JP3441594B2 - バリア性複合フィルムおよびその製造方法 - Google Patents
バリア性複合フィルムおよびその製造方法Info
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Description
気成分などに対するガスバリア性に優れ、乾燥食品の保
存用フィルム、食品のレトルト処理や電子レンジ加熱用
フィルム、医薬品、精密電子部品などの包装フィルム、
風船や気球などの製作用フィルムとして好適なバリア性
複合フィルムおよびその製造方法に関する。
被覆すると、基材フィルムのバリア性を大きく改善で
き、耐熱性、機械的特性などの他の特性との関係から基
材の選択幅を拡げることができる。また、無機酸化物の
薄膜上に、合成樹脂層を形成することにより、バリア性
フィルムにヒートシール性を付与したり、無機酸化物の
薄膜層を保護することが提案されている。例えば、特開
昭60−27532号公報には、ポリオレフィン系フィ
ルムの無機酸化物の薄膜にドライラミネート又は押出ラ
ミネートによりポリマー層を形成すること、特開昭63
−237940号公報には、酸化インジウムや酸化スズ
などをスパッタリングしたフィルムに、エチレン−プロ
ピレン共重合体などのヒートシール層を形成した複合フ
ィルムが開示されている。特開平1−202435号公
報や特開平1−202436号公報には、基材フィルム
の表面に、ケイ素酸化物の蒸着層と、ヒートシール層又
は保護層とを形成した電子レンジ用包装材料やレトルト
食品用包装材料が開示され、前記ヒートシール層は、ポ
リプロピレンなどのヒートシール性樹脂フィルムのラミ
ネートにより形成され、保護層は、フィルムのラミネー
トや、熱硬化性樹脂のコーティングにより形成されてい
る。特開平1−297237号公報には、フィルムの無
機酸化物の薄膜への二軸延伸ナイロンフィルムのラミネ
ート、特開平3−86539号公報には、フィルム上の
無機酸化物の薄膜への塩化ビニリデン系樹脂などのラミ
ネートや塗布が開示され、特開平4−173137号公
報には、フィルムの無機酸化物の薄膜への塩化ビニル−
酢酸ビニル共重合体、ポリアミド、ポリエステル、アク
リル樹脂の塗布や、ホットメルトコーテング剤の塗布が
開示されている。
ー層を形成する場合、加工時の熱と機械的外力により、
基材フィルムを被覆する無機質薄膜層に亀裂や欠陥が生
じ、バリア性が著しく低下する。また、ドライラミネー
ト加工によりフィルムを積層する場合でも、貼合せや接
着剤の塗布時に機械的外力が作用し、基材フィルム上の
無機質薄膜層の破壊が生じ易い。さらに、コーティング
により無機質薄膜層上に保護層などを形成する場合、コ
ーティングによるバリア性の向上が発現しないだけでな
く、機械的外力の作用により無機質薄膜層が直ちに破壊
し、バリア性が大きく低下する。さらには、フィルム上
に形成された無機酸化物の薄膜へ、塩化ビニリデン系樹
脂などをラミネートや塗布する場合も含めて前記のフィ
ルムは、いずれも、基材フィルムに対する無機酸化物の
薄膜層の密着性が小さいだけでなく、機械的外力が作用
する包装材料や、高温多湿下で使用される包装材料など
として使用すると、高い密着性および高いバリア性を長
期間に亘り維持することが困難である。さらに、食品、
医薬品、精密電子部品などに用いられる包装フィルム
は、内容物の視認性や美観性などのために、高い透明性
が要求される。しかし、前記無機質薄膜層の密着性の低
下に伴って透明性も低下しやすい。このように、従来の
フィルムは、加工や使用に伴う機械的外力の作用による
バリア性の低下を抑制することが困難である。特に、可
撓性や透明性に加えて、被覆層が薄くても優れたバリア
性を有するフィルムを得ることができず、内容物の保護
効果及び内容物の視認性が未だ不十分である。
は、基材フィルムと無機質薄膜層との密着力およびガス
バリア性が大きく改善されたバリア性複合フィルムおよ
びその製造方法を提供することにある。本発明の他の目
的は、折曲や揉みなどの機械的外力が作用したり、高温
多湿下で使用しても、基材フィルムと無機質薄膜層との
高い密着性を維持しつつ、ガスバリア性の低下を抑制で
きるバリア性複合フィルムおよびその製造方法を提供す
ることにある。本発明のさらに他の目的は、被覆層が薄
くても、高いバリア性を有するとともに、透明性の高い
バリア性複合フィルムおよびその製造方法を提供するこ
とにある。本発明の別の目的は、印刷、ラミネート加工
後の残留溶剤量が極めて少いバリア性複合フィルムおよ
びその製造方法を提供することにある。本発明のさらに
別の目的は、機械的外力が作用したり、電子レンジ加
熱、レトルト処理などによる高温高湿の環境に晒されて
も、透明性やガスバリア性の低下を抑制できるととも
に、劣化や変質を抑制しつつ内容物を長期保存できるバ
リア性複合フィルムおよびその製造方法を提供すること
にある。
を達成するため、鋭意検討した結果、基材フィルム層の
表面に形成した無機質薄膜層に、バリア性樹脂およびシ
ランカップリング剤を含む塗布剤をコーティングする
と、基材フィルム層に対する無機質薄膜層の密着性のみ
ならずガスバリア性も改善でき、機械的外力の作用や高
温高湿下でもバリア性が低下しないことを見いだし、本
発明を完成した。すなわち、本発明のバリア性複合フィ
ルムは、基材フィルム層の少なくとも一方の面が、無機
質薄膜層を介して、シランカップリング剤を含むバリア
性樹脂コーティング層で被覆されているバリア性複合フ
ィルムであって、前記シランカップリング剤の割合は、
バリア性樹脂コーティング層を構成するバリア性樹脂1
00重量部に対して0.05〜10重量部である。前記
基材フィルム層は、種々のポリマー、例えば、オレフィ
ン系ポリマー、ポリエステル、ポリアミドなどで形成で
きる。無機質薄膜層は、例えば、周期表2A族元素、遷
移元素、2B族元素、3B族元素、4B族元素、6B族
元素などの種々の金属単体又はその無機化合物で構成で
きる。さらに、バリア性樹脂コーティング層は、シラン
カップリング剤(例えば、ハロゲン原子、エポキシ基、
アミノ基、ヒドロキシル基、メルカプト基、ビニル基、
(メタ)アクリロイル基から選択された少くとも一種の
官能基と、アルコキシ基とを有するケイ素化合物)と、
バリア性樹脂(塩化ビニリデン系共重合体、エチレン−
ビニルアルコール共重合体など)とを含む塗布液を塗布
することにより形成できる。前記基材フィルム層の他方
の面またはバリア性樹脂コーティング層は、ヒートシー
ル層で被覆してもよい。前記無機質薄膜層の厚みは10
0〜5000オングストローム程度、バリア性樹脂コー
ティング層の厚みは0.05〜15μm程度であっても
よい。また、無機質薄膜層の厚さt(μm)に対するバ
リア性樹脂コーティング層の厚さT(μm)の割合T/
tは0.1〜1500程度の範囲から選択できる。本発
明のバリア性複合フィルムには、基材フィルム層の少く
とも一方の面に、無機質薄膜層が形成され、この薄膜層
上にバリア性樹脂を主成分とするコーティング層が形成
されたバリア性複合フィルムであって、温度40℃、相
対湿度90%RHで1週間保存した後の基材フィルム層
に対するコーティング層の剥離強度が100g/15m
m以上であるバリア性複合フィルムも含まれる。
コーティング層」とは、厚さ2μmにおいて、温度25
℃で酸素ガス透過率20cc/m2・24時間以下、温
度40℃、90%相対湿度で水蒸気透過率20g/m2
・24時間以下のバリア性樹脂を含む層を意味する。ま
た、「ヒートシール層」とは、ヒートシーラーによる熱
接合に限らず、インパルスシール、高周波接合、超音波
接合などの方法により熱接合可能な層を意味する。
ーとしては、成膜可能な種々のポリマー、例えば、ポリ
