JPH11100483A - 易開封性シーラント用樹脂フィルム - Google Patents

易開封性シーラント用樹脂フィルム

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JPH11100483A
JPH11100483A JP26333497A JP26333497A JPH11100483A JP H11100483 A JPH11100483 A JP H11100483A JP 26333497 A JP26333497 A JP 26333497A JP 26333497 A JP26333497 A JP 26333497A JP H11100483 A JPH11100483 A JP H11100483A
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resin
propylene
vinyl monomer
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film
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JP26333497A
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Hiroyuki Sato
裕之 佐藤
Hiroyuki Nakayama
弘之 中山
Yoshinobu Yada
義信 矢田
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Mitsubishi Chemical Corp
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Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 包装容器または包装袋等に熱封着して、その
充分な封着力による内容物保護性を有すると共に、開封
時の開封が容易な易開封性シーラント用樹脂フィルム、
特に、被熱封着部表面がプロピレン系樹脂により形成さ
れた包装容器または包装袋等に対するシーラント用に好
適な易開封性シーラント用樹脂フィルムを提供する。 【解決手段】 プロピレン系樹脂40〜70重量%とビ
ニル単量体60〜30重量%をグラフト反応条件に付し
て得られた改質プロピレン系樹脂と必要により配合され
る他の熱可塑性樹脂からなる樹脂組成物であって、該ビ
ニル単量体の重合体を30〜60重量%含有する樹脂組
成物からなる易開封性シーラント用樹脂フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、包装容器または包
装袋等に熱封着し、開封時の開封が容易な易開封性シー
ラント用樹脂フィルムに関し、特に、被熱封着部表面が
プロピレン系樹脂により形成された包装容器または包装
袋等に対するシーラント用に好適な易開封性シーラント
用樹脂フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、樹脂容器本体を樹脂フィルム
状蓋材で熱封着して包装するシールパック包装が、乳製
品、菓子、果汁飲料等の主に飲食品の包装に盛んに用い
られており、樹脂包装袋と共に重要な地位を占めるに到
っている。それらのシーラントとしては、従来より溶液
型接着剤やホットメルト接着剤が用いられているが、こ
れらは、開封時にシーラントが延性破壊を起こして糸状
物を形成するため、開封が必ずしも容易ではなかった
り、剥離面の外観が良くない等の易開封性に欠けるとい
う問題や、また、耐熱性不足のために、高温下で剥離し
てしまう等の封着性に欠けるという問題があった。
【0003】こうした問題を改良すべく、近年、易開封
性と封着性を兼ね備えた材料が、種々提案され、用いら
れている。例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体に粘
着付与剤を配合した組成物があり、また、本出願人によ
る、オレフィン重合体を芳香族ビニル単量体で改質した
改質樹脂を主成分とする材料(特公平1−42967号
公報参照)等がある。しかしながら、これらのシーラン
トも、プロピレン系樹脂からなる包装容器または包装袋
等に、内容物を充填し、ボイル等の加熱処理を施すよう
な、内圧がかかる条件での包装形態の場合には、封着力
