JP2740671B2 - 積層物およびその製造法 - Google Patents

積層物およびその製造法

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JP2740671B2 JP1059147A JP5914789A JP2740671B2 JP 2740671 B2 JP2740671 B2 JP 2740671B2 JP 1059147 A JP1059147 A JP 1059147A JP 5914789 A JP5914789 A JP 5914789A JP 2740671 B2 JP2740671 B2 JP 2740671B2
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【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明はエチレン−ビニルアルコール共重合体を含む
積層物およびその製造法に係わり、特に食品等の包装材
料に適した積層物およびその製造法に関するものであ
る。
<従来の技術> エチレン−ビニルアルコール共重合体は酸素バリアー
性に優れるため食品等の包装材料として広く使用されて
いるが、防湿性、ヒートシール性等の特性が劣るため、
通常、他の樹脂との積層物として利用されている。該積
層物は共押出成形、ドライラミネート成形、押出コーテ
ィング成形等によって製造されるが、上記共重合体は接
着性が乏しいため、隣接層には特殊な接着性樹脂を使用
することが多い。該接着性樹脂としては無水マレイン酸
をグラフトしたポリオレフィン系樹脂がしばしば使用さ
れていた。該グラフト体は上記共重合体との接着性は優
れているが、衛生性、経済性等の点で問題があり、また
層間接着層として使用する場合、他層との接着性の観点
から、使用可能な用途が限定されるという欠点も有して
いた。
一方、エチレンと酸無水物との共重合体が存在する
が、充分な接着性を発現させるには酸無水物をかなりの
量導入する必要があり、必然的に重合体の分子量が低下
してしまう。このため成形性が大幅に低下し実用可能な
積層物を得ることは困難であった。
<発明が解決しようとする課題> エチレン−ビニルアルコール共重合体を一層として含
む積層物において、接着性、衛生性、成形性、経済性等
すべてを備え合わせた該積層物は今までになく、従って
該積層物の効率的な製造法も確立していない。それを解
決するのが本発明の目的である。
<課題を解決するための手段> 本発明者らは、エチレン−ビニルアルコール共重合体
を少なくとも一層として含む積層物において、少なくと
もエチレン成分とラジカル重合性酸無水物成分とを含む
ランダム共重合体と、(1)一分子内に水酸基を2以上
含む化合物、(2)一分子内にエポキシ基を2以上含む
化合物、(3)エチレンと不飽和カルボン酸もしくはそ
の誘導体との共重合体を部分的にイオン架橋してなる共
重合体、(4)周期表のI族またはII族の金属の塩の群
から選ばれる化合物との混合物を接着層として利用する
ことにより、目的とする積層物が効率的に製造できるこ
とを見出した。
本発明に係わるエチレン−ビニルアルコール共重合体
とは、エチレン−酢酸ビニル共重合体をケン化して得ら
れるもので、エチレン含量20〜70mol%、ビニルアルコ
ール含量30〜80mol%のものを意味する。エチレン含量
が20mol%未満では押出成形性が劣り、70mol%を越える
と該共重合体の特徴である酸素バリア性が不十分となり
実用的でない。ビニルアルコール含量が30mol%未満で
は酸素バリア性が不十分であり、80mol%を越えると押
出成形が困難となる。該共重合体のMFR(JIS K-7210 23
0℃)は、0.5〜50g/10分であり、好ましくは3〜20g/10
分である。0.5g/10分未満では溶融流れ性が不足し、通
常の速度での成形ができない。50g/10分を越えると溶融
張力の低下により成形性が悪化する。
本発明において接着層の主成分として利用するのは、
少なくともエチレン成分とラジカル重合性酸無水物成分
とを含むランダム共重合体であり、必要に応じては他の
ラジカル重合性コモノマー(第3コモノマー)成分を含
