JP2001131532A - 易剥離性を有するシーラント組成物及び易開封性容器 - Google Patents

易剥離性を有するシーラント組成物及び易開封性容器

Info

Publication number
JP2001131532A
JP2001131532A JP31483999A JP31483999A JP2001131532A JP 2001131532 A JP2001131532 A JP 2001131532A JP 31483999 A JP31483999 A JP 31483999A JP 31483999 A JP31483999 A JP 31483999A JP 2001131532 A JP2001131532 A JP 2001131532A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
carboxylic acid
component
heat
olefin polymer
anhydride
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP31483999A
Other languages
English (en)
Inventor
Yuichi Shimizu
雄一 清水
Satoru Sugimoto
覚 杉本
Hiroyuki Nakayama
弘之 中山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP31483999A priority Critical patent/JP2001131532A/ja
Publication of JP2001131532A publication Critical patent/JP2001131532A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Packages (AREA)
  • Wrappers (AREA)
  • Sealing Material Composition (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ヒートシールに際しては適切な強度のシール
が得られ、接合した後に開封(剥離)する際、容易に開
封(剥離)可能で、且つ、低温ヒートシール性とヒート
シール部の耐熱性が良好であるシーラント組成物を提供
する。 【解決手段】下記の(A)及び(B)成分からなり且つ
条件(C)を満たす組成物からなることを特徴とする易
剥離性を有するシーラント組成物。 (A)不飽和カルボン酸無水物と不飽和カルボン酸エス
テルとによって変性された変性オレフィン系重合体であ
って、1分子当たりのカルボン酸無水物基の平均結合数
が1個以上で、かつ、該変性オレフィン系重合体中のカ
ルボン酸無水物基数に対するカルボン酸エステル基数の
比が0.5〜20である変性オレフィン系重合体 (B)1分子当たりの水酸基の平均結合数が1個以上の
水酸基含有重合体 (C)(A)成分のカルボン酸無水物基数に対する
(B)成分の水酸基数の比が0.1〜5

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、易剥離性を有する
シーラント組成物及びその組成物をシーラントとして用
いた易開封性容器に関する。詳しくは、十分なヒートシ
ール強度を有し、開封時には手で容易に開封可能なヒー
トシール構造を与えるシーラント組成物及びその組成物
をシーラントとして用いた易開封性容器に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリ
オレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、熱可塑性
ポリエステル等の熱可塑性樹脂は、外観、機械的強度、
成形性、包装作業性、経済性に優れていることから、食
品、医薬品、日用雑貨、工業部品包装等の各種シールパ
ック包装容器や袋として広く用いられている。最近、包
装資材に対する要求が多様化するに従い、内容物保護
性、シール性だけでなく、使用時の易開封性という機能
が求められている。こうした市場の要求に対して、包装
容器分野では各種易開封性材料が提案され、実用化され
ている。従来、これら包装容器のヒートシール材料とし
ては、ホットメルト接着剤や溶液型接着剤をコートした
ものが用いられているが、これらは開封後にシール剤が
容器側に付着し、剥離面外観が不良となる問題があっ
た。また、耐熱性に劣るため、加熱殺菌等のために高温
下に置くとシール部分で剥離し、内容物保護性の点でも
問題がある。こうした欠点を改良するため、近年、内容
物の保護性と易開封性を兼ね備えた材料が種々提案され
ている。例えば、熱可塑性樹脂容器には一般的にエチレ
ン・酢酸ビニル共重合体と粘着付与剤からなる組成物が
用いられている。また、本出願人は、先にオレフィン系
重合体を芳香族ビニル単量体で改質した改質樹脂を主成
分とする組成物材料がオレフィン系重合体に対して易開
封性を発現することができることを提案した(特公平1
−42967号公報参照)。
【0003】この種の、ヒートシール材料(シーラン
ト)は本発明者等の検討によると、基本的には、ヒート
シール材料と被ヒートシール材料との相溶性の差を利用
して易開封性を発現している。又、ヒートシール温度は
ヒートシール材料の融点若しくはヒートシール材料中の
融着成分の融点と関係があり、低温ヒートシール性を要
求される場合にはシーラントの融点を下げなければなら
ない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、こうし
た組成物材料を使用した場合、同じ種類の樹脂同士をヒ
ートシールする場合には、ヒートシール材料間の相溶性
の差がなくなる為、シール強度が強く易開封性とならな
い。また、エチレン・酢酸ビニル共重合体を成分とする
ことから加工特性及び得られたフィルム又は積層体の取
扱いの点で必ずしも満足なものではなく、特に低温ヒー
トシール性を要求される場合には、ヒートシール材料の
融点若しくはヒートシール材料中の融着成分の融点を下
げざるを得ない為、フィルム又は積層体のブロッキング
が発生しやすくなり、又ヒートシール部の耐熱性も満足
なものではない。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記の欠点を
改良することを目的として、種々の検討を重ねた結果、