不足により、その処理時に内容物が噴き出てしまうとい
う問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、易開封性シ
ーラント用樹脂フィルムにおける前述の従来技術に鑑み
てなされたものであって、従って、包装容器または包装
袋等に熱封着して、その充分な封着力を有すると共に、
開封時の開封が容易な易開封性シーラント用樹脂フィル
ム、特に、被熱封着部表面がプロピレン系樹脂により形
成された包装容器または包装袋等に対するシーラント用
に好適な易開封性シーラント用樹脂フィルムを提供する
ことを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明等は、前述の課題
を解決すべく鋭意検討した結果、特定の組成を有する改
質プロピレン系樹脂含有樹脂組成物を用いることにより
目的を達成できることを見出し、本発明を完成したもの
で、即ち、本発明は、プロピレン系樹脂40〜70重量
%とビニル単量体60〜30重量%をグラフト反応条件
に付して得られた改質プロピレン系樹脂と必要により配
合される他の熱可塑性樹脂からなる樹脂組成物であっ
て、該ビニル単量体の重合体を30〜60重量%含有す
る樹脂組成物からなる易開封性シーラント用樹脂フィル
ムを要旨とする。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明において、改質プロピレン
系樹脂に用いられるプロピレン系樹脂としては、プロピ
レン単独重合体、プロピレンと、エチレン、1−ブテ
ン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテ
ン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン等の炭
素数2〜12、好ましくは2〜8程度のα−オレフィ
ン、非共役ジエン、ビニルエステル、不飽和カルボン酸
またはその誘導体、ビニル有機シラン等のエチレン性不
飽和単量体、とのランダム、ブロック、あるいはグラフ
ト共重合体等を挙げることができる。これらのプロピレ
ン系樹脂の具体例を挙げれば、ホモポリプロピレン、プ
ロピレン−エチレンランダムまたはブロック共重合体、
プロピレン−1−ブテンランダム共重合体、プロピレン
−1−ブテン−エチレンランダム共重合体、無水マレイ
ン酸グラフトポリプロピレン、ビニルトリメトキシシラ
ングラフトポリプロピレン等が代表的なものであり、中
でも、ホモポリプロピレン、プロピレン−エチレンラン
ダムまたはブロック共重合体がフィルム形成性、耐熱性
等の点で好ましい。なお、本発明において、これらのプ
ロピレン系樹脂の2種以上の併用や、プロピレン系樹脂
の性質を損なわない範囲での他重合体の混合も可能であ
る。
【0007】また、改質プロピレン系樹脂に用いられる
ビニル単量体としては、スチレン、α−メチルスチレ
ン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メ
チルスチレン、ジメチルスチレン、クロロスチレン等の
芳香族ビニル化合物類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニ
ル等のビニルエステル類、メチルアクリレート、エチル
アクリレート、i−プロピルアクリレート、n−ブチル
アクリレート、sec−ブチルアクリレート、ヘキシル
アクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、オク
チルアクリレート、ドデシルアクリレート等のアクリル
酸エステル類、メチルメタクリレート、エチルメタクリ
レート、n−ブチルメタクリレート、sec−ブチルメ
タクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、デ
シルメタクリレート、グリシジルメタクリレート等のメ
タアクリル酸エステル類、アクリル酸、メタクリル酸、
無水マレイン酸、ジメチルマレエート、ジ(2−エチル
ヘキシル)マレエート等の不飽和カルボン酸またはその
誘導体類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の
不飽和ニトリル類、塩化ビニル、塩化ビニリデン等の不
飽和モノまたはジハライド類等を挙げることができ、中
でも、スチレン、メチルメタクリレートが改質が容易な
点で好ましい。なお、本発明において、これらのビニル
