JP6697269B2 - バリア性フィルムおよびバリア性包装体 - Google Patents

バリア性フィルムおよびバリア性包装体 Download PDF

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Description

本発明は、バリア性フィルムおよびバリア性包装体に関する。
バリア性フィルムとして、ポリ塩化ビニリデン系樹脂層を備えるフィルムが知られている。
このようなバリア性フィルムに関する技術としては、例えば、特許文献1(特開平08−39718号公報)に記載のものが挙げられる。
特許文献1には、高分子フィルム基材(A)の少なくとも片面に、無機材料の蒸着膜(B)が形成され、さらに、該蒸着膜(B)の上に、ポリ塩化ビニリデンの塗膜(C)が積層されていることを特徴とする複合蒸着フィルムが記載されている。
特許文献1には、このような複合蒸着フィルムはガスバリア性および耐屈曲疲労性が優れると記載されている。
特開平08−39718号公報
本発明者らの検討によれば、少なくともポリ塩化ビニリデン系樹脂層を備えるバリア性フィルムは印刷特性、特に水性インクに対する印刷特性が好ましくないことが明らかになった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、印刷特性、特に水性インクに対する印刷特性に優れるバリア性フィルムを提供するものである。
本発明によれば、以下に示すバリア性フィルムおよびバリア性包装体が提供される。
[1]
ポリ塩化ビニリデン系樹脂を主成分として含むポリ塩化ビニリデン系樹脂層(A)を少なくとも備えるバリア性フィルムであって、
上記ポリ塩化ビニリデン系樹脂層(A)が不均質な層であり、かつ、ポリ塩化ビニリデン系樹脂を含む粒子部分を有する構造を含むバリア性フィルム。
[2]
上記ポリ塩化ビニリデン系樹脂を含む粒子部分の粒子間に界面活性剤が偏在している上記[1]に記載のバリア性フィルム。
[3]
上記界面活性剤がアルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、およびポリオキシアルキレン単位含有硫酸エステル塩からなる群から選択される一種または二種以上を含む上記[2]に記載のバリア性フィルム。
[4]
上記ポリ塩化ビニリデン系樹脂層(A)の少なくとも一方の面に基材フィルム層をさらに有する上記[1]乃至[3]のいずれか一つに記載のバリア性フィルム。
[5]
上記基材フィルム層と上記ポリ塩化ビニリデン系樹脂層(A)が接着層を介して構成されている上記[4]に記載のバリア性フィルム。
[6]
上記基材フィルム層の少なくとも一方の面に無機物層をさらに有する上記[4]または[5]に記載のバリア性フィルム。
[7]
上記無機物層が、酸化ケイ素、酸化窒化ケイ素、窒化ケイ素、酸化アルミニウム、およびアルミニウムからなる群から選択される一種または二種以上の無機物を含む上記[6]に記載のバリア性フィルム。
[8]
上記ポリ塩化ビニリデン系樹脂層(A)の少なくとも一方の面にポリ塩化ビニリデン系樹脂を主成分として含む均質な層からなるポリ塩化ビニリデン系樹脂層(B)をさらに有する上記[6]または[7]に記載のバリア性フィルム。
[9]
上記基材フィルム層と、上記無機物層と、上記ポリ塩化ビニリデン系樹脂層(B)と、上記ポリ塩化ビニリデン系樹脂層(A)と、がこの順番に積層されている上記[8]に記載のバリア性フィルム。
[10]
上記ポリ塩化ビニリデン系樹脂層(B)の厚みをXとし、上記ポリ塩化ビニリデン系樹脂層(A)の厚みをXとしたとき、X/Xが0.2以上100以下である上記[8]または[9]に記載のバリア性フィルム。
[11]
上記ポリ塩化ビニリデン系樹脂を含む粒子部分の断面における平均粒径が0.01μm以上0.5μm以下である上記[1]乃至[10]のいずれか一つに記載のバリア性フィルム。
[12]
上記ポリ塩化ビニリデン系樹脂層(A)がシランカップリング剤、ウレタン系樹脂、尿素系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、およびアルキッド系樹脂からなる群から選択される一種または二種以上の接着性成分を含む上記[1]乃至[11]のいずれか一つに記載のバリア性フィルム。
[13]
上記[1]乃至[12]のいずれか一つに記載のバリア性フィルムを含むバリア性包装体。
本発明によれば、印刷特性、特に水性インクに対する印刷特性に優れるバリア性フィルムを提供することができる。
本発明に係る実施形態のバリア性フィルムの構造の一例を模式的に示した断面図である。 本発明に係る実施形態のバリア性フィルムの構造の一例を模式的に示した断面図である。 本発明に係る実施形態のバリア性フィルムの構造の一例を模式的に示した断面図である。 本発明に係る実施形態のバリア性フィルムの構造の一例を模式的に示した断面図である。 実施例1で得られたバリア性フィルムにおけるルテニウム染色処理を行った断面の電子顕微鏡写真を示す断面図である。
以下に、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。また、図は概略図であり、実際の寸法比率とは一致していない。文中の数字の間にある「〜」は特に断りがなければ、以上から以下を表す。
[バリア性フィルム]
図1〜4は、本発明に係る実施形態のバリア性フィルム100の構造の一例を模式的に示した断面図である。図5は、実施例1で得られたバリア性フィルムにおけるルテニウム染色処理を行った断面の電子顕微鏡写真を示す断面図である。
本実施形態に係るバリア性フィルム100は、ポリ塩化ビニリデン系樹脂を主成分として含むポリ塩化ビニリデン系樹脂層(A)を少なくとも備える。そして、ポリ塩化ビニリデン系樹脂層(A)は不均質な層であり、かつ、ポリ塩化ビニリデン系樹脂を含む粒子部分を有する構造を含む。
ここで、図5は実施例1で得られたバリア性フィルムにおけるルテニウム染色処理を行った断面の電子顕微鏡写真を示す断面図である。本実施形態において、不均質な層とは、例えば、図5のポリ塩化ビニリデン系樹脂層(A)のように、密度や組成が不均一な層である。
また、ポリ塩化ビニリデン系樹脂を含む粒子部分を有する構造とは、例えば、図5のポリ塩化ビニリデン系樹脂層(A)のように、ポリ塩化ビニリデン系樹脂を含む粒子同士が融着または結着しつつ、粒子形状をある程度保持している構造をいう。
本発明者らの検討によれば、少なくともポリ塩化ビニリデン系樹脂層を備えるバリア性フィルムは印刷特性、特に水を主な溶媒とする水性インクに対する印刷特性に劣ることが明らかになった。
そこで、本発明者らは鋭意検討した結果、ポリ塩化ビニリデン系樹脂層を不均質な層とし、さらにポリ塩化ビニリデン系樹脂を含む粒子部分を有する構造を含む層とすることにより、印刷特性、特に水性インクに対する印刷特性に優れたバリア性フィルムが得られることを見出した。
本実施形態に係るバリア性フィルム100はポリ塩化ビニリデン系樹脂層(A)中のポリ塩化ビニリデン系樹脂を含む粒子部分の隙間にインクが染み込みやすいことにより、優れた印刷特性を奏することができる。すなわち、本実施形態によれば、不均質な層であり、かつ、ポリ塩化ビニリデン系樹脂を含む粒子部分を有する構造を含むポリ塩化ビニリデン系樹脂層(A)を少なくとも備えることにより、バリア性能を有しながら、印刷特性に優れたバリア性フィルム100を実現できる。
なお、上記の印刷特性の良否は、例えば、JIS K6768に準じて測定した濡れ張力によって判断することができる。一般に溶剤を主な溶媒とした油性インクは樹脂に馴染みがよく、のりやすいが、水性インクは樹脂に対してはじきやすいことから樹脂にのりにくく、その結果としてインク抜け等が生じやすいことから印刷が困難な場合が多い。したがって、濡れ張力は水性インクの印刷特性の良否を判断する指標とすることができる。
バリア性フィルム100において、温度23℃、湿度50%RHの環境下での表面固有抵抗値が、好ましくは1.0×1014Ω/□以下であり、より好ましくは1.0×1012Ω/□以下である。
上記表面固有抵抗値を上記上限値以下とすることにより、バリア性フィルム100の帯電防止性能や印刷特性をより一層向上させることができる。
なお、上記表面固有抵抗値は、ポリ塩化ビニリデン系樹脂層(A)の表面について測定したときの値である。