可逆架橋性を有する特定の樹脂組成物をシーラントとし
て用いることにより上記欠点を改良することができるこ
とを見出し、本発明を達成した。すなわち、本発明の第
1の要旨は、下記の(A)及び(B)成分からなり且つ
条件(C)を満たす組成物からなることを特徴とする易
剥離性を有するシーラント組成物。 (A)不飽和カルボン酸無水物と不飽和カルボン酸エス
テルとによって変性された変性オレフィン系重合体であ
って、1分子当たりのカルボン酸無水物基の平均結合数
が1個以上で、かつ、該変性オレフィン系重合体中のカ
ルボン酸無水物基数に対するカルボン酸エステル基数の
比が0.5〜20である変性オレフィン系重合体 (B)1分子当たりの水酸基の平均結合数が1個以上の
水酸基含有重合体 (C)(A)成分のカルボン酸無水物基数に対する
(B)成分の水酸基数の比が0.1〜5に存する。 また、本発明は以下のような具体的態様も含むものであ
る。上記(A)成分の変性オレフィン系重合体が、エチ
レン−マレイン酸無水物−(メタ)アクリル酸アルキル
エステル共重合体である請求項1に記載の易剥離性を有
するシーラント組成物。また、第2の本発明の要旨は、
下記の(A)及び(B)成分からなり且つ条件(C)を
満たす組成物をシーラントとしたことを特徴とする易開
封性容器。 (A)不飽和カルボン酸無水物と不飽和カルボン酸エス
テルとによって変性された変性オレフィン系重合体であ
って、1分子当たりのカルボン酸無水物基の平均結合数
が1個以上で、かつ、該変性オレフィン系重合体中のカ
ルボン酸無水物基数に対するカルボン酸エステル基数の
比が0.5〜20である変性オレフィン系重合体 (B)1分子当たりの水酸基の平均結合数が1個以上の
水酸基含有重合体 (C)(A)成分のカルボン酸無水物基数に対する
(B)成分の水酸基数の比が0.1〜5に存する。 また、本発明は以下のような具体的態様も含むものであ
る。上記において、シーラント層の架橋度がゲル分率に
して20%以上になった後にヒートシールすることを特
徴とする易開封性容器。上記において、容器が、カップ
状容器であって、該容器の鍔部ヒートシール部としたも
のである易開封性容器。上記において、容器が袋状であ
る易開封性容器。本発明の易剥離性を有するシーラント
組成物及びその組成物をシーラントとして用いた易開封
性容器は、シーラント組成物が可逆架橋性、即ち、温度
が増すにつれ架橋解離が進行し熱可塑的性質が増大し、
十分架橋が解離した状態では熱可塑性樹脂同等の加工が
可能になり、逆に温度が低下すると架橋結合が増加する
性質を有する特殊の組成物からなり、この性質を利用し
て、ヒートシールに際しては熱可塑性の性質を用いて適
切な強度のシールを行い、接合した後に開封(剥離)す
る際、容易に開封(剥離)可能で、又ヒートシール層同
士をヒートシールしても易開封性(易剥離性)が良好
で、且つ、低温ヒートシール性とヒートシール部の耐熱
性が良好である性質を可能とした。
【0006】
【発明の実施の形態】(A)成分 本発明における(A)成分の不飽和カルボン酸無水物と
不飽和カルボン酸エステルとによって変性された変性オ
レフィン系重合体としては、基本的には、α−オレフィ
ンとエチレン性不飽和カルボン酸無水物とエチレン性不
飽和カルボン酸エステルとの三元共重合体、及び、α−
オレフィンとエチレン性不飽和カルボン酸無水物との二
元共重合体のエチレン性不飽和カルボン酸エステルによ
るグラフト体、α−オレフィンとエチレン性不飽和カル
ボン酸エステルとの二元共重合体のエチレン性不飽和カ
ルボン酸無水物によるグラフト体、α−オレフィン系重
合体のエチレン性不飽和カルボン酸無水物とエチレン性
不飽和カルボン酸エステルとによるグラフト体がある。
【0007】前者の三元共重合体におけるα−オレフィ
ンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン−
1、3−メチルブテン−1、ペンテン−1、3−メチル
ペンテン−1、4−メチルペンテン−1、ヘキセン−
1、オクテン−1、デセン−1等が挙げられる。
【0008】又、エチレン性不飽和カルボン酸無水物と
しては、例えば、コハク酸2−オクテン−1−イル無水
物、コハク酸2−ドデセン−1−イル無水物、コハク酸
2−オクタデセン−1−イル無水物、マレイン酸無水
物、2,3−ジメチルマレイン酸無水物、ブロモマレイ
ン酸無水物、ジクロロマレイン酸無水物、シトラコン酸
無水物、イタコン酸無水物、1−ブテン−3,4−ジカ
ルボン酸無水物、1−シクロペンテン−1,2−ジカル
ボン酸無水物、1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸
無水物、3,4,5,6−テトラヒドロフタル酸無水
物、exo −3,6−エポキシ−1,2,3,6−テトラ
ヒドロフタル酸無水物、5−ノルボルネン−2,3−ジ
カルボン酸無水物、メチル−5−ノルボルネン−2,3
−ジカルボン酸無水物、endo−ビシクロ[2.2.2]
オクト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物、ビシ
クロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6
−テトラカルボン酸無水物等が挙げられる。
【0009】又、エチレン性不飽和カルボン酸エステル
としては、炭素数1〜20程度のアルキル基のエステル
が好ましく、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メ
タ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、
(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシ
ル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸
2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、
(メタ)アクリル酸ステアリル、マレイン酸ジメチル等
が挙げられる。尚、ここで、「(メタ)アクリル酸」と
は、アクリル酸及びメタクリル酸を言うものとする。
【0010】尚、前者の三元共重合体としては、前記α
−オレフィンと前記エチレン性不飽和カルボン酸無水物
と前記エチレン性不飽和カルボン酸エステルとの三元共
重合体の他、さらに、(メタ)アクリル酸、マレイン酸