単量体の2種以上の併用も可能である。
【0008】本発明における改質プロピレン系樹脂は、
前記プロピレン系樹脂40〜70重量%、好ましくは4
5〜65重量%と、前記ビニル単量体60〜30重量
%、好ましくは55〜35重量%をグラフト反応条件に
付して得られたものであり、ビニル単量体がこの範囲未
満では、樹脂組成物としてシーラントに用いたときの封
着力が強過ぎて開封が困難となり、一方、この範囲超過
では、フィルムの均質性が損なわれ実用に供し得ない。
【0009】ここで、グラフト反応条件としては、基本
的には、従来公知の溶融混練下、溶液下、水性懸濁下等
での、電子線照射あるいはラジカル発生剤添加等による
方法を採り得るが、本発明においては、ラジカル発生剤
添加での水性懸濁法によるのが好ましい。ラジカル発生
剤添加での水性懸濁法について、具体的に述べれば、ラ
ジカル発生剤としては、分解温度が50℃以上であっ
て、油溶性であるものが好ましい。分解温度が50℃未
満のものでは、ビニル単量体の重合が異常に進行して均
質な改質樹脂が得られにくい傾向となる。なお、ここ
で、分解温度とは、ベンゼン1リットル中にラジカル発
生剤0.1モルを添加して10時間放置したときにラジ
カル発生剤の50%が分解するときの放置温度である。
【0010】本発明において、このラジカル発生剤とし
ては、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオ
キサイド、t−ブチルベンゾイルパーオキサイド、ビス
−3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイ
ド、オクタノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキ
サイド、o−メチルベンゾイルパーオキサイド、2,4
−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパー
オキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオ
キシピバレート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、
ジ−t−ブチル−ジパーオキシフタレート、2,5−ジ
メチル−2,5−ジベンゾイルパーオシヘキサン、メチ
ルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパー
オキサイド等の有機過酸化物、アゾビスイソブチロニト
リル、アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等
のアゾ化合物等が挙げられる。なお、本発明において、
これらのラジカル発生剤の2種以上の併用も可能であ
る。前記ラジカル発生剤の添加量は、前記ビニル単量体
の使用量100重量部に対して0.01〜10重量部程
度であり、この範囲より少ないと反応が円滑に進まず、
この範囲より多いと改質樹脂中にゲルが発生し易くなる
傾向となる。
【0011】本発明において好適な水性懸濁グラフト反
応条件としては、前記プロピレン系樹脂、前記ビニル単
量体、および前記ラジカル発生剤の所定量を含む水性懸
濁液を、ラジカル発生剤の分解が実質的に起こらない温
度に昇温してビニル単量体をプロピレン系樹脂に含浸さ
せた後、さらに昇温してグラフト反応を完結させた方法
である。
【0012】ここで、水性懸濁液は、プロピレン系樹脂
の水性懸濁液に、ラジカル発生剤を溶存させたビニル単
量体を加えて攪拌するか、ラジカル発生剤を溶存させた
ビニル単量体の水性懸濁液に、プロピレン系樹脂を加え
て攪拌するいずれかの方法によって作製するのが好まし
い。また、その水性懸濁液中のプロピレン系樹脂および
ビニル単量体の含有量は、水100重量部に対して5〜
100重量部程度であり、安定な分散状態を保つため
に、例えば、ポリビニルアルコール、メチルセルロー
ス、ヒドロキシセルロース等の水溶性高分子、アルキル
ベンゼンスルホネート等の陰イオン性界面活性剤、ポリ
オキシエチレンアルキルエーテル等の非イオン性界面活
性剤、あるいは、酸化マグネシウム、リン酸カルシウム
等の水不溶性の無機塩等の懸濁安定剤を、単独でまたは
併用して、水に対して0.01〜10重量%程度用いる
ことが好ましい。
【0013】プロピレン系樹脂へのビニル単量体の含浸
は、攪拌下、一般的には室温〜100℃、好ましくは6
