JP4438910B2 - ガスバリア性フィルム及び包装体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガスバリア性フィルム及び包装体に関し、特に、ガスバリア性に優れ、食品、医薬品、化学薬品、医療用機器、電子部品など包装時には気密性が要求され、かつ、内容物取出し時には容易に開封することが求められる物品の包装に用いるのに適したガスバリア性フィルム及び包装体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、酸素や水蒸気などのガスに対し優れたバリア性を有し、透明で、環境にやさしいフレキシブルフィルムとして、プラスチックフィルム上に無機酸化物薄膜を形成した積層フィルムが知られている。また、このような積層フィルム上にさらにヒートシール性を有する樹脂層を積層したものは、食品、医薬品、化学薬品、医療用機器、電子部品などの気密性を要求される物品の包装用フィルムや包装用に製袋した包装体として用いられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来のガスバリア性フィルム及び包装体は、これを開封するために端部からカットしようとする場合、はさみなどの器具を用いずに、切り欠き部を設け、手でカットする方法が簡便で好まれる。しかし、無機酸化物薄膜層を積層したガスバリア性フィルムやこれを用いた包装体は、カットするときに手に感じる抵抗が大きく、著しい場合には、不規則なひっかかりにより内容物が飛び出すというような問題があった。特に、力の配分が不得手な子供、老人などには使いにくいということで用途がかぎられていた。
【0004】
本発明は、上記従来のガスバリア性フィルム及び包装体の有する問題点を解決し、ガスバリア性に優れ、食品、医薬品、化学薬品、医療用機器、電子用部品など包装時には気密性が要求され、かつ内容物取出し時には容易に開封することができる物品の包装に適したガスバリア性フィルム及び包装体を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明のガスバリア性フィルムは、二軸延伸プラスチックフィルムの表面に無機酸化物薄膜層が形成され、さらにリエチレンイミン系アンカー剤をアンカーコート層として設けたガスバリア性積層体の最外層にヒートシール性樹脂層が形成された、二軸延伸ナイロン6フィルム/無機酸化物薄膜層/PE又は二軸延伸ナイロン6フィルム/無機酸化物薄膜層/CPP層構成からなるガスバリア性フィルムであって、無機酸化物薄膜が、少なくとも酸化ケイ素及び酸化アルミニウムを含む多元系無機酸化物薄膜であり、ヒートシール性樹脂層面同士をヒートシールしたヒートシール部の引裂き抵抗値が1N/15mm以下であることを特徴とする。
【0006】
上記の構成からなる本発明のガスバリア性フィルムは、プラスチックフィルムの表面に無機酸化物薄膜層が形成されていて高度なガスバリア性を保持するとともにヒートシール性を有し、かつ、ヒートシール部の切り欠き部を手で引張ることによりスムーズにカットすることができる。
【0009】
さらにまた、この場合において、包装体が、前記のガスバリア性フィルムを用いてなるものであることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のガスバリア性フィルム及び包装体の実施の形態を説明する。
【0011】
本発明において用いるプラスチックフィルムとは、有機高分子を溶融押出しして、必要に応じ、長手方向及び/又は幅方向に延伸、冷却、熱固定を施したフィルムであり、有機高分子としては、ナイロン4・6、ナイロン6、ナイロン6・6、ナイロン12などで代表されるポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレートなどで代表されるポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテンなどで代表されるポリオレフィンの他ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、全芳香族ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリスルホンなどを挙げることができる。