等のエチレン性不飽和カルボン酸化合物、酢酸ビニル等
のエチレン性不飽和エステル化合物、(メタ)アクリル
アミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド等のエチレ
ン性不飽和アミド化合物、スチレン、(メタ)アクリロ
ニトリル等のその他のエチレン性不飽和化合物等を共重
合した四元以上の多元共重合体であってもよい。これら
共重合体は、従来公知の塊状、溶液、懸濁等の重合法に
より製造することができる。
【0011】又、前記した成分(A)のグラフト体とし
てはα−オレフィンとエチレン性不飽和カルボン酸無水
物との二元共重合体、及び、α−オレフィンとエチレン
性不飽和カルボン酸エステルとの二元共重合体として
は、前者の三元共重合体において挙げたと同様のα−オ
レフィン、エチレン性不飽和カルボン酸無水物、及び、
エチレン性不飽和カルボン酸エステルが挙げられ、又、
後者のグラフト体におけるα−オレフィン系重合体とし
ては、例えば、低密度・中密度・高密度ポリエチレン等
(分岐状又は直鎖状)のエチレンの単独重合体、エチレ
ンと、プロピレン、ブテン−1、3−メチルブテン−
1、ペンテン−1、3−メチルペンテン−1、4−メチ
ルペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、デセン
−1等のα−オレフィンとの共重合体、エチレンと、酢
酸ビニル等のビニルエステル、(メタ)アクリル酸又は
それらのエステル等の他単量体との共重合体等のエチレ
ン系樹脂、プロピレンの単独重合体、プロピレンと、エ
チレン、ブテン−1、3−メチルブテン−1、ペンテン
−1、3−メチルペンテン−1、4−メチルペンテン−
1、ヘキセン−1、オクテン−1、デセン−1等のα−
オレフィンとの共重合体、プロピレンと、イソプレン、
1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,4−
ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン、1,9−デカジ
エン等のジエン化合物等の他単量体との共重合体等のプ
ロピレン系樹脂、その他ブテン−1、4−メチルペンテ
ン−1、ヘキセン−1等のα−オレフィンの単独重合体
や共重合体等が挙げられる。
【0012】又、グラフトされるエチレン性不飽和カル
ボン酸エステル、エチレン性不飽和カルボン酸無水物と
しては、前記三元共重合体において挙げたと同様のもの
が挙げられる。これらのグラフト体は、溶融混練、溶
液、懸濁等のグラフト化法により製造することができ
る。
【0013】本発明における(A)成分の前記変性オレ
フィン系重合体としては、エチレンと、マレイン酸無水
物と、(メタ)アクリル酸アルキルエステルの三元共重
合体及び、α−オレフィン系重合体の、マレイン酸無水
物と、(メタ)アクリル酸アルキルエステルとによるグ
ラフト体が好ましく、特にはエチレンと、マレイン酸無
水物と、(メタ)アクリル酸メチル又はエチルとの三元
共重合体が好ましい。
【0014】本発明において、(A)成分としての前記
変性オレフィン系重合体は、前記不飽和カルボン酸無水
物単位の含有量が、0.1重量%以上、特には0.5重
量%以上であるのが好ましく、変性オレフィン系重合体
の数平均分子量とこの含有量との乗数に基づいて求めら
れる、変性オレフィン系重合体1分子当たりのカルボン
酸無水物基としての平均結合数が、1個以上であり、
1.5個以上であることが好ましい。ここで、この平均
結合数が1個未満では、架橋度(ゲル分率)が低くなる
為シール強度が強くなりすぎ易開封性が劣ることとな
る。
【0015】又、本発明において、(A)成分としての
前記変性オレフィン系重合体は、前記不飽和カルボン酸
無水物に由来するカルボン酸無水物基数に対する前記不
飽和カルボン酸エステルに由来するカルボン酸エステル
基数の比が0.5〜20とされており、0.5〜15で
あるのが好ましい。この比が前記範囲未満では架橋度が
過大となる為シール強度が弱くシール性が劣る事及び加
工時に架橋が進行しやすい為フィルム外観が悪化しやす
い、一方、前記範囲超過では架橋度が低くなる為シール
強度が強く易開封性が劣ることとなる。
【0016】尚、本発明における(A)成分の変性オレ
フィン系重合体としては、1分子当たりのカルボン酸無
水物基の平均結合数、及び、カルボン酸無水物基数に対
するカルボン酸エステル基数の比が、前記範囲を満足す
る限り、変性オレフィン系重合体を未変性オレフィン系
重合体等で希釈したものであってもよい。
【0017】(B)成分 本発明において、(A)成分の前記不飽和カルボン酸無
水物及び不飽和カルボン酸エステル変性オレフィン系重
合体のカルボン酸無水物基と結合して架橋を形成せしめ
易剥離性を付与する(B)成分の水酸基含有重合体とし
ては、例えば、エチレン−(メタ)アクリル酸2−ヒド
ロキシエチル共重合体、(メタ)アクリル酸2−ヒドロ
キシエチルグラフトポリエチレン、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体鹸化物、ポリビニルアルコール、低分子量ポ
リオレフィンポリオール類、ポリアルキレンエーテルグ
リコール類、ポリオキシアルキレンポリオール類、水酸
基末端ジエンポリマー及びその水素添加物或いはそのア
ジペート類、水酸基末端ポリカプロラクトン類等が挙げ
られ、具体的には、低分子量ポリオレフィンポリオール
類、ポリアルキレンエーテルグリコール類、ポリオキシ
アルキレンポリオール類、水酸基末端ジエンポリマー及
びその水素添加物等が好ましいものとして挙げられる。
又、これら水酸基含有重合体の数平均分子量は500〜
10000であるのが好ましい。数平均分子量が前期範
囲未満では、臭い、成型時の発煙、発泡等の問題が起き
やすく、一方、前期範囲超過では、架橋度低下による易
剥離性悪化等の問題が起きやすい。
【0018】本発明において、(B)成分の前記水酸基
含有重合体は、水酸基含有重合体の数平均分子量と水酸
基の含有量との乗数に基づいて求められる、水酸基含有
重合体1分子当たりの水酸基の平均結合数が1個以上で
あり、1.5個以上であることが好ましい。1分子当た
りの水酸基が1個未満の場合は、架橋度が低下する為シ
ール強度が強く易開封性が劣ることとなる。
【0019】尚、本発明における(B)成分の水酸基含
有重合体としては、1分子当たりの水酸基の平均結合数
が前記範囲を満足する限り、水酸基を含有しない重合体