また、上記表面固有抵抗値を上記上限値以下とすることにより、バリア性フィルム100の表面にホコリ等が付着することを防止できる。これにより、食品や医薬品等の包装用フィルムとしてバリア性フィルム100を好適に用いることができる。
なお、上記表面固有抵抗値は、例えば、ポリ塩化ビニリデン系樹脂層(A)の厚みを調整することにより制御することが可能である。また、本実施形態のバリア性フィルム100は、表面に帯電防止層を別途設けたり、帯電防止剤を添加したりしなくとも、上記表面固有抵抗値を実現することができる。
バリア性フィルム100は、残留有機溶媒量が少なく、包装用フィルムや封止用フィルムとして優れている。具体的には、バリア性フィルム100中の残留有機溶媒量は、好ましくは5.0ppm以下であり、より好ましくは3.0ppm以下であり、さらに好ましくは1.0ppm以下である。
上記残留有機溶媒量は、例えば、次のように測定することができる。まず、バリア性フィルム100から5cm×5cmのサンプルを3枚作製する。作製したサンプル3枚を20mLのバイアル瓶に入れ、密栓する。次いで、ヘッドスペースサンプラーを用いて90℃、30分間加熱する。次いで、加熱後のバイアル瓶中の空間ガス1mLについて、ガスクロマトグラフィーおよび水素炎イオン化型検出器を用いて分析し、空間ガス中の有機溶媒量を定量する。この有機溶媒量がバリア性フィルム100中の残留有機溶媒量である。
なお、上記残留有機溶媒量は、例えば、ポリ塩化ビニリデン系樹脂層(A)や後述するポリ塩化ビニリデン系樹脂層(B)の厚みを調整することにより制御することが可能である。
本実施形態のバリア性フィルム100は、優れたバリア性能を維持しながら、印刷特性を向上させる観点から、ポリ塩化ビニリデン系樹脂を主成分として含むポリ塩化ビニリデン系樹脂層(A)を少なくとも備える。
ポリ塩化ビニリデン系樹脂層(A)は不均質な層であり、かつ、ポリ塩化ビニリデン系樹脂を含む粒子部分を有する構造を含むものである。
ポリ塩化ビニリデン系樹脂層(A)は1層のポリ塩化ビニリデン系樹脂層により構成されていてもよいし、2層以上のポリ塩化ビニリデン系樹脂層により構成されていてもよい。このとき、2層以上のポリ塩化ビニリデン系樹脂層はそれぞれ同じ種類のポリ塩化ビニリデン系樹脂層であってもよいし、異なる種類のポリ塩化ビニリデン系樹脂層であってもよい。
ここで、ポリ塩化ビニリデン系樹脂を主成分として含むとは、ポリ塩化ビニリデン系樹脂層(A)がポリ塩化ビニリデン系樹脂を50質量%以上含むことを意味する。ポリ塩化ビニリデン系樹脂層(A)はポリ塩化ビニリデン系樹脂を好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上、よりさらに好ましくは90質量%以上、特に好ましくは95質量%以上含む。
ポリ塩化ビニリデン系樹脂層(A)のポリ塩化ビニリデン系樹脂の含有量が上記範囲内であると、印刷特性やバリア性の性能バランスがより一層優れることとなるためである。
本実施形態に係るポリ塩化ビニリデン系樹脂層(A)において、ポリ塩化ビニリデン系樹脂を含む粒子部分の粒子間に界面活性剤が偏在していることが好ましい。これにより、優れたバリア性能を維持しながら、帯電防止性能や印刷特性、特に水性インクに対する印刷特性をさらに向上させることができる。
すなわち、本実施形態に係るバリア性フィルム100は、ポリ塩化ビニリデン系樹脂層(A)において、水性インクに対しては表面に露出している界面活性剤の親水基による水性インクの良好な転写性と上記ポリ塩化ビニリデン系樹脂を含む粒子部分の隙間にインクが染み込みやすいことによる相乗効果のため、極めて優れた印刷特性を実現することができるものと考えられる。また、界面活性剤が印刷対象の表面に偏在している方が帯電防止性能や印刷特性の観点からさらに好ましい。
ここで、ポリ塩化ビニリデン系樹脂層(A)において、ルテニウム染色処理により界面活性剤が染色され、界面活性剤が存在する部位は図5に示すように黒っぽい部分として視認できるようになる。一方、ルテニウム染色処理により染色されなかった白い部分はポリ塩化ビニリデン系樹脂を含む粒子部分を形成している。
本実施形態において、粒子部分の粒子間とは、例えば、図5のポリ塩化ビニリデン系樹脂層(A)中の粒子部分の間にある黒っぽい部分である。図5から明らかなようにポリ塩化ビニリデン系樹脂を含む粒子部分の粒子間およびポリ塩化ビニリデン系樹脂層(A)の表面並びにその近傍に界面活性剤が偏在している。
本実施形態に係るポリ塩化ビニリデン系樹脂層(A)において、ポリ塩化ビニリデン系樹脂を含む粒子部分の断面における平均粒径は、好ましくは0.01μm以上0.5μm以下、より好ましくは0.05μm以上0.45μm以下、さらに好ましくは0.07μm以上0.40μm以下、さらにより好ましくは0.08μm以上0.35μm以下である。これにより、優れたバリア性能を維持しながら、帯電防止性能や印刷特性をさらに向上させることができる。
ここで、ポリ塩化ビニリデン系樹脂を含む粒子部分の断面における平均粒径は、電子顕微鏡写真により測定することができる。例えば、以下の手順で測定する。まず、バリア性フィルム100をミクロトームなどで切断し、断面を作製する。次いで、電子顕微鏡によりバリア性フィルム100の断面写真を数枚撮影する。次いで、任意のポリ塩化ビニリデン系樹脂を含む粒子部分を選択し、写真からその粒径を測定する。このとき、断面における10個以上の粒径について測定し、それらの平均値を断面における平均粒径とする。
本実施形態のポリ塩化ビニリデン系樹脂は、構成単位として、塩化ビニリデンモノマーを主に含有するものであれば特に限定されず、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)であってもよいし、塩化ビニリデンと、塩化ビニリデンと共重合可能な単量体との共重合体であってもよい。
上記共重合体としては、塩化ビニリデンの含有割合が60質量%以上100質量%未満であり、塩化ビニリデンと共重合可能な単量体の含有割合が0質量%を超えて40質量%以下である共重合体を例示することができる。
塩化ビニリデンと共重合可能な単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸−tert−ブチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸−n−オクチル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル等の(メタ)アクリル酸の炭素数1〜18のアルキルエステルまたはシクロアルキルエステル、(メタ)アクリル酸メトキシブチル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシブチル等の(メタ)アクリル酸の炭素数2〜18のアルコキシアルキルエステルのような(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸等のカルボキシル基を有するエチレン系α,β−不飽和カルボン酸およびその塩;(メタ)アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド等の不飽和アミド化合物;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル基含有単量体;(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸−3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル等のアクリル酸または(メタ)アクリル酸の炭素数2〜8のヒドロキシアルキルエステル;ポリオキシエチレンモノアクリレート、ポリオキシエチレンモノメタアクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、アリルアルコール等の水酸基含有単量体;スチレン、α−メチルスチレン、塩化ビニル、ブタジエン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、イタコン酸アルキルエステル、エチレン、プロピレン、イソブチレン等のその他の重合性不飽和単量体等から選択される一種または二種以上を挙げることができる。