【0012】
好ましいポリアミドの具体例としては、ポリカプロアミド(ナイロン6)、ポリ−ε−アミノヘプタン酸(ナイロン7)、ポリ−ε−アミノノナン酸(ナイロン9)、ポリウンデカンアミド(ナイロン11)、ポリラウリンラクタム(ナイロン12)、ポリエチレンジアミンアジパミド(ナイロン2・6)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン4・6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン6・6)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン6・10)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン6・12)、ポリオクタメチレンアジパミド(ナイロン8・6)、ポリデカメチレンアジパミド(ナイロン10・6)、ポリデカメチレンセバカミド(ナイロン10・10)、ポリドデカメチレンドデカミド(ナイロン12・12)、メタキシレンジアミン−6ナイロン(MXD6)などを挙げることができ、これらを主成分とする共重合体であってもよく、その例としては、カプロラクタム/ラウリンラクタム共重合体、カプロラクタム/ラウリンラクタム共重合体、カプロラクタム/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート共重合体、ラウリンラクタム/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート共重合体、ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート/ヘキサメチレンジアンモニウムセバケート共重合体、エチレンジアンモニウムアジペート/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート共重合体、カプロラクタム/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート/ヘキサメチレンジアンモニウムセバケート共重合体などを挙げることができる。これらのポリアミドには、フィルムの柔軟性改質成分として、芳香族スルホンアミド類、p−ヒドロキシ安息香酸、エステル類などの可塑剤や、低弾性率のエラストマー成分やラクタム類を配合することも有効である。
【0013】
また、好ましいポリエステルの具体例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレートなどが用いられるが、これらを主成分とする共重合体であってもよく、ポリエステル共重合体を用いる場合、そのジカルボン酸成分の主成分がテレフタル酸又は2,6−ナフタレンジカルボン酸である他アジピン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、トリメリロット酸及びピロメリロット酸などの多官能カルボン酸などが用いられる。また、グリコール成分の主成分がエチレングリコール又は1,4−ブタンジオールである他エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4ブタンジオール及びネオペンチルグリコールなどの脂肪族グリコール、p−キシレングリコールなどの芳香族グリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどの脂環族グリコール、平均分子量が150〜20000のポリエチレングリコールなどが用いられる。ポリエステル中の好ましい共重合成分の比率は20%以下である。共重合成分が20%を越えるときはフィルム強度、透明性、耐熱性などが劣る場合がある。これらの有機高分子は、さらに他の有機高分子を少量共重合したり、ブレンドしてもよい。
【0014】
さらにこの有機高分子には、公知の添加物、例えば、紫外線吸収剤、帯電防止剤、可塑剤、滑剤、着色剤などが添加されていてもよい。プラスチックフィルムの透明度は特に限定するものではないが、透明ガスバリアフィルムとして使用する場合には、50%以上の光線透過率をもつものが望ましい。