等で希釈したものであってよい。
【0020】本発明のオレフィン系重合体組成物におけ
る(A)成分の前記変性オレフィン系重合体と(B)成
分の前記水酸基含有重合体との組成比としては、(A)
成分のカルボン酸無水物基数に対する(B)成分の水酸
基数の比が0.1〜5であり、0.1〜3であることが
好ましい。ここで、カルボン酸無水物基数に対する水酸
基数の比が前記範囲未満では、架橋度が低下する為シー
ル強度が強く易開封性が劣ることとなり、一方、前記範
囲超過では、架橋度が過大となる為シール強度が弱くシ
ール性が劣る事及び加工時に架橋が進行しやすい為フィ
ルム外観が悪化しやすい為、いずれの場合も本発明の目
的を達成することができない。
【0021】本発明の易剥離性を有するシーラント組成
物及びその組成物をシーラントとして用いた易開封性容
器のヒートシール(シーラント)層は、基本的には前記
(A)成分と(B)成分からなる組成物により構成され
るが、本発明の効果を損なわない範囲で、前記(A)、
(B)成分以外の成分を含有していてもよく、具体的に
は、例えば、通常用いられる各種の添加剤、例えば、酸
化防止剤、紫外線吸収剤、造核剤、中和剤、滑剤、ブロ
ッキング防止剤、分散剤、流動性改良剤、離形剤、難燃
剤、着色剤、充填剤等を添加することができる。
【0022】本発明の易剥離性を有するシーラント組成
物及びその組成物をシーラントとして用いた易開封性容
器のヒートシール層を構成する樹脂組成物は、前記
(A)成分と(B)成分を必須成分とし、その他の任意
成分を加えて、各成文をヘンシェルミキサー、リボンブ
レンダー、V型ブレンダー等により均一に混合した後、
一軸又は多軸押出機、ロール、バンバリーミキサー、ニ
ーダー、ブラベンダー、若しくは直接各種成型機等によ
り溶融混練する方法、或いは、一軸又は多軸押出機を用
い、(A)成分又は(A)成分とその他の任意成分を押
出機入口より供給し、(B)成分とその他の任意成分又
は(B)成分を押出機途中から供給して溶融混練する方
法等により調整することができる。
【0023】本発明の易剥離性を有するシーラント組成
物は、組成物を溶融混練等の方法により得ると、組成物
中の不飽和カルボン酸無水物と水酸基重合体の水酸基の
反応によるエステル結合からなる架橋結合を起こし架橋
した状態となる。これを再度加熱溶融すると、エステル
結合が元の状態に戻るので熱可塑性を呈する。この反応
は低温時にはエステル結合が増大し、高温時にエステル
結合が減少する平衡反応である。従って高温時には架橋
結合が減少し熱可塑性を示し、低温時にはエステル結合
(架橋結合)が増大し架橋体となる。又、平衡反応であ
るため、高温時での熱可塑性、低温時での架橋形成を温
度の高低により繰り返す事が可能である。シーラントや
容器としてこの組成物を用いた場合、ヒートシール時に
は加熱により熱可塑的性質が増大し、ヒートシール可能
となる。しかしながら全ての架橋結合が解離する訳では
ないので、適度なヒートシール強度、即ち、手で剥離可
能な程度のシール強度、数値的には300g/15mm
〜2000g/15mm程度の剥離強度が得られる。本
発明の易剥離性を有するシーラント組成物は、ヒートシ
ール部分のヒートシールされる両面に用いてもよいが、
一方が通常のポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン
−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレー
ト、エチレン−メタアクリレート等のオレフィン系樹脂
であっても良好な易剥離性ヒートシール構造が得られ
る。
【0024】シーラント組成物同士でも、シーラント組
成物と他のオレフィン系樹脂との間でも良好な易剥離性
ヒートシール構造となる理由は、基本的に熱可塑部分で
の融着性と架橋部分での非融着性を利用している為であ
る。一般的に架橋部分の分子は網目構造を形成している
為凝集力が高く他の分子と混じり合いにくい性質があ
る。従来、易剥離性を付与するためにシーラント部材と
被熱融着部材との相溶性に差を付ける方法が広く用いら
れているが、この方法ではシーラント部材同士のヒート
シールを行った場合、相溶性の差が無くなってしまうた
めに融着強度が強すぎ易剥離性とならない。一方、本発
明のシーラント組成物では非融着性を架橋部分にて発現
させており、この架橋部分は熱可塑の部分とも架橋され
た部分の分子とも融着しない為、被熱融着部材が熱可塑
性であっても本発明のシーラント組成物(熱可塑部分と
架橋部分が混在)であっても、非融着性はさほど変化し
ない為に、シーラント組成物同士でも、シーラント組成
物と他のオレフィン系樹脂との間でも良好な易剥離性ヒ
ートシール構造になると考えられる。又、一旦ヒートシ
ールされた後冷却されるとシーラント組成物の架橋は進
行するが、ヒートシール時に熱可塑的性質を帯び、相手
材と混ざり合い溶着した割合易はその後の架橋によって
も変化しないので、安定したヒートシール強度となるも
のと考えられる。なお、ヒートシールはシーラント層の
架橋度がゲル分率にして20%以上、好ましくは30%
以上、より好ましくは40%以上になった後にヒートシ
ールするのが良い、架橋度の進まない状態でヒートシー
ルすると、シール強度が強くなりすぎ、易剥離性が得ら
れなくなる。架橋度(ゲル分率)とはJIS C300
5記載による方法で、具体的には110℃キシレンに2
4時間浸漬した後の残った固形分の元の重量に対する割
合を云う。
【0025】このシーラント組成物はヒートシールする
面であればどのような形状、構造で用いても良い。例え
ば、シーラント組成物を用いてカップ状容器、その蓋、
袋状容器等を形成する。カップ状容器、袋状容器にシー
ラント組成物をラミネート等により積層する等の構造が
考えられる。シーラント組成物が積層される基材として
は、アルミ箔、紙、ポリエチレンテレフタレートに代表
されるポリエステル系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピ
レン等のオレフィン系樹脂等の各種熱可塑性樹脂が挙げ
られる。又シーラント組成物をフィルム状とし、ヒート
シール部に挟んで用いるシーラントフイルムとして用い
ることも出来る。
【0026】具体的一例を挙げると、上記方法等によっ
て得られた樹脂組成物若しくは前記(A)成分と(B)
成分を必須成分とし各成分をヘンシェルミキサー、リボ
ンブレンダー、V型ブレンダー等により均一に混合した