む多元共重合体であってもよい。
本ランダム共重合体の製法については通常よく知られ
ているところの高圧法低密度ポリエチレンの製造法がそ
のまま利用できる。すなわち有機過酸化物等のラジカル
発生剤のもとで、エチレンとラジカル重合性酸無水物お
よび第3コモノマーとを100〜300℃、1000〜3500気圧の
条件で重合し共重合体を得る。
本ランダム共重合体中のエチレン成分の含量は55mol
%以上99.9mol%未満が好ましい。55mol%未満では成形
性が極端に悪化するため良好な積層物が得られず、99.9
mol%以上では接着力が小さく接着層として使用するこ
とができない。
本ランダム共重合体に使用されるラジカル重合性酸無
水物の例としては、無水マレイン酸、無水イタコン酸、
無水シトラコン酸、無水エンディック酸,1-ブテン‐3,4
-ジカルボン酸無水物等を挙げることができる。これら
は2種類以上併用してもさしつかえない。このうち無水
マレイン酸、無水イタコン酸が特に好ましい。
本ランダム共重合体中の上記ラジカル重合性酸無水物
成分の含量は0.1〜5mol%の範囲にあることが好まし
く、特に好ましいのは0.3〜2mol%である。該酸無水物
が0.1mol%未満では層間接着力が不十分であり、5mol%
を越えたものは商業的に生産することが非常に困難であ
る。もし生産が可能であっても実用上意味がなく、経済
性や成形性の低下を招くだけである。
前記ラジカル重合性酸無水物と併用することができる
第3コモノマーとしては、エステル系化合物、アミド系
化合物、酸化合物、エーテル系化合物、炭化水素系化合
物等をあげることができる。これらを具体的に記せば、
エステル系化合物としては酢酸ビニル、アクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル
酸ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチル、
アクリル酸ラウリル、アクリル酸ベンジル、メタクリル
酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピ
ル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタ
クリル酸オクチル、メタクリル酸ラウリル、フマル酸メ
チル、フマル酸エチル、フマル酸プロピル、フマル酸ブ
チル、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、フマル酸
ジプロピル、フマル酸ジブチル、マレイン酸メチル、マ
レインエチル、マレイン酸プロピル、マレイン酸ブチ
ル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイ
ン酸ジプロピル、マレイン酸ジブチル等を例示すること
ができる。アミド系化合物としてはアクリルアミド、メ
タクリルアミド、N-メチルアクリルアミド、N-エチルア
クリルアミド、N-プロピルアクリルアミド、N-ブチルア
クリルアミド、N-ヘキシルアクリルアミド、N-オクチル
アクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド、N,N-ジ
エチルアクリルアミド、N,N-ジメチルメタクリルアミ
ド、N,N-ジエチルメタクリルアミド等を例示することが
できる。酸化合物としてはアクリル酸、メタクリル酸、
マレイン酸、フマル酸等を例示することができる。エー
テル化合物としてはメチルビニルエーテル、エチルビニ
ルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエ
ーテル、オクタデシルビニルエーテル、フェニルビニル
エーテル等を例示することができる。炭化水素化合物と
してはスチレン、ノルボルネン、ブタジエン、アクリロ
ニトリル、メタクリロニトリル、アクロレイン、クロト
ンアルデヒド、トリメトキシビニルシラン、塩化ビニ
ル、塩化ビニリデン等をあげることができる。このうち
特に好ましい化合物としては、アクリル酸エステル類、
メタクリル酸エステル類、マレイン酸エステル類、フマ
ル酸エステル類、アクリル酸、メタクリル酸を挙げるこ
とができる。必要に応じこれらのコモノマーを2種類以