エチレン、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、アイ
オノマー、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重
合体、ポリ−4−メチルペンテン−1などのポリオレフ
ィン;ポリアルキレンテレフタレート(ポリエチレンテ
レフタレート、ポリブチレンテレフタレートなど)、ポ
リエチレン−2,6−ナフタレートなどのポリエステ
ル;ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロ
ン66、ナイロン610、ナイロン6/66、ナイロン
66/610、ナイロンMXDなどのポリアミド;ポリ
塩化ビニル;ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニリデン−塩
化ビニル共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル
共重合体、塩化ビニリデン−(メタ)アクリル酸エステ
ル共重合体などの塩化ビニリデン系樹脂;ポリスチレ
ン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−
アクリロニトリル−ブタジエン共重合体などのスチレン
系樹脂;ポリビニルアルコール;ポリアミドイミド;ポ
リイミド;ポリエーテルイミド;ポリカーボネート;ポ
リスルホン;ポリエーテルスルホン;ポリエーテルエー
テルケトン;ポリアリレート;ポリフェニレンスルフィ
ド;ポリフェニレンオキシド;ポリパラキシレン;ポリ
アクリロニトリル;ポリテトラフルオロエチレン、ポリ
トリフルオロクロロエチレン、フッ化エチレン−プロピ
レン共重合体などのフッ素樹脂;セロハンなどのセルロ
ース系ポリマー;塩酸ゴム;前記種々のポリマーの構成
成分を含む共重合体などが例示される。これらのポリマ
ーは、一種または二種以上を混合して用いることができ
る。
例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤などの安
定剤;カチオン系、アニオン系、ノニオン系、両性帯電
防止剤などの帯電防止剤;結晶核成長剤;スチレン系樹
脂、テルペン系樹脂、石油樹脂、ジシクロペンタジエン
樹脂、クマロンインデン樹脂などのクマロン樹脂、フェ
ノール樹脂、ロジンとその誘導体やそれらの水添樹脂な
どの炭化水素系重合体;可塑剤;充填剤;高級脂肪酸ア
ミド、高級脂肪酸とその塩、高級脂肪酸エステル、鉱物
系、植物系などの天然ワックス、ポリエチレンなどの合
成ワックスなどのワックス;シリカ系微粉末、アルミナ
系微粉末などの無機滑剤、ポリエチレン系微粉末、アク
リル系微粉末などの有機滑剤などの微粉末状滑剤;着色
剤などを含有していてもよい。
択でき、包装内容物の視認性と美観のためには、白色光
線での全光線透過率が、通常、40%以上、好ましくは
60%以上、より好ましくは80%以上であることが望
ましい。
(特にポリプロピレン系ポリマーなど)、ポリエステル
(特にポリエチレンテレフタレートなどのポリアルキレ
ンテレフタレート)、ポリアミド、スチレン系ポリマ
ー、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリカーボ
ネート、ポリアクリロニトリルなどで構成されているの
が好ましい。オレフィン系ポリマー、ポリエステル、ポ
リアミドは、透明性、機械的強度及び包装適性に優れ
る。レトルト処理、電磁波加熱用食品の包装材料には、
透明性、機械的強度及び包装適性に優れる耐熱性の高い
ポリマー、例えば、ポリプロピレン、ポリエステル、ポ
リアミド、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリ
カーボネート、ポリアクリロニトリルなどが好ましい。
特に好ましい基材フィルム層を構成するポリマーには、
ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミドなどが含ま
れる。
もよく、一種又は二種以上のポリマー層が積層された積
層フィルムであってもよい。基材フィルム層の厚みは特
に制限されず、包装適性、機械的強度、可撓性などを考
慮して適宜選択される。基材フィルム層の厚みは、通
常、3〜200μm、好ましくは5〜100μm、さら
に好ましくは10〜50μm(例えば、10〜30μ
m)程度である。
法、例えば、インフレーション法、Tダイ法などの溶融
成形法や、溶液を用いたキャスティング法などで形成で
きる。また、基材フィルム層は、未延伸であってもよ
く、一軸または二軸延伸処理されていてもよい。延伸法
としては、例えば、ロール延伸、圧延延伸、ベルト延
伸、テンター延伸、チューブ延伸や、これらを組み合わ
せた延伸などの慣用の延伸法が適用できる。延伸倍率
は、所望するフィルムの特性に応じて適宜設定でき、例
えば、少なくとも一方の方向に1.5〜20倍、好まし
くは2〜15倍程度である。
表面処理されていてもよい。表面処理としては、コロナ
放電処理、プラズマ処理、グロー放電処理、逆スパッタ
処理、火炎処理、クロム酸処理、溶剤処理、粗面化処理
などが例示される。尚、基材フィルム層のうち、表面処
理を施した面に、無機質薄膜層及びバリア性樹脂コーテ
ィング層を形成すると、密着性を高めることができる。
理に代えて、又は表面処理とともに、下塗層が形成され
ていてもよい。下塗層は、種々の樹脂、例えば、熱可塑
性樹脂、熱硬化性樹脂、光線硬化性樹脂(電子線硬化性
樹脂、紫外線硬化性樹脂など)や、カップリング剤で構
成することができる。下塗層の成分の具体的としては、
例えば、アクリル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重
合体、ポリビニルブチラール、ポリカーボネート、ニト
ロセルロースやセルロースアセテートなどのセルロース
系ポリマー、ロジン変性マレイン酸樹脂などの熱可塑性
樹脂;ウレタン系樹脂、尿素系樹脂、メラミン系樹脂、
尿素−メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂などの熱硬化性
樹脂;エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メ
タ)アクリレートなどの光硬化性樹脂;シランカップリ
ング剤などが挙げられる。これらは、一種または二種以
上用いることができる。下塗層は、汎用の染料または顔
料などの着色剤を含有していてもよい。着色剤の含有量
は、フィルムの透明性を損なわない範囲で適宜選択さ
れ、前記下塗層を構成する樹脂に対して、通常、1〜3
0重量%程度である。下塗り層の厚さは、特に制限され
ず、通常、0.1〜5μm程度である。下塗層の形成方
法は特に限定されず、前記下塗層の成分を含む有機又は
水性コーティング剤を、ロールコーティング法、グラビ
アコーティング法、リバースコーティング法、スプレー
コーティング法などの慣用のコーティング法により塗布
し、乾燥または硬化することによって行なわれる。な
お、光硬化性樹脂を用いる場合には、活性光線を照射す
ればよい。
に透明性を有する無機質薄膜層)と、シランカップリン
グ剤を含有するバリア性樹脂コーティング層とを組み合
わせて、基材フィルムの表面を被覆する点にある。元
来、基材フィルム上に形成された無機質薄膜層(特に透
明性を有する無機質薄膜層)は、アルミニウムホイル、
ガラスやタイルと異なり、全体的に均質な薄膜ではな
く、バリア性の劣る不均質な界面やピンホールが存在す
る薄膜であると推測される。本発明では、バリア性樹脂
コーティング層により無機質薄膜層に点在しているバリ
ア性の劣る部分を埋め込むため、バリア性樹脂フィルム
のラミネート加工とは異なり、バリア性の劣化を効率よ
