JP3893027B2 - 複合フィルム及び容器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複合フィルム及び容器に関し、詳しくは、食品を収納後、不活性ガスを充填するガスパック包装において、冷凍保存や輸送時の衝撃に耐え得る底材(容器本体)として好適に使用できる腰の強い剛性に優れた複合フィルムに関するとともに、該複合フィルムを深絞り加工した容器に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
上記ガスパック包装用の底材には、各種樹脂層を積層してなる複合フィルムが使用されている。底材に剛性を付与する手段として、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂を最外層の樹脂として使用することがなされている。上記の例示した樹脂の内、ポリ塩化ビニル樹脂については、優れた剛性を有するとともに、冷凍保存用底材としても低温特性に優れているため割れ難いという利点がある。
【0003】
しかしながら、ポリ塩化ビニル樹脂については、環境問題等により食品包装用分野では使用を避ける方向にある。したがって、ポリ塩化ビニル樹脂以外の樹脂をいかに使いこなすかが課題になっている。
【0004】
ポリプロピレン系樹脂を用いた複合フィルムでは他の樹脂に比べると腰が弱く、特に耐寒性を改良したものでは底材として剛性がなく実用性に問題があった。また、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂を最外層に用いた複合フィルムは耐寒強度が弱く、特に冷凍時になると極端に割れが発生し易くなり、冷凍保存、輸送には耐えられないという問題があった。
【0005】
そこで本発明は、上記問題点を解消でき、腰の強い剛性に優れるとともに低温での衝撃にも耐えられる複合フィルム及び該複合フィルムからなる容器を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の複合フィルムは、シール層、中間層及び最外層からなる複合フィルムにおいて、中間層にポリエステル系樹脂層、又はポリスチレン系樹脂層を配するとともに、最外層に厚さが20〜50μmの範囲のポリアミド系樹脂層を配してなるものである。
【0007】
ここで、上記中間層のポリエステル系樹脂層又はポリスチレン系樹脂層の厚さが100〜1000μmの範囲のものを用いることが好ましく、さらに、中間層には要求品質に応じて、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物樹脂層及び/又はポリアミド樹脂層を配することができる。
【0008】
また、本発明の容器は、上記の複合フィルムを深絞り加工して底材を形成したものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
まず、本発明の複合フィルムについて説明する。本発明の複合フィルムの基本的な層構成は、シール層、中間層及び最外層からなり、従来、最外層に設けていた剛性を付与するためのポリエステル系樹脂層、又はポリスチレン系樹脂層を中間層に配し、最外層には特定のポリエチレン系樹脂層、又はポリアミド系樹脂層を配した構成としている。
【0010】
最外層のポリエチレン系樹脂層に使用するポリエチレン系樹脂は、密度が0.88〜0.92g/cm3の範囲の樹脂を使用する必要がある。密度が0.88g/cm3未満の樹脂では複合フィルム表面の滑りが悪くなり、底材に成形した後の容器の取扱いがやり難いという問題がある。逆に密度が0.92g/cm3を超えるものでは、低温下での弾性率が高くなりすぎて割れ易くなるという問題がある。
【0011】
上記密度範囲のポリエチレン系樹脂としては、通常の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂が使用できるが、メタロセン系の触媒を用いて重合された直鎖状低密度ポリエチレン樹脂が、分子量分布が狭いために、より強度的に優れていることから好適に使用できる。
【0012】
また、上記最外層であるポリエチレン系樹脂層の厚さは20〜150μmの範囲とする必要がある。厚さが20μm未満の場合では低温使用時の割れの発生を防止する効果が少なく、150μmを超えるものでは深絞り成形性が悪くなるので好ましくない。
【0013】
