JP3489347B2 - ヒートシール用樹脂組成物 - Google Patents
ヒートシール用樹脂組成物Info
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Description
性および接着性に優れたヒートシール用樹脂組成物に関
し、詳しくは熱可塑性樹脂の容器、シート等に加熱接着
し、その後剥離する際に容器、シート基材から容易に剥
離可能なヒートシール用樹脂組成物に関する。
オレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、熱可塑性
ポリエステル等の熱可塑性樹脂は外観、機械的強度、成
形性、包装作業性、経済性等に優れ、各種包装容器に広
く用いられている。これらの包装容器は、乳製品、菓
子、豆腐、清涼飲料等の食品を充填し、異物の混入を防
ぐため開口部を熱封着した包装容器が主流となって普及
しており、これら包装容器に対する要求が多様化するに
したがい、内容物の保護性だけでなく、使用時に容易に
開封が可能であることが求められている。
液型接着剤をコートしたものが用いられているが、これ
らは開封後にシール剤が容器側に付着し食品衛生上問題
があった。また、包装容器と同一の基材を蓋材に用いた
場合は、封着力が強すぎ、内容物保護性は十分である
が、開封が困難となり実用的には不十分である。こうし
た欠点を改良するため、近年、内容物保護性と易開封性
を兼ね備えた材料が種々提案されている。例えば、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体および粘着付与剤からなる組
成物が一般的に知られている。しかしながら、内容物保
護性の点から容器との接着強度を満足するには比較的高
い酢酸ビニル含量のエチレン−酢酸ビニル共重合体、ま
たはより多量の粘着付与剤を必要とする。こうした、高
い酢酸ビニル含量および粘着付与剤は、フィルム成形性
および成形後のフィルムのブロッキング等の問題を有し
ており、また、エチレン−酢酸ビニル共重合体は融点が
低く、耐熱性に乏しいことから常温近傍で使用される包
装容器には使用できるがレトルトパウチのようなボイル
等の処理が必要な包装容器には適さず、実用上不十分な
ものであった。そこで、本発明者は上記欠点を解決する
目的でプロピレン重合体を主成分とする材料から構成さ
れた密封熱封着部を有する包装容器の剥離容易な密封熱
封着部に用いる封着材料であって、プロピレン重合体
(A)10〜80重量部および、エチレン重合体40〜
95重量%と芳香族ビニル単量体60〜5重量%とをグ
ラフト条件に付して得られる改質重合エチレン重合体
(B)90〜20重量部とを主成分とする材料であるこ
とを特徴とする易剥離性の熱封着材料を提案した(特公
昭62−48698号公報)。しかし、ヒートシール温
度が160〜240℃と高く、低温ヒートシール性に優
れるものではなかった。
来技術の欠点を除くためになされたものであって、その
目的とするところは、プロピレン重合体を主成分とする
被着材料に対する良好な低温ヒートシール性を有し、フ
ィルム、シート等への良好な成形加工性および得られた
フィルム、シート等が保存時にブロッキングしない取扱
性に優れたヒートシール用樹脂組成物を得ることにあ
る。
(a)〜(d)成分からなるヒートシール用樹脂組成物
である。(a)密度が0.915g/cm3 以下かつ結
晶化度が30%以上のエチレン−αオレフィン共重合体
樹脂 20〜70重量% (b)結晶化度が30%未満のオレフィン系エラストマ
ー 5〜50重量%、 (c)結晶性プロピレン系重合体樹脂 5〜40重量
%、(d)オレフィン系重合体30〜95重量%とビニ
ル単量体70〜5重量%とをグラフト反応条件下に付し
て得られる改質オレフィン系重合体5〜60重量%
ン−αオレフィン共重合体樹脂は、X線回折法による結
晶化度が30%以上、好ましくは35〜50%で、密度
が0.915g/cm3 以下、好ましくは0.89〜
0.91g/cm 3 である結晶性樹脂である。該密度が
上記範囲を超えると、低温ヒートシール性が不良とな
り、上記範囲未満ではフィルム表面のべたつき等取扱い
の点で不具合を生じる。
脂としては、エチレンとプロピレン、1−ブテン、1−
ヘキセン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−
ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン等炭素数3〜1
2、好ましくは3〜8、特に好ましくは5〜8のα−オ
レフィンとの共重合体樹脂を挙げることができる。共重
合体はランダム、ブロックあるいはグラフトといずれの
どの様な結合様式のものも使用できる。これらのエチレ
ン−αオレフィン共重合体樹脂は、α−オレフィンとし
て2種以上を混合して用いることもできる。該エチレン
−αオレフィン共重合体樹脂のJIS K6760準拠
のメルトフローレート(MFR;190℃、2.16k
g荷重)は0.1〜100g/10分、好ましくは0.
