JPH10292162A - マスキング用紙粘着テープ - Google Patents

マスキング用紙粘着テープ

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JPH10292162A
JPH10292162A JP9117534A JP11753497A JPH10292162A JP H10292162 A JPH10292162 A JP H10292162A JP 9117534 A JP9117534 A JP 9117534A JP 11753497 A JP11753497 A JP 11753497A JP H10292162 A JPH10292162 A JP H10292162A
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Japan
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masking
acrylate
paper
adhesive
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JP9117534A
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Takeshi Kimura
健 紀村
Tadao Maki
忠雄 牧
Kinnosuke Hino
欣之輔 比野
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Nichiban Co Ltd
Original Assignee
Nichiban Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 重ね貼り性、易巻き戻し性、易剥離性、耐熱
性、低温及び高温での接着性、手切れ性、塗料の密着性
等に優れたマスキング用紙粘着テープ、特に常温及び高
温条件下ではもとより、多湿雰囲気下での重ね貼り性が
良好で、しかも低温雰囲気下及び高温経時における巻き
戻し性が良好で、作業性に優れ、粘着剤残留のないマス
キング用紙粘着テープを提供すること。 【解決手段】 和紙を支持体とするマスキング用紙粘着
テープにおいて、該支持体の片面に、直接または背面処
理剤の塗布層を介して、炭素数12以上のアルキル基を
有する長鎖アルキル系剥離剤の塗布層を乾燥重量0.5
〜25mg/m2の割合で設け、他面には、炭素数4以
上のアルキル基を有するアクリル酸エステルを主成分と
する単量体を重合してなるアクリル酸エステル系重合体
を含む粘着剤層を設けたことを特徴とするマスキング用
紙粘着テープ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マスキング用紙粘
着テープに関し、さらに詳しくは、巻き戻し性が良好
で、かつ、重ね貼り性の良好なマスキング用紙粘着テー
プに関する。本発明のマスキング用紙粘着テープは、自
動車の外鈑塗装などの塗装用のマスキングテープとして
好適である。
【0002】
【従来の技術】マスキングテープ(塗装マスキング用テ
ープ)は、一般に、外部環境作用の遮蔽、塗装時の部分
的遮蔽、汚染防止等の種々の目的で、自動車の塗装、建
築現場での養生や吹付塗装などの際に、各種被着体に貼
付して使用されている。マスキングテープは、和紙、ク
レープ紙、ポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィ
ルム、軟質塩化ビニルフィルム、布などを支持体(ベー
ス基材)とし、その片面にゴム系粘着剤やアクリル系粘
着剤などが塗工された構成を有している。また、マスキ
ングテープは、他の粘着テープと同様、通常、ロール状
に巻回して製造・販売され、使用時にはロール状テープ
から所要量を巻き戻し、切り離して被着体に貼付されて
いる。マスキングテープは、ほとんど手作業で貼付され
るため、貼付時の作業性が良好であることが求められ、
初期接着性、手切れ性などが重視される。自動車塗装用
