JP2002052639A - 積層体及び包装体 - Google Patents

積層体及び包装体

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JP2002052639A
JP2002052639A JP2000241740A JP2000241740A JP2002052639A JP 2002052639 A JP2002052639 A JP 2002052639A JP 2000241740 A JP2000241740 A JP 2000241740A JP 2000241740 A JP2000241740 A JP 2000241740A JP 2002052639 A JP2002052639 A JP 2002052639A
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inorganic oxide
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film layer
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JP2000241740A
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Takashi Igawa
孝志 井川
Naganari Matsuda
修成 松田
Yuichi Baba
雄一 馬場
Kyoko Inagaki
京子 稲垣
Masaya Higashiura
真哉 東浦
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Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 通常は優れた気密性を有するが、開封時には
強い抵抗感がなく開封感が良好で、手でスムーズに開封
することができる、ガスバリア性を有し、かつ、開封性
の優れた包装材料積層体及び前記包装材料積層体を用い
た開封性の優れた包装体を提供すること。 【解決手段】 プラスチックフィルムの少なくとも一方
の表面に金属あるいは無機酸化物薄膜層が形成された積
層体であって、前記薄膜層側にヒートシール性樹脂層を
積層した後の薄膜層/ヒートシール性樹脂層間のせん断
応力が15N/10mm以上であることを特徴とする開
封性に優れた積層体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は包装材料積層体及び
包装体に関し、特に、プラスチックフィルムに無機酸化
物薄膜層を形成した、特にガスバリア性に優れ、食品、
医薬品、化学薬品、医療用機器、電子部品など包装時に
は気密性が要求され、かつ、内容物取り出し時には、容
易に開封することが求められる物品の包装に用いるのに
適した包装材料積層体及び包装体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、酸素や水蒸気などに対し優れたガ
スバリア性を有し、透明で、環境負荷の小さいフレキシ
ブルフィルムとして、プラスチックフィルム上に無機酸
化物薄膜層を形成したガスバリア性積層体が知られてい
る。このようなガスバリア性積層体上にさらにヒートシ
ール性を有する樹脂層を積層したものは、食品、医薬、
化学薬品、医療用機器、電子部品等の包装用に製袋し、
包装体として用いられる。
【0003】しかしながら、この包装袋や物品の外装か
ら内容物を取出すときに包装袋や物品の外装を開封する
が、これらの包装材料を用いた包装袋や物品の外装の破
壊強度が高いために老人、子供の力では簡単に開封でき
ない包装袋や物品の外装があり、また、さらに力を入れ
て開封したときに、その勢いが強いため内容物が包装袋
や物品の外装から一度に飛び出し、飛散することがあ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来の包
装材料積層体及び包装体の有する問題点を解決し、通常
は優れた気密性を有するが、開封時には強い抵抗感がな
く開封感が良好で、手でスムーズに開封することができ
る、ガスバリア性を有し、かつ、開封性の優れた包装材
料積層体及び前記包装材料積層体を用いた開封性の優れ
