JP4524911B2 - 包装材料積層体および包装体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は包装材料積層体及び包装体に関し、特に、プラスチックフィルムに無機酸化物薄膜層を形成した、特にガスバリア性に優れ、食品、医薬品、化学薬品、医療用機器、電子部品など包装時には気密性が要求され、かつ、内容物取り出し時には、容易に開封することが求められる物品の包装に用いるのに適した包装材料積層体及び包装体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、酸素や水蒸気などに対し優れたガスバリア性を有し、透明で、環境負荷の小さいフレキシブルフィルムとして、プラスチックフィルム上に無機薄膜層を形成したガスバリア性積層体が知られている。
このようなガスバリア性積層体上にさらにヒートシール性を有する樹脂層を積層したものは、食品、医薬、化学薬品、医療用機器、電子部品等の包装用に製袋し、包装体として用いられる。
【0003】
このようなガスバリア積層体に限らず、プラスチックフィルム積層体から得られた包装袋や物品の外装においては以下のような問題があった。
例えば、内容物を取出すときに包装袋や物品の外装を開封するが、これらの包装材料を用いた包装袋や物品の外装の破壊強度が高いために老人、子供の力では簡単に開封できない包装袋や物品の外装があり、また、さらに力を入れて開封したときに、その勢いが強いため内容物が包装袋や物品の外装から一度に飛び出し、飛散することがある。
このような不便さは、特に無機蒸着層を有するガスバリア積層体において顕著であり、改善が求められているが、満足するようなものはない。
具体的には、特に化学的蒸着方により得られた無機薄膜層の上に、ポリウレタン系樹脂やシランカップリング剤を含む樹脂をコートして、シーラントを貼り合わせるための接着剤との密着性を改善させることが行われているだけであり、開封性を改善したものは見られない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記従来の包装材料積層体及び包装体の有する問題点を解決し、通常は優れた気密性を有するが、開封時には強い抵抗感がなく開封感が良好で、手でスムーズに開封することができる、ガスバリア性を有し、かつ、開封性の優れた包装材料積層体及び前記包装材料積層体を用いた開封性の優れた包装体を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決する為の手段】
上記の目的を達成するため、本発明の包装材料積層体及び包装体は、プラスチックフィルムの少なくとも一方の表面に金属あるいは無機薄膜層、アクリル酸基を有する樹脂を含む樹脂から形成される層、接着剤層、ヒートシール性樹脂層または保護層を順次積層して開封性に優れた包装材料積層体を得た。
【0006】
上記の構成からなる本発明の包装材料積層体及び包装体は、ガスバリア性を有し、かつ、強い抵抗感がなく、開封性が良好で、手でスムーズに開封することができる。
【0007】
この場合において、アクリル酸基を有する樹脂を含む樹脂が(A)アクリル酸を有するポリエステル、ポリ(メタ)アクリル酸およびその誘導体から選ばれる樹脂と(B)エポキシ樹脂の混合反応物であることが好適である。
【0008】
またこの場合において、上記無機薄膜層が、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウムのいずれかからなる無機酸化物薄膜層であることが好適である。
【0009】
さらにまた、この場合において、上記無機薄膜層が、少なくとも酸化ケイ素、酸化アルミニウムを含む多元系無機酸化物薄膜層であることが好適である。
さらにまた、この場合において、上記包装材料積層体を用いた包装体が好適である。
【0010】
さらにまた、この場合において、アクリル酸基を有する樹脂を含む樹脂から形成される層が無機酸化物薄膜層とラミネート用接着剤との間にあることが好適である。
【0011】
さらにまた、この場合において、前記記載の包装材料積層体を用いてなる包装体であることができる。
【発明の実施の形態】
以下、本発明の包装材料積層体及び包装体の実施の形態を説明する。
【0012】
本発明におけるプラスチックフィルムとは、有機高分子樹脂からなり、溶融押出し後、長手方向及び/又は幅方向に延伸し、さらに熱固定、冷却を施したフィルムであり、有機高分子としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2、6−ナフタレート、ナイロン6、ナイロン4、ナイロン66、ナイロン12、ポリ塩化ビニール、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニールアルコール、全芳香族ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリスルホンなどがあげられる。これらの有機高分子は、他の有機重合体を少量共重合をしたり、ブレンドしたりしてもよい。