最外層にポリアミド系樹脂を用いる場合、ポリアミド系樹脂としては、6ナイロン、66ナイロン、610ナイロン、612ナイロン、11ナイロン、12ナイロン、46ナイロン、MXD6ナイロン、及びこれらの共重合体や混合体等、特に限定されないが、6ナイロンの使用が強度やコスト面等から好ましい。
【0014】
このポリアミド系樹脂層の厚さは、20〜50μmの範囲とする必要がある。厚さが20μm未満の場合では低温使用時の割れの発生を防止する効果が少なく、50μmを超えるものでは深絞り成形性が悪くなる。
【0015】
本発明の複合フィルムの中間層には、ポリエステル系樹脂層、又はポリスチレン系樹脂層を配する。ポリエステル系樹脂層のポリエステル系樹脂には、テレフタル酸とエチレングリコールから重合してなる通常のポリエチレンテレフタレートや、さらにイソフタル酸、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール等を成分とする共重合ポリエステル樹脂が好適に使用でき、PEN(ポリエチレンナフタレート)等の少量の添加剤を含んでもよい。
【0016】
特に透明性、加工性に優れた非晶性ポリエステル樹脂、例えば、テレフタル酸と、エチレングリコール、シクロヘキサンジメタノールからなるイーストマンケミカル社製「イースターPETG」が好適に使用できる。
【0017】
ポリスチレン系樹脂もポリスチレン及びその共重合体を主成分としたものであれば良いが、ゴム成分を分散したHIPS(ハイインパクトポリスチレン)や、ジエン成分とのブロック共重合体であるSt−bd(スチレン−ブタジエン)等の低温衝撃強度を改良した樹脂の使用が、より好ましい。
【0018】
ここで、上記中間層のポリエステル系樹脂層、又はポリスチレン系樹脂層の厚さは、樹脂の種類や最終的な底材の形状等により異なるが、100μm〜1000μmの範囲が好ましい。100μm未満では腰が弱くなり過ぎるため、ガスパック用底材としては使用が難しく、1000μmを超える厚さでは通常の深絞り包装機では深絞り成形がやり難い傾向にある。
【0019】
シール層については、目的とするシール性が得られれば良く、特に限定されないが、最外層に配するポリエチレン系樹脂と同様の低温衝撃性に優れた直鎖状低密度ポリエチレンを使用することが最も好ましい。また、直鎖状低密度ポリエチレンにポリブテン−1をブレンドすることにより、凝集破壊タイプのイージーピール性(易開封性)を付与することが可能である。
【0020】
本発明の複合フィルムは、食品のガスパック包装用底材として使用される場合には、酸素透過度の低いエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物樹脂(以下「EVOH」という)層を中間層に配することが好ましい。また、強度の付与のためポリアミド樹脂層を配してもよい。特にEVOHの共押出フィルムを使用する場合、EVOHとシール層とを酸変性ポリエチレン樹脂(接着性樹脂)を介して接着させても層間強度が強くはないため、イージーピール性を付与した蓋材とのパック品の場合等は、開封時に層間で剥離して良好なイージーピール性が得られ難い。
【0021】
そこでEVOHとの接着性が良好で、しかも接着性樹脂との層間強度も出やすいポリアミド樹脂層をシール層とEVOH層との間に介在させることにより、層間を強固に接着することが可能となる。
【0022】
上記ポリアミド樹脂の種類は特に限定されないが、6−66ナイロンが融点も低く、EVOHとの共押出性が良好であり、また、接着性樹脂との層間強度もあること、更には低温耐ピンホール性も良好であるため好ましい。
【0023】
本発明複合フィルムの製造方法は特に限定されず、共押出法、ドライラミネート法等、通常の複合フィルムの製造方法により製造することができる。
【0024】
図1乃至図4は、上述の複合フィルムを使用して形成した包装用容器の形態例を示すものである。まず、図1の断面側面図及び図2の平面図は、本発明の容器の第1形態例を示すもので、前記複合フィルムを深絞り加工して収納用凹部を形成した底材11と、該底材11の上部開口縁12に設けられた蓋材被着面13に熱融着等によって被着される蓋材14とにより形成されている。
【0025】
底材11の底面15から上部開口縁12に連なる側壁16は、上部開口縁12に向かって拡開する斜面により逆台形状に形成されており、この側壁16の斜面部分には、底面形状と相似形の横リブ17が同心状に多数設けられており、各側壁16の縦断面形状が階段状になるように形成されている。