く抑制できる。また、非バリア性樹脂のコーティング層
を形成することにより、無機質薄膜層を透過する気体の
拡散を多少抑制できるかもしれないが、ガスバリア性は
依然として小さい。これに対して、本発明では、バリア
性樹脂コーティング層を形成するので、気体の拡散を有
効に防止できる。さらに、加工時などに作用する機械的
外力により、万一、無機質薄膜層に亀裂や欠陥が発生下
としても、バリア性樹脂コーティング層により気体の拡
散を極めて小さく抑制できる。さらには、シランカップ
リング剤の含有に伴って、無機質薄膜層とバリア性樹脂
コーティング層との密着性を高めることにより、機械的
外力に対する無機質薄膜層の損傷の発生を抑制し、万
一、亀裂や欠陥が生じた場合でも、バリア性樹脂コーテ
ィング層によりバリア性の低下を最小限に抑制できる。
無機質薄膜層との密着性を著しく改善できるだけでな
く、バリア性も大きく改善できる。さらに、機械的外力
が作用したり高温高湿下においても、密着性およびガス
バリア性の低下を著しく抑制できる。さらに、無機質薄
膜層とバリア性樹脂コーティング層との親和性が高いた
めか高い透明性を有し、前記コーティング層が薄くて
も、優れたバリア性を有するフィルムが得られる。ま
た、前記無機質薄膜層とコーティング層との組み合わせ
により、レトルト処理や電磁波加熱などにより高温に晒
されても、高いバリア性を維持できるとともに、電子レ
ンジなどの電磁波加熱時のマイクロ波の損失が少ない。
薄膜を形成できる無機物であるのが好ましく、このよう
な無機物には、例えば、ベリリウム、マグネシウム、カ
ルシウム、ストロンチウム、バリウムなどの周期表2A
族元素;チタン、ジルコニウム、ルテニウム、ハフニウ
ム、タンタルなどの周期表遷移元素;亜鉛などの周期表
2B族元素;アルミニウム、ガリウム、インジウム、タ
リウムなどの周期表3B族元素;ケイ素、ゲルマニウ
ム、錫などの周期表4B族元素;セレン、テルルなどの
周期表6B族元素などの単体、これらの元素を含む無機
化合物、例えば、酸化物、ハロゲン化物、炭化物、窒化
物などが挙げられる。これらは、一種または二種以上用
いることができる。好ましい無機物には、例えば、マグ
ネシウム、カルシウム、バリウムなどの周期表2A族元
素;チタン、ジルコニウム、タンタル、ルテニウムなど
の周期表遷移元素;亜鉛などの周期表2B族元素;アル
ミニウム、インジウム、タリウムなどの周期表3B族元
素;ケイ素、錫などの周期表4B族元素;セレンなどの
周期表6B族元素の単体、またはこれらを含む酸化物が
含まれる。特に周期表3B族元素又は4B族元素の金属
単体又はこれらの酸化物により、無機質薄膜層が形成さ
れているのが好ましい。
化物(例えば、酸化錫、酸化アルミニウム、酸化インジ
ウム又はこれらの複合酸化物やケイ素酸化物など)は透
明性やバリア性に優れている。特に、ケイ素酸化物は、
前記特性に加えて、緻密な薄膜を形成でき、シランカッ
プリング剤を含むバリア性樹脂コーティング層を構成す
るポリマーとの親和性が高く、機械的外力が作用して
も、無機質薄膜層に亀裂や欠陥が生成せず、高温におい
ても高いバリア性を長期間に亘り維持できる。なお、ケ
イ素酸化物には、一酸化ケイ素や、二酸化ケイ素のみな
らず、組成式SiOx (式中、0<x≦2、好ましくは
0.8≦x≦1.5)で表されるケイ素酸化物が含まれ
る。電磁波加熱用包装材料においては、導電率の低い無
機化合物、例えば、酸化物、ハロゲン化物、炭化物、窒
化物などの非導電性無機物が使用できる。好ましい非導
電性無機物には、酸化物、例えば、ケイ素酸化物などが
含まれる。
000オングストローム(0.01〜0.5μm)、好
ましくは200〜3000オングストローム(0.02
〜0.3μm)、さらに好ましくは300〜1500オ
ングストローム(0.03〜0.15μm)程度の範囲
から選択できる。厚さが100オングストローム未満で
は、均質な薄膜の形成が困難であり、十分なバリア性や
機械的強度が得られず、5000オングストロームを越
えても、バリア性はさほど向上しないばかりか、透明性
や外観を損なうなどの問題があり、経済的にも不利であ
る。
前記の如き高いガスバリア性を示す樹脂、例えば、塩化
ビニリデン系共重合体、エチレン−ビニルアルコール共
重合体、ポリアミド系重合体、ポリビニルアルコール系
重合体、ポリアクリロニトリル系重合体、ウレタン系重
合体などが挙げられる。なお、コーティング層のバリア
性樹脂の組成によっては、前記ガスバリア特性を示さな
い樹脂がある。例えば、その一例として、比較的長いセ
グメント(ポリアルキレンオキシセグメントなど)を有
する熱可塑性ポリウレタンなどが挙げられる。これらの
バリア性樹脂は一種又は二種以上混合して使用できる。
ビニリデン系共重合体およびエチレン−ビニルアルコー
ル共重合体などが含まれる。塩化ビニリデン系共重合体
は、塩化ビニリデンと他の重合性モノマーとの共重合体
であり、このような共重合性モノマーとしては、例え
ば、塩化ビニル、酢酸ビニル、クロトン酸、アクリル
酸、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピ
ルアクリレート、イソプロピルアクリレート、ブチルア
クリレート、イソブチルアクリレート、tert−ブチ
ルアクリレート、ペンチルアクリレート、ヘキシルアク
リレートなどの各種アクリレート(例えば、C1-8アル
キル−アクリレート)、アクリロニトリル、メタクリロ
ニトリル、メタクリル酸や上記アクリレートに対応する
メタクリレートなどが例示される。これらの塩化ビニリ
デン系共重合体のうち、塩化ビニリデン−アクリロニロ
リル共重合体、塩化ビニリデン−メタクリル酸共重合
体、塩化ビニリデン−アクリレート共重合体、塩化ビニ
リデン−メタクリレート共重合体、塩化ビニリデン−酢
酸ビニル共重合体などが好ましい。塩化ビニリデン系共
重合体における塩化ビニリデン含量は、通常、85〜9
9重量%、好ましくは90〜97重量%程度である。
ては、溶媒可溶性又は分散性のエチレン−ビニルアルコ
ール共重合体が好ましい。このようなエチレン−ビニル
アルコール共重合体において、エチレン含量は、通常、
5〜50モル%、好ましくは10〜45モル%、より好
ましくは25〜35モル%程度であり、分子量(重量平
均分子量)は、例えば、1×104 〜10×104 、好
ましくは2×104 〜7×104 、好ましくは4×10
4 〜5×104 程度である。ケン化度は99.5%以上
であるのが好ましい。このような溶媒可溶性エチレン−
ビニルアルコール共重合体は、水や、水とアルコールと
の混合溶媒に可溶又は分散可能であり、塗布により薄膜
を形成できる。
リア性(酸素、水蒸気、二酸化炭素、有機溶剤のガス、
リモネンなどの香気成分などに対するバリア性)に応じ
て、前記バリア性樹脂(好ましくは塩化ビニリデン系共
重合体およびエチレン−ビニルアルコール共重合体)の
少なくとも一つの樹脂を含有してもよく、複数の樹脂を
含有してもよい。また、バリア性樹脂コーティング層
は、バリア性樹脂を含有する複数の層で構成されていて
もよい。例えば、バリア性樹脂コーテイング層は、塩化
ビニリデン系共重合体を含有する層と、エチレン−ビニ
ルアルコール共重合体を含有する層とを含む複数の層で
構成されていてもよい。バリア性樹脂コーティング層中
のバリア性樹脂の含有量は、50重量%以上、好ましく
は75〜100重量%、さらに好ましくは90〜100
重量%程度である。
のポリマー、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、
エチレン−アクリル酸エチル共重合体などのオレフィン
系ポリマー;アクリル系ポリマー;スチレン系ポリマ
ー;ポリエステル;ポリアセタール;ポリ酢酸ビニル;
