JP3343438B2 - オレフィン系熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents
オレフィン系熱可塑性樹脂組成物Info
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Description
接着性、特に低温時の接着性に優れたオレフィン系熱可
塑性樹脂組成物に関し、詳しくは熱可塑性樹脂の容器、
シート等に加熱接着し、その後剥離する際に容器、シー
ト基材から容易に剥離可能なオレフィン系熱可塑性樹脂
組成物に関する。
のポリオレフィン、塩化ビニル、ポリスチレン、熱可塑
性ポリエステル等の熱可塑性樹脂は外観、機械的強度、
成形性、包装作業性、経済性等に優れ各種包装容器に広
く用いられている。これらの包装容器は、乳製品、菓
子、豆腐、清涼飲料等の食品を充填し、これを熱封着し
た包装容器が主流となっており、これら包装容器に対す
る要求が多様化するにしたがい、内容物の保護性だけで
なく、使用時に容易に開封が可能であることが求められ
ている。従来、これら容器の熱封着材料としてはホット
メルト接着剤や溶液型接着剤をコートしたものが用いら
れているが、これらは開封後にシール剤が容器側に付着
し食品衛生上問題があった。また、包装容器と同一の基
材を用いた場合は、完全に封着の状態となり、内容物保
護性は十分であるが、開封が困難となり実用的には不十
分である。
物の保護性と易開封性を兼ね備えた材料が種々提案され
ている。例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体および
粘着付与剤からなる組成物が一般的に知られている(例
えば、特公昭52-50052号、特開昭58-47038号、特開昭60
-47053号公報参照)。しかしながら、内容物保護性の点
から容器との接着強度を満足するには、比較的高い酢酸
ビニル含量のエチレン−酢酸ビニル共重合体、またはよ
り多量の粘着付与剤を必要とする。こうした、酢酸ビニ
ルおよび粘着付与剤の多量の使用は、フィルム成形性お
よび成形後のフィルムのブロッキング等の問題を有して
おり、また、エチレン−酢酸ビニル共重合体は融点が低
く、耐熱性に乏しいことから常温近傍で使用される包装
容器には使用できるが、ボイル等の加熱処理が必要な包
装容器には適さず、実用上不十分なものであった。
る方法として、ポリオレフィン樹脂、スチレン系樹脂、
およびビニル芳香族炭化水素と共役ジエンとのブロック
共重合体からなる組成物も知られている(特開昭56-509
43号公報参照)。この組成物は、接着力を発現するため
にはスチレン系樹脂を20重量部以上必要とし、また、
該組成物をヒートシール層として用いた場合は、基材で
あるスチレン系樹脂と完全に封着の状態となり、開封が
困難で易開封性という点では実用上不十分である。
ブタジエン共重合体、低分子量ポリスチレンおよび粘着
付与性樹脂からなる接着剤組成物が知られている(特開
平6-104978号参照)。しかし、この組成物においては、
フィルム化及び接着力発現に際して特定範囲の分子量を
有する低分子量ポリスチレンを用いる必要がある。
良することを目的として検討を重ねた結果、オレフィン
系樹脂、オレフィン系エラストマー、スチレン系エラス
トマー、改質オレフィン系重合体および粘着付与剤を含
有するオレフィン系樹脂組成物が、上記欠点をすべて改
良できることを見出し、本発明を完成するに至った。即
ち本発明は、(a)オレフィン系樹脂 20〜70重量%、
(b)オレフィン系エラストマー 10〜50重量%、(c)
スチレン系エラストマー 10〜50重量部(d)オレフ
ィン系重合体30〜95重量%とビニル単量体70〜5
重量%とをグラフト反応条件に付して得られる改質オレ
フィン系重合体 5〜40重量%、および(e)粘着付与
剤 5〜30重量%を含有することを特徴とする熱可塑
性樹脂組成物である。
レン、耐衝撃性ポリスチレン、発泡ポリスチレン、アク
リロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体等のスチ
レン系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレ
ンテレフタレート等の熱可塑性ポリエステル;ポリ塩化
ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のハロゲン含有樹脂;ポ
リカーボネート等の各種包装容器等に使用される基材に