た包装体を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明はプラスチックフィルムの少なくとも一方の
表面に金属あるいは無機酸化物薄膜層が形成された積層
体であって、前記薄膜層側にヒートシール性樹脂層を積
層した後の薄膜層/ヒートシール性樹脂層間のせん断応
力が15N/10mm以上であることを特徴とする開封
性に優れた積層体を特徴とする。無機酸化物薄膜層が、
少なくとも酸化ケイ素と酸化アルミニウムを含む多元系
無機酸化物薄膜層であることを特徴とする積層体。
【0006】上記の構成からなる本発明の包装材料積層
体及び包装体は、ガスバリア性を有し、かつ、強い抵抗
感がなく、開封性が良好で、手でスムーズに開封するこ
とができる。
【0007】この場合において、前記無機酸化物薄膜層
上にプライマーコート層を設けた積層体であって、前記
プライマーコート層上にヒートシール性樹脂を積層した
際のプライマーコート層/ヒートシール性樹脂層間のせ
ん断応力が15N/10mm以上であることが好まし
い。
【0008】また、この場合において、前記積層体の少
なくとも片側にヒートシール性樹脂及び/又はバリア性
性樹脂層を設けることが好適である。
【0009】さらにまた、この場合において、前記無機
酸化物薄膜層が、少なくとも酸化ケイ素と酸化アルミニ
ウムを含む多元系無機酸化物薄膜層であることが好適で
ある。
【0010】さらにまた、この場合において、前記積層
体を用いてなることを特徴とする包装体が好適である。
【0011】包装材料を手で切り裂いて開封する際、積
層体全体に引裂き応力が作用すると同時に、積層体各層
の間にせん断力がはたらく。このため積層体の積層体各
層間のせん断応力が小さい場合、開封時にデラミネーシ
ョンが発生してスムース゛に開封できない。そこで本発
明は、積層体間のせん断応力を向上させ、開封性に優れ
た積層体及び包装体を提供するものである。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の包装材料積層体及
び包装体の実施の形態を説明する。
【0013】本発明におけるプラスチックフィルムと
は、有機高分子樹脂からなり、溶融押出し後、長手方向
及び/又は幅方向に延伸し、さらに熱固定、冷却を施し
たフィルムであり、有機高分子としては、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リエチレン−2、6−ナフタレート、ナイロン6、ナイ
ロン4、ナイロン66、ナイロン12、ポリ塩化ビニー
ル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニールアルコール、全
芳香族ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポ
リエーテルイミド、ポリスルホンなどがあげられる。こ
れらの有機高分子は、他の有機重合体を少量共重合をし
たり、ブレンドしたりしてもよい。
【0014】これらの中でも、好ましいポリアミドの具
体例としては、ポリカプロアミド(ナイロン6)、ポリ
‐ε‐アミノへプタン酸(ナイロン7)、ポリ‐ε‐ア
ミノノナン酸(ナイロン9)、ポリウンデカンアミド
(ナイロン11)、ポリラウリンラクタム(ナイロン1
2)、ポリエチレンジアミンアジパミド(ナイロン2・
6)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン4・
6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン6・
6)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン6・1
0)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン6・1
2)、ポリオクタメチレンドデカミド(ナイロン6・1
2)、ポリオクタメチレンアジパミド(ナイロン8・
6)、ポリデカメチレンアジパミド(ナイロン10・
6)、ポリデカメチレンセバカミド(ナイロン10・1
0)、ポリドデカメチレンドデカミド(ナイロン12・
12)、メタキシレンジアミン‐6ナイロン(MXD
6)などを挙げることができる。
【0015】また、これらを主成分とする共重合体であ
ってもよく、その例としては、カプロラクタム/ラウリ