では、被着体に貼付したままで、塗装後の焼き付け工程
を経るため、支持体や粘着剤の耐熱性が要求され、さら
には、焼き付け後に粘着剤の残留がなく容易に剥がせる
ことが求められる。より具体的に、自動車の外鈑塗装用
などには、支持体として紙を用いた紙マスキングテープ
(即ち、マスキング用紙粘着テープ)が使用されている
が、要求される品質としては、重ね貼り性、易巻き戻し
性、易剥離性、耐熱性、低温及び高温での接着性、手切
れ性、塗料の密着性等がある。
【0003】重ね貼り性とは、被着体に貼付したマスキ
ングテープの背面にマスキングテープを重ねて貼るとき
の接着性のことであり、重ね貼り性が悪いと養生紙等の
脱落が起こり、作業上問題となる。易巻き戻し性とは、
ロール状テープの巻き戻し易さのことであり、巻き戻し
力が高いと、作業性が悪くなる。易剥離性とは、塗装焼
き付け後、被着体からマスキングテープを引き剥がす
際、該テープの切断等が起こらず、容易に引き剥がせる
ことである。耐熱性とは、塗装焼き付け時の熱による粘
着剤の劣化、粘着剤残留等が発生しないことである。ま
た、紙粘着テープの場合、手で切断することが多いた
め、手で容易に切断でき、さらには、縦裂けが起こりに
くいことも必要である。塗料の密着性とは、マスキング
テープの背面へ塗料を塗布し、乾燥、焼き付けした後の
塗料の密着性を意味する。塗装時にはマスキングテープ
の背面にも塗料が付着するが、塗料の密着性が悪いと、
塗装工程後、該テープ剥離時に塗料飛散の原因となり、
塗装面の汚染や作業環境の悪化をもたらす。
【0004】一般に、マスキングテープの重ね貼り性を
向上させ、その背面の接着性を高めると、ロール状テー
プの巻き戻し力が高くなり、作業性が悪くなる。巻き戻
し力の改善のために、マスキングテープの背面を通常の
シリコン系剥離剤で処理すると、巻き戻し性は改善され
るものの、重ね貼り性、塗料の密着性が低下する。長鎖
アルキル系剥離剤を用いる場合においても、通常の処理
量(即ち、0.1〜3g/m2)で処理すると、巻き戻
し性は改善されるものの、重ね貼り性が低下したり、塗
料の密着性が低下する。また、塗装用マスキングテープ
は、被着体に貼付した状態で塗装ブースでの塗料の焼き
付けが行われるため、高温での重ね貼り性が必要であ
る。マスキングテープの背面に、粘着テープにより養生
紙を貼付することがあるが、高温での重ね貼り性が悪い
と、塗装ブース中での焼き付け時、風によって養生紙が
煽られ、特にマスキングテープの重ね貼り部分が剥れ
て、塗装ラインが乱れるといったトラブルを生じる。し
たがって、マスキングテープには、常温から高温までの
環境下での巻き戻し性と重ね貼り性のバランスが必要と
される。巻き戻し性は、低温では重くなる傾向があり、
冬場でも支持体の切断が起こらないような、良好な低温
巻き戻し性も必要とされる。
【0005】マスキング用紙粘着テープに用いられる粘
着剤としては、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(I
R)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、スチレン
−イソプレン−スチレンブロック共重合体ゴム(SI
S)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合
体ゴム(SBS)、及びこれらの水添加物等をエラスト
マー成分とするゴム系粘着剤、及びアクリル系粘着剤が
用いられている。ゴム系粘着剤の場合は、耐候性に問題
があり、屋外での作業において、直射日光が当たる場合
や屋外での放置により、粘着剤が変質し、粘着剤残留が
起こりやすい。これに対して、アクリル系粘着剤は、耐
熱性、耐候性に優れるため、塗装用マスキングテープ用
粘着剤として好ましい。しかしながら、アクリル系粘着
剤を用いたマスキングテープは、支持体の背面を剥離剤
で処理しない場合は巻き戻しが重くなり、剥離剤で処理
すると、巻き戻し力は軽くなるが、重ね貼り性が悪くな