2〜50g/10分である。
脂の具体例としては、エチレン−プロピレン共重合体、
エチレン−ブテン−1共重合体、エチレン−ヘキセン−
1共重合体、エチレン−オクテン−1共重合体等が代表
的なものである。中でも、エチレン−ヘキセン−1共重
合体、エチレン−オクテン−1共重合体が成形性、機械
特性及び耐ブロッキング性の点から好ましい。
ィン系エラストマーは、X線回折法による結晶化度が3
0%未満の非結晶性ないしは低結晶性の重合体である。
かかるオレフィン系エラストマーとしては、エチレン、
プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン等のα−オレフ
ィン相互の共重合体、あるいはこれらと非共役ジエンと
の共重合体、あるいは1−ヘキセン等の高級α−オレフ
ィンの単独重合体であって、JIS K6300に準拠
したムーニー粘度(ML1+4 (100℃))が1〜40
0、好ましくは20〜380であるゴム弾性を有する重
合体である。
の物性が低下し、400を越えると加工性が悪化し好ま
しくない。また、密度は0.84〜0.90g/cm
3 、好ましくは0.85〜0.895g/cm3 であ
る。これらオレフィン系エラストマーの中では、エチレ
ン含有量が50〜90重量%、好ましくは30〜85重
量%のエチレン系エラストマーが品質、安定性および臭
気の点で特に好ましい。
エチレン−プロピレン共重合ゴム、エチレン−1−ブテ
ン共重合ゴム、エチレン−プロピレン−1−ブテン共重
合ゴム、エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合ゴ
ム、エチレン−1−ブテン−非共役ジエン共重合ゴム、
エチレン−プロピレン−1−ブテン−非共役ジエン共重
合ゴム(非共役ジエンの具体例としては、ジシクロペン
タジエン、1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4
−ヘキサジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、
1,9−デカジエン等である。)等が挙げられる。これ
らエチレン系エラストマーの中では(a)成分、(c)
成分との相溶性の面からエチレン−プロピレン共重合体
ゴム、エチレン−ブテン−1共重合体ゴム、エチレン−
ヘキセン−1共重合体ゴム、エチレン−オクテン−1共
重合体ゴムが好ましい。
は、プロピレン単独重合体、及びプロピレン80〜9
9.9重量%と、エチレン、ブテン−1、ヘキセン−
1、3−メチル−ブテン−1、4−メチル−ペンテン−
1、ヘプテン−1、オクテン−1等の炭素数が2〜1
2、好ましくは2〜8程度の他のα−オレフィン0.1
〜20重量%との共重合体、またはプロピレン80〜9
9.9重量%とエチレン性不飽和単量体0.1〜20重
量%との共重合体を挙げることができる。共重合体はラ
ンダム、ブロックあるいはグラフトといずれのどのよう
な結合様式のものも使用できる。これらのプロピレン重
合体は、プロピレン以外の共重合成分として2種以上を
混合して用いることができる。該プロピレン重合体のJ
IS K7210準拠のメルトフローレート(MFR;
230℃、2.16kg荷重)は1〜100g/10
分、好ましくは2〜50g/10分である。また、X線
回折法による結晶化度が30%以上、好ましくは35〜
70%のものである。
体例としては、プロピレン単独重合体、プロピレン−エ
チレンランダム共重合体、プロピレン−エチレンブロッ
ク共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体、プロピ
レン−エチレン−ブテン−1共重合体、無水マレイン酸
変性プロピレン等が代表的なものである。中でも、プロ
ピレン単独重合体、プロピレン−エチレンランダム共重
合体がフィルム成形性、押出ラミ加工性等の成形加工性
並びに耐熱性の観点から好ましい。なお、結晶性プロピ
レン系重合体樹脂の性質を損なわない範囲で他の重合体
を混合使用することもできる。
レフィン重合体は、オレフィン系重合体にビニル単量体
をグラフト反応条件下に付して得られる改質重合体であ
る。このような改質オレフィン系重合体(以下「改質P