ポリ塩化ビニリデン系樹脂層(A)は、例えば、ポリ塩化ビニリデン系樹脂の微粒子を含むラテックスにより形成することができる。
ポリ塩化ビニリデン系樹脂層(A)に使用するポリ塩化ビニリデン系樹脂の微粒子を含むラテックスは、従来公知の乳化重合で製造することができる。
本実施形態のバリア性フィルム100において、ポリ塩化ビニリデン系樹脂層(A)に含まれる界面活性剤は特に限定されず、一般的に乳化重合で用いられる界面活性剤を用いることができる。例えば、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。ブリードアウトの容易性の観点からアニオン性界面活性剤が特に好ましい。
また、界面活性剤の含有量は、バリア性能と印刷特性の観点から、例えば、ポリ塩化ビニリデン系樹脂層(A)全体に対し、0.3〜2.5質量%である。
カチオン性界面活性剤としては、例えば、ドデシルアンモニウムクロライド等のアルキルアンモニウム塩または4級アンモニウム塩等が挙げられる。
アニオン性界面活性剤としては、例えば、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ジアンモニウム、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸カルシウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム等のアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸アンモニウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩;ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム等のアルキル硫酸エステル塩;脂肪酸ナトリウム、オレイン酸カリウム等の脂肪族カルボン酸塩;ポリオキシアルキレン単位含有硫酸エステル塩(例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸アンモニウム等のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩;ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸アンモニウム等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩;ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸アンモニウム等のポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステル塩等);ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物ナトリウム等のナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩;ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、モノアルキルスルホコハク酸ジナトリウム等のアルキルスルホコハク酸塩;ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレングリコールエーテル硫酸塩;スルホン酸塩または硫酸エステル基と重合性の炭素−炭素(不飽和)二重結合とを分子中に有する反界面活性剤等が挙げられる。
ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシアルキレンアルキルエーテル化合物、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル化合物、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル等のポリオキシアルキレン多環フェニルエーテル化合物等のポリオキシアルキレン単位含有エーテル化合物;ポリオキシエチレンモノラウレート、ポリオキシエチレンモノステアレート、ポリオキシエチレンモノオレエート等のポリオキシアルキレンアルキルエステル化合物;ポリオキシエチレンアルキルアミン等のポリオキシアルキレンアルキルアミン化合物;ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリオレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート等のソルビタン化合物等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、ラウリルベタイン、ラウリルジメチルアミンオキサイド等が挙げられる。
これらの界面活性剤は1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらの中でも、ポリ塩化ビニリデン系樹脂層(A)に含まれる界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤およびノニオン性界面活性剤から選択される少なくとも一種を含むことが好ましく、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、およびポリオキシアルキレン単位含有硫酸エステル塩から選択される一種または二種以上を含むことがより好ましい。
ポリ塩化ビニリデン系樹脂層(A)の形成方法としては、ポリ塩化ビニリデン系樹脂の微粒子を含むラテックスにより形成されたポリ塩化ビニリデン系樹脂フィルムを、後述の基材フィルム層101や無機物層102、ポリ塩化ビニリデン系樹脂層(B)、その他の基材上に積層させることによりポリ塩化ビニリデン系樹脂層(A)を形成する方法;ポリ塩化ビニリデン系樹脂の微粒子を含むラテックスを基材フィルム層101や無機物層102、ポリ塩化ビニリデン系樹脂層(B)、その他の基材上に塗布し、乾燥させることによりポリ塩化ビニリデン系樹脂層(A)を形成する方法;等が挙げられる。これらの中でも、バリア性、密着性、生産性の観点から、ポリ塩化ビニリデン系樹脂の微粒子を含むラテックスを基材フィルム層101や無機物層102、ポリ塩化ビニリデン系樹脂層(B)、その他の基材上に塗布し、乾燥させることによりポリ塩化ビニリデン系樹脂層(A)を形成する方法が好ましい。
また、上記のポリ塩化ビニリデン系樹脂の微粒子を含むラテックスを用いるポリ塩化ビニリデン系樹脂層の形成方法を2回以上繰り返す、または組み合わせることにより、2層以上のポリ塩化ビニリデン系樹脂層により構成されたポリ塩化ビニリデン系樹脂層(A)を形成することができる。
ポリ塩化ビニリデン系樹脂層(A)の厚みは、バリア性、透明性、印刷特性、帯電防止性、取扱い性等のバランスの観点から、バリア性フィルム100が基材フィルム層101を含まない場合は、好ましくは0.1μm以上100μm以下、より好ましくは0.2μm以上50μm以下、より好ましくは0.5μm以上30μm以下、さらに好ましくは1μm以上20μm以下である。
ポリ塩化ビニリデン系樹脂層(A)の厚みは、バリア性、透明性、印刷特性、残留有機溶媒量、帯電防止性能、密着性、取扱い性等のバランスの観点から、バリア性フィルム100が基材フィルム層101を含む場合は、好ましくは0.1μm以上10μm以下、より好ましくは0.1μm以上5μm以下、さらに好ましくは0.1μm以上3.5μm以下、さらにより好ましくは0.2μm以上2.0μm以下、特に好ましくは0.5μm以上2.0μm以下、最も好ましくは0.5μm以上1.0μm以下である。
本実施形態に係るバリア性フィルム100は、図2に示すように、ポリ塩化ビニリデン系樹脂層(A)の少なくとも一方の面に基材フィルム層101がさらに積層されてもよい。
本実施形態の基材フィルム層101は、好ましくは熱可塑性樹脂を含むものであり、より好ましくは熱可塑性樹脂により形成されたシート状またはフィルム状の基材により構成される。上記熱可塑性樹脂としては、公知の熱可塑性樹脂を用いることができる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)、ポリ(1−ブテン)等のポリオレフィン;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル;ナイロン−6、ナイロン−66、ポリメタキシレンアジパミド等のポリアミド;ポリ塩化ビニル;ポリイミド;エチレン・酢酸ビニル共重合体;ポリアクリロニトリル;ポリカーボネート;ポリスチレン;アイオノマー;等から選択される一種または二種以上を挙げることができる。
