JP2004131635A - エチレン共重合体組成物及びそれを用いた易開封性シール材料 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】エチレン・不飽和エステル共重合体(A)を20〜97重量部、プロピレン系重合体(B)を1〜30重量部、非晶性又は低結晶性のエチレン・α−オレフィン共重合体(C)を1〜50重量部及び粘着付与樹脂(D)を1〜30重量部の割合で配合してなるエチレン共重合体組成物、及び、基材に該エチレン共重合体組成物を積層した包装材料。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、種々の材料に対し、優れた密封性と易開封性を示すエチレン共重合体組成物及びこれを用いた易開封性シール材料に関する。とりわけポリプロピレン用の易開封性シール材料として有用な、耐油性に優れたエチレン共重合体組成物及び該組成物からなる易開封性シール材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
カップ麺、ゼリー、ヨーグルト、豆腐など各種飲食品や医薬品の容器として、易開封性蓋材を備えたプラスチック容器が広く使用されている。このような易開封性蓋材のシール層に用いられる押出ラミネート加工可能なシール材料として種々のものが提案され、また実用化されてきた。例えばエチレン・酢酸ビニル共重合体やエチレン・アクリル酸エチル共重合体のようなエチレン・不飽和エステル共重合体と粘着付与樹脂の組成物、これにポリエチレンや低結晶性エチレン・α−オレフィン共重合体などを配合した組成物などが、密封性と易開封性とを備えたシール材料となることが知られている(例えば特公昭63−29894号、特公平1−3895号などの各公報)。
【0003】
しかしながら容器本体に使用されるプラスチック材料の種類も増え、新しい材料に対しては従来のシール材では充分に対応できないものもあり、新たなシール材の出現が望まれている。また既存のプラスチック材料を使用した容器であっても、用途によっては望まれるヒートシール特性が異なっていたり、また他の特性が要求されたりすることがあり、このような要求に耐えられるようなシール材料も望まれている。
【0004】
例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエステルなどが容器材料として古くから使用されてきたが、近年、透明性、耐熱性、衛生性、強度、コストなどの問題からポリプロピレンが多用されるようになってきた。このようなポリプロピレン容器に使用される蓋材としては、密封性と易開封性の観点から容器本体と適度なヒートシール強度を有し、かつ開封する際に均一な剥離感を発現し、開封面に樹脂残りがないよう界面剥離するものが望まれた。また容器内容物の油分によって外観変化が生じたり、膨潤したりすることがないような耐油性が求められていた。また当然のことながら食品衛生性に優れるものでなければならず、厚生省20号に規定された規格を満足することが望まれた。ところがポリプロピレン製容器に対しては、このような諸性質を全て満足するようなシール材料は見出されていないのが現状であった。例えば上記公報に開示されたシール材料においては耐油性が不足気味であり、一層の改良が望まれていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明者等は、上記要求性能を全て満足し、したがってポリプロピレン容器用に好適な易開封性シール材を見出すべく検討を行った。その結果、後記するようなエチレン共重合体組成物が、種々のシール特性や耐油性に優れることを見出すに至り、本発明に到達した。
【0006】
したがって本発明の目的は、易開封性シール材料として好適な、とくにはポリプロピレン製容器の蓋材シーラントとして好適なエチレン共重合体組成物を提供することにある。さらに詳細には、密封性、低温ヒートシール性、易開封性、開封部の外観に優れ、ヒートシール強度の温度依存性が少なく、また耐油性に優れたシール材料となるエチレン共重合体組成物を提供することにある。本発明の他の目的は、このようなエチレン共重合体組成物を用いた易開封性シール材料、及び基材にこのようなシール材料を積層してなる包装材料を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明によれば、エチレン・不飽和エステル共重合体(A)を20〜97重量部、プロピレン系重合体(B)を1〜30重量部、非晶性又は低結晶性のエチレン・α−オレフィン共重合体(C)を1〜50重量部及び粘着付与樹脂(D)を1〜30重量部の割合で配合してなるエチレン共重合体組成物が提供される。本発明によればまた、このようなエチレン共重合体組成物からなる易開封性シール材料が提供される。さらに本発明によれば、基材にこのような易開封性シール材料を積層した包装材料が提供される。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明で使用されるエチレン・不飽和エステル共重合体(A)としては、不飽和エステル含量が3〜30重量%、好ましくは4〜25重量%の範囲のものである。共重合体(A)として不飽和エステル含量が過度に少ないものを使用すると、ポリプロピレンに対するシール強度が小さくなり、密封性に問題を生じるので好ましくない。逆に不飽和エステル含量が過度に多いものを使用すると、べたつきや耐油性の悪化を引き起こすので好ましくない。