ものをアルミ箔、紙、ポリエチレンテレフタレートに代
表されるポリエステル系樹脂、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン等のオレフィン系樹脂等の各種熱可塑性樹脂から
なる基材層に押出ラミネートすることによって製造され
た、或いは、前記樹脂組成物若しくは前記(A)成分と
(B)成分を必須成分とする混合物を共押出インフレー
ション、共押出キャスト成形することにより製造され
た、シート状又はフィルム状の基材層及びヒートシール
層からなる積層体を、真空成形、圧空成形等により各種
物品を収容するための凹部を形成し、該凹部の外周縁部
に設けた鍔部に、基材層及びヒートシール層からなる積
層体よりなる平板状のシートのヒートシール層をヒート
シールして接合することによりシールパック包装容器と
して形成することができる。又、上記シート又はフィル
ム状の基材層及びヒートシール層からなる積層体を、筒
状に成形した後、底部をヒートシールして各種物品を収
容し、口部をヒートシールすることにより袋状の易開封
性容器が形成される。
【0027】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の
実施例に限定されるものではない。尚、実施例及び比較
例で用いた(A)成分の変性オレフィン系重合体、
(B)成分の水酸基含有重合体、水架橋性樹脂((C)
成分)、改質PO粒子((D)成分)、その他成分
((E)成分)は、以下に示すものである。
【0028】(A)成分 A−1;エチレン−マレイン酸無水物−アクリル酸エチ
ル三元共重合体(赤外吸収スペクトルにより測定したマ
レイン酸無水物単位含有量2.5重量%、アクリル酸エ
チル単位含有量12.5重量%、カルボン酸無水物基数
に対するカルボン酸エステル基数の比4.9、ゲルパー
ミエーションクロマトグラフィーにより測定した数平均
分子量19800、数平均分子量とマレイン酸無水物単
位含有量の乗数に基づいて求めた変性オレフィン系重合
体1分子当たりのカルボン酸無水物基の平均結合数5.
0個、住友化学工業社製「ボンダインTX8030」
(商品名))
【0029】A−2;エチレン−マレイン酸無水物−ア
クリル酸エチル三元共重合体(赤外吸収スペクトルによ
り測定したマレイン酸無水物単位含有量2.4重量%、
アクリル酸エチル単位含有量7.5重量%、カルボン酸
無水物基数に対するカルボン酸エステル基数の比3.
1、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測
定した数平均分子量19300、数平均分子量とマレイ
ン酸無水物単位含有量の乗数に基づいて求めた変性オレ
フィン系重合体1分子当たりのカルボン酸無水物基の平
均結合数4.7個、住友化学工業社製「ボンダインLX
4110」(商品名))
【0030】A−3(比較例用);エチレン−マレイン
酸無水物−アクリル酸エチル三元共重合体(赤外吸収ス
ペクトルにより測定したマレイン酸無水物単位含有量
0.8重量%、アクリル酸エチル単位含有量30.0重
量%、カルボン酸無水物基数に対するカルボン酸エステ
ル基数の比36.7、ゲルパーミエーションクロマトグ
ラフィーにより測定した数平均分子量18700、数平
均分子量とマレイン酸無水物単位含有量の乗数に基づい
て求めた変性オレフィン系重合体1分子当たりのカルボ
ン酸無水物基の平均結合数1.5個、住友化学工業社
製、「ボンダインAX8390」(商品名))
【0031】A−4(比較例用);エチレン−ブテン−
1共重合体(メルトフローレート9g/10分、密度
0.925g/cm3 、日本ポリケム(株)製「Z−5
0MG」(商品名))100重量部、マレイン酸無水物
1.0重量部、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ター
シャリーブチルパーオキシ)ヘキサン0.06重量部を
ヘンシェルミキサーにて均一に混合後、二軸押出機
((株)池貝製、PCM−30(商品名)、D=30m
m、L/D=32)にて溶融グラフトを行い、エチレン
−ブテン−1共重合体のマレイン酸無水物による変性オ
レフィン系重合体を得た。尚、押出機はC1 :150
℃、C2 :190℃、C3 〜D:230℃、Ns:20
0rpm、Q:10kg/Hrの条件にて運転した。得
られた変性オレフィン系重合体は、メルトフローレート
2.0g/10分、再沈精製処理を行い未グラフト物を
除いた後に赤外吸収スペクトルにより測定したマレイン
酸無水物単位含有量0.8重量%、ゲルパーミエーショ
ンクロマトグラフィーにより測定した数平均分子量26
000、数平均分子量とマレイン酸無水物単位含有量の
乗数に基づいて求めた変性オレフィン系重合体1分子当
たりのカルボン酸無水物基の平均結合数2.1個であっ
た。
【0032】(B)成分 B−1;水酸基末端ポリブタジエンの水素添加物(水酸
基含有量2.0重量%、数平均分子量1000、数平均
分子量と水酸基含有量の乗数に基づいて求めた水酸基含
有重合体1分子当たりの水酸基の平均結合数1.6個、
日本曹達社製「ニッソーPB GI−1000」(商品
名)) B−2;低分子量ポリオレフィンポリオール(水酸基含
有量1.3重量%、数平均分子量1500、数平均分子
量と水酸基含有量の乗数に基づいて求めた水酸基含有重
合体1分子当たりの水酸基の平均結合数1.1個、三菱
化学社製「ポリテールH」(商品名))
【0033】(C)成分(比較例用) C−1;低密度ポリエチレン(メルトフローレート2g
/10分、密度0.919g/cm3 、日本ポリケム
(株)製「EH−30」(商品名))100重量部、ビ
ニルトリメトキシシラン2.0重量部、ジクミルパーオ
キサイド0.1重量部をヘンシェルミキサーにて均一に
混合後、単軸押出機(D=40mm、L/D=28)に
てシラングラフトポリエチレンを得た。尚、押出機はC
1 :120℃、C2 :160℃、C3 〜D:200℃、
Ns:70rpm、Q:7kg/Hrの条件にて運転し
た。得られたシラングラフトポリエチレンは、メルトフ
ローレート1.3g/10分、蛍光X線により測定した
ビニルトリメトキシシラン単位含有量0.7重量%であ
った。
【0034】(D)成分(比較例用) D−1;50リットル容量のオートクレーブに、水20
kg、懸濁剤の第三リン酸カルシウム0.6kg、及
び、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.6gを
