JP3454566B2 - ガスバリア性包装材料 - Google Patents

ガスバリア性包装材料

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JP3454566B2
JP3454566B2 JP10461394A JP10461394A JP3454566B2 JP 3454566 B2 JP3454566 B2 JP 3454566B2 JP 10461394 A JP10461394 A JP 10461394A JP 10461394 A JP10461394 A JP 10461394A JP 3454566 B2 JP3454566 B2 JP 3454566B2
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barrier resin
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、透明性を有し、水蒸気
や酸素などに対するガスバリア性に優れ、レトルト処理
や電子レンジ加熱に適したガスバリア性包装材料に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、電子レンジの普及に伴ない、調理
済みまたは半調理食品(以下、調理食品と総称する)
が、包装されたまま電子レンジで加熱され、食前に供さ
れている。また、前記調理食品は、包装後にレトルト処
理される場合も多い。このような包装材料には、レトル
ト処理及び電子レンジでの加熱に耐える必要がある。ま
た、食品の品質の劣化を防ぐために、水蒸気、酸素など
に対する高いガスバリア性を有するとともに、内容物の
視認のための高い透明性が要求される。
【0003】上記のような包装材料として、例えば、ガ
スバリア性を有する塩化ビニリデン系ポリマーフィルム
または塩化ビニリデン系ポリマーでコーティングしたフ
ィルムなどと、ヒートシール性を有する無延伸ポリプロ
ピレンフィルムなどとをラミネートした複合フィルムが
提案されている。
【0004】塩化ビニリデン系ポリマーを用いた包装材
料は、透明で内容物を透視できるものの、未だガスバリ
ア性が低く、調理食品の長期保存用には適さない。ま
た、ガスバリア性を向上させるため、塩化ビニリデン系
ポリマー層の厚さを厚くすると、電子レンジで加熱する
場合、フィルムでのマイクロ波の損失が増加し、加熱時
間が長くなるだけでなく、フィルムコストが高くなる。
特に、レトルト処理や電子レンジ加熱により高温(例え
ば、110℃以上の温度)に晒されると、塩化ビニリデ
ン系ポリマーの耐熱性が小さいため、水蒸気、酸素ガス
などに対するガスバリア性が著しく低下する。そのた
め、レトルト食品包装や電子レンジ加熱用食品の包装に
は適さない。さらに、高温下で白化し、透明性が低下す
るため、内容物の視認性が低下する。
【0005】一方、ポリエチレンテレフタレートなどの
基材フィルムに、錫などの金属蒸着層を形成したフィル
ムや、アルミニウム箔とポリプロピレンフィルムなどと
をラミネートした包装用フィルムが提案されている(特
開昭62−152746号公報など)。金属層を積層し
たフィルムは、ガスバリア性に優れ、レトルト食品の包
装に利用されているものの、透明性を有さず、しかも導
電性を有するために電子レンジによる加熱を行なうこと
ができない。
【0006】特開平1−202435号公報や特開平1
−202436号公報には、基材フィルムの表面に、ケ
イ素酸化物の蒸着層と、ヒートシール層又は保護層とを
形成した電子レンジ用包装材料やレトルト食品用包装材
料が記載されている。前記ヒートシール層は、ポリプロ
ピレンなどのヒートシール性樹脂フィルムのラミネート
層で構成され、前記保護層は、エチレン−ビニルアルコ
ール共重合体などのフィルムのラミネート層や、熱硬化
性樹脂のコーティング層で構成されている。しかし、無
機酸化物層にヒートシール層や保護層を形成したフィル
ムのガスバリア性は、酸素透過率1cc/m2 ・24h
r、水蒸気透過率1g/m2 ・24hr程度に過ぎず、
食品の長期保存が必要な場合には、ガスバリア性が未だ
十分でない。
【0007】特開平4−89236号公報には、基材フ
ィルム表面に、ケイ素酸化物の蒸着層を2層以上積層
し、更にその表面を、前記先行文献と同様の保護層又は
ヒートシール層で被覆した包装材料が提案されている。
しかし、このような包装材料の製造には、2回以上の蒸
着工程を要する。しかも、蒸着膜を酸素を含む雰囲気に
晒すため、蒸着工程毎に装置を常圧に戻して、フィルム
を取り出す必要があり、製造工程が煩雑であるだけでな
く、コスト高となる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、被覆層が薄くても、透明性と共に優れたガスバリア
性を有するガスバリア性包装材料を提供することにあ
る。
【0009】本発明の他の目的は、高温に晒されても、
透明性やガスバリア性の低下を抑制できるとともに、劣
化や変質を抑制しつつ内容物を長期保存できるガスバリ
ア性包装材料を提供することにある。
【0010】本発明のさらに他の目的は、電磁波加熱に
おけるマイクロ波の損失を抑制でき、電磁波加熱やレト
ルト処理などに供される食品などを包装する上で有用な