O」と称す)は下記の方法によって製造されたものであ
ることが好適である。
1−ブテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ブテン、
4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテ
ン等炭素数2〜12、好ましくは2〜8程度のオレフィ
ンの単独または2種以上の共重合体、ないしはこれらオ
レフィンと非共役ジエン、ビニルエステル、不飽和有機
酸またはその誘導体、ビニル有機シラン等とからなる共
重合体などを挙げることができる。共重合体はランダ
ム、ブロックあるいはグラフトといずれのどの様な結合
様式のものでもよく、樹脂状、あるいはエラストマー状
のものであっても構わない。これらのオレフィン系重合
体は、共重合成分として2種以上を混合して用いること
もできる。
高、中、低密度および直鎖状低密度ポリエチレン、ポリ
プロピレン、エチレン−プロピレン(ランダム又はブロ
ック)共重合体、プロピレン−ブテン−1ランダム共重
合体、エチレン−ヘキセン1共重合体、プロピレン−エ
チレン−ブテン−1ランダム共重合体、プロピレンと炭
素数5〜12のα−オレフィンと場合によりエチレンま
たはブテン−1とからなる共重合体、エチレン−非共役
ジエン共重合体、プロピレン−非共役ジエン共重合体、
エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体(非共役
ジエンの具体例としては、ジシクロペンタジエン、1,
4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエ
ン、7−メチル−1,6−オクタジエン、1,9−デカ
ジエン等が挙げられる。)、エチレン−酢酸ビニル共重
合体、エチレン−ビニルトリメトキシシラン共重合体、
無水マレイン酸グラフトポリエチレン、無水マレイン酸
グラフトポリプロピレン、エチレン−アクリル酸メチル
共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチ
レン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリ
ル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体等が代
表的なものである。中でも、結晶性のポリエチレン、ポ
リプロピレン、エチレン−プロピレン(ランダム又はブ
ロック)共重合体、エチレン−ヘキセン1共重合体が熱
安定性の点で好ましい。
に限定されるものではないが、具体的にはスチレン、2
−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルス
チレン、ジメチルスチレン、クロロスチレン等の不飽和
芳香族単量体;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビ
ニルエステル類、メチルアクリレート、エチルアクリレ
ート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレ
ート、sec−ブチルアクリレート、ドデシルアクリレ
ート、2−エチルヘキシルアクリレート、ヘキシルアク
リレート、オクチルアクリレート等のアクリル酸エステ
ル類、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、
n−ブチルメタクリレート、sec−ブチルメタクリレ
ート、デシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタ
クリレート、グリシジルメタクリレート等のメタクリル
酸エステル類;アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイ
ン酸、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジ(2−エチル
ヘキシル)等の不飽和有機酸;アクリロニトリル、メタ
クリロニトリル等の不飽和ニトリル類;塩化ビニル、塩
化ビニリデン等の不飽和モノないしジハライド等が挙げ