混入して水性媒質とし、これに粒径3〜4mmの低密度
ポリエチレン(密度:0.917g/cm3 、MFR:
45g/10分)6kgを加え、攪拌して懸濁させた。
別に、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサ
イド15.6g、及び、ベンゾイルパーオキサイド9g
をスチレンモノマー6kgに溶解し、これを先の懸濁系
に添加し、オートクレーブ内に窒素を導入して系内を
0.5kg/cm 2 に加圧した。更にオートクレーブ内
を55℃に昇温し、この温度で攪拌しながら5時間放置
して重合開始剤を含むスチレンモノマーを全量低密度ポ
リエチレン粒子中に含浸させた。次に、この懸濁液を8
5℃に昇温し、この温度で攪拌しながら7時間放置して
重合を行い、更に110℃に昇温して3.5時間維持し
て重合を完結させた。冷却後、内容固形物を取り出して
水洗し、改質低密度ポリエチレン体粒子12kgを得
た。得られた改質低密度ポリエチレン中のポリエチレン
にグラフトしたスチレンモノマーの量及びポリスチレン
の合計量は全体の50重量%で、MFRは2.5g/1
0分であり、走査型電子顕微鏡で観察すると、ポリスチ
レンが約1μmの大きさで均質に分散した構造を有して
いた。
【0035】(E)成分 E−1;IRGANOX1010(チバガイギー社製、
フェノール系酸化防止剤) E−2;Irgafos168(チバガイギー社製、リ
ン系酸化防止剤) E−3;ジブチル錫ジラウレート1重量部、E−1:2
重量部、E−2:2重量部を含有するマスターバッチ E−4;低密度ポリエチレン、密度:0.919g/c
3 、MFR:14g/10分
【0036】実施例1、2及び比較例1、2、5 (A)成分、(B)成分、(D)成分及び(E)成分と
してそれぞれ表1に示すものを表1に示す組成割合でヘ
ンシェルミキサーにて均一に混合したものを、二軸混練
機(日本製鋼所社製「TEX−30」(商品名))にて
シリンダー温度200℃、スクリュー回転数200rp
mにて溶融混練することにより、一旦樹脂組成物を調整
した。得られた樹脂組成物を35mm径のTダイ成形機
を用い、成形温度260℃の条件で30μmのフィルム
を作成した。本フィルムと厚み12μmのPETフィル
ムとをポリエチレン20μmを介して貼り合わせ積層フ
ィルムとし、熱風乾燥機にて80℃、24時間加熱し、
該樹脂組成物から構成されたヒートシール層(シーラン
ト層)を架橋させた。本積層フィルムのヒートシール層
を接着面として、ポリエチレンからなる基材(0.3m
m)と加熱接着ヒートシールして袋状容器を得た。又本
積層フィルムのヒートシール層同士を対向させても加熱
接着ヒートシールして袋状容器を得た。加熱接着条件
は、熱板式ヒートシーラーを用い、接着面5mm幅、接
着圧力2kg/cm2 、時間0.5秒、接着温度120
〜180℃である。剥離強度は、インストロン型引張試
験機を用い、サンプル幅15mm、引張速度300mm
/分で180゜剥離強度を23℃で測定した。その結果
を表1に示す。カップ型容器として、直径約7cm、深
さ約2.5cmのポリエチレン製カップを用意し、外周
縁部に設けた鍔部に実施例1、2及び比較例1、2、5
に於いて作成された30μmのフィルムを熱風乾燥機に
て80℃、24時間加熱し架橋フィルムとした後、温度
140℃、圧力2kg/cm2 、時間0.5秒の条件で
加熱接着し剥離強度を測定したところ袋状容器の場合と
ほぼ同様の値が得られた。
【0037】比較例3 (A)成分、(B)成分及び(E)成分としてそれぞれ
表1に示すものを表1に示す組成割合でヘンシェルミキ
サーにて均一に混合したものを、35mm径のTダイ成
形機を用い、成形温度260℃の条件で30μmのフィ
ルムを作成した。得られたフィルムに対し実施例1と同
様に操作し、その結果を表1に示す。
【0038】比較例4 (C)成分及び(E)成分としてそれぞれ表1に示すも
のを表1に示す組成割合でヘンシェルミキサーにて均一
に混合したものを、35mm径のTダイ成形機を用い、
成形温度180℃の条件で30μmのフィルムを作成し
た。本フィルムと厚み12μmのPETフィルムとをポ
リエチレン20μmを介して貼り合わせ積層フィルムと
し、恒温水槽中にて80℃、24時間加熱し、該樹脂組
成物から構成されたヒートシール層(シーラント層)を
架橋させた。得られたフィルムに対し実施例1と同様に
操作し、その結果を表1に示す。
【0039】実施例3 (A)成分、(B)成分及び(E)成分としてそれぞれ
表1に示すものを表1に示す組成割合で用い、まず
(A)成分と(E)成分をヘンシェルミキサーにて均一
に混合したものを二軸混練機(日本製鋼所社製「TEX
−30」)のホッパー口より供給し、予め約65℃に加
熱し粘度を下げておいた(B)成分をギアポンプにより
混練機途中から供給し、一旦樹脂組成物を調整した。得
られた樹脂組成物を実施例1と同様に操作し袋状容器、
及びカップ状容器を得た。その結果を表1に示す。
【0040】耐熱試験 直径約7cm、深さ約2.5cmのポリエチレン製カッ
プに水道水を95%充填し、外周縁部に設けた鍔部に実
施例1乃至3、比較例1乃至5実施に於いて作成された
30μmのフィルムを熱風乾燥機にて80℃、24時間
加熱し架橋フィルムとした後、温度140℃、圧力2k
g/cm2 、時間0.5秒の条件で加熱接着し、その
後、95℃の恒温水槽にて30分加熱し耐熱試験を行っ
た。一試料につき5点試験を行い、一つでも加熱接着部
に漏れが発生したものを×、一つも漏れが発生しなかっ
たものを○と表現し、その結果を表1に示す。
【0041】ヘーズ 実施例1〜3、比較例1乃至5実施に於いて作成された
30μmのフィルムを用いJIS K7105に準拠し
測定した。
【0042】架橋度(成形直後) 実施例1〜3、比較例1乃至5を実施する際に得られた
樹脂組成物若しくはフィルムをJIS C3005(架
橋度)に準拠して測定した。 架橋度(架橋処理後) 実施例1〜3、比較例1乃至5を実施する際に得られた
樹脂組成物若しくはフィルムを、(C)成分を用いたも
のについては恒温水槽中にて、(C)成分以外を用いた
ものについては熱風乾燥機中にて80℃、24Hr架橋
処理を行い、上記方法により架橋度を測定した。
【0043】
【表1】
【0044】
【発明の効果】本発明の易剥離性を有するシーラント組
成物及びその組成物をシーラントとして用いた易開封性
容器は、ヒートシールして接合した後の開封(剥離)す