0〜90℃で、遊離のビニル単量体がビニル単量体全量
の80重量%以下となる程度まで、通常は2〜8時間程
度でなされる。プロピレン系樹脂はビニル単量体と比較
的相溶性があるので、反応開始前にこの程度のビニル単
量体が遊離していても、反応中にこれらのビニル単量体
はプロピレン系樹脂に含浸し、均質な改質樹脂が得られ
る。
【0014】グラフト反応は、一般的には、攪拌下、5
0〜150℃程度の温度、常圧〜10kg/cm2 程度
の圧力で、2〜10時間程度でなされるが、その間の温
度および圧力は、一定である必要はない。なお、反応に
用いられるプロピレン系樹脂は、粉粒状で用いられる
が、平均粒径が1〜8mm、特には3〜7mmの粒子状
であるのが好ましい。
【0015】以上の方法によって得られた改質プロピレ
ン系樹脂は、通常、ビニル単量体がグラフトしたプロピ
レン系樹脂と、ビニル単量体の重合体との混合物である
が、本発明の易開封性シーラント用樹脂フィルムを構成
する樹脂組成物としては、後述する必要により配合され
る他の熱可塑性樹脂との合計量に対して、ビニル単量体
の重合体を30〜60重量%含有することが必須であ
り、35〜55重量%含有することが好ましい。ビニル
単量体の重合体の含有量がこの範囲未満では、封着力が
強過ぎて開封が困難となり、一方、この範囲超過では、
フィルムの均質性が損なわれる。
【0016】従って、本発明における樹脂組成物として
は、改質プロピレン系樹脂中のビニル単量体の重合体の
含有量がこの範囲を満足する場合には、改質プロピレン
系樹脂をそのまま用いることができるが、この範囲を満
足する場合であっても用途に応じて封着性や開封性を調
整する場合、あるいは、この範囲を満足しない場合に
は、改質プロピレン系樹脂に他の熱可塑性樹脂を配合し
て本発明の樹脂組成物とする。そのときの他の熱可塑性
樹脂としては、未改質のプロピレン系樹脂および/また
はビニル単量体の重合体を配合するのが好ましい。ここ
で、未改質のプロピレン系樹脂としては、前記したプロ
ピレン系樹脂と同様のものが挙げられ、また、ビニル単
量体の重合体としては、前記したビニル単量体の重合
体、具体的には、例えば、ポリスチレン、ハイインパク
トポリスチレン、ポリメチルメタクリレート等が挙げら
れる。
【0017】さらに、改質プロピレン系樹脂に配合する
他の熱可塑性樹脂としては、曲げ弾性率(ASTM D
747による)が好ましくは1000kg/cm2
上、特に好ましくは2000kg/cm2 以上、通常5
0000kg/cm2 以下の熱可塑性樹脂、具体的に
は、分岐状または直鎖状の低密度ポリエチレン、中密度
ポリエチレン、高密度ポリエチレン等が代表的なものと
して挙げられる。これらの、未改質のプロピレン系樹脂
およびビニル単量体の重合体以外の他の熱可塑性樹脂の
配合量は、最終樹脂組成物中に前記ビニル単量体の重合
体が30〜60重量%含有される範囲内であればよい
が、通常、改質プロピレン系樹脂100重量部に対して
50重量部以下とするのが好ましい。
【0018】なお、本発明における樹脂組成物には、前
記改質プロピレン系樹脂、前記未改質プロピレン系樹
脂、前記ビニル単量体重合体、および、これら以外の熱
可塑性樹脂の外に、本発明の効果を損なわない範囲で、
酸化防止剤、光安定剤、帯電防止剤、ブロッキング防止
剤、滑剤、可塑剤、顔料等の添加剤、充填材等が配合さ
れていてもよい。これらの配合は、改質に供するプロピ
レン系樹脂に予め加えておくとか、未改質プロピレン系
樹脂やビニル単量体重合体に加えておくとか、樹脂組成
物の製造時に加えるとかの外、改質プロピレン系樹脂の
製造時に、例えば、スチレンモノマーにラジカル発生剤
と共に加える等の方法によってもよい。
【0019】本発明の易開封性シーラント用樹脂フィル
ムは、前記樹脂組成物を、公知のTダイ法、インフレー
ション法等のフィルム成形法によって成形することによ
り製造される。包装容器等のシーラントとしては、実用
上、アルミニウム箔、紙、および、ポリオレフィン系樹
脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂等の各種熱
可塑性樹脂等の基材に押出ラミネートしたラミネートフ
ィルムとして、あるいは各種熱可塑性樹脂との共押出フ
ィルムとして、用いられる。
【0020】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の