【0026】
このように形成した包装体は、物品を収納して蓋材14を蓋材被着面13に被着してシールした状態では、内部に空気が封入された状態になっており、また、食品の種類によっては内部に窒素ガスが充填された状態になっているため、内部のガス圧によって底材11が潰れることがなく、前記多数の横リブ17により側壁16の剛性が向上して容器が変形しにくくなる。
【0027】
そして、蓋材14を剥離して物品を取出した後に上下方向から力を加えると、横リブ17の部分を蛇腹状に変形させて底材11を偏平状態に潰すことができる。したがって、使用後の底材11を潰すことによって体積を大幅に減少させることができ、ゴミとして廃棄あるいは回収する際の体積を大幅に減容化することができるという利点を有している。
【0028】
また、図3の断面側面図及び図4の平面図は、本発明の容器の第2形態例を示すもので、前記複合フィルムを深絞り加工して収納用凹部を形成した底材21と、該底材21の上部開口縁22に設けられた蓋材被着面23に熱融着等によって被着される蓋材24とにより形成されている。
【0029】
底材21の底面25から上部開口縁22に連なる側壁26は、上部開口縁22の近くで外方水平方向に突出した段部27及び立ち上がり部28を介して上部開口縁22に接続している。すなわち、底材21は、二段構造の凹部で形成されていることになる。
【0030】
このように、上部開口縁22の近傍に段部27を形成することにより、該段部27で上部開口縁22の強度、特に開口縁長手方向の外力に対する強度を高めることができ、底材21を変形しにくくすることができる。特に、イージーピールによって開封部24aから蓋材24を剥離する際の変形を抑えることができるので、収納物の飛び出しを防止することができる。
【0031】
さらに、段部27の立ち上がり部28に多数の縦リブ29を設けることにより、段部27部分の強度を更に高めることができるので、底材21の剛性をより向上させることができる。
【0032】
上述のような容器は、特に食品のガスパック包装に好適であり、冷凍保存や輸送時の衝撃にも十分に耐えることができ、使用後の廃棄や回収を行う際の減容化が図れ、また、蓋材剥離時の底材の変形も抑えることができる。さらに、食品包装用の容器以外にも、耐ピンホール性の要求されるプラスチック製品や金属製品等の真空パック用容器としても有用である。
【0033】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明は実施例の内容に限定されるものではない。
以下の説明における略称の内容は次の通りである。(同一略称、番号のものは同一樹脂を使用した)
メタロセンLL…メタロセン系触媒により重合された直鎖状低密度ポリエチレン樹脂
APET…通常のポリエチレンテレフタレートを原料とし製造条件で非晶状態とした樹脂
EVOH…エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物樹脂
Ny…6−66ナイロン樹脂
AD…酸変性ポリエチレン系樹脂
St−bd…スチレン−ブタジエン共重合体
LL…直鎖状低密度ポリエチレン樹脂
VL…超低密度ポリエチレン樹脂
【0034】
(実施例1)
下記層構成の複合フィルムを共押出法により製膜した。以下、括弧内は各層の厚さを表しており、その単位はμmである。
APET1/AD1/EVOH1/Ny/AD2/メタロセンLL1(シール層)
(400) (5) (10) (5) (5) (25)
APET1:「NOVAPEX GS600」 三菱化学(株)製
AD1:「アドマーSF715」 三井化学(株)製
EVOH1:「エバールEP−E153」 (株)クラレ製
Ny:「ノバミッド2030」 三菱エンジニアリングプラスチック(株)製
AD2:「アドマーNF548」 三井化学(株)製
メタロセンLL1:「カーネルKF370」 日本ポリケム(株)製
次いで、APET側に厚さが50μmで密度が0.907g/cm3のメタロセンLLフィルムをドライラミネート法により接合して最外層とし、下記の複合フィルムを得た。
メタロセンLL2(50)//APET1(400)/AD1(5)/EVOH1(10)/Ny(5)/AD2(5)/メタロセンLL1(25)(シール層)
メタロセンLL2:「カーネルKF270」 日本ポリケム(株)製