ポリ塩化ビニル;塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体;ポ
リアミド;ウレタン系重合体;アクリロニトリル系重合
体;ポリカーボネート;塩素化ポリオレフィン;セルロ
ース系ポリマーなどを含有していてもよい。バリア性樹
脂コーティング層は、必要に応じて、前記添加剤、アン
チブロッキング剤;ポリエチレンイミン、ポリイソシア
ネートなどの接着性向上剤などを含んでいてもよい。
膜層および基材フィルム層やバリア性コーティング層に
対する密着性を向上できる種々の化合物、例えば、ハロ
ゲン原子、エポキシ基、アミノ基、ヒドロキシル基、メ
ルカプト基、ビニル基、(メタ)アクリロイル基から選
択された少くとも一種の官能基と、アルコキシ基とを有
するケイ素化合物が含まれる。ハロゲン原子には、フッ
素、塩素、臭素およびヨウ素原子が含まれ、塩素原子又
は臭素原子である場合が多い。エポキシ基は、炭化水素
基の不飽和結合(例えば、シクロペンテニル基、シクロ
へキセニル基、シクロオクテニル基などのシクロアルケ
ニル基の不飽和二重結合)の酸化により生成するエポキ
シ環や、グリシジル基のエポキシ環で構成されていても
よい。アミノ基には1又は2個の低級アルキル基(例え
ば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル
基などのC1-4アルキル基など)が置換していてもよ
い。さらに、(メタ)アクリロイル基は(メタ)アクリ
ロイルオキシ基により構成されていてもよい。アルコキ
シ基には、例えば、メトキシ、エトキシ、フロポキシ、
イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、s−ブトキ
シ、t−ブトキシ基などのC1-4アルコキシ基が含まれ
る。好ましいアルコキシ基は加水分解性アルコキシ基
(特にメトキシ基又はエトキシ基)である。ケイ素化合
物において前記反応性官能基の数は1〜3(特に1又は
2)程度であり、アルコキシ基の数は1〜3(特に2又
は3)程度である。好ましいシランカップリング剤に
は、下記式 Y−(R)n−SiX3 (式中、Yは、ハロゲン原子、エポキシ基、アミノ基、
メルカプト基、ビニル基、(メタ)アクリロイル基から
選択された一種の官能基,Rは炭化水素残基,Xは同一
又は異なるアルコキシ基を示す。nは0又は1である)
で表されるケイ素化合物が含まれる。
ルコキシ基は前記の通りである。Rで表される炭化水素
残基には、アルキレン基(例えば、メチレン、エチレ
ン、トリメチレン、プロピレン、2,2−ジメチルメチ
レン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレ
ンなどの直鎖状又は分岐鎖状C1-6アルキレン基な
ど)、シクロアルケン残基(例えば、シクロヘプテン、
シクロヘキセン、シクロペンテン、シクロオクテンなど
のC4-10シクロアルケン残基など)、シクロアルケン−
アルキル残基(例えば、シクロヘプテン、シクロヘキセ
ン、シクロペンテンなどのC4-10シクロアルケン−C
1-6アルキル基など)などが挙げられる。なお、シクロ
アルケン残基およびシクロアルケン−アルキル残基は、
前記のように二重結合のエポキシ化により生成する残基
である場合が多い。好ましい炭化水素残基Rには、C
1-4アルキレン残基(特にC2-4アルキレン残基)、C
5-8シクロヘアルケン−C1-4アルキル残基(特にシクロ
ヘキセン−C2-4アルキル残基)が含まれる。さらに、
nは0又は1である。Yがビニル基である場合、nは0
であり、Yが他の官能基である場合、nは1である場合
が多い。
ゲン含有シランカップリング剤(2−クロロエチルトリ
メトキシシラン,2−クロロエチルトリエトキシシラ
ン,3−クロロプロピルトリメトキシシラン,3−クロ
ロプロピルトリエトキシシランなど)、エポキシ基含有
シランカップリング剤[2−(3,4−エポキシシクロ
ヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−
エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、
3−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリ
メトキシシラン、2−グリシジルオキシエチルトリメト
キシシラン、2−グリシジルオキシエチルトリエトキシ
シラン、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシ
ラン、3−グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラ
ンなど]、アミノ基含有シランカップリング剤(2−ア
ミノエチルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルト
リメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシ
ラン、2−[N−(2−アミノエチル)アミノ]エチル
トリメトキシシラン、3−[N−(2−アミノエチル)
アミノ]プロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミ
ノエチル)アミノ]プロピルトリエトキシシラン、3−
[N−(2−アミノエチル)アミノ]プロピル メチル
ジメトキシシランなど)、メルカプト基含有シランカ
ップリング剤(2−メルカプトエチルトリメトキシシラ
ン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−
メルカプトプロピルトリエトキシシランなど)、ビニル
基含有シランカップリング剤(ビニルトリメトキシシラ
ン、ビニルトリエトキシシランなど)、(メタ)アクリ
ロイル基含有シランカップリング剤(2−メタクリロイ
ルオキシエチルトリメトキシシラン、2−メタクリロイ
ルオキシエチルトリエトキシシラン、2−アクリロイル
オキシエチルトリメトキシシラン、3−メタクリロイル
オキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイ
ルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロイ
ルオキシプロピルトリメトキシシランなど)などが例示
できる。これらのシランカップリング剤は単独で又は二
種以上組合わせて使用できる。
薄膜層の密着性などを向上できる範囲で選択でき、例え
ば、バリア性樹脂100重量部に対して0.05〜10
重量部(例えば、0.1〜10重量部)、好ましくは
0.1〜7重量部(例えば、0.2〜7重量部)、さら
に好ましくは0.5〜5重量部(例えば、0.5〜3重
量部)程度である。
ィルムの特性を損なわない範囲で適宜選択でき、例え
ば、0.05〜15μm、好ましくは0.1〜10μm
(例えば0.2〜7μm)、より好ましくは0.25〜
5μm(例えば0.3〜3μm)程度である。コーティ
ング層の厚さが0.05μm未満では高いガスバリア性
を付与することが困難であり、15μmを越えても、さ
ほどガスバリア性が向上せず、経済的に不利である。
層との厚さの割合は、適宜設定することができるが、前
記厚みの割合は、ガスバリア性に影響する。高いガスバ
リア性及び耐性を得るためには、無機質薄膜層の厚さt
(μm)に対するバリア性樹脂コーティング層の厚さT
(μm)の割合T/tは、例えば、0.1〜1500、
好ましくは0.5〜500(例えば、0.5〜60、好
ましくは1〜200程度)、さらに好ましくは1〜10
0程度であり、2〜50程度(例えば、5〜50程度)
である場合が多い。厚さの割合が前記範囲を外れると、
高いガスバリア性を付与するのが困難となり、前記割合