対して良好なヒートシール性、接着性を有し且つ低温雰
囲気下においても接着強度が低下しない性質を有し、フ
ィルム、シート等への良好な成形加工性および得られた
フィルム、シート等が保存時にブロッキングしない取扱
いの優れた性質を有するものである。
ィン系樹脂としては、エチレン、プロピレン、1−ブテ
ン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ブテン、4−メチ
ル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン等炭素
数2〜12、好ましくは2〜8程度のオレフィンの単独
重合体または2種以上の共重合体、ないしはこれらオレ
フィンと非共役ジエン、ビニルエステル、不飽和有機酸
またはその誘導体、ビニル有機シラン等とからなる共重
合体などを挙げることができる。共重合体はランダム、
ブロックあるいはグラフトといずれのどの様な結合様式
のものでも構わない。これらのオレフィン系樹脂は、2
種以上を混合して用いることもできる。
高、中、低密度および直鎖状低密度ポリエチレン、ポリ
プロピレン、エチレン−プロピレン共重合体(ランダ
ム、ブロック)、プロピレン−ブテン−1ランダム共重
合体、プロピレン−エチレン−ブテン−1ランダム共重
合体、プロピレンと炭素数5〜12のα−オレフィンと
場合によりエチレンまたはブテン−1とからなる共重合
体、エチレン−非共役ジエン共重合体、プロピレン−非
共役ジエン共重合体、エチレン−プロピレン−非共役ジ
エン共重合体(非共役ジエンの具体例としては、ジシク
ロペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、5−メチル−
1,4−ヘキサジエン、7−メチル−1,6−オクタジ
エン、1,8−ノナジエン、1,9−デカジエン等が挙
げられる。)、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレ
ン−ビニルトリメトキシシラン共重合体、無水マレイン
酸グラフトポリエチレン、無水マレイン酸グラフトポリ
プロピレン、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エ
チレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタク
リル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合
体、エチレン−メタクリル酸共重合体等が代表的なもの
である。これらオレフィン系樹脂のMFRは、通常0.
1〜30g/10分、好ましくは0.5〜20g/10
分である。中でも、ポリエチレン、ポリプロピレン、エ
チレン−プロピレン共重合体がフィルム成形性、耐熱性
等の観点から好ましい。
成分] 本発明の熱可塑性樹脂組成物の一成分を構成するオレフ
ィン系エラストマーとしては、エチレン、プロピレン、
1−ブテン、1−ヘキセン等のα−オレフィン相互の共
重合体、あるいはこれらと非共役ジエンとの共重合体、
あるいは1−ヘキセン等の高級α−オレフィンの単独重
合体であって、エラストマー状の重合体である。これら
オレフィン系エラストマーの中ではエチレン系エラスト
マーが品質、安定性および臭気の点で特に好ましい。こ
れらエラストマーの具体例を挙げると、エチレン−プロ
ピレン共重合ゴム、エチレン−1−ブテン共重合ゴム、
エチレン−プロピレン−1−ブテン共重合ゴム、エチレ
ン−プロピレン−非共役ジエン共重合ゴム、エチレン−
1−ブテン−非共役ジエン共重合ゴム、エチレン−プロ
ピレン−1−ブテン−非共役ジエン共重合ゴム(非共役
ジエンの具体例としては、ジシクロペンタジエン、1,
4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエ
ン、7−メチル−1,6−オクタジエン、1,9−デカ
ジエン等がである)が挙げられる。中でも、エチレン−
プロピレン共重合ゴム、エチレン−1−ブテン共重合ゴ
ムが好ましい。
分] 本発明の熱可塑性樹脂組成物の一成分を構成するスチレ
ン系エラストマーとしては、スチレン、α−メチルスチ
レン等のスチレン系化合物と、1,3−ブタジエン、イ
ソプレン等の共役ジエンとのエラストマー状ランダムま
たはブロック共重合体およびこれら共重合体の水素添加
物である。これらスチレン系エラストマーの中では、ス
チレン化合物と共役ジエンのブロック共重合体が好まし