【0015】
本発明において用いるプラスチックフィルムは、本発明の目的を損なわないかぎりにおいて、無機酸化物薄膜層を積層するに先行して、該フィルムの表面にコロナ放電処理、グロー放電処理、火炎処理、表面粗面化処理などの表面処理を施してもよく、また、公知のアンカーコート処理、印刷、装飾を施してもよい。
【0016】
本発明においていうプラスチックフィルムにはシートを含み、その厚さとして3〜500μmの範囲が望ましく、さらに好ましくは、6〜300μmの範囲である。
【0017】
本発明における、プラスチックフィルムの少なくとも一方の面に形成する無機酸化物薄膜を形成する無機酸化物とは、酸化ケイ素・酸化アルミニウム、酸化マグネシウムなど薄膜化できる無機酸化物であれば特に制限はないが、好ましい無機酸化物は酸化アルミニウム、酸化ケイ素を含む多元系無機酸化物薄膜、より好ましくは酸化ケイ素・酸化アルミニウム二元系無機酸化物薄膜である。
【0018】
ここでいう酸化ケイ素とは、Si、SiOやSiO2などのケイ素や各種ケイ素酸化物の混合物からなり、酸化アルミニウムとは、Al、AlOやAl23などのアルミニウムや各種アルミニウム酸化物の混合物からなり、各酸化物内における酸素の結合量はそれぞれの製造条件によって異なってくるが、酸化ケイ素と酸化アルミニウムとを併用する場合は無機酸化物薄膜中に占める酸化アルミニウムの含有率は20〜99重量%であるのが好ましく、20〜75重量%であるのがより好ましい。また、さらに好ましくは、該酸化ケイ素・酸化アルミニウム二元系薄膜であって、かつ、比重が下記の条件を満たすものである。
【0019】
無機酸化物薄膜の比重の値が、無機酸化物薄膜中の酸化アルミニウムの重量%との関係を、D=0.01A+b(D:薄膜の比重、A:薄膜中の酸化アルミニウムの重量%)という関係式で示すとき、bの値が1.6よりも小さい領域のときには、酸化アルミニウム・酸化ケイ素系薄膜の構造が粗となり、また、該薄膜の比重の値が、b値で、2.2よりも大きい領域の場合、酸化アルミニウム・酸化ケイ素系薄膜が硬くなる傾向にある。
【0020】
このため、無機酸化物薄膜としての酸化アルミニウム・酸化ケイ素系薄膜の比重は、該薄膜の比重と薄膜内の酸化アルミニウム組成比率との関係をD=0.01A+b(D:薄膜の比重、A:薄膜中の酸化アルミニウムの重量%)という関係式であらわすとき、bの値で1.6〜2.2であるのが好ましく、さらに好ましくは1.7〜2.1であるが、もちろんこの範囲に限定されるものではない。酸化ケイ素・酸化アルミニウムを含み、さらに他の無機酸化物を含む多元系無機酸化物薄膜もガスバリア性積層体としての効果は大きい。
【0021】
前記の場合において、酸化ケイ素・酸化アルミニウム系二元系無機酸化物薄膜中の酸化アルミニウムの含有量が20重量%未満になると、ガスバリア性が必ずしも十分ではなくなり、また、酸化ケイ素・酸化アルミニウム系蒸着膜中の酸化アルミニウム量が99重量%を超えると、蒸着膜の柔軟性が低下し、ガスバリア性積層体の曲げや寸法変化に比較的弱く、二者併用の効果が低下するといった問題が生じることがある。
【0022】
本発明において、無機酸化物薄膜の膜厚は、通常10〜8,000Å、好ましくは50〜5,000Åである。膜厚が10Å未満では満足のいくガスバリア性が得られ難く、また8,000Åを超えて過度に厚くしても、それに相当するガスバリア性の向上効果は得られず、耐屈曲性や製造コストの点で却って不利となる。
【0023】
無機酸化物薄膜を形成する典型的な製法を酸化ケイ素・酸化アルミニウム系薄膜の形成により説明すると、蒸着法による薄膜形成法としては真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などの物理蒸着法、あるいはCVD法(化学蒸着法)などが適宜用いられる。例えば真空蒸着法を採用する場合は、蒸着原料としてSiO2とAl23の混合物、あるいはSiO2とAlの混合物などが用いられる。加熱には、抵抗加熱、高周波誘導加熱、電子線ビーム加熱などを採用することができ、また、反応ガスとして酸素、窒素、水素、アルゴン、炭酸ガス、水蒸気などを導入したり、オゾン添加、イオンアシストなどの手段を用いた反応性蒸着を採用することも可能である。さらに、プラスチックフィルムにバイアスを印加したり、プラスチックフィルムを加熱したり冷却するなど、成膜条件も任意に変更することができる。上記蒸着材料、反応ガス、基板バイアス、加熱・冷却などは、スパッタリング法やCVD法を採用する場合にも同様に変更可能である。