ガスバリア性包装材料を提供することにある。
【0011】
【発明の構成】本発明者らは、前記目的を達成するた
め、種々検討した結果、基材フィルム層に、透明性を有
する無機質層と、ガスバリア性の高いバリア性樹脂を含
むコーティング層とを順次形成するとともに、前記ヒー
トシール層を形成すると、電子レンジ加熱、レトルト処
理による高温に晒しても、高い透明性及びガスバリア性
を維持できることを見いだし、本発明を完成した。
【0012】すなわち、本発明のガスバリア性包装材料
は、オレフィン系ポリマー、ポリエステル又はポリアミ
ドで構成された基材フィルム層(1)の少なくとも一方
の面が、透明性を有する無機質層(2)を介して、塗布
により形成されたバリア性樹脂コーティング層(3)で
被覆されているとともに、このバリア性樹脂コーティン
グ層(3)がヒートシール層(4)で被覆されているガ
スバリア性包装材料であって、前記バリア性樹脂コーテ
ィング層(3)の厚さが、0.25〜5μmであり、無
機質層(2)の厚さn1(μm)に対するバリア性樹脂
コーティング層(3)の厚さn2(μm)の割合n2/
n1が10/1〜50/3であり、前記バリア性樹脂コ
ーティング層(3)は、実質的にSiO2粒子を含ま
ず、レトルト処理前の酸素透過率が0.05〜0.5c
c/m 2 ・24hr、及びレトルト処理前の水蒸気透過
が0.3〜1.0g/m 2 ・24hrのガスバリア性
を有する。ガスバリア性包装材料は、基材フィルム層
(1)の一方の面が、透明性を有する無機質層(2)を
介して、バリア性樹脂コーティング層(3)で被覆され
ているとともに、前記基材フィルム層(1)の他方の面
がヒートシール層(4)で被覆されていてもよい。
【0013】なお、本明細書において、「バリア性樹脂
コーティング層」とは、厚さ2μmにおいて、温度25
℃で酸素ガス透過率20cc/m2 ・24時間以下、温
度40℃、90%相対湿度で水蒸気透過率20g/m2
・24時間以下のバリア性樹脂を含む層を意味する。ま
た、「ヒートシール層」とは、ヒートシーラーによる熱
接合に限らず、インパルスシール、高周波接合、超音波
接合などの方法により熱接合可能な層を意味する。
【0014】基材フィルム層(1)を構成するポリマー
としては、成膜可能な種々のポリマー、例えば、ポリエ
チレン、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、アイオ
ノマー、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合
体、ポリ−4−メチルペンテン−1などのポリオレフィ
ン;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,
6−ナフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどの
ポリエステル;ナイロン6、ナイロン11、ナイロン1
2、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン6/6
6、ナイロン66/610などのポリアミド;芳香族ポ
リアミド;ポリ塩化ビニル;ポリ塩化ビニリデン、塩化
ビニリデン−塩化ビニル共重合体、塩化ビニリデン−ア
クリロニトリル共重合体、塩化ビニリデン−(メタ)ア
クリル酸エステル共重合体などの塩化ビニリデン系樹
脂;ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合
体、スチレン−アクリロニトリル−ブタジエン共重合体
などのスチレン系ポリマー;ポリビニルアルコール、エ
チレン−ビニルアルコール共重合体などのビニルアルコ
ール系ポリマー;ポリアミドイミド;ポリイミド;ポリ
エーテルイミド;ポリカーボネート;ポリスルホン;ポ
リエーテルスルホン;ポリエーテルエーテルケトン;ポ
リアリレート;ポリフェニレンスルフィド;ポリフェニ
レンオキシド;ポリパラキシレン;ポリアクリロニトリ
ル;ポリテトラフルオロエチレン、ポリトリフルオロク
ロロエチレン、フッ化エチレン−プロピレン共重合体な
どのフッ素樹脂;セロハンなどのセルロース系ポリマ
ー;塩酸ゴム;前記種々のポリマーの構成成分を含む共
重合体などが例示される。これらのポリマーは、一種ま
たは二種以上を混合して用いることができる。
【0015】基材フィルム層の光線透過率は、適当に選
択できるが、包装内容物の視認性と美観のためには、白
色光線での全光線透過率が、通常、40%以上、好まし
くは60%以上、より好ましくは80%以上であること
が望ましい。
【0016】基材フィルム層(1)は、オレフィン系ポ
リマー(特にポリプロピレンなど)、ポリエステル(特
にポリエチレンテレフタレートなど)、ポリアミド、ス
チレン系ポリマー、エチレン−ビニルアルコール共重合
体、ポリカーボネート、ポリアクリロニトリルなどで構
成されているのが好ましい。
【0017】前記ポリマーは、包装材料の用途に応じて
選択でき、レトルト処理、電磁波加熱用食品の包装材料
には、透明性、機械的強度及び包装適性に優れる耐熱性
の高いポリマー、例えば、ポリプロピレン、ポリエステ
ル、ナイロン(ポリアミド)、エチレン−ビニルアルコ
ール共重合体、ポリカーボネート、ポリアクリロニトリ