られる。なかでも、スチレン、メチルメタクリレートが
改質が容易な点で好ましい。上記オレフィン系重合体お
よびビニル単量体をグラフト反応条件に付すに当たって
は、放射線による反応以外は通常ラジカル発生剤を用い
る。
としては、汎用のものを使用することができるが、後に
記載する好ましいグラフト反応方法との関係で、分解温
度が50℃以上であって、かつ油溶性であるものが好ま
しい。ここで「分解温度」とは、ベンゼン1リットル中
にラジカル発生剤0.1モルを添加してある温度で10
時間放置したときにラジカル発生剤の分解率が50%と
なるときの温度である。いわゆる「10時間の半減期を
得るための分解温度」を意味する。この分解温度が低い
ものを用いると、ビニル単量体の重合が異常に進行して
しまうことがあり、均質な改質重合体が得られない欠点
がある。しかし、逆に分解温度が高いものと低いものを
適宜組み合わせて段階的ないし連続的に分解を行わせ、
効率よくグラフト反応させることもできる。
ば2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド(分解温
度53℃)、t−ブチルパーオキシピバレート(分解温
度55℃)、o−メチルベンゾイルパーオキサイド(分
解温度73℃)、ビス−3,5,5−トリメチルヘキサ
ノイルパーオキサイド(分解温度59.5℃)、オクタ
ノイルパーオキサイド(分解温度62℃)、ベンゾイル
パーオキサイド(分解温度74℃)、t−ブチルパーオ
キシ−2−エチルヘキサノエート(分解温度72.5
℃)、シクロヘキサノンパーオキサイド(分解温度97
℃)、2,5−ジメチル−2,5−ジベンゾイルパーオ
キシヘキサン(分解温度100℃)、t−ブチルパーオ
キシベンゾエート(分解温度104℃)、ジ−t−ブチ
ル−ジパーオキシフタレート(分解温度107℃)、メ
チルエチルケトンパーオキサイド(分解温度109
℃)、ジクミルパーオキサイド(分解温度117℃)、
ジ−t−ブチルパーオキサイド(分解温度124℃)等
の有機過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル(分解温
度79℃)、アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリ
ル)(分解温度52℃)等のアゾ化合物等がある。ラジ
カル発生剤の使用量は、用いるビニル単量体の量に対し
て0.01〜10重量%程度の範囲内で、ラジカル発生
剤の種類、反応条件により適宜加減する。使用量がこの
量未満では反応が円滑に進まず、一方、この量超過では
改質PO中にゲルが生成しやすく本発明の効果が発現さ
れ難くなる。
を製造するのであるが、以下に説明する水性懸濁グラフ
ト手法によって製造することがゲル分をコントロールす
ることが容易な点で特に好ましい方法である。すなわ
ち、オレフィン系重合体粒子、ビニル単量体及びラジカ
ル発生剤を含む水性懸濁液を、この開始剤の分解が実質
的に起こらない温度に昇温し、該ビニル単量体を該オレ
フィン系重合体粒子に含浸させた後、この水性懸濁液を
さらに昇温させてビニル単量体の重合を完結させる方法
が好ましく、この方法について説明する。
含浸させる代表的な好ましい方法としては、オレフィン
系重合体粒子の存する水性懸濁液に好ましくはラジカル
発生剤(及び必要に応じてその他の添加剤)が溶存して
いるビニル単量体を加えて撹拌するか、または、ラジカ
ル発生剤が溶存したビニル単量体の水性分散液にオレフ
ィン系重合体粒子を加えて撹拌する方法によって始ま
る。
生剤が実質的に分解しない温度に昇温して、効率よく含
浸が行われるべきであり、一般的には室温から100℃
の範囲、特に60〜90℃で操作するのが好ましい。こ
の工程で、遊離ビニル単量体の量がビニル単量体使用量
の80重量%以下となるようにビニル単量体を含浸させ
る。含浸時間は2〜8時間程度が普通である。
ニル単量体の含量は、水100重量部に対して5〜10
0重量部程度であるのが普通である。このような水性分
散液は単に撹拌を十分に行うだけでも安定に分散状態に
維持することができるが、適当な懸濁安定剤を使用すれ
ばより容易かつ安定に懸濁分散液を調整することができ