が0.1未満では、外力により無機質薄膜層に欠陥が生
じ易く、1500を越えても、さほどガスバリア性など
が向上せず、経済的でない。
複合フィルムに加えて、基材フィルム層の少くとも一方
の面に、無機質薄膜層が形成され、この薄膜層上にバリ
ア性樹脂を主成分とするコーティング層が形成されたバ
リア性複合フィルムも含まれる。これらの複合フィルム
は、温度40℃、相対湿度90%RHで1週間保存した
後の基材フィルム層に対するコーティング層の剥離強度
が100g/15mm以上(例えば、100〜400g
/15mm)、好ましくは120〜350g/15m
m、さらに好ましくは150〜300g/15mm程度
である。さらに、これらの複合フィルムは、ガスバリア
性が高く、例えば、基材フィルム層の厚さが10〜30
μm、無機質薄膜層及びコーティング層で構成された被
覆層の厚さが0.5〜5μmであるとき、温度25℃で
酸素ガス透過率は、例えば、5cc/m2・24時間以
下(例えば、0.01〜3cc/m2・24時間)、好
ましくは0.01〜1cc/m2・24時間、さらに好
ましくは0.01〜0.5cc/m2・24時間程度で
あり、温度40℃及び90%相対湿度で水蒸気透過率
は、例えば、5g/m2・24時間以下(0.01〜4
g/m2・24時間)、好ましくは0.1〜3.5g/
m2・24時間、さらに好ましくは0.1〜3g/m2・
24時間程度である。
樹脂コーティング層はヒートシール層で被覆してもよ
い。また、基材フィルム層の一方の面に前記無機質薄膜
層とコーティング層とが形成されている場合、ヒートシ
ール層は、基材フィルム層の他方の面に形成してもよ
い。ヒートシール層を構成するポリマーとしては、熱接
合性ポリマー、例えば、オレフィン系ポリマー、酢酸ビ
ニル−塩化ビニル共重合体、ポリエステル、ポリアミ
ド、ゴム系ポリマーなどが挙げられる。これらの熱接合
性ポリマーは一種又は二種以上混合して使用できる。
は、例えば、低密度ポリエチレンや直鎖状低密度ポリエ
チレンなどのポリエチレン、エチレン−ブテン−1共重
合体、エチレン−(4−メチルペンテン−1)共重合
体、エチレン−ヘキセン−1共重合体、エチレン−酢酸
ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合
体、エチレン−(メタ)アクリレート共重合体、アイオ
ノマー、ポリプロピレン、プロピレン−ブテン−1共重
合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロ
ピレン−ブテン−1共重合体、エチレン−プロピレン−
ジエン共重合体、無水マレイン酸変性ポリエチレンや無
水マレイン酸変性ポリプロピレンなどの変性ポリオレフ
ィンなどが挙げられる。好ましいオレフィン系ポリマー
には、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、
エチレン−アクリル酸エチル共重合体、非晶質ポリオレ
フィン(例えば、アモルファスポリプロピレンなど)、
エチレン−プロピレン共重合体などが含まれる。ラミネ
ートによりヒートシール層を形成する場合、好ましい熱
接合性フィルムには、無延伸ポリプロピレンフィルム、
無延伸エチレン−プロピレン共重合体フィルムなどが含
まれる。熱接合性ポリエステルには、脂肪族ジオールと
脂肪族ジカルボン酸を構成成分とする脂肪族ポリエステ
ルが含まれる。熱接合性ポリアミドとしては、例えば、
ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6/12などが
挙げられる。ゴム系ポリマーには、例えば、ブチルゴ
ム、イソブチレンゴム、クロロプレンゴム、スチレン−
アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重
合体、スチレン−アクリロニトリル−ブタジエン共重合
体などが含まれる。ヒートシール層の厚さは、包装材料
の用途などに応じて、例えば、3〜100μm程度の範
囲で適宜選択でき、フィルムのラミネートによりヒート
シール層を形成する場合には、例えば、20〜100μ
m、好ましくは30〜80μm程度である。
ング層の表面の所定の部位、例えば、ヒートシールに供
される部位に形成すればよいが、バリア性樹脂コーティ
ング層の表面全体に形成する場合が多い。また、ヒート
シール層は、前記のように、基材フィルム層の他方の面
のヒートシール部位又は全体に形成してもよい。なお、
ヒートシール層は、必要に応じて、前記添加剤を含んで
いてもよい。
ムの少なくとも一方の面を、無機質薄膜層と、シランカ
ップリング剤を含むバリア性樹脂コーティング層とで順
次被覆することによって得ることができる。本発明の他
のバリア性フィルムは、基材フィルムの少なくとも一方
の面を、無機質薄膜層と、シランカップリング剤を含む
バリア性樹脂コーティング層と、ヒートシール層とで順
次被覆する方法、または基材フィルムの一方の面を、無
機質薄膜層と、シランカップリング剤を含むバリア性樹
脂コーティング層とで順次被覆し、基材フィルムの他方
の面をヒートシール層で被覆する方法により得ることが
できる。
理的方法(真空蒸着法、反応性蒸着法、スパッタリング
法、反応性スパッタリング法、イオンプレーティング
法、反応性イオンプレーティング法など)、化学的方法
(CVD法、プラズマCVD法、レーザーCVD法な
ど)により、基材フィルムの表面を、前記無機物で被覆
することにより形成できる。無機質薄膜層は蒸着などの
物理的方法により形成する場合が多く、無機質薄膜層は
基材フィルム層の片面又は両面に形成できる。
記無機質薄膜層の表面に、シランカップリング剤および
バリア性樹脂を含有する塗布液を塗布することにより形
成できる。塗布液は、シランカップリング剤およびバリ
ア性樹脂の種類に応じて、適当な溶媒を選択することに
より調製でき、溶液又は分散液のいずれの形態であって
もよい。例えば、塩化ビニリデン系共重合体を含有する
溶液状の塗布液の溶媒は、塩化ビニリデン系共重合体の
種類に応じて適宜選択でき、例えば、アセトン、メチル
エチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;ジオ
キサン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどの
エーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香
族炭化水素類;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル
類;ジメチルホルムアミドなどのアミド類やこれらの混
合溶媒が含まれる。また、分散液は、通常、O/W型エ
マルジョンの形態で市販されている。エチレン−ビニル
アルコール共重合体を含有する塗布液は、通常、水及び
アルコールの混合溶媒を用いて調製できる。このような
アルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパ
ノール、イソプロパノール、シクロヘキサノールなどが
例示される。上記塗布液は、前記各種添加剤を含有して
いてもよく、また、塗布性を高めるため、例えば消泡
剤、粘度調整剤などの慣用の添加剤を含有していてもよ
い。
生成させない限り特に制限されず、慣用の方法、例え
ば、エアーナイフコート法、ロールコート法、グラビア
コート法、ブレードコート法、ディップコート法、スプ
レー法などが採用できる。前記塗布液を塗布した後、例
えば、50〜150℃程度の温度で乾燥することによ
り、バリア性樹脂コーティング層を形成できる。
は、ヒートシール層の有無に拘らず、必要に応じて、前
記基材フィルム層の項で例示した慣用の表面処理を施し