【0024】
このような方法により透明で、煮沸処理やレトルト処理、さらにはゲルボ試験(耐屈曲性試験)にも耐えることができる優れた性能のガスバリア性フィルムを得ることが可能となる。かかる、プラスチックフィルムの表面に無機酸化物薄膜層が形成された積層体は、本発明のガスバリア性フィルムの少なくとも構成層の一部とされる。
【0025】
また、本発明のガスバリア性フィルムは、プラスチックフィルムの表面に無機酸化物薄膜層が形成されたガスバリア性積層体の最外層にヒートシール性樹脂層が形成されたガスバリア性フィルムが基本構造であるが、プラスチックフィルム表面の無機酸化物薄膜層側の最外層にヒートシール性樹脂層を形成した構造であるのが実用上好ましいが、また、ヒートシール性樹脂層/プラスチックフィルム層/無機酸化物薄膜層の順の層構成であることもできる。
【0026】
該ヒートシール性樹脂層を形成する方法としては、押出しラミネート法により直接溶融押出ししてもよいし、あらかじめ、フィルム状にしたシーラントフィルムを用い、ドライラミネート又は押出しラミネートで接着してもよい。押出しラミネート法の場合、ヒートシール性樹脂層を形成するに先立ち、アンカーコート層を形成しても、しなくてもどちらでもよいが、本発明の効果を容易に達成するためには、アンカーコート層を形成する方が望ましい。アンカーコート層として、特に限定されず、本発明ガスバリア性フィルムが使用される用途(乾燥食品、水物食品、スープ、ボイル加工食品などの包装)により使い分ければよい。通常使用されるのは、イソシアネート系、ポリエチレンイミン系、チタネート系、ブタジエン系などのアンカー剤である。
【0027】
本発明において、上記アンカーコート層の上面に設けるのが好ましいヒートシール性樹脂層は、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・メタアクリル酸共重合体、エチレン・メチルアクリレート共重合体、エチレン・エチルアクリレート共重合体、エチレン・メチルメタアクリレート共重合体、アイオノマーなど前記プラスチックフィルムを構成する有機高分子の融点より低融点である有機高分子により形成され、実用的には、低密度ポリエチレン、エチレン酢酸ビニル共重合体又は線状低密度ポリエチレンを用いることが多い。このヒートシール性樹脂層の厚みとしては、3〜100μm程度、好ましくは5〜70μm程度であるのが一般的である。
【0028】
なお、本発明にかかるガスバリア性フィルムの実用性は、プラスチックフィルムの表面に無機酸化物薄膜層を形成した積層体の引裂き抵抗値が大きく関係しており、引裂き抵抗値が小さいほど包装体としたときの実用性が向上する。そして本発明者らの検討結果によれば、優れたガスバリア性を有し、かつ煮沸処理やレトルト処理後においてもその優れた包装体としての特性を維持させるには、上記引裂き抵抗値を1N/15mm以下にするのが好ましい。より好ましい引裂き抵抗値は0.8N/15mm以下、さらに好ましくは0.6N/15mm以下である。引裂き抵抗値が1N/15mmを越える場合は、煮沸処理やレトルト処理によって包装体としての特性が低下する傾向が現われてくる。
【0029】
このように、熱水処理後も優れた引裂き抵抗値を示すものは、煮沸処理やレトルト処理後においても前記無機酸化物薄膜とヒートシール性樹脂層間の剥離や無機酸化物薄膜の破壊が起こらず、優れたガスバリア性及び防湿性が維持される。この理由は、引裂き抵抗値が小さければ、煮沸処理やレトルト処理によってヒートシール性樹脂層に若干の収縮が起った場合でも、無機酸化物薄膜の剥離が生じ難くなるためと考えられる。
【0030】
本発明のガスバリア性フィルムは、ガスバリア性、耐レトルト性、耐ピンホール性などが優れており食品、医薬品、医療用機器、電子部品などの物品の包装にそのまま又は包装体として有効に使用することができる。
【0031】