ルなどが好ましい。特に好ましい基材フィルム層(1)
を構成するポリマーには、ポリエステル、ポリアミドな
どが含まれる。
【0018】基材フィルム層は、単層フィルムであって
もよく、二種以上のポリマー層が積層された積層フィル
ムであってもよい。基材フィルム層の厚みは特に制限さ
れず、包装適性、機械的強度、可撓性などを考慮して適
宜選択される。厚みは、通常、3〜200μm、好まし
くは5〜100μm程度である。
【0019】基材フィルム層は、慣用のフィルム成形方
法、例えば、インフレーション法やTダイ法などの溶融
成形法や溶液を用いたキャスティング法などで形成でき
る。また、基材フィルム層は、未延伸であってもよく、
一軸または二軸延伸処理されていてもよい。延伸法とし
ては、例えば、ロール延伸、圧延延伸、ベルト延伸、テ
ンター延伸、チューブ延伸や、これらを組み合わせた延
伸などの慣用の延伸法が適用できる。延伸倍率は、所望
するフィルムの特性に応じて適宜設定でき、例えば、少
なくとも一方の方向に1.5〜20倍、好ましくは2〜
15倍程度である。
【0020】基材フィルム層の少なくとも一方の面は、
表面処理されていてもよい。表面処理としては、コロナ
放電処理、プラズマ処理、グロー放電処理、逆スパッタ
処理、火炎処理、クロム酸処理、溶剤処理、粗面化処理
などが例示される。尚、基材フィルム層のうち、表面処
理を施した面に、無機質層及びバリア性樹脂コーティン
グ層を形成すると、密着性を高めることができる。
【0021】また、基材フィルム層の表面には、表面処
理に代えて、又は表面処理とともに、下塗層が形成され
ていてもよい。下塗層は、種々の樹脂、例えば、熱可塑
性樹脂、熱硬化性樹脂、光線硬化性樹脂(電子線硬化性
樹脂、紫外線硬化性樹脂など)や、カップリング剤で構
成することができる。具体的には、例えば、アクリル系
樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブ
チラール、ポリカーボネート、ニトロセルロースやセル
ロースアセテートなどのセルロース系ポリマー、ロジン
変性マレイン酸樹脂などの熱可塑性樹脂;ウレタン系樹
脂、尿素系樹脂、メラミン系樹脂、尿素−メラミン系樹
脂;エポキシ系樹脂、アルキッド系樹脂、アミノアルキ
ッド系樹脂などの熱硬化性樹脂;エポキシ(メタ)アク
リレート、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステ
ル(メタ)アクリレートなどの光硬化性樹脂;シランカ
ップリング剤などが挙げられる。これらは、一種または
二種以上用いることができる。
【0022】下塗層は、汎用の染料または顔料などの着
色剤を含有していてもよい。着色剤の含有量は、フィル
ムの透明性を損なわない範囲で適宜選択され、前記下塗
層を構成する樹脂に対して、通常、1〜30重量%程度
である。下塗り層の厚さは、特に制限されないが、通
常、0.1〜5μm程度である。
【0023】下塗層の形成方法は特に限定されず、前記
下塗層の成分を含む有機又は水性コーティング剤を、ロ
ールコーティング法、グラビアコーティング法、リバー
スコーティング法、スプレーコーティング法などの慣用
のコーティング法により塗布し、乾燥または硬化するこ
とによって行なわれる。なお、光硬化性樹脂を用いる場
合には、活性光線を照射すればよい。
【0024】本発明の主たる特色は、透明性を有する無
機質層(2)と、バリア性樹脂コーティング層(3)と
を組み合わせて、基材フィルム(1)の表面を特定の順
序で被覆する点にある。この複合構成により、機械的外
力の作用時や高温における透明性及びガスバリア性の低
下を抑制しつつ、前記被覆層が薄くても、優れたガスバ
リア性を有するフィルムが得られる。このことは、次の
ように考えられる。
【0025】即ち、本発明の包装材料は、透明性を有す
る無機質層(2)とバリア性樹脂コーティング層(3)
との親和性が高い。そのため、無機質層が単一層であ
り、かつ被覆層が極めて薄くても、高いガスバリア性が
得られ、透明性に優れるだけでなく、可撓性が低下した
り、外力によりガスバリア性の低下をもたらす剥離や欠
陥が生成することがない。また、無機質層とバリア性樹
脂コーティング層との組み合わせにより、レトルト処理
前であっても、レトルト処理や電磁波加熱などにより高
温に晒されても、例えば、酸素透過率0.5cc/m2
・24hr以下、水蒸気透過率1.0g/m2・24h
r以下という高いガスバリア性を維持できる。しかも、
バリア性樹脂コーティング層は、塗布液を塗布するとい
う簡単な操作で容易に形成できる。さらに、電子レンジ
などの電磁波加熱時のマイクロ波の損失が少ないととも
に、レトルト処理などの高温においても、透明性及びガ
スバリア性の低下を抑制しつつ、長期間に亘り優れたガ
スバリア性を維持できる。
【0026】無機質層(2)を構成する無機物として
は、透明性薄膜を形成できる無機物であれば、特に制限
されず、例えば、ベリリウム、マグネシウム、カルシウ
ム、ストロンチウム、バリウムなどの周期表2A族元
素;チタン、ジルコニウム、ルテニウム、ハフニウム、
タンタルなどの周期表遷移元素;亜鉛などの周期表2B
族元素;アルミニウム、ガリウム、インジウム、タリウ
ムなどの周期表3B族元素;ケイ素、ゲルマニウム、錫