てもよく、表面処理を施すことなく部分的又は全面に接
着層や保護層を形成してもよい。ヒートシール層は、熱
接合性ポリマーの種類などに応じて慣用の方法、例え
ば、ドライラミネート法、押出しラミネート法、塗布法
などにより形成できる。
は、フィルムの種類、用途に応じて、種々のコーティン
グ層やラミネート層、例えば、滑性層、帯電防止層、装
飾用印刷フィルム層や、ナイロンフィルムなどによる補
強層などが形成されていてもよい。
ィルム層に対する無機質薄膜層の密着性だけでなくガス
バリア性が大きく改善され、機械的外力が作用したり、
高温高湿下に晒されても、前記のように高いガスバリア
性を示す。また、コーティング層が極めて薄くても高い
ガスバリア性を示し、透明性が高いだけでなく、可撓性
が低下したり、被覆層の剥離や欠陥の生成を大きく抑制
できる。そのため、包装材料は、電子レンジ用食品、レ
トルト食品、冷凍食品、マイクロ波殺菌、フレーババリ
ア、医薬品、精密電子部品などの各種包装用材料や、風
船、気球などのバルーン製作用材料などとして好適に用
いることができる。また、食品などを包装すると、劣化
や変質を抑制しつつ、内容物を長期間に亘り保存でき
る。このように、本発明は、前記食品、医薬品、電子部
品などの種々の内容物を包装するためのバリア性複合フ
ィルムの使用も開示する。
特に制限されないが、例えば、固形物の包装袋、液状物
の包装袋として用いることができる。これらの食品を収
容した包装袋は、そのまま、レトルト処理また電子レン
ジ加熱できる。本発明の包装材料による包装形態として
は、袋、カップ、チューブ、スタンディングバック、ト
レイなどの容器、フタ材や、酒、醤油、みりん、油、牛
乳、ジュースなどの紙パックの内貼り材などが例示され
る。
質薄膜層が、シランカップリング剤を含むバリア性樹脂
コーティング層で被覆されているので、基材フィルム層
と無機質薄膜層との密着力およびガスバリア性を大きく
改善できる。また、折曲や揉みなどの機械的外力が作用
したり、高温多湿下で使用しても、基材フィルムと無機
質薄膜層との高い密着性を維持しつつ、長期間に亘り優
れたガスバリア性を発揮できる。さらに、被覆層が薄く
ても、高いバリア性を有するとともに、透明性も高い。
そのため、機械的外力が作用したり、電子レンジ加熱、
レトルト処理などによる高温高湿の環境に晒されても、
無機質薄膜層の密着性、透明性やガスバリア性の低下を
抑制できるとともに、劣化や変質を抑制しつつ内容物を
長期保存できる。さらに、本発明のバリア性複合フィル
ムは、慣用の方法により、バリア性樹脂コーティング層
側に、印刷又はラミネート加工する場合、印刷インキお
よびラミネート接着剤に含有される溶剤などの基材フィ
ルムへの浸透が殆どなく、残留溶剤の量が極めて低い。
そのため、食品包装において高い安全性を確保できる。
説明するが、本発明はこれらの実施例により限定される
ものではない。 比較例1 厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフ
ィルムの一方の面に、SiOを蒸発源として、5×10
-5Torrの真空下で、真空蒸着法により厚さ1000オン
グストロームのケイ素酸化物蒸着層を無機質薄膜層とし
て形成し、複合フィルムを得た。
名:サランレジンF216)100重量部に対して、γ
−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(すなわ
ち、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラ
ン)(東芝シリコーン(株)製,商品名:TSL835
0)1.0重量部を添加し、トルエン/テトラヒドロフ
ラン=1/2(重量比)の混合溶媒に溶解し、樹脂濃度
15重量%のバリア性樹脂コーティング層用の塗布液を
調製した。この塗布液を、比較例1で得られたケイ素酸
化物蒸着フィルムの蒸着面に、バーコーターを用いて乾
燥後の厚さ0.5μm(実施例1)および2.5μm
(実施例2)になるように塗布した後、105℃のオー
ブンで30秒間乾燥し、バリア性樹脂コーティング層を
形成して、複合フィルムを得た。
名:サランレジンF216)100重量部に対して、γ
−アミノプロピルトリエトキシシラン(すなわち、3−
アミノプロピルトリエトキシシラン)(東芝シリコーン
(株)製,商品名:TSL8331)1.0重量部を添
加し、トルエン/テトラヒドロフラン=1/2(重量
比)の混合溶媒に溶解し、樹脂濃度15重量%のバリア
性樹脂コーティング層用の塗布液を調製した。この塗布
液を、比較例1で得られたケイ素酸化物蒸着フィルムの
蒸着面に、バーコーターを用いて乾燥後の厚さ2.5μ
mとなるように塗布した後、105℃のオーブンで30
秒間乾燥し、バリア性樹脂コーティング層を形成して、
複合フィルムを得た。
名:サランレジンF216)100重量部に対して、ビ
ニルトリメトキシシラン(東芝シリコーン(株)製,商
品名:TSL8311)1.0重量部を添加し、トルエ
ン/テトラヒドロフラン=1/2(重量比)の混合溶媒
に溶解し、樹脂濃度15重量%のバリア性樹脂コーティ
ング層用の塗布液を調製した。この塗布液を、比較例1
で得られたケイ素酸化物蒸着フィルムの蒸着面に、バー
コーターを用いて乾燥後の厚さ2.5μmとなるように
塗布した後、105℃のオーブンで30秒間乾燥し、バ
リア性樹脂コーティング層を形成して、複合フィルムを
得た。
名:サランレジンF216)100重量部に対して、γ
−メルカプトプロピルトリエトキシシラン(東芝シリコ
ーン(株)製,商品名:TSL8380)1.0重量部
を添加し、トルエン/テトラヒドロフラン=1/2(重
量比)の混合溶媒に溶解し、樹脂濃度15重量%のバリ
ア性樹脂コーティング層用の塗布液を調製した。この塗
布液を、比較例1で得られたケイ素酸化物蒸着フィルム
の蒸着面に、バーコーターを用いて乾燥後の厚さ2.5
μmとなるように塗布した後、105℃のオーブンで3
0秒間乾燥し、バリア性樹脂コーティング層を形成し
て、複合フィルムを得た。
業(株)製、商品名:ソアノール30L)100重量部
に対して、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン(東芝シリコーン(株)製,商品名:TSL835
0)1.0重量部を添加し、水/イソプロパノール=1
/1(重量比)の混合溶媒に溶解し、樹脂濃度12重量
%のバリア性樹脂コーティング層用の塗布液を調製し
た。この塗布液を、比較例1で得られたケイ素酸化物蒸
着フィルムの蒸着面に、バーコーターを用いて、乾燥後
の厚さ4.0μmになるように塗布した後、115℃の
オーブンで1分間乾燥して、バリア性樹脂コーティング
層を形成し、複合フィルムを得た。
様にして、複合フィルムを得た。 比較例3 シランカップリング剤を用いることなく、実施例2と同
様にして、複合フィルムを得た。 比較例4 シランカップリング剤を用いることなく、実施例3と同
様にして、複合フィルムを得た。
ィルムの一方の面に、Al2O3を蒸着源として、5×1
0-5Torrの真空下で、真空蒸着法により厚さ1000オ
ングストロームのアルミウム酸化物蒸着層を無機質薄膜
層として形成し、複合フィルムを得た。
名:サランレジンF216)100重量部に対して、γ
−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(東芝シリ
コーン(株)製、商品名:TSL8350)1重量部を
添加し、トルエン/テトラヒドロフラン=1/2(重量
比)の混合溶媒に溶解し、樹脂濃度15重量%のバリア
性樹脂コーティング用の塗布液を調製した。この塗布液
を、比較例5で得られたアルミニウム酸化物蒸着フィル
ムの蒸着面に、バーコーターを用いて乾燥後の厚さO.