上併用しても差し支えない。
上記第3コモノマーを併用する場合、本ランダム共重
合体中の該第3コモノマー成分の含量は多くとも40mol
%未満であることが好ましい。40mol%以上になると成
形性が大幅に低下し、本発明の目的に合致する積層物が
得られない。
本ランダム共重合体のMFR(JIS K-7210 190℃)は0.1
〜50g/10分の範囲である。この範囲外では積層物を製造
する際の成形性が大幅に低下するとともに、特定の物質
と混合する際の相容性が不足し、好ましい積層物を製造
することができない。また本ランダム共重合体におい
て、未反応モノマーは重合体から完全に分離され実質上
含まれないことが必須である。未反応モノマーが存在す
ると衛生上問題があるうえに、接着性低下を引き起こす
ので物性的にも問題である。
本発明において前記ランダム共重合体に混合するの
は、(1)一分子内に水酸基を2以上含む化合物、
(2)一分子内にエポキシ基を2以上含む化合物、
(3)エチレンと不飽和カルボン酸もしくはその誘導体
との共重合体を部分的にイオン架橋してなる共重合体、
(4)周期表のI族またはII族の金属の塩の群から選ば
れる化合物であり、必要に応じてこれらを2種類以上混
合して用いてもよい。
一分子内に水酸基を2以上含む化合物とは、低分子で
も高分子でもよいが、ここでいう水酸基とは、アルコー
ル性水酸基を意味しフェノール性水酸基は含まない。具
体的には、低分子化合物としてはジオール、トリオール
等の多価アルコール類等、高分子化合物としては不飽和
アルコール類や、不飽和カルボン酸とジオールとの不飽
和エステル類の単独重合体および共重合体等が挙げられ
る。さらに具体的には、エチレングリコール、プロピレ
ングリコール、1,4-ブタンジオール、ジエチレングリコ
ール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコ
ール、ポリエチレングリコール、グリセリン、エチレン
‐酢酸ビニル共重合体ケン化物、エチレン‐アクリル酸
ヒドロキシエチル共重合体、エチレン‐メタクリル酸ヒ
ドロキシエチル共重合体、ポリアリルアルコール、エチ
レン‐アリルアルコール共重合体等を挙げることができ
る。この中でも好ましいのは高分子系の化合物であり、
エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物が特に好まし
い。該ケン化物の好ましい組成は、重合体中のエチレン
含量が60〜95mol%、ビニルアルコール含量が5〜25mol
%、残存酢酸ビニル含量が15mol%以下である。エチレ
ン含量が60mol%未満では積層物の外観、腐食や臭いが
問題となり、95mol%を越えると多量の添加剤が必要と
されるので好ましくない。ビニルアルコール含量が5mol
%未満では目的とする効果を得るために多量の添加物が
必要となり好ましくなく、25mol%を越えると成形時に
ゲル化を起こし積層物の外観が悪化する。酢酸ビニル含
量が15mol%を越えると成形時に発生する酢酸により腐
食や臭いの問題が起こる。また、該ケン化物の好ましい
MFRの範囲は0.5〜100g/10分である。MFRがこの範囲外で
は前記ランダム共重合体との混合が悪くなる。
一分子内にエポキシ基を2以上含む化合物としては、
一般にエポキシ樹脂として知られる化合物や、重合性官
能基を有するエポキシ化合物を利用した重合体等が利用
できる。このうち後者の方が混合性の観点から好まし
い。具体的には、グリシジル(メタ)アクリレート、ビ
ニルエポキシシクロヘキサン、スチリルグリシジルエー
テル、ビニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエ
ーテル等と、エチレン、プロピレン、ブテン等のα−オ
レフィン、ブタジエン、イソプレン等のジエン化合物、
スチレン、酢酸ビニル、エチルビニルエーテル等のビニ
ル化合物および種々の(メタ)アクリレート等のモノマ
ーとの共重合体を使用することができる。このうちエチ
レンとグリシジル(メタ)アクリレートとの共重合体が
特に好ましい。該共重合体の好ましい組成は、共重合体
中のエチレン含量が85〜99mol%、グリシジル(メタ)