【0013】
これらの中でも、好ましいポリアミドの具体例としては、ポリカプロアミド(ナイロン6)、ポリ‐ε‐アミノへプタン酸(ナイロン7)、ポリ‐ε‐アミノノナン酸(ナイロン9)、ポリウンデカンアミド(ナイロン11)、ポリラウリンラクタム(ナイロン12)、ポリエチレンジアミンアジパミド(ナイロン2・6)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン4・6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン6・6)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン6・10)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン6・12)、ポリオクタメチレンドデカミド(ナイロン6・12)、ポリオクタメチレンアジパミド(ナイロン8・6)、ポリデカメチレンアジパミド(ナイロン10・6)、ポリデカメチレンセバカミド(ナイロン10・10)、ポリドデカメチレンドデカミド(ナイロン12・12)、メタキシレンジアミン‐6ナイロン(MXD6)などを挙げることができ、これらを主成分とする共重合体であってもよく、その例としては、カプロラクタム/ラウリンラクタム共重合体、カプロラクタム/ヘキサメチレンジアンモニウムアジぺート共重合体、ラウリンラクタム/ヘキサメチレンジアンモニウムアジぺート共重合体、ヘキサメチレンジアンモニウムアジぺート/ヘキサメチレンジアンモニウムセバケート共重合体、エチレンジアンモニウムアジぺート/ヘキサメチレンジアンモニウムアジぺート共重合体、カプロラクタム/ヘキサメチレンジアンモニウムアジぺート/ヘキサメチレンジアンモニウムセバケート共重合体などを挙げることができる。これらのポリアミドには、フィルムの柔軟性改質成分として、芳香族スルホンアミド類、p‐ヒドロキシ安息香酸、エステル類などの可塑剤や低弾性率のエラストマー成分やラクタム類を配合することも有効である。
【0014】
また、好ましいポリエステルの具体例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン‐2,6‐ナフタレートなどが用いられるが、これらを主成分とする共重合体であっても良く、ポリエステル共重合体を用いる場合、そのジカルボン酸成分の主成分がテレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸又は2,6‐ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、トリメリロット酸及びピロメリロット酸などの多官能カルボン酸の他にアジピン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸などが用いられる。また、グリコール成分の主成分がエチレングリコール又は1,4‐ブタンジオールである他ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコールなどの脂肪族グリコール、p‐キシリレングリコールなどの芳香族グリコール、1,4‐シクロヘキサンジメタノールなどの脂環族グリコール、平均分子量が150〜20000のポリエチレングリコールなどが用いられる。ポリエステル中の好ましい共重合成分の比率は20%以下である。共重合成分が20%を超えるときはフィルム強度、透明性、耐熱性などが劣る場合がある。これらの有機高分子は、さらに他のの有機高分子を少量共重合したり、ブレンドしても良い。
【0015】
さらに上記の有機高分子には、公知の添加物,例えば、紫外線吸収剤、帯電防止剤、可塑剤、滑剤、着色剤、などを添加されてもよく、フィルムとしての透明度は特に限定するものではないが、透明性を有する包装材料積層体として使用する場合には、50%以上の透過率をもつものが望ましい。
本発明におけるプラスチックフィルムは、本発明の目的を損なわないかぎりにおいて、薄膜層を積層するに先行して、前記プラスチックフィルムをコロナ放電処理、グロー放電、火炎処理、表面粗面化処理等の表面処理を施しても良く、また、公知のアンカーコート処理、印刷、装飾が施されても良い。
本発明におけるプラスチックフィルムは、その厚さとして3〜500μmの範囲が望ましく、さらに好ましくは、6〜300μmの範囲である。
【0016】
本発明における無機薄膜層を形成する材料としてはマグネシウム、アルミニウム、チタン、クロム、ニッケル、インジウムなど薄膜にできるものなら特に制限はないが、コスト等の点で、より好ましくはアルミニウムである。