これらの中でも、延伸性、透明性が良好な点から、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアミドが好ましい。
また、熱可塑性樹脂により形成されたフィルム状の基材は、無延伸フィルムであっても、延伸フィルムであってもよい。
また、基材フィルム層101の片面または両面に、ポリ塩化ビニリデン系樹脂層(A)、ポリ塩化ビニリデン系樹脂層(B)または後述する無機物層102との接着性を改良するために、例えば、コロナ処理、火炎処理、プラズマ処理、プライマーコート処理等の表面活性化処理を行っておいてもよい。
基材フィルム層101の厚さは、好ましくは1μm以上200μm以下、より好ましくは5μm以上150μm以下である。
層間接着性を向上させる観点から、基材フィルム層101とポリ塩化ビニリデン系樹脂層(A)との間に接着剤層を設けることもできる。特に層間剥離強度の向上と安定の観点から接着剤層としてポリエステル系接着剤層が好ましい。
ポリエステル系接着剤層は、例えば、ポリエステルポリオールと多価イソシアネート等の硬化剤から形成されることが好ましい。
上記ポリエステルポリオールは、多価カルボン酸とポリオールとの反応により得られるポリエステルである。原料として用いられるポリオールは、分子内に少なくとも2つ以上の水酸基を有する化合物であって、例えば、低分子量ポリオール、高分子量ポリオールが挙げられる。
低分子量ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロパンジオール、1,4−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、アルカン(C7〜C22)ジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、アルカン−1,2−ジオール(C17〜C20)、ビスフェノールA、水素化ビスフェノールA、1,4−ジヒドロキシ−2−ブテン、2,6−ジメチル−1−オクテン−3,8−ジオール、ビスヒドロキシエトキシベンゼン、キシレングリコール、ビスヒドロキシエチレンテレフタレート等の低分子量ジオール;グリセリン、2−メチル−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジヒドロキシ−3−ヒドロキシメチルペンタン、1,2,6−ヘキサントリオール、1,1,1−トリス(ヒドロキシメチル)プロパン、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−3−ブタノール、およびその他の脂肪族トリオール(C8〜C24)等の低分子量トリオール;テトラメチロールメタン、D−ソルビトール、キシリトール、D−マンニトール、D−マンニット等の水酸基を4個以上有する低分子量ポリオール等が挙げられる。
高分子量ポリオールとしては、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、アクリルポリオール、エポキシポリオール、天然油ポリオール、シリコンポリオール、フッ素ポリオール、ポリオレフィンポリオール等が挙げられる。
また、ポリエステルポリオールとしては、例えば、上記した低分子量ポリオールの1種または2種以上、あるいは高分子量ポリオールの1種または2種以上と、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、メチルコハク酸、グルタール酸、アジピン酸、1,1−ジメチル−1,3−ジカルボキシプロパン、3−メチル−3−エチルグルタール酸、アゼライン酸、セバチン酸、その他の脂肪族ジカルボン酸(C11〜C13)、水添ダイマー酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、オルソフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トルエンジカルボン酸、ダイマー酸、ヘット酸等のカルボン酸、および、これらのカルボン酸などから誘導される酸無水物;無水シュウ酸、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水2−アルキル(C12〜C18)コハク酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水トリメリット酸、さらには、これらのカルボン酸等から誘導される酸ハライド;シュウ酸ジクロライド、アジピン酸ジクロライド、セバチン酸ジクロライド等と、の反応によって得られるポリエステルポリオール等が挙げられる。
本実施形態に係るポリエステル系接着剤層を形成するための硬化剤である多価イソシアネートは、分子内に少なくとも2つ以上のイソシアネート基を有する化合物であって、例えば、芳香族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート等が挙げられる。
芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、2,4−または2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)もしくはその混合物、4,4'−トルイジンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルエーテルジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート;トリフェニルメタン−4,4',4''−トリイソシアネート、1,3,5−トリイソシアネートベンゼン、2,4,6−トリイソシアネートトルエン等の芳香族トリイソシアネート;4,4'−ジフェニルメタン−2,2',5,5'−テトライソシアネート等の芳香族テトライソシアネート等が挙げられる。
芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、1,3−または1,4−キシリレンジイソシアネート(XDI)もしくはその混合物、ω,ω'−ジイソシアネート−1,4−ジエチルベンゼン、1,3−または1,4−ビス(1−イソシアネート−1−メチルエチル)ベンゼン(TMXDI)もしくはその混合物等の芳香脂肪族ジイソシアネート;1,3,5−トリイソシアネートメチルベンゼン等の芳香脂肪族トリイソシアネート等が挙げられる。
脂環族ポリイソシアネートとしては、例えば、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(IPDI)、4,4'−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)(H12MDI)、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−または1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン(H6XDI)もしくはその混合物等の脂環族ジイソシアネート;1,3,5−トリイソシアネートシクロヘキサン、1,3,5−トリメチルイソシアネートシクロヘキサン、2−(3−イソシアネートプロピル)−2,5−ジ(イソシアネートメチル)−ビシクロ(2.2.1)ヘプタン、2−(3−イソシアネートプロピル)−2,6−ジ(イソシアネートメチル)−ビシクロ(2.2.1)ヘプタン、3−(3−イソシアネートプロピル)−2,5−ジ(イソシアネートメチル)−ビシクロ(2.2.1)ヘプタン、5−(2−イソシアネートエチル)−2−イソシアネートメチル−3−(3−イソシアネートプロピル)−ビシクロ(2.2.1)ヘプタン、6−(2−イソシアネートエチル)−2−イソシアネートメチル−3−(3−イソシアネートプロピル)−ビシクロ(2.2.1)ヘプタン、5−(2−イソシアネートエチル)−2−イソシアネートメチル−2−(3−イソシアネートプロピル)−ビシクロ(2.2.1)−ヘプタン、6−(2−イソシアネートエチル)−2−イソシアネートメチル−2−(3−イソシアネートプロピル)−ビシクロ(2.2.1)ヘプタン等の脂環族トリイソシアネート等が挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、1,2−ブチレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、2,4,4−または2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアネートメチルカプロエート等の脂肪族ジイソシアネート;リジンエステルトリイソシアネート、1,4,8−トリイソシアネートオクタン、1,6,11−トリイソシアネートウンデカン、1,8−ジイソシアネート−4−イソシアネートメチルオクタン、1,3,6−トリイソシアネートヘキサン、2,5,7−トリメチル−1,8−ジイソシアネート−5−イソシアネートメチルオクタン等の脂肪族トリイソシアネート等が挙げられる。