実施例に限定されるものではない。 実施例1 50リットル容量のオートクレーブに、水20kgと、
懸濁剤として第三リン酸カルシウム0.6kgとドデシ
ルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.6gとを入れて水
性媒体とし、これに平均粒径3〜4mmのプロピレン−
エチレン共重合体樹脂(密度0.90g/cm3 、メル
トフローレート7g/10分)粒子6kgを加え、攪拌
して水性懸濁液とした。この水性懸濁液に、ラジカル発
生剤としてt−ブチルベンゾイルパーオキサイド60g
を溶解したスチレンモノマー6kgを加え、オートクレ
ーブ内に窒素を導入して系内を0.5kg/cm2 に加
圧した後、オートクレーブ内を90℃に昇温し、この温
度で3時間攪拌して、ラジカル発生剤を含むスチレンモ
ノマーの全量をプロピレン−エチレン共重合体樹脂粒子
中に含浸させた。引き続いて、オートクレーブ内を10
5℃に昇温し、この温度で1時間攪拌してグラフト反応
を行い、さらに125℃に昇温し、この温度で8.5時
間攪拌して反応を完結させた。冷却後、反応固形物を取
り出して水洗し、粒子状の改質プロピレン−エチレン共
重合体樹脂12kgを得た。得られた改質プロピレン系
樹脂(改質プロピレン系樹脂Aとする。)は、ポリスチ
レン50重量%を含有するメルトフローレート2g/1
0分の樹脂組成物であった。
【0021】得られた改質プロピレン系樹脂Aを、Tダ
イを装備した35mm径のフィルム成形機を用い、成形
温度230℃で、厚み30μのフィルムに成形し、この
フィルムと厚み15μのナイロンフィルムとをドライラ
ミネート接着剤を介して貼り合わせ積層フィルムとし
た。得られた積層フィルムについて、以下の方法で、プ
ロピレン系樹脂に対する熱封着性能を評価し、結果を表
1に示した。
【0022】剥離強度 積層フィルムを、前記樹脂組成物の層を接着面として、
熱板式ヒートシーラーを用い、温度160℃、180
℃、および200℃、圧力2kg/cm2 、時間1秒
で、厚み0.3mmのホモポリプロピレンシート基材と
5mm幅で熱圧着し、その接着部を15mm長さでサン
プリングし、インストロン型引張試験機を用い、23℃
で、接着幅方向に引張速度300mm/分で剥離するこ
とにより180度剥離強度を測定した。開封性 剥離強度測定後の試験片の剥離面における糸状物の有無
により、糸状物がないものを○、糸状物があるものを×
として、糸引き性を評価した。封着性 積層フィルムを、前記樹脂組成物の層を接着面として、
水35ccを入れた容量70ccのホモポリプロピレン
製容器の口部に、熱板式ヒートシーラーを用い、温度1
80℃、圧力2kg/cm2 、時間1秒で、熱圧着し、
その容器を95℃の恒温槽中に30分間放置した後、積
層フィルムの剥離の有無により、剥離がないものを○、
剥離があるものを×として評価した。
【0023】実施例2 プロピレン系樹脂としてホモポリプロピレン(密度0.
90g/cm3 、メルトフローレート11g/10分)
を7.2kg用いたことと、スチレンモノマーを4.8
kg用いたことの外は、実施例1と同様にして、粒子状
の改質ポリプロピレン樹脂粒子12kgを得た。得られ
た改質プロピレン系樹脂(改質プロピレン系樹脂Bとす
る。)は、ポリスチレン40重量%を含有するメルトフ
ローレート4g/10分の樹脂組成物であった。この改
質プロピレン系樹脂Bから実施例1と同様にして、積層
フィルムを作製し、熱封着性能を評価して、結果を表1
に示した。
【0024】実施例3、4 実施例1で得られた改質プロピレン系樹脂A、および実
施例2で得られた改質プロピレン系樹脂Bに、それぞ
れ、実施例1で用いたと同じプロピレン−エチレン共重
合体を表1に示す割合で、ポリスチレン含有量40重量
%および30重量%となるように配合して樹脂組成物を
製造し、実施例1と同様にして、積層フィルムを作製
し、熱封着性能を評価して、結果を表1に示した。
【0025】実施例5 実施例1で得られた改質プロピレン系樹脂Aにホモポリ
スチレン(密度1.05g/cm3 、メルトフローレー
ト16g/10分)を表1に示す割合で、ポリスチレン
含有量55重量%となるように配合して樹脂組成物を製
造し、実施例1と同様にして、積層フィルムを作製し、
熱封着性能を評価して、結果を表1に示した。
【0026】実施例6 実施例1で得られた改質プロピレン系樹脂Aに、実施例
1で用いたと同じプロピレン−エチレン共重合体樹脂と