などの周期表4B族元素;セレン、テルルなどの周期表
6B族元素などの単体、これらの元素を含む無機化合
物、例えば、酸化物、ハロゲン化物、炭化物、窒化物な
どが挙げられる。これらは、一種または二種以上混合し
て用いることができる。
【0027】好ましい無機物には、例えば、マグネシウ
ム、カルシウム、バリウムなどの周期表2A族元素;チ
タン、ジルコニウム、タンタル、ルテニウムなどの周期
表遷移元素;亜鉛などの周期表2B族元素;アルミニウ
ム、インジウム、タリウムなどの周期表3B族元素;ケ
イ素、錫などの周期表4B族元素;セレンなどの周期表
6B族元素の単体、またはこれらを含む酸化物が含まれ
る。
【0028】中でも、前記元素を含む酸化物(例えば、
酸化錫、酸化インジウム又はこれらの複合酸化物やケイ
素酸化物など)が透明性やガスバリア性に優れているの
で好ましい。特に、ケイ素酸化物は、前記特性に加え
て、緻密な薄膜を形成でき、バリア性樹脂コーティング
層を構成するポリマーとの親和性が高く、機械的外力が
作用しても、無機質層に亀裂や欠陥が生成せず、高温に
おいても高いガスバリア性を長期間に亘り維持できる。
なお、ケイ素酸化物には、一酸化ケイ素や、二酸化ケイ
素のみならず、組成式SiOx (式中、0<x≦2)で
表されるケイ素酸化物が含まれる。
【0029】これらの無機物のうち、電磁波加熱用包装
材料においては、導電率の低い無機化合物、例えば、酸
化物、ハロゲン化物、炭化物、窒化物などの非導電性無
機物が使用できる。好ましい非導電性無機物には、酸化
物、例えば、ケイ素酸化物などが含まれる。
【0030】無機質層の厚さは、通常、100〜500
0オングストローム(0.01〜0.5μm)、好まし
くは300〜1500オングストローム(0.03〜
0.15μm)程度の範囲から選ばれる。厚さが100
オングストローム未満では、十分なガスバリア性が得ら
れず、5000オングストロームを越えても、バリア性
はさほど向上せず、経済的に不利である。
【0031】バリア性樹脂コーティング層は、前記の如
き高いガスバリア性を示す樹脂、例えば、塩化ビニリデ
ン系共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、
ポリアミド系重合体、ポリビニルアルコール系重合体、
ポリアクリロニトリル系重合体、ウレタン系重合体など
を含んでいる。なお、ガスバリア性樹脂コーティング層
のバリア性樹脂には、前記ガスバリア特性を示さない樹
脂、例えば、一般的なウレタン系重合体などは含まれな
い。これらのバリア性樹脂は一種又は二種以上混合して
使用できる。
【0032】好ましいバリア性樹脂には、例えば、塩化
ビニリデン系共重合体およびエチレン−ビニルアルコー
ル共重合体などが含まれる。塩化ビニリデン系共重合体
は、塩化ビニリデンと他の重合性モノマーとの共重合体
であり、このような重合性モノマーとしては、例えば、
塩化ビニル、酢酸ビニル、クロトン酸、アクリル酸、メ
チルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアク
リレート、イソプロピルアクリレート、ブチルアクリレ
ート、イソブチルアクリレート、tert−ブチルアク
リレート、ペンチルアクリレート、ヘキシルアクリレー
トなどの各種アクリレート、アクリロニトリル、メタク
リロニトリル、メタクリル酸や上記アクリレートに対応
するメタクリレートなどが例示される。これらの塩化ビ
ニリデン系共重合体のうち、塩化ビニリデン−アクリロ
ニロリル共重合体、塩化ビニリデン−メタクリル酸共重
合体、塩化ビニリデン−アクリレート共重合体、塩化ビ
ニリデン−メタクリレート共重合体、塩化ビニリデン−
酢酸ビニル共重合体などが好ましい。塩化ビニリデン系
共重合体における塩化ビニリデン含量は、通常、85〜
99重量%、好ましくは90〜97重量%程度である。
このような塩化ビニリデン系共重合体は、塩化ビニリデ
ン含量が多いため、加熱処理しても、高い透明性とガス
バリア性を維持できる。
【0033】エチレン−ビニルアルコール共重合体とし
ては、溶媒可溶性のエチレン−ビニルアルコール共重合
体が好ましい。このようなエチレン−ビニルアルコール
共重合体において、エチレン含量は、通常、5〜50モ
ル%、好ましくは10〜45モル%、より好ましくは2
5〜35モル%程度であり、分子量は、通常、1万〜1
0万、好ましくは4万〜5万程度、ケン化度99.5%
以上であるのが望ましい。このような溶媒可溶性エチレ
ン−ビニルアルコール共重合体は、水や、水とアルコー
ルとの混合溶媒に可溶であり、塗布により薄膜を形成で
きる。
【0034】バリア性樹脂コーティング層は、所望のガ
スバリア性(酸素、水蒸気、二酸化炭素など)に応じ
て、前記バリア性樹脂(好ましくは塩化ビニリデン系共
重合体およびエチレン−ビニルアルコール共重合体)の
少なくとも一つの樹脂を含有してもよく、複数の樹脂を
含有してもよい。また、バリア性樹脂コーティング層
は、バリア性樹脂を含有する複数の層で構成されていて
もよい。例えば、バリア性樹脂コーテイング層は、塩化
ビニリデン系共重合体を含有する層と、エチレン−ビニ
ルアルコール共重合体を含有する層とを含む複数の層で
構成されていてもよい。バリア性樹脂コーティング層中
のバリア性樹脂の含有量は、50重量%以上、好ましく