【0017】
本発明における無機薄膜層は上記金属薄膜に加え、無機酸化物薄膜が挙げられる。例えば、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウムなど薄膜にできるものなら特に制限はないが、好ましくは酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウムであり、さらに好ましくは、酸化ケイ素、酸化アルミニウムを含む多元系無機酸化物薄膜の方がカット性およびガスバリア性に優れる。その理由としては、酸化ケイ素、酸化アルミニウムを含む多元系無機酸化物薄膜と接着剤層との間において高い密着力が得られやすく、ヒートシール性樹脂層が剥離しにくいからである。ここでいう、酸化ケイ素、酸化アルミニウムを含む多元系無機酸化物薄膜とは、無機酸化物からそれ自体公知の方法で形成された薄膜であって、無機酸化物とは、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウムなど薄膜化できる無機酸化物であれば特に制限はないが、好ましい無機酸化物は酸化アルミニウム、酸化ケイ素を含む多元系無機酸化物薄膜、より好ましくは酸化ケイ素・酸化アルミニウム二元系無機酸化物薄膜である。ここでいう酸化ケイ素とはSi、SiOやSiO2などの各種珪素酸化物の混合物からなり、酸化アルミニウムとは、AlOやAl2O3などの各種アルミニウム酸化物の混合物からなり、各酸化物内における酸素の結合量はそれぞれの製造条件によって異なってくるが、酸化ケイ素と酸化アルミニウムとを併用する場合は無機酸化物薄膜中に占める酸化アルミニウムの含有量が、20〜99重量%であるのが好ましく、20〜75重量%であるのがより好ましい。
【0018】
また、無機酸化物薄膜の比重の値が、無機酸化物薄膜中の酸化アルミニウムの含有量(重量%)との関係を、D=0.01A+b(D:薄膜の比重、A:薄膜中の酸化アルミニウムの重量%)で示すとき、b値が1.6よりも小さい領域のときには、酸化ケイ素・酸化アルミニウム系薄膜の構造が粗となり、また、b値が2.2よりも大きい領域の場合、酸化ケイ素・酸化アルミニウム系薄膜が硬くなる傾向にある。
【0019】
このため、無機酸化物薄膜としての酸化ケイ素・酸化アルミニウム系薄膜の比重は、前記薄膜の比重と薄膜中の酸化アルミニウムの含有量(重量%)D=0.01A+b(D:薄膜の比重、A:薄膜中の酸化アルミニウムの含有量)という関係式であらわすとき、b値が1.6〜2.2であるのが好ましく、さらに好ましくは1.7〜2.1であるが、もちろんこの範囲に限定されるものではない。酸化ケイ素・酸化アルミニウムを含み、さらに他の無機酸化物を含む多元系無機酸化物薄膜もガスバリア性積層体としての効果は大きい。
【0020】
前記の場合において、酸化ケイ素・酸化アルミニウム系二元系無機酸化物薄膜中の酸化アルミニウムの含有量が20重量%未満になると、ガスバリア性が必ずしも十分ではなくなり、また、酸化ケイ素・酸化アルミニウム系二元系無機酸化物薄膜中の酸化アルミニウム量が99重量%を超えると、蒸着膜の柔軟性が低下し、ガスバリア性積層体の曲げや寸法変化に比較的弱く、二者併用の効果が低下するといった問題が生じることがある。
【0021】
本発明において、無機薄膜層の膜厚は、通常10〜8,000Å、好ましくは50〜5,000Åである。膜厚が10Å未満では満足のいくガスバリア性が得られ難く、また、8,000Åを超えて過度に厚くしても、それに相当するガスバリア性の向上の効果は得られず、耐屈曲性や製造コストの点でかえって不利となる。
【0022】
無機薄膜層を形成する典型的な製法を酸化ケイ素・酸化アルミニウム系薄膜の形成により説明すると、蒸着法による薄膜形成法としては真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などの物理蒸着法、あるいはCVD法(化学蒸着法)などが適宜用いられる。例えば真空蒸着法を採用する場合は、蒸着原料としてSiO2とAl2O3の混合物、あるいはSiO2とAlの混合物などが用いられる。加熱には、抵抗加熱、高周波誘導加熱、電子ビーム加熱などを採用することができ、また、反応ガスとして酸素、窒素、水素、アルゴン、炭酸ガス、水蒸気などを導入したり、オゾン添加、イオンアシストなどの手段を用いた反応性蒸着を採用することも可能である。さらに、プラスチックフィルムにバイアスを印加したり、プラスチックフィルムを加熱したり冷却するなど、成膜条件も任意に変更することができる。上記蒸着材料、反応ガス、基板バイアス、加熱・冷却などは、スパッタリング法やCVD法を採用する場合にも同様に変更可能である。
【0023】