ンラクタム共重合体、カプロラクタム/ヘキサメチレン
ジアンモニウムアジぺート共重合体、ラウリンラクタム
/ヘキサメチレンジアンモニウムアジぺート共重合体、
ヘキサメチレンジアンモニウムアジぺート/ヘキサメチ
レンジアンモニウムセバケート共重合体、エチレンジア
ンモニウムアジぺート/ヘキサメチレンジアンモニウム
アジぺート共重合体、カプロラクタム/ヘキサメチレン
ジアンモニウムアジぺート/ヘキサメチレンジアンモニ
ウムセバケート共重合体などを挙げることができる。こ
れらのポリアミドには、フィルムの柔軟性改質成分とし
て、芳香族スルホンアミド類、p‐ヒドロキシ安息香
酸、エステル類などの可塑剤や低弾性率のエラストマー
成分やラクタム類を配合することも有効である。
【0016】また、好ましいポリエステルの具体例とし
ては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレ
フタレート、ポリエチレン‐2,6‐ナフタレートなど
が用いられるが、これらを主成分とする共重合体であっ
ても良く、ポリエステル共重合体を用いる場合、そのジ
カルボン酸成分の主成分がテレフタル酸、イソフタル
酸、フタル酸又は2,6‐ナフタレンジカルボン酸など
の芳香族ジカルボン酸、トリメリロット酸及びピロメリ
ロット酸などの多官能カルボン酸の他にアジピン酸、セ
バシン酸などの脂肪族ジカルボン酸などが用いられる。
【0017】また、グリコール成分の主成分がエチレン
グリコール又は1,4‐ブタンジオールである他ジエチ
レングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチル
グリコールなどの脂肪族グリコール、p‐キシリレング
リコールなどの芳香族グリコール、1,4‐シクロヘキ
サンジメタノールなどの脂環族グリコール、平均分子量
が150〜20000のポリエチレングリコールなどが
用いられる。ポリエステル中の好ましい共重合成分の比
率は20%以下である。共重合成分が20%を超えると
きはフィルム強度、透明性、耐熱性などが劣る場合があ
る。これらの有機高分子は、さらに他のの有機高分子を
少量共重合したり、ブレンドしても良い。
【0018】さらに上記の有機高分子には、公知の添加
物,例えば、紫外線吸収剤、帯電防止剤、可塑剤、滑
剤、着色剤、などを添加されてもよく、フィルムとして
の透明度は特に限定するものではないが、透明性を有す
る包装材料積層体として使用する場合には、50%以上
の透過率をもつものが望ましい。本発明におけるプラス
チックフィルムは、本発明の目的を損なわないかぎりに
おいて、薄膜層を積層するに先行して、前記プラスチッ
クフィルムをコロナ放電処理、グロー放電、火炎処理、
表面粗面化処理等の表面処理を施しても良く、また、公
知のアンカーコート処理、印刷、装飾が施されても良
い。本発明におけるプラスチックフィルムは、その厚さ
として3〜500μmの範囲が望ましく、さらに好まし
くは、6〜300μmの範囲である。
【0019】本発明における金属薄膜とはマグネシウ
ム、アルミニウム、チタン、クロム、ニッケル、インジ
ウムなど薄膜にできるものなら特に制限はないが、コス
ト等の点で、より好ましくはアルミニウムである。
【0020】本発明における無機酸化物薄膜とは、酸化
ケイ素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウムなど薄膜
にできるものなら特に制限はないが、より好ましくは酸
化ケイ素、酸化アルミニウムを含む多元系無機酸化物薄
膜の方がガスバリア性に優れる。ここでいう、酸化ケイ
素、酸化アルミニウムを含む多元系無機酸化物薄膜と
は、無機酸化物からそれ自体公知の方法で形成された薄
膜であって、無機酸化物とは、酸化ケイ素、酸化アルミ
ニウム、酸化マグネシウムなど薄膜化できる無機酸化物
であれば特に制限はないが、好ましい無機酸化物は酸化
アルミニウム、酸化ケイ素を含む多元系無機酸化物薄
膜、より好ましくは酸化ケイ素・酸化アルミニウム二元
系無機酸化物薄膜である。
【0021】ここでいう酸化ケイ素とはSi、SiOや
SiO2などの各種珪素酸化物の混合物からなり、酸化
アルミニウムとは、Al、AlOや、Al23などの各
種アルミニウム酸化物の混合物からなり、各酸化物内に
おける酸素の結合量はそれぞれの製造条件によって異な