は75〜100重量%、さらに好ましくは90〜100
重量%程度である。
【0035】バリア性樹脂コーティング層の厚さは、フ
ィルムの特性を損なわない範囲で適宜選択されるが、通
常、0.05〜15μm、好ましくは0.1〜10μ
m、より好ましくは0.25〜5μm程度である。厚さ
が0.05μm以下では充分なガスバリア性が得られ
ず、15μmを越えると、さほどガスバリア性が向上せ
ず、経済的に不利であるとともに、電磁波加熱時のマイ
クロ波の損失が大きくなり易い。
【0036】本発明において、無機質層(2)とバリア
性樹脂コーティング層(3)との厚さの割合は、適宜設
定することができるが、前記厚さの割合は、ガスバリア
性に影響する。このため、高いガスバリア性及び耐性を
得るためには、無機質層の厚さn1 (μm)に対するバ
リア性樹脂コーティング層の厚さn2 (μm)の割合n
2 /n1 が、通常、0.1〜1500、好ましくは、
0.5〜60、より好ましくは2〜50程度であるのが
望ましい。厚さの割合が前記範囲を外れると、十分なガ
スバリア性を得るのが困難となり、0.1未満では、無
機質層に欠陥が生じ易く、1500を越えても、さほど
ガスバリア性が向上せず、経済的でない。
【0037】バリア性樹脂コーティング層の表面には、
必要に応じて、前記基材フィルム層において例示したよ
うな慣用の表面処理が施されていてもよい。
【0038】袋体を容易に形成するため、前記バリア性
樹脂コーティング層(3)はヒートシール層(4)で被
覆されている。また、ヒートシール層(4)は、基材フ
ィルム層(1)の他方の面に形成してもよい。この場
合、基材フィルム(1)の一方の面を、少なくとも前記
無機質層(2)及びバリア性樹脂コーティング層(3)
で被覆すればよい。
【0039】ヒートシール層を構成するポリマーとして
は、熱接合性ポリマー、例えば、オレフィン系ポリマ
ー、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、ポリエステル、
ポリアミド、ゴム系ポリマーなどが挙げられる。これら
の熱接合性ポリマーは、一種又は二種以上混合して使用
できる。
【0040】熱接合性オレフィン系ポリマーには、例え
ば、低密度ポリエチレンや直鎖状低密度ポリエチレンな
どのポリエチレン、エチレン−ブテン−1共重合体、エ
チレン−(4−メチルペンテン−1)共重合体、エチレ
ン−ヘキセン−1共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重
合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレ
ン−(メタ)アクリレート共重合体、アイオノマー、ポ
リプロピレン、プロピレン−ブテン−1共重合体、エチ
レン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ブ
テン−1共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン共重
合体、無水マレイン酸変性ポリエチレンや無水マレイン
酸ポリプロピレンなどの変性ポリオレフィンなどが挙げ
られる。好ましいオレフィン系ポリマーには、エチレン
−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共
重合体、非晶質ポリオレフィン(例えば、アモルファス
ポリプロピレンなど)などが含まれる。ラミネートによ
りヒートシール層を形成する場合、好ましい熱接合性フ
ィルムには、無延伸ポリプロピレンフィルムが含まれ
る。
【0041】熱接合性ポリエステルには、脂肪族ジオー
ルおよび脂肪族ジカルボン酸のいずれか一方の成分を構
成単位として含むポリエステル、特に、脂肪族ジオール
と脂肪族ジカルボン酸を構成成分とする脂肪族ポリエス
テルが含まれる。好ましい熱接合性ポリエステルは、飽
和脂肪族カルボン酸の単位を含む場合が多い。脂肪族ジ
オール成分には、例えば、エチレングリコール、ジエチ
レングリコール、トリエチレングリコール、プロピレン
グリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレン
グリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタン
ジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサン
ジオール、ポリメチレングリコールなどが含まれ、脂肪
族ジカルボン酸成分としては、例えば、マレイン酸、フ
マル酸などの不飽和脂肪族ジカルボン酸、無水コハク
酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、スベリン
酸、ドデカン酸などの飽和脂肪族ジカルボン酸などが挙
げられる。
【0042】熱接合性ポリアミドとしては、例えば、ナ
イロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン1
3、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン616
などや、これらのナイロン原料を用いた共重合ナイロン