これらポリイソシアネートは、単独で使用してもよく、また2種以上併用してもよい。
好ましくは、芳香族、芳香脂肪族、脂環族及び脂肪族のジイソシアネートが挙げられる。
バリア性フィルム100は、図3に示すように、基材フィルム層101の少なくとも一方の面に無機物層102がさらに積層されていてもよい。これにより、良好な印刷特性を維持しながら、酸素バリア性や水蒸気バリア性等のバリア性能をさらに向上させることができる。無機物層102は、基材フィルム層101と、ポリ塩化ビニリデン系樹脂層(A)または後述のポリ塩化ビニリデン系樹脂層(B)との間に積層されていることが好ましい。
本実施形態の無機物層102を構成する無機物は、例えば、バリア性を有する薄膜を形成できる金属、金属酸化物等が挙げられる。
無機物層102を構成する無機物としては、例えば、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等の周期表2A族元素;チタン、ジルコニウム、ルテニウム、ハフニウム、タンタル等の周期表遷移元素;亜鉛等の周期表2B族元素;アルミニウム、ガリウム、インジウム、タリウム等の周期表3A族元素;ケイ素、ゲルマニウム、錫等の周期表4A族元素;セレン、テルル等の周期表6A族元素等の単体または酸化物等から選択される一種または二種以上を挙げることができる。
なお、本実施形態では、周期表の族名は旧CAS式で示している。
さらに、上記無機物の中でも、バリア性、コスト等のバランスに優れていることから、酸化ケイ素、酸化窒化ケイ素、窒化ケイ素、酸化アルミニウム、およびアルミニウムからなる群から選択される一種または二種以上の無機物が好ましい。
なお、酸化ケイ素には、二酸化ケイ素の他、一酸化ケイ素、亜酸化ケイ素が含有されていてもよい。
無機物層102は上記無機物により形成されている。無機物層102は単層の無機物層から構成されていてもよいし、複数の無機物層から構成されていてもよい。また、無機物層102が複数の無機物層から構成されている場合には同一種類の無機物層から構成されていてもよいし、異なった種類の無機物層から構成されていてもよい。
無機物層102の厚さは、バリア性、密着性、取扱い性等のバランスの観点から、好ましくは1nm以上500nm以下、より好ましくは2nm以上300nm以下、さらに好ましくは5nm以上150nm以下である。
本実施形態において、無機物層102の厚さは、透過型電子顕微鏡や走査型電子顕微鏡による観察画像により求めることができる。
無機物層102の形成方法は特に限定されず、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマ気相成長法(CVD法)等の真空プロセスや、ゾルゲルプロセス等により基材フィルム層101の片面または両面に無機物層102を形成することができる。
本実施形態のバリア性フィルム100は、図4に示すように、無機物層102の保護やバリア性の向上等の観点から、ポリ塩化ビニリデン系樹脂層(A)の少なくとも一方の面にポリ塩化ビニリデン系樹脂を主成分として含む均質な層からなるポリ塩化ビニリデン系樹脂層(B)をさらに有することが好ましい。
ポリ塩化ビニリデン系樹脂層(B)は均質な層であり、例えば、ポリ塩化ビニリデン系樹脂を有機溶媒に溶解してなるポリ塩化ビニリデン系樹脂溶液により形成することができる。
本実施形態において、均質な層とは、例えば、図5のポリ塩化ビニリデン系樹脂層(B)に示すように、密度や組成が均一な層である。図5のポリ塩化ビニリデン系樹脂層(B)において、ポリ塩化ビニリデン系樹脂層(B)は密度や組成が均一である。
バリア性フィルム100は、図4に示すように、基材フィルム層101と、無機物層102と、ポリ塩化ビニリデン系樹脂層(B)と、ポリ塩化ビニリデン系樹脂層(A)と、がこの順番に積層されていることが好ましい。こうすることにより、バリア性能、残留有機溶媒量、印刷特性および帯電防止性能等の性能バランスがより一層良好となる。
ポリ塩化ビニリデン系樹脂層(B)は1層のポリ塩化ビニリデン系樹脂層により構成されていてもよいし、2層以上のポリ塩化ビニリデン系樹脂層により構成されていてもよい。このとき、2層以上のポリ塩化ビニリデン系樹脂層はそれぞれ同じ種類のポリ塩化ビニリデン系樹脂層であってもよいし、異なる種類のポリ塩化ビニリデン系樹脂層であってもよい。
ここで、ポリ塩化ビニリデン系樹脂を主成分として含むとは、ポリ塩化ビニリデン系樹脂層(B)がポリ塩化ビニリデン系樹脂を50質量%以上含むことを意味する。ポリ塩化ビニリデン系樹脂層(B)はポリ塩化ビニリデン系樹脂を好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上、よりさらに好ましくは90質量%以上、特に好ましくは95質量%以上含む。
ポリ塩化ビニリデン系樹脂層(B)のポリ塩化ビニリデン系樹脂の含有量が上記範囲内であると、バリア性がより一層優れることとなるためである。
本実施形態のポリ塩化ビニリデン系樹脂は、構成単位として、塩化ビニリデンモノマーを主に含有するものであれば特に限定されず、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)であってもよいし、塩化ビニリデンと、塩化ビニリデンと共重合可能な単量体との共重合体であってもよい。具体的には、前述したポリ塩化ビニリデン系樹脂層(A)で用いるポリ塩化ビニリデン系樹脂と同様のものを挙げることができる。ここでは説明を省略する。
ポリ塩化ビニリデン系樹脂層(B)に使用するポリ塩化ビニリデン系樹脂は、従来公知の方法で製造することもできるが、種々の市販品を用いることもできる。市販品としては、旭化成社製のサランレジンシリーズ等を好ましく使用することができる。
ポリ塩化ビニリデン系樹脂を溶解させる有機溶媒としては、使用するポリ塩化ビニリデン系樹脂の種類に応じて適宜選択されるため特に限定されないが、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;ジオキサン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;ジメチルホルムアミド等のアミド類;これらの混合溶媒;等が挙げられる。これらの有機溶媒は1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらの中でもテトラヒドロフランとトルエンとの混合溶媒、メチルエチルケトンとトルエンとの混合溶媒およびテトラヒドロフランとトルエンとメチルエチルケトンとの混合溶媒が好ましい。
ポリ塩化ビニリデン系樹脂層(B)の形成方法としては、例えば、ポリ塩化ビニリデン系樹脂溶液により形成されたポリ塩化ビニリデン系樹脂フィルムを基材フィルム層101や無機物層102、ポリ塩化ビニリデン系樹脂層(A)上に積層させることによりポリ塩化ビニリデン系樹脂層(B)を形成する方法、ポリ塩化ビニリデン系樹脂溶液を基材フィルム層101や無機物層102、ポリ塩化ビニリデン系樹脂層(A)、その他の基材上に塗布し、乾燥させることによりポリ塩化ビニリデン系樹脂層(B)を形成する方法等が挙げられる。これらの中でも、バリア性、密着性、生産性等の観点から、ポリ塩化ビニリデン系樹脂溶液を基材フィルム層101や無機物層102、ポリ塩化ビニリデン系樹脂層(A)、その他の基材上に塗布し、乾燥させることによりポリ塩化ビニリデン系樹脂層(B)を形成する方法が好ましい。