い。これら共重合体の平均分子量は10,000〜1,
000,000、好ましくは20,000〜200,0
00であるものが好ましい。
しては、スチレン・ブタジエンランダム共重合体、スチ
レン・イソプレンランダム共重合体、スチレン・ブタジ
エン・スチレントリブロック共重合体、スチレン・イソ
プレン・スチレントリブロック共重合体、ポリスチレン
ブロックが末端であるスチレン・イソプレンラジアルブ
ロック共重合体、スチレン・ブタジエンマルチブロック
共重合体、スチレン・イソプレンマルチブロック共重合
体等のスチレン・共役ジエンブロック共重合体、および
これらを水素添加した生成物を挙げることができる。こ
れらの中で好ましいものは、水素添加されたスチレン・
共役ジエンブロック共重合体であり、組成物の溶融押出
時に架橋反応によるゲルの生成がなく、フィルムの外観
が非常に良好である
分] 本発明の熱可塑性樹脂組成物の一成分を構成する改質オ
レフィン系重合体は、オレフィン系重合体にビニル単量
体をグラフト反応条件に付して得られる改質重合体であ
る。このような改質オレフィン系重合体(以下「改質P
O」と称す)は下記の方法によって製造されたものであ
ることが好適である。
1−ブテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ブテン、
4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテ
ン等炭素数2〜12、好ましくは2〜8程度のオレフィ
ンの単独重合体または2種以上の共重合体、ないしはこ
れらオレフィンと非共役ジエン、ビニルエステル、不飽
和有機酸またはその誘導体、ビニル有機シラン等とから
なる共重合体などを挙げることができる。共重合体はラ
ンダム、ブロックあるいはグラフトといずれのどの様な
結合様式のものでもよく、樹脂状、あるいはエラストマ
ー状のものであっても構わない。これらのオレフィン系
重合体は、2種以上を混合して用いることもできる。
高、中、低密度および直鎖状低密度ポリエチレン、ポリ
プロピレン、エチレン−プロピレン共重合体(ランダ
ム、ブロック)、プロピレン−ブテン−1ランダム共重
合体、プロピレン−エチレン−ブテン−1ランダム共重
合体、プロピレンと炭素数5〜12のα−オレフィンと
場合によりエチレンまたはブテン−1とからなる共重合
体、エチレン−非共役ジエン共重合体、プロピレン−非
共役ジエン共重合体、エチレン−プロピレン−非共役ジ
エン共重合体(非共役ジエンの具体例としては、ジシク
ロペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、5−メチル−
1,4−ヘキサジエン、7−メチル−1,6−オクタジ
エン、1,9−デカジエン等が挙げられる。)、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルトリメトキ
シシラン共重合体、無水マレイン酸グラフトポリエチレ
ン、無水マレイン酸グラフトポリプロピレン、エチレン
−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エ
チル共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合
体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタク
リル酸共重合体等が代表的なものである。中でも、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重
合体が熱安定性の点で好ましい。
に限定されるものではないが、具体的には、スチレン、
2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチル
スチレン、ジメチルスチレン、クロロスチレン等の不飽
和芳香族単量体;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等の
ビニルエステル類;メチルアクリレート、エチルアクリ
レート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリ
レート、sec−ブチルアクリレート、ドデシルアクリ
レート、2−エチルヘキシルアクリレート、ヘキシルア
クリレート、オクチルアクリレート等のアクリル酸エス
テル類;メチルメタクリレート、エチルメタクリレー
ト、n−ブチルメタクリレート、sec−ブチルメタク