本発明において、ガスバリア性フィルムからなる包装材料、包装体を食品包装について類型別に分けると、まず、収納する食品別では、乾燥食品用、水物食品用、冷凍食品用などに便宜的に分けることができる。
【0032】
さらに、乾燥食品用包装材料及び包装体とは次のような用途に使用されるものである。適用できる内容物としては、ポテトチップス、ポップコーンなどのスナック菓子、せんべい、おかきなどの米菓類、即席ラーメンやふりかけ、削り節、海苔などの乾物品、緑茶、コーヒー、紅茶などの嗜好品、小麦粉、米、麦などの穀物類などがあり、また、これらに制限されるものではない。また、乾燥食品用包装材料としては、包装する内容物の要求特性に応じ各種フィルムや紙を用いて本発明のガスバリア性フィルムにラミネートしてよく、代表的なラミネート構成としては、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート/無機酸化物薄膜層/PE、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート/無機酸化物薄膜層/CPP、NY/二軸延伸ポリエチレンテレフタレート/無機酸化物薄膜層/PE、二軸延伸ナイロン6フィルム/無機酸化物薄膜層/PEなどが考えられる。さらに、装飾又は内容物の説明のための印刷を施したり、意匠用フィルムあるいは補強剤などと張り合わせてもよい。本発明における乾燥食品用包装体としては、袋、フタ材、カップ、チューブ、スタンディングパック、トレイなどがあり、形状、種類に対し、特に制限はなく、例えば、袋物の包装形式としては、ピロータイプ、三方シール、四方シールなどを用いることができる。これらの包装材料及び包装体の構成の全部あるいは一部として本発明のガスバリア性フィルムを用いる。
【0033】
また、本発明における水物食品用包装材料及び包装体用途で適用できる内容物としては、板・糸こんにゃく類、たくあん漬、醤油漬、奈良漬などの各種漬物類、各種味噌類やたれ、だしのもと、めんつゆなどと同封された食品や醤油、ソース、ケチャップ、マヨネーズなどの調味料などがあり、また、これらに制限されるものではない。水物食品用包装材料としても、包装する内容物の要求特性に応じ各種フィルムをラミネートしてよく、代表的なラミ構成としては、二軸延伸ナイロン6フィルム/無機酸化物薄膜層/PE、二軸延伸ナイロン6フィルム/無機酸化物薄膜層/CPP、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート/無機酸化物薄膜層/PE、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート/無機酸化物薄膜層/CPPなどが考えられる。さらに、装飾又は内容物の説明のための印刷を施したり、意匠用フィルムあるいは補強剤などと張り合わせてもよい。本発明における水物食品用包装体としては、袋、フタ材、カップ、チューブ、スタンディングパック、トレイなどがあり、形状、種類に対し特に制限はなく、例えば、袋物の包装形式としては、ピロータイプ、三方シール、四方シールなどを用いることができ、これらの包装材料及び包装体の構成の全部あるいは一部として本発明のガスバリア性フィルムを用いる。本発明のガスバリア性フィルムを構成の一部又は全部とする包装材料及び包装体は、使用温度範囲が広いため冷凍食品にも適用が可能である。
【0034】
次に本発明における包装材料及び包装体を形状別に分けると、ペーパーカートン、チューブ用、袋用、カップ用、スタンディングパック用、トレイ用などの用途に分けられる。例えば、ペーパーカートンとは、複合紙容器のことをいい、ペーパーカートン用包装材料としては、紙、プラスチックフィルムなどとガスバリア性のあるフィルムとのラミネート品を用いる。形状、種類としては屋根形(ゲーベルトップ:gable top)、レンガ形(ブリック形:brick type)、直方体、カップ形など特に制限はない。また、内袋、注出口などと組合わせてもよい。本発明におけるペーパーカートン用途として適用できる内容物は、牛乳、ヨーグルトジュース、炭酸飲料などの飲物、日本酒、焼酎、ウイスキーなどのアルコール類、醤油、ソースなどの調味料などがあり、特に、これらに制限されるものではない。
【0035】