ったり、塗料の密着性が劣るといった問題があった。ま
た、塗装作業は、雨天時にも行われるので、梅雨時期の
ような多湿時の重ね貼り性も重要であるが、アクリル系
粘着剤は、多湿による結露面への接着性に問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、重ね
貼り性、易巻き戻し性、易剥離性、耐熱性、低温及び高
温での接着性、手切れ性、塗料の密着性等に優れたマス
キング用紙粘着テープを提供することにある。また、本
発明の目的は、常温及び高温条件下はもとより、多湿雰
囲気下での重ね貼り性が良好で、しかも低温雰囲気下及
び高温経時における巻き戻し性が良好で、作業性に優
れ、粘着剤残留のないマスキング用紙粘着テープを提供
することにある。本発明者らは、前記従来技術の問題点
を克服するために鋭意研究した結果、紙粘着テープ用和
紙基材(支持体)の片面に、炭素数12以上のアルキル
基を有する長鎖アルキル系剥離剤を乾燥重量が0.5〜
25mg/m2の割合となるように塗布し、他面には、
炭素数4以上のアルキル基を有するアクリル酸エステル
を主成分とするアクリル酸エステル系重合体を含む粘着
剤層を設けることにより、常温及び多湿時の重ね貼り性
及び巻き戻し性のバランスに優れ、耐熱性、耐候性の良
好なマスキング用紙粘着テープの得られることを見いだ
し、その知見に基づいて、本発明を完成するに至った。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、和紙を
支持体とするマスキング用紙粘着テープにおいて、該支
持体の片面に、直接または背面処理剤の塗布層を介し
て、炭素数12以上のアルキル基を有する長鎖アルキル
系剥離剤の塗布層を乾燥重量0.5〜25mg/m2
割合で設け、他面には、炭素数4以上のアルキル基を有
するアクリル酸エステルを主成分とする単量体を重合し
てなるアクリル酸エステル系重合体を含む粘着剤層を設
けたことを特徴とするマスキング用紙粘着テープが提供
される。
【0008】
【発明の実施の形態】支持体(ベース基材) 本発明のマスキング用紙粘着テープでは、和紙を支持体
として使用する。ここでいう和紙とは、通常、流し漉き
の手法により、機械的に抄紙して得られる紙を意味す
る。和紙は、汎用の処理剤で処理されたものであっても
よい。例えば、粘着剤塗工時の粘着剤の裏抜けを防止す
るための目止め、基材強度の調整、あるいは基材の内部
強度の改善等のため、含浸処理が施された和紙を使用す
ることができる。また、和紙基材には、巻き戻し性と重
ね貼り性の調整のために、背面処理剤による背面処理を
行うことが好ましい。和紙の原紙は、クラフトパルプを
主原料とするものが好ましい。クラフトパルプ以外に、
機械的強度や耐水性の改善のために、例えば、ポリエス
テル繊維、ビニロン繊維、マニラ麻などの抄紙可能な繊
維を併用してもよい。和紙には、バインダーとして、ポ
リビニルアルコール、ポリアクリルアミド等の紙力増強
剤が添加されていてもよい。和紙の含浸処理に使用する
含浸剤としては、SBR、MBR、NBR等の合成ゴム
ラテックス、NRラテックス、PVCエマルジョン、ア
クリルエマルジョン等の水系処理剤;溶剤可溶なSB
R、NBR、NBIR、SIS、SBS、SEBS等の
合成ゴム、天然ゴム、アクリルポリマーの単体またはブ
レンドなどが挙げられる。
【0009】背面処理剤 本発明では、巻き戻し性と重ね貼り性を制御するため
に、支持体となる和紙の背面側に、背面処理剤を用いて
背面処理を行うことができる。背面処理剤としては、
(メタ)アクリル酸エステルを含有する単量体成分を重
合して得られる(メタ)アクリル酸エステル系重合体を
使用することが好ましい。(メタ)アクリル酸エステル
としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メ
タ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、
(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸
n−ブチル、(メタ)アクリル酸sec−ブチル、(メ
タ)アクリル酸tert−ブチル、(メタ)アクリル酸
メトキシプロピル、(メタ)アクリル酸エトキシエチル
等を挙げることができる。これらの(メタ)アクリル酸
エステル系単量体は、それぞれ単独で、あるいは2種以
上を組み合わせて使用することができる。(メタ)アク
リル酸エステルとしては、エステル残基として、炭素数
1〜4のアルキル基、またはアルコキシアルキル基を有
するものが好ましい。
【0010】(メタ)アクリル酸エステルは、必要に応
じて、他の単量体と共重合することができる。他の単量
体としては、例えば、(メタ)アクリル酸などの不飽和
カルボン酸、(メタ)アクリル酸2ヒドロキシエチルな
どのヒドロキシル基含有(メタ)アクリル酸エステル、
(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリルアミ
ド、(メタ)アクリロニトリル、N−メチロールアクリ
ルアミド等の官能基を有する単量体;スチレン、α−メ
チルスチレン、p−メチルスチレンなどの芳香族ビニル
単量体、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニル
エステル単量体等の共重合可能なビニル系単量体を挙げ
ることができる。背面処理剤を構成する(メタ)アクリ
ル酸エステル系重合体の単量体成分と共重合割合は、
(a)(メタ)アクリル酸エステルが好ましくは40〜
100重量%、より好ましくは45〜99.5重量%、
さらに好ましくは45〜99重量%であり、(b)官能
基を有する単量体が好ましくは0〜10重量%、より好
ましくは0.5〜5重量%、さらに好ましくは1〜4重
量%であり、(c)共重合可能なビニル系単量体が好ま
しくは0〜60重量%、より好ましくは0〜55.5重
量%、より好ましくは0〜51重量%である。
【0011】背面処理剤として用いられる(メタ)アク
リル酸エステル系重合体は、常法に従って、単量体成分
を、溶液重合または乳化重合法により、ラジカル重合す
ることにより得ることができる。乳化重合では、必要に
応じて、界面活性剤、反応性界面活性剤、保護コロイ
ド、連鎖移動剤、可塑剤等を使用することができる。さ
らに、重合後に増粘剤、架橋剤、防腐剤、顔料、可塑
剤、充填剤、凍結防止剤、消泡剤等の添加剤を適量添加
してもよい。また、重合物については、単独で用いて
も、2種類以上の重合物をブレンドしてもよい。背面処
理剤を用いて支持体の和紙を処理する方法としては、
(メタ)アクリル酸エステル系重合体のエマルジョンま
たは溶液を、丸棒、メイヤーバー、グラビヤ、スクイ
ズ、リバース、ナイフ、エアーナイフ等を用いて和紙の
片面に塗工する方法を採用することができる。10〜5
0g/m2の原紙に、通常、含浸剤と背面処理剤の合計
で5〜30g/m2の乾燥重量となるように処理を行う
ことが好ましい。
【0012】長鎖アルキル系剥離剤 本発明で使用する長鎖アルキル系剥離剤としては、炭素
数12以上の長鎖アルキル基を有するポリマーであれ
ば、特に制約はないが、代表的なポリマーとしては、例
えば、(メタ)アクリル酸長鎖アルキルエステル共重合
体、長鎖アルキルビニルエステル共重合体、長鎖アルキ
ルビニルエーテル共重合体、長鎖アルキルアクリルアマ
イド共重合体、長鎖アルキルアリルエステル、長鎖アル
キルカルバメート、長鎖アルキル基を付加したポリエチ
レンイミン等が挙げられる。長鎖アルキル系剥離剤は、
支持体となる和紙の背面側に、直接または前記の如き背
面処理剤の塗布層を介して、乾燥重量で0.5〜25m
g/m2、好ましくは1〜20mg/m2、より好ましく
は2〜20mg/m2の割合となるように塗布する。長
鎖アルキル系剥離剤の塗布量が少なすぎると、多湿時の
重ね貼り性が悪化し、多すぎると、常温及び多湿時の重
ね貼り性が悪化し、塗料密着性も充分ではなくなる。
【0013】粘着剤 本発明では、粘着剤として、炭素数4以上のアルキル基
を有するアクリル酸エステルを主成分とするホモポリマ