リレート、デシルメタクリレート、2−エチルヘキシル
メタクリレート、グリシジルメタクリレート等のメタク
リル酸エステル類;アクリル酸、メタクリル酸、無水マ
レイン酸、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジ(2−エ
チルヘキシル)等の不飽和有機酸;アクリロニトリル、
メタクリロニトリル等の不飽和ニトリル類;塩化ビニ
ル、塩化ビニリデン等の不飽和モノないしジハライド等
が挙げられる。中でも、スチレン、メチルメタクリレー
トが改質が容易な点で好ましい。
体は、30〜95重量%、好ましくは40〜70重量%
と70〜5重量%、好ましくは60〜30重量%の割合
で、グラフト反応条件に付されるが、放射線による反応
以外は通常ラジカル発生剤を用いる。
としては、汎用のものを使用することができるが、後に
記載する好ましいグラフト反応方法との関係で、分解温
度が50℃以上であって、かつ油溶性であるものが好ま
しい。ここで「分解温度」とは、ベンゼン1リットル中
にラジカル発生剤0.1モルを添加してある温度で10
時間放置したときにラジカル発生剤の分解率が50%と
なるときの温度である。いわゆる「10時間の半減期を
得るための分解温度」を意味する。この分解温度が低い
ものを用いると、ビニル単量体の重合が異常に進行して
しまうことがあり、均質な改質重合体が得られない欠点
がある。しかし、逆に分解温度が高いものと低いものを
適宜組み合わせて段階的ないし連続的に分解を行わせ、
効率よくグラフト反応させることもできる。
ば2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、t−ブ
チルパーオキシピバレート、o−メチルベンゾイルパー
オキサイド、ビス−3,5,5−トリメチルヘキサノイ
ルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ベン
ゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エ
チルヘキサノエート、シクロヘキサノンパーオキサイ
ド、2,5−ジメチル−2,5−ジベンゾイルパーオキ
シヘキサン、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−
t−ブチル−ジパーオキシフタレート、メチルエチルケ
トンパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ−t
−ブチルパーオキサイド等の有機過酸化物;アゾビスイ
ソブチロニトリル、アゾビス(2,4−ジメチルバレロ
ニトリル)等のアゾ化合物がある。ラジカル発生剤の使
用量は、用いるビニル単量体の量に対して0.01〜1
0重量%程度の範囲内で、ラジカル発生剤の種類、反応
条件により適宜加減する。使用量がこの量未満では反応
が円滑に進まず、一方、この量超過では改質PO中にゲ
ルが生成しやすく本発明の効果が発現され難くなる。
を製造するのであるが、以下に説明する水性懸濁グラフ
ト手法によって製造することがゲル分をコントロールす
ることが容易な点で特に好ましい方法である。すなわ
ち、オレフィン系重合体粒子、ビニル単量体およびラジ
カル発生剤を含む水性懸濁液を、この開始剤の分解が実
質的に起こらない温度に昇温し、該ビニル単量体を該オ
レフィン系重合体粒子に含浸させた後、この水性懸濁液
をさらに昇温させてビニル単量体の重合を完結させる方
法が好ましく、この方法について説明する。
含浸させる代表的な好ましい方法としては、オレフィン
系重合体粒子の水性懸濁液に好ましくはラジカル発生剤
(および必要に応じてその他の添加剤)が溶存している
ビニル単量体を加えて撹拌するか、または、ラジカル発
生剤が溶存したビニル単量体の水性分散液にオレフィン
系重合体粒子を加えて撹拌する方法によって始まる。含
浸工程では、工業的には上記ラジカル発生剤が実質的に
分解しない温度に昇温して、効率よく含浸が行われるべ
きであり、一般的には室温から100℃、特に60〜9
0℃で操作するのが好ましい。この工程で、遊離ビニル
単量体の量がビニル単量体使用量の80重量%以下とな
るようにビニル単量体を含浸させる。オレフィン系重合
体はビニル単量体と比較的相溶性があるので、重合開始
前に80重量%以下のビニル単量体が遊離していても重
合中にこれらビニル単量体はオレフィン系重合体粒子に
含浸するので、これらビニル単量体を重合して得られる
重合体粒子が改質されたオレフィン系重合体粒子と独立