(例えばナイロン6/12など)などが例示される。好
ましいポリアミドには、ナイロン11、ナイロン12、
ナイロン6/12などが含まれる。
【0043】ゴム系ポリマーには、例えば、ブチルゴ
ム、イソブチレンゴム、クロロプレンゴム、スチレン−
アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重
合体、スチレン−アクリロニトリル−ブタジエン共重合
体などが含まれる。
【0044】好ましいヒートシール層用のポリマーに
は、オレフィン系ポリマー、酢酸ビニル−塩化ビニル共
重合体、ポリエステル、ポリアミドなどが含まれる。
【0045】ヒートシール層の厚さは、包装材料の用途
などに応じて、例えば、3〜100μm程度の範囲で適
宜選択でき、フィルムのラミネートによりヒートシール
層を形成する場合には、例えば、20〜100μm、好
ましくは30〜80μm程度である。
【0046】ヒートシール層は、バリア性樹脂コーティ
ング層の表面の所定の部位、例えば、ヒートシールに供
される部位に形成すればよいが、バリア性樹脂コーティ
ング層の表面全体に形成する場合が多い。また、ヒート
シール層は、前記のように、基材フィルム層の他方の面
のヒートシール部位又は全体に形成してもよい。
【0047】なお、基材フィルム層は、種々の添加剤、
例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤などの安
定剤;カチオン系、アニオン系、ノニオン系、両性帯電
防止剤などの帯電防止剤;結晶核成長剤;スチレン系樹
脂、テルペン系樹脂、石油樹脂、ジシクロペンタジエン
樹脂、クマロンインデン樹脂などのクマロン樹脂、フェ
ノール樹脂、ロジンとその誘導体やそれらの水添樹脂な
どの炭化水素系重合体;可塑剤;充填剤;高級脂肪酸ア
ミド、高級脂肪酸とその塩、高級脂肪酸エステル、鉱物
系、植物系などの天然ワックス、ポリエチレンなどの合
成ワックスなどのワックス;シリカ系微粉末、アルミナ
系微粉末などの無機滑剤、ポリエチレン系微粉末、アク
リル系微粉末などの有機滑剤などの微粉末状滑剤;着色
剤などを含有していてもよい。
【0048】また、バリア性樹脂コーティング層は、他
のポリマー、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、
エチレン−アクリル酸エチル共重合体などのオレフィン
系ポリマー;アクリル系ポリマー;スチレン系ポリマ
ー;ポリエステル;ポリアセタール;ポリ酢酸ビニル;
ポリ塩化ビニル;塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体;ポ
リアミド;ウレタン系重合体;アクリロニトリル系重合
体;ポリカーボネート;塩素化ポリオレフィン;セルロ
ース系ポリマーなどを含有していてもよい。
【0049】バリア性樹脂コーティング層、ヒートシー
ル層は、必要に応じて、前記添加剤を含んでいてもよ
く、バリア性樹脂コーティング層は、アンチブロッキン
グ剤;ポリエチレンイミン、ポリイソシアネートなどの
接着性向上剤などを含んでいてもよい。
【0050】本発明の包装材料は、基材フィルム層
(1)の少なくとも一方の面を、透明性を有する無機質
層(2)とバリア性樹脂コーティング層(3)とヒート
シール層(4)とで順次被覆する方法、または基材フィ
ルム層(1)の一方の面を、透明性を有する無機質層
(2)とバリア性樹脂コーティング層(3)とで順次被
覆し、基材フィルム層(1)の他方の面をヒートシール
層(4)で被覆する方法により得ることができる。
【0051】無機質層(2)は、慣用の方法、例えば、
真空蒸着法、反応性蒸着法、スパッタリング法、反応性
スパッタリング法、イオンプレーティング法、反応性イ
オンプレーティング法、CVD法、プラズマCVD法、
レーザーCVD法などにより、基材フィルム層(1)の
表面を、前記無機物で被覆することにより形成できる。
無機質層は基材フィルム層の片面又は両面に形成でき
る。
【0052】また、バリア性樹脂コーティング層は、前
記無機質層の表面に、バリア性樹脂を含有する塗布液を
塗布することにより形成できる。塗布液は、バリア性樹
脂の種類に応じて、適当な溶媒を選択することにより調
製でき、溶液又は分散液のいずれの形態であってもよ
い。
【0053】例えば、塩化ビニリデン系共重合体を含有
する溶液状の塗布液の溶媒としては、塩化ビニリデン系
共重合体の種類に応じて適宜選択でき、例えば、アセト
ン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケト
ン類;ジオキサン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフ
ランなどのエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレン
などの芳香族炭化水素類;酢酸エチル、酢酸ブチルなど
のエステル類;ジメチルホルムアミドなどのアミド類や
これらの混合溶媒が例示される。また、分散液は、通
常、O/W型エマルジョンの形態で市販されている。
【0054】エチレン−ビニルアルコール共重合体を含
有する塗布液は、通常、水及びアルコールの混合溶媒を
用いて調製できる。このようなアルコールとしては、メ
タノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノー
ル、シクロヘキサノールなどが例示される。
【0055】上記塗布液は、前記各種添加剤を含有して
いてもよく、また、塗布性を高めるため、例えば消泡
剤、粘度調整剤などの慣用の添加剤を含有していてもよ
い。
【0056】塗布方法としては、特に制限されず、エア
ーナイフコート法、ロールコート法、グラビアコート
法、ブレードコーター法、ディップコート法、スプレー
法などの慣用の方法を採用できる。前記塗布液を塗布し
た後、例えば50〜150℃程度の温度で乾燥すること
により、バリア性樹脂コーティング層を形成できる。
【0057】ヒートシール層は、熱接合性ポリマーの種
類などに応じて慣用の方法、例えば、ドライラミネート
法、押出しラミネート法、塗布法などにより形成でき
る。
【0058】なお、本発明のガスバリア性フィルムに
は、フィルムの種類、用途に応じて、種々のコーティン
グ層やラミネート層、例えば、滑性層、帯電防止層、装
飾用印刷フィルム層や、ナイロンフィルムなどによる補
強層などが形成されていてもよい。
【0059】本発明のガスバリア性包装材料は、高温に
晒されても、前記のように高いガスバリア性を示し、透
明性が高いという特色がある。そのため、包装材料は、
電子レンジ用食品、レトルト食品、冷凍食品、マイクロ
波殺菌、フレーババリア、医薬品、精密電子部品などの
各種包装用材料や、風船などのバルーン用形成材料など
として好適に用いることができる。また、食品などを包
装すると、劣化や変質を抑制しつつ、内容物を長期間に
亘り保存できる。
【0060】本発明の包装材料を用いた包装体の形態は
特に制限されないが、例えば、ハンバーグ、シューマ
イ、ギョーザなどの固形物の包装袋、カレー、スープ、
コーヒー、紅茶などの液状物の包装袋として用いること
ができる。これらの食品を収容した包装袋は、そのま
ま、レトルト処理また電子レンジ加熱できる。また、酒
パックなどの紙製容器の内袋として使用することによ
り、電子レンジ加熱などにより、内容物を加熱でき、例
えば、いわゆるかんを行なうこともできる。
【0061】本発明の包装材料による包装形態として
は、袋、カップ、チューブ、スタンディングバック、ト
レイなどの容器、フタ材や、酒、醤油、みりん、油、牛
乳、ジュースなどの紙パックの内貼り材などが例示され
る。
【0062】
【発明の効果】本発明のガスバリア性包装材料は、基材
フィルム層の表面を、透明性を有する無機質層及びバリ
ア性樹脂コーティング層で被覆しているので、被覆層が
薄くても、透明性およびガスバリア性が高く、ヒートシ
ール層を利用して袋を容易に形成できる。しかも、高温
に晒されても、透明性やガスバリア性の低下を抑制で
き、内容物を長期保存できる。また、電磁波加熱時のマ
イクロ波の損失が小さく、電磁波加熱やレトルト処理な
どに供される食品などを、品質の劣化や変質を抑制しつ
つ、包装できる。
【0063】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明をより詳細に
説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるも
のではない。
【0064】実施例1 厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフ
ィルムの一方の表面に、SiOを蒸発源として、5×1
-5Torrの真空下で、真空蒸着法により厚さ100
0オングストロームのケイ素酸化物蒸着層を形成した。
【0065】塩化ビニリデン系共重合体(旭化成工業
(株)製、商品名サランレジンF216)を、トルエン
/テトラヒドロフラン=1/2(重量比)の混合溶媒
に、樹脂濃度が15重量%になるように溶解し、バリア
性樹脂コーティング層塗布液を調製した。この塗布液
を、前記蒸着面に、乾燥後の厚さ1μmになるように塗
布した後、乾燥し、バリア性樹脂コーティング層を形成
した。
【0066】さらに、バリア性樹脂コーティング層の表
面に、ポリエステル系接着剤を3μmの厚さに塗布し、
80℃で20秒間乾燥後、2kg/cm2 の加圧下で1
00℃、1秒間の条件で、厚さ40μmの無延伸ポリプ
ロピレンフィルムをドライラミネートして、包装用フィ
ルムを作製した。
【0067】実施例2 エチレン−ビニルアルコール共重合体(日本合成化学工
業(株)製、商品名:ソアノール30L)を、水/イソ
プロパノール=1/1(重量比)の混合溶媒に溶解し、
樹脂濃度を12重量%に調整して、バリア性樹脂コーテ
ィング層用塗布液を調製した。実施例1の塗布液に代え
て、エチレン−ビニルアルコール共重合体を含む前記塗
布液を用いる以外、実施例1と同様にして、包装用フィ
ルムを作製した。
【0068】実施例3 基材フィルムとして厚さ20μmの二軸延伸ナイロンフ
ィルムを用い、このフィルムの一方の表面に、SiOを
蒸発源として、5×10-5Torrの真空下で、真空蒸
着法により厚さ600オングストロームのケイ素酸化物
蒸着層を形成する以外、実施例1と同様にして、包装用
フィルムを作製した。
【0069】参考例1 実施例1と同様にして形成したケイ素酸化物蒸着面に、
バリア性樹脂コーティング層塗布液を乾燥後の厚さ0.
