JP2001191460A - 積層体及びその製造方法 - Google Patents

積層体及びその製造方法

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JP2001191460A
JP2001191460A JP2000316953A JP2000316953A JP2001191460A JP 2001191460 A JP2001191460 A JP 2001191460A JP 2000316953 A JP2000316953 A JP 2000316953A JP 2000316953 A JP2000316953 A JP 2000316953A JP 2001191460 A JP2001191460 A JP 2001191460A
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polyvinyl alcohol
layer
based polymer
film
laminate
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JP2000316953A
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Kinichi Toda
欽一 戸田
Akira Nomoto
晃 野本
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Tohcello Co Ltd
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Tohcello Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透明性、耐水性があり、食品、医薬品等の包
装用フィルムとして必要なガスバリア性を有し、湿度依
存性の小さく肉厚精度の良好なポリビニルアルコール系
重合体層を含む積層体を得ることを課題とする。 【解決手段】 熱可塑性樹脂(A)からなる少なくとも
一方向に延伸された基材層の少なくとも片面に、60℃
の水で15分間処理した場合の減少率が30%以下であ
るオレフィン含有量が1〜25モル%のポリビニルアル
コール系重合体層(C)を有することを特徴とする積層
体、熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも片面に、オレフ
ィン含有量が1〜25モル%のポリビニルアルコール系
重合体の水溶液を塗布した後、少なくとも一方向に延伸
することを特徴とする積層体の製造方法もしくは縦延伸
した熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも片面に、オレフ
ィン含有量が1〜25モル%のポリビニルアルコール系
重合体の水溶液を塗布した後、横方向に延伸することを
特徴とする積層体の製造方法を提供するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐水性に優れたポ
リビニルアルコール系重合体層を含む積層体及びその製
造方法に関する。さらに詳しくは、透明性、ガスバリア
性、耐水性に優れた食品、医薬品等の包装用フィルムに
好適な積層体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】食品、医薬品等の包装用として用いられ
る包装用フィルムは、内容物の視認性や美観などから透
明性が必要とされると共に、内容物の酸化などを防止す
るため、ガスバリア性が必要とされる。
【0003】透明ガスバリア性フィルムとしては、二軸
延伸ポリエステルや二軸延伸ポリプロピレンのような熱
可塑性樹脂フィルムの表面に、ポリ塩化ビニリデン、ポ
リビニルアルコールやエチレン−ビニルアルコール共重
合体などのガスバリア性に優れた樹脂をコーティングあ
るいはラミネートしたフィルムが知られている。しか
し、このようなガスバリア性樹脂を積層したフィルム
は、水蒸気、酸素などに対するガスバリア性が未だ十分
ではなく、高温でのガスバリア性が著しく低下する。ま
たポリビニルアルコールでは低湿度下でのガスバリア性
は良好であるが、高湿度下では十分ではない。エチレン
−ビニルアルコール共重合体などは、湿度依存性が若干
抑えられるが、ガスバリア性は十分ではない。
【0004】ポリビニルアルコール、エチレン−ビニル
アルコール等のポリビニルアルコール系重合体の水溶液
を二軸延伸ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂フィルムに
コーティングして耐ガスバリア性フィルムを製造する方
法が提案されている(特開平4−359033号公報、
特開2000−52501号公報)。しかしながら、か
かる方法で得られる積層フィルムはガスバリア性は優れ
るものの、ポリビニルアルコールの性質である耐水性に
劣るという欠点を改良するには至っていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、かか
るポリビニルアルコール系重合体積層体の問題点である
耐水性を改良したガスバリア性、透明性に優れた積層体
を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
【発明の概要】本発明は、熱可塑性樹脂(A)からなる
少なくとも一方向に延伸された基材層の少なくとも片面
に、60℃の水で15分間処理した場合の減少率が30
%以下であるオレフィン含有量が1〜25モル%のポリ
ビニルアルコール系重合体層(C)を有することを特徴
とする積層体、熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも片面
に、オレフィン含有量が1〜25モル%のポリビニルア
ルコール系重合体の水溶液を塗布した後、少なくとも一
方向に延伸することを特徴とする積層体の製造方法もし