【0009】
エチレン・不飽和エステル共重合体(A)の不飽和エステルとしては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルのようなビニルエステル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸nプロピル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸nブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソブチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチルのような不飽和カルボン酸エステルを例示することができる。とくに好ましいのは酢酸ビニル及びアクリル酸又はメタクリル酸の低級アルキルエステルである。エチレン・不飽和エステル共重合体(A)は2種以上混合して使用することができる。
【0010】
エチレン・不飽和エステル共重合体(A)はまた、加工性、シール強度、耐油性等を勘案すると、190℃、2160g荷重におけるメルトフローレートが0.1〜500g/10分、とくに1〜150g/10分のものを使用するのが好ましい。
【0011】
本発明において使用されるプロピレン系重合体(B)は、プロピレンの単独重合体又はプロピレンを主体とするプロピレンと他のα−オレフィンとの共重合体である。上記プロピレンの共重合体における他のα−オレフィンとしては、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、4−メチル−1−ペンテンなどの炭素原子数が2〜20程度のα−オレフィンを例示することができる。このような他のα−オレフィンは、1種単独で又は2種以上組合わせて共重合させてもよい。
【0012】
これらプロピレン系重合体の中では、プロピレン単独重合体あるいはプロピレンと炭素原子数が2〜4のα−オレフィンのランダム共重合体、例えばエチレン含量が10モル%以下のプロピレンとエチレンのランダム共重合体を使用することが好ましい。またシール材料として充分な耐油性を付与するためには、示差走査熱量計に基づく融点が125℃以上、とくに130〜170℃の高結晶性の単独重合体又はランダム共重合体であることが好ましい。また耐油性、押出加工性などを考慮すると、230℃、2160g荷重におけるメルトフローレートが0.1〜500g/10分、とくに0.5〜100g/10分程度のものを使用するのが好ましい。このようなプロピレン系重合体は、立体特異性触媒の存在下で、プロピレンを重合するかあるいはプロピレンと1種以上の他のα−オレフィンを共重合することによって得ることができる。プロピレン系重合体(B)としてはまた、2種以上組合せて使用することができる。
【0013】
本発明において使用される非晶性又は低結晶性のエチレン・α−オレフィン共重合体(C)は、エチレンを主成分とする炭素数3以上のα−オレフィンの共重合体であって、X線回折に基づく結晶化度が通常0〜20%、好ましくは3〜15%のものである。共重合体(C)としてはまた、密度が895kg/m3以下、とくに860〜890kg/m3のものが好ましい。共重合体(C)における炭素数3以上のα−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−ヘキサデセン、4−メチル−1−ペンテンなどの炭素原子数が3〜20程度のα−オレフィンを例示することができるが、とくに炭素数3〜8程度のα−オレフィンが好ましい。共重合体(C)としてはまた、加工性、耐油性などを考慮すると、190℃、2160g荷重におけるメルトフローレートが0.1〜500g/10分、とくに1〜150g/10分のものを使用するのが好ましい。このような共重合体は、例えば遷移金属触媒成分、例えばバナジウム化合物やジルコニウム化合物と、有機アルミニウム化合物触媒成分とからなる触媒を用いて、共重合体中のエチレン含量が50〜95モル%、好ましくは70〜94モル%、さらに好ましくは82〜93モル%程度になるように、エチレンとα−オレフィンを共重合することによって得ることができる。これら非晶性又は低結晶性のエチレン・α−オレフィン共重合体も2種以上併用することができる。
【0014】
本発明において使用される粘着付与樹脂(D)は、脂肪族系炭化水素樹脂、脂環族系炭化水素樹脂、芳香族系炭化水素樹脂、ポリテルペン系樹脂、ロジン類、スチレン系樹脂、クマロン・インデン樹脂などを挙げることができる。脂肪族系炭化水素樹脂の例としては、1−ブテン、イソブテン、ブタジエン、1,3−ペンタジエン、イソプレンなど炭素数4〜5のモノ又はジオレフィンの少なくとも1種以上を含む留分を重合して得られる樹脂を挙げることができる。脂環族系炭化水素樹脂の例として、スペントC4〜C5留分中のジエン成分を環化二量化後重合させて得られる樹脂、シクロペンタジエンなどの環状モノマーを重合させた樹脂、芳香族系炭化水素樹脂を核内水添した樹脂などを挙げることができる。
【0015】
芳香族系炭化水素樹脂の例として、ビニルトルエン、インデン、α−メチルスチレンなどのC8〜C10のビニル芳香族炭化水素を少なくとも一種以上含有する留分を重合して得られる樹脂、あるいはこれら留分と上記脂肪族炭化水素留分を共重合して得られる樹脂などを挙げることができる。ポリテルペン系樹脂の例としては、α−ピネン重合体、β−ピネン重合体、ジペンテン重合体、テルペン・フェノール共重合体、α−ピネン・フェノール共重合体、これらの水素添加物などを挙げることができる。