また、上記のポリ塩化ビニリデン系樹脂溶液を用いるポリ塩化ビニリデン系樹脂層の形成方法を2回以上繰り返す、または組み合わせることにより、2層以上のポリ塩化ビニリデン系樹脂層により構成されたポリ塩化ビニリデン系樹脂層(B)を形成することができる。
ポリ塩化ビニリデン系樹脂層(B)の厚みは、本発明の効果を奏する限り特に限定はされないが、バリア性、透明性、残留有機溶媒量、密着性、取扱い性等のバランスの観点から、好ましくは0.02μm以上1.5μm以下、より好ましくは0.02μm以上1.3μm以下、さらに好ましくは0.05μm以上0.7μm以下である。
ポリ塩化ビニリデン系樹脂層(A)およびポリ塩化ビニリデン系樹脂層(B)の少なくとも一方は、基材フィルム層101や無機物層102との接着性を向上させる観点から、さらに接着性成分を含んでいてもよい。特に無機物層102として、酸化ケイ素により形成された層を用いる場合、ポリ塩化ビニリデン系樹脂層(A)やポリ塩化ビニリデン系樹脂層(B)と無機物層102との接着性向上の観点から、ポリ塩化ビニリデン系樹脂層(A)やポリ塩化ビニリデン系樹脂層(B)はさらに接着性成分を含むことが好ましい。
上記接着性成分としては、シランカップリング剤;ウレタン系樹脂、尿素系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、アルキッド系樹脂等の接着性樹脂;からなる群から選択される一種または二種以上を用いることが好ましい。
上記シランカップリング剤としては特に限定されないが、例えば、2−クロロエチルトリメトキシシラン、2−クロロエチルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン等のハロゲン含有シランカップリング剤;2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、3−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリメトキシシラン、2−グリシジルオキシエチルトリメトキシシラン、2−グリシジルオキシエチルトリエトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシ基含有シランカップリング剤;2−アミノエチルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−[N−(2−アミノエチル)アミノ]エチルトリメトキシシラン、3−[N−(2−アミノエチル)アミノ]プロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、3−[N−(2−アミノエチル)アミノ]プロピルメチルジメトキシシラン等のアミノ基含有シランカップリング剤;2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のメルカプト基含有シランカップリング剤;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のビニル基含有シランカップリング剤;2−メタクリロイルオキシエチルトリメトキシシラン、2−メタクリロイルオキシエチルトリエトキシシラン、2−アクリロイルオキシエチルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリロイル基含有シランカップリング剤等が挙げられる。これらのシランカップリング剤は1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
ポリ塩化ビニリデン系樹脂層(A)およびポリ塩化ビニリデン系樹脂層(B)の合計厚みは、本発明の効果を奏する限り特に限定はされないが、バリア性、透明性、印刷特性、残留有機溶媒量、帯電防止性能、密着性、取扱い性等のバランスの観点から、好ましくは0.12μm以上4.8μm以下、より好ましくは0.25μm以上2.7μm以下、さらに好ましくは0.40μm以上2.0μm以下、さらにより好ましくは0.50μm以上1.5μm以下である。
バリア性フィルム100において、ポリ塩化ビニリデン系樹脂層(B)の厚みをXとし、ポリ塩化ビニリデン系樹脂層(A)の厚みをXとしたとき、X/Xが好ましくは0.2以上100以下、より好ましくは0.2以上30以下であり、さらに好ましくは1.0以上20以下、さらにより好ましくは3.0以上10以下である。X/Xが上記範囲内とすることにより、バリア性能、残留有機溶媒量、印刷特性および帯電防止性能等の性能バランスがより一層良好となる。
また、本実施形態に係るバリア性フィルム100の全体の厚みは、本発明の効果を奏する限り特に限定はされないが、バリア性フィルム100が優れたバリア性を有するためフィルムの厚さの薄膜化が可能となる。具体的には、全体の厚みが15μm以下のバリア性フィルムも可能となる。
本実施形態のバリア性フィルム100は、ヒートシール性を付与するために、少なくとも片面に熱融着層を設けてもよい。
上記熱融着層としては、熱融着層として公知のものが使用できる。例えば、エチレン、プロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、4−メチル−ペンテン−1、オクテン−1等のα−オレフィンの単独重合体若しくは共重合体、高圧法低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン(所謂LLDPE)、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリプロピレンランダム共重合体、低結晶性あるいは非晶性のエチレン・プロピレンランダム共重合体、エチレン・ブテン−1ランダム共重合体、プロピレン・ブテン−1ランダム共重合体等から選択される一種または二種以上のポリオレフィンを含む樹脂組成物により形成される層、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)を含む樹脂組成物により形成される層、EVAおよびポリオレフィンを含む樹脂組成物により形成される層等が挙げられる。
本実施形態のバリア性フィルム100には、例えば、滑性層、帯電防止層等の種々のコーティング層やラミネート層をさらに設けてもよい。
バリア性フィルム100は、水蒸気バリア性に優れ、包装用フィルムや封止用フィルムとして好適に用いることができる。具体的には、バリア性フィルム100において、40℃、90%RHの条件下で測定される水蒸気透過係数は、好ましくは1.0g/m・day以下、より好ましくは0.5g/m・day以下、特に好ましくは0.3g/m・day以下である。
このような水蒸気透過係数は、例えば、無機物層102、ポリ塩化ビニリデン系樹脂層(A)およびポリ塩化ビニリデン系樹脂層(B)の厚みを調整することにより達成できる。
バリア性フィルム100は、酸素バリア性に優れ、包装用フィルムや封止用フィルムとして好適に用いることができる。具体的には、バリア性フィルム100において、JISK7126−2:2006に準拠し、温度20℃、湿度90%RHの条件で測定される酸素透過度は、好ましくは5.0ml/m・day・MPa以下であり、より好ましくは2.0ml/m・day・MPa以下、さらに好ましくは1.0ml/m・day・MPa以下、さらにより好ましくは0.5ml/m・day・MPa以下である。
このような酸素透過度は、例えば、無機物層102、ポリ塩化ビニリデン系樹脂層(A)およびポリ塩化ビニリデン系樹脂層(B)の厚みを調整することにより達成できる。
本実施形態のバリア性フィルム100は、例えば、印刷特性、バリア性能、低残留有機溶媒量、帯電防止性能等が要求される、食品、医薬品、日常雑貨等を包装するための包装用フィルム;真空断熱パネル用フィルム;エレクトロルミネセンス素子、太陽電池等を封止するための封止用フィルム;等として好適に使用することができる。
また、本実施形態のバリア性フィルム100はバリア性包装体を構成するバリア性フィルムとして好適に用いることもできる。本実施形態に係るバリア性包装体は、例えば、内容物を充填することを目的として使用される本実施形態のバリア性フィルム100により構成されたバリア性包装袋自体または当該袋に内容物を充填したものである。また、本実施形態に係るバリア性包装袋は用途に応じその一部にバリア性フィルム100を使用してもよいし、バリア性包装袋全体にバリア性フィルム100を使用してもよい。