くは縦延伸した熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも片面
に、オレフィン含有量が1〜25モル%のポリビニルア
ルコール系重合体の水溶液を塗布した後、横方向に延伸
することを特徴とする積層体の製造方法である。本発明
の好ましい態様として、更に基材層と前記ポリビニルア
ルコール系重合体層(C)の間に接着性樹脂(B)層を
設けてなることを特徴とする積層体、また前記ポリビニ
ルアルコール系重合体層(C)上に無機化合物からなる
薄膜(D)を設けた積層体である。
【0007】
【発明の具体的説明】熱可塑性樹脂(A) 本発明にかかわる基材層に用いる熱可塑性樹脂(A)
は、シート状またはフィルム状になりうる熱可塑性樹脂
であって、例えば、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリ4−メチル・1−ペンテン、ポリブ
テン等)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタ
レート等)、ポリアミド(ナイロン−6、ナイロン−6
6、ポリメタキシレンアジパミド等)、ポリ塩化ビニ
ル、ポリイミド、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリ
アクリロニトリル、ポリカーボネート、ポリスチレン、
アイオノマー、あるいはこれらの混合物等を例示するこ
とができる。これらのうちでは、ポリプロピレン、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリアミド等、延伸性、透明
性が良好な熱可塑性樹脂が好ましい。
【0008】基材層 本発明にかかわる基材層は上記熱可塑性樹脂(A)を種
々公知の成形法、例えばTダイ法やインフレーション法
などの溶融成形法、溶液を用いたキャスティング法など
で成形したフィルム、シート等を少なくとも一方向、好
ましくは二軸延伸したものである。又、基材層として透
湿度が5g/m未満、更には4g/m 未満のものを
用いると、包装材料として用いた場合、外気(高湿度)
と被包装物側(低湿度)で湿度差が生じた場合にも酸素
バリア性に優れた積層体が得られるので好ましい。かか
る透湿度が低い材料としては、例えば石油樹脂等を防湿
剤として添加して得られる二軸延伸ポリプロピレンフィ
ルム(OPPフィルム)、所謂高防湿OPPフィルムを
例示することができる。延伸法としては公知の延伸法、
例えば、テンター延伸、チューブラー延伸、ロール延
伸、圧延延伸、ベルト延伸や、これらを組み合わせた延
伸などが採用できる。
【0009】この基材層に用いられる熱可塑性樹脂
(A)には、例えば帯電防止剤、紫外線吸収剤、可塑
剤、滑材、着色剤など公知の添加剤を、必要に応じて適
宜添加することができる。
【0010】さらに基材層の少なくとも片面は表面処理
またはアンカーコート処理がされていてもよい。表面処
理としては、コロナ放電処理、プラズマ放電処理、グロ
ー放電処理、逆スパッタ処理、火炎処理、クロム酸処
理、溶剤処理、粗面化処理などがある。アンカーコート
剤としては、種々の樹脂、例えば熱可塑性樹脂、熱硬化
性樹脂、光線硬化性樹脂やカップリング剤で構成するこ
とができる。
【0011】ポリビニルアルコール系重合体 本発明にかかわるポリビニルアルコール系重合体は、オ
レフィン含有量が1〜25モル%、好ましくは3〜20
モル%、更には5〜16モル%、好ましくは重合度が1
00〜3000、更には200〜2500、最も好まし
くは300〜2000の範囲にある。この範囲にある
と、水溶液にして基材層にコーティングし易く延伸性、
ガスバリア性も良い。ケン化度は90%以上、好ましく
は95%以上であり、この範囲であればガスバリア性が
良い。オレフィンとしては、炭素数4以下のものが好ま
しく、エチレン、プロピレン、n−ブテン、イソブテン
等が挙げられるが、耐水性の点でエチレンが最も好まし
い。
【0012】ポリビニルアルコール系重合体の水溶液に
は、水以外の溶媒、例えばメタノール、エタノール、イ
ソプロパノール等のアルコール類、アセトン、メチルエ
チルケトン等のケトン類、或いはその他ジエチルエーテ
ル、テトラヒドロフラン等を必要に応じて、1種または
2種以上を組み合わせて加えることも可能である。又、
ポリビニルアルコール系重合体には、本発明の特徴を阻
害しない範囲で濡れ性向上剤、帯電防止剤、その他各種
添加剤を加えることが可能である。
【0013】ポリビニルアルコール系重合体層(C) 本発明にかかわるポリビニルアルコール系重合体層
(C)は、60℃の水で15分間処理した場合の減少率
が30%以下、好ましくは5%以下、更に好ましくは7
0℃の水で15分間処理した場合の減少率50%以下、
特に好ましくは5%がである。ここで、減少率とは、重
合体層(C)が温水に溶けて減少した割合をいう。かか
る特性を有する重合体層(C)は上記ポリビニルアルコ
ール系重合体を基材層に積層した後、少なくとも一方向
に延伸、好ましくは5倍以上延伸することにより得られ
る。延伸温度は、通常50〜250℃、好ましくは10
0〜200℃の範囲にある。重合体層(C)の耐水性を
かかる範囲にするには、延伸処理が必要であり、延伸を
伴わない熱処理を行っても耐水性をかかる範囲にするこ
とはできない。又、延伸処理することにより、ポリビニ
ルアルコール系重合体の融点(DSC)が3〜4℃以上
上昇することが確認できる。重合体層(C)の厚さは、
通常0.01〜20.0μm、好ましくは0.03〜1
5.0μm、より好ましくは0.05〜10.0μmで
あり、この範囲であれば充分な耐水性及びガスバリア性
が得られる。
【0014】ポリビニルアルコール系重合体層(C)
は、表面処理またはアンダーコート処理されていてもよ
い。表面処理としては、コロナ放電処理、プラズマ放電
処理、グロー放電処理、逆スパッタ処理、火炎処理、ク
ロム酸処理、溶剤処理、粗面化処理などがある。アンカ