【0016】
ロジン類としては、ガムロジン、ウッドロジン、トール油などのロジン及びその変性物などであり、変性物としては水素添加、不均化、二量化、エステル化などの変性を施したものを例示することができる。スチレン系炭化水素樹脂としては、純度の高いスチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、イソプロピルトルエンなどのスチレン系単量体の1種又は2種以上を重合して得られる分子量の低い樹脂状重合体を挙げることができる。
【0017】
本発明のポリオレフィン組成物を飲食品包装用の易開封性シール材料として使用する場合には、無臭性、食品衛生性、他成分との混和性などを考慮すると、芳香族系炭化水素樹脂を核内水添した樹脂あるいはポリテルペン系樹脂を使用することが好ましい。
【0018】
本発明のエチレン共重合体組成物においては、エチレン・不飽和エステル共重合体(A)、プロピレン系重合体(B)、非晶性又は低結晶性のエチレン・α−オレフィン共重合体(C)及び粘着付与樹脂(D)を所定割合で配合することが重要である。すなわち(A)、(B)、(C)及び(D)の合計量を100重量部とするときに、エチレン・不飽和エステル共重合体(A)を20〜97重量部、好ましくは25〜50重量部、一層好ましくは20〜40重量部、プロピレン系重合体(B)を1〜30重量部、好ましくは5〜25重量部、一層好ましくは5〜20重量部、非晶性又は低結晶性のエチレン・α−オレフィン共重合体(C)を1〜50重量部、好ましくは10〜45重量部、一層好ましくは20〜45重量部、また粘着付与樹脂(D)を1〜30重量部、好ましくは5〜25重量部、一層好ましくは10〜25重量部の割合で配合する。プロピレン系重合体(B)の適量の配合により耐油性が改良されるが、配合量が多くなり過ぎるとポリプロピレンに対し広範囲なシール温度領域で適正なシール強度を示さず、また加工性を損なうことになる。また非晶性又は低結晶性のエチレン・α−オレフィン共重合体(C)を適量配合することによりシール性が改善されるが、多くの場合、過度に配合するとエチレン共重合体組成物の加工性が損なわれるようになるので上記のような割合で配合される。また粘着付与樹脂(D)の添加によりシール性が改善されるが、多くの場合、過度に配合するとエチレン共重合体組成物の加工性や耐油性が損なわれるようになるので上記のような配合割合とされる。
【0019】
本発明のエチレン共重合体組成物には、シール強度の調整のために、他の熱可塑性樹脂、例えば低密度ポリエチレン、中・高密度ポリエチレン、直鎖低密度ポリエチレン(密度が900〜930kg/m3のエチレン・α−オレフィン共重合体)、ポリ−1−ブテン、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体又はその水素添加物、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体又はその水素添加物などを少量、例えば(A)、(B)、(C)、(D)の合計量100重量部に対し、20重量部以下、とくに10重量部以下の割合で配合することができる。
【0020】
本発明のエチレン共重合体組成物においては、任意に各種添加剤を配合することができる。かかる添加剤の代表例としては、押出加工性、離ロール性、フイルムの滑り性などの改善の目的で使用される滑剤及び/又は離ロール剤を挙げることができる。より具体的には、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘニン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、オレイルパルミドアミド、ステアリルパルミドアミド、メチレンビスステアリルアミド、メチレンビスオレイルアミド、エチレンビスオレイルアミド、エチレンビスエルカ酸アミドなどの各種アミド類、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリアルキレングリコール、水添ひまし油、シリカ、タルクなどの無機質添加剤などである。これらの配合量は、無機質添加剤の場合は0.1〜3重量%程度、それ以外のものは0.01〜1重量%程度の範囲が適当である。
【0021】
任意に配合し得る他の添加剤の例としては、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、帯電防止剤、顔料、染料などを例示することができる。
【0022】
本発明のエチレン共重合体組成物は、上記(A)、(B)、(C)、(D)の各成分、及び任意に配合される添加剤を、同時に又は逐次的に混合することによって調製することができる。エチレン共重合体組成物を調製するに当たっては、単軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、各種ニーダーなどを用いて溶融混合するのが好ましく、その混合順序にはとくに制限はない。
【0023】
かくして得られる本発明のエチレン共重合体組成物は、押出加工性、シール強度、耐油性等を考慮すると、190℃、2160g荷重におけるメルトフローレートが1〜400g/10分、とくに1〜150g/10分程度となるように調製されていることが望ましい。
【0024】