5μm(実施例7)および2.5μm(実施例8)にな
るように塗布した後、105℃のオーブンで30秒間乾
燥し、バリア性樹脂コーティング層を形成し、複合フィ
ルムを得た。
業(株)製、商品名:ソアノール30L)100重量部
に対して、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン(東芝シリコーン(株)製、商品名:TSL835
0)1重量部を添加し、水/イソプロパノール=1/1
(重量比)の混合溶媒に溶解し、樹脂濃度12重量%の
バリア性樹脂コーティング用の塗布液を調製した。この
塗布液を、比較例5で得られたアルミニウム酸化物蒸着
フィルムの蒸着面にバーコーターを用いて、乾燥後の厚
さ4.0μmになるように塗布した後、115℃のオー
ブンで1分間乾燥し、バリア性樹脂コーティング層を形
成し、複合フィルムを得た。
同様にして、複合フィルムを得た。 比較例7 シランカップリング剤を使用することなく、実施例8と
同様にして、複合フィルムを得た。 比較例8 シランカップリング剤を使用することなく、実施例9と
同様にして、複合フィルムを得た。
細書で定義したバリア性能を有しない一般的なウレタン
系樹脂溶液[武田薬品工業(株)製、商品名タケラック
A615]を用いて、無機質薄膜層の表面に厚さ5.0
μmのコーティング層を形成した以外、実施例1と同様
にして、複合フィルムを得た。
れた蒸着フィルムの無機質薄膜層の表面に、ウレタン系
接着剤[東洋モートン(株)製、商品名ADCOTE
333E]を乾燥後の厚さが約2μmとなるように塗布
し、ドライラミネート法により、厚さ30μmの未延伸
エチレン−プロピレン共重合体フィルムを積層して、複
合フィルムを得た。
ビニル−酢酸ビニル共重合体溶液[電気化学工業(株)
製、商品名デンカ1000C]を用いて、無機質薄膜層
の表面に厚さ2.5μmのコーティング層を形成する以
外は、実施例2と同様にして、複合フィルムを得た。
リコーン(株)製、商品名:TSL8350)を含む塗
布液に代えて、塩化ビニリデン系共重合体(旭化成工業
(株)製、商品名:サランレジンF216)100重量
部に対して、ポリイソシアネート(日本ポリウレタン工
業(株)製、商品名:コロネートL)1重量部を添加
し、トルエン/テトラヒドロフラン=1/2(重量比)
の混合溶媒に溶解し、樹脂濃度15重量%のバリアー性
樹脂コーティング層用の塗布液を調製した。この塗布液
を、比較例1で得られたケイ素酸化物蒸着フィルムの蒸
着面に、バーコーターを用いて、乾燥後の厚さ2.5μ
mになるように塗布した後、105℃のオーブンで30
秒間乾燥し、バリアー性樹脂塗膜を形成して、複合フィ
ルムを得た。
リコーン(株)製、商品名:TSL8350)を含む塗
布液に代えて、塩化ビニリデン系共重合体(旭化成工業
(株)製、商品名:サランレジンF216)100重量
部に対してポリイソシアネート(日本ポリウレタン工業
(株)製、商品名:コロネートL)1重量部を添加し、
トルエン/テトラヒドロフラン=1/2(重量比)の混
合溶媒に溶解し、樹脂濃度15重量%のバリアー性樹脂
コーティング層用の塗布液を調製した。この塗布液を、
比較例5で得られたアルミニウム酸化物蒸着フィルムの
蒸着面にバーコーターを用いて、乾燥後の厚さが2.5
μmになるように塗布した後、105℃のオーブンで3
0秒間乾燥し、バリアー性樹脂塗膜を形成して、複合フ
ィルムを得た。
同様にして、実施例1の塩化ビニリデン系共重合体を樹
脂濃度15重量%で含むバリアー性樹脂コーティング層
用の塗布液を調製した。ケイ素酸化物の蒸着を行なうこ
となく、前記塗布液を、厚さ12μmの二軸延伸ポリエ
チレンテレフタレートフィルムの一方の面にバーコータ
ーを用いて、乾燥後の厚さが2.5μmになるように塗
布した後、105℃のオーブンで30秒間乾燥し、バリ
アー性樹脂塗膜を形成して、複合フィルムを得た。
れた塗布液(シランカップリング剤含有)を、厚さ12
μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの
一方の面にバーコーターを用いて、乾燥後の厚さが2.
5μmになるように塗布した後、105℃のオーブンで
30秒間乾燥し、バリアー性樹脂塗膜を形成して、複合
フィルムを得た。
フィルムの酸素ガス透過率、水蒸気透過率および塗膜の
密着強度を次のようにして評価した。 酸素ガス透過率:同圧法(測定器:Morcon社,OXTRAN T
WIN )により、20℃、相対湿度65%の条件で測定し
た。単位はcc/m2・24hrである。 水蒸気透過率:測定器(Morcon社,PERMATRAN W200)を
用い、40℃、相対湿度90%の条件で測定した。単位
は、g/m2・24hrである。
り、厚さが約50μmの未延伸エチレン−プロピレン共
重合体フィルムをコーティング層上に積層した後、試験
フィルムと未延伸エチレン−プロピレン共重合体フィル
ムの剥離強度を、測定器(ORIENTEC社,RTM-100)を用
い、300mm/分の引張り速度で測定した。
の酸素ガス透過率及び水蒸気透過率を測定し、機械的外
力の作用によるガスバリア性の変化を評価した。さら
に、フィルムを40℃、相対湿度90%の条件下で1週
間保存し、保存前後における塗膜の密着強度を測定し、
高温高湿下での密着性の変化を評価した。結果を表1に
示す。なお、比較例7のフィルムにおいて、手揉み前の
酸素透過率は、測定限界以下であった。
フィルム(比較例1または比較例5)では、実施例1〜
6または実施例7〜9と比較して、ガスバリアー性が著
しく低下する。 2)シランカップリング剤を使用しないフィルム(比較
例2〜4または比較例6〜8)では、実施例1〜6また
は実施例7〜9と比較して、保存前の塗膜の密着性が小
さく、保存後においては密着性の低下が極めて大きい。 3)バリアー性樹脂に代えて、低バリアー性樹脂を使用
したフィルム(比較例11〜13)では、いずれも実施
例1〜9と比較して、バリア性のみならず密着性も著し
く低下する。 4)シランカップリング剤に代えて、常温反応性の多官
能化合物であるポリイソシアネートを用いたフィルムで
は、常態でのガスバリア性および塗膜の密着性はシラン
カップリング剤使用のフィルムに比べて大きな差異がな
いものの、高温高湿下で保存すると、密着性が著しく低
下する。
は、ガスバリア性が低下するとともに、高温高湿下で保
存すると、密着性が著しく低下する。
5μmの二軸延伸ナイロン6フィルムを用いる以外、実
施例2と同様にして複合フィルムを得た。
0μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムを用いる以
外、実施例2と同様にして複合フィルムを得た。
ミノプロピルトリエトキシシランの割合が0.2重量部
である塗布液を実施例3と同様にして調製した。そし
て、実施例3の塗布液に代えて、得られた塗布液を用い
る以外、実施例3と同様にして複合フィルムを得た。