ーコート剤は、種々の樹脂、例えば熱可塑性樹脂、熱硬
化性樹脂、光線硬化性樹脂やカップリング剤で構成する
ことができる。特に、コロナ処理もしくはプラズマ放電
処理することにより、重合体層(C)の水との接触角を
40度以下にしておくと、後述の無機化合物からなる薄
膜(D)を形成させた際に、酸素透過度、透湿度を低く
して更にガスバリア性に優れる積層体とすることができ
る。
【0015】接着性樹脂(B) 本発明にかかわる接着性樹脂(B)は、種々公知の接着
性樹脂を用いることができるが、特にはアイオノマー樹
脂又は一部もしくは全部が不飽和カルボン酸もしくはそ
の誘導体でグラフト変性した変性ポリオレフィンが好ま
しい。
【0016】アイオノマー樹脂 本発明にかかわるアイオノマー樹脂は、エチレンによっ
て代表されるオレフィンとα,β−エチレン性不飽和カ
ルボン酸またはその誘導体との共重合体、またはオレフ
ィン重合体の不飽和カルボン酸またはその誘導体のグラ
フト共重合体であり、共重合体中の遊離カルボキシル基
は完全にまたは部分的にナトリウム、カリウムなどのア
ルカリ金属または亜鉛等のアルカリ土類金属で中和され
ている。これら、カルボキシル基の全部または一部がナ
トリウム、亜鉛などの金属で中和された樹脂である。ア
イオノマー樹脂は、イオン基を有するため、ホモミキサ
ー等の装置を用いて溶融物を熱水中で高速攪拌混合した
場合、水に対して自己分散する性質を有し、それ自体で
水性分散液を形成し易い。
【0017】かかるアイオノマー樹脂を接着性樹脂層と
して用いる際には、アイオノマー樹脂とポリビニルアル
コール系重合体との混合物としてもよい。この場合、ア
イオノマー樹脂とポリビニルアルコール系重合体との比
は100:0〜20:80、好ましくは100:0〜3
0:70、さらに好ましくは、100:0〜40:60
であることが望ましく、この範囲であれば基材層と重合
体層(C)との接着性がより優れる。
【0018】上記アイオノマー樹脂とポリビニルアルコ
ール系重合体との混合物はアイオノマー樹脂の水分散液
とポリビニルアルコール系重合体水溶液との混合液であ
ってもよい。
【0019】本発明のアイオノマー樹脂水分散液または
アイオノマー樹脂の水分散液とポリビニルアルコール系
重合体水溶液との混合液においては、水以外の溶媒、例
えばメタノール、エタノール、イソプロパノール等のア
ルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン
類、或いはその他ジエチルエーテル、テトラヒドロフラ
ン等を必要に応じて、1種または2種以上を組み合わせ
て加えることも可能である。
【0020】アイオノマー樹脂またはアイオノマー樹脂
とポリビニルアルコール系重合体との混合物を接着性樹
脂として用いる場合、接着性樹脂(B)層の厚さは、通
常0.01〜5.0μm、好ましくは0.01〜3.0
μm、より好ましくは0.01〜2.0μmであり、こ
の範囲であれば接着性がより優れる。
【0021】変性ポリオレフィン 本発明にかかわる変性ポリオレフィンは、ポリオレフィ
ンの一部もしくは全部が不飽和カルボン酸もしくはその
誘導体(グラフトモノマー)でグラフト変性したもので
ある。不飽和カルボン酸としては、例えばアクリル酸、
メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等を
あげることができる。また不飽和カルボン酸の誘導体と
は酸無水物、エステル、アミド、イミド、金属塩など
で、例えば無水マレイン酸、無水シトラコン酸、無水イ
タコン酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、ア
クリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸ブチ
ル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸グリシジル、メタ
クリル酸グリシジル、マレイン酸モノエチルエステル、
マレイン酸ジエチルエステル、フマル酸モノメチルエス
テル、フマル酸ジメチルエステル、イタコン酸モノメチ
ルエステル、イタコン酸ジエチルエステル、アクリルア
ミド、メタクリルアミド、マレイン酸モノアミド、マレ
イン酸ジアミド、マレイン酸−N−モノエチルアミド、
マレイン酸−N,N−ジエチルアミド、マレイン酸−N
−モノブチルアミド、マレイン酸−N,N−ジブチルア
ミド、フマル酸モノアミド、フマル酸ジアミド、フマル
酸−N−モノエチルアミド、フマル酸−N−モノブチル
アミド、フマル酸−N,N−ジブチチルアミド、マレイ
ミド、N−フェニルマレイミド、アクリル酸ナトリウ
ム、メタクリル酸ナトリウム、アクリル酸カリウム、メ
タクリル酸カリウム等を挙げることができる。これらの
うちではマレイン酸、および無水マレイン酸が好まし
い。
【0022】ポリオレフィンにグラフトモノマーをグラ
フトする方法としては、公知の種々の方法を採用するこ
とができる。例えば、ポリオレフィンとグラフトモノマ
ーを溶媒の存在下または不存在下で、ラジカル開始剤を
添加してまたは添加せずに高温で加熱することによって
行われる。反応に際し、スチレンのような他のビニルモ
ノマーを共存させてもよい。
【0023】変性ポリオレフィンのベースとなるポリオ
レフィンは、例えばエチレン、プロピレン、1−ブテ
ン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ペンテン、4−
メチルー1−ペンテン等のα―オレフィンの単独重合体
もしくは共重合体であり、好ましくはポリエチレン、ポ
リプロピレンである。基材層としてポリプロピレンを用
いる場合は、ポリプロピレンが好ましい。この変性ポリ
オレフィンを用いることにより、基材層とポリビニルア
ルコール系重合体層(C)との接着性は顕著に向上す
る。接着性樹脂(B)層の厚さは、通常0.1〜30μ
m、好ましくは0.1〜25μm、より好ましくは0.