5μmとなるように塗布する以外、実施例1と同様にし
て、包装用フィルムを作製した。
【0070】実施例 実施例1と同様にして基材フィルムの一方の面に形成し
たバリア性樹脂コーティング層の表面に、二液ウレタン
系接着剤を2μmの厚さに塗布し、80℃で10秒間乾
燥後、2.5kg/cm2の加圧下で、厚さ50μmの直
鎖低密度ポリエチレンフィルムをドライラミネートする
以外、実施例1と同様にして、包装用フィルムを作製し
た。
【0071】比較例1 バリア性樹脂コーティング層を形成することなく、無機
質層の表面に、実施例1と同様にして、ポリエステル系
接着剤により、厚さ40μmの無延伸ポリプロピレンフ
ィルムをドライラミネートし、包装用フィルムを作成し
た。
【0072】比較例2 ケイ素酸化物蒸着層を形成することなく、厚さ12μm
のポリエチレンテレフタレートフィルムに、実施例1の
塩化ビニリデン系共重合体を含む塗布液を塗布し、乾燥
後の厚さ5μmのバリア性樹脂コーティング層を形成し
た後、実施例1と同様にして、ポリエステル系接着剤に
より、厚さ40μmの無延伸ポリプロピレンフィルムを
ドライラミネートし、包装用フィルムを作製した。
【0073】比較例3 厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートフィルム
に、厚さ12μmのアルミニウム箔をドライラミネート
した後、実施例1と同様にして、ポリエステル系接着剤
により、厚さ40μmの無延伸ポリプロビレンフィルム
をドライラミネートし、包装用フィルムを作製した。
【0074】得られた包装用フィルムのガスバリア性、
透明性、電子レンジ適性を、次のようにして調べた。
【0075】ガスバリア性試験:酸素ガス透過率はMO
CON法、水蒸気透過率はJIS−Z−0208に従っ
て、酸素ガス、水蒸気の透過率を測定した。
【0076】透明性:130℃、20分間のレトルト処
理の前後で目視により評価した。
【0077】電子レンジ適性:実施例1、2および比較
例1〜3の包装用フィルムを袋にし、各袋にスパゲティ
ー用ミートソース200gを詰めて、家庭用電子レンジ
で加熱した。電子レンジ加熱の所要時間は、比較例2の
フィルムが95秒程度であったのに対して、実施例1、
2および比較例1のフィルムは75秒程度であった。な
お、比較例3のフィルムは導電性のアルミニウム箔がス
パークし、電子レンジによる加熱ができなかった。
【0078】電子レンジ適性は、これらの結果に基づい
て、下記の基準により総合的に評価した。
【0079】○:電子レンジによる加熱が可能であり、
かつ時間が短い △:電子レンジによる加熱が可能であるが、時間が長い ×:電子レンジによる加熱が不可能 得られた結果を表に示す。
【0080】
【表1】 表から明らかなように、実施例のフィルムは比較例のフ
ィルムに比べて、高い透明性及びガスバリア性を有し、
しかも加熱により、これらの特性がさほど低下しない。
従って、実施例のフィルムは、レトルト処理及び電子レ
ンジ加熱において、総合的に優れた適性を有する。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−9317(JP,A) 特開 平6−246868(JP,A) 特開 昭60−244540(JP,A) 特開 平2−58023(JP,A) 特開 平2−34328(JP,A) 特開 平1−267032(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オレフィン系ポリマー、ポリエステル又
    はポリアミドで構成された基材フィルム層(1)の少な
    くとも一方の面が、透明性を有する無機質層(2)を介
    して、塗布により形成されたバリア性樹脂コーティング
    層(3)で被覆されているとともに、このバリア性樹脂
    コーティング層(3)がヒートシール層(4)で被覆さ
    れているガスバリア性包装材料であって、前記バリア性
    樹脂コーティング層(3)の厚さが0.25〜5μmで
    あり、無機質層(2)の厚さn1(μm)に対するバリ
    ア性樹脂コーティング層(3)の厚さn2(μm)の割
    合n2/n1が10/1〜50/3であり、前記バリア
    性樹脂コーティング層(3)が、実質的にSiO2粒子
    を含まず、レトルト処理前の酸素透過率が0.05〜
    0.5cc/m 2 ・24hr、及びレトルト処理前の
    蒸気透過率が0.3〜1.0g/m 2 ・24hrのガス
    バリア性包装材料。
  2. 【請求項2】 オレフィン系ポリマー、ポリエステル又
    はポリアミドで構成された基材フィルム層(1)の一方
    の面が、透明性を有する無機質層(2)を介して、塗布
    により形成されたバリア性樹脂コーティング層(3)で
    被覆されているとともに、前記基材フィルム層(1)の
    他方の面がヒートシール層(4)で被覆されているガス
    バリア性包装材料であって、前記バリア性樹脂コーティ
    ング層(3)の厚さが、0.25〜5μmであり、無機
    質層(2)の厚さn1(μm)に対するバリア性樹脂コ
    ーティング層(3)の厚さn2(μm)の割合n2/n
    1が10/1〜50/3であり、前記バリア性樹脂コー
    ティング層(3)が、実質的にSiO2粒子を含まず、
    レトルト処理前の酸素透過率が0.05〜0.5cc/
    2 ・24hr、及びレトルト処理前の水蒸気透過率
    0.3〜1.0g/m 2 ・24hrのガスバリア性包装
    材料。
  3. 【請求項3】 バリア性樹脂コーティング層(3)が、
    塩化ビニリデン系共重合体又はエチレン−ビニルアルコ
    ール系共重合体を含む請求項1又は2記載のバリア性包
    装材料。
  4. 【請求項4】 透明性を有する無機質層(2)がケイ素
    酸化物で構成されている請求項1又は2記載のガスバリ
    ア性包装材料。
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