このような方法により透明で、ガスバリア性に優れ各種処理、例えば、煮沸処理やレトルト処理、さらにはゲルボ試験(耐屈曲性試験)にも耐えることができる優れた性能の包装材料積層体及び包装体を得ることが可能となる。かかる、プラスチックフィルムの表面に無機薄膜層が形成されたガスバリア性積層体は、本発明の包装材料積層体の少なくとも一部の構成層とされる。
【0024】
前記無機薄膜層の上に、トップコート層が形成されることにより、カット性を向上させることができる。その理由として、トップコート層を設けることにより、無機薄膜層と接着剤層、ひいてはヒートシール層との密着力を十分に向上させることによりカット時におけるヒートシール層の剥離を抑えることにより、応力の集中を可能にすることと、トップコート層自身の強度により、ヒートシール層の伸度を抑えることが可能なることが考えられる。
このような効果が顕著なトップコート層としては、硬化(架橋)樹脂が好ましいと考えられる。
特に、(A)アクリル酸基を有するポリエステル樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸およびその誘導体を含む樹脂から選ばれる樹脂と(B)エポキシ樹脂の架橋構造体が好ましい。
ポリアクリル酸の数平均分子量は、特に限定はされないが2000〜200000の範囲が好ましい。
アクリル酸基を有するポリエステル樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸およびその誘導体を含む樹脂から選ばれる樹脂とエポキシ樹脂の混合重量比率は、(A)/(B)=99/1〜25/75が好ましく、それぞれの官能基数、骨格分子分子構造によってさらに最適な範囲がある。(B)がこの範囲の下限を超えるとカット性及び接着性が得られず、上限を超えると接着性、滑性および耐ブロッキング性が低下する。
【0025】
例えば、ポリアクリル酸とエポキシ樹脂の架橋構造体層を形成する方法としては、特に限定されないが、たとえばコーティングによる方法がある。透明蒸着層上へのオーバーコート、印刷時の一層目のプライマーコートなどが挙げられる。この時のコート厚みとしては0.02μm以上がのぞましく、より好ましくは0.2μm以上である。0.02μmより少ないときは本発明の効果は望めない。
【0026】
本発明におけるヒートシール性樹脂層とは低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリプロピレン(PP)、エチレン・アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン・メタアクリル酸共重合体(EMA)、エチレン・メチルアクリレート共重合体(EMAA)、エチレン・エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン・メチルメタアクリル酸共重合体(EMMA)、アイオノマー(IO)などにより形成されたヒートシール性を有する樹脂層である。
【0027】
ヒートシール性樹脂層を接着する方法として、低密度ポリエチレン、エチレン酢酸ビニル共重合体、線状低密度ポリエチレンを溶融押出し樹脂層として用いたり、ウレタン系やポリエステルウレタン系などのドライラミネート用の接着剤を接着層として用いることが挙げられる。この溶融押出し脂層の厚みとしては、3〜100μm程度、好ましくは10〜70μm程度であるのが一般的である。
【0028】
本発明においては、溶融押出し樹脂層のみをヒートシール性樹脂層として用いることができる。
【0029】
本発明において、包装材料積層体からなる包装材料、包装体を食品包装について類型別に分けると、まず、収納する食品別では、乾燥食品用、水物食品用、冷凍食品用などに便宜的に分けることができる。
乾燥食品用包装材料及び包装体とは次のような用途に使用されるものである。適用できる内容物としては、ポテトチップス、ポップコーンなどのスナック菓子、せんべい、おかきなどの米菓類、即席ラーメンやふりかけ、削り節。海苔などの乾物品、緑茶、コーヒー、紅茶などの嗜好品、小麦粉、米、麦などの穀物類があり、また、これらに制限されるものではない。
【0030】
また、乾燥食品用包装材料としては、包装する内容物の要求性に応じ各種フィルムや紙を用いて本発明の包装材料積層体にラミネートしてよく、代表的なラミネート構成としては、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム/無機酸化物薄膜層/ポリアクリル酸とエポキシ樹脂の架橋構造体層/ポリエチレン、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム/無機酸化物薄膜層/ポリアクリル酸とエポキシ樹脂の架橋構造体層/未延伸ポリプロピレン、二軸延伸ナイロンフィルム/二軸延伸ポリエチレンテレフタレート/無機酸化物薄膜層/ポリアクリル酸とエポキシ樹脂の架橋構造体層/ポリエチレン、二軸延伸ナイロンフィルム/無機酸化物薄膜層/ポリアクリル酸とエポキシ樹脂の架橋構造体層/ポリエチレンなどが考えられる。さらに、装飾又は内容物の説明のための印刷を施したり、意匠用フィルムあるいは補強剤などと貼り合わせてもよい。