1〜20μmであり、この範囲であれば接着性がより優
れる。
【0024】接着性樹脂(B)には本発明の特徴を阻害
しない範囲で濡れ性向上剤、帯電防止剤、その他各種添
加剤を加えることが可能である。又、接着性樹脂(B)
層の表面を表面処理またはアンカーコート処理をしてお
いてもよい。表面処理としては、コロナ放電処理、プラ
ズマ放電処理、グロー放電処理、逆スパッタ処理、火炎
処理、クロム酸処理、溶剤処理、粗面化処理などがあ
る。アンカーコート剤としては、種々の樹脂、例えば熱
可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、光線硬化性樹脂やカップリ
ング剤で構成することができる。
【0025】無機化合物からなる薄膜(D) 本発明にかかわる無機化合物からなる薄膜(D)は、公
知の無機薄膜ならなんでもよいが、好ましくは珪素、ア
ルミニウム、チタン、ジルコニウム、錫、マグネシウ
ム、またはその酸化物、チッ化物、ふっ化物の単体、あ
るいはそれらの複合物からなり、通常、真空蒸着法、ス
パッタリング法、プラズマ気相成長法(CVD法)など
の真空プロセスにより形成される。これらのうち特に酸
化アルミニウムおよび酸化珪素は、無色透明であり、本
発明で好適に用いることができる。
【0026】薄膜(D)の膜厚は、用途によって異な
り、数10〜5000Åの範囲が一般的であるが、ガス
バリア性、薄膜の連続性、クラックの発生しやすさ、可
撓性の点で、好ましくは20〜3000Åの範囲が好ま
しい。
【0027】積層体 本発明の積層体は、前記特性を有する基材層の少なくと
も片面に、前記特性を有するポリビニルアルコール系重
合体層(C)から構成される。又、本発明の積層体の他
の態様として、基材層、接着性樹脂(B)層及びポリビ
ニルアルコール系重合体層(C)、更に他の態様とし
て、基材層、ポリビニルアルコール系重合体層(C)及
び無機化合物からなる薄膜(D)、更に他の態様として
基材層、接着性樹脂(B)層、ポリビニルアルコール系
重合体層(C)及び無機化合物からなる薄膜(D)から
構成される。かかる構成とすることで、耐水性を改良し
たガスバリア性、透明性に優れた積層体が得られる。
【0028】本発明の積層体の各層の厚さは用途に応じ
て適宜決め得るが、通常、基材層は5〜500μm、好
ましくは5〜250μm、接着性樹脂(B)層は0.1
〜30μm、好ましくは0.1〜25μm、より好まし
くは0.1〜20μm、ポリビニルアルコール系重合体
層(C)は0.01〜20μm、好ましくは0.03〜
10μm、より好ましくは0.05〜10μm、無機化
合物からなる薄膜(D)は数10〜5000Å、好まし
くは20〜3000Åの範囲にある。
【0029】本発明の積層体を包装材料として用いる際
には、ヒートシール性を付与するために基材層のポリビ
ニルアルコール系重合体層(C)を積層しない面、ある
いはポリビニルアルコール系重合体層(C)もしくは無
機化合物からなる薄膜(D)の表面に熱融着層を積層し
ておくと、被包装物を容易に熱で封緘できる点で好まし
い。かかる熱融着層としては、通常熱融着層として公知
のエチレン、プロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、
4−メチル・ペンテン−1、オクテン−1等のα−オレ
フィンの単独若しくは共重合体として知られる、高圧法
低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン(所謂L
LDPE)、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリプロピレンランダム共重合
体、ポリブテン、ポリ4−メチル・ペンテン−1、低結
晶性あるいは非晶性のエチレン・プロピレンランダム共
重合体、エチレン・ブテン−1ランダム共重合体、プロ
ピレン・ブテン−1ランダム共重合体等のポリオレフィ
ンの単独若しくは2種以上の組成物、エチレン・酢酸ビ
ニル共重合体(EVA)、エチレン・(メタ)アクリル
酸共重合体、アイオノマー等のエチレン・酸(誘導体)
共重合体あるいはEVAとポリオレフィンとの組成物等
を例示できる。
【0030】本発明の積層体に熱融着層を積層する際に
は、被接着面である基材層、ビニルアルコール系重合体
層(C)もしくは無機化合物からなる薄膜(D)の表面
に種々公知のアンカー剤、例えば、有機チタン系、ポリ
エチレンイミン系、ウレタン系、ポリブタジエン系アン
カー剤、あるいはラミネート接着剤、例えば一液型、二
液型のポリオールと多価イソシアネート、水系ウレタン
アイオノマーと硬化剤等の組合せからなるポリウレタン
系接着剤に代表されるドライラミネート接着剤、アクリ
ル系、酢酸ビニル系、ウレタン系、ポリエステル樹脂等
を主原料とした水性ドライラミネート接着剤、ポリウレ
タン系接着剤に代表される無溶剤ラミネート接着剤等で
処理しておいてもよい。
【0031】又、無機化合物からなる薄膜(D)の表面
には、表面保護、印刷適性、ラミネート適性などを向上
させるために、種々公知のコーティング剤、例えば、ポ
リエステル系、ポリウレタン系、アクリル系、ポリ酢酸