ってくるが、酸化ケイと酸化アルミニウムとを併用する
場合は無機酸化物薄膜中に占める酸化アルミニウムの含
有量が、20〜99重量%であるのが好ましく、20〜
75重量%であるのがより好ましい。
【0022】また、無機酸化物薄膜の比重の値が、無機
酸化物薄膜中の酸化アルミニウムの含有量(重量%)と
の関係を、D=0.01A+b(D:薄膜の比重、A:薄
膜中の酸化アルミニウムの重量%)で示すとき、b値が
1.6よりも小さい領域のときには、酸化ケイ素・酸化
アルミニウム系薄膜の構造が粗となり、また、b値が
2.2よりも大きい領域の場合、酸化ケイ素・酸化アル
ミニウム系薄膜が硬くなる傾向にある。
【0023】このため、無機酸化物薄膜としての酸化ケ
イ素・酸化アルミニウム系薄膜の比重は、前記薄膜の比
重と薄膜中の酸化アルミニウムの含有量(重量%)D=
0.01A+b(D:薄膜の比重、A:薄膜中の酸化アル
ミニウムの含有量)という関係式であらわすとき、b値
が1.6〜2.2であるのが好ましく、さらに好ましく
は1.7〜2.1であるが、もちろんこの範囲に限定さ
れるものではない。酸化ケイ素・酸化アルミニウムを含
み、さらに他の無機酸化物を含む多元系無機酸化物薄膜
もガスバリア性積層体としての効果は大きい。
【0024】前記の場合において、酸化ケイ素・酸化ア
ルミニウム系二元系無機酸化物薄膜中の酸化アルミニウ
ムの含有量が20重量%未満になると、ガスバリア性が
必ずしも十分ではなくなり、また、酸化ケイ素・酸化ア
ルミニウム系二元系無機酸化物薄膜中の酸化アルミニウ
ム量が99重量%を超えると、蒸着膜の柔軟性が低下
し、ガスバリア性積層体の曲げや寸法変化に比較的弱
く、二者併用の効果が低下するといった問題が生じるこ
とがある。
【0025】本発明において、無機酸化物薄膜の膜厚
は、通常10〜8,000Å、好ましくは50〜5,0
00Åである。膜厚が10Å未満では満足のいくガスバ
リア性が得られ難く、また、8,000Åを超えて過度
に厚くしても、それに相当するガスバリア性の向上の効
果は得られず、耐屈曲性や製造コストの点でかえって不
利となる。
【0026】無機酸化物薄膜を形成する典型的な製法を
酸化ケイ素・酸化アルミニウム系薄膜の形成により説明
すると、蒸着法による薄膜形成法としては真空蒸着法、
スパッタリング法、イオンプレーティング法などの物理
蒸着法、あるいはCVD法(化学蒸着法)などが適宜用
いられる。例えば真空蒸着法を採用する場合は、蒸着原
料としてSiO2とAl23の混合物、あるいはSiO2
とAlの混合物などが用いられる。加熱には、抵抗加
熱、高周波誘導加熱、電子ビーム加熱などを採用するこ
とができ、また、反応ガスとして酸素、窒素、水素、ア
ルゴン、炭酸ガス、水蒸気などを導入したり、オゾン添
加、イオンアシストなどの手段を用いた反応性蒸着を採
用することも可能である。さらに、プラスチックフィル
ムにバイアスを印加したり、プラスチックフィルムを加
熱したり冷却するなど、成膜条件も任意に変更すること
ができる。上記蒸着材料、反応ガス、基板バイアス、加
熱・冷却などは、スパッタリング法やCVD法を採用す
る場合にも同様に変更可能である。
【0027】このような方法により透明で、ガスバリア
性に優れ各種処理、例えば、煮沸処理やレトルト処理、
さらにはゲルボ試験(耐屈曲性試験)にも耐えることが
できる優れた性能の包装材料積層体及び包装体を得るこ
とが可能となる。かかる、プラスチックフィルムの表面
に無機酸化物薄膜層が形成されたガスバリア性積層体
は、本発明の包装材料積層体の少なくとも一部の構成層
とされる。
【0028】本発明におけるヒートシール性樹脂層と
は、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチ
レン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、
線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、エチレン酢酸
ビニル共重合体(EVA)、ポリプロピレン(PP)、
エチレン・アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン・
メタアクリル酸共重合体(EMA)、エチレン・メチル
アクリレート共重合体(EMAA)、エチレン・エチル