アクリレート含量が1〜15mol%である。エチレン含量
が85mol%未満では腐食や臭い等の問題が起こり、99mol
%を越えると目的とする効果を得るために多量の添加剤
が必要となり好ましくない。グリシジル(メタ)アクリ
レート含量が1mol%未満では多量の添加剤が必要とな
り、15mol%を越えると腐食や臭い等の点で好ましくな
い。また、該共重合体の好ましいMFRは0.5〜100g/10分
である。MFRがこの範囲外では該ランダム共重合体との
混合が悪くなる。
エチレンと不飽和カルボン酸もしくはその誘導体との
共重合体を部分的にイオン架橋してなる共重合体とは、
一般にアイオノマー樹脂といわれるものである。エチレ
ンと共重合する不飽和カルボン酸もしくはその誘導体の
例としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、
フマル酸、マレイン酸モノメチル、フマル酸モノメチ
ル、マレイン酸モノエチル、フマル酸モノエチル、マレ
イン酸モノブチル、フマル酸モノブチル等を挙げること
ができる。イオン架橋に利用する金属の例としては、N
a、K、Ca、Mg、Zn、Al等を挙げることができる。特に
エチレンとアクリル酸またはメタクリル酸との共重合体
をMg、ZnまたはNaを用いてイオン架橋してなる共重合体
が好ましい。該共重合体中のカルボン酸のイオン化率は
10%以上が好ましく、10%未満では該共重合体の添加率
が多量となるため、積層物の接着性が不足する。
周期表のI族またはII族の金属の塩としては、塩化ナ
トリウム、塩化カルシウム、炭酸ナトリウム等の無機酸
の塩および有機酸の塩を挙げることができる。このうち
ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カルシウム、ス
テアリン酸亜鉛、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸
亜鉛、安息香酸ナトリウム等の有機酸の塩が好ましい。
少なくともエチレン成分とラジカル重合性酸無水物成
分とを含むランダム共重合体と、前記特定の化合物との
混合割合は、以下に規定する範囲が好ましい。すなわ
ち、混合物中に占める該ランダム共重合体の割合は60重
量%を越えることが好ましい。60重量%以下では接着性
が不足して良好な積層物を得ることができない。さらに
該ランダム共重合体中の酸無水物基の数に対する水酸
基、エポキシ基、イオンまたは金属原子の数の比率が0.
01〜0.5、好ましくは0.1〜0.3の範囲である。この比率
が0.01未満の場合、成形性の改良が充分でなく、効率的
な積層物の製造が不可能である。この比率が0.5を越え
ると有効な酸無水物基の数が減少するため接着性が低下
するとともに、ゲルが発生し積層物の外観が悪化する。
本発明において、少なくともエチレン成分とラジカル
重合性酸無水物成分とを含むランダム共重合体に添加す
る特定の化合物は、該ランダム共重合体中の酸無水物部
分と反応あるいは強い相互作用をする事により、該共重
合体の溶融張力を上げる働きをしている。このため該ラ
ンダム共重合体と特定の化合物との混合物は成形性、接
着性ともに優れており、エチレン−ビニルアルコール共
重合体と良好な積層物を製造することができる。
該ランダム共合体と前記特定の化合物との混合に際し
ては、従来より熱可塑性樹脂混合物の製造に用いられて
いる各種の装置が利用可能である。すなわち、押出機、
ロール、バンバリーミキサー、ニーダー等である。また
場合によってはこれらの装置を使用せずにドライブレン
ドした後、直接成形機にかけても差し支えない。
エチレン−ビニルアルコール共重合体を少なくとも一
層として含む積層物とは、厚みが30μm〜5mmの積層物
である。本発明に係わる少なくともエチレン成分とラジ
カル重合性酸無水物成分とを含むランダム共重合体と特
定の化合物との混合物は、エチレン−ビニルアルコール
共重合体層に隣接した層に用いられる。ただしこの混合
物層は必ずしも中間層である必要はなく、場合によって
は最外層として利用することもできる。該積層物の形状
には特に制限はなく、フィルム、シート、バッグ、ボト
ル等必要に応じ任意の形で使用できる。
該積層物は通常最外層としてポリオレフィン系樹脂、
ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂等を使用する
が、本発明に係わる少なくともエチレン成分とラジカル
重合性酸無水物成分とを含むランダム共重合体と特定の
化合物との混合物は、これらいずれの樹脂にも高い接着
性を示すので非常に広範囲に使用可能である。
該積層物の製造に当たっては、共押出成形、ドライラ
ミネート成形、ヒートラミネート成形、押出コーティン
グ成形等種々の成形方法が利用可能であるが、本発明の
特徴を生かし特に良好な積層物を得るためには共押出成
形法を利用するのが望ましい。
<実施例> 実施例1 両外層にポリプロピレン層、中間にエチレン−ビニル
アルコール共重合体(エチレン32mol%、ビニルアルコ
ール68mol%、MFR 4g/10分)層、両層間に接着性共重合
体混合物の構造を持つ3種5層の積層物を共押出成形に
より製造した。
接着性共重合体混合物としては、エチレン−アクリル
酸メチル−無水マレイン酸三元共重合体(エチレン95.5
mol%、アクリル酸メチル3.5mol%、無水マレイン酸1.0
mol%、MFR11g/10分)にエチレン−メタクリル酸グリシ
ジル共重合体(エチレン96.2mol、メタクリル酸グリシ
ジル3.8mol%、MFR 2.5g/10分)を3重量%添加した混
合物を使用した。該共重合体は4lのオートクレーブ型反
応器を有する高圧法ポリエチレン製造設備を使用して得
た。混合は50φ押出機を使用した。
成形は65φ押出機3台、1300mm幅のTダイスを有する
共押出多層フィルム成形機を使用し、樹脂温度230℃、
引取速度30m/分で、トータル厚み50μm、接着層厚み5
μmの積層物を製造した。
成形は特に問題なく実施できた。得られた積層体は外
観、透明性が良好で、40℃2日間エージング後にポリプ
ロピレン層とエンレン−ビニルアルコール共重合体層と
の90度剥離強度を測定すると(剥離速度300mm/分)、実
用上全く問題のない580g/15mmの剥離強度を有してい
た。35℃乾燥条件における酸素透過性も0.5cc・20μm/m
2・24Hr・atmと低く、包装材料に適当な積層物であっ
た。
実施例2 外層から順にポリスチレン(HIグレードMFR2.0g/10
分)、接着性共重合体混合物、エチレン−ビニルアルコ
ール共重合体、接着性共重合体混合物、直鎖状低密度ポ
リエチレン(MFR2.2g/10分、密度0.922)と通常の低密
度ポリエチレン(MFR 6.8g/10分、密度0.917)との混合
物である5層積層物を製造した。成形にあたっては、ま
ず外層から3層を実施例1で示した成形法で共押出成形
した後、該積層物を基材として他の2層を共押出コーテ
ィングし、トータル厚み300μmのシートを得た。使用
した接着性共重合体混合物およびエチレン−ビニルアル
コール共重合体は実施例1と同じである。
成形性は特に問題なく、層間の剥離強度は外層側で40
0g/15mm、内層側で720g/15mmであり実用上問題ない強度
を有していた。本シートはヒートシール性および熱圧着
性に優れ、実施例1の積層物と同等な酸素透過性を有し
ており、特に食品包装材に適している。
実施例3〜7 実施例1において用いた接着性共重合体混合物の代わ
りに、表1に示すランダム共重合体と添加物との混合物
を用いた以外は、実施例1と同様な方法で積層物を製造
した。表1に示す様にいずれも成形性、フィルム外観に
問題なく、層間接着力も実用上十分なものであった。
比較例1 実施例1の条件において、エチレン−メタクリル酸グ
リシジル共重合体を混合せずに積層物を製造した。この
場合成形時に溶融膜が安定せず、フィルムの厚みムラが
著しかった。層間接着力にもムラがあり、積層物として
利用するのは困難であった。
比較例2 接着性共重合体として、ポリプロピレンに無水マレイ
ン酸をグラフトした変性ポリプロピレン(MFR 5.5g/10
分、無水マレイン酸0.28重量%)を使用し、実施例1と
同様の条件で積層物を製造した。変性ポリプロピレンは
ポリプロピレンの粉末に無水マレイン酸1.8重量%と過
酸化ベンゾイル1.2重量%をヘンシェルミキサーで分
散、混合した後、押出機でグラフト反応を実施するとと
もにペレット化した。