る際に、容易に開封(剥離)可能で、又ヒートシール層
同士をヒートシールしても易開封性(易剥離性)が良好
で、且つ、透明性とヒートシール部の耐熱性が良好であ
る。又、易剥離性樹脂組成物層同士のヒートシールにお
いても剥離強度の変化が少なく良好である。従って本発
明の易開封性容器は所望時に容易に開封できる事が必要
な容器、たとえばヨーグルト、プリン等の容器等に好適
に用いられ、殺菌・減菌・滅菌時の耐熱性も兼ね備えて
いる。また、食用容器以外では、工業部品等のパッケー
ジなどの袋物や、所望時に内容物を混合して用いる容
器、例えばセパレート型の輸液バックにも好適に用いら
れる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09J 123/06 C09J 123/06 123/26 123/26 201/02 201/02 (72)発明者 中山 弘之 三重県四日市市東邦町1番地 三菱化学株 式会社四日市事業所内 Fターム(参考) 3E067 AA11 AB01 AB49 AB81 AB99 BA07A BA12A BB01A BB12A BB15A BB16A BB22A BB25A BC07A CA17 CA24 EA06 EE32 GD08 3E086 AD01 AD06 AD24 BA04 BA13 BA14 BA15 BB41 BB51 CA01 CA28 CA35 4H017 AA04 AB17 AC16 AE04 4J002 AC112 BB071 BB091 BB211 BE022 BE032 BG072 BN051 CH022 GJ02 4J040 CA042 DA002 DA061 DA081 DA161 GA05 JB01 NA06

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の(A)及び(B)成分からなり且
    つ条件(C)を満たす組成物からなることを特徴とする
    易剥離性を有するシーラント組成物。 (A)不飽和カルボン酸無水物と不飽和カルボン酸エス
    テルとによって変性された変性オレフィン系重合体であ
    って、1分子当たりのカルボン酸無水物基の平均結合数
    が1個以上で、かつ、該変性オレフィン系重合体中のカ
    ルボン酸無水物基数に対するカルボン酸エステル基数の
    比が0.5〜20である変性オレフィン系重合体 (B)1分子当たりの水酸基の平均結合数が1個以上の
    水酸基含有重合体 (C)(A)成分のカルボン酸無水物基数に対する
    (B)成分の水酸基数の比が0.1〜5
  2. 【請求項2】 (A)成分の変性オレフィン系重合体
    が、エチレン−マレイン酸無水物−(メタ)アクリル酸
    アルキルエステル共重合体である請求項1に記載の易剥
    離性を有するシーラント組成物。
  3. 【請求項3】 下記の(A)及び(B)成分からなり且
    つ条件(C)を満たす組成物をシーラントとしたことを
    特徴とする易開封性容器。 (A)不飽和カルボン酸無水物と不飽和カルボン酸エス
    テルとによって変性された変性オレフィン系重合体であ
    って、1分子当たりのカルボン酸無水物基の平均結合数
    が1個以上で、かつ、該変性オレフィン系重合体中のカ
    ルボン酸無水物基数に対するカルボン酸エステル基数の
    比が0.5〜20である変性オレフィン系重合体 (B)1分子当たりの水酸基の平均結合数が1個以上の
    水酸基含有重合体 (C)(A)成分のカルボン酸無水物基数に対する
    (B)成分の水酸基数の比が0.1〜5
  4. 【請求項4】 シーラント層の架橋度がゲル分率にして
    20%以上になった後にヒートシールすることを特徴と
    する請求項3に記載の易開封性容器。
  5. 【請求項5】 容器が、カップ状容器であって、該容器
    の鍔部ヒートシール部としたものである、請求項3又は
    4に記載の易開封性容器。
  6. 【請求項6】 容器が袋状である、請求項3又は4に記
    載の易開封性容器。
JP31483999A 1999-11-05 1999-11-05 易剥離性を有するシーラント組成物及び易開封性容器 Pending JP2001131532A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31483999A JP2001131532A (ja) 1999-11-05 1999-11-05 易剥離性を有するシーラント組成物及び易開封性容器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31483999A JP2001131532A (ja) 1999-11-05 1999-11-05 易剥離性を有するシーラント組成物及び易開封性容器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001131532A true JP2001131532A (ja) 2001-05-15

Family

ID=18058234

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP31483999A Pending JP2001131532A (ja) 1999-11-05 1999-11-05 易剥離性を有するシーラント組成物及び易開封性容器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001131532A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015166657A1 (ja) * 2014-05-02 2015-11-05 三井化学株式会社 シール材及びその硬化物
JP2019038929A (ja) * 2017-08-24 2019-03-14 東洋インキScホールディングス株式会社 接着剤組成物、積層体、包装用積層体、および包装用容器

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS578234A (en) * 1980-06-17 1982-01-16 Du Pont Mitsui Polychem Co Ltd Heat-sealable resin composition
JPS6173752A (ja) * 1984-09-18 1986-04-15 Takeda Chem Ind Ltd 熱封緘用接着性樹脂組成物