アクリレート共重合体(EEA)、エチレン・メチルメ
タアクリル酸共重合体(EMMA)、アイオノマー(I
O)などにより形成されたヒートシール性を有する樹脂
層である。
【0029】ヒートシール性樹脂層を接着する方法とし
て、低密度ポリエチレン、エチレン酢酸ビニル共重合
体、線状低密度ポリエチレンを溶融押出し樹脂層として
用いたり、ウレタン系やポリエステルウレタン系などの
ドライラミネート用の接着剤を接着層として用いること
が挙げられる。この溶融押出し脂層の厚みとしては、3
〜100μm程度、好ましくは10〜70μm程度であ
るのが一般的である。
【0030】本発明においては、溶融押出し樹脂層のみ
をヒートシール性樹脂層として用いることができる。
【0031】本発明において、包装材料積層体からなる
包装材料、包装体を食品包装について類型別に分ける
と、まず、収納する食品別では、乾燥食品用、水物食品
用、冷凍食品用などに便宜的に分けることができる。乾
燥食品用包装材料及び包装体とは次のような用途に使用
されるものである。適用できる内容物としては、ポテト
チップス、ポップコーンなどのスナック菓子、せんべ
い、おかきなどの米菓類、即席ラーメンやふりかけ、削
り節。海苔などの乾物品、緑茶、コーヒー、紅茶などの
嗜好品、小麦粉、米、麦などの穀物類があり、また、こ
れらに制限されるものではない。
【0032】また、乾燥食品用包装材料としては、包装
する内容物の要求性に応じ各種フィルムや紙を用いて本
発明の包装材料積層体にラミネートしてよく、代表的な
ラミネート構成としては、二軸延伸ポリエチレンテレフ
タレートフィルム/無機酸化物薄膜層/針状フィラーを
含む層/ポリエチレン、二軸延伸ポリエチレンテレフタ
レートフィルム/無機酸化物薄膜層/針状フィラーを含
む層/未延伸ポリプロピレン、二軸延伸ナイロンフィル
ム/二軸延伸ポリエチレンテレフタレート/無機酸化物
薄膜層/針状フィラーを含む層/ポリエチレン、二軸延
伸ナイロンフィルム/無機酸化物薄膜層/針状フィラー
を含む層/ポリエチレンなどが考えられる。さらに、装
飾又は内容物の説明のための印刷を施したり、意匠用フ
ィルムあるいは補強剤などと貼り合わせてもよい。
【0033】本発明における乾燥食品用包装体として
は、袋、蓋材、カップ、チューブ、スタンディングパッ
ク、トレイなどがあり、形状、種類に対し、特に制限は
なく、例えば、袋物の包装形式としては、ピロータイ
プ、三方シール、四方シールなどを用いることができ
る。これらの包装材料及び包装体の構成の全部あるいは
一部として本発明の包装材料積層体を用いる。
【0034】また、本発明における水物食品用包装材料
及び包装体用途で適用できる内容物としては、板・糸こ
んにゃく類、たくあん類、醤油漬け、奈良漬けなどの各
種漬け物類、各種味噌類やたれ、だしのもと、めんつゆ
などと同封された食品や醤油、ソース、ケチャップ、マ
ヨネーズなどの調味料などがあり、又、これらに制限さ
れるものではない。
【0035】水物食品用包装材料としても、包装する内
容物の要求特性に応じ各種フィルムをラミネートして良
く、代表的なラミ構成としては、二軸延伸ナイロンィル
ム/無機酸化物薄膜層/針状フィラーを含む層/ポリエ
チレン、二軸延伸ナイロンフィルム/無機酸化物薄膜層
/針状フィラーを含む層/未延伸ポリプロピレン、二軸
延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム/無機酸化物
薄膜層/針状フィラーを含む層/ポリエチレン、二軸延
伸ポリエチレンテレフタレートフィルム/無機酸化物薄
膜層/針状フィラーを含む層/未延伸ポリプロピレンな
どが考えられる。さらに、装飾又は内容物の説明のため
の印刷を施したり、意匠用フィルムあるいは補強剤など
と貼り合わせてもよい。
【0036】本発明における水物食品用包装体として
は、袋、蓋材、カップ、チューブ、スタンディングパッ
ク、トレイなどがあり、形状、種類に対し特に制限はな
く、例えば、袋物の包装形式としては、ピロータイプ、
三方シール、四方シールなどを用いることができ、これ
らの包装材料及び包装袋の構成の全部あるいは一部とし
て本発明の包装材料積層体を用いる。本発明の包装材料
積層体を構成の一部又は全部とする包装材料及び包装体
は、使用温度範囲が広いため冷凍食品にも適用が可能で
ある。
【0037】次に本発明における包装用材料積層体及び