る。この場合の懸濁安定剤としては、例えばポリビニル
アルコール、メチルセルロース、ヒドロキシセルロース
等の水溶性高分子;アルキルベンゼンスルホネート等の
ような陰イオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンアル
キルエーテル等の非イオン性界面活性剤;あるいは酸化
マグネシウム、リン酸カルシウム等の水不溶性の無機塩
等が単独あるいは混合して水に対して0.10〜10重
量%程度の量で使用される。オレフィン系重合体粒子に
ビニル単量体(及びラジカル発生剤等)を含浸させる際
に、可塑剤、滑剤、酸化防止剤等の補助材を同時に含浸
させることができる。なお、これらの補助材はオレフィ
ン重合体に既に添加されている場合もあり、またグラフ
ト重合反応後に配合することもできる。
たラジカル発生剤が適当な速度で分解する温度以上に加
熱すれば、含浸されたビニル単量体はグラフト重合して
改質PO粒子が生成する。グラフト重合進行中の水性懸
濁液は、反応中、適当に撹拌することが好ましい。重合
温度は一般的に50〜150℃の範囲で適宜選択すべき
であるが、グラフト重合工程を通じて一定である必要は
ない。重合は2〜10時間程度であるのが普通である。
重合圧力は常圧〜10kg/cm2 程度が普通である。
合体の分子量調節のため、n−ブチルメルカプタン、n
−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン等
の連鎖移動剤を添加することもできる。かかる連鎖移動
剤の使用量はビニル単量体100重量部に対して好まし
くは5重量部以下、特に2重量部以下が好ましい。重合
後、通常のビニル単量体(例えばスチレン)の水性懸濁
重合の後処理と同様の後処理を行えば、使用したオレフ
ィン系重合体粒子の形状がほぼそのまま保持されていて
直ちに成形用材料として使用することができる改質PO
粒子が得られる。
体は、粉末状でもよいが、その後の成形加工時の取扱性
を考慮すると粒子状である方が便利である。すなわち、
粒子寸法は、通常成形材料として用いられる程度のもの
である方が生成される改質POをそのまま成形材料に用
いることができるので好ましく、一般には平均粒径1〜
8mm、好ましくは3〜7mm程度である。なお、その
粒径は改質処理前後でさして変化が認められない。
び(d)成分の合計量を100重量%基準として(a)
エチレン−αオレフィン共重合体樹脂が20〜70重量
%、(b)オレフィン系エラストマーが10〜50重量
%、(c)結晶性プロピレン系重合体樹脂が0〜40重
量%、(d)改質POが5〜60重量%である。オレフ
ィン系樹脂の含量が20重量%未満では成形性の点で不
十分であり、70重量%超過では接着性の点で満足なも
のではない。
10重量%未満では接着性の点で不十分であり、50重
量%超過では成形加工性の点で本発明の目的を達しな
い。また、結晶性プロピレン重合体の含量が40重量%
超過では、剥離性の点で不十分であり、5重量%未満で
は耐熱性の点で好ましくない。一方、改質POの含量が
60重量%未満ではフィルム、シートの取扱いの点で好
ましくなく、上記範囲超過では剥離性制御の点で不十分
である。
他に付加的成分を発明の効果を損なわない範囲の量添加
することができる。付加的成分としては、例えば、上記
成分以外の他の熱可塑性樹脂、ゴム物質、無機フィラ
ー、顔料、可塑剤、各種安定剤(酸化防止剤、帯電防止
剤、光安定剤、アンチブロッキング剤、滑剤)等であ
る。
るが、一般には予めロール、バンバリーミキサー、押出
機等通常の混練機で溶融混練して組成物とした後、成形
に供される。 〔IV〕成形 成形は、射出成形、中空成形、押出成形、圧縮成形等い
ずれの方法も取ることができる。包装用容器の蓋材のヒ
ートシール層とするには、一般に本樹脂組成物と蓋材の
基材樹脂とを共押出成形して積層物とするか、本樹脂組
成物をTダイ成形機等を使用してフィルム成形し、次に
ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド等の蓋材の基
材とドライラミネーションまたはサンドラミネーション
して積層フィルムとする。あるいは基材上に本樹脂組成