JPH02235743A (ja) * 1989-03-10 1990-09-18 Showa Denko Kk 積層物およびその製造法
JPH0649315A (ja) * 1992-08-04 1994-02-22 Mitsubishi Petrochem Co Ltd 樹脂水性分散液
JPH0657062A (ja) * 1992-08-06 1994-03-01 Showa Denko Kk 樹脂組成物及び該組成物を用いた成形体
JPH06182944A (ja) * 1992-12-18 1994-07-05 Showa Denko Kk 包装用自己粘着性フィルム
JPH09187892A (ja) * 1996-01-11 1997-07-22 Nippon Poriorefuin Kk 多層積層体
JPH10337819A (ja) * 1997-06-09 1998-12-22 Bridgestone Corp 包装用材料
JP2001277416A (ja) * 2000-03-30 2001-10-09 Japan Polyolefins Co Ltd イージーピール性積層体およびその製造方法

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS578234A (en) * 1980-06-17 1982-01-16 Du Pont Mitsui Polychem Co Ltd Heat-sealable resin composition
JPS6173752A (ja) * 1984-09-18 1986-04-15 Takeda Chem Ind Ltd 熱封緘用接着性樹脂組成物
JPH02235743A (ja) * 1989-03-10 1990-09-18 Showa Denko Kk 積層物およびその製造法
JPH0649315A (ja) * 1992-08-04 1994-02-22 Mitsubishi Petrochem Co Ltd 樹脂水性分散液
JPH0657062A (ja) * 1992-08-06 1994-03-01 Showa Denko Kk 樹脂組成物及び該組成物を用いた成形体
JPH06182944A (ja) * 1992-12-18 1994-07-05 Showa Denko Kk 包装用自己粘着性フィルム
JPH09187892A (ja) * 1996-01-11 1997-07-22 Nippon Poriorefuin Kk 多層積層体
JPH10337819A (ja) * 1997-06-09 1998-12-22 Bridgestone Corp 包装用材料
JP2001277416A (ja) * 2000-03-30 2001-10-09 Japan Polyolefins Co Ltd イージーピール性積層体およびその製造方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015166657A1 (ja) * 2014-05-02 2015-11-05 三井化学株式会社 シール材及びその硬化物
JP5872129B1 (ja) * 2014-05-02 2016-03-01 三井化学株式会社 シール材及びその硬化物
JP2019038929A (ja) * 2017-08-24 2019-03-14 東洋インキScホールディングス株式会社 接着剤組成物、積層体、包装用積層体、および包装用容器

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4198327A (en) Grafted polyolefin composition having improved adhesiveness
JP3312984B2 (ja) 接着性樹脂組成物
US4338378A (en) Film for heat sealing and process of heat sealing
US20130029553A1 (en) Multilayer films for reclosable packaging
JPS58127772A (ja) 接着剤ブレンド及び複合構造体
JP3087938B2 (ja) 積層フィルム
PL198393B1 (pl) Wielowarstwowa folia do laminowania, materiał opakowaniowy i zastosowanie materiału opakowaniowego
JP2001131532A (ja) 易剥離性を有するシーラント組成物及び易開封性容器
JP3489350B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JP3489349B2 (ja) ヒートシール性熱可塑性樹脂組成物
JP3489347B2 (ja) ヒートシール用樹脂組成物
JPS645614B2 (ja)
JP3312951B2 (ja) オレフィン系熱可塑性樹脂組成物
JP3794184B2 (ja) 易開封性容器
JP4008070B2 (ja) シール材料
JPH11199723A (ja) 接着性樹脂組成物およびその積層体
JPH0157673B2 (ja)
JP3794183B2 (ja) 易開封性容器
JP3412411B2 (ja) 包装用容器の蓋材並びに包装用容器
JP3473250B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物、易開封性包装体並びに易開封性積層体
JPH07309980A (ja) オレフィン系熱可塑性樹脂組成物
JPH0441536A (ja) 樹脂組成物
JPH09241443A (ja) ヒートシール性樹脂組成物
JPS5914058B2 (ja) ナイロンとの接着性良好なポリオレフィン組成物
JPH0463114B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050909

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060425

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070918

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080205