実施例5で用いたと同じホモポリスチレンとを表1に示
す割合で、ポリスチレン含有量50重量%となるように
配合して樹脂組成物を製造し、実施例1と同様にして、
積層フィルムを作製し、熱封着性能を評価して、結果を
表1に示した。
【0027】比較例1 プロピレン−エチレン共重合体樹脂を4kg、スチレン
モノマーを8kg用いたことの外は、実施例1と同様に
して、粒子状の改質プロピレン−エチレン共重合体樹脂
粒子12kgを得た。得られた改質プロピレン系樹脂
(改質プロピレン系樹脂Cとする。)は、ポリスチレン
65重量%を含有するメルトフローレート4g/10分
の樹脂組成物であった。この改質プロピレン系樹脂Cか
ら実施例1と同様にしてフィルム成形を試みたが、実用
に供し得るような均質なフィルムを得ることができなか
った。
【0028】比較例2、3 実施例1で得られた改質プロピレン系樹脂Aに、実施例
1で用いたと同じプロピレン−エチレン共重合体を表1
に示す割合で、ポリスチレン含有量25重量%および2
0重量%となるように配合して樹脂組成物を製造し、実
施例1と同様にして、積層フィルムを作製し、熱封着性
能を評価して、結果を表1に示した。
【0029】比較例4 実施例1で得られた改質プロピレン系樹脂Aに、エチレ
ン−プロピレン共重合体ゴム(メルトフローレート3.
2g/10分)を表1に示す割合で、ポリスチレン含有
量40重量%となるように配合して樹脂組成物を製造
し、実施例1と同様にして、積層フィルムを作製し、熱
封着性能を評価して、結果を表1に示した。
【0030】
【表1】
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、包装容器または包装袋
等に熱封着して、その充分な封着力を有すると共に、開
封時の開封が容易な易開封性シーラント用樹脂フィル
ム、特に、被熱封着部表面がプロピレン系樹脂により形
成された包装容器または包装袋等に対するシーラント用
に好適な易開封性シーラント用樹脂フィルムを提供する
ことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 25/04 C08L 25/04 C09K 3/10 C09K 3/10 Z

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プロピレン系樹脂40〜70重量%とビ
    ニル単量体60〜30重量%をグラフト反応条件に付し
    て得られた改質プロピレン系樹脂と必要により配合され
    る他の熱可塑性樹脂からなる樹脂組成物であって、該ビ
    ニル単量体の重合体を30〜60重量%含有する樹脂組
    成物からなることを特徴とする易開封性シーラント用樹
    脂フィルム。
  2. 【請求項2】 グラフト反応条件が、プロピレン系樹
    脂、ビニル単量体、およびラジカル発生剤を含む水性懸
    濁液を、ラジカル発生剤の分解が実質的に起こらない温
    度に昇温してビニル単量体をプロピレン系樹脂に含浸さ
    せた後、さらに昇温してグラフト反応を完結させたもの
    である請求項1に記載の易開封性シーラント用樹脂フィ
    ルム。
  3. 【請求項3】 樹脂組成物が、改質プロピレン系樹脂
    に、他の熱可塑性樹脂として未改質プロピレン系樹脂お
    よび/またはビニル単量体の重合体を配合してなる請求
    項1または2に記載の易開封性シーラント用樹脂フィル
    ム。
  4. 【請求項4】 ビニル単量体が芳香族ビニル化合物であ
    る請求項1ないし3のいずれかに記載の易開封性シーラ
    ント用樹脂フィルム。
  5. 【請求項5】 被熱封着部表面がプロピレン系樹脂によ
    り形成された包装容器または包装袋に対するシーラント
    用である請求項1ないし4のいずれかに記載の易開封性
    シーラント用樹脂フィルム。
JP26333497A 1997-01-22 1997-09-29 易開封性シーラント用樹脂フィルム Pending JPH11100483A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007515542A (ja) * 2003-12-22 2007-06-14 ノバ・ケミカルズ・インコーポレイテツド インターポリマー樹脂粒子

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