物を押出ラミネーションすることにより積層フィルムと
する。そして、使用時に蓋材の本樹脂組成物層側をポリ
プロピレン等を基材樹脂とする容器本体に熱接着させ
る。
剤の第三リン酸カルシウム0.6kg、およびドデシル
ベンゼンスルホン酸ナトリウム0.6gを混入して水性
媒質とし、これに粒径3〜4mmの低密度ポリエチレン
(密度:0.92g/cm3 、MFR:45g/10
分)6kgを加え、撹拌して懸濁させた。
パーオキサイド15.6g、及びベンゾイルパーオキサ
イド9gをスチレンモノマー6kgに溶解し、これを先
の懸濁系に添加し、オートクレーブ内に窒素を導入して
系内を0.5kg/cm2 に加圧した。更にオートクレ
ーブ内を55℃に昇温し、この温度で撹拌しながら5時
間放置して重合開始剤を含むスチレンモノマーを全量低
密度ポリエチレン粒子中に含浸させた。次にこの懸濁液
を65℃に昇温し、この温度で撹拌しながら7時間放置
して重合を行い、更に110℃に昇温して3時間維持し
て重合を完結した。冷却後、内容固形物を取り出して水
洗し、改質低密度ポリエチレン粒子12kgを得た。得
られた改質低密度ポリエチレンのMFRは2.5g/1
0分であった。
ヘキセン−1共重合体樹脂(エクソンケミカル社製「E
XACT4050」(商品名)、密度:0.895g/
cm3 、MFR:3.5g/10分、結晶化度30%)
40重量%、オレフィン系エラストマーとしてエチレン
−ブテン−1共重合体ゴム(三井石油化学(株)社製
“タフマーA4085”密度:0.88g/cm3 、M
FR:6.7g/10分、結晶化度19%)30重量
%、結晶性プロピレン系重合体樹脂としてプロピレン−
エチレン−ブテン−1共重合体(密度:0.90g/c
m3 、MFR:6g/10分、結晶化度40%)15重
量%、上記製造工程で得られた改質低密度ポリエチレン
15重量%を混合し、単軸押出機(L/D=23)を用
い、樹脂温度180℃で溶融混合してペレットとした。
ー社製35mmTダイ成形機を用いて、成形温度230
℃で30μm厚みのフィルムを成形した。本フィルムと
12μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルムを厚
さ20μmのポリエチレンフィルムを介してサンドラミ
ネーションして貼り合わせ、熱可塑性樹脂組成物層/ポ
リエチレン層/ポリエチレンテレフタレート層の3層か
らなる積層フィルムとした。この積層フィルムの熱可塑
性樹脂組成物の層を接着面とし、厚さ300μmのホモ
ポリプロピレンシートと加熱接着した。加熱接着条件
は、熱板式ヒートシーラーを用い、接着面5mm幅、接
着圧力2kg/cm2 、時間1秒、接着温度100〜1
80℃である。剥離強度は、インストロン型引張試験機
を用い、サンプル幅15mm、引張速度300mm/分
で180度剥離強度を23℃で測定した。結果を表−1
に示す。一方、得られたフィルムのブロッキング性の評
価として、Tダイ成形で得られた上記熱可塑性樹脂組成
物フィルムを重ね合わせ、50g/cm2 の荷重をか
け、45℃雰囲気下で24時間放置した後、剥離する強
度を求めた。結果を表−1に示す。
性樹脂組成物につき実施例1と同様にして評価した。実
施例2と実施例3は実施例1における各成分の配合比率
を変えて熱可塑性樹脂組成物を製造した。また、実施例
4は実施例1の改質PO粒子の製造において低密度ポリ
エチレンの代わりに、エチレン−ヘキセン−1共重合体
樹脂(エクソンケミカル社製「EXACT4044」
(商品名)、密度0.895g/cm3 、MFR:16
g/10分)を用い、改質エチレン−ヘキセン−1共重
合体を製造し、他は実施例1と同様にして評価した。結
果を表−1に示す。 〔比較例1〜4〕表−1に示される熱可塑性樹脂組成物
につき実施例1と同様にして評価した。結果を表−1に
示す。
ン基材に対して良好な低温ヒートシール性(120〜1
80℃)を有し、かつフィルム、シート等への良好な成
形加工性を示し、かつ得られたフィルム、シート等が保
存時にブロッキングしない取扱いの優れた性質を有する
ものであり、極めて実用性の優れたものである。
Claims (3)
- 【請求項1】 下記(a)〜(d)成分からなるヒート
