル以上のものであることが分かった。一方、比較例1ではイージーピール性が劣っており、比較例2および比較例4では外観が不良であり、比較例3では打ち抜き性に劣っているもので、実用に供することはできなかった。
また、本発明の蓋材を用いて形成された包装体は、密封性に優れていることが分かった。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、良好なイージーピール性および打ち抜き性を有する芳香族ポリエステル系樹脂容器用蓋材およびこの蓋材を用いた包装体を提供することができる。

Claims (2)

  1. 芳香族ポリエステル系樹脂容器の開口部を密封するための蓋材において、前記蓋材の最外層に脂肪族ポリエステル系重合体を主成分とする熱封緘層を有し、該熱封緘層が、脂肪族ジオールと脂肪族ジカルボン酸を縮合して得られる脂肪族ポリエステル系重合体100重量部に対して、平均粒径1〜10μmの無機粒子を5〜20重量部含有することを特徴とする芳香族ポリエステル系樹脂容器用蓋材。
  2. 請求項1に記載の芳香族ポリエステル系樹脂容器用蓋材を用いて、芳香族ポリエステル系樹脂容器の開口部を密封することを特徴とする包装体。
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