包装体を形状別に分けると、ペーパーカートン、チュー
ブ用、袋用、カップ用、スタンディングパック用、トレ
イ用などの用途に分けられる。例えばペーパーカートン
とは、複合容器のことをいい、ペーパーカートン用包装
材料としては、紙、プラスチックフィルムなどとガスバ
リア性のあるフィルムとのラミネート品を用いる。形
状、種類としては屋根形(ゲーべルトップ:gable
top)、レンガ型(ブリック型:bricktyp
e)、直方型、カップ型など特に制限はない。また、内
袋、注出口などと組み合わせてよい。本発明におけるペ
ーパーカートン用途として適用できる内容物は、牛乳、
ヨーグルトジュース、炭酸飲料などの飲物、日本酒、焼
酎、ウイスキーなどのアルコール類、醤油、ソースなど
の調味料などがあり、特に、これらに限定されるもので
はない。
【0038】次に本発明における包装材料積層体及び包
装体の他の使用例としては、非伝導性であることを利用
しての電子レンジやマイクロ殺菌用の包装材料や包装体
としても使用可能であり、また脱酸素剤入り包装剤など
の用途としても使われる。これらのラミネート構成、包
装体の形状も同様に各種存在する。本発明の包装材料及
び包装体を構成する包装材料積層体は透明であるととも
に高度なバリア性を有するものである。すなわち、ヒー
トシール層として用いる樹脂の種類、厚さによって異な
るが、例えば、未延伸ポリプロピレンフィルム(厚さ5
0μm)を用いると、酸素透過度が3.0cc/m2
24hrs・atm以下で、かつ、水分透過率が3.0
g/m2・24hrs以下の優れたバリア性を有する。
したがって、本発明の包装材料積層体からなる包装材料
で包装した食品は長期保存が可能である。また、本発明
の包装材料積層体からなる包装材料は開封時には強い抵
抗感がなく開封感が良好でスムーズに開封することがで
きる。
【0039】本発明における開封性とは、ヒートシール
性樹脂層同士をヒートシール部の端部3に長さ4mmの
切り欠きを入れ、その試料の切欠き部の両端を把持し、
切欠き部の両端をフィルム面と垂直方向に手で引き裂い
たときの切りやすさである。
【0040】せん断応力とはヒートシール性樹脂層(厚
み 60μm,東洋紡績製P1153)無機蒸着薄膜層
側に積層した積層体を巾10mmの短冊状にカッティン
グして薄膜層との界面で剥離し、引張り試験機(東洋精
機株式会社製、機種名 ストログラフV−10C)によ
る速度200mm/分での該界面の引張りせん断時の応
力(N/10mm)を測定したものである。
【0041】酸素バリア性の測定はJIS K7126
B法に準じ酸素透過率測定装置(モダンコントロール
ズ社製 OX−TRAN2/20)を用いて行った。
【0042】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明の内容及び効果
を具体的に説明するが、本発明は、その要旨を逸脱しな
い限り以下の実施例に限定されるものではない。
【0043】(実施例1)二軸延伸ナイロンフィルム
(東洋紡績社製、商品名 N4142)上に酸化ケイ素
と酸化アルミニウムの2元系酸化物薄膜を蒸着した厚み
15μmのフィルム(東洋紡績社製、商品名 VN10
0)を用い、ウレタン系の一液系インキのメジウム(大
日精化社製、商品名 ハイラミック)に添加剤(大日精
化社製、商品名 TVM)を4%添加した液に、予め用
意した、針状フィラーであるホウ酸アルミニウム系ウィ
スカー(四国化成社製、商品名 アルボレックスY)を
ハイラミック用混合溶剤に5%の濃度に分散させた液を
混合し、針状フィラーの濃度が1%になるように希釈し
た。この希釈液を用い、無機酸化物薄膜の上に塗布厚み
が0.8g/m2となるようにコートした。このアンカ
ーコート層の上に、ヒートシール性樹脂として、未延伸
ポリプロピレンフイルム(厚み 60μm,東洋紡績製
P1153)を用い、イソシアネート系接着(東洋モー
トン社製、商品名TM590/CAT56)を乾燥時の
厚み3g/m2塗布して接着した。エージング条件は40
℃×3日間と通常どおりに設定した。このようにして得
られた積層体をヒートシール(シール条件:180℃×
1Kg×2秒)することで80×120mmの包装袋を
つくった。この袋のカット性を評価したところ、クロス
法、引裂き法ともに良好できれいに切れた。
【0044】次に、この包装袋の中に、液体スープをつ