次に本発明における包装材料及び包装袋の他の使用例としては、非導電性であることを利用しての電子レンジやマイクロ殺菌用の包装材料や包装体としても使用可能であり、また脱酸素剤入り包装用などの用途としても使われる。これらのラミネート構成、包装体の形状も同様に各種存在する。本発明の包装材料及び包装体を構成するガスバリア性フィルムは透明であると共に高度なバリア性を有するものである。すなわち、ヒートシール層として用いるラミネートフィルムの種類、厚さによって異なるが、例えば、CPPフィルム50μmを用いると、酸素透過率が3.0cc/m2・24hrs以下で、かつ、水分透過率が3.0g/m2・24hrs以下の優れたバリア性を有する。したがって、本発明のガスバリア性フィルムからなる包装材料で包装した食品は長期保存が可能である。
【0036】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、本発明の趣旨に適合する範囲で適宜変更を加えて実施することももちろん可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。また、本明細書中で採用した評価法は次の方法によった。
【0037】
(1)引裂き抵抗値
図1に示すように、ヒートシール性樹脂層を有するフィルム1をヒートシール性樹脂層同士を向かい合わせてヒートシールし、ヒートシール部分3の端部中央に長さ4mmの切り欠き2を入れ、引裂き抵抗値を評価する試料を調整した。
試料の切り欠き部2の両端を引張試験機(東洋測機社製:商品名,テンシロンUTM2)により把持して互いにフィルム面に直角方向に500mm/minの速度で引張ることによりそのフィルム1をカットするときの抵抗値(N/15mm)を測定し、引裂き抵抗値とした。
【0038】
(実施例1)
二軸延伸ナイロン6フィルム(東洋紡績社製:商品名,N4142(厚さ15μm))の一方の表面上に酸化ケイ素と酸化アルミニウムの2元系無機酸化物薄膜を蒸着したフィルムを用い、押出しラミネーター(モダンマシナリー社製)により、速度80mm/minで、アンカー剤としてポリエチレンイミン系接着剤(日本触媒社製:商品名,P1000をメタノール、水で希釈し、固形分濃度3%に調整)をボウズロールで塗布し、ドライコート量を0.03g/minとした。このポリエチレンイミンからなるアンカーコート層の上にヒートシール性樹脂(低密度ポリエチレン(住友化学社製:商品名,スミカセンL705))を押出し部での樹脂温度315℃で押出し、ヒートシール性樹脂層の厚みを15μmとした。そのときのチルロールとのギャップは15mmとした。さらに、上記低密度ポリエチレン層を押出すと共に表面にシーラントフィルム(40μm)(線状低密度ポリエチレン(東洋紡績社製:商品名,L4202))をラミネートし、3層構成の押出しラミネートを実施した。積層後巻取ったフィルムのエージングは、通常より長く、かつ、エージング温度も高く設定(条件:50℃×4日間)した。
【0039】
得られた積層体をヒートシール性樹脂層同士を向かい合わせてヒートシール(シール条件:160℃×2kg×2秒)し、袋を製造した。かかる状態で引裂き抵抗値を評価したところ、容易に引裂くことができ引裂き抵抗値は0.8N/15mmであり、カット性は非常に良好であった。
【0040】
(比較例1)
実施例1において、押出ラミネートのアンカー剤をポリエチレンイミン系接着剤に代えてイソシアネート系接着剤(東洋モートン社製:商品名,EL530[A/B])0.2g/m2とする以外は、同様に加工し、ラミネート積層体を得た。得られた積層体の引裂き抵抗値は4N/15mmと高く、カット性の抵抗感が強く、容易には切れなかった。
【0041】
(比較例2)
実施例1において、押出ラミネートのアンカー剤をポリエチレンイミン系接着剤に代えてイソシアネート系接着剤(東洋モートン社製:商品名,EL510)0.2g/m2とする以外は、同様に加工し、ラミネート積層体を得た。得られた積層体の引張抵抗値は、3.5N/15mmであり、カット性は不良であった。
【0042】
参考例1