【0031】
本発明における乾燥食品用包装体としては、袋、蓋材、カップ、チューブ、スタンディングパック、トレイなどがあり、形状、種類に対し、特に制限はなく、例えば、袋物の包装形式としては、ピロータイプ、三方シール、四方シールなどを用いることができる。これらの包装材料及び包装体の構成の全部あるいは一部として本発明の包装材料積層体を用いる。
【0032】
また、本発明における水物食品用包装材料及び包装体用途で適用できる内容物としては、板・糸こんにゃく類、たくあん類、醤油漬け、奈良漬けなどの各種漬け物類、各種味噌類やたれ、だしのもと、めんつゆなどと同封された食品や醤油、ソース、ケチャップ、マヨネーズなどの調味料などがあり、又、これらに制限されるものではない。
【0033】
水物食品用包装材料としても、包装する内容物の要求特性に応じ各種フィルムをラミネートして良く、代表的なラミ構成としては、二軸延伸ナイロンィルム/無機酸化物薄膜層/アクリル酸基を有する樹脂を含む樹脂から形成される層/ポリエチレン、二軸延伸ナイロンフィルム/無機酸化物薄膜層/アクリル酸基を有する樹脂を含む樹脂から形成される層/未延伸ポリプロピレン、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム/無機酸化物薄膜層/アクリル酸基を有する樹脂を含む樹脂から形成される層/ポリエチレン、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム/無機酸化物薄膜層/アクリル酸基を有する樹脂を含む樹脂から形成される層/未延伸ポリプロピレンなどが考えられる。さらに、装飾又は内容物の説明のための印刷を施したり、意匠用フィルムあるいは補強剤などと貼り合わせてもよい。
【0034】
本発明における水物食品用包装体としては、袋、蓋材、カップ、チューブ、スタンディングパック、トレイなどがあり、形状、種類に対し特に制限はなく、例えば、袋物の包装形式としては、ピロータイプ、三方シール、四方シールなどを用いることができ、これらの包装材料及び包装袋の構成の全部あるいは一部として本発明の包装材料積層体を用いる。本発明の包装材料積層体を構成の一部又は全部とする包装材料及び包装体は、使用温度範囲が広いため冷凍食品にも適用が可能である。
【0035】
次に本発明における包装用材料積層体及び包装体を形状別に分けると、ペーパーカートン、チューブ用、袋用、カップ用、スタンディングパック用、トレイ用などの用途に分けられる。例えばペーパーカートンとは、複合容器のことをいい、ペーパーカートン用包装材料としては、紙、プラスチックフィルムなどとガスバリア性のあるフィルムとのラミネート品を用いる。形状、種類としては屋根形(ゲーべルトップ:gable top)、レンガ型(ブリック型:bricktype)、直方型、カップ型など特に制限はない。また、内袋、注出口などと組み合わせてよい。本発明におけるペーパーカートン用途として適用できる内容物は、牛乳、ヨーグルトジュース、炭酸飲料などの飲物、日本酒、焼酎、ウイスキーなどのアルコール類、醤油、ソースなどの調味料などがあり、特に、これらに限定されるものではない。
【0036】
次に本発明における包装材料積層体及び包装体の他の使用例としては、非伝導性であることを利用しての電子レンジやマイクロ殺菌用の包装材料や包装体としても使用可能であり、また脱酸素剤入り包装剤などの用途としても使われる。これらのラミネート構成、包装体の形状も同様に各種存在する。本発明の包装材料及び包装体を構成する包装材料積層体は透明であるとともに高度なバリア性を有するものである。すなわち、ヒートシール層として用いる樹脂の種類、厚さによって異なるが、例えば、未延伸ポリプロピレンフィルム(厚さ50μm)を用いると、酸素透過度が3.0cc/m2・24hrs・atm以下で、かつ、水分透過率が3.0g/m2・24hrs以下の優れたバリア性を有する。したがって、本発明の包装材料積層体からなる包装材料で包装した食品は長期保存が可能である。また、本発明の包装材料積層体からなる包装材料は開封時には強い抵抗感がなく開封感が良好でスムーズに開封することができる。
【0037】
本発明における開封性とは、袋のヒートシール部の端部の切り込み(ノッチ)より、切り込み部の両端を把持して引き裂いたときの積層体の切れ易さのことで、以下の2通りの方法により評価を実施した。
▲1▼官能評価:人のてによって切り込み部の両端を互い違いに引張り、その時の切れ易さを1〜5の5段階でランク付けを行う。