本発明のエチレン共重合体組成物は、易開封性シール材料、とくに包装材料の易開封性シール材料、とりわけポリプロピレンに対する易開封性シール材料として好適である。このような用途に使用される場合、通常は各種基材に積層した形で使用される。かかる目的に使用される基材としては、紙、アルミニウム、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、(高衝撃)ポリスチレン、アルミ蒸着ポリエステル、アルミ蒸着ポリプロピレン、シリカ蒸着ポリエステルなどを挙げることができる。このような基材は単層である必要はなく、2層以上の積層体であってもよい。
【0025】
本発明のエチレン共重合体組成物を基材に積層させるには、該組成物を予めキャスト法やインフレーション法によりフイルム化し、ドライラミネーション法により基材と貼り合わせる方法、該組成物を直接基材上に押出コーティングする方法、ポリエチレン等を接着層として用い、基材上にサンドイッチラミネーションにより接着層を介して積層する方法、基材と該組成物を共押出する方法などを採用することができる。
【0026】
かくして得られる積層体は、各種包装材料として使用することができる。とくに各種容器、とりわけポリプロピレン製容器の蓋材として使用するときに密封性、易開封性、耐油性等に優れた蓋材となる。またポリプロピレン製容器のみならず、他の材料の容器、例えば、ポリスチレン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル等の容器の蓋材としても利用できる。このような蓋付容器は、例えば、カップ麺、ゼリー、プリン、ヨーグルト、みつ豆、サワー、豆腐、乳酸飲料、和菓子、加工肉などの飲食物、薬品、医療容器、トナーなどの各種包装に使用することができる。
【0027】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。尚、実施例及び比較例において用いた原料は、以下の通りである。
【0028】
1 原料
(1)エチレン・不飽和エステル共重合体(A)
EVA−1:エチレン・酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含量6重量%、メルトフローレート(MFR)(190℃)8g/10分)
EVA−2:エチレン・酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含量14重量%、MFR(190℃)15g/10分)
(2)プロピレン系重合体(B)
PP:プロピレン・エチレンランダム共重合体(密度910kg/m3、MFR(230℃)25g/10分)
【0029】
(3)非晶性又は低結晶性のエチレン・α−オレフィン共重合体(C)
VL−1:低結晶性エチレン・ブテン共重合体(結晶化度10%、密度885kg/m3、MFR(190℃)4.0g/10分)
VL−2:非晶性エチレン・プロピレン共重合体(密度870kg/m3、MFR(190℃)2.9g/10分)
(4)粘着付与樹脂(D)
P115:水素添加芳香族炭化水素樹脂(環球法軟化点115℃)
(5)他の熱可塑性重合体
LD:高圧法低密度ポリエチレン(密度917kg/m3、MFR(190℃)7.0g/10分)
【0030】
[実施例1〜4、比較例1〜2]
表1に示す配合組成のエチレン共重合体組成物から50μmのインフレーションフイルムを作成し、これを予め作成した延伸PET(厚さ12μm)/低密度ポリエチレン(厚さ20μm)からなる2層構成の積層フイルムのポリエチレンフイルム面側に、低密度ポリエチレン(厚さ20μm)を接着層とするサンドイッチラミネーション法により積層し、試験基材を得た。
【0031】
厚さ300μmのポリプロピレンシートにこの試験基材をそのエチレン共重合体組成物面が当接するように重ね合わせ、160℃、圧力0.2MPa、シール時間1.0秒の条件でヒートシールして積層体を得た。この積層体から試験基材部を剥離したときの剥離強度を測定した。また耐油性として、試験基材から2cm×4cm×3mmの試験片を作成し、これをサラダ油中に、40℃×5日間浸漬し、膨潤度を目視にて観察した。評価は、全く膨潤しない場合をA,若干膨潤する場合をB、膨潤してしまう場合をCとした。これらの結果を表1に併記する。
【0032】
【表1】
【0033】
【発明の効果】
本発明によれば、易開封性シール材料として好適なエチレン共重合体組成物を提供することができる。とくにポリプロピレンに対してヒートシールする場合、密封性、低温ヒートシール性、易開封性、開封部の外観に優れ、ヒートシール強度の温度依存性が少なく、また耐油性に優れたシール材料となるエチレン共重合体組成物を提供することができる。またエチレン共重合体組成物のヒートシール強度は各成分の組成を変更させることにより調整することができるので、種々の用途分野で使用することができる。
Claims (3)
- エチレン・不飽和エステル共重合体(A)を20〜97重量部、プロピレン系重合体(B)を1〜30重量部、非晶性又は低結晶性のエチレン・α−オレフィン共重合体(C)を1〜50重量部及び粘着付与樹脂(D)を1〜30重量部の割合で配合してなるエチレン共重合体組成物。
- 請求項1記載のエチレン共重合体組成物からなる易開封性シール材料。
- 基材に請求項2記載の易開封性シール材料が積層されてなる包装材料。
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