ーまたはコポリマー(即ち、アクリル酸エステル系重合
体)を使用する。アクリル酸エステルとしては、例え
ば、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸オクチル、アク
リル酸イソオクチル、アクリル酸ノニル、アクリル酸イ
ソノニル、アクリル酸2エチルヘキシル、アクリル酸デ
シル、アクリル酸2オクチル等が挙げられる。アクリル
酸エステルの炭素数は、好ましくは4〜20、より好ま
しくは4〜12、さらに好ましくは8〜10である。ア
クリル酸エステル単量体は、それぞれ単独で、あるいは
2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0014】炭素数4以上のアルキル基を持つアクリル
酸エステルは、必要に応じて、他の単量体と共重合する
ことができる。他の単量体としては、例えば、(メタ)
アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、フマル酸、マレ
イン酸等の不飽和カルボン酸;(メタ)アクリル酸ヒド
ロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル、
(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル等のヒドロキシ
ル基含有(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリ
ロニトリル、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール
アクリルアミド、(メタ)アクリル酸グリシジル、エチ
レングリコールジメタクリレート;等の官能基を有する
単量体が挙げられる。また、スチレン、α−メチルスチ
レン、p−メチルスチレンなどの芳香族ビニル単量体、
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル単
量体などの共重合可能なビニル系単量体を共重合させて
もよい。
【0015】アクリル酸エステル系重合体の単量体成分
と共重合割合は、(A)炭素数4以上のアルキル基を有
するアクリル酸アルキルエステルが好ましくは50〜1
00重量%、より好ましくは60〜99.5重量%、さ
らに好ましくは80〜99重量%、(B)官能基を有す
る単量体が好ましくは0〜10重量%、より好ましくは
0.5〜5重量%、さらに好ましくは1〜4重量%、
(C)共重合可能なビニル系単量体が好ましくは0〜4
0重量%、より好ましくは0〜35重量%、さらに好ま
しくは0〜16重量%である。炭素数4以上のアルキル
基を有するアクリル酸エステル系重合体を用いることに
より、粘着剤層が良好な粘着力、タックなどの特性を示
すと共に、長鎖アルキル系剥離処理剤で処理した背面と
の間に、常温及び多湿雰囲気下で良好な重ね貼り性を得
ることができ、さらには、低温雰囲気下及び高温経時に
おける良好な巻き戻し性を得ることができる。官能基を
有する単量体やその他の共重合可能な単量体と共重合す
ることにより、粘着力などの特性を調整することができ
る。
【0016】アクリル酸エステル系重合体は、単量体成
分を、公知の溶液重合または乳化重合法により、ラジカ
ル重合することによって得ることができる。乳化重合に
おいては、必要に応じて、界面活性剤、反応性界面活性
剤、保護コロイド、連鎖移動剤、可塑剤等を使用するこ
とができる。さらに、重合後に増粘剤、架橋剤、防腐
剤、顔料、可塑剤、充填剤、凍結防止剤、消泡剤等の添
加剤を適量添加してもよい。アクリル酸エステル系重合
体は、単独で用いても、あるいは2種類以上の重合体を
ブレンドして用いてもよい。アクリル酸エステル系重合
体は、乳化重合したものは、未架橋でも高い凝集力を発
揮するが、溶液重合したものは、分子量及び凝集力を高
めるために、架橋することが好ましい。アクリル酸エス
テル系粘着剤は、前記で処理した和紙基材の他面に、乾
燥重量で通常10〜70g/m2、好ましくは20〜5