[バリア性フィルムの製造方法]
以下、基材フィルム層101と、無機物層102と、ポリ塩化ビニリデン系樹脂層(B)と、ポリ塩化ビニリデン系樹脂層(A)と、がこの順番に積層されてなるバリア性フィルム100の製造方法について説明する。
このバリア性フィルム100の製造方法は、以下の工程を含む。
(1)無機物層102上に、ポリ塩化ビニリデン系樹脂を有機溶媒に溶解してなるポリ塩化ビニリデン系樹脂溶液を塗布し、乾燥することによりポリ塩化ビニリデン系樹脂層(B)を形成する工程
(2)ポリ塩化ビニリデン系樹脂層(B)上に、ポリ塩化ビニリデン系樹脂の微粒子を含むラテックスを塗布し、乾燥することによりポリ塩化ビニリデン系樹脂層(A)を形成する工程
上記(1)および(2)の工程において、ポリ塩化ビニリデン系樹脂溶液を無機物層102上に塗布する方法や、ポリ塩化ビニリデン系樹脂の微粒子を含むラテックスをポリ塩化ビニリデン系樹脂層(B)上に塗布する方法としては、特に限定されず、通常の方法を用いることができる。例えば、エアーナイフコーター、キスロールコーター、メタリングバーコーター、グラビアロールコーター、リバースロールコーター、ディップコーター、ダイコーター等の公知の塗工機を用いて塗工する方法が挙げられる。
上記(1)および(2)の工程において、塗布後の乾燥方法としては特に限定されず、通常の方法を用いることができる。例えば、アーチドライヤー、ストレートバスドライヤー、タワードライヤー、ドラムドライヤー、フローティングドライヤー等の公知の乾燥機を用いて乾燥する方法が挙げられる。
乾燥温度は、好ましくは50℃以上200℃以下、より好ましくは70℃以上150℃以下、さらに好ましくは90℃以上130℃以下であり、乾燥時間は、好ましくは5秒以上10分間以下、より好ましくは5秒以上3分間以下、さらに好ましくは5秒以上1分間以下である。
乾燥後、必要によりオーブン等によって熱処理を行うことが好ましい。例えば、上記乾燥後のフィルムを好ましくは35℃以上60℃以下、より好ましくは40℃以上50℃以下のオーブン中で、好ましくは5時間以上70時間以下、より好ましくは10時間以上50時間以下程度熱処理する。このような熱処理によりポリ塩化ビニリデン系樹脂の結晶化が促進され、バリア性フィルム100のバリア性能をより一層向上させることができる。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
以下、本実施形態を、実施例・比較例を参照して詳細に説明する。なお、本実施形態は、これらの実施例の記載に何ら限定されるものではない。
実施例および比較例における各評価は以下の方法で行った。
(1)水蒸気透過係数の測定
厚さ50μmのLLDPEフィルム(三井化学東セロ社製、商品名:T.U.XFCS)に接着剤(三井化学社製、タケラックA−310(商品名)/タケネートA−3(商品名)=12/1(重量比))を3.0g/m塗布した。次いで、実施例・比較例で得られたバリア性フィルムの基材フィルム層とは反対側の表面とLLDPEフィルムの接着剤塗布面が接するようにして、バリア性フィルムとLLDPEフィルムとを積層し、バリア性積層フィルムを得た。
次いで、得られたバリア性積層フィルムを用いて、内表面積が0.01mになるように製袋し、得られた袋内に内容物として塩化カルシウムを10g入れ、袋の入り口をヒートシールした。
次いで得られた袋を温度40℃、湿度90%RHの環境下に72時間保管した。保管前後の塩化カルシウムの重量を測定し、その差から水蒸気透過係数(g・mm/(m・24h))を算出した。
(2)酸素透過度の測定
酸素透過度はJIS K7126−2:2006に準拠して測定した。
厚さ50μmのLLDPEフィルム(三井化学東セロ社製、商品名:T.U.XFCS)に接着剤(三井化学社製、タケラックA−310(商品名)/タケネートA−3(商品名)=12/1(重量比))を3.0g/m塗布した。次いで、実施例・比較例で得られたバリア性フィルムの基材フィルム層とは反対側の表面とLLDPEフィルムの接着剤塗布面が接するようにして、バリア性フィルムとLLDPEフィルムとを積層し、バリア性積層フィルムを得た。
次いで、酸素透過率測定機(MOCON社製:OXTRAN2/21)を使用して、得られたバリア性積層フィルムの酸素透過度を温度20℃、湿度90%RHの条件で測定した。
(3)印刷特性の測定
得られたバリア性フィルムの印刷特性は以下の方法により評価した。
JIS K6768に準じて被印刷面(ポリ塩化ビニリデン系樹脂層(A)表面)である表面の濡れ張力を測定した。濡れ張力が60mN/cm以上であれば水性インクとの馴染みがよくインク抜け等のない良好な状態で印刷することができる。
(判定基準)
○:濡れ張力が60mN/cm以上
×:濡れ張力が60mN/cm未満
(4)表面固有抵抗の測定
表面固有抵抗は、アドバンテスト社製のR8340(デジタル超高抵抗/微小電流計)およびR12704(レジステビティ・チャンバ)を用いて、得られたバリア性フィルムの基材フィルム層とは反対側の表面を23℃、50%RHの環境下で測定した。
(5)残留有機溶媒量の測定
得られたバリア性フィルムの残留有機溶媒量は、以下の手順で測定した。まず、バリア性フィルムから5cm×5cmのサンプルを3枚作製した。作製したサンプル3枚を20mLのバイアル瓶に入れ、密栓した。次いで、ヘッドスペースサンプラー(アジレント社製のG1888)を用いて90℃、30分間加熱した。次いで、加熱後のバイアル瓶中の空間ガス1mLについて、水素炎イオン化型検出器付きガスクロマトグラフィー(アジレント社製のHP6890)を用いて分析し、空間ガス中の有機溶媒量を定量した。この有機溶媒量をバリア性フィルム中の残留有機溶媒量とした。
(6)ポリ塩化ビニリデン系樹脂を含む粒子部分の平均粒径の測定およびポリ塩化ビニリデン系樹脂を含む粒子部分の粒子間の界面活性剤の偏在の有無の確認
ポリ塩化ビニリデン系樹脂を含む粒子部分の平均粒径は透過型電子顕微鏡写真により測定した。まず、バリア性フィルムをミクロトームで切断し、断面を作製した。次いで、ルテニウム染色後、透過型電子顕微鏡により倍率を15万倍としてバリア性フィルムの断面写真を数枚撮影した。次いで、任意の粒子部分を選択し、写真からそのポリ塩化ビニリデン系樹脂を含む粒子部分の粒径を測定した。このとき、10個以上の粒径について測定し、それらの平均値を平均粒径とした。
また、ルテニウム染色により染色された界面活性剤の分布状況を透過型電子顕微鏡により倍率を15万倍としてバリア性フィルムの断面を観察した。
<実施例1>
基材フィルムとして、12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(ユニチカ社製、商品名:エンブレットPET12)を用いた。この基材フィルムのコロナ処理面に、高周波誘導加熱方式により、アルミニウムを加熱蒸発させ、さらに酸素を導入し、基材フィルム上に厚みが10nmになるように酸化アルミニウムを蒸着し、酸化アルミニウム蒸着フィルムを得た。
得られた酸化アルミニウム蒸着フィルムの酸化アルミニウム層上に、ポリ塩化ビニリデン系樹脂層(B)、ポリ塩化ビニリデン系樹脂層(A)を順次形成することによりバリア性フィルムを得た。
ここで、ポリ塩化ビニリデン系樹脂層(B)、ポリ塩化ビニリデン系樹脂層(A)の形成方法は以下のとおりである。まず、ポリ塩化ビニリデン系樹脂(旭化成社製、商品名:サランレジンF216)をトルエンとメチルエチルケトンの混合有機溶媒(重量比:トルエン/メチルエチルケトン=1/2)に溶解させ、ポリ塩化ビニリデン系樹脂溶液(固形分5質量%)を調製した。
次いで、このポリ塩化ビニリデン系樹脂溶液を、酸化アルミニウム層上にアプリケーターで塗工し、乾燥させて溶媒を除去することにより厚みが0.13μmのポリ塩化ビニリデン系樹脂層(B)を形成した。
つづいて、ポリ塩化ビニリデン系樹脂の微粒子および界面活性剤(硫黄およびナトリウム含有アニオン系界面活性剤)を含むラテックス(商品名:サランラテックスL536B(旭化成ケミカルズ社製))を、ポリ塩化ビニリデン系樹脂層(B)上にアプリケーターで塗工し、乾燥させて溶媒を除去することにより厚みが0.56μmのポリ塩化ビニリデン系樹脂層(A)を形成した。