シール用樹脂組成物。 (a)密度が0.915g/cm3 以下、かつ結晶化度
が30%以上のエチレン−αオレフィン共重合体樹脂
20〜70重量% (b)結晶化度が30%未満のオレフィン系エラストマ
ー 5〜50重量% (c)結晶性プロピレン系重合体樹脂 5〜40重量% (d)オレフィン系重合体30〜95重量%とビニル単
量体70〜5重量%とをグラフト反応条件下に付して得
られる改質オレフィン系重合体 5〜60重量%。 - 【請求項2】 (a)成分のエチレン−αオレフィン共
重合体樹脂の密度が0.89〜0.91g/cm3 であ
ることを特徴とする請求項1記載のヒートシール用樹脂
組成物。 - 【請求項3】 改質オレフィン系重合体がオレフィン系
重合体粒子、ビニル単量体、およびラジカル発生剤を含
む水性懸濁液を、該ラジカル発生剤の分解が実質的に起
こらない温度に昇温し、該ビニル単量体を前記オレフィ
ン系重合体粒子に含浸させた後、この水性懸濁液をさら
に昇温してグラフト反応を完結させる方法によって得ら
れたものである、請求項1に記載のヒートシール用樹脂
組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24490896A JP3489347B2 (ja) | 1996-09-17 | 1996-09-17 | ヒートシール用樹脂組成物 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP24490896A JP3489347B2 (ja) | 1996-09-17 | 1996-09-17 | ヒートシール用樹脂組成物 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1087908A JPH1087908A (ja) | 1998-04-07 |
JP3489347B2 true JP3489347B2 (ja) | 2004-01-19 |
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JP24490896A Expired - Lifetime JP3489347B2 (ja) | 1996-09-17 | 1996-09-17 | ヒートシール用樹脂組成物 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP3489347B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8173748B1 (en) | 2010-12-17 | 2012-05-08 | Exxonmobil Research And Engineering Company | Heat-seal resin and package formed therefrom |
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JP5998002B2 (ja) * | 2012-10-04 | 2016-09-28 | 三菱樹脂株式会社 | 高周波溶着性シート |
KR102201309B1 (ko) * | 2017-11-24 | 2021-01-11 | 주식회사 엘지화학 | 수지 조성물 |
-
1996
- 1996-09-17 JP JP24490896A patent/JP3489347B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US8173748B1 (en) | 2010-12-17 | 2012-05-08 | Exxonmobil Research And Engineering Company | Heat-seal resin and package formed therefrom |
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JPH1087908A (ja) | 1998-04-07 |
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