二軸延伸ナイロン6フィルム(東洋紡績社製:商品名,N5342(厚さ15μm))の上に酸化ケイ素薄膜を蒸着したフィルムを用い、下記シーラントをドライラミネートをした。シーラントとして、無延伸ポリプロピレンフィルム(厚さ40μm)(東洋紡績社製:商品名,P1153)を用い、接着剤としてはイソシアネート系接着剤(大日精化社製:商品名,E339)を用い、このときの接着剤の厚みを3.5μmとやや厚くし、ニップロール温度を80℃と高く設定した。得られたラミネート積層体をヒートシール(シール条件:180℃×2kg×2秒)し、袋を製造した。得られた積層体の引裂き抵抗値を測定したところ、0.65N/15mmであった。内容物として、味噌を詰め、ヒートシール部を手でカットしたが、非常にスムーズに切れ、カット性は良好であった。
【0043】
(比較例3)
実施例2と同様にドライラミをしたが、接着剤としては、イソシアネート系接着剤(大日精化社製:商品名,E266)を用い、このときの接着剤の厚みを2μm、ニップロール温度を40℃とした。得られた積層体の引裂き抵抗値を測定したところ、2N/15mmであった。内容物を詰め、手でカットしたが、カット時の抵抗感が大きく、切りにくかった。
【0044】
参考例2
二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績社製:商品名,E5100(厚さ12μm))の上に酸化アルミニウム薄膜を蒸着しさらに、その上にウレタン系コート剤(東洋紡社製:商品名,バイロンUR5500/日本ポリウレタン社製:商品名,コロネードHL=10/20)をコート(厚さ0.5μm)したフィルムを用い、下記シーラントをドライラミネートした。シーラントとして、無延伸ポリプロピレンフィルム(60μm)(東洋紡績社製:商品名,P1146(60))を用い、ドライラミ用接着剤としてはイソシアネート系接着剤(大日精化社製:商品名,E339)を用いた。このとき接着剤の厚みを4μmと厚くし、さらに、コーターのニップロール温度も80℃と高く設定した。このようにして得られたラミネート積層体をヒートシール(シール条件:180℃×2kg×2秒)し、袋をつくり、レトルト処理をした。得られた積層体の引裂き抵抗値を測定したところ、0.6N/15mmであった。内容物としてカレーを詰め、同様にレトルト後に手でカットしたが、非常にスムーズに切れ、カット性は良好であった。
【0045】
(比較例4)
酸化アルミニウム薄膜の上にウレタン系コートをしていないフィルムを用い、その他は、実施例3と同様にしてドライラミをした。また、接着剤として、イソシアネート系接着剤(大日精化社製:商品名,E266)を用い、接着剤の厚みを2μm、ニップロール温度を40℃とした。この積層体の引裂き抵抗値を測定したところ、3N/15mmであった。袋をつくり、内容物を詰め、手でカットしたが、カット時のひっかかりが大きくうまく切れなかった。
【0046】
【発明の効果】
本発明のガスバリア性フィルム及び包装体によれば、ガスバリア性に優れ、食品、医薬品、化学薬品、医療用機器、電子用部品など包装時には気密性に優れることが要求され、かつ内容物を取り出すときには容易に開封することが求められる物品の包装に用いるのに適したガスバリア性フィルム及び包装体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】切り欠き部を形成した本発明のガスバリア性フィルムの要部を示す図である。
【符号の説明】
1 試料フィルム
2 切り欠き部
3 ヒートシール部

Claims (2)

  1. 二軸延伸プラスチックフィルムの表面に無機酸化物薄膜層が形成され、さらにリエチレンイミン系アンカー剤をアンカーコート層として設けたガスバリア性積層体の最外層にヒートシール性樹脂層が形成された、二軸延伸ナイロン6フィルム/無機酸化物薄膜層/PE又は二軸延伸ナイロン6フィルム/無機酸化物薄膜層/CPP層構成からなるガスバリア性フィルムであって、無機酸化物薄膜が、少なくとも酸化ケイ素及び酸化アルミニウムを含む多元系無機酸化物薄膜であり、ヒートシール性樹脂層面同士をヒートシールしたヒートシール部の引裂き抵抗値が1N/15mm以下であることを特徴とするガスバリア性フィルム。
  2. 請求項記載のガスバリア性フィルムを用いてなることを特徴とする包装体。
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