して析出することはない。含浸時間は2〜8時間程度が
普通である。水性分散液中のオレフィン系重合体および
ビニル単量体の含量は、水100重量部に対して5〜1
00重量部程度であるのが普通である。
行うだけでも安定に分散状態に維持することができる
が、適当な懸濁安定剤を使用すればより容易かつ安定に
懸濁分散液を調整することができる。この場合の懸濁安
定剤としては、例えばポリビニルアルコール、メチルセ
ルロース、ヒドロキシセルロース等の水溶性高分子;ア
ルキルベンゼンスルホネート等のような陰イオン性界面
活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル等の非イ
オン性界面活性剤;あるいは酸化マグネシウム、リン酸
カルシウム等の水不溶性の無機塩等が単独あるいは混合
して水に対して0.01〜10重量%程度の量で使用さ
れる。オレフィン系重合体粒子にビニル単量体(および
ラジカル発生剤等)を含浸させる際に、可塑剤、滑剤、
酸化防止剤等の補助資材を同時に含浸させることができ
る(これらの補助資材はオレフィン重合体に既に添加さ
れている場合もあり、またグラフト重合反応後に配合す
ることもできる)。
たラジカル発生剤が適当な速度で分解する温度以上にす
れば、含浸されたビニル単量体はグラフト重合して改質
PO粒子が生成する。グラフト重合進行中の水性懸濁液
は、適当に撹拌することが好ましい。重合温度は一般的
に50〜150℃の範囲で適宜選択すべきであるが、グ
ラフト重合工程を通じて一定である必要はない。重合は
2〜10時間程度であるのが普通である。重合圧力は常
圧〜10kg/cm2程度が普通である。また、ビニル単量
体の重合の結果生じる重合体の分子量調節のため、n−
ブチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−
ドデシルメルカプタン等の連鎖移動剤を添加するとよ
い。重合後、通常のビニル単量体(例えばスチレン)の
水性懸濁重合の後処理と同様の後処理を行えば、使用し
たオレフィン系重合体粒子の形状がほぼそのまま保持さ
れていて直ちに成形用材料として使用することができる
改質PO粒子が得られる。従って、改質前に用いるオレ
フィン系重合体は、粉末状でもよいが、その後の成形加
工時のハンドリングを考慮すると粒子状である方が便利
である。すなわち、粒子寸法は、通常成形材料として用
いられる程度のものである方が生成される改質POをそ
のまま成形材料に用いることができるので好ましく、一
般には平均粒径1〜8mm、好ましくは3〜7mm程度
である。その寸法は改質処理前後でさして変化が認めら
れない。
法)が80〜180℃である脂肪族、脂環族あるいは芳
香族の高分子低重合体であり、具体例を挙げるとロジ
ン、ロジンエステル、水添ロジン、重合ロジン等のロジ
ン系樹脂;α−ピネン重合体、β−ピネン重合体、ジペ
ンテン重合体、テルペン−フェノール重合体等のテルペ
ン系樹脂;C5〜C9の石油樹脂およびそれらの水素添
加物が挙げられる。これらの粘着付与剤は2種以上を混
合して用いることもできる。中でも、色相、臭気の点で
脂環族高分子低重合物が好ましく、具体的には石油樹脂
の水素添加物が好ましい。これら粘着付与剤の軟化点
(環球法)は、一般的には80〜180℃、好ましくは
100〜170℃、より好ましくは120〜160℃、
最も好ましくは130〜150℃であるものを用いるこ
とができる。しかし、用途によっては低軟化点のものと
高軟化点のものを混合して用いることも有効である。
ィン系樹脂 20〜70重量%、好ましくは25〜60
重量%、(b)オレフィン系エラストマー 10〜50
重量%、好ましくは15〜40重量%、(c)スチレン
系エラストマー10〜50重量%、好ましくは15〜4
0重量%、(d)改質PO 5〜40重量%、好ましく
は10〜25重量%、および(d)粘着付与剤 5〜3
0重量%、好ましくは10〜20重量%である。オレフ
ィン系樹脂の含量が上記未満では成形性の点で不十分で
あり、上記超過では接着性の点で満足なものではない。
また、オレフィン系エラストマーおよびスチレン系エラ
ストマーの含量が上記未満では常温および低温時の接着
性の点で不十分であり、上記範囲超過では成形加工性の
点で本発明の目的を達しない。一方、改質POの含量が
上記未満ではフィルム、シートの取扱いの点で好ましく
なく、上記範囲超過では剥離性制御の点で不十分であ
る。更に、粘着付与剤の量が上記未満では接着力発現の