0g/m2の割合で塗工する。粘着剤の塗布方法は、粘
着剤の溶液またはエマルジョンを、丸棒、メイヤーバー
等によるキスコート、グラビヤ、ナイフ、エアーナイ
フ、コンマ、リバース、コンマリバース、リップ、ウル
トラダイ、ギヤダイ等を用いるいずれの方法でもよい。
【0017】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明に
ついてより具体的に説明する。なお、物性等の測定法
は、以下のとおりである。 (1)塗布量 背面処理剤及び粘着剤の塗布量は、和紙基材に背面処理
剤または粘着剤を塗布し、乾燥後の重量から算出した。
剥離剤の塗布量は、剥離剤の使用量から算出した。 (2)粘着力 JIS−Z−0237に準拠して、ステンレス鋼板(S
US304)に対する180度引き剥し粘着力(N/1
0mm)を、23℃、65%RH(相対湿度)の雰囲気
中で、0.3m/分の引き剥し速度で測定した。 (3)自背面粘着力 23℃、65%RHの雰囲気中で、ステンレス鋼板に粘
着テープを貼付し、さらにその上に同じ粘着テープを重
ね貼りし、2kgロールを1往復させて圧着した後、2
3℃及び80℃の各雰囲気中に30分間放置後、各雰囲
気温度において外側1枚目の粘着テープを0.3m/分
の速度で180度引き剥し試験を行うことにより、各温
度での自背面粘着力(N/10mm)を測定した。 (4)巻き戻し力 粘着テープについて、23℃、65%RHの雰囲気中
で、1m/分の速度における巻き戻し力(N/10m
m)を測定した。 (5)高温経時巻き戻し力 50℃で1カ月経時サンプルについて、上記の巻き戻し
力を測定した。 (6)5℃巻き戻し力 5℃雰囲気下で、上記の巻き戻し力を測定した。
【0018】(7)塗装試験(塗料密着性) 粘着テープをステンレス鋼板に貼付し、鈑金用の塗料を
厚み約50μm程吹き付け塗装後、80℃で30分間焼
き付けし、5℃の雰囲気下で粘着テープを剥離し、背面
の塗料の密着性を観察した。評価基準は、次のとおりで
ある。 ○:粘着テープ剥離時に塗料が飛散しない。 △:粘着テープ剥離時に塗料の一部が飛散した。 ×:粘着テープ剥離時に塗料が飛散した。 (8)重ね貼り性 12mm幅の粘着テープをステンレス鋼板に貼付し、そ
の背面に粘着テープの半分の幅に養生紙を貼付した粘着
テープを重ねて貼付し、塗装試験と同様の方法で塗装、
焼き付けを行って、重ね貼り性を試験した。評価基準
は、次のとおりである。 ○:良好、 △:一部浮きあり、 ×:養生紙の落下または剥がれあり。 (9)多湿時の重ね貼り性 24mm幅の粘着テープをステンレス鋼板に貼付し、そ
の背面に粘着テープの半分の幅に養生紙を貼付した粘着
テープを長さ10cmとなるように重ねて貼付し、30
℃、90%RHの雰囲気中において、垂直の角度で50
gの荷重をかけて1時間後の粘着テープの浮き、落下状
況を観察した。評価基準は、次のとおりである。 ○:良好、 △:一部浮きあり、 ×:養生紙の落下または剥がれあり。
【0019】[実施例1]クラフトパルプ90重量部及
びビニロン繊維10重量部の配合により抄紙した坪量3
0g/m2の和紙の片面に、SBRラテックス(日本ゼ
オン社製、Nipol LX472)をメイヤーバーに
て塗布して含浸処理した。乾燥後の塗布量は、15g/
2であった。次に、和紙の他面に、背面処理剤とし
て、アクリル酸ブチル/スチレン/アクリル酸=50/
48/2(重量比)のモノマー組成比からなり、公知の
方法により共重合して得られたエマルジョン系処理剤
を、メイヤーバーにより、乾燥後の重量が5g/m2
なるように塗布した。この和紙基材のSBR塗布面側
に、アクリル酸2エチルヘキシル/アクリル酸/アクリ
ロニトリル=96/2/2(重量比)を共重合して得ら
れたエマルジョン系粘着剤を乾燥後の重量が35g/m
2となるように塗布した。さらに、背面側に、剥離剤と
して、オクタデシルイソシアネートをポリビニルアルコ
ールに付加反応させた長鎖アルキルカルバメートポリマ
ーを乾燥後の重量が1mg/m2となるようにトルエン