ビニル系、アイオノマー系など種々のコーティング可能
な樹脂を施してもよい。又、更にガスバリア性を向上さ
せるために塩化ビニリデン系重合体、エチレン・ビニル
アルコール共重合体、ポリビニルアルコールに代表され
るガスバリア性材料をコーティングしてもよい。
【0032】積層体の製造方法 本発明の積層体は、熱可塑性樹脂(A)フィルムの少な
くとも片面に、オレフィン含有量が1〜25モル%のポ
リビニルアルコール系重合体の水溶液を塗布した後、少
なくとも一方向、あるいは二方向に延伸することにより
得られ得る。二方向に延伸する場合は同時二軸延伸する
ことにより得られる。又、縦延伸した熱可塑性樹脂
(A)フィルムの少なくとも片面に、オレフィン含有量
が1〜25モル%のポリビニルアルコール系重合体の水
溶液を塗布し、次いで、横方向に延伸することによって
も得られ得る。ポリビニルアルコール系重合体層(C)
上に無機化合物からなる薄膜(D)を積層する方法は、
前記真空プロセスにより積層し得る。
【0033】塗布するポリビニルアルコール系重合体の
水溶液は、水以外の溶媒、例えばメタノール、エタノー
ル、イソプロパノール等のアルコール類、アセトン、メ
チルエチルケトン等のケトン類、或いはその他ジエチル
エーテル、テトラヒドロフラン等を必要に応じて、1種
または2種以上を組み合わせて加えた溶剤分散体として
用いることも可能である。
【0034】ポリビニルアルコール系重合体の水溶液を
熱可塑性樹脂(A)フィルムに塗布した後、水溶液の乾
燥は、熱可塑性樹脂(A)フィルムを延伸すると同時に
行ってもよいが、延伸前に水溶液を乾燥させた方が、乾
燥条件及び延伸条件を調整し易いので好ましい。乾燥条
件は、水分が蒸発する温度であれば特に限定はされない
が、通常、50〜200℃、好ましくは50〜180℃
の範囲である。
【0035】ポリビニルアルコール系重合体の水溶液を
熱可塑性樹脂(A)フィルムに塗布した後、あるいは、
塗布、乾燥した後の延伸は、一軸延伸でも二軸延伸でも
差し支えない。延伸方法としては慣用の延伸法、例え
ば、テンター延伸、チューブラー延伸、ロール延伸、圧
延延伸、ベルト延伸や、これらを組み合わせた延伸など
が適用できる。好ましくは、テンター延伸を採用するこ
とができる。延伸倍率は、様々な倍率が可能であるが、
一方向に延伸する場合は、通常3〜15倍、好ましくは
5〜15倍である。延伸倍率が3倍未満ではポリビニル
アルコール系重合体の耐水性の改良効果が充分に発現し
ない虞があり、一方、15倍を超えるとポリビニルアル
コール系重合体が延伸に追随できず、膜割れを起こす虞
がある。又、二軸延伸する場合は、同時二軸延伸が好ま
しく、その延伸倍率は、通常面倍率で3〜30倍、好ま
しくは3〜20倍の範囲にある。延伸倍率が3倍未満で
はポリビニルアルコール系重合体の耐水性の改良効果が
充分に発現しない虞があり、一方、30倍を超えるとポ
リビニルアルコール系重合体が延伸に追随できず、膜割
れを起こす虞がある。ポリビニルアルコール系重合体を
積層した後、逐次二軸延伸を行うと、一軸延伸時にはポ
リビニルアルコール系重合体は容易に延伸できるが、二
軸延伸時にポリビニルアルコール系重合体が膜割れを起
こす虞がある。又、延伸温度は、通常、基材層の熱可塑
性樹脂の融点あるいは軟化点温度−50℃〜基材層の熱
可塑性樹脂の融点あるいは軟化点温度+50℃、好まし
くは基材層の熱可塑性樹脂の融点あるいは軟化点温度−
40℃〜基材層の熱可塑性樹脂の融点あるいは軟化点温
度+40℃の範囲にある。
【0036】基材層に接着性樹脂(B)を積層する方法
は、種々公知の方法をとり得る。例えば、接着性樹脂の
水分散体を用いる場合は、種々公知の方法で基材層上に
塗布すればよいし、樹脂の場合は、基材層に接着性樹脂
を溶融して押出しコーティングあるいは押出しラミネー
トしてもよいし、基材層として用いる熱可塑性樹脂と接
着性樹脂とを共押出しする方法が例示できる。
【0037】本発明の少なくとも基材層とポリビニルア
ルコール系重合体層(C)とを含む積層体の20℃50
%RHの酸素透過度(1)と20℃80%RHの酸素透
過度(2)との比(2)/(1)は好ましくは1〜6
0、より好ましくは1〜45、最も好ましくは1〜30
であり、この範囲であることにより高湿度下での包装に
有効に使用できる。
【0038】
【発明の効果】本発明の積層体はポリビニルアルコール
系重合体層(C)が耐水性、特に温水下でも溶解し難い
特徴を有し、且つポリビニルアルコール系重合体本来の
特徴である耐酸素透過性等のガスバリア性を有してい
る。又、基材層として透湿度が5g/m未満のものを
用いた積層体は、更に高湿度下でのガスバリア性に優れ
る。又、無機化合物からなる薄膜(D)を積層した積層
体は更に酸素透過性、透湿性が低いという特徴を有して
いる。したがって、本発明の積層体はかかる特徴を活か
して、水分活性値が低い食品から水分活性値が高い食品
迄幅広い分野の食品包装材料として、特に好適に用いる
ことができる。勿論、かかる食品包装材料だけではな
く、医薬品、工業材料、電子材料等にも使用することが
できる。
【0039】又、基材層とポリビニルアルコール系重合
体層(C)との間に変性ポリオレフィンからなる接着性