【0035】
(実施例2)
下記層構成の複合フィルムをドライラミネート法により製膜した。
メタロセンLL3//APET2//メタロセンLL1(シール層)
(100) (400) (50)
メタロセンLL3:「カーネルKF260」 日本ポリケム(株)製
APET2:「ノバクリアーSG007」 三菱化学(株)製
なお、最外層のメタロセンLL3の密度は0.903g/cm3であった。
【0036】
(実施例3)
下記層構成の複合フィルムを共押出法により製膜した。
EVOH1/Ny/AD2/メタロセンLL1(シール層)
(10) (10) (5) (25)
次いで、EVOH1側にSt−bdフィルム(厚さが400μm)とメタロセンLLフィルム(厚さ50μm、密度0.910g/cm3)をドライラミネート法により順次接合して、下記の複合フィルムを得た。
メタロセンLL4 (50)//St−bd(400)//EVOH1(10)/Ny(10)/AD2(5)/メタロセンLL1(25)(シール層)
メタロセンLL4:「アフィニティーPL1845」ダウ・ケミカル日本(株)製
St−bd:「KレジンKK38」 フィリップス石油(株)製
【0037】
(実施例4) 中間層のAPETの厚さが異なる以外は実施例1と同一内容にて下記層構成の複合フィルムを得た。
メタロセンLL2 (50)//APET1(80)/AD1(5)/EVOH1(10)/Ny(5)/AD2(5)/メタロセンLL1 (25)
【0038】
(実施例5)
中間層のAPETの厚さが異なる以外は実施例1と同一内容にて下記層構成の複合フィルムを得た。
メタロセンLL2 (50)//APET1(1200)/AD1(5)/EVOH1(10)/Ny(5)/AD2(5)/メタロセンLL1(25)(シール層)
【0039】
(実施例6)
下記構成の複合フィルムをドライラミネート法により製膜した。
6ナイロン//APET2//メタロセンLL1
(30) (400) (50)
6ナイロン:「ノバミッド1030」 三菱エンジニアリングプラスチック(株)製
【0040】
(比較例1)
下記層構成の複合フィルムを共押出法により製膜した。
APET1/AD1/EVOH1/Ny/AD2/メタロセンLL1(シール層)
(400) (5) (10) (5) (5) (25)
【0041】
(比較例2)
下記層構成の複合フィルムを共押出法により製膜した。
EVOH1/Ny/AD2/メタロセンLL1(シール層)
次いで、EVOH1側に厚さ400μmのSt−bdフィルム(厚さが400μm)をドライラミネート法により接合して、下記の複合フィルムを得た。
St−bd//EVOH1/Ny/AD2/メタロセンLL1
(400) (10) (10) (5) (25)
【0042】
(比較例3)
最外層に厚さが200μmのメタロセンLLフィルムを使用した以外は実施例1と同一内容にて下記複合フィルムを得た。
メタロセンLL2(200)//APET1(400)/AD1(5)/EVOH1(10)/Ny(5)/AD2(5)/メタロセンLL1(25)(シール層)
【0043】
(比較例4)
最外層に厚さが15μmのメタロセンLLフィルムを使用した以外は実施例1と同一内容にて下記複合フィルムを得た。
メタロセンLL2(15)//APET1(400)/AD1(5)/EVOH1(10)/Ny(5)/AD2(5)/メタロセンLL1(25)(シール層)
【0044】
(比較例5)
最外層に密度が0.925g/cm3のLLフィルムを使用した以外は実施例と同一内容にて下記複合フィルムを得た。
LL(50)//APET1(400)/AD1(5)/EVOH1(10)/Ny(5)/AD2(5)/メタロセンLL1(25)(シール層)
LL:「ノバテックLL UF420」 日本ポリケム(株)製
【0045】
(比較例6)
最外層に密度が0.870g/cm3のVLフィルムを使用した以外は実施例1と同一内容にて下記複合フィルムを得た。
VL//APET1(400)/AD1(5)/EVOH1(10)/Ny(5)/AD2(5)/メタロセンLL1(25)(シール層)
VL:「アフィニティーEG8100」 ダウ・ケミカル日本(株)製
【0046】
(比較例7)
下記構成の複合フィルムをドライラミネート法により製膜した。
6ナイロン//APET2//メタロセンLL1
(70) (400) (50)
6ナイロン:「ノバミッド1030」 三菱エンジニアリングプラスチック(株)製