▲2▼引き裂き応力測定:
切断応力とはヒートシール部の端部3に長さ4mmの切り込み2を入れ、引張り試験機(東洋精機株式会社製、機種名 ストログラフV−10C)によって、切り欠き部を中心にしてその両端を把持し、速度200mm/分で引張ったときの応力(N)を測定する。
酸素バリア性の測定はJIS K7126 B法に準じ酸素透過率測定装置(モダンコントロールズ社製 OX−TRAN2/20)を用いて行った。
【0038】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明の内容及び効果を具体的に説明するが、本発明は、その要旨を逸脱しない限り以下の実施例に限定されるものではない。
【0039】
(実施例1)
二軸延伸ナイロンフィルム(東洋紡績社製、商品名 N4142)上に酸化ケイ素と酸化アルミニウムの2元系酸化物薄膜を蒸着した厚み15μmのフィルム(東洋紡績社製、商品名 VN100)の蒸着層上にポリアクリル酸(新中村化学社製、商品名 バナレジン)とエポキシ系樹脂(ナガセ化成工業社製、デナコール)を100/9重量比で混合し、さらに架橋触媒をエポキシ系樹脂に対して5wt%添加したものを乾燥時の厚み0.4g/m2になるように塗布した。この層の上に、ヒートシール性樹脂として、線状低密度ポリエチレンフィルム(厚さ40μm)(東洋紡績社製、商品名 L4102)を用い、イソシアネート系接着(東洋モートン社製、商品名 TM590/CAT56)を乾燥時の厚み3g/m2塗布して接着した。エージング条件は40℃×3日間と通常どおりに設定した。このようにして得られた積層体をヒートシール(シール条件:160℃×1kg×2秒)することで80×120mmの包装袋をつくった。この袋のカット性を評価したところ、スムーズに切れカット性良好であった。
次に、この包装袋の中に、液体スープをつめ、35℃×90%RHの環境下で40日間保管後、切れ目より、手でカットしたが、非常にスムーズに切れ良好であった。
(比較例1)
アクリル酸基を有する樹脂を含む樹脂から形成される層を除いた以外は、実施例1と同様に加工し、ドライラミネート積層体を得た。この積層体について、実施例1と同様に、手でカットすると、抵抗感が強く、うまく切れず、内容物が飛び出すものもあった。
(実施例2)
二軸延伸ナイロンフィルムの上に酸化アルミニウム薄膜を蒸着したフィルムを用いた以外は、実施例1と同様に加工し、押出しラミネート積層体を得た。実施例1と同様にして包装体を作り、内容物をつめ、カット性を評価したところ、抵抗感が少なく、良好であった。
(比較例2)
アクリル酸基を有する樹脂を含む樹脂から形成される層を除いた以外は、実施例2と同様に加工し、押出しラミネート積層体を得た。実施例2と同様にしてカット性を評価すると、抵抗感が強く、うまく切れず、内容物が飛び出すものもあった。
【0040】
得られた積層体の諸特性を表1に示す。
【表1】
【0041】
【発明の効果】
本発明の包装材料積層体及び包装体によれば、優れたガスバリア性を有し、優れた気密性を有するが、開封時には強い抵抗感がなく開封感が良好で、手でスムーズに開封することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】切り込み部を形成した、本発明の包装材料積層体のヒートシール部の要部を示す図である。
【符号の説明】
1 包装材料積層体
2 切り込み部
3 ヒートシール部
Claims (4)
- プラスチックフィルムの少なくとも一方の表面に金属あるいは無機薄膜層、アクリル酸基を有する樹脂を含む樹脂から形成される層、接着剤層およびヒートシール性樹脂層を順次積層してなり、
上記アクリル酸基を有する樹脂を含む樹脂が、(A)アクリル酸基を有するポリエステル樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸およびその誘導体から選ばれる樹脂と、(B)エポキシ樹脂とを重量比率(A)/(B)=99/1〜25/75で混合反応した架橋構造体であり、上記アクリル酸基を有する樹脂を含む樹脂から形成される層の厚みが0.02μm以上であることを特徴とする包装材料積層体。 - 請求項1記載の無機薄膜層が、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウムのいずれかからなる無機酸化物薄膜層であることを特徴とする包装材料積層体。
- 請求項1記載の無機薄膜層が、少なくとも酸化ケイ素、酸化アルミニウムを含む多元系無機酸化物薄膜層であることを特徴とする包装材料積層体。
- 請求項1、2、3のいずれかに記載の包装材料積層体を用いてなることを特徴とする包装体。
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