点で不十分であり、上記範囲超過ではフィルム、シート
の取扱いの点で好ましくない。
他に付加的成分を発明の効果を損なわない範囲の量添加
することができる。付加的成分としては、例えば、他の
熱可塑性樹脂、ゴム物質、無機フィラー、顔料、可塑
剤、各種安定剤(酸化防止剤、帯電防止剤、光安定剤、
アンチブロッキング剤、滑剤)等である。
るが、一般には予めロール、バンバリーミキサー、押出
機等通常の混練機で混練して組成物とした後成形に供さ
れる。成形は、射出成形、中空成形、押出成形、圧縮成
形等いずれの方法も取ることができる。
剤の第三リン酸カルシウム0.6kg、およびドデシル
ベンゼンスルホン酸ナトリウム0.6gを混入して水性
媒質とし、これに粒径3〜4mmの低密度ポリエチレン
(密度:0.92g/cm3、MFR:45g/10分)6k
gを加え、撹拌して懸濁させた。別に3,5,5−トリ
メチルヘキサノイルパーオキサイド15.6g、および
ベイゾイルパーオキサイド9gをスチレンモノマー6k
gに溶解し、これを先の懸濁系に添加し、オートクレー
ブ内に窒素を導入して系内を0.5kg/cm2に加圧し
た。更にオートクレーブ内を55℃に昇温し、この温度
で撹拌しながら5時間放置して重合開始剤を含むスチレ
ンモノマーを全量低密度ポリエチレン粒子中に含浸させ
た。次にこの懸濁液を65℃に昇温し、この温度で撹拌
しながら7時間放置して重合を行い、更に110℃に昇
温して3時間維持して重合を完結した。冷却後、内容固
形物を取り出して水洗し、改質低密度ポリエチレン粒子
12kgを得た。得られた改質低密度ポリエチレンのM
FRは2.5g/10分であった。
D LM31”;密度0.92g/cm3,MFR 8g/1
0分)30重量%、エチレン−ブテン−1共重合体ゴム
(三井石油化学社製“タフマー A4085”;密度
0.88g/cm3,MFR 6.7g/10分)20重量
%、水素添加されたスチレン・ブタジエン・スチレンブ
ロック共重合体ゴム(旭化成社製“タフテック H10
51”;密度0.93g/cm3,MFR 1.0g/10
分)20重量%、上記製造工程で得られた改質低密度ポ
リエチレン15重量%、粘着付与剤として脂環族飽和炭
化水素樹脂(荒川化学工業社製“アルコン P−14
0”;環球法軟化点140℃)15重量%を混合し、単
軸押出機(L/D=23)を用い、樹脂温度180℃で
溶融混合してペレットとした。
ー社製35mmTダイ成形機を用いて、成形温度230
℃で30μ厚みのフィルムを成形した。本フィルムと9
μ厚のアルミニウム箔とを接着剤(東洋モートン社製
“AD−503”)で貼り合わせて積層フィルムとし
た。この積層フィルムの熱可塑性樹脂組成物の層を接着
面とし、各種基材と加熱接着した。加熱接着条件は、熱
板式ヒートシーラーを用い、接着面5mm幅、接着圧力
2kg/cm2、時間1秒、接着温度180℃である。剥離
強度は、ショッパー型引張試験機を用い、サンプル幅1
5mm、引張速度300mm/分で180度剥離強度を
23℃および−30℃で測定した。結果を表−1に示
す。一方、得られたフィルムのブロッキング性の評価と
して、Tダイ成形で得られたフィルムを重ね合わせ、5
0g/cm2の荷重をかけ、45℃雰囲気で24時間放置し
た後、剥離する強度を求めた。結果を表−1に示す。
1と同様に調製し、評価した。結果を表−1に示す。
1と同様に調製し、評価した。結果を表−1に示す。
(三菱油化社製“三菱ポリエチ LDLM31”密度
0.92g/cm3,MFR 8g/10分) *2) EPR−1:エチレン−ブテン−1共重合体ゴ
ム(三井石油化学社製“タフマー A4085”密度
0.88g/cm3,MFR 6.7g/10分) *3) EPR−2:エチレン−プロピレン共重合体ゴ
ム(日本合成ゴム社製“EP01Y”;密度 0.86g
/cm3,MFR 3.6g/10分) *4) SEBS−1:水素添加されたスチレン・ブタ
ジエン・スチレンブロック共重合体ゴム(旭化成社製
“タフテック H1051”;密度 0.93g/cm3,M
FR 1.0g/10分) *5) SEBS−2:水素添加されたスチレン・ブタ
ジエン・スチレンブロック共重合体ゴム(旭化成社製
“タフテック H1052”;密度 0.89g/cm3,M
FR 12.0g/10分) *6) SBS:スチレン・ブタジエン・スチレンブロ
ック共重合体ゴム(日本合成ゴム社製“TR200
0”;密度0.96g/cm3,MFR3.0g/10分) *7) P−140:脂環族飽和炭化水素樹脂(荒川化