溶液に希釈してメイヤーバーにて塗布した。次いで、粘
着テープを内径1インチの紙芯に巻き重ねし、ロール状
の粘着テープを作製した。粘着剤の乾燥は、120℃で
2分間行った。結果を表1に示す。
【0020】[実施例2]実施例1において、剥離剤の
塗布量を5mg/m2としたこと以外は、実施例1と同
様にして、ロール状の粘着テープを作製した。結果を表
1に示す。
【0021】[実施例3]実施例1において、剥離剤の
塗布量を10mg/m2としたこと以外は、実施例1と
同様にして、ロール状の粘着テープを作製した。結果を
表1に示す。
【0022】[実施例4]実施例1において、剥離剤の
塗布量を20mg/m2としたこと以外は、実施例1と
同様にして、ロール状の粘着テープを作製した。結果を
表1に示す。
【0023】[実施例5]実施例1において、粘着剤と
して、エマルジョン系粘着剤に代えて、アクリル酸2エ
チルヘキシル/アクリル酸/アクリロニトリル=96/
2/2(重量比)の組成を有する溶液重合型アクリル系
粘着剤100重量部に、0.1重量部(対固形分)の4
官能エポキシ化合物〔三菱瓦斯化学(株)製、TETR
AD X〕を添加したアクリル系粘着剤を用いたこと以
外は、実施例1と同様にして、ロール状の粘着テープを
作製した。結果を表1に示す。
【0024】[実施例6]実施例1において、剥離剤と
して、長鎖アルキルカルバメートポリマーに代えて、ス
テアリルアクリレート(SA)/アクリル酸(AA)=
95/5(重量比)を公知の溶液重合により重合して得
られた長鎖アルキル剥離剤を使用し、該剥離剤の塗布量
を10mg/m2としたこと以外は、実施例1と同様に
して、ロール状の粘着テープを作製した。結果を表1に
示す。
【0025】[実施例7]実施例1で使用したのと同じ
和紙の片面に、アクリル酸ブチル/スチレン/アクリル
酸=50/48/2(重量比)のモノマー組成比からな
るアクリル系エマルジョン〔明成化学社製、メイカレジ
ンJ〕を乾燥後の重量が20g/m2となるように塗布
した。この和紙基材のアクリル系エマルジョン塗布面
に、実施例1で使用したのと同じエマルジョン系粘着剤
を乾燥後の重量が35g/m2となるように塗布した。
さらに、背面側に、剥離剤として、実施例1で使用した
のと同じ長鎖アルキルカルバメートポリマーを乾燥後の
重量が10mg/m2となるように塗布した。そして、
実施例1と同様にして、ロール状の粘着テープを作製し
た。結果を表1に示す。
【0026】[比較例1]実施例1において、剥離剤を
塗布しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、ロ
ール状の粘着テープを作製した。結果を表1に示す。
【0027】[比較例2]実施例1において、剥離剤の
塗布量を1mg/m2から0.1mg/m2に変えたこと
以外は、実施例1と同様にして、ロール状の粘着テープ
を作製した。結果を表1に示す。
【0028】[比較例3]実施例1において、剥離剤の
塗布量を1mg/m2から80mg/m2に変えたこと以
外は、実施例1と同様にして、ロール状の粘着テープを
作製した。結果を表1に示す。
【0029】
【表1】
【0030】(脚注) (1)剥離剤 長鎖アルキルカルバメート系:オクタデシルイソシア
ネートをポリビニルアルコールに付加反応させた長鎖ア
ルキルカルバメートポリマー SA系:ステアリルアクリレート(SA)/アクリル
酸(AA)=95/5(重量比)を溶液重合してなるコ
ポリマー (2)粘着剤 エマルジョン系:アクリル酸ブチル/スチレン/アク
リル酸=50/48/2 (重量比)を乳化重合してなるアクリル酸エステル系重
合体 溶液重合系:アクリル酸2エチルヘキシル/アクリル
酸/アクリロニトリル=96/2/2の組成を有する溶
液重合型アクリル系粘着剤に、0.1重量部(対固形
分)の4官能エポキシ化合物を添加したアクリル酸エス
テル系重合体
【0031】表1の結果から、本発明のマスキング用紙
粘着テープ(実施例1〜7)は、常温及び高温での自背
面粘着力(即ち、重ね貼り性)に優れ、巻き戻し力が比