【0047】
(比較例8)
下記構成の複合フィルムをドライラミネート法により製膜した。
6ナイロン//APET2//メタロセンLL1
(15) (400) (50)
【0048】
実施例1〜6及び比較例1〜8の各複合フィルムを以下の評価方法により評価した。
<評価方法>
上記各複合フィルムを底材に用い、蓋材に2軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPP)(30)//透明蒸着PET(12)//イージーピール(50)の構成からなる蓋材を用いて深絞り包装機ムルチバック社製R530を使用して冷凍ハンバーグ(130g×2個)のパック品を作製し、評価を行った。
【0049】
成形性 :
成形温度を変更して各シートの最適温度にて、深さ40mmの型に対して型通り成形ができるかどうかを調査した。型通りの成形が出来たものを○、型への追随性が若干悪いが実用上問題がないものを△、型への追随が悪く型通りの成形が出来ず実用性がなかったものを×とした。
【0050】
腰 :
パック品の角部分が変形しずらく手で持っても形状を保持できるものを○、変形するが実用上問題がなかったものを△とした。
【0051】
外層滑り :
包装機出口の角度約25度のステンレス板上をスムーズに滑って落下できるかを調べ、問題なく滑ったものを○、滑りが悪く作業性に劣ったものを×とした。
【0052】
落下強度 :
パック品12個(2段積み×6列)をダンボールケースに入れ、−20℃の冷凍庫に24時間以上静置後50cmの高さからコンクリート面に10回落下させたときの底材の割れの発生個数を調査した。割れが12個中2個以内のものを○、5個以上発生したものを×とした。
上記評価方法により評価した結果を表1に示した。
【0053】
【表1】
【0054】
表1から本発明の複合フィルムである実施例1乃至6は成形性、腰、外層滑り、及び落下強度のいずれも優れていることが分かる。これに対して、最外層の樹脂が異なる比較例1、2及び最外層の厚さが薄い比較例4、比較例8は落下強度が劣り、最外層の厚さが厚い比較例3、比較例7、最外層に使用したLLの密度が大き過ぎる比較例5は成形性に劣ることが分かる。また、最外層に使用する樹脂の密度が小さ過ぎる比較例6は外層滑りに劣ることが分かる。
【0055】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の複合フィルムは、腰の強い剛性に優れるとともに低温での衝撃にも耐えられるガスパック包装用や真空包装用底材としての利用性が大きい。したがって、この複合フィルムを使用して形成した容器は、食品や各種製品のガスパック包装、真空パック包装に最適であり、冷凍保存や輸送時の衝撃にも十分に耐えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の容器を用いた包装体の第1形態例を示す断面側面図である。
【図2】 同じく平面図である。
【図3】 本発明の容器を用いた包装体の第2形態例を示す断面側面図である。
【図4】 同じく平面図である。
【符号の説明】
11…底材、12…上部開口縁、13…蓋材被着面、14…蓋材、15…底面、16…側壁、17…横リブ、21…底材、22…上部開口縁、23…蓋材被着面、24…蓋材、25…底面、26…側壁、27…段部、28…立ち上がり部、29…縦リブ
Claims (4)
- シール層、中間層及び最外層からなる複合フィルムにおいて、中間層にポリエステル系樹脂層、又はポリスチレン系樹脂層を配するとともに、最外層に厚さが20〜50μmの範囲のポリアミド系樹脂層を配してなることを特徴とする複合フィルム。
- ポリエステル系樹脂層又はポリスチレン系樹脂層の厚さが100〜1000μmの範囲であることを特徴とする請求項1記載の複合フィルム。
- 中間層にエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物樹脂層及び/又はポリアミド樹脂層を配することを特徴とする請求項1又は2に記載の複合フィルム。
- 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の複合フィルムを深絞り加工して底材を形成してなることを特徴とする容器。
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