め、35℃×90%RHの環境下で40日間保管後、切
れ目より、手でカットしたが、非常にスムーズに切れ良
好であった。また、この積層体の無機酸化物薄膜層とヒ
ートシール性樹脂層とのせん断応力を前述の方法で測定
した結果、15N/10mm であった。
【0045】(比較例1)針状フィラーの分散液を用い
ない以外は、実施例1と同様に加工し、ドライラミネー
ト積層体を得た。この積層体について、実施例1と同様
に、手でカットすると、抵抗感が強く、うまく切れず、
内容物が飛び出すものもあった。また、この積層体の無
機酸化物薄膜層とヒートシール性樹脂層のせん断応力を
前述の方法で測定した結果、10N/10mm であっ
た。
【0046】得られた積層体の諸特性を表1に示す。
【0047】
【表1】
【0048】
【発明の効果】本発明の包装材料積層体及び包装体によ
れば、優れたガスバリア性を有し、優れた気密性を有す
るが、開封時には強い抵抗感がなく開封感が良好で、手
でスムーズに開封することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】切欠き部を形成した、本発明の包装材料積層体
のヒートシール部の要部を示す図である。
【符号の説明】
1 包装材料積層体 2 切欠き部 3 ヒートシール部
フロントページの続き (72)発明者 稲垣 京子 愛知県犬山市大字木津字前畑344番地 東 洋紡績株式会社犬山工場内 (72)発明者 東浦 真哉 滋賀県大津市堅田2丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内 Fターム(参考) 3E067 AA11 AB01 AB16 AB23 AB26 AB27 AB28 AB41 AB81 AB83 BA07A BA10A BA12A BA14A BB11A BB14A BB15A BB16A BB18A BB25A BB26A BC07A CA04 CA24 EA08 EA09 EA35 EB07 EE35 EE59 FB07 GD08 3E086 AD01 AD03 AD05 AD06 AD08 AD23 BA04 BA13 BA15 BB01 BB51 BB85 CA01 CA27 CA28 CA29 CA31 4F100 AA17B AA17D AA19B AA19D AA20B AA20D AA33B AA33D AA40B AA40D AB01B AB01D AK01A AK01C AK01E BA03 BA05 BA06 BA07 BA10A BA10C BA10E CB00 GB15 GB23 GB41 GB66 JD02C JD02E JK06 JL12C JL12E JL14 JM02B JM02D YY00

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラスチックフィルムの少なくとも一方
    の表面に金属あるいは無機酸化物薄膜層が形成された積
    層体であって、前記薄膜層側にヒートシール性樹脂層を
    積層した後の薄膜層/ヒートシール性樹脂層間のせん断
    応力が15N/10mm以上であることを特徴とする開
    封性に優れた積層体。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の無機酸化物薄膜層上にプ
    ライマーコート層を設けた積層体であって、前記プライ
    マーコート層上にヒートシール性樹脂を積層した際のプ
    ライマーコート層/ヒートシール性樹脂層間のせん断応
    力が15N/10mm以上であることを特徴とする開封
    性に優れた積層体。
  3. 【請求項3】 請求項1あるいは2記載の積層体の少な
    くとも片側にヒートシール性樹脂及び/又はバリア性性
    樹脂層を設けたことを特徴とする開封性に優れる積層
    体。
  4. 【請求項4】 請求項1、2、3のいずれかに記載の無
    機酸化物薄膜層が、少なくとも酸化ケイ素と酸化アルミ
    ニウムを含む多元系無機酸化物薄膜層であることを特徴
    とする積層体。
  5. 【請求項5】 請求項3または4記載の積層体を用いて
    なることを特徴とする包装体。
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