成形は特に問題なかったが、未グラフトの無水マレイ
ン酸によると思われるゲル、フィッシュアイが目立ち、
接着力も270g/15mmと弱く、積層物として実用性能が劣
っていた。
<発明の効果> 本発明の少なくともエチレン成分とラジカル重合性酸
無水物成分とを含むランダム共重合体と特定の化合物と
の混合物は、成形性、接着性、衛生性等に優れており、
該共重合体混合物を接着層として用いることにより、エ
チレン−ビニルアルコール共重合体を少なくとも一層と
して含む積層物を効率的に製造することができる。本積
層物は広範囲に使用することが可能であり、特に食品等
の包装材料に適した積層物である。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−259849(JP,A) 実開 昭62−108210(JP,U) 特公 昭61−29873(JP,B2)

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エチレン−ビニルアルコール共重合体を少
    なくとも一層として含む積層物において、少なくともエ
    チレン成分とラジカル重合性酸無水物成分とを含むラン
    ダム共重合体と、一分子内に水酸基を2以上含む化合物
    との混合物を接着層として利用することを特徴とする積
    層物。
  2. 【請求項2】エチレン−ビニルアルコール共重合体を少
    なくとも一層として含む積層物において、少なくともエ
    チレン成分とラジカル重合性酸無水物成分とを含むラン
    ダム共重合体と、一分子内に水酸基を2以上含む化合物
    との混合物を接着層として利用することを特徴とする積
    層物の製造法。
  3. 【請求項3】エチレン−ビニルアルコール共重合体を少
    なくとも一層として含む積層物において、少なくともエ
    チレン成分とラジカル重合性酸無水物成分とを含むラン
    ダム共重合体と、一分子内にエポキシ基を2以上含む化
    合物との混合物を接着層として利用することを特徴とす
    る積層物。
  4. 【請求項4】エチレン−ビニルアルコール共重合体を少
    なくとも一層として含む積層物において、少なくともエ
    チレン成分とラジカル重合性酸無水物成分とを含むラン
    ダム共重合体と、一分子内にエポキシ基を2以上含む化
    合物との混合物を接着層として利用することを特徴とす
    る積層物の製造法。
  5. 【請求項5】エチレン−ビニルアルコール共重合体を少
    なくとも一層として含む積層物において、少なくともエ
    チレン成分とラジカル重合性酸無水物成分とを含むラン
    ダム共重合体と、エチレンと不飽和カルボン酸もしくは
    その誘導体との共重合体を部分的にイオン架橋してなる
    共重合体との混合物を接着層として利用することを特徴
    とする積層物。
  6. 【請求項6】エチレン−ビニルアルコール共重合体を少
    なくとも一層として含む積層物において、少なくともエ
    チレン成分とラジカル重合性酸無水物成分とを含むラン
    ダム共重合体と、エチレンと不飽和カルボン酸もしくは
    その誘導体との共重合体を部分的にイオン架橋してなる
    共重合体との混合物を接着層として利用することを特徴
    とする積層物の製造法。
  7. 【請求項7】エチレン−ビニルアルコール共重合体を少
    なくとも一層として含む積層物において、少なくともエ
    チレン成分とラジカル重合性酸無水物成分とを含むラン
    ダム共重合体と、周期表のI族またはII族の金属の塩と
    の混合物を接着層として利用することを特徴とする積層
    物。
  8. 【請求項8】エチレン−ビニルアコール共重合体を少な
    くとも一層として含む積層物において、少なくともエチ
    レン成分とラジカル重合性酸無水物成分とを含むランダ
    ム共重合体と、周期表のI族またはII族の金属の塩との
    混合物を接着層として利用することを特徴とする積層物
    の製造法。
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