ミノプロピルトリエトキシシランの割合が5重量部であ
る塗布液を実施例3と同様にして調製した。そして、実
施例3の塗布液に代えて、得られた塗布液を用いる以
外、実施例3と同様にして複合フィルムを得た。
素酸化物蒸着フィルムの蒸着面に、乾燥後の厚さ12μ
mとなるように塗布し、バリア性樹脂コーティング層を
形成して、複合フィルムを得た。
素酸化物蒸着フィルムの蒸着面に、乾燥後の厚さ5μm
となるように塗布し、バリア性樹脂コーティング層を形
成して、複合フィルムを得た。
フィルムの酸素ガス透過率、水蒸気透過率および塗膜の
密着強度を調べたところ、表2に示す結果を得た。
Claims (24)
- 【請求項1】 基材フィルム層の少なくとも一方の面
が、無機質薄膜層を介して、シランカップリング剤を含
むバリア性樹脂コーティング層で被覆されているバリア
性複合フィルムであって、前記シランカップリング剤の
割合が、バリア性樹脂コーティング層を構成するバリア
性樹脂100重量部に対して0.05〜10重量部であ
るバリア性複合フィルム。 - 【請求項2】 基材フィルム層が、ポリプロピレン、ポ
リアルキレンテレフタレートまたはポリアミドで構成さ
れている請求項1記載のバリア性複合フィルム。 - 【請求項3】 無機質薄膜層が、透明性を有する請求項
1記載のバリア性複合フィルム。 - 【請求項4】 無機質薄膜層が、周期表2A族元素、遷
移元素、2B族元素、3B族元素、4B族元素および6
B族元素から選ばれた少なくとも1つの金属酸化物で構
成されている請求項1記載のバリア性複合フィルム。 - 【請求項5】 無機質薄膜層が、周期表3B族元素又は
4B族元素の酸化物で構成されている請求項1記載のバ
リア性複合フィルム。 - 【請求項6】 無機質薄膜層が、ケイ素酸化物で構成さ
れている請求項1記載のバリア性複合フィルム。 - 【請求項7】 無機質薄膜層の厚みが、100〜500
0オングストロームである請求項1記載のバリア性複合
フィルム。 - 【請求項8】 バリア性樹脂コーティング層が、塩化ビ
ニリデン系共重合体又はエチレン−ビニルアルコール共
重合体を含む請求項1記載のバリア性複合フィルム。 - 【請求項9】 バリア性樹脂コーティング層が、塩化
ビニリデン−アクリロニロリル共重合体、塩化ビニリデ
ン−メタクリル酸共重合体、塩化ビニリデン−アクリレ
ート共重合体、塩化ビニリデン−メタクリレート共重合
体、塩化ビニリデン−酢酸ビニル共重合体、およびエチ
レン含量5〜50モル%の溶媒可溶性又は分散性エチレ
ン−ビニルアルコール共重合体からなる群から選択され
た少くとも一種のバリア性樹脂を含む請求項8記載のバ
リア性複合フィルム。 - 【請求項10】 シランカップリング剤が、ハロゲン原
子、エポキシ基、アミノ基、ヒドロキシル基、メルカプ
ト基、ビニル基、(メタ)アクリロイル基から選択され
た少くとも一種の官能基と、アルコキシ基とを有する請
求項1記載のバリア性複合フィルム。 - 【請求項11】 シランカップリング剤が、下記式 Y−(R)n−SiX3 (式中、Yは、ハロゲン原子、エポキシ基、アミノ基、
メルカプト基、ビニル基、(メタ)アクリロイル基から
選択された一種の官能基,Rは炭化水素残基,Xは同一
又は異なるアルコキシ基を示す。nは0又は1である)
で表される化合物である請求項1記載のバリア性複合フ
ィルム。 - 【請求項12】 Rで表される炭化水素残基が、C1-4
アルキレン基、又は二重結合がエポキシ化されたC5-8
シクロアルケン−C1-4アルキル残基であり、Xが同一
又は異なってメトキシ基又はエトキシ基である請求項1
1記載のバリア性複合フィルム。 - 【請求項13】 Yがビニル基であるとき、nが0であ
る請求項11記載のバリア性複合フィルム。 - 【請求項14】 シランカップリング剤の割合が、バリ
ア性樹脂100重量部に対して0.1〜7重量部である
請求項1記載のバリア性複合フィルム。 - 【請求項15】 バリア性樹脂コーティング層の厚みが
0.05〜15μmである請求項1記載のバリア性複合
フィルム。 - 【請求項16】 無機質薄膜層の厚さt(μm)に対す
るバリア性樹脂コーティング層の厚さT(μm)の割合
T/tが、0.1〜1500である請求項1記載のバリ
ア性複合フィルム。 - 【請求項17】 無機質薄膜層の厚さt(μm)に対す
るバリア性樹脂コーティング層の厚さT(μm)の割合
T/tが、0.5〜500である請求項1記載のバリア
性複合フィルム。 - 【請求項18】 ポリプロピレン、ポリアルキレンテレ
フタレート又はポリアミドで構成された基材フィルム層
の少なくとも一方の面に、組成式SiOx (式中、0<
x≦2)で表されるケイ素酸化物で構成され、かつ厚み
100〜5000オングストロームの透明性を有する無
機質薄膜層と、シランカップリング剤と塩化ビニリデン
系共重合体又はエチレン−ビニルアルコール共重合体と
を含むバリア性樹脂コーティング層とがこの順に形成さ
れているとともに、前記無機質薄膜層の厚さt(μm)
に対するバリア性樹脂コーティング層の厚さT(μm)
の割合T/tが1〜200である請求項1記載のバリア
性複合フィルム。 - 【請求項19】 ポリプロピレン、ポリアルキレンテレ
フタレート又はポリアミドで構成された基材フィルム層
の少なくとも一方の面に、非導電性無機物で構成され、
かつ厚み200〜3000オングストロームの無機質薄
膜層、厚み0.1〜10μmのバリア性樹脂コーティン
グ層が形成されている請求項1記載のバリア性複合フィ
ルム。 - 【請求項20】 基材フィルム層の少くとも一方の面
に、無機質薄膜層が形成され、この薄膜層上にバリア性
樹脂を主成分とするコーティング層が形成されたバリア
性複合フィルムであって、温度40℃、相対湿度90%
RHで1週間保存した後の基材フィルム層に対するコー
ティング層の剥離強度が100g/15mm以上である
請求項1記載のバリア性複合フィルム。 - 【請求項21】 基材フィルム層の厚さが10〜30μ
m、無機質薄膜層及びコーティング層で構成された被覆
層の厚さが0.5〜5μmであるとき、温度25℃で酸
素ガス透過率が5cc/m2・24時間以下、温度40
℃及び90%相対湿度で水蒸気透過率が5g/m2・2
4時間以下である請求項20記載のバリア性複合フィル
ム。 - 【請求項22】 基材フィルム層の他方の面又はバリア
性樹脂コーティング層が、ヒートシール層で被覆されて
いる請求項1記載のバリア性複合フィルム。 - 【請求項23】 基材フィルムの少なくとも一方の面
に、無機質薄膜層を形成した後、この無機質薄膜層上
に、シランカップリング剤とバリア性樹脂とを含む塗布
液を塗布するバリア性複合フィルムの製造方法。 - 【請求項24】 コーティング層又は基材フィルムの他
方の面に、厚み3〜100μmのヒートシール層を形成
する請求項23記載のバリア性複合フィルムの製造方
法。
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