樹脂(B)層を介した積層体は層間接着力に優れるの
で、上記包装材料として用いた場合にの耐久性に優れ
る。又、本発明の積層体は、延伸した基材層にポリビニ
ルアルコール系重合体の水溶液を塗布、乾燥した後延伸
することにより容易に製造することができる。
【0040】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明するが、本発明はこれら実施例により何等限定され
るものではない。
【0041】物性値は以下の方法で測定した。測定方法 ・酸素透過度:モダンコントロール社 MOCON O
XTRAN2/20を用い、20℃50%RHおよび2
0℃80%RHの条件で測定した。 ・透湿度 :基材フィルムに50μmのLLDPEを
ドライラミネートし、内容物として塩化カルシウムを入
れ、ヒートシールにより、表面積が0.01mになる
ように袋を作成する。これを40℃90%RHに数日放
置し、その吸湿量を測定した。 ・テープ剥離:作成した積層体の塗布層表面に、セロハ
ンテープ(ニチバン セロテープ)を貼り付け、セロハ
ンテープを剥がすことにより、塗布層が剥離する様子を
評価した。 ○:剥がれない △:やや剥がれる ×:剥がれる ・膜の溶解性:60℃、及び70℃の温水にコートした
フィルムを浸し15分間撹拌したときのコート膜の減少
量を測定した。 ・融点測定 :示差走査熱量計(セイコーインスツルメ
ンツ DSC220)でコート膜の融点を測定した。 ・水の接触角:全自動接触角計(協和界面化学社 CA
−W型)を用いてフィルムの表面の接触角を測定した。
【0042】実施例1 メルトフローレート2.0g/10分のポリプロピレン
を押出し機内で溶融し、Tダイよりシート状に押出し、
未延伸のシートを得た。この未延伸シートを周速の異な
る加熱ロール群からなる縦延伸機で5倍に延伸し、つづ
いてこの縦延伸シートの片面に、コロナ放電処理を施し
た。次に重合度500でエチレン含有量が8.5mol
%、ケン化度95%以上のポリビニルアルコール系重合
体の水溶液をウエット膜で20μmの厚さに塗布した
後、延伸ゾーンの設定温度を165℃としたテンター横
延伸機に連続的に導入し延伸倍率10倍で横延伸し、積
層フィルムを得た。各物性値の測定結果を表1に示す。
【0043】実施例2 重合度1000でエチレン含有量が8.6mol%、ケ
ン化度が95%以上のポリビニルアルコール系重合体を
用いる以外は、実施例1と同様にして、積層フィルムを
得た。各物性値の測定結果を表1に示す。尚、コーティ
ングしたポリビニルアルコール系重合体を剥がしてDS
Cで融点を測定した(昇温速度10℃/分)結果、21
8℃であった。
【0044】実施例3 重合度1700でエチレン含有量が6.0mol%、ケ
ン化度が95%以上の可溶なポリビニルアルコール系重
合体を用いる以外は、実施例1と同様にして、積層フィ
ルムを得た。各物性値の測定結果を表1に示す。
【0045】実施例4 実施例1で用いたと同様のポリプロピレン樹脂を押出し
機内で溶融し、Tダイよりシート状に押出し、未延伸の
シートを得た。この未延伸シートを周速の異なる加熱ロ
ール群からなる縦延伸機で5倍に延伸し、つづいてこの
縦延伸シートの片面に、コロナ放電処理を施した。次に
接着性樹脂層としてアイオノマー樹脂の水分散液(三井
化学 ケミパールS100)をウェット膜で5μmの厚
さに塗布し、温風で乾燥した後、さらに重合度1000
でエチレン含有量が8.6mol%、ケン化度が95%
以上のポリビニルアルコール系重合体の水溶液をウエッ
ト膜で20μmの厚さに塗布した後、テンター横延伸機
(設定温度165℃)に連続的に導入し延伸倍率10倍
で横延伸し、積層フィルムを得た。各物性値の測定結果
を表1に示す。
【0046】実施例5 接着性樹脂層としてアイオノマー樹脂の水分散液(三井
化学 S100)とポリビニルアルコール系重合体(重
合度1000でエチレン含有量が8.6mol%、ケン
化度95%以上のポリビニルアルコール系重合体)の水
溶液とを固形分の混合比が50:50になるよう混合し
た混合液を用いる以外は、実施例4と同様にして、積層
フィルムを得た。各物性値の測定結果を表1に示す。
【0047】実施例6 実施例1で用いたと同様のポリプロピレン樹脂と接着性
樹脂層として、無水マレイン酸でグラフト変性した変性
ポリプロピレン(三井化学 アドマーQF551)を別
々の押出し機で溶融したものを一台のダイ内で層状に重
ねて押出し、未延伸二層シートを得た。この未延伸シー
トを周速の異なる加熱ロール群からなる縦延伸機で5倍
に延伸し、つづいて、この縦延伸シートの変性ポリオレ
フィン面に、コロナ放電処理を施した。次に重合度10
00でエチレン含有量が8.6mol%、ケン化度95
%以上のポリビニルアルコール系重合体の水溶液をウエ
ット膜で20μmの厚さに塗布した後、テンター横延伸
機(設定温度165℃)に連続的に導入し延伸倍率10
倍で横延伸し、積層フィルムを得た。各物性値の測定結
果を表1に示す。尚、積層されたポリビニルアルコール
系重合体を60℃及び70℃の水で15分間処理したと
ころその減少率は0%、即ち、全く当該条件では温水に
溶けず、80℃の水で11%の減少率を示した。