較的小さく、高温経時における巻き戻し性や低温巻き戻
し性も良好である。本発明のマスキング用紙粘着テープ
(実施例1〜7)は、多湿雰囲気中での重ね貼り性が良
好である。これに対して、炭素数12以上のアルキル基
を有する長鎖アルキル系剥離剤を塗布しなかった場合
(比較例1)、塗布量が過小(比較例2)または過大
(比較例3)の場合には、いずれも、多湿雰囲気中での
重ね貼り性が劣悪であり、その他の特性も充分ではな
い。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、重ね貼り性が良好であ
り、低温雰囲気下及び高温経時でも巻き戻し性が良好
で、作業性に優れ、耐熱性、耐候性のよい塗装用に適し
たマスキングテープ用紙粘着テープが提供される。本発
明では、炭素数12以上を有する長鎖アルキル系剥離剤
を乾燥重量0.5〜25mg/m2という極めて小さな
割合で使用することにより、重ね貼り性を損なうことな
く、軽い巻き戻し性を得ることができる。該剥離剤の塗
布量が少なすぎると、巻き戻し性が悪くなり、多すぎる
と、重ね貼り性、特に高温での重ね貼り性が低下して、
養生紙の脱落の問題が発生する。長鎖アルキル系剥離剤
をこのような少量の範囲で使用して充分な剥離効果を発
現させるには、未架橋でも高い凝集力を発揮する乳化重
合したアクリル酸エステル系重合体を粘着剤として使用
することが好ましい。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 和紙を支持体とするマスキング用紙粘着
    テープにおいて、該支持体の片面に、直接または背面処
    理剤の塗布層を介して、炭素数12以上のアルキル基を
    有する長鎖アルキル系剥離剤の塗布層を乾燥重量0.5
    〜25mg/m2の割合で設け、他面には、炭素数4以
    上のアルキル基を有するアクリル酸エステルを主成分と
    する単量体を重合してなるアクリル酸エステル系重合体
    を含む粘着剤層を設けたことを特徴とするマスキング用
    紙粘着テープ。
  2. 【請求項2】 背面処理剤が(メタ)アクリル酸エステ
    ル系重合体を含有するものであって、かつ、背面処理剤
    の塗布層を介して、長鎖アルキル系剥離剤の塗布層を設
    けた請求項1記載のマスキング用紙粘着テープ。
  3. 【請求項3】 炭素数4以上のアルキル基を有するアク
    リル酸エステルを主成分とする単量体を重合してなるア
    クリル酸エステル系重合体が、乳化重合により得られた
    ものである請求項1または2記載のマスキング用紙粘着
    テープ。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002178438A (ja) * 2000-12-18 2002-06-26 Toyobo Co Ltd 包装材料積層体および包装体
US7396868B2 (en) 2002-02-25 2008-07-08 Nitto Denko Corporation Aqueous dispersion type pressure-sensitive adhesive composition and pressure-sensitive adhesive product
US8039103B2 (en) 2002-11-08 2011-10-18 Nitto Denko Corporation Pressure-sensitive adhesive tape or sheet
US8058341B2 (en) 2002-02-25 2011-11-15 Nitto Denko Corporation Aqueous dispersion type pressure-sensitive adhesive composition and pressure-sensitive adhesive product

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