ここで、図5は実施例1で得られたバリア性フィルムの断面を表す電子顕微鏡写真を示す図である。図5から分かるように、得られたバリア性フィルムにおいて、ポリ塩化ビニリデン系樹脂層(A)は不均質な層であり、かつ、ポリ塩化ビニリデン系樹脂を含む粒子部分を有する構造を含んでいた。また、ポリ塩化ビニリデン系樹脂層(B)は均質な層であった。
また、ポリ塩化ビニリデン系樹脂層(A)中のポリ塩化ビニリデン系樹脂を含む粒子部分の平均粒径は0.15μmであった。さらに、ルテニウム染色された断面をTEMにより15万倍で観察することにより、ポリ塩化ビニリデン系樹脂層(A)中のポリ塩化ビニリデン系樹脂を含む粒子部分の粒子間及びポリ塩化ビニリデン系樹脂層(A)の表面並びにその近傍に界面活性剤が偏在しているのを確認できた。
得られたバリア性フィルムの評価結果を表1および2に示す。
<実施例2>
ポリ塩化ビニリデン系樹脂層(B)を形成せず、かつ、ポリ塩化ビニリデン系樹脂層(A)の乾燥後の厚みを0.56μmとした以外は実施例1と同様にしてバリア性フィルムを得た。
得られたバリア性フィルムの透過型電子顕微鏡による断面写真から、得られたバリア性フィルムにおいて、ポリ塩化ビニリデン系樹脂層(A)は不均質な層であり、かつ、ポリ塩化ビニリデン系樹脂を含む粒子部分を有する構造を含んでいることが確認できた。
また、ポリ塩化ビニリデン系樹脂層(A)中のポリ塩化ビニリデン系樹脂を含む粒子部分の平均粒径は0.15μmであった。さらに、ルテニウム染色された断面をTEMにより15万倍で観察することにより、ポリ塩化ビニリデン系樹脂層(A)中のポリ塩化ビニリデン系樹脂を含む粒子部分の粒子間及びポリ塩化ビニリデン系樹脂層(A)の表面並びにその近傍に界面活性剤が偏在しているのを確認できた。
得られたバリア性フィルムの評価結果を表1および2に示す。
<比較例1>
ポリ塩化ビニリデン系樹脂層(A)およびポリ塩化ビニリデン系樹脂層(B)を形成しない以外は実施例1と同様にしてバリア性フィルムを得た。得られたバリア性フィルムの評価結果を表1および2に示す。
<比較例2>
ポリ塩化ビニリデン系樹脂層(A)を形成せず、かつポリ塩化ビニリデン系樹脂層(B)の乾燥後の厚みを0.13μmとした以外は実施例1と同様にしてバリア性フィルムを得た。得られたバリア性フィルムの評価結果を表1および2に示す。
また、得られたバリア性フィルムの透過型電子顕微鏡による断面写真から、得られたバリア性フィルムにおいて、ポリ塩化ビニリデン系樹脂層(B)は均質な層であることが確認できた。
実施例1および2のバリア性フィルムはバリア性能、印刷特性、低残留有機溶媒量、帯電防止性能の性能バランスに優れていた。
これに対し、比較例1および2で得られたバリア性フィルムはバリア性能、印刷特性、低残留有機溶媒量、帯電防止性能の性能バランスに劣っていた。
100 バリア性フィルム
101 基材フィルム層
102 無機物層
A ポリ塩化ビニリデン系樹脂層
B ポリ塩化ビニリデン系樹脂層

Claims (13)

  1. ポリ塩化ビニリデン系樹脂を主成分として含むポリ塩化ビニリデン系樹脂層(A)を少なくとも備えるバリア性フィルムであって、
    前記ポリ塩化ビニリデン系樹脂層(A)が不均質な層であり、かつ、ポリ塩化ビニリデン系樹脂を含む粒子部分を有する構造を含み、
    前記ポリ塩化ビニリデン系樹脂層(A)の少なくとも一方の面にポリ塩化ビニリデン系樹脂を主成分として含む均質な層からなるポリ塩化ビニリデン系樹脂層(B)をさらに有し、
    前記ポリ塩化ビニリデン系樹脂層(A)と、前記ポリ塩化ビニリデン系樹脂層(B)とが接しており、
    前記ポリ塩化ビニリデン系樹脂を含む粒子部分の粒子間に界面活性剤が偏在しており、
    前記界面活性剤がアルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、およびポリオキシアルキレン単位含有硫酸エステル塩からなる群から選択される一種または二種以上を含むバリア性フィルム。
  2. 前記ポリ塩化ビニリデン系樹脂を含む粒子部分の断面における平均粒径が0.01μm以上0.5μm以下である請求項に記載のバリア性フィルム。
  3. 前記ポリ塩化ビニリデン系樹脂層(A)がシランカップリング剤、ウレタン系樹脂、尿素系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、およびアルキッド系樹脂からなる群から選択される一種または二種以上の接着性成分を含む請求項1または2に記載のバリア性フィルム。
  4. ポリ塩化ビニリデン系樹脂を主成分として含むポリ塩化ビニリデン系樹脂層(A)を少なくとも備えるバリア性フィルムであって、
    前記ポリ塩化ビニリデン系樹脂層(A)が不均質な層であり、かつ、ポリ塩化ビニリデン系樹脂を含む粒子部分を有する構造を含み、
    前記ポリ塩化ビニリデン系樹脂層(A)の少なくとも一方の面にポリ塩化ビニリデン系樹脂を主成分として含む均質な層からなるポリ塩化ビニリデン系樹脂層(B)をさらに有し、
    前記ポリ塩化ビニリデン系樹脂層(A)と、前記ポリ塩化ビニリデン系樹脂層(B)とが接しており、
    前記ポリ塩化ビニリデン系樹脂を含む粒子部分の断面における平均粒径が0.01μm以上0.5μm以下であるバリア性フィルム。
  5. ポリ塩化ビニリデン系樹脂を主成分として含むポリ塩化ビニリデン系樹脂層(A)を少なくとも備えるバリア性フィルムであって、
    前記ポリ塩化ビニリデン系樹脂層(A)が不均質な層であり、かつ、ポリ塩化ビニリデン系樹脂を含む粒子部分を有する構造を含み、
    前記ポリ塩化ビニリデン系樹脂層(A)の少なくとも一方の面にポリ塩化ビニリデン系樹脂を主成分として含む均質な層からなるポリ塩化ビニリデン系樹脂層(B)をさらに有し、
    前記ポリ塩化ビニリデン系樹脂層(A)と、前記ポリ塩化ビニリデン系樹脂層(B)とが接しており、
    前記ポリ塩化ビニリデン系樹脂層(A)がシランカップリング剤、ウレタン系樹脂、尿素系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、およびアルキッド系樹脂からなる群から選択される一種または二種以上の接着性成分を含むバリア性フィルム。
  6. 前記ポリ塩化ビニリデン系樹脂層(A)の少なくとも一方の面に基材フィルム層をさらに有する請求項1乃至のいずれか一項に記載のバリア性フィルム。
  7. ポリ塩化ビニリデン系樹脂を主成分として含むポリ塩化ビニリデン系樹脂層(A)を少なくとも備えるバリア性フィルムであって、
    前記ポリ塩化ビニリデン系樹脂層(A)が不均質な層であり、かつ、ポリ塩化ビニリデン系樹脂を含む粒子部分を有する構造を含み、
    前記ポリ塩化ビニリデン系樹脂層(A)の少なくとも一方の面にポリ塩化ビニリデン系樹脂を主成分として含む均質な層からなるポリ塩化ビニリデン系樹脂層(B)をさらに有し、
    前記ポリ塩化ビニリデン系樹脂層(A)と、前記ポリ塩化ビニリデン系樹脂層(B)とが接しており、
    前記ポリ塩化ビニリデン系樹脂層(A)の少なくとも一方の面に基材フィルム層をさらに有するバリア性フィルム。
  8. 前記基材フィルム層と前記ポリ塩化ビニリデン系樹脂層(A)が接着層を介して構成されている請求項6または7に記載のバリア性フィルム。
  9. 前記基材フィルム層の少なくとも一方の面に無機物層をさらに有する請求項6乃至8のいずれか一項に記載のバリア性フィルム。
  10. 前記無機物層が、酸化ケイ素、酸化窒化ケイ素、窒化ケイ素、酸化アルミニウム、およびアルミニウムからなる群から選択される一種または二種以上の無機物を含む請求項に記載のバリア性フィルム。
  11. 前記基材フィルム層と、前記無機物層と、前記ポリ塩化ビニリデン系樹脂層(B)と、前記ポリ塩化ビニリデン系樹脂層(A)と、がこの順番に積層されている請求項または10に記載のバリア性フィルム。
  12. 前記ポリ塩化ビニリデン系樹脂層(B)の厚みをXとし、前記ポリ塩化ビニリデン系樹脂層(A)の厚みをXとしたとき、X/Xが0.2以上100以下である請求項1乃至11のいずれか一項に記載のバリア性フィルム。
  13. 請求項1乃至12のいずれか一項に記載のバリア性フィルムを含むバリア性包装体。
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