【0048】実施例7 実施例1で用いたと同様のポリプロピレン樹脂Aと石油
樹脂(軟化点135℃)をブレンドした結晶性ポリプロ
ピレン樹脂(II値:98.6%)Bと接着性樹脂層と
して、無水マレイン酸でグラフト変性した変性ポリプロ
ピレン(三井化学 アドマーQF500)Cを別々の押
出し機で溶融したものを一台のダイ内で層状(A/B/
Cの順)に重ねて押出し、未延伸三層シートを得た。こ
の未延伸シートを周速の異なる加熱ロール群からなる縦
延伸機で5倍に延伸し、つづいて、この縦延伸シートの
C面に、コロナ放電処理を施した。次に重合度1000
でエチレン含有量が8.6mol%、ケン化度95%以
上のポリビニルアルコール系重合体の水溶液をウエット
膜で20μmの厚さに塗布した後、テンター横延伸機
(設定温度165℃)に連続的に導入し延伸倍率10倍
で横延伸し、積層フィルムを得た。各物性値の測定結果
を表1に示す。
【0049】実施例8 実施例4で得た、積層フィルムのポリビニルアルコール
系重合体の上に、PVD法により酸化アルミニウムの無
機質層を150Å設け、積層フィルムを得た。さらに積
層フィルムの無機質層上に、密度0.920g/cm
のLLDPEをドライラミネートすることによりヒート
シール層を有する積層フィルムを得た。各物性値の測定
結果を表1に示す。
【0050】実施例9 実施例6で得た、積層フィルムのポリビニルアルコール
系重合体の上に、PVD法により酸化アルミニウムの無
機質層を150Å設け、積層フィルムを得た。さらに積
層フィルムの無機質層上に、密度0.920g/cm
のLLDPEをドライラミネートすることによりヒート
シール層を有する積層フィルムを得た。尚、ポリビニル
アルコール系重合体層の水との接触角は56.6度であ
った。各物性値の測定結果を表1に示す。
【0051】実施例10 実施例6で得た、積層フィルムのポリビニルアルコール
系重合体の上にコロナ放電処理をかけ、さらにPVD法
により酸化アルミニウムの無機質層を150Å設け、積
層フィルムを得た。そのフィルムに積層フィルムの無機
質層上に、密度0.920g/cmのLLDPEをド
ライラミネートすることによりヒートシール層を有する
積層フィルムを得た。尚、コロナ放電処理したポリビニ
ルアルコール系重合体層の水との接触角は33.7度で
あった。又、無機質層の表面に70℃の温水をたらした
が、無機質層の浮上り等の変化は全くなかった。各物性
値の測定結果を表1に示す。
【0052】実施例11 実施例6で得た、積層フィルムのポリビニルアルコール
系重合体の上にプラズマ放電処理(10−3torr台
の真空下、酸素ガス量100cc/min、電流値0.
1A)をかけ、さらにPVD法により酸化アルミニウム
の無機質層を150Å設け、積層フィルムを得た。その
フィルムに積層フィルムの無機質層上に、密度0.92
0g/cmのLLDPEをドライラミネートすること
によりヒートシール層を有する積層フィルムを得た。
尚、プラズマ放電処理したポリビニルアルコール系重合
体層の水との接触角は35.6度であった。各物性値の
測定結果を表1に示す。
【0053】比較例1 片面にコロナ処理を施した、25μmのOPPフィルム
のコロナ処理面に、ポリビニルアルコール重合体(クラ
レ PVA105)を、1.8μmになるように塗布
し、積層フィルムを得た。各物性値の測定結果を表1に
示す。
【0054】比較例2 片面にコロナ処理を施した、25μmのOPPフィルム
のコロナ面処理に、重合度500でエチレン含有量が
8.5mol%、ケン化度95%以上の延伸可能で水に
可溶なポリビニルアルコール系重合体を、1.8μmに
なるように塗布し、積層フィルムを得た。各物性値の測
定結果を表1に示す。
【0055】比較例3 実施例1で用いたと同様のポリプロピレン樹脂を押出し
機内で溶融し、Tダイより、シート状に押出し、未延伸
のシートを得た。この未延伸シートを周速の異なる加熱
ロール群からなる縦延伸機で5倍に延伸し、つづいて、
この縦延伸シートの片面に、コロナ放電処理を施し、次
にポリビニルアルコール重合体(クラレPVA105)
の水溶液をウエット膜で20μmの厚さに塗布した後、
テンターに導入し10倍延伸し、積層フィルムを得た。
各物性値の測定結果を表1に示す。
【0056】比較例4 12μmの延伸PETフィルムのコロナ処理面に不揮発
分比で水性イソシアネートと重合度1000でエチレン
含有量が8.6mol%、ケン化度95%以上のポリビ
ニルアルコール系重合体とが5:95で混合された液を
不揮発分が1.5g/mになるよう塗布した。各物性
値の測定結果を表1に示す。尚、ポリビニルアルコール
系重合体コート膜のDSCによる融点は210℃、60
℃の水で15分間処理した後の減少率は100%、即
ち、当該条件ではポリビニルアルコール系重合体コート
膜は完全に温水に溶けることが分かった。
【0057】比較例5 12μmの延伸PETフィルムのコロナ処理面に不揮発
分比で水性イソシアネートと重合度1000でエチレン
含有量が8.6mol%、ケン化度95%以上のポリビ
ニルアルコール系重合体とが5:95で混合された液を
不揮発分が1.5g/m2になるよう塗布し、さらに1