学社“アルコンP−140”;環球法軟化点140℃) *8) 電気化学社製“デンカスチロール HI−G-
2” *9) 三菱瓦斯化学社製“ユーピロン E−200” *10) 三菱レイヨン社製“ダイヤナイト PA500
X” *11) 三菱化成社製“ビニカコンパウンド D−12
6” *12) 剥離状態 ○:剥離強度300g/10cm2未満、×:
剥離強度300g/10cm2 以上
ン系樹脂、熱可塑性ポリエステル、ハロゲン含有樹脂、
ポリカーボネート等の各種包装容器等に使用される基材
に対して良好なヒートシール性、接着性を有し、且つ低
温雰囲気下においても接着強度が低下しない特徴を有
し、フィルム、シート等への良好な成形加工性を示し、
さらに得られたフィルム、シート等が保存時にブロッキ
ングしない取扱いの優れた性質を有するものであり、極
めて実用性の優れたものである。
Claims (2)
- 【請求項1】 (a)オレフィン系樹脂 20〜70重量
%、(b)オレフィン系エラストマー 10〜50重量%、
(c)スチレン系エラストマー 10〜50重量%、(d)オ
レフィン系重合体30〜95重量%とビニル単量体70
〜5重量%とをグラフト反応条件に付して得られる改質
オレフィン系重合体 5〜40重量%、および(e)粘着
付与剤 5〜30重量%を含有することを特徴とするオ
レフィン系熱可塑性樹脂組成物。 - 【請求項2】 前記改質オレフィン系重合体(d)が、オ
レフィン系重合体粒子、ビニル単量体およびラジカル発
生剤を含む水性懸濁液を、該ラジカル発生剤の分解が実
質的に起こらない温度に昇温し、該ビニル単量体を前記
オレフィン系重合体粒子に含浸させた後、この水性懸濁
液をさらに昇温してグラフト反応を完結させる方法によ
って得られたものである、請求項1に記載のオレフィン
系熱可塑性樹脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10264894A JP3343438B2 (ja) | 1994-05-17 | 1994-05-17 | オレフィン系熱可塑性樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10264894A JP3343438B2 (ja) | 1994-05-17 | 1994-05-17 | オレフィン系熱可塑性樹脂組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07309980A JPH07309980A (ja) | 1995-11-28 |
JP3343438B2 true JP3343438B2 (ja) | 2002-11-11 |
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ID=14333068
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10264894A Expired - Lifetime JP3343438B2 (ja) | 1994-05-17 | 1994-05-17 | オレフィン系熱可塑性樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3343438B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4618824B2 (ja) * | 1998-12-22 | 2011-01-26 | 三井化学東セロ株式会社 | 積層容器およびその製造方法 |
JP4758550B2 (ja) * | 2001-01-25 | 2011-08-31 | 五洋紙工株式会社 | 耐水・防湿紙並びにその製造方法 |
JP5419607B2 (ja) * | 2009-09-15 | 2014-02-19 | 三井・デュポンポリケミカル株式会社 | シーラント材、カバーテープ、及び電子部品搬送用包装体 |
-
1994
- 1994-05-17 JP JP10264894A patent/JP3343438B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
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JPH07309980A (ja) | 1995-11-28 |
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