80℃、3分熱処理を行った。各物性値の測定結果を表
1に示す。尚、ポリビニルアルコール系重合体コート膜
のDSCによる融点は210℃、60℃の水で15分間
処理した後の減少率は90%、即ち、当該条件ではポリ
ビニルアルコール系重合体コート膜はその90%が温水
に溶けることが分かった。
【0058】比較例6 片面にコロナ処理を施した、25μmのOPPフィルム
のコロナ処理面に、PVD法により酸化アルミニウムの
無機質層を150Å設け、積層フィルムを得た。さらに
積層フィルムの無機質層上に、密度0.920g/cm
のLLDPEをドライラミネートすることによりヒー
トシール層を有する積層フィルムを得た。各物性値の測
定結果を表1に示す。
【0059】比較例7 片面にコロナ処理を施した、25μmのOPPフィルム
のコロナ処理面に、接着性樹脂としてポリウレタン系接
着剤層を設けた後、重合度1000でエチレン含有量が
8.6mol%、ケン化度95%以上の延伸可能で水に
可溶なポリビニルアルコール系重合体を、1.8μmに
なるように塗布した積層フィルムを得、その上にPVD
法により酸化アルミニウムの無機質層を150Å設け、
さらに積層フィルムの無機質層上に、密度0.920g
/cm3 のLLDPEをドライラミネートすることによ
りヒートシール層を有する積層フィルムを得た。かかる
無機質層上に常温の水をたらしたところ、無機質層が浮
上り流れて剥離した。
【0060】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08J 7/00 302 C08J 7/00 302 // B29K 29:00 B29K 29:00 101:12 101:12 B29L 9:00 B29L 9:00 C08L 29:04 C08L 29:04 S

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱可塑性樹脂(A)からなる少なくとも一
    方向に延伸された基材層の少なくとも片面に、60℃の
    水で15分間処理した場合の減少率が30%以下である
    オレフィン含有量が1〜25モル%のポリビニルアルコ
    ール系重合体層(C)を有することを特徴とする積層
    体。
  2. 【請求項2】ポリビニルアルコール系重合体が、重合度
    が100〜3000、ケン化度が90%以上のポリビニ
    ルアルコール系重合体である請求項1記載の積層体。
  3. 【請求項3】基材層が、透湿度5g/m未満の二軸延
    伸フィルムであり、ポリビニルアルコール系重合体層
    (C)が少なくとも一方向に延伸されている請求項1若
    しくは2に記載の積層体。
  4. 【請求項4】基材層とポリビニルアルコール系重合体層
    (C)との間に接着性樹脂(B)層を設けてなる請求項
    1ないし3のいずれかに記載の積層体。
  5. 【請求項5】接着性樹脂(B)層がアイオノマー樹脂で
    形成されている請求項4記載の積層体。
  6. 【請求項6】接着性樹脂(B)層が一部もしくは全部が
    不飽和カルボン酸もしくはその誘導体でグラフト変性し
    た変性ポリオレフィンから形成されたものである請求項
    4記載の積層体。
  7. 【請求項7】ポリビニルアルコール系重合体層(C)上
    に、無機化合物からなる薄膜(D)を設けてなる請求項
    1ないし6のいずれかに記載の積層体。
  8. 【請求項8】ポリビニルアルコール系重合体層(C)の
    無機化合物からなる薄膜(D)が積層された面がコロナ
    処理若しくはプラズマ放電処理されている請求項7記載
    の積層体。
  9. 【請求項9】熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも片面
    に、オレフィン含有量が1〜25モル%のポリビニルア
    ルコール系重合体の水溶液を塗布した後、少なくとも一
    方向に延伸することを特徴とする積層体の製造方法。
  10. 【請求項10】縦延伸した熱可塑性樹脂フィルムの少な
    くとも片面に、オレフィン含有量が1〜25モル%のポ
    リビニルアルコール系重合体の水溶液を塗布した後、横
    方向に延伸することを特徴とする積層体の製造方法。
  11. 【請求項11】熱可塑性樹脂フィルムのポリビニルアル
    コール系重合体を積層する面に接着性樹脂が積層されて
    いる請求項9もしくは10のいずれかに記載の積層体の
    製造方法。
  12. 【請求項12】請求項10もしくは11において、横方
    向に延伸後ポリビニルアルコール系重合体層上に無機化
    合物からなる薄膜を形成することを特徴とする積層体の
    製造方法。
  13. 【請求項13】ポリビニルアルコール系重合体層表面を
    コロナ処理若しくはプラズマ放電処理した後、真空プロ
    セスにより無機化合物からなる薄膜を形成することを特
    徴とする請求項